【実施例】
【0060】
以下に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0061】
<重合体ブロック(A1)の製造:末端にメルカプト基を有するα−オレフィン系重合体の製造>
(1)α−オレフィン系重合体(プロピレン成分92モル%、エチレン成分8モル%であるプロピレン系共重合体)を、メタロセン触媒を用いて製造した(重量平均分子量60,000、Tm=70℃)。該α−オレフィン系重合体を二軸押出機に供給し、420℃で溶融混練して熱分解させて、末端に二重結合を有するα−オレフィン系重合体(重量平均分子量20,000)を製造した。
【0062】
(2)上記(1)で得られた末端に二重結合を有するα−オレフィン系重合体100重量部、キシレン300重量部およびチオ酢酸10重量部を反応器に入れて、内部を充分に窒素置換した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を加えて、90℃で2時間反応させ、メタノールに沈殿させ未反応のチオ酢酸を除去し、末端にチオアセチル基を有するα−オレフィン系重合体を製造した。
【0063】
(3)上記(2)で得られた末端にチオアセチル基を有するα−オレフィン系重合体100重量部を、キシレン200重量部とn−ブタノール20重量部の混合溶媒中に溶解し、水酸化カリウムの4%n−ブタノール溶液20重量部を加えて、窒素中110℃で1時間反応させた後、1.2重量部の酢酸を加えることにより、末端にメルカプト基を有するα−オレフィン系重合体(重合体ブロック(A1))を製造した。
【0064】
<重合体ブロック(A2)の製造:末端にメルカプト基を有するα−オレフィン系重合体の製造>
(1)α−オレフィン系重合体(プロピレン成分80モル%、1−ブテン成分20モル%であるプロピレン系共重合体)を、メタロセン触媒を用いて製造した(重量平均分子量300,000、Tm=85℃)。該α−オレフィン系重合体を二軸押出機に供給し、420℃で溶融混練して熱分解させて、末端に二重結合を有するα−オレフィン系重合体(重量平均分子量60,000)を製造した。
【0065】
(2)上記(1)で得られた末端に二重結合を有するα−オレフィン系重合体100重量部、キシレン300重量部およびチオ酢酸10重量部を反応器に入れて、内部を充分に窒素置換した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を加えて、90℃で2時間反応させ、メタノールに沈殿させ未反応のチオ酢酸を除去し、末端にチオアセチル基を有するα−オレフィン系重合体を製造した。
【0066】
(3)上記(2)で得られた末端にチオアセチル基を有するα−オレフィン系重合体100重量部を、キシレン200重量部とn−ブタノール20重量部の混合溶媒中に溶解し、水酸化カリウムの4%n−ブタノール溶液20重量部を加えて、窒素中110℃で1時間反応させた後、1.2重量部の酢酸を加えることにより、末端にメルカプト基を有するα−オレフィン系重合体(重合体ブロック(A2))を製造した。
【0067】
<重合体ブロック(A3)の製造:末端にメルカプト基を有するα−オレフィン系重合体の製造>
(1)α−オレフィン系重合体(プロピレン成分90モル%、エチレン成分10モル%であるプロピレン系共重合体)を、メタロセン触媒を用いて製造した(重量平均分子量200,000、Tm=65℃)。該α−オレフィン系重合体を1Lの反応器に入れ、内温が390℃になるまで昇温し、2時間減圧下で攪拌することにより、末端に二重結合を有するα−オレフィン系重合体(重量平均分子量1,300)を製造した。
【0068】
(2)上記(1)で得られた末端に二重結合を有するα−オレフィン系重合体100重量部、キシレン300重量部およびチオ酢酸10重量部を反応器に入れて、内部を充分に窒素置換した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を加えて、90℃で2時間反応させ、メタノールに沈殿させ未反応のチオ酢酸を除去し、末端にチオアセチル基を有するα−オレフィン系重合体を製造した。
【0069】
(3)上記(2)で得られた末端にチオアセチル基を有するα−オレフィン系重合体100重量部を、キシレン200重量部とn−ブタノール20重量部の混合溶媒中に溶解し、水酸化カリウムの4%n−ブタノール溶液20重量部を加えて、窒素中110℃で1時間反応させた後、1.2重量部の酢酸を加えることにより、末端にメルカプト基を有するα−オレフィン系重合体(重合体ブロック(A3))を製造した。
【0070】
(実施例1)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにメチルアクリレート20重量部、シクロヘキシルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒と未反応の単量体を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(1)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(1)の重量平均分子量は、30,000であった。
【0071】
製造したブロック共重合体(1)100重量部に対して、イソプロピルアルコール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解し、水23重量部を加えた後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(1)を得た。
【0072】
(実施例2)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート40重量部、イソボルニルアクリレート60重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート30重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(2)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(2)の重量平均分子量は、32,000であった。
【0073】
製造したブロック共重合体(2)100重量部に対して、イソプロピルアルコール117重量部を加え、撹拌下、加温溶解し、メタノール117重量部を加えた後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(2)を得た。
【0074】
(実施例3)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート20重量部、tert−ブチルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(3)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(3)の重量平均分子量は、30,000であった。
【0075】
