特許第6641277号(P6641277)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6641277不定形耐火物組成物の製造のための珪アルミン酸塩含有集合体、その製造方法及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641277
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】不定形耐火物組成物の製造のための珪アルミン酸塩含有集合体、その製造方法及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C04B 38/00 20060101AFI20200127BHJP
   C04B 38/06 20060101ALI20200127BHJP
   C04B 35/185 20060101ALI20200127BHJP
   C04B 41/83 20060101ALI20200127BHJP
   C04B 35/66 20060101ALI20200127BHJP
   F27D 1/10 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   C04B38/00 303Z
   C04B38/06 D
   C04B35/185
   C04B41/83 A
   C04B35/66
   F27D1/10
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-539093(P2016-539093)
(86)(22)【出願日】2014年12月12日
(65)【公表番号】特表2017-505275(P2017-505275A)
(43)【公表日】2017年2月16日
(86)【国際出願番号】EP2014077601
(87)【国際公開番号】WO2015086829
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2017年12月12日
(31)【優先権主張番号】13290315.4
(32)【優先日】2013年12月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515317282
【氏名又は名称】カルデリス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100156982
【弁理士】
【氏名又は名称】秋澤 慈
(72)【発明者】
【氏名】ソウディエ ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】デュロマイン カミーユ
【審査官】 小川 武
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−317178(JP,A)
【文献】 特開昭58−099158(JP,A)
【文献】 特開2003−002754(JP,A)
【文献】 特開平06−340471(JP,A)
【文献】 特開平07−126080(JP,A)
【文献】 国際公開第01/090030(WO,A1)
【文献】 マテリアルデータベース編集委員会編,マテリアルデータベース,1989年 1月25日,P.80-82
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/00−35/84,38/00−38/10
F27D 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
d50の等価細孔径が1μm以上と50μm以下の間にあり且つ開口気孔率が20%以上60%以下であり、70から95質量%までのAl2O3、3から10質量%までのSiO2及び1.86から5質量%までのFe2O3を含む、多孔質珪アルミン酸塩骨材。
【請求項2】
d10の等価細孔径が30μm以下である、請求項1記載の多孔質珪アルミン酸塩骨材。
【請求項3】
見掛け密度が2.5g・cm-3以下である、請求項1記載の多孔質珪アルミン酸塩骨材。
【請求項4】
主要相としてコランダム及びムライトを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質珪アルミン酸塩骨材。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか1項に記載の多孔質珪アルミン酸塩骨材の調製方法であって、
(a) (i)珪アルミン酸塩純粋なアルミナ及びこれらの混合物より選ばれる、粉砕されたアルミナ含有ベース材料;
(ii)細孔形成剤; 及び
(iii)水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム及びアルミナ水和物からなる群より選ばれる金属水酸化物
の微粒子混合物を準備する工程;
(b)ペレット化された混合物を得るためにペレタイザーにおいて前記微粒子混合物に結合剤を添加する工程;
(c)多孔質珪アルミン酸塩骨材を得るために工程(b)の終わりに得られたペレット化された混合物を焼成する工程;及び
(d)任意に行う工程であって、工程(c)の終わりに得られた焼成ペレットを疎水ポリマーでコーティングする工程;
を含み、
前記多孔質珪アルミン酸塩骨材がd50の等価細孔径が1μm以上と50μm以下の間にあり且つ開口気孔率が20%以上60%以下であり、70から95質量%までのAl2O3、3から10質量%までのSiO2及び他の金属酸化物を含む、前記方法。
