特許第6641293号(P6641293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6641293微細孔の反射性繊維スリーブおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641293
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】微細孔の反射性繊維スリーブおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/14 20060101AFI20200127BHJP
   F16L 59/02 20060101ALI20200127BHJP
   D07B 1/12 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   B32B15/14
   F16L59/02
   D07B1/12
【請求項の数】26
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-565427(P2016-565427)
(86)(22)【出願日】2015年5月1日
(65)【公表番号】特表2017-514727(P2017-514727A)
(43)【公表日】2017年6月8日
(86)【国際出願番号】US2015028768
(87)【国際公開番号】WO2015168535
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2018年4月27日
(31)【優先権主張番号】61/987,299
(32)【優先日】2014年5月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/701,875
(32)【優先日】2015年5月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503170721
【氏名又は名称】フェデラル−モーグル・パワートレイン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL POWERTRAIN LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ミン−ミン
(72)【発明者】
【氏名】ホ,ワイ・キット
【審査官】 深谷 陽子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−524824(JP,A)
【文献】 特表平06−502477(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0199656(US,A1)
【文献】 特開2007−335565(JP,A)
【文献】 特開2007−335566(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0306186(US,A1)
【文献】 特開2003−144818(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0093556(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0048139(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0056881(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0126651(US,A1)
【文献】 特表2007−508511(JP,A)
【文献】 実開昭48−100873(JP,U)
【文献】 特表2012−502200(JP,A)
【文献】 特表平07−500882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00−43/00
F16L 59/00−59/22
D03D 1/00−27/18
D07B 1/00−9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリーブ内に含まれた細長い部材に外部の放射熱に対する保護をもたらすための保護スリーブであって、
外側表面および内側表面を有する内側繊維壁を備え、前記内側表面は前記細長い部材を受けるための空洞を取り囲むように構成され、
前記繊維壁の前記外側表面に固着された外側ホイル層を備え、前記外側ホイル層は微細孔を有し、
前記微細孔は、約50から300μmの間の直径を有する、保護スリーブ。
【請求項2】
前記微細孔は前記ホイル層の実質的に全体にわたって概ね均一な密度を有する、請求項1に記載の保護スリーブ。
【請求項3】
前記微細孔は、1平方インチあたり約300から340穴の密度を有する、請求項に記載の保護スリーブ。
【請求項4】
前記微細孔は約50から100μmの間の直径を有する、請求項に記載の保護スリーブ。
【請求項5】
前記内側繊維壁は前記スリーブの対向する端部間の長手方向軸に沿って延びる対向する縁部を有し、前記対向する縁部は前記長手方向軸の周りに互いに重なり合う関係でラップされる、請求項1に記載の保護スリーブ。
【請求項6】
前記内側繊維壁は前記対向する縁部を互いに重なり合う関係に付勢するためにヒートセットされる、請求項に記載の保護スリーブ。
【請求項7】
前記内側繊維壁はインターレース糸フィラメントで形成される、請求項に記載の保護スリーブ。
【請求項8】
前記内側繊維壁は不織素材で形成される、請求項に記載の保護スリーブ。
【請求項9】
前記重なり合った対向する縁部は前記内側繊維壁の長さに沿った継ぎ目を形成し、さらに前記継ぎ目の少なくとも一部に固着されたホイルテープを含み、前記ホイルテープは微細孔を有する、請求項に記載の保護スリーブ。