製造したブロック共重合体(3)100重量部に対して、酢酸エチル12重量部およびエタノール221重量部を加え、撹拌下、加温溶解した。その後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(3)を得た。
【0076】
(実施例4)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにメチルアクリレート40重量部、ステアリルアクリレート60重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート30重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(4)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(4)の重量平均分子量は、31,000であった。
【0077】
製造したブロック共重合体(4)100重量部に対して、酢酸エチル23重量部およびエタノール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解した。その後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(4)を得た。
【0078】
(実施例5)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにn−ブチルアクリレート20重量部、アダマンチルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート40重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(5)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(5)の重量平均分子量は、32,000であった。
【0079】
製造したブロック共重合体(5)100重量部に対して、酢酸エチル23重量部およびエタノール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解した。その後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(5)を得た。
【0080】
(実施例6)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(6)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(6)の重量平均分子量は、31,000であった。
【0081】
製造したブロック共重合体(6)100重量部に対して、イソプロピルアルコール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解し、水23重量部を加えた後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(6)を得た。
【0082】
(実施例7)
重合体ブロック(A2)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、tert−ブチルアクリレート100重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(7)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(7)の重量平均分子量は、92,000であった。
【0083】
製造したブロック共重合体(7)100重量部に対して、酢酸エチル23重量部およびエタノール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解した。その後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(7)を得た。
【0084】
(実施例8)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにメチルアクリレート20重量部、シクロヘキシルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート2重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(8)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(8)の重量平均分子量は、28,000であった。
【0085】
製造したブロック共重合体(8)100重量部に対して、イソプロピルアルコール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解し、水23重量部を加えた後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(8)を得た。
【0086】
(実施例9)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにメチルアクリレート20重量部、シクロヘキシルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(9)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(9)の重量平均分子量は、29,000であった。
【0087】
製造したブロック共重合体(9)100重量部に対して、イソプロピルアルコール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解し、水23重量部を加えた後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(9)を得た。
【0088】
(実施例10)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにメチルアクリレート20重量部、シクロヘキシルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート48重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(10)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(10)の重量平均分子量は、36,000であった。
【0089】
製造したブロック共重合体(10)100重量部に対して、イソプロピルアルコール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解し、水23重量部を加えた後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(10)を得た。
【0090】