【請求項6】
粉砕されたアルミナ含有ベース材料が200μmのd90及び45μm以下のd50を有するか焼ボーキサイト、及び1000μmのd90及び500μm以下のd50を有する原料ボーキサイトを含み且つ粉砕されたボーキサイトがか焼後に80質量%より多くのAl2O3、10質量%未満のSiO2及び5質量%未満のFe2O3を含んでいる、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記細孔形成剤が、炭水化物、カーボンブラック、ポリマー粒子、穀粉及びこれらの混合物の群より選ばれ、及び細孔形成剤が、150μm以下のd90及び45μm以下のd50を有する超微細の単糖又は多糖である、請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
金属水酸化物が、水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム及びアルミナ水和物の群より選ばれ、及び金属水酸化物が、60μmのd90及び40%以下の1000℃における強熱減量を有する、請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
工程(a)の混合物が、混合物の全質量に基づき、65から90質量%までの粉砕されたアルミナ含有ベース材料、5から20質量%までの細孔形成剤及び5から20質量%までの金属水酸化物からなる、請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
工程(b)において、添加される結合剤量が、前記微粒子混合物の全質量に基づき、15質量%以下である、請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記添加される結合剤量が2質量%から10重量%までである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
工程(c)において、焼成が1200℃以上の温度で2時間以上行われる、請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
65から90質量%までの粉砕されたアルミナ含有ベース材料、5から20質量%までの細孔形成剤及び5から20質量%までの金属水酸化物からなる、請求項12のいずれか1項に記載の方法に用いるための微粒子混合物。
【請求項14】
不定形耐火物組成物の調製における、請求項1〜のいずれか1項に記載の多孔質珪アルミン酸塩骨材又は請求項12のいずれか1項に記載の方法から得られる多孔質珪アルミン酸塩骨材の使用であって、任意に前記多孔質珪アルミン酸塩骨材が、前記不定形耐火物組成物の60質量%以下を形成していてもよい、前記使用。
【請求項15】
前記不定形耐火物組成物が、70質量%以上のAl2O3、20質量%以下のSiO2及び5質量%以下のCaOを含んでおり、及び/又は、前記不定形耐火物組成物が、800℃において2.8t・m-3以下の密度を有し、及び/又は前記不定形耐火物組成物が、3W・m-1・K-1以下の熱伝導性を有する、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記不定形耐火物組成物が、800℃において2.8t・m-3未満の密度を有する、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
請求項1〜のいずれか1項に記載の多孔質珪アルミン酸塩骨材を含んでいる不定形耐火物組成物。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、アルミナ含有多孔質骨材を調製する方法に関する。本発明は、更に、該方法によって得られたアルミナ多孔質骨材及び不定形耐火物組成物の調製におけるその使用に関する。多孔質骨材の形成に用いるための微粒子混合物もまた本発明の一部である。
【0002】
発明の背景
耐火物は、高温用途における耐熱性バリヤとしての使用に適したものにする特性を有する材料である。形作られていない耐火材料は、継ぎ目のないライニングを形成する能力を有し、しばしばモノリシックと呼ばれる。これらの材料は、例えば、キューポラ炉床やサイフォンのためのライニング、溶鉱炉、主ランナー、副ランナー、傾斜ランナーとして、より一般的には液体金属及びスラグ、又は他の任意の高温の液体、固体又は気体を含有するか、それの流れを送るか、又はそれの工業用処理を容易にするのに適している容器又は容器注ぎ口、レードル、タンデッシュ、反応チャンバ、トラフとして有用である。
高密度材料は、密度が高いために熱伝導率が大きくなる。それ故、熱伝導率を低下させるために不定形耐火物の密度の低下が使われてきた。このことは、以前に、種々の方法で達成されている:
密度の低い骨材、例えば高シリカ含有材料を耐火物組成物へ組み込むことが用いられた。しかしながら、これにより耐火性が低下することになり且つその使用が低温用途に制限される。
高気孔率を有する軽量骨材、例えばバーミキュライト、バブルアルミナ、又は軽量シャモットを組み込むことも用いられた。しかしながら、このような骨材の細孔径分布は高割合の100μm以上の細孔が存在することになり、物理的性質とスラグ及び/又は溶融金属に対する浸透抵抗性について負の影響を有する。
【0003】
