(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シラン官能性ポリマーPが、硬化時にメタノールを脱離せず、前記シーラントが、硬化の過程でメタノールを脱離する構成物質を含まないことを特徴とする、請求項1または2に記載のシーラント。
a)20〜30重量%の少なくとも1つのシラン官能性ポリマーPであって、前記シラン官能性ポリマーPが、硬化時にメタノールを脱離しないシラン官能性ポリマーPである、少なくとも1つのシラン官能性ポリマーPと、
b)0.01〜2重量%の、前記シラン官能性ポリマーPの架橋用の、少なくとも1つのアミジノ基を有する化合物と有機チタネートとの組み合わせを含む少なくとも1つの触媒と、
c1)1〜20重量%の、再生可能な原材料をベースとする少なくとも1つの可塑剤と、
c2)0〜50重量%の、再生可能な原材料をベースとしない少なくとも1つの他の可塑剤と、
d)10〜60重量%の少なくとも1つの充填材と
を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシーラントであって、硬化時にメタノールを脱離しないシーラントである、シーラント。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、
a)少なくとも1つのシラン官能性ポリマーPと、
b)シラン官能性ポリマーPの架橋用の少なくとも1つの触媒と
を含む湿気硬化型シーラントであって、
有機スズ化合物を含まず、かつ硬化状態で、すなわち、23℃および50%相対湿度で7日間にわたり硬化させた後に、0.4MPa未満の、DIN EN ISO 8339に従って測定される100%伸びおよび23℃での割線係数と、70%超の、DIN EN ISO 7389に従って測定される100%伸びでの弾性回復とを有する、シーラントに関する。
【0017】
割線係数は、DIN EN ISO 8339に従って100%伸びおよび23℃で測定される。硬化状態で、本発明のシーラントは、0.4MPa未満の、DIN EN ISO 8339に従った100%伸びおよび23℃での割線係数を有する。
【0018】
弾性回復は、ISO 7389に従って100%伸びで測定される(DINコンクリート平板、硬化:23℃および50%相対湿度で28日)。硬化状態で、本発明のシーラントは、70%超の、ISO 7389に従って測定される100%伸びでの弾性回復を有する。
【0019】
本発明のシーラントは好ましくは、800N未満の押出力を有する。押出力は、フロー品質の測定である。押出力の測定方法は、実験の部で下に記載される。
【0020】
シーラントは好ましくは、ISO 11600によるクラス25LMの建築用シーラントであり、それが、その標準でクラス25LMについて標準に含まれる要件を満たすことを意味する。
【0021】
好ましい一実施形態では、シーラントはまた、ASTM C719クラス50による要件を満たすシーラントである。
【0022】
ポリオールまたはポリイソシアネートなどの「ポリ」で始まる物質名は、1分子当たり2つ以上のそれらの名称に現れる官能基を形式上含有する物質を本明細書では意味する。
【0023】
用語「シラン」または「有機シラン」は、一方では、Si−O結合によってケイ素原子に直接結合した少なくとも1つの、通例2つまたは3つの加水分解性基、好ましくはアルコキシ基またはアシルオキシ基を有し、および他方では、Si−C結合によってケイ素原子に直接結合した少なくとも1つの有機ラジカルを有する化合物を意味する。アルコキシ基またはアシルオキシ基を有するシランはまた、それぞれ、有機アルコキシシランおよび有機アシルオキシシランとして当業者に公知である。
【0024】
それに応じて、用語「シラン基」は、化合物にSi−C結合によって結合している、シランの有機ラジカルに結合したケイ素含有基を特定する。シランおよびそれらのシラン基は、湿気と接触した場合に加水分解を受けるという特性を有する。これは、オルガノシラノール、すなわち、1つまたは複数のシラノール基(Si−OH基)を含有するケイ素有機化合物、およびその後の縮合反応によって、オルガノシロキサン、言い換えれば1つまたは複数のシロキサン基(Si−O−Si基)を含有するケイ素−有機化合物を生成する。
【0025】
用語「シラン官能性」は、シラン基を有する化合物を特定する。「シラン官能性ポリマー」は、したがって、少なくとも1つの、好ましくは2つ以上、例えば、2つのシラン基を有するポリマー、より特に有機ポリマーである。シラン基は、側基または好ましくは末端基の形態をとってもよい。シラン官能性ポリマーはまた、シラン末端ポリマー(STP)とも言われる。γ−シラン官能性ポリマーは、シラン基のSi原子が1,3−プロピレンブリッジによってポリマーに連結しているポリマーである。
【0026】
シラン官能性ポリマーを含むシーラントは湿気硬化型であり、水または水分、より具体的には大気水分の存在下で、シラン基上での上記の加水分解および縮合反応が起こり、ポリマー分子の架橋およびシーラントの硬化を引き起こすことを意味する。硬化はまた架橋とも言われる。
【0027】
「アミノシラン」、「イソシアナトシラン」、および「メルカプトシラン」は、その有機ラジカルがそれぞれ少なくとも1つのアミノ基、少なくとも1つのイソシアネート基、および少なくとも1つのメルカプト基を有する有機シランである。「第一級アミノシラン」は、有機ラジカルに結合している第一級アミノ基、すなわち、NH
2基を有するアミノシランである。「第二級アミノシラン」は、2つの有機ラジカルに結合している第二級アミノ基、すなわち、NH基を有するアミノシランである。
【0028】
「室温」は、23℃の温度を本明細書では意味する。
【0029】
オリゴマーまたはポリマーの「分子量」は、本明細書では、標準としてのポリスチレンに対してGPCを用いて典型的に測定される分子量平均M
n(数平均)であると理解される。
【0030】