(実施例11)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート71.8重量部、イソボルニルアクリレート107.7重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート53.8重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(11)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(11)の重量平均分子量は、46,000であった。
【0091】
製造したブロック共重合体(11)100重量部に対して、イソプロピルアルコール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解し、水23重量部を加えた後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(11)を得た。
【0092】
(実施例12)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート13.2重量部、イソボルニルアクリレート19.8重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート9.9重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(12)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(12)の重量平均分子量は、36,000であった。
【0093】
製造したブロック共重合体(12)100重量部に対して、イソプロピルアルコール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解し、水23重量部を加えた後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(12)を得た。
【0094】
(実施例13)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート50重量部、イソボルニルアクリレート30重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(13)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(13)の重量平均分子量は、40,000であった。
【0095】
製造したブロック共重合体(13)100重量部に対して、イソプロピルアルコール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解し、水23重量部を加えた後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(13)を得た。
【0096】
(実施例14)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート10重量部、イソボルニルアクリレート100重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(14)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(14)の重量平均分子量は、38,000であった。
【0097】
製造したブロック共重合体(14)100重量部に対して、イソプロピルアルコール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解し、水23重量部を加えた後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(14)を得た。
【0098】
(実施例15)
重合体ブロック(A3)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート20重量部、t-ブチルアクリレート20重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(15)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(15)の重量平均分子量は、2,000であった。
【0099】
製造したブロック共重合体(15)100重量部に対して、イソプロピルアルコール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解し、水23重量部を加えた後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(15)を得た。
【0100】
(実施例16)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート100重量部、t-ブチルアクリレート200重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート80重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(16)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(16)の重量平均分子量は、50,000であった。
【0101】
製造したブロック共重合体(16)100重量部に対して、イソプロピルアルコール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解し、水23重量部を加えた後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(16)を得た。
【0102】
(実施例17)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにメチルアクリレート20重量部、シクロヘキシルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(17)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(17)の重量平均分子量は、30,000であった。
【0103】
製造したブロック共重合体(17)100重量部に対して、酢酸エチル139.8重量部およびメタノール93.2重量部を加え、撹拌下、加温溶解した後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(17)を得た。
【0104】
(実施例18)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにメチルアクリレート20重量部、シクロヘキシルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(18)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(18)の重量平均分子量は、30,000であった。
【0105】
製造したブロック共重合体(18)100重量部に対して、酢酸エチル117重量部およびメタノール117重量部を加え、撹拌下、加温溶解した後、撹拌下、冷却することでアルコール性樹脂分散体(18)を得た。