追加の水又は細孔形成剤、例えばポリマー微粒子又はおがくずの使用によって耐火性マトリックスへ多孔性を組み込むことも知られている。この場合、追加の多孔性によって、浸透抵抗性と圧縮強度が共に大幅に低下することになる。
また、いくつかの絶縁耐火物は、適切な結合によって保持されるアルミナの中空小球から形成された。しかしながら、アルミナはムライト(アルミナ-シリカ)のような他の材料と比較して比較的高い温度伝導性を有するので、その絶縁性は充分には満足でない。
米国特許第4,927,611号明細書には、見掛け気孔率の高い軽量マグネシアクリンカーを得る方法が開示されている。しかしながら、そのような耐火材料を得る方法は、特にアルミナ-シリカ質耐火物と比較して、経済的に不利である。
耐火物の密度、開口気孔率、嵩密度のようないくつかのパラメータは、材料の機械的性質を評価するために求められなければならない。高アルミナ及び低シリカ含有量を有する従来の絶縁耐火物組成物の1つの欠点は、乾式加圧成形後、充分な取扱特性がないことである。このことは、特にアルミナ多孔質耐火物の場合には問題である。それ故、適切な冷間圧縮強度を有する耐火材料が望ましい。
米国特許第4,992,397号には、粒状耐火性骨材及び55〜80質量%の非晶質シリカを含むセメント結合剤からなるキャスタブル耐火物組成物が開示されている。しかしながら、この耐火物は、アルミナベースの耐火物と比較して高耐熱性を与えない。
米国特許第6,238,618 B1号明細書には、ろ過のために適しているムライトベースの多孔質セラミック材料を製造する方法が開示されている。しかしながら、この材料は、耐火物組成物としてその使用に有害である高い浸透性を示している。更にまた、軽量多孔質骨材は充分に結合されてなく、低耐摩耗性につながる。
【0004】
欧州特許出願公開第2 060 640 A1号明細書には、ペレット化の際に反応して、ガス状CO2を形成し、最終生成物における開口気孔と密閉気孔の存在につながる、炭酸塩ベースの反応化合物及びパートナー化合物を添加することによって形成される軽量耐火性多孔質ペレットを形成する方法が開示されている。形成される気孔が200μm以上の直径を有することにより、低耐摩耗性及び低機械抵抗を有するペレットがもたらされる。
耐火物組成物中の中空構造(例えば細孔)の寸法と分布は、高温において材料の物理的強度の程度を定量する。耐火材料を製造する従来の方法は、簡単で、経済的に実行可能で且つ制御された気孔形成プロセスを可能にしない。それ故、当該技術の状態には問題がある。
本発明の目的は、熱伝導性が低いことを除いて同一の軽量でないモノリシックと比較した場合に物理的性質(圧縮強度、耐摩耗性、荷重軟化温度等)が低下しないか又は許容限度内にわずかだけ低下する軽量製品を提供することである。
更なる目的は、同一用途に軽量でないモノリシックよりも前記軽量モノリシックを用いるので、スラグ及び/又は溶融金属への浸透が減少しないか又は目標用途に対する使用を阻止しない特定の限度内にわずかに減少することである。
【0005】
発明の簡単な説明
本発明は、添付の特許請求の範囲に定義されている。
特に、本発明は、70から95質量%までのAl2O3、3から10質量%までのSiO2を含み、更に5質量%までのFe2O3を含んでいてもよい多孔質骨材によって具体化される。本発明の一実施態様の多孔質骨材は、d50の等価細孔径が1μm以上で50μm以下、及び/又はd10の等価細孔径が30μm以下、又は20μm以下、又は15μm以下であることができる。例えば、d50の等価細孔径は、2μmから40μmまで、例えば5μmから30μmまで、又は20μm以下であってもよい。本発明の一実施態様によれば、多孔質骨材は、開口気孔率が20%以上で60%以下、及び/又は全気孔率が20%と60%の間であることができる。本発明の更なる実施態様によれば、多孔質骨材は、見掛け密度が2.5g・cm-3以下、例えば2.4g・cm-3以下又は2.3g・cm-3以下又は2.2g・cm-3以下であることができる。
本明細書に用いられる本発明の骨材は、珪アルミン酸塩骨材である。
本発明の個々の一実施態様によれば、多孔質骨材は、ポリマーで更に被覆されてもよく、結果として20%以下、例えば15%以下又は10%以下の開口気孔率を有する。前記ポリマーは、熱硬化性結合剤、熱焼入れ性結合剤、多成分反応性結合剤及び石油副産物ポリマー、例えば20と40個の間の炭素原子を含有する炭化水素分子又はワックスからなる群より選ばれてもよい。
【0006】
本発明の個々の一実施態様によれば、多孔質骨材は、主要相としてコランダム及びムライトを有することができる。
本発明の多孔質骨材の調製方法であって、粉砕されたアルミナ含有ベース材料、気孔形成剤及び金属水酸化物の微粒子混合物を準備する工程; ペレット化混合物を得るためにペレタイザー中の前記微粒子混合物に結合剤を添加する工程; 及び珪アルミン酸塩多孔質骨材を得るために前の工程の終わりに得られたペレット化混合物を焼成する工程を含む、前記方法もまた本発明の一部である。本発明の個々の一実施態様において、方法は、前の工程の終わりに得られた焼成されたペレットを、熱硬化性結合剤、熱焼入れ性結合剤、多成分反応性結合剤及び石油副産物ポリマーからなる群より選ばれてもよい、ポリマーで被覆する追加の工程を含むことができる。一実施態様において、ポリマーは、20と40個の間の炭素原子を含有する炭化水素分子、例えばワックス又は炭化水素含有熱硬化性化合物であってもよい。