【請求項10】
前記ホイルテープは前記継ぎ目の実質的に全体にわたって延びる、請求項に記載の保護スリーブ。
【請求項11】
前記内側繊維壁は周方向に連続的である、請求項1に記載の保護スリーブ。
【請求項12】
前記外側ホイル層は互いに重なり合う対向する縁部を有する、請求項11に記載の保護スリーブ。
【請求項13】
前記外側ホイル層は前記内側繊維壁の周りに螺旋状にラップされる。請求項11に記載の保護スリーブ。
【請求項14】
スリーブ内に含まれた細長い部材に外部の放射熱に対する保護をもたらすための管状スリーブの製造方法であって、
前記細長い部材を受ける空洞を取り囲むよう構成された外側表面および内側表面を有する内側繊維壁を形成するステップと、
前記繊維壁の前記外側表面に外側ホイル層を固着させるステップとを備え、前記外側ホイル層は微細孔を有し、
約50から300μmの間の直径を有する前記微細孔を形成するステップをさらに含む、方法。
【請求項15】
前記ホイル層の実質的に全体にわたって概ね均一な密度を有する前記微細孔を形成するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
1平方インチあたり約300から340穴の密度を有する前記微細孔を形成するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
約50から100μmの間の直径を有する前記微細孔を形成するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
対向する端部の間で前記スリーブの長手方向軸に沿って延びる対向する縁部を有する前記内側繊維壁を形成し、前記対向する縁部を前記長手方向軸の周りに互いに重なり合う関係にラップするステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記内側繊維壁は前記対向する縁部が互いに重なり合う関係に付勢するためにヒートセットするステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記内側繊維壁をインターレース糸フィラメントで形成するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記内側繊維壁を不織素材で形成するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記対向する縁部の間に形成された継ぎ目の少なくとも一部に微細孔を有するホイルテープを固着するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記ホイルテープを前記継ぎ目の実質的に全体にわたって固着するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記内側繊維壁を周方向に連続的に形成するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
前記外側ホイル層の対向する縁部を互いに重なり合う関係に固着するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記外側ホイル層を前記内側繊維壁の周りに螺旋状にラップするステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2014年5月1日に提出された米国仮出願整理番号61/987,299、および2015年5月1日に提出された米国特許出願整理番号14/701,875の利益を主張し、それらの全体をここに引用により援用する。
【0002】
発明の背景
1.技術分野
本発明は概ね細長い部材を保護するための繊維スリーブ、特に反射性外側表面を有する繊維スリーブに関する。
【背景技術】
【0003】
2、関連技術
管状の繊維スリーブはたとえばワイヤハーネス、ケーブルまたはホースのような内部に含まれた細長い部材に保護をもたらす用途で公知である。さらにスリーブ上に熱反射性表面を形成するために繊維スリーブ上に噴射、めっきまたは浸すことによるなどによる様々な種類のコーティングを適用することが知られている。スリーブの外側表面上の非開口ホイルの層を適用することも公知であり、ホイルの外側層は放射熱に対して反射性バリアをもたらし、これにより下部のスリーブおよびスリーブ内に含まれた細長い部材への熱移転に対する保護をもたらす。非開口ホイル層はスリーブの素材およびその内容物を熱への露出から保護するために概ね効果的であり、スリーブをひび割れまたは引き裂けることなく撓むことのできる程度を制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の概要
外部の放射熱に対してスリーブ内に含まれた細長い部材に保護をもたらす管状スリーブが提供される。スリーブは細長い部材を受けるための空洞を形成する内側管状繊維壁および繊維壁の外側表面に固着された外側ホイル層を含む。外側ホイル層は微細孔があり、外側ホイル層の引き裂けやひび割れを起こさずに蛇行する道にわたって撓んだり道づけられたりするスリーブの能力を促進する。さらに、微細孔は外部の放射熱を反射する意図された機能を実行するために微細孔のある外側ホイル層の能力を犠牲にしたりあるいは影響を与えたりせず、これにより非開口ホイル層と比べて同一または実質的に同一の熱保護をスリーブの空洞内に含まれた細長い部材にもたらす。さらに、ひび割れまたは引き裂け傾向を最小化するために、微細孔の外側ホイル層は非開口ホイル層スリーブに対してスリーブに増した耐性および耐用年数をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の他の態様によれば、微細孔はホイル層の実質的に全体にわたって概ね均一の密度を有する。