【0106】
(比較例1)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにメチルアクリレート20重量部、tert−ブチルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート80重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(19)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(19)の重量平均分子量は、38,000であった。
【0107】
製造したブロック共重合体(19)100重量部に対して、酢酸エチル23重量部およびエタノール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解した。その後、撹拌下、冷却した。冷却することでアルコール性樹脂分散体(19)を得た。
【0108】
(比較例2)
重合体ブロック(A1)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート20重量部、tert−ブチルアクリレート80重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(20)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(20)の重量平均分子量は、29,000であった。
【0109】
製造したブロック共重合体(20)100重量部に対して、酢酸エチル23重量部およびエタノール210重量部を加え、撹拌下、加温溶解した。その後、撹拌下、冷却した。冷却後の液は固化し、アルコール性分散体は得られなかった。
【0110】
<アルコール性分散体の流動性評価試験>
アルコール性分散体約10gを30ml容ガラス容器に入れ、室温にて一晩静置後、軽く手振りをして目視にてアルコール分散体の流動性を評価した。評価基準は、手振りに追従してガラス容器内のアルコール分散体が流動するのであれば「良好」、粘度が高いため手振りに対して流動に大きな遅れが生じる場合は「増粘」、手振りに対してアルコール分散体が動かないのであれば「固化」とした。
【0111】
<インキ密着試験>
得られたアルコール性樹脂分散体(1)〜(8)40gと市販の印刷インキ用ウレタン樹脂(日立化成工業製 固形分30wt%)120gと二酸化チタン(石原産業製 ルチル型)160gと酢酸エチル/イソプロピルアルコール(重量比67/33)の混合液120gで希釈しサンドミルで1時間練肉した後、#3ザーンカップで25〜30秒/20℃の粘度になるようにインキを調製した。
【0112】
続いて、コーティングロッド#5にてOPPフィルムコロナ処理面(フタムラ化学80μm)にインキを塗工し、ドライヤーで乾燥させ、その後、セロハンテープ(ニチバン製24mm)をインキ塗工面に貼り付け、剥がした時の塗工面の状態を調べた。試験は3回行い、各評価結果に差がある場合には評価の範囲で表示した。
【0113】
評価基準 △以上であれば使用上問題ない
◎:剥がれが全くない状態
○:90%以上塗膜が残っている状態
△:50%以上90%未満塗膜が残っている状態
×:50%以上剥がれている状態
【0114】
表1に、各実施例における重合体ブロック(B)の組成を示す。表2に、各実施例における、ブロック共重合体の重量平均分子量と水酸基価、重合体ブロック(B)のガラス転移温度、並びに、アルコール性分散体の評価結果を示す。表3に、ブロック共重合体に占める重合体ブロック(B)の割合、分散体に占めるブロック共重合体の濃度、溶媒中のアルコール濃度、重合体ブロック(A)の種類を示す。
【0115】
【表1】
【0116】
〔表1の脚注〕
MA:メチルアクリレート
EA:エチルアクリレート
nBA:n−ブチルアクリレート
tBA:tert−ブチルアクリレート
SA:ステアリルアクリレート
CHA:シクロヘキシルアクリレート
IBOA:イソボルニルアクリレート
ADA:アダマンチルアクリレート
HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
【0117】
【表2】
【0118】
【表3】
【0119】
<樹脂の物性の測定方法>
1)重量平均分子量(Mw)
GPC 東ソー製(標準物質:ポリスチレン樹脂)によって測定。
【0120】
2)ガラス転移温度 Tg(℃)
ポリマーハンドブックおよび製品データに掲載の各ビニル系単量体におけるホモポリマーのガラス転移温度(Tg)の値を用い、各ビニル系単量体の重量割合からFOX式を用いて算出した。
【0121】
<FOX式> 1/Tg=W
1/Tg
1+W
2/Tg
2+W
3/Tg
3
(上記FOX式においては、3種の単量体からなる重合体ブロックを構成する、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度をTg
1〜Tg
3とし、各モノマーの重量分率を、W
1〜W
3とした。)
【0122】
3)水酸基価 mgKOH/g
各ビニル系単量体の重量割合および重合率から算出した。
【0123】
<重合体ブロック(A4)の製造:末端にメルカプト基を有するα−オレフィン系重合体の製造>
(1)α−オレフィン系重合体(プロピレン成分92モル%、エチレン成分8モル%であるプロピレン系共重合体)を、メタロセン触媒を用いて製造した(重量平均分子量200,000、Tm=75℃)。該α−オレフィン系重合体を二軸押出機に供給し、420℃で溶融混練して熱分解させて、末端に二重結合を有するα−オレフィン系重合体(重量平均分子量23,000)をそれぞれ製造した。
【0124】
(2)上記(1)で得られた末端に二重結合を有するα−オレフィン系重合体100重量部、キシレン300重量部およびチオ酢酸10重量部を反応器に入れて、内部を充分に窒素置換した後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を加えて、90℃で2時間反応させ、メタノールに沈殿させ未反応のチオ酢酸を除去し、末端にチオアセチル基を有するα−オレフィン系重合体を製造した。
【0125】
(3)上記(2)で得られた末端にチオアセチル基を有する重合体ブロック(A3)100重量部を、キシレン200重量部とn−ブタノール20重量部の混合溶媒中に溶解し、水酸化カリウムの4%n−ブタノール溶液10重量部を加えて、窒素中110℃で1時間反応させた後、0.6重量部の酢酸を加えることにより、末端にメルカプト基を有するα−オレフィン系重合体(重合体ブロック(A4))を製造した。
【0126】
<重合体ブロック(A4)の製造:末端にメルカプト基を有するα−オレフィン系重合体の製造>
(1)α−オレフィン系重合体(プロピレン成分92モル%、エチレン成分8モル%であるプロピレン系共重合体を、メタロセン触媒を用いて製造した(重量平均分子量200,000、Tm=75℃)。該α−オレフィン系重合体を二軸押出機に供給し、300℃で溶融混練して熱分解させて、末端に二重結合を有するα−オレフィン系重合体(重量平均分子量70,000)をそれぞれ製造した。
