特許第6641291号(P6641291)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6641291パターン付けされた封止材を伴うハイブリッドチップオンボードLEDモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641291
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】パターン付けされた封止材を伴うハイブリッドチップオンボードLEDモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/50 20100101AFI20200127BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20200127BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20200127BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20200127BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20200127BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20200127BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20200127BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20200127BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20200127BHJP
【FI】
   H01L33/50
   H01L33/54
   H01L33/00 J
   F21S2/00 100
   H01L23/30 F
   F21Y105:10
   F21Y113:13
   F21Y115:10 300
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-564436(P2016-564436)
(86)(22)【出願日】2014年8月26日
(65)【公表番号】特表2017-506003(P2017-506003A)
(43)【公表日】2017年2月23日
(86)【国際出願番号】IB2014064070
(87)【国際公開番号】WO2015110875
(87)【国際公開日】20150730
【審査請求日】2017年8月25日
(31)【優先権主張番号】61/929,530
(32)【優先日】2014年1月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】スール,ワウテル アントン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルビング,レネ
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,グアン
【審査官】 村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−082550(JP,A)
【文献】 特開2009−231027(JP,A)
【文献】 特開2005−005482(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3179457(JP,U)
【文献】 特開2005−259847(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/080596(WO,A1)
【文献】 特開2011−138831(JP,A)
【文献】 特開2012−142430(JP,A)
【文献】 特開2013−051375(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3168550(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0258653(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光モジュールであって、
第1の色の第1の複数の発光素子と、
第2の色の第2の複数の発光素子と、
前記第1の色の第3の複数の発光素子と、
その上に前記第1、第2及び第3の複数の発光素子を配列した基板と、
前記第1の複数の発光素子の各々の発光素子の上に位置づけられた第1の封止材、及び前記第2の複数の発光素子及び第3の複数の発光素子の各々の発光素子の上に位置づけられた第2の封止材であり複数のドームを有する第2の封止材を含む封止層であって、前記第1の封止材が、前記第2の封止材内の波長変換材料の濃度よりも実質的に高い濃度の波長変換材料を含み、前記ドームの間の領域を充填している、封止層と、