本発明のシーラントは、式(I)
【化1】
(式中、
ラジカルR
1は、1〜8個のC原子を有する線状または分岐の一価の炭化水素ラジカル、より具体的にはメチルまたはエチル基であり、
ラジカルR
2は、1〜5個のC原子を有するアシルラジカルまたは線状もしくは分岐の一価の炭化水素ラジカル、より具体的にはメチル、エチルまたはイソプロピル基、好ましくはエチルまたはイソプロピル基であり、
添字aは、0または1または2、より特に0であり、
ラジカルR
3は、任意選択的に環状フラクションおよび任意選択的に1つまたは複数のヘテロ原子、より具体的には1つまたは複数の窒素原子を有する、1〜12個のC原子を有する線状または分岐の二価の炭化水素ラジカル、およびより特に1〜6個のC原子、好ましくは2〜6個のC原子を有するアルキレン基、より具体的にはプロピレン基である)
の末端基を特に有する、少なくとも1つのシラン官能性ポリマーPを含む。
【0031】
式(I)のシラン基内で、R
1およびR
2は互いにそれぞれ独立して、記載されたラジカルを表す。そのため、例えば、エトキシジメトキシシラン末端基(R
2=メチル、R
2=メチル、R
2=エチル)である式(I)の末端基を有する化合物もまた可能である。
【0032】
好ましい一実施形態では、シラン官能性ポリマーPは、γ−シラン末端ポリマーである。この場合、ラジカルR
3は好ましくはプロピレンである。
【0033】
好ましい一実施形態では、シラン官能性ポリマーPは、硬化時にメタノールを脱離しない。この実施形態では、シラン官能性ポリマーPは、ケイ素の結合したメトキシ基を含有しない。好ましくは、これは、R
2がメチル基ではない上に定義されたような式(I)の末端基を有するシラン官能性ポリマーPである。この場合、シラン官能性ポリマーPは好ましくは、ケイ素に結合したエトキシ基を有し、より具体的にはそれは、R
2がエチル基である上に定義されたような式(I)の末端基を有するシラン官能性ポリマーPである。この場合、環境上および毒性学的に無害のエタノールが組成物の硬化の過程で放出される。
【0034】
さらなる好ましい実施形態では、シーラントは、硬化の過程でメタノールを脱離する構成物質を含まない。
【0035】
シラン官能性ポリマーPに加えて、例えば、下に記載される接着促進剤、乾燥剤、反応性の希釈剤または架橋剤など、任意選択的に存在する他の反応性の構成物質によって硬化の過程でメタノールの脱離が場合により存在し得る。これらの構成物質は同様に、典型的にはアルコキシ基を含有するシラン官能性化合物である。そのため、シーラントがメトキシシラン基を含有するシラン官能性化合物を含有しないことが好ましい。
【0036】
好適なシラン官能性ポリマーPの例は、ポリエーテル−ポリウレタンおよびポリエステル−ポリウレタンなどのシラン官能性ポリウレタンポリマー、ポリエーテル−ポリウレアおよびポリエステル−ポリウレアなどのポリウレアポリマー、ポリイソシアヌレート、ポリカルボジイミド、ポリ(メタ)アクリレートポリマー、ならびにポリオキシアルキレンポリマーなどのポリエーテルポリマーである。
【0037】
好ましい一実施形態では、シラン官能性ポリマーPは、イソシアネート基に対して反応性である少なくとも1つの基を有するシランと、イソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーとの反応によって得られるシラン官能性ポリウレタンポリマーP1である。この反応は、好ましくは1:1のイソシアネート基に対して反応性である基対イソシアネート基の化学量論比で、またはイソシアネート基に対して反応性である基のわずかな過剰で実施され、そのため、生じたシラン官能性ポリウレタンポリマーP1はイソシアネート基を含まない。
【0038】
イソシアネート基に対して反応性である少なくとも1つの基を含有するシランと、イソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーとの反応において、シランは原則として、好ましくはないが、シラン基およびイソシアネート基を両方とも含有するシラン官能性ポリマーを与えるために、不足当量で使用されてもよい。
【0039】
イソシアネート基に対して反応性である少なくとも1つの基を含有するシランは、例えば、メルカプトシランまたはアミノシラン、より特にアミノシランである。
【0040】
アミノシランは好ましくは、式(II)
【化2】
(式中、R
1、R
2、R
3、およびaは、好ましい実施形態を含めて、式(I)のシラン基について上に定義された通りであり、R
4は、水素原子または環状フラクションを任意選択的に有する、1〜20個のC原子を有する環状の線状または分岐の一価の炭化水素ラジカルであるか、または式(III)
【化3】
(式中、
ラジカルR
5およびR
6は各場合に互いに独立して、水素原子または−R
8、−COOR
8、および−CNからなる群からのラジカルであり、
ラジカルR
7は、水素原子または−CH
2−COOR
8、−COOR
8、−CONHR
8、−CON(R
8)2、−CN、−NO
2、−PO(OR
8)
2、−SO
2R
8、および−SO
2OR
8からなる群からのラジカルであり、
ラジカルR
8は、少なくとも1つのヘテロ原子を任意選択的に含有する1〜20個のC原子を有する炭化水素ラジカルである)
のラジカルである)
のアミノシランASである。
【0041】