【0127】
(2)上記(1)で得られた末端に二重結合を有するα−オレフィン系重合体100重量部、キシレン300重量部およびチオ酢酸10重量部を反応器に入れて、内部を充分に窒素置換した後、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を加えて、90℃で2時間反応させて、末端にチオアセチル基を有するα−オレフィン系重合体を製造した。
【0128】
(3)上記(2)で得られた末端にチオアセチル基を有する重合体ブロック(A4)100重量部を、キシレン200重量部とn−ブタノール20重量部の混合溶媒中に溶解し、水酸化カリウムの4%n−ブタノール溶液10重量部を加えて、窒素中110℃で1時間反応させた後、0.6重量部の酢酸を加えることにより、末端にメルカプト基を有するα−オレフィン系重合体(重合体ブロック(A4))を製造した。
【0129】
(実施例19)
重合体ブロック(A4)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにメチルアクリレート20重量部、シクロヘキシルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10重量部を加えて窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(21)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(21)の重量平均分子量は、33,000であった。
【0130】
製造したブロック共重合体(21)をメチルシクロヘキサン/酢酸プロピル(重量比60/40)の混合溶液で溶解した溶液(固形分30wt%)10gと市販のグラビア印刷用樹脂(三洋化成製サンプレンIB−422 固形分30wt%)120gと二酸化チタン(石原産業製 ルチル型)160gとメチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(重量比67/33)の混合液120gで希釈しサンドミルで1時間練肉した後、#3ザーンカップで25〜30秒/20℃の粘度になるようにインキを調製した。
【0131】
(実施例20)
重合体ブロック(A4)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート20重量部、ステアリルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10重量部を加えて窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(22)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(22)の重量平均分子量は33,000であった。
【0132】
製造したブロック共重合体(2)をメチルシクロヘキサン/酢酸プロピル(重量比60/40)の混合溶液で溶解した溶液(固形分30wt%)10gと市販のグラビア印刷用樹脂(三洋化成製サンプレンIB−422 固形分30wt%)120gと二酸化チタン(石原産業製 ルチル型)160gとメチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(重量比67/33)の混合液120gで希釈しサンドミルで1時間練肉した後、#3ザーンカップで25〜30秒/20℃の粘度になるようにインキを調製した。
【0133】
(実施例21)
重合体ブロック(A4)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート20重量部、t−ブチルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(23)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(23)の重量平均分子量は、30,000であった。
【0134】
製造したブロック共重合体(3)をメチルシクロヘキサン/酢酸プロピル(重量比60/40)の混合溶液で溶解した溶液(固形分30wt%)10gと市販のグラビア印刷用樹脂(三洋化成製サンプレンIB−422 固形分30wt%)120gと二酸化チタン(石原産業製 ルチル型)160gとメチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(重量比67/33)の混合液120gで希釈しサンドミルで1時間練肉した後、#3ザーンカップで25〜30秒/20℃の粘度になるようにインキを調製した。
【0135】
(実施例22)
重合体ブロック(A4)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート20重量部、イソボルニルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(24)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(24)の重量平均分子量は、32,000であった。
【0136】
製造したブロック共重合体をメチルシクロヘキサン/酢酸プロピル(重量比60/40)の混合溶液で溶解した溶液(固形分30wt%)10gと市販のグラビア印刷用樹脂(三洋化成製サンプレンIB−422 固形分30wt%)120gと二酸化チタン(石原産業製 ルチル型)160gとメチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(重量比67/33)の混合液120gで希釈しサンドミルで1時間練肉した後、#3ザーンカップで25〜30秒/20℃の粘度になるようにインキを調製した。
【0137】
(実施例23)
重合体ブロック(A4)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート40重量部、アダマンチルメタクリレート60重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート20重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(25)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(25)の重量平均分子量は、32,000であった。
【0138】
製造したブロック共重合体をメチルシクロヘキサン/酢酸プロピル(重量比60/40)の混合溶液で溶解した溶液(固形分30wt%)10gと市販のグラビア印刷用インキ(三洋化成製サンプレンIB−422 固形分30wt%)120gと二酸化チタン(石原産業製 ルチル型)160gとメチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(重量比67/33)の混合液120gで希釈しサンドミルで1時間練肉した後、#3ザーンカップで25〜30秒/20℃の粘度になるようにインキを調製した。
【0139】
(実施例24)