を有する光モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の光モジュールであり、さらに
当該光モジュールの全体的出力、及び前記第1の複数の発光素子の発光素子と前記第2及び第3の複数の発光素子の発光素子との光出力比を制御するコントローラ
を含み、
前記コントローラが、電力を分配することにより、当該光モジュールの全体的出力、及び前記第1の複数の発光素子の発光素子と前記第2の複数の発光素子の発光素子との光出力比を制御する、
光モジュール。
【請求項3】
前記第2の封止材の中の波長変換材料の濃度が実質的にゼロである、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記第2の封止材が、前記第1の封止材の中に含まれない散乱材を含む、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記第1の封止材のプロフィール形状が、前記第2の封止材のプロフィールとは異なる、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項6】
前記第1の色の発光素子が青色光を放出し、前記第2の色の発光素子が赤色光を放出する、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項7】
前記第1及び第2の複数の発光素子が、基板上に互い違いのパターンで配列されている、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項8】
前記第1の封止材及び前記第2の封止材が基板上に位置する包囲体内に含まれる、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項9】
基板上の前記第1及び第2の複数の発光素子の間隔が一様でない、請求項1に記載の光モジュール。
【請求項10】
光モジュールを製造する方法であって、
第1の色の第1の複数の発光素子、第2の色の第2の複数の発光素子及び前記第1の色の第3の複数の発光素子を基板上に位置づけるステップと、
第1、第2及び第3の複数の発光素子の上に、封止層を位置づけるステップであり、
前記封止層が、前記第1の複数の発光素子の各々の発光素子の上に位置づけられた第1の封止材、及び前記第2の複数の発光素子及び第3の複数の発光素子の各々の発光素子の上に位置づけられた、複数のドームを含む第2の封止材を含み、前記第1の封止材が、前記ドームの間の領域を充填し、前記第2の封止材内の波長変換材料の濃度よりも実質的に高い濃度の波長変換材料を含む、ステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記の封止層を位置づけるステップが、部分的に硬化したシリコーンシートを積層するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の封止材が、前記第1の封止材の中に含まれない散乱材を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の封止材のプロフィール形状が、前記第2の封止材のプロフィールとは異なる、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2014年1月21日に出願された米国仮出願第61/929530号に基づく優先権を主張して2014年8月26日に発明の名称を「パターン付けされた封止材を伴うハイブリッドチップオンボードLEDモジュール」として出願された国際出願PCT/IB2014/064070の国内移行出願である。国際出願PCT/IB2014/064070及び米国仮出願第61/929530号を参照して本明細書に引用する。
本発明は、アメリカ合衆国エネルギー省(DOE)により授与された契約(No. DE-EE0005099)に基づく米国政府支持によりなされたものである。
【0002】
本発明は、発光素子の分野に関し、特に、異なる色に対して異なる波長変換をもたらすパターン付けされた封止材を含むハイブリッド(異なる色の複数の発光素子)LEDモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
拡大する高出力半導体発光デバイスの(LED)の需要に伴い、発光素子配列を含むモジュールがしばしば使用されている。個々の発光素子は、1/2ワット以下を消費する「中電力」であってよく、数10個の発光素子が配列内に含まれて、相対的に高い光出力強度をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
白色光などの所望の色を作り出すために、異なる波長の光が合成(混合)される。ある実施形態において、発光素子の配列(アレイ)が、赤色、及び緑色/黄色などの異なる色の数組の発光素子を含んでもよい。各色の光出力の強度がアレイからの合成光出力の色を定義する。
【0005】