好適なアミノシランASの例は、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシランなどの第一級アミノシラン;N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどの第二級アミノシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシランまたは3−アミノプロピルジメトキシメチルシランなどの第一級アミノシランと、アクリロニトリル、(メタ)アクリルエステル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸ジエステルおよびフマル酸ジエステル、シトラコン酸ジエステルおよびイタコン酸ジエステルなどのマイケル受容体とのマイケル様付加の生成物、例えば、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノコハク酸ジメチルおよびジエチル;ならびにまた、ケイ素上にメトキシ基の代わりにエトキシまたはイソプロポキシ基を有する、好ましくはエトキシ基を有する、述べられたアミノシランの類似体である。
【0042】
特に好適なアミノシランASは、第二級アミノシラン、とりわけ式(II)中のR
4がH以外であるアミノシランASである。マイケル様付加体、より具体的にはN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノコハク酸ジエチル、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミノコハク酸ジエチル、およびN−(3−トリイソプロ
ポキシシリルプロピル)アミノコハク酸ジエチルが好ましい。
【0043】
マイケル受容体は、電子受容体ラジカルによって活性化された二重結合を含有し、かつ、そのためにマイケル付加(ヘテロ−マイケル付加)に類似の方法で第一級アミノ基(NH2基)と求核付加反応に入ることができる化合物である。
【0044】
シラン官能性ポリウレタンポリマーP1を生成するためのイソシアネート基を含有する好適なポリウレタンポリマーの例は、少なくとも1つのポリオールと、少なくとも1つのポリイソシアネート、より特にジイソシアネートとの反応によって得られるポリマーである。この反応は、例えば50℃〜100℃の温度で、任意選択的に好適な触媒の使用を伴って、ポリイソシアネートが、これらのイソシアネート基がポリオールのヒドロキシル基との関連で化学量論的過剰にあるように計量供給されるような、慣習的方法によってポリオールとポリイソシアネートとを反応させることによって達成され得る。
【0045】
過剰のポリイソシアネートは、ポリオールのヒドロキシル基のすべての反応後に結果として生じるポリウレタンポリマー中に存在する遊離のイソシアネート基の量が、全体ポリマーを基準として、0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜2.5重量%、より好ましくは0.2〜1重量%であるように特に選択される。
【0046】
好ましいポリウレタンポリマーは、述べられた量の遊離のイソシアネート基を有し、かつ1.5:1〜2.2:1のNCO:OH比でのジイソシアネートと高いモル質量ジオールとの反応から得られるものである。
【0047】
ポリウレタンポリマーを製造するための好適なポリオールは、特に、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、およびポリカーボネートポリオール、ならびにまたこれらのポリオールの混合物である。ポリオキシエチレンポリオールおよびポリオキシプロピレンポリオール、より特にポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、およびポリオキシプロピレントリオールが特に好適である。
【0048】
0.02ミリ当量/g未満の不飽和度を有し、かつ1000〜30,000g/モルの範囲の平均分子量を有するポリオキシアルキレンジオールまたはポリオキシアルキレントリオール、ならびにまた400〜20,000g/モルの平均分子量を有するポリオキシエチレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレンジオール、およびポリオキシプロピレントリオールがとりわけ好適である。同様に、いわゆるエチレンオキシド末端(「EO−エンドキャップされた」、エチレンオキシド−エンドキャップされた)ポリオキシプロピレンポリオールが特に好適である。
【0049】
ヒドロキシル基で末端停止されたポリブタジエンポリオールがさらに好適であり、例は、1,3−ブタジエンとアリルアルコールとの重合によって、またはポリブタジエンの酸化によって製造されるそれらのポリオール、およびまたそれらの水素化生成物である。
【0050】
Elastogran GmbH,Germanyから商品名Lupranol(登録商標)で例えば商業的に入手可能なような、スチレン−アクリロニトリル−グラフトポリエーテルポリオールがさらに好適である。
【0051】
特に好適なポリエステルポリオールは、少なくとも2個のヒドロキシル基を有しており、かつ公知の方法によって、特にヒドロキシカルボン酸の重縮合または脂肪族および/もしくは芳香族ポリカルボン酸と二価もしくは多価アルコールとの重縮合によって製造されるポリエステルである。
【0052】
とりわけ好適なポリカーボネートポリオールは、例えば、上述のアルコール(ポリエステルポリオールを合成するために使用されるもの)と、ジメチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネートまたはホスゲンとの反応によって得られるようなものである。ポリカーボネートジオール、とりわけ非晶質ポリカーボネートジオールが特に好適である。
【0053】
さらなる好適なポリオールは、ポリ(メタ)アクリレートポリオールである。
【0054】
例は、天然脂肪および天然油、より具体的にはヒマシ油である、ポリヒドロキシ官能性脂肪および油、または天然脂肪および天然油の化学変性によって得られる、いわゆる油脂化学ポリオール、ならびに例えば不飽和油のエポキシ化およびその後のそれぞれカルボン酸もしくはアルコールでの開環によって得られるエポキシポリエステルもしくはエポキシポリエーテル、または不飽和油のヒドロホルミル化および水素化によって得られるポリオールがさらに好適である。
【0055】