重合体ブロック(A4)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート40重量部、シクロヘキシルアクリレート60重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)および−アクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(26)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(26)の重量平均分子量は、32,000であった。
【0140】
製造したブロック共重合体をメチルシクロヘキサン/酢酸プロピル(重量比60/40)の混合溶液で溶解した溶液(固形分30wt%)10gと市販のグラビア印刷用樹脂(三洋化成製サンプレンIB−422 固形分30wt%)120gと二酸化チタン(石原産業製 ルチル型)160gとメチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(重量比67/33)の混合液120gで希釈しサンドミルで1時間練肉した後、#3ザーンカップで25〜30秒/20℃の粘度になるようにインキを調製した。
【0141】
(実施例25)
重合体ブロック(A5)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにエチルアクリレート20重量部、t-ブチルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体(A)および-アクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(27)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(27)の重量平均分子量は90,000であった。
【0142】
製造したブロック共重合体をメチルシクロヘキサン/酢酸プロピル(重量比60/40)の混合溶液で溶解した溶液(固形分30wt%)10gと市販のグラビア印刷用樹脂(三洋化成製サンプレンIB−422 固形分30wt%)120gと二酸化チタン(石原産業製 ルチル型)160gとメチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(重量比67/33)の混合液120gで希釈しサンドミルで1時間練肉した後、#3ザーンカップで25〜30秒/20℃の粘度になるようにインキを調製した。
【0143】
(比較例3)
重合体ブロック(A4)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにメチルアクリレート20重量部、シクロヘキシルアクリレート80重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(28)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(28)の重量平均分子量は、30,000であった。
【0144】
製造したブロック共重合体(28)をメチルシクロヘキサン/酢酸プロピル(重量比60/40)の混合溶液で溶解した溶液(固形分30wt%)10gと市販のグラビア印刷用樹脂(三洋化成製サンプレンIB−422 固形分30wt%)120gと二酸化チタン(石原産業製 ルチル型)160gとメチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(重量比67/33)の混合液120gで希釈しサンドミルで1時間練肉した後、#3ザーンカップで25〜30秒/20℃の粘度になるようにインキを調製した。
【0145】
(比較例4)
重合体ブロック(A4)100重量部をトルエン250重量部に溶解し、これにメチルアクリレート20重量部、t−ブチルアクリレート80重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート80重量部を加えて、窒素中、90℃で、重合速度が1時間あたり約15%になるように2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、重合率が90%になった時点で反応を停止した。反応液を冷却後、溶媒を除去し、α−オレフィン系重合体ブロック(A)およびアクリル酸エステルブロック(B)から構成されるAB型ジブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(29)」と称する)を得た。得られたブロック共重合体(29)の重量平均分子量は、38,000であった。
【0146】
製造したブロック共重合体をメチルシクロヘキサン/酢酸プロピル(重量比60/40)の混合溶液で溶解した溶液(固形分30wt%)10gと市販のグラビア印刷用樹脂(三洋化成製サンプレンIB−422 固形分30wt%)120gと二酸化チタン(石原産業製 ルチル型)160gとメチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(重量比67/33)の混合液120gで希釈しサンドミルで1時間練肉した後、#3ザーンカップで25〜30秒/20℃の粘度になるようにインキを調製した。
【0147】
<樹脂の物性の測定方法>
各樹脂の重量平均分子量、ガラス転移温度および水酸基価を、実施例1と同様の方法で測定した。
【0148】
<インキ試験>
得られたインキについて調製後の溶液状態の評価とセロハンテープ剥離試験・剥離強度試験を行った結果を表2に示す。
1)溶液状態の評価試験
インキ調製後、静置して目視により相溶性を評価した。評価基準はツブ、増粘、分離がなければ「良好」、ツブ、増粘、分離があれば「不良」とした。
【0149】
2)セロハンテープ剥離試験
コーティングロッド#5にてOPPフィルムコロナ処理面(フタムラ化学80μm)、ポリエステルフィルムコロナ処理面(ユニチカ25μm)、ナイロンフィルムコロナ処理面(ユニチカ25μm)それぞれにインキを塗工し、ドライヤーで乾燥させその後、セロハンテープ(ニチバン製24mm)をインキ塗工面に貼り付け、剥がした時の塗工面の状態を調べた。測定は3回行い、各評価結果に差がある場合には評価の範囲で表示した。
【0150】
評価基準 △以上であれば使用上問題ないが、〇であることが望ましい。
◎:剥がれが全くない状態
○:塗膜が90%以上残っている状態
△:塗膜が50%以上90%未満残っている状態
×:50%以上剥がれている状態
【0151】
3)剥離強度試験
セロハンテープ試験で得られた試験片にニチバン製NWBB−20を貼り付け、その片面にセロハンテープを貼り付け、テンシロンにてT型剥離強度(N/20mm)を測定した。(測定速度100mm/min)
【0152】
評価基準 △以上であれば使用上問題ないが〇であることが望ましい。
◎:使用上問題なくより望ましい値
○:使用上問題がない範囲の値
△:使用上問題がないが剥離などの懸念が残る範囲の値
×:使用上問題がある範囲の値
【0153】
表4に各実施例の組成物のモノマー組成を、表4に各実施例の試験の結果を示す。
【0154】
【表4】
【0155】
【表5】