他の実施形態において、発光素子のアレイがすべて同じ波長の光を放出してもよく、波長変換材料を用いて、発光素子から放出された光の少なくとも一部を異なる波長に変換してもよく、光出力を元の放出された光と波長変換された光との合成にすることができる。この波長変換材料は、アレイを覆う封止材内に共通して含まれる。
【0006】
チップオンボード(COB)は、その柔軟性及び低費用により、通常的に使用されている。COBは、基板上に配置され、封止材で覆われた発光素子の配列を含む。封止材は、発光素子を包囲するリング又はダムの中にある。封止材は、ダム内へと注がれ、硬化されるシリコーン化合物であってよく、或いは、リング内に含まれるシリコーンシート又はセラミックなどの予備成型素子であってもよい。通常、封止材は、発光素子により放出された光を1つ以上の他の波長へ変換する波長変換材料を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
チップオンボード構造内にハイブリッド発光モジュールを提供することが有利であり、従来のチップオンボードモジュールよりも効率的である。
【0008】
1つ以上のこれらの懸念へのより良い対策として、本発明の一実施形態において、異なる波長変換材料又は異なる濃度の波長変換材料を用いて、異なる色の発光素子を封止することができる。本発明の一実施形態において、特定色の発光素子が透明封止材で封止される一方、異なる色の発光素子が波長変換材料で封止される。本発明の他の実施形態において、異なる色の特定組の発光素子が、他の組の発光素子用の封止材とは異なる封止材で封止される。
【0009】
各蛍光体は、第1範囲の波長の光を効率的に吸収して所望の第2範囲の波長の光を放出するが、蛍光体は他の波長の光を吸収せずに全く光を放出しないこともあり、或いはおそらく不所望の第3の範囲の波長の最小量の光を放出することもあり、その結果、吸収された光の損失となり、光出力効率の損失となることを出願人は認識した。
【0010】
したがって、本発明の実施形態において、異なる色の発光素子が封止材と対をなして、最小の効率低減吸収を以て所望の光出力を効率的にもたらす。波長変換材料による変換を意図していない特定波長の光の発光素子は、例えば、蛍光体のない封止材で封止されてもよく、一方で、変換されることを意図した光の発光素子は、光の一部又は全部を所望の波長または波長の組に効率的に変換する蛍光体又は蛍光体混合体で封止されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付図面を参照して、例として、本発明をさらに詳細に説明する。
【0012】
図面を通して、同一の参照符号は同様な又は対応する特徴または機能を示す。図面は例示の目的のためのものであり、本発明の範囲を制限することを意図していない。
図1A】異なる色の発光素子の組の上に位置づけられた異なる封止材料を含む例示的な発光モジュールを示す。
図1B】異なる色の発光素子の組の上に位置づけられた異なる封止材料を含む例示的な発光モジュールを示す。
図2】各組の発光素子からの光出力の相対的強度を調節する例示的なコントローラを示す。
図3】異なる色の発光素子の組の上に位置づけられた異なる封止材料を含む他の発光モジュールの例を示す。
図4】異なる色の発光素子の組の上に位置づけられた異なる形状の封止材料を含む発光モジュールの例を示す。
図5】発光素子の異なる組の上に位置づけられた異なる封止材料を含む発光モジュールの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明においては、限定ではなく説明の目的で、本発明の概念の完全なる理解を提供するために、例えば特定のアーキテクチャ、インタフェース、技術などの具体的に詳細な事項を説明する。しかしながら、当業者に明らかなように、本発明は、これらの具体的詳細事項からは外れる他の実施形態でも実施され得るものである。同様に、本明細書の説明は、図面に示した実施形態例に向けられたものであり、請求の範囲に明示的に含まれる限定を超えて、請求項に係る発明を制限することを意図していない。単純化及び明瞭化の目的のため、不要な詳細事項で本発明の説明を不明瞭にしないよう、周知のデバイス、回路及び方法についての詳細な説明は省略する。
【0014】
図1Aは例示的な発光モジュール10の側部断面図であり、図1Bは発光モジュール100の平面断面図である。発光モジュール100は、異なる色の数セットの発光素子上方に位置する異なる封止材料を含む。参照及び理解を容易にするために、用語「封止材(encapsulant)」及び「封止する(encapsulate)」は、本書面において、複数発光素子の発光表面を覆って、単数発光素子又は複数発光素子から放出される光の実質的に全てを受ける材料を含む一般的な意味に用いられる。
【0015】
図1A、1Bにおいて、発光素子160は、発光素子170とは異なる色の光を放出する。発光素子160、170は、図1Aにおいて、基板又はボード150上に位置されているように図示されている。基板又はボード150は、複数発光素子160、170に外部電源を供給するよう機能する導電素子(図示せず)を含む。複数発光素子160、170は、導電素子にハンダ付け(チップオンボード(chip-on-board))された複数の個別的発光デバイスであってもよく、ボード150上の複数導電素子に結合された中間基板上に位置された素子であってもよい。当業者は、基板上の発光素子の他の配置を用いることができることを認識するであろう。