【0006】
本発明の別の態様によれば、微細孔の直径は約50から300μmの範囲にあり得る。
本発明の別の態様によれば、微細孔の直径は約50から100μmの範囲にあり得る。
【0007】
本発明の別の態様によれば、微細孔は1平方インチあたり約300から340穴の密度を有する。
【0008】
本発明の別の態様によれば、内側繊維壁はインターレース糸フィラメントで形成され得る。
【0009】
本発明の別の態様によれば、内側繊維壁は不織素材で形成され得る。
本発明の別の態様によれば、微細孔のある外側ホイル層は内側繊維壁の周りに螺旋状にラップされ得る。
【0010】
本発明の別の態様によれば、微細孔のある外側ホイル層は互いに固着関係で覆われる対向する縁部を有し得る。
【0011】
本発明の別の態様によれば、内側繊維壁は閉鎖され継ぎ目のない周方向に連続的な壁であり得る。
【0012】
本発明の別の態様によれば、内側繊維壁は互いに重なり合う関係に付勢される縦に延びる対向する縁部を有する開いた壁であり得る。
【0013】
本発明の別の態様によれば、少なくとも重なり合った縁部の間に形成された隙間に微細孔を有するホイルテープが適用され得る。
【0014】
本発明の別の態様によれば、外部の放射熱に対してスリーブ内に含まれた細長い部材に保護をもたらすための管状スリーブの製造方法が提供される。方法は対向する内側および外側表面を有するスリーブの内側繊維壁の形成を含む。方法はさらに外側ホイル層を外側表面に固着させ、内側表面はその内部に細長い部材を受ける大きさの空洞を取り囲むように構成されたままにすることを含む。さらに、方法は外側ホイル層に微細孔を提供し、微細孔はスリーブに外側ホイル層の引き裂けまたはひび割れなく蛇行する道にわたって撓み道づけられる能力をもたらすことを含み得る。
【0015】
本発明の別の態様によれば、方法は外側ホイル層の全体にわたって概ね均一の密度を有する微細孔の形成を含み得る。
【0016】
本発明の別の態様によれば、方法は約50から300μmの範囲、より好ましくは約50から100μmの範囲の直径の微細孔の形成を含み得る。
【0017】
本発明の別の態様によれば、方法は1平方インチあたり約300から340穴の密度を有する微細孔を開口することを含み得る。
【0018】
本発明の別の態様によれば、方法は内側繊維壁をインターレース糸フィラメントで形成することを含み得る。
【0019】
本発明の別の態様によれば、方法は内側繊維壁を不織素材で形成することを含み得る。
本発明の別の態様によれば、方法は外側ホイル層を内側繊維壁の周りに螺旋状にラップすることを含み得る。
【0020】
本発明の別の態様によれば、方法は内側繊維壁を閉鎖した継ぎ目のない周方向に連続的な壁として形成することを含み得る。
【0021】
本発明の別の態様によれば、方法は内側繊維壁を、スリーブの長さに沿って延びる対向する縁部を有し、対向する縁部は互いに重なり合う関係に付勢される開いた壁として形成することを含み得る。
【0022】
図面の簡潔な説明
本発明のこれらまたは他の特徴および利点は以下の現在好ましい実施形態および最善の構成の詳細な説明、添付の請求の範囲および添付の図面により当業者に容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】外部の放射熱から保護される細長い部材の周りに配置された本発明の一態様によって製造された保護繊維スリーブの斜視略図である。
図1A】本発明の一態様によって製造された図1のスリーブの内側壁の部分的な略図である。
図1B】本発明の一態様によって製造された図1のスリーブの内側壁の部分的な略図である。
図2】概ね図1の線2−2に沿ってとられた断面図である。
図3】外部の放射熱から保護される細長い部材の周りに配置された本発明の他の態様によって製造された保護繊維スリーブの斜視略図である。
図4】外部の放射熱から保護される細長い部材の周りに配置された本発明の他の態様によって製造された保護繊維スリーブの斜視略図である。
図5】外部の放射熱から保護される細長い部材の周りに配置された本発明の他の態様によって製造された保護繊維スリーブの斜視略図である。
図6】外部の放射熱から保護される細長い部材の周りに配置された本発明の他の態様によって製造された保護繊維スリーブの斜視略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
好ましい実施形態の詳細な説明
図面をさらに詳細に参照すると、図1は例として限定なくホース、ワイヤまたはワイヤハーネス11のようなスリーブ10内に含まれる細長い部材に外部の放射熱からの保護をもたらすための後にスリーブ10と称される本発明の一実施形態によって製造された管状繊維スリーブを示す。スリーブ10は図1に示されたような内側壁12を継ぎ目のない周方向に連続的な壁として有し、内側壁の外側表面に反射性外側層14が固着される。内側壁12は細長い部材11を受けるための大きさの中心空洞16を規定する内側表面を有し、空洞16はスリーブ10の対向する端部20、22の間で中心長手方向軸18に沿って軸方向に延びる。反射性外側層14は内側壁12および細長い部材に外部放射熱に対する熱障壁をもたらし、これにより細長い部材を望まれない外部放射熱への露出から保護する。反射性外側層14は微細孔24を有する最外側層として、好ましくは例として限定なくアルミニウムなどのホイルの層として提供される。微細孔24はスリーブ10のホイル外側層14が引き裂けまたはひび割れることなく蛇行する道にわたって撓み道づけられる能力を増進する。さらに、微細孔がミクロサイズであることにより、本発明によって形成された穴24が外側ホイル層14の外部放射熱を反射する意図された機能を実行する能力を犠牲にまたは低減せず、これによりスリーブ10の空洞16内に含まれた細長い部分11に断熱保護を与えることが実験により知られている。さらに、細いホイル外側層14内でひび割れまたは引き裂け傾向を最小化することにより、ホイル外側層14はスリーブ10に非開口ホイル層スリーブに対して増加した耐性および耐用年数をもたらす。