アルコール分解またはオゾン分解などの分解手順およびその後の化学連結によって、結果として得られる分解生成物またはそれらの誘導体の、例えば、エステル交換または二量化によって天然脂肪および天然油から得られるポリオールがさらに好適である。天然脂肪および天然油の好適な分解生成物は、特に、脂肪酸および脂肪アルコールならびにまた脂肪酸エステル、特にメチルエステル(FAME)であり、それらは、ヒドロキシ脂肪酸エステルを形成するために例えばヒドロホルミル化および水素化によって誘導体化され得る。
【0056】
さらに、例は、例えばKraton Polymers,USAによって製造されるような、ポリヒドロキシ官能性エチレン−プロピレン、エチレン−ブチレンもしくはエチレン−プロピレン−ジエンコポリマーである、オリゴヒドロカーボンオールとも呼ばれる、ポリヒドロカーボンポリオール、または1,3−ブ
タジエンなどのジエンもしくはジエン混合物とスチレン、アクリロニトリルもしくはイソブチレンなどのビニルモノマーとのポリヒドロキシ官能性コポリマー、または例が1,3−ブタジエンとアリルアルコールとの共重合によって製造され、およびまた水素化されていてもよいものである、ポリヒドロキシ官能性ポリブタジエンポリオールが同様に好適である。
【0057】
例えばエポキシドまたはアミノアルコールと、Emerald Performance Materials,LLC,USAから名称Hypro(登録商標)CTBNで商業的に入手可能であるカルボキシル末端アクリロニトリル/ブタジエンコポリマーとから製造することができる種類のポリヒドロキシ官能性アクリロニトリル/ブタジエンコポリマーがさらに好適である。
【0058】
これらの述べられたポリオールは好ましくは、250〜30,000g/モルの、より特に1000〜30,000g/モルの平均分子量、および1.6〜3の範囲の平均OH官能性を有する。
【0059】
特に好適なポリオールは、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオール、より具体的にはポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、およびポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンポリオール、好ましくはポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンジオールおよびポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレントリオールである。
【0060】
末端イソシアネート基を含有するポリウレタンポリマーを製造する場合に、これらの述べられたポリオールに付け加えて、例えば、1,2−エタンジオール、1,2−および1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、異性体ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコール、異性体ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、二量体脂肪アルコール、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトールまたはマンニトールなどの糖アルコール、スクロースなどの糖、他の高級多価アルコール、前述の二価および多価アルコールの低モル質量アルコキシル化生成物、ならびに前述のアルコールの混合物などの少量の低モル質量二価または多価アルコールを使用することが可能である。
【0061】
ポリウレタンポリマーを製造するために使用することができるポリイソシアネートは、市販のポリイソシアネート、とりわけジイソシアネートである。
【0062】
好適なジイソシアネートは例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2−メチルペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、2,2,4−および2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、リジンおよびリジンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネートまたはIPDI)、パーヒドロ−2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびパーヒドロ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ジイソシアナト−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、1,3−および1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m−およびp−キシリレンジイソシアネート(m−およびp−XDI)、m−およびp−テトラメチル−1,3−キシリレンジイソシアネート、m−およびp−テトラメチル−1,4−キシリレンジイソシアネート、ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ナフタレン、2,4−および2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−、2,4’−、および2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,3−および1,4−フェニレンジイソシアネート、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ジイソシアナトベンゼン、ナフタレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル(TODI)、上記イソシアネートのオリゴマーおよびポリマー、ならびにまた上記イソシアネートの任意の所望の混合物である。