【0016】
第1の封止材110が用いられて複数発光素子160を覆い、他の封止材120が用いられて複数発光素子170を覆う。封止材110、120の各々は、異なる波長変換特性を有する。選択的に、ボード150上の壁部155がモジュール100の扱いを容易にし、封止材110、120を収容するよう機能し得る。
【0017】
数列の帯状(bands)の封止材110、120を形成する。各帯状部(bands)の間に相当する場所に薄いバリア(barriers)を位置し、次にバリア間の領域に適切な封止材110、120を充填し、封止材を硬化させることにより数列の帯状部を形成することができる。充填する封止材110、120は代表的には、シリコーン化合物などの半流動体形態である。バリアは、封止材硬化の際に除去してもよいし、モジュール100内に残してもよい。残す場合には、所望の光出力パターンに依存して、バリアは透明でもよいし、反射性でもよい。変形的な実施形態では、数列の帯状部の封止材110、120を含んだ予備成形したシートを提供してもよい。予備成形シートは、上述のバリアを用いて封止材110、120でパターン付けした、部分的に硬化したシリコーンシートであってよい。部分的に硬化したシリコーンシートを発光素子160、170の上に位置づけ、次に米国特許第7334952号公報に記述されているように、ボード150に積層する。米国特許第7334952号公報「蛍光体を含む封止フィルムをLED状に積層する方法」は、2008年7月3日にHaryanto Chandra氏に発行されたものであり、本明細書において参照として引用する。この変形例においては、封止材110の予備成形シートを発光素子160上に積層し、第1積層後に、封止材又は液体120を発光素子170の上に用いることができる。他の変形実施例では、その作業及び材料を逆にすることができる。
【0018】
一例の実施形態において、発光素子160が青色光を放出し、発光素子170が赤色光を放出する。そのような実施形態において、幾つかの青色光は黄色/緑色光へ変換されることが意図され、赤色光は直接に放出されることが意図される。従って、この例の実施形態では、封止材110は青色光を黄色/緑色光へ変換する蛍光体を含んでよく、封止材120は蛍光体がなくてよい。
【0019】
他の実施形態において、発光素子160は第1の波長の光をもたらし、発光素子170は、第2の波長の光をもたらし、そして封止材110、120が対応する第3及び第4の波長の光をもたらす。本例においては、異なる二色のみの発光素子を示したが、発光素子モジュールには多様な複数の異なる色/波長の発光素子が含まれることができ、多様な複数の異なる封止材も含まれることができることを当業者は認識するであろう。
【0020】
同様に、チェッカーボード(市松模様)パターンや不均一な配置の異なるタイプの発光素子といった帯状ではないパターン及び対応する封止材が、本発明の範囲内に意図され含まれる。他の変形例では、3対またはそれ以上の対の発光素子/封止材が、本発明の範囲内に意図され含まれる。
【0021】
図2は、各組(each set)の発光素子からの光出力の相対的強度を調節するための例示的なコントローラを示す。コントローラ250は、電源を設けられ、この電力を2組の発光素子160、170に分配して、2組の間の光出力の所望の比率をもたらす。各組の発光素子160、170について直列配置が示されているが、並列や直−並列といった変形的な配置を用いて各組を構成することもできることを当業者が認識するであろう。変形的な3種またはそれ以上の種類の発光素子が本発明の範囲内で意図され含まれる。
【0022】
例示的な実施形態において、コントローラ250は、発光素子160と封止材110の組合せ及び発光素子170と封止材120との組合せによりもたらされる光出力の比率だけではなく、全体的な光出力強度をユーザーが調節することができるようなコントロールを含み得る。
【0023】
一様なプロフィール及び明確に画成された境界/端部を備えた封止材110、120が図1A、1Bに示されているが、変形的な形状が用いられ、また異なる組合せが用いられて端部の光とは異なる光を中央部に配し得ることを当業者は認識するであろう。例えば、発光素子間の間隙を変化させることができ、そのため所望の光出力分布を達成でき、或いは異なる光出力強度の発光素子を収容できるなどその他のことが可能となる。
【0024】
例えば、封止材110、120の異なる光散乱特性その他の光学効果により、異なる封止材110、120が異なる光出力パターンを呈示することを当業者は認識するであろう。もし望まれるならば、封止材110、120の一方又は両方に散乱材その他の材料を添加でき、各封止材110、120からの同様な散乱効果を生じさせるなど、所望の効果の組合せを生じさせることができる。同様にして、後述するように、封止材110、120の幾何学的形状が異なって、所望の効果を達成することができる。