【0025】
内側壁12は適用例および保護されるべき細長い部材11のサイズに依存して任意の適切な長さおよび直径を有して構築され得る。内側壁12は織る、編む、編組によるモノフィラメントおよび/またはマルチフィラメントを含み意図された適用例のための望ましいインターレースパターンを有する任意の適切なインターレース糸フィラメント(図1A)、または不織素材12’(図1B)の層の形態で構築され得る。したがって、内側壁12は様々な構造特性または形状を有して構築され得る。
【0026】
ホイル外側層14は標準厚のラップ可能なホイルとして提供され、約50から300μmの範囲の直径、より好ましくは50から100μmの範囲の直径の微細孔24を有し、1つの例では、50μmの直径で形成される。穴24はホイル外側層14の全体にあるいは実質的に全体にわたって概ね均一の1平方インチあたり約300から340穴の密度を有して形成され1つの例では、1インチあたり約320穴の概ね均一な密度を有して形成される。穴24の大きさおよび密度は使用中に蛇行する道に沿って曲げたり道づけする際などにホイル外側層14の引き裂けまたはひび割れを生じることなくスリーブ10の可撓性を増すことが知られており、ホイルの非開口シートと比較してホイル外側層14の排気性を維持し、これによりスリーブ10の空洞16内の内側壁12および細長い部材11を外部放射熱への露出から保護するために十分に機能的になる。ホイル外側層14は、図2に最もよく示されたようにホイル外側層14の対向する縁部23、25を互いに重なり合い固着される関係にされ、内側壁12の周りに「たばこ」巻きされるサイズで長方形のシートで提供され得るか、適切な深さの細長いストラップで提供され、望ましいように壁12の周りにラップされ得る(図3)。内側壁12の外側表面にホイル外側層14の固着を促進するために任意の適切な接着剤が使用可能である。
【0027】
図4では、本発明の他の態様によって構築されたスリーブ110が示され、100の因子を付して同一の参照は類似の特徴を区別するために使用される。
【0028】
スリーブ110はラップ可能な壁として構築可能な内側壁112を有し、望ましければ自己ラッピングする「煙草」タイプの壁として形成され得る。そのようにして、内側壁112はスリーブ110の対向する端部120、122の間の中心長手方向軸118に概ね平行に延びる対向する縁部26、28を有し、対向する縁部26、28は中心空洞16を周方向に取り囲むために互いに重なり合わされる。上に述べたようにインターレース糸フィラメント(図1A)または不織素材(図1B)などによって内側壁112の形成にあたり、壁112はホイル外側層114が積層され得て、ホイル外側層は上で議論したように好ましくはホイル外側層114の全体にわたって、同一の微細孔124の大きさおよび密度を有する同一の金属ホイル素材で形成される。ホイル外側層114を内側壁112の外側表面に積層するにあたり、積層された壁は対向する縁部26、28を互いに重なり合う関係にしてその管状形態にラップされ得る。仮に内側壁124が少なくとも部分的にヒートセット素材で形成された場合、不織素材であろうと、インターレース糸フィラメントであろうと、内側壁112は対向する縁部26、28が外側に適用される力の欠如により自動的に互いに重なり合う関係に付勢されるよう自己ラッピング形状にヒートセットされ得る。仮に内側壁114がインターレース糸から形成された場合、周方向に延びる糸フィラメントのうちのいくつかは内側壁114を管形状へのヒートセットを促すためにヒートセット可能な糸フィラメントとして形成され得る。ホイル外側層114で内側壁112の外側表面を完全に覆うことにより、スリーブ110の全周はホイル外側層114で覆われることが保証される。これは、対向する縁部26、28がスリーブを細長い部材111の周りへの位置づけ、またはスリーブ110をサービス中などに細長い部材111からの除去を促進するために全長に沿ってスリーブ110を開く外側に適用される力による付勢から自由なままであり得ることが理解される。
【0029】
図5に示されたように、本発明の他の態様によれば、望ましければ、以上に議論したような穴124の同一の大きさ、パターンおよび厚みを有するホイルテープ30の開口ストリップは重なり合う縁部26、28の間の継ぎ目を完全に封止するために重なり合う縁部26、28によって形成された継ぎ目の少なくとも1部あるいはその全体にわたって適用可能である。そのようにして、開口ホイルテープ30は、対向する縁部26、28が不意に開いて汚染混入を防止するよう、重なり合う縁部26、28全体にわたって軸118に概ね平行な単一のストリップとして適用され得る。さもなくば、図6に示されたように、開口ホイルテープ30の個別のストリップは望ましければスリーブ110の周りに周方向にラップされ得て、これにより、対向する縁部26、28が不意に開くことが防止されることが認識され得る。
【0030】
本発明に従って製造されたスリーブ10、110は望ましいサイズおよび長さに関わらず様々な適用例の使用に適している。たとえば、自動車用、航行用、工業用、航空用または航空宇宙用の適用例に、あるいは近くの構成要素を熱放射から保護することが望まれる保護スリーブの任意の他の適用例に使用可能である。
【0031】
いくつかの現在好ましい実施形態に関する以上の詳細な説明および当業者がこの開示内容から容易に認識できる内容は、最終的に許可された請求の範囲内に含まれると考えられるべきことが理解されるべきである。
図1
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6