【0063】
好適なシラン官能性ポリマーP1は、例えば、Hanse Chemie AG,Germanyから、例えばPolymer ST50として、商品名Polymer STで商業的に入手可能なもの、およびまたBayer MaterialScience AG,Germanyから商品名Desmoseal(登録商標)で商業的に入手可能なものである。
【0064】
第2の好ましい実施形態では、シラン官能性ポリマーPは、イソシアナトシランISと、イソシアネート基に対して反応性である官能性末端基、より具体的にはヒドロキシル基、メルカプト基および/またはアミノ基を有するポリマーとの反応によって得られる、シラン官能性ポリウレタンポリマーP2の形態にある。この反応は、例えば20℃〜100℃の温度で、任意選択的に触媒の使用を伴って、1:1のイソシアネート基対イソシアネート基に対して反応性である官能性末端基の化学量論比で、またはイソシアネート基に対して反応性である官能性末端基のわずかな過剰で行われる。
【0065】
イソシアナトシランISとしての適合性は、式(IV)
【化4】
(式中、R
1、R
2、R
3、およびaは、好ましい実施形態を含めて、式(I)のシラン基について上に定義された通りである)
の化合物が有する。
【0066】
式(IV)の好適なイソシアナトシランISの例は、イソシアナトメチルトリメトキシシラン、イソシアナトメチルジメトキシメチルシラン、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルジメトキシメチルシラン、およびケイ素上でメトキシ基の代わりにエトキシまたはイソプロポキシ基を有する、より特にエトキシ基を有するそれらの類似体である。
【0067】
イソシアネート基に対して反応性である官能性末端基として、ポリマーは好ましくはヒドロキシル基を含有する。ヒドロキシル基を含有するポリマーは好適には、一方では、既に述べられた高モル質量ポリオキシアルキレンポリオール、好ましくは0.02ミリ当量/g未満の不飽和度を有し、かつ4000〜30,000g/モルの範囲の平均分子量を有するポリオキシプロピレンジオール、とりわけ8000〜30,000g/モルの範囲の平均分子量を有するものである。
【0068】
他方では、ヒドロキシル基を含有するポリウレタンポリマー、より特にヒドロキシル基で末端停止されたポリウレタンポリマーが、式(IV)のイソシアナトシランISとの反応にまた好適である。この種のポリウレタンポリマーは、少なくとも1つのポリイソシアネートと少なくとも1つのポリオールとの反応によって得られる。この反応は、例えば50℃〜100℃の温度で、任意選択的に好適な触媒の使用を伴って、ポリオールが、そのヒドロキシル基がポリイソシアネートのイソシアネート基との関連で化学量論的過剰にあるように計量供給されるような、慣習的方法でポリオールとポリイソシアネートとを反応させることによって達成され得る。ヒドロキシル基対イソシアネート基の好ましい比は、1.3:1〜4:1、より特に1.8:1〜3:1である。
【0069】
この反応に好適なポリオールおよびポリイソシアネートは、シラン官能性ポリウレタンポリマーP1の製造のために使用されるイソシアネート基含有ポリウレタンポリマーの製造に好適であるとして既に述べられたものと同じものである。
【0070】
好適なシラン官能性ポリマーP2は、例えば、Momentive Performance Materials Inc.,USAから商品名SPUR+1010LM、1015LM、および1050MMで、ならびにまたWacker Chemie AG,Germanyから商品名Geniosil
(登録商標)STP−E15、STP−
E10、およびSTP−E35で商業的に入手可能なものである。
【0071】
第3の好ましい実施形態では、シラン官能性ポリマーPは、例がポリ(メタ)アクリレートポリマーまたはポリエーテルポリマーである、末端二重結合を有するポリマーの、より特に、それらの全体開示内容が本明細書によって援用される、例えば米国特許第3,971,751号明細書および米国特許第6,207,766号明細書に記載されている、アリル末端ポリオキシアルキレンポリマーのヒドロシリル化反応によって得られるシラン官能性ポリマーP3である。
【0072】
好適なシラン官能性ポリマーP3は、例えば、株式会社カネカ、日本国から商品名MS Polymer
TM S203H、S303H、S227、S810、MA903、およびS943、Silyl
TM SAX220、SAX350、SAX400、およびSAX725、Silyl
TM SAT350、およびSAT400、ならびにまたXMAP
TM SA100SおよびSA310Sで、およびまた旭硝子株式会社、日本国から商品名Excestar(登録商標)S2410、S2420、S3430、S3630、W2450、およびMSX931で商業的に入手可能なものである。
【0073】
シーラント中のシラン官能性ポリマーPの割合は、広範囲内で変わってもよい。慣習的にシラン官能性ポリマーPは、例えば5〜80重量%の、好ましくは10〜60重量%の、より好ましくは15〜50重量%の割合でシーラント中に存在する。
【0074】
本発明のシーラントは、シラン官能性ポリマーPの架橋用の少なくとも1つの触媒をさらに含む。この目的のために当業者に公知の慣習的触媒が使用されてもよい。触媒は好ましくは、金属触媒および/または窒素含有化合物である。
【0075】
本発明のシーラントは、有機スズ化合物を実質的に含まない。より具体的には組成物のスズ含有量は、0.06重量%未満、より特に0.01重量%未満である。本発明のシーラントは好ましくは、有機スズ化合物を含まず、および/または完全にスズを含まず、シーラントがスズ化合物、およびまた元素状またはイオン形態のスズを含有しないことを意味する。