本発明の一実施態様によれば、本発明の方法に従って得られた骨材は、引き続き1300℃までの温度で焼成した場合に20%以上の気孔率を保持する。更にまた、本発明の更なる一実施態様によれば、本発明の方法に従って得られた骨材は、引き続き1300℃までの温度で焼成された場合に等価細孔径のd50を保持する。
本発明の一実施態様によれば、粉砕されたアルミナ含有ベース材料は、1つ以上の珪アルミン酸塩、純粋なアルミナ及びこれらの混合物より選ばれてもよい。本発明の更なる実施態様によれば、方法に用いるための粉砕されたアルミナ含有ベース材料は、d90が約200μm、又は100μmと300μmの間、例えば150μmと250μmの間、及びd50が45μm以下であるか焼ボーキサイトを含むことができ、且つ/又は粉砕されたボーキサイトは、80質量%より多いAl2O3、10質量%未満のSiO2及び5質量%未満のFe2O3を含むことができる。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、方法に用いられる気孔形成剤は、炭水化物、カーボンブラック、ポリマー粒子、穀粉及びこれらの混合物からなる群より選ばれてもよい。例えば、気孔形成剤は、150μm以下のd90及び/又は45μmのd50を有する単糖又は多糖であってもよい。
本発明の一実施態様によれば、用いられる金属水酸化物は、水酸化アルミニウム、水酸化酸化アルミニウム、アルミナ水和物及びその混合物からなる群より選ばれてもよい。方法に用いられる金属水酸化物は、60μm、又は30μmと100μmの間、例えば45μmと80μmの間のd90、及び40%以下の1000℃における強熱減量を有することができる。
本発明の一実施態様によれば、方法に用いるための微粒子混合物の成分の割合は、65から90質量%の粉砕されたアルミナ含有ベース材料、5から20質量%までの細孔形成剤及び5から20質量%までの金属水酸化物であることができる。
本発明の一実施態様によれば、微粒子混合物に添加される結合剤量は、15質量%以下、例えば2から12質量%まで又は5から10質量%までであることができる。結合剤は、液体結合剤、例えば液体有機結合剤又は水、又は一緒に反応して、ゲル、例えばセルロースを形成することができる、固体結合剤と水の混合物であってもよい。
本発明の一実施態様によれば、焼成は、1200℃以上の温度で2時間以上の時間行うことができる。
【0008】
本発明の形成方法に用いるための微粒子混合物もまた本発明の一部であり、微粒子混合物は65から90質量%までの粉砕されたアルミナ含有ベース材料、5から20質量%までの細孔形成剤及び5から20質量%までの金属水酸化物からなる。
本発明は、更に、不定形耐火物組成物の製造のための本発明の多孔質骨材の使用に関する。一実施態様によれば、多孔質骨材は、得られた不定形耐火物組成物の60質量%以下を形成するような量で用いることができる。一実施態様によれば、多孔質骨材は、最終的に得られた不定形耐火物組成物が70質量%以上のAl2O3、20質量%以下のSiO2及び5質量%以下のCaOを含むような量で用いることができる。得られた不定形耐火物組成物は、800℃において2.8t・m-3以下、例えば2.7t・m-3以下又は2.6t・m-3以下の密度及び/又は3W・m-1・K-1以下の熱伝導性を有することができる。
本発明の多孔質骨材を含む不定形耐火物組成物もまた本発明の一部である。
【0009】
下記の図面によって本発明を更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1及び図2は、本発明の多孔質骨材ペレットにおいて測定された細孔径分布曲線を表すグラフである。
図2図1及び図2は、本発明の多孔質骨材ペレットにおいて測定された細孔径分布曲線を表すグラフである。下記の説明及び図面についての説明は本発明の例示的実施態様に関するものであり、特許請求の範囲を制限するものでないことは理解される。
【0011】
下記の説明及び図面についての説明は本発明の例示的実施態様に関するものであり、特許請求の範囲を制限するものでないことは理解される。
【0012】
発明の詳細な説明
添付の特許請求の範囲に記載の本発明は、耐火物組成物の形成に用いるための多孔質骨材、前記多孔質骨材を形成する方法、前記方法に準備される組成物だけでなく、不定形耐火物の形成における多孔質骨材の使用を提供する。
多孔質骨材は、アルミナベースのシリカ含有骨材である。多孔質骨材は、75から95質量%までのAl2O3、例えば78から92質量%までのAl2O3、又は80から90質量%までのAl2O3、例えば85質量%以上のAl2O3を含むことができる。多孔質骨材は、更に、3から10質量%までのSiO2、例えば4〜8質量%の間のSiO2、又は4.5から6質量%までのSiO2、例えば5質量%以上のSiO2を含むことができる。多孔質骨材は、また、他の金属酸化物、例えば5質量%以下のFe2O3、又は3質量%以下のFe2O3を含んでいてもよい。一実施態様によれば、多孔質骨材は、更に、5質量%以下のTiO2、又は3質量%以下のTiO2を含んでいてもよい。
本発明の多孔質骨材は、d50の等価細孔径が50μm以下、例えば30μm以下、又は15μm以下、又は10μm以下であることができる。本明細書に用いられる細孔容積、細孔容積分布及び等価細孔径は、水銀圧入ポロシメトリー法(ASTM D4404-10)によって測定されている。