【0025】
図3は、異なる色の発光素子の組の上に位置する異なる封止材料を含む他の発光素子モジュールの例を示す。この実施形態においては、封止材内部の波長変換素子(例えば、蛍光体)の濃度に変化をつけており、発光素子160の上に高い濃度310の蛍光体が位置づけられ、発光素子170の上に実質的に低い濃度320の蛍光体が位置づけられる。する。
【0026】
変化をつけた蛍光体濃度は、例えば、シリコーンなどの半流動体材料を発光素子の上に適用し、次に、例えばスクリーン印刷その他のパターニング技法を用いて、選択した領域に蛍光体材料を適用することによりもたらすことができる。変形的には、多数ノズルディスペンサーが、多数行の発光素子の上に多数行の異なる半流動体形態封止材を分配することができ、各行間の境界において異なる封止材のある混合が生じうるという事態が可能となる。
【0027】
図4は、異なる色の発光素子の数組の上に、異なる形状の封止材料を位置づけた発光素子モジュールの例を示す。
【0028】
図4のこの実施形態において、発光素子170が最初に、例えば、発光素子170の上でモールドされるシリコーンを用いて、半球形状の封止材420内に封止される。半球形状の封止材420は、封止材420からの光出力パターンの領域を増大させ、もし封止材が蛍光体を含んでおらず発光素子170が波長変換なしで直接に発光する場合には、特に光出力パターンの領域を増大させる。
【0029】
形状づけた封止材420の製造に続き、蛍光体含有シリコーンなどの第2の封止材410がドーム420間の領域を充填するように適用される。
【0030】
封止材410、420の特定の製造順序を逆転でき、所望の光出力パターンに依存して各封止材の特定の側面形状を変更できることを当業者は認識するであろう。
【0031】
本発明は2色ハイブリッドモジュールで各色が同じ封止材で排他的に封止された典型例を用いて提案をしてきたが、色の数組や異なる組合せに異なる封止材を適用することができることを当業者は認識するであろう。
【0032】
図5は、発光素子の異なる組の上に異なる封止材料を位置づけた発光素子モジュールの例を示している。
【0033】
上述したように、従来から、放出された光と変換された光との比は、波長変換材料内の波長変換素子の濃度により制御される。本発明の実施形態において、第1の色の光と変換された色の光との比が、第1の色を放出する発光素子の一部のために異なる封止材を提供することにより制御することができる。
【0034】
図5の例において、封止材520内に封止された発光素子170の組の内部に、幾つかの発光素子580が含まれる。これらの発光素子580は、発光素子160と同じ波長の光を放出することができ、或いは発光素子160又は発光素子170のいずれとも異なる波長の光を放出することもできる。
【0035】
発光素子580が発光素子160と同じである実施形態において、封止材520内部の発光素子580(160でもある)の組合せ及び封止材510内部の発光素子160の組合せは、異なる光出力をもたらす。
【0036】
発光素子170を伴う封止材520内部の発光素子580は、発光素子170と共通して制御されることができ、或いは、別個に制御されることもできる。例えば、発光素子170が赤色放出素子であり、発光素子580が青色放出素子160であり、封止材510が青色−黄色/緑色変換性であり、かつ、封止材520が透明である場合には、透明封止材520下の発光素子580(160)の個別的制御により複合光出力内の青色成分の独立的制御の対策がもたらされる。
【0037】
変形的には、透明封止材下の発光素子580(160)、発光素子170共通の制御により、赤色−青色光と青色/黄色/緑色光との比の制御がもたらされる。
【0038】
図面及び上記記述において詳細に本発明を図示、説明してきたけれども、そのような図示及び説明は例示的なものであり、制限的なものではないと解釈されるべきであり、本発明は開示した実施形態に限定されない。例えば、発光素子を覆う封止材とは独立に、特定の色の発光素子の全てを共通に制御するように、本発明を動作させることが可能である。変形的には、各発光素子を個別的に制御することも可能である。
【0039】
開示した実施形態に対する他の変形が、図面、本開示及び添付の請求項の検討から、請求項に係る発明を実施する当業者によって理解されて実現され得る。請求項において、用語“有する”及び“含む”はその他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞“a”又は“an”は複数であることを排除するものではない。複数の特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、それらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないということを指し示すものではない。請求項中の如何なる参照符号も、請求項の範囲を限定するものとして解されるべきではない。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5