【0076】
好適な金属触媒は、例えば、有機チタネート、有機ジルコネート、および有機アルミネートである。有機チタネート、有機ジルコネート、および有機アルミネートは好ましくは、アルコキシ基、スルホネート基、カルボキシレ−ト基、ジアルキルホスフェート基、ジアルキルピロホスフェート基、およびアセチルアセトネート基から選択される配位子を含有し、配位子がすべて同一であるまたは互いに異なることが可能である。下に示される式において、破線は、酸素−金属の結合を表す。
【0077】
好適なアルコキシ基の例は、イソブトキシ、n−ブトキシ、イソプロポキシ、エトキシ、および2−エチルヘキソキシである。特に式(V)のいわゆるネオアルコキシ置換基がアルコキシ基として特に好適であることがまた分かっている。
【化5】
【0078】
その芳香族部分がアルキル基で置換されている芳香族スルホネートが、特に、スルホネート基として好適であることが分かっている。式(VI)のラジカルが好ましいスルホン酸であると考えられる。
【化6】
【0079】
脂肪酸のカルボキシレ−トが、例えば、カルボキシレ−ト基として特に好適であることが分かっている。デカノエート、ステアレート、およびイソステアレートが好ましいカルボキシレ−トを構成すると考えられる。
【0080】
有機チタネート、有機ジルコネート、および有機アルミネートは、キレート配位子とも呼ばれる、少なくとも1つの多座配位子を特に好ましくは含む配位子を有する。多座配位子は好ましくは二座配位子である。二座配位子は好ましくは、式(VII)
【化7】
(式中、
ラジカルR
21は、水素原子または1〜8個のC原子を有する線状または分岐アルキル基、より具体的にはメチル基であり、
ラジカルR
22は、水素原子またはヘテロ原子を任意選択的に含有する1〜8個のC原子を有する線状または分岐アルキル基であり、より特に水素原子であり、
ラジカルR
23は、水素原子または1〜8個、より特に1〜3個のC原子を有するアルキル基であるか、または1〜8個、より特に1〜3個のC原子を有する線状または分岐アルコキシ基である)
の配位子である。
【0081】
好ましい一触媒は、有機チタネート、より具体的には式(VIII)
【化8】
(式中、
ラジカルR
21、R
22、およびR
23は、式(VII)において上に定義された通りであり、
ラジカルR
24は、2〜20個のC原子を有する線状または分岐アルキルラジカル、より具体的にはイソブチルまたはイソプロピルラジカルであり、
nは、1または2、より特に2である)
の有機チタネートである。
【0082】
好ましい有機チタネートは、式中、R
21がメチル基であり、R
22が水素原子であり、R
23がメチル基またはメトキシもしくはエトキシ基であり、R
24がイソブチルまたはイソプロピルラジカルである式(VIII)のものである。
【0083】
さらなる好適な有機チタネートは、1つまたは複数のアミノアルコキシド配位子、とりわけトリエタノールアミンまたは2−((2−アミノエチル)アミノ)エタノール、および1つまたは複数のアルコキシド配位子を有するチタン(IV)錯体化合物、4つのアルコキシド配位子を有するチタン(IV)錯体化合物、ならびにまたより高縮合有機チタネート、とりわけ、ポリブチルチタネートとも呼ばれる、オリゴマーのチタン(IV)テトラブトキシドである。
【0084】
具体的な例は、ビス(エチルアセチルアセトナト)ジイソブトキシチタン(IV)、ビス(エチルアセチルアセトナト)ジイソプロポキシチタン(IV)、ビス(アセチルアセトナト)−ジイソプロポキシチタン(IV)、ビス(アセチルアセトナト)ジイソブトキシチタン(IV)、トリス(オキシエチル)アミノイソプロポキシチタン(IV)、ビス[トリス(オキシエチル)アミノ]ジイソプロポキシチタン(IV)、ビス(2−エチルヘキサン−1,3−ジオキシ)チタン(IV)、トリス[2−((2−アミノエチル)アミノ)エトキシ]−エトキシチタン(IV)、ビス(ネオペンチル(ジアリル)オキシジエトキシチタン(IV)、チタン(IV)テトラブトキシド、テトラ−(2−エチルヘキシルオキシ)チタネート、テトラ(イソプロポキシ)チタネート、およびポリブチルチタネートである。
【0085】
有機チタネートの利点は、より高い速度を架橋で達成できることである。
【0086】
好適な有機チタネートは、例えば、DuPont,USAから商品名Tyzor(登録商標)AA、GBA、GBO、AA−75、AA−65、AA−105、DC、BEAT、BTP、TE、TnBT、KTM、TOT、TPTもしくはIBAYで、またはTensoChema AG,Switzerlandから商業的に入手可能な商品名Tytan
TM15 PBT、TET、X85、TAA、ET、S2、S4もしくはS6、およびKenrich PetrochemicalsからKen−React(登録商標)KR TTS、7、9QS、12、26S、33DS、38S、39DS、44、134S、138S、133DS、158FSまたはLICA(登録商標)44で商業的に入手可能である。
【0087】
有機ジルコネートは、例えば、Kenrich Petrochemicalsから、商業的に入手可能である。好適な有機ジルコネートの例は、Ken React(登録商標)NZ 38J、NZ TPPJ、KZ OPPR、KZ TPP、NZ 01、NZ 09、NZ 12、NZ38、NZ 44、NZ 97である。他の好適な有機ジルコネートは、Johnson Matthey&Brandenberger AG,Switzerlandから商品名Snapcure
TM3020、3030、1020で商業的に入手可能である。好適な有機アルミネートは、Worlee−Chemie GmbH,Germanyから商品名K−Kat(登録商標)5218で例えば商業的に入手可能である。
【0088】