本発明の多孔質骨材は、開口気孔率が20%以上、例えば25%以上、及び全気孔率が20%から60%まで、例えば25%から50%まで、又は30%から45%まで、例えば40%以上であることができる。本明細書に用いられる開口気孔率だけでなく全気孔率もアルキメデス原理(ASTM C20)によって測定されている。
本発明の多孔質骨材は、見掛け密度が2.5g・cm-3以下、例えば2.1g・cm-3以下、又は2.0g・cm-3以下、又は1.8g・cm-3以下であることができる。一実施態様においては、本発明の多孔質骨材の見掛け密度は、1.5から2.5g/cm3まで、又は1.0から2.2g/cm3までであり得る。本明細書に用いられる見掛け密度もまた、アルキメデス原理(ASTM C20)によって測定されている。
【0013】
本発明の多孔質骨材は、一実施態様において、ポリマーで被覆されてもよい。開口気孔率を有する骨材を組み込むことによって、不定形耐火物の配置の間に水を流し込むための要求がより高くなる。この追加の水によって、制御されない気孔率の上昇が生じ且つ鍵となるモノリシックプロパティ(機械的強度、耐摩耗性、溶融スラグ/金属に対する浸透抵抗性)の劣化が生じる。骨材上に備えられるコーティングは、この欠点を回避するとともに非多孔質骨材を含むキャスタブルと同じレベルの水を用いることができる。多孔質骨材を被覆することによって、このことは骨材への吸水を防止する助けになる。多孔質骨材をポリマーで被覆した後、前の多くの開口気孔が密閉気孔又は内部気孔になり、開口気孔率を20%以下、又は10%以下、例えば5%以下に減少させることができる。一実施態様において、開口気孔率は、1から20%まで、又は2から10%まで、又は3から5%までであることができる。コーティングは、モノリシックキャスティングの間の吸水を防止する。
このことは、等価な流動特性と配置特性に到達するために追加の水を添加する必要を回避することができる。
本発明の多孔質骨材は、個別に成形されたペレット、例えば当業者に知られているペレタイザーから得られるペレットの形状に存在してもよい。ペレットは、1mm、又は2mm、又は例えば0.5mmから20mmまでの範囲内のどれでも、例えば5mmのペレット直径を有することができる。
【0014】
特に明記しない限り、本明細書に述べられる等価粒径(d90、及びd50の値)は、周知の方法でMicromeritics Instruments社、Norcross、ジョージア州、米国(ウェブサイト: www.micromeritics.com)から供給されるSedigraph 5100マシンを用いて水性媒体に完全に分散された条件で微粒子材料の沈降によって測定された通りであり、本明細書では「Micromeritics Sedigraph 5100ユニット」と記載される。このようなマシンは、測定値及び『等価球径』(esd)として当該技術において呼ばれる、所定のesd値より小さいサイズを有する粒子の累積質量パーセントのプロットを与える。平均粒子径d50は、粒子の50質量%がそのd50値未満の等価球径を有する粒子esdのこのようにして求めた値である。
本発明の一態様によれば、多孔質骨材は、本発明の方法を用いて形成されることができる。それ故、本発明は、ペレット化珪アルミナ多孔質骨材を調製して、例えば冶金学的容器のライニングとして用いるための不定形耐火物組成物のような耐火物組成物を形成する方法を提供する。本発明の方法に従って得られた珪アルミナ多孔質骨材は、形成された不定形耐火物組成物の大部分を構成するように、又は更なる成分を含む不定形耐火物組成物の一部のみ、例えば前記形成された不定形耐火物組成物の60質量%以下、又は形成された前記不定形耐火物組成物の50質量%以下、例えば前記不定形耐火物組成物の5質量%から40質量%又は20質量%から30質量%までを構成するように用いることができる。
【0015】
本発明によれば、耐火物組成物を形成するための珪アルミナ多孔質骨材が微粒子混合物の成分としてベース材料、細孔形成剤及び金属水酸化物を含有する粉砕されたアルミナを準備することによって得ることができることがわかった。次に、ペレタイザー中の前記微粒子混合物に結合剤を添加し、引き続き前記ペレタイザーにおいてペレット化される。次に、得られたペレットは、本発明の多孔質骨材を得るために焼成される。
一実施態様において、方法に用いられる微粒子混合物は、混合物の全質量に基づき、65質量%〜90質量%の粉砕されたアルミナ含有ベース材料、5質量%〜20質量%の細孔形成剤及び5質量%〜20質量%の金属水酸化物を含むか又はそれらからなる。粉砕されたアルミナ含有ベース材料の種類によっては、用いられる量は、60質量%から80質量%まで、例えば70質量%又は72質量%又はそれ以上の粉砕されたアルミナ含有ベース材料に変動してもよい。用いられる細孔形成剤の量は、細孔形成剤の種類によっては変動してもよく、8質量%から18質量%まで、又は10質量%から15質量%まで、例えば14質量%以上に変動してもよい。用いられる金属水酸化物の量は、細孔形成剤の種類によっては変動してもよく、8質量%から18質量%まで、又は10質量%から15質量%まで、例えば14質量%以上に変動してもよい。
【0016】
前記アルミナ含有ベース材料は、珪アルミン酸塩、珪アルミン酸塩化合物混合物、純粋なアルミナを含有する混合物、珪アルミン酸塩コンパウンド、及びこれらの混合物からなる群より選ばれてもよい。珪アルミン酸塩は、原料粘土(例えばカオリナイト、モンモリロナイトスメクタイト、パイロフィライト、ハロイサイト、イライト、バーミキュライト、パリゴルスカイト)、か焼粘土(例えばメタカオリン又はシャモット)、原料アルミノケイ酸塩又は合成アルミノケイ酸塩(例えばカイヤナイト、シリマナイト又はアンダルサイト)、原料ボーキサイト又はか焼ボーキサイト、純粋なアルミナと原料珪質化合物又は合成珪質化合物(例えば珪岩、トリジマイト、クリストバライト、溶融石英、砂、ヒュームシリカ、炭化珪素)の混合物、及びこれらの混合物の群より選ばれてもよい。