好適な触媒である窒素含有化合物は、例えば、特に、N−エチルジイソプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルアルキレンジアミン、ポリオキシアルキレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどのアミン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N’−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、およびまたケイ素上にメトキシ基の代わりにエトキシまたはイソプロポキシを有するそれらの類似体などのアミノシランである。
【0089】
特に好ましくは本発明のシーラントは、少なくとも1つのアミジノ基を有する少なくとも1つの窒素含有化合物を触媒として含む。より具体的にはこれは、式(IX)
【化9】
(式中、
ラジカルR
11は、水素原子、1〜10個のC原子を有する一価の炭化水素ラジカルであるか、またはR
14と一緒に、1〜10個のC原子を有する任意選択的に置換された、二価の炭化水素ラジカルであり、
ラジカルR
12は、水素原子、任意選択的に環状または芳香族フラクションを有し、かつ任意選択的に1つまたは複数のヘテロ原子、アミノ基を有する、1〜12個のC原子を有する一価の炭化水素であるか、またはR
13と一緒に、1〜10個のC原子を有する任意選択的に置換された、二価の炭化水素ラジカルであり、
ラジカルR
13は、水素原子、任意選択的に環状または芳香族フラクションを有し、かつ任意選択的に1つまたは複数のヘテロ原子を有する、1〜12個のC原子を有する一価の炭化水素ラジカルであるか、またはR
12と一緒に、1〜10個のC原子を有する任意選択的に置換された、二価の炭化水素ラジカルであり、
ラジカルR
14は、水素原子、1〜10個のC原子を有する一価の炭化水素ラジカルであるか、またはR
11と一緒に、1〜10個のC原子を有する任意選択的に置換された、二価の炭化水素ラジカルである)
の化合物である。
【0090】
ヘテロ原子を含有するラジカルR
12および/またはR
13は、アルキルトリアルコキシシランラジカルなどのシラン基であって、例えば、シラン基が好ましくはメトキシ基を有さないシラン基を含有する、例えばアルキルラジカルである。
【0091】
少なくとも1つのアミジノ基を有する化合物は好ましくは、グアニジン、イミダゾール、イミダゾリン、アミジン、好ましくは二環式アミジン、またはこれらの化合物の誘導体である。そのような誘導体は、例えば、置換イミダゾールまたはイミダゾリン、より具体的にはシラン基を有するイミダゾールまたはイミダゾリンであり、このシラン基は好ましくはメトキシ基を有さない。
【0092】
アミジンは好ましくは二環式アミジンであり、より特に9、10、11、または12個のC原子を二環式構成物質中に有する。これらの化合物の利点は、それらが比較的高い反応性を有し、かつそれらの量を、そのため、比較的低く保ち得ることである。結果として、したがって、硬化組成物からのこれらの化合物の滲出を減らすことができる。
【0093】
例は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどのアミジン類;メチルトリアザビシクロデセン;テトラメチルグアニジン、2−グアニジノベンズイミダゾール、アセチルアセトングアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、トリルビグアニジン、2−tert−ブチル−1,1,3,3−テトラメチルグアニジンなどのグアニジン類;ならびにN−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールおよびN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールなどのイミダゾール類である。
【0094】
異なる触媒の組み合わせ、より具体的には少なくとも1つの金属触媒と少なくとも1つのアミジノ基を有する少なくとも1つの窒素含有化合物との組み合わせもまた、とりわけ好適である。
【0095】
有機チタネート、アミン、および少なくとも1つのアミジノ基を有する化合物、例えばアミジン類、より具体的には二環式アミジン、グアニジン類、およびイミダゾール類、ならびにそれらの組み合わせなどの化合物が触媒として好ましく、アミジン類、とりわけ二環式アミジン、および有機チタネートがさらに好ましい。アミジン類、とりわけ二環式アミジンが特に好ましく、少なくとも1つのアミジン、より具体的には二環式アミジンと、少なくとも1つの有機チタネートとの組み合わせがさらにより好ましい。この組み合わせは、シラン官能性ポリマーPが、そのR
2がエチル基である式(I)のシラン基を有する場合に特に好ましくは使用される。
【0096】
シーラント中の触媒の割合は、広範囲内で変わってもよいが、全体組成物の、好ましくは0.01〜5重量%、より特に0.05〜3重量%、より好ましくは0.1〜2重量%、最も好ましくは0.2〜1重量%である。
【0097】
本発明のシーラントはさらに任意選択的に、少なくとも1つの可塑剤を含み、可塑剤の使用が好ましい。好適な可塑剤の例は、脂肪酸アルキルエステルなどの有機カルボン酸のエステルまたはそれらの酸無水物、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレートまたはジイソデシルフタレートなどのフタレート、ジオクチルアジペートなどのアジペート、アゼレートおよびセバケート、ポリオキシアルキレンポリオールまたはポリエステルポリオールなどのポリオール、有機リン酸およびスルホン酸エステル、鉱油またはポリブテンである。
【0098】
しかし、シーラントは好ましくは、フタレート含有化合物を含まず、シーラントが、特に、先行技術によるシーラントに典型的には用いられる、フタレート含有可塑剤を含まないことを意味する。
【0099】