本発明の一実施態様において、アルミナベースの出発材料は、粉砕されたか焼ボーキサイト又はアルミナ含有材料と200μm以下のd90及び45μmのd50を有するか焼ボーキサイト及び/又は1000μmのd90及び500μm以下のd50を有する原料ボーキサイトの混合物であり、且つ/又は粉砕されたボーキサイトは、か焼後に80質量%以上のAl2O3、10質量%以下のSiO2及び5質量%以下のFe2O3を含んでいる。一実施態様において、粉砕されたボーキサイトは、82質量%以上のAl2O3、例えば85質量%以上のAl2O3、9質量%以下のSiO2、例えば8質量%以下のSiO2及び5質量%以下のFe2O3、例えば4質量%以下のFe2O3、又は3質量%以下のFe2O3を含んでいる。一実施態様において、粉砕されたボーキサイトは、約89質量%のAl2O3、約6.5質量%のSiO2及び約1.5質量%のFe2O3を含んでいる。
本発明の珪アルミン酸塩多孔質骨材を得るために、微粒子混合物は、ペレタイザーに入れられ、結合剤と混合される。ペレタイザーの作用によって、微粒子混合物のペレットが得られる。微粒子混合物に添加される結合剤量は、微粒子混合物の全質量に基づき、8質量%以下、例えば6質量%以下、又は例えば5質量%以下であることができる。
【0017】
次の工程において、本発明のペレットは、1500℃まで、例えば1400℃以下、又は1200℃以下、例えば約1000℃又は約1100℃の温度で、8時間まで、例えば3から7時間又は約5時間までの時間焼成される。
更なる工程において、焼成されたペレットは、ポリマーで被覆されてもよい。このポリマーは、固体熱可塑性剤、熱焼入れ性(熱硬化性)結合剤及び液体結合剤、場合により多成分結合剤より選ばれてもよい。結合剤は、例えば、セルロース、酢酸酪酸セルロース、アルキド、フェノール結合剤、ポリエステル結合剤(例えばポリカプロラクトン又はポリエチレンテレフタレート)、ビニルポリマー(例えばポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル、ポリエチレン又はポリプロピレン)、ポリウレタン結合剤、20個以上の炭素原子を有する直鎖炭化水素、芳香族アルカン、グリコール(例えばPEG 1000)、ポリ乳酸、又はポリイミドからなる群より選ばれてもよい。液体結合剤、必要により多成分結合剤は、例えば、アルキド(レチキュレーション速度の調整のためにコバルト誘導触媒を添加できる)、フェノール樹脂(触媒を添加できる)、ポリエステル(触媒を添加できる)、ポリウレタン(ポリイソシアネートが水分存在のため網状になる、又は第2の液状成分、例えばポリオールの添加及び触媒、例えばアミンの存在ため網状になる)又はエポキシ(第2の液状成分、例えばアミンの存在のため網状になる)を含む群より選ばれてもよい。コーティング用のポリマーは、疎水ポリマー、例えばワックスであってもよい。ペレットを疎水ポリマーで被覆すると、ペレット骨材への吸水を回避するか又は減少させることができる。得られた多孔質骨材は、例えば冶金学的容器のライニングとして、不定形耐火物組成物を形成するための出発材料であることができる。
【0018】
本明細書に記載されているように多孔質骨材をポリマーで被覆する工程もまた、本明細書に記載されている本発明の一部である。被覆されたペレットも被覆されていないペレットも本発明の一部と考えられる。
被覆された多孔質骨材は、ペレタイザー、ミキサー、ハインリッヒミキサー又はコンクリートミキサーのような特別な装置において回転している間に骨材へのポリマーの簡単な適用によって得ることができる。ミキサーにおける前記骨材の回転は、いかなる塊の形成も防止する。コーティングが硬く均一であるときに前記ミキサー回転を停止させる。
本発明の骨材を形成するための微粒子混合物の主な成分は、粉砕されたボーキサイトであってもよい。微粒子混合物における使用前の粉砕されたボーキサイトのか焼が、特に高温(≧1400℃)で、骨材の気孔率の安定性に寄与することがわかった。上述したように、これは全微粒子混合物の25質量%から90質量%まで、例えば50質量%から70質量%までである。
本発明の方法に用いるためのボーキサイトは、d90が200μm以下、例えば100μm以下、又は80μm以下であるような粒径分布を有することができる。更に、粒径分布は、粒子の50質量%が45μmより小さい粒径を有するか、又は粒子の60質量%が45μmより小さい粒径を有するか、又は粒子の70質量%が45μmより小さい粒径を有するようなものであってもよい。
【0019】
高温伝導性は高密度材料の固有特性であるので、低温伝導性を有する耐火材料を形成するために、材料の密度は低いことが好ましい。耐火材料の密度を下げるいくつかの方法、例えば軽量シャモット又はバーミキュライトのような軽量骨材タイプを組み込むことによる方法が以前に提案されている。しかしながら、この方法は、熱時に低耐火性及び低耐摩耗性を与え、前記骨材は低融点を有する。更に、該骨材の細孔径分布は、高い値を有するd10を示している。この高い値は大きい直径を有する細孔を有する気孔率を示すことにより、スラグ又は溶鋼と接触させた場合には低機械的強度及び低浸透抵抗性につながる。本発明によれば、微粒子混合物に細孔形成剤、例えば炭水化物を与えることにより、最初の凝集段階の間に結合活性の生成及び超微細多孔性の制御された形成が可能になる。細孔形成剤は、全微粒子混合物の5質量%から20質量%までであることができる。ペレット化の後、粒状混合物は1500℃以下の温度で2時間以上焼成される。焼成温度により細孔形成剤が揮発し、それによって、既知のサイズの空間(細孔)及び分布が生じる。本発明の方法によって得られた珪アルミン酸塩多孔質骨材は、20μm以下、例えば15μm以下、又は10μm以下の平均細孔径を示すことができる。
多孔質骨材の機械的性質に影響する他のパラメータは気孔率であり、材料の中の隙間のパーセントを示すものである。細孔形成剤の微粒子混合物への添加によって、炭水化物のような細孔形成剤の量と粒径分布が既知であるので、得られたペレット、従って最終耐火ライニングの密度に影響され得る。本発明の細孔形成剤として用いることができる炭水化物の粒径分布d90は、d90が100μm以下、例えば80μm以下であるようなものであってもよい。更に、粒径分布は、粒子の50質量%が45μmより小さい粒径を有するか、又は粒子の60質量%が45μmより小さい粒径を有するか、又は粒子の70質量%が45μmより小さい粒径を有する。本発明の方法によれば、細孔形成剤は1000℃で99.9%の強熱減量を有することができる。
【0020】
金属水酸化物は、本発明の方法において前記微粒子混合物の一部として準備される。金属水酸化物は、超微細多孔性の生成に寄与する。更に、金属水酸化物は、凝集と焼成の工程の間に強度を与える。金属水酸化物は、ブルーサイト(水酸化マグネシウム)、水酸化アルミニウム、消石灰(水酸化カルシウム)、水酸化酸化アルミニウム及びアルミナ水和物(例えば水和性アルミナ又はρ-アルミナ)、及びこれらの混合物からなる群より選ばれてもよい。前記水酸化アルミニウムは、例えば、原料又は合成のギブサイト、バイヤライト、ノルドストランダイト、ドイライトより選ばれてもよい。水酸化酸化アルミニウムは、例えば、ダイアスポア、ベーマイト、アクダライトより選ばれてもよい。金属水酸化物は、本発明の方法に用いられる微粒子混合物の5質量%から20質量%までであることができる。本発明の方法に用いるための金属水酸化物の粒径分布は、d90が60μm以下、例えば50μm以下であるようなものである。本発明の超微細金属水酸化物は、1000℃で30%以上の強熱減量、例えば34%以上を有することができる。更にまた、いくつかの実施態様において、本発明の金属水酸化物にCaCO3又はMgCO3のような微粒子金属炭酸塩が添加されてもよい。
本方法に従って得られた珪アルミン酸塩多孔質骨材は、20%以上、例えば30%以上、又は例えば35%以上、又は例えば40%以上の開口気孔率値を有することができる。一実施態様において、開口気孔率は、20から60%まで、例えば30から50%までであってもよい。
【0021】
一実施態様において、本発明の方法は、追加のコーティング工程を含むことができる。ペレット化混合物の焼成後、得られたペレットは、疎水ポリマーで、例えば石油副産物ポリマー、例えばワックスで被覆されてもよい。この工程は、骨材による吸水を防止するために有効であり得る。混合の間の骨材による吸水は、多くの欠点、例えばモノリシックキャスティングの間に増加する水の流し込みが原因であり、乾燥後の前記モノリシックの気孔率を上昇させることにつながるので、機械的強度の減少及び/又は浸透抵抗性の減少につながる。
多孔質骨材を形成する方法において使われる上記の微粒子混合物もまた、本発明の一部を形成する。
本発明のアルミナ多孔質骨材は、不定形耐火物組成物の調製において用いることができる。一実施態様において、多孔質骨材は、最終の不定形耐火物組成物の40質量%以上、例えば50質量%以上、又は全体の耐火物組成物の60質量%以上を形成するような量で用いることができる。一実施態様において、多孔質骨材は、最終の不定形耐火物組成物の大部分を形成するような量で用いることができる。
【0022】
不定形耐火物組成物の調製は、0.5質量%から25質量%のセメント質結合剤、例えば、5質量%〜15質量%又は約10質量%のアルミン酸カルシウム及び/又は珪酸カルシウムセメントの添加を必要とすることがあり得る。更に選択的添加は、コロイド分散とゲル化の不安定化が導入されるとキャスタブル混合物の剛化と硬化を可能にする、導入可能な生成物の調製のための液体添加として用いられるコロイドアルミナ懸濁液及び/又はコロイドシリカ懸濁液; 酸化物又は水酸化物、例えばマグネシアやアルミナ又は他の不純物と反応して、交叉網状化につながる酸、例えばリン酸; 酸(ヒドロキシシリケートのゲル化によって硬化を引き起こす)、塩(ケイ酸塩溶液の粘度を増加させる及びゲル生成)又はアルカリ土類金属水酸化物(凝集を引き起こす)と反応するケイ酸ナトリウム; 100℃より高い温度で固化するか又はMg及び/又はP水和物網目の生成によって結合を形成するマグネシアのような酸化物とより低い温度で反応するリン酸アルミニウム; 多糖ベースの水溶性ポリマー; 有機成分の重合又は共重合を引き起こす化学種が存在する場合、前記化学種の存在下に網状化、重合又は共重合されることができる化学種; 及び水和性アルミナ又はρ-アルミナとして既知の酸化カルシウムを実質的に含まない反応性アルミナの水和である。これらのすべての添加剤は、キャスタブル材料に充分な取扱い及び強度を達成するのを援助する。本発明によれば、用いられるセメント量は、得られた不定形耐火物組成物の全質量に基づき、最終の不定形組成物中のCaO含有量が5質量%以下のCaO、例えば3質量%以下のCaO、又は2質量%以下のCaO、例えば0.1から5質量%までのCaO又は1から4質量%までのCaO、又は約2.5質量%のCaOであるような量である。
【0023】
本発明の骨材を有する不定形耐火物を形成するために、カルシウムアルミナセメントが当業者に知られている超低セメント配合物を得るためにそれに混合される。混合の間に、キャスタブル組成物を得るために水が添加される。次に、モノリス、例えば容器ライニングを形成するために前記キャスタブル組成物が流し込まれる。固化、及び選択的乾燥工程の後に、モノリシックが使用され得る。配置は、流し込みだけでなく、吹き付け、ショットクリーティング、スプレーキャスティング、ラミング、コテ塗り、セルフフローイング又は突固めによって行われ得る。
密度の減少と熱伝導性の低下の間に正比例の相関がある。本発明によって得られた耐火材料は、800℃において2.8t・m-3以下、例えば2.7t・m-3以下、又は2.6t・m-3以下の密度を有することができる。密度が低いにもかかわらず、本発明の耐火物組成物は元の組成物、すなわち珪アルミン酸塩多孔質骨材を添加していない組成物と比較した場合に物理的性質が40%より弱くならないので、本発明の方法が有利である。
【0024】
実施例
実施例1
本発明の不定形耐火物組成物に用いるためのアルミナ含有多孔質骨材を調製した。アルミナ多孔質骨材を、表Iに示される成分を一緒に混合することによって調製した。
【0025】
表I
【0026】
用いられるボーキサイトは、下記の化学組成を有した: SiO2: 5.8質量%; Al2O3: 87.0質量%; TiO2: 3.7質量%; Fe2O3: 1.9質量%。表Iにおける「LOI」は、「強熱減量」を表す。
アルミナ多孔質骨材を以下の通りに得た。ロータリーキルンボーキサイトグレードIMP IIA-170メッシュ(72質量%)、Indalアルミナ水和物RPF 14(14質量%)及びウルトラファインシュガー(14質量%)を低速で3分間一緒に混合した。糖の塊の形成が生じないという点で特別の注意を払った。糖の塊は、糖が長期間又は湿り大気中に貯蔵されているときに形成する。ボールミル中の3分間の短い粉砕は、糖の塊を除去するのに充分であった。
最初のペレット化工程で、混合物の約40%をパンペレタイザーに入れた。このために、2メートルの直径を有するパンペレタイザーを速度約100回転/分で用いた。用いられるパンペレタイザーの全容量は、1移動当たり400kgであった。パンペレタイザーを作動させると、混合物に水を徐々に添加した。順次少量の粉末をミキサーに添加し、続いて比例した量の水(全体で微粒子混合物の全質量に基づき8質量%)を添加した。この段階を全体に室温で実施した。このプロセスの終わりに、0.1mm〜50mmの範囲にあるサイズを有する小さい丸いペレットが形成された。次に、ペレットを1500℃の最高温度で3時間ロータリーキルンにおいて焼成したが、最高温度で15分より長く維持しなかった。
造粒後、珪アルミン酸塩多孔質骨材の組成を分析し、あらゆる成分の割合、すなわち、89質量%のAl2O3、5.25質量%のSiO2、1.86質量%のFe2O3及び2.83質量%のTiO2がわかった。
図1は、得られたペレットの細孔径分布を示すグラフである。ASTM D4404 10に従って水銀圧入ポロシメトリー法を用いて測定を行った。測定したd50等価細孔径は4.6μmであり、測定したd10等価細孔径は13.7μmであった。得られたペレットの見掛け密度は2.09g・cm-3、開口気孔率は40.7%であった。
以前に調製されたペレットによる吸水を防止するために、ワックスによるコーティングを以下の通り実施した。ペレットを250℃で10時間、炉内で加熱した。次に、熱骨材ペレットを回転中のコンクリートミキサーへ移し、ペレットの全質量に基づき5質量%〜10質量%のワックスを添加した。6質量%のワックスを、それぞれ、3〜6mm及び5〜10mmグレードのペレットに添加した。1〜3mmグレードのペレットは、7質量%のワックスを必要とした。ミキサーの回転は、ペレットの完全な冷却まで続けた。この形態でのペレットを大気中の吸水を含まず長時間貯蔵することができた。
【0027】
実施例2
本発明の不定形耐火物組成物に用いるために珪アルミン酸塩多孔質骨材を調製した。
表IIに示される成分を一緒に混合することによってアルミナ多孔質骨材を調製した:
【0028】
表II
【0029】
最初のペレット化工程で、混合物の約40%を約50kgの容量を有するパンペレタイザーに入れた。パンペレタイザーを作動させると、混合物に水を徐々に添加した。順次少量の粉末をミキサーに添加し、続いて比例した量の水(全体で微粒子混合物の全質量に基づき8質量%)を添加した。この段階を全体に室温で実施した。このプロセスの終わりに、0.1mm〜30mmの範囲にあるサイズを有する小さい丸いペレットを形成した。次に、ペレットを1500℃の最高温度で5時間ラボ電気炉において焼成した。
図2は、得られたペレットの細孔径分布を示すグラフである。ASTM D4404-10に従って水銀圧入ポロシメトリー法を用いて測定を行った。測定したd50等価細孔径は4.8μmであり、測定したd10等価細孔径は23μmであった。得られたペレットの見掛け密度は1.96g・cm-3であり、開口気孔率は46.2%であった。
図1
図2