使用される好ましい可塑剤は、脂肪酸アルキルエステル、フェノールのアルキルスルホン酸エステル、鉱油、同様に脂肪酸アルキルエステルであってもよい、再生可能な原材料をベースとする可塑剤、またはそれらの組み合わせである。好ましい一実施形態では、シーラントは、少なくとも10重量%の再生可能な原材料をベースとする1つまたは複数の可塑剤を含み、シーラントが再生可能な原材料をベースとしない1つまたは複数の他の可塑剤を含有することがさらに可能である。
【0100】
再生可能な原材料をベースとする可塑剤の例は、菜種油、大豆油、およびヤシ油などの植物油、ならびにエステル、とりわけ、菜種油メチルエステル、ソヤメチルエステル、およびヤシ油メチルエステルなどの植物油のメチルエステルである。
【0101】
再生可能な原材料をベースとしないが、フタレートを含まない可塑剤の例は、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル、Solutia製のSolusolv(登録商標)2075、Eastman Chemical Company製のBenzoflex(登録商標)製品、およびLanxess製のMesamoll(登録商標)などのフェノールのアルキルスルホン酸エステルである。
【0102】
可塑剤はより好ましくは、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル、Mesamoll(登録商標)などのフェノールのアルキルスルホン酸エステル、菜種油メチルエステル、またはそれらの組み合わせを含み、その場合には、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルと菜種種メチルエステルとの組み合わせの使用が好ましい。
【0103】
シーラント中の可塑剤の総量は、使用される場合、広範囲内で変わってもよいが、全体シーラントを基準として、例えば10〜80重量%、好ましくは20〜60重量%であり、好ましい一実施形態では、再生可能な原材料をベースとする可塑剤は、全体シーラントを基準として、少なくとも1重量%、好適には20重量%以下である。
【0104】
シーラントは任意選択的に少なくとも1つの充填材を含んでもよく、これが一般に好ましい。充填材は、未硬化組成物のレオロジー特性のみならず、硬化組成物の機械的特性および表面品質にも影響を及ぼす。
【0105】
好適な充填材の例は無機および有機充填材であり、例は、脂肪酸、とりわけステアリン酸のコーティングありまたはなしの、天然の粉砕または沈澱炭酸カルシウム、硫酸バリウム(BaSO4、バライトまたは重晶石とも呼ばれる)、か焼カオリン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、とりわけ熱分解操作からの微粉化シリカ、カーボンブラック、とりわけ工業用カーボンブラック、PVC粉末または中空ビーズである。好ましい充填材は、炭酸カルシウム、か焼カオリン、カーボンブラック、微粉化シリカ、およびまた、水酸化物または水和物、より具体的にはアルミニウムの水酸化物または水和物、好ましくは水酸化アルミニウムなどの難燃性充填材である。異なる充填材の混合物を使用することが完全に可能であり、有利でさえあり得る。シーラントは好ましくは、沈澱被覆炭酸カルシウムを充填材として含み、特異的な一実施形態では、沈澱被覆炭酸カルシウムのみがシーラント中に存在し、他の充填材は存在しない。
【0106】
シーラント中の充填材の総量は、使用される場合、広範囲内で変わってもよいが、全体シーラントを基準として、例えば80〜10重量%、好ましくは60〜20重量%である。
【0107】
シーラントは、増粘剤またはチキソトロープ剤などの少なくとも1つのレオロジー改質剤を任意選択的に含んでもよく、例は、国際公開第02/48228 A2号パンフレットにおいてページ9〜11にチキソトロープ剤(「チキソトロピー付与剤」)として記載されている種類のウレア化合物、ポリアミドワックス、ベントナイトまたはヒュームドシリカ;有機変性ヒマシ油およびアミドワックスまたはそれらの組み合わせである。有機変性ヒマシ油は、例えば、水素化ヒマシ油または別のヒマシ油誘導体であってもよい。商業的に入手可能な有機変性ヒマシ油の一例は、Thixatrol(登録商標)STである。
【0108】
特異的な好ましい一実施形態では、シーラントは、チキソトロープ剤として有機変性ヒマシ油、および充填材として沈澱被覆炭酸カルシウムを含み、シーラントは好ましくは沈澱被覆炭酸カルシウム以外の充填材を含まない。沈澱被覆炭酸カルシウムは好ましくは、少なくとも1つの脂肪酸、とりわけステアリン酸で被覆された沈澱炭酸カルシウムである。商業的に入手可能な沈澱被覆炭酸カルシウムの一例は、Socal U1S2である。シーラントのこの特異的な好ましい実施形態は意外にも、標準ASTM C719クラス50の要件を満たす。
【0109】
有機変性ヒマシ油は本明細書では、全体シーラントを基準として、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%の量でシーラント中に存在し、および/または沈澱被覆炭酸カルシウムは、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜45重量%の量で存在する。
【0110】
この特異的な好ましい実施形態の場合には、少なくとも1つのシラン官能性ポリマーPは、好ましくはシラン官能性ポリウレタンポリマー、より具体的には上述のシラン官能性ポリウレタンポリマーP1およびP2の少なくとも1つである。
【0111】
さらに、本発明のシーラントは、他の構成物質をさらに含んでもよい。そのような構成物質は、例えば、溶剤;例えば、ポリエチレンの繊維;染料、顔料;例がエポキシシラン、(メタ)アクリロシラン、アンヒドリドシランまたは前記シランと第一級アミノシランとの付加体、およびまたアミノシランまたはウレアシランである接着促進剤;例がシラン官能性オリゴマーおよびポリマーである架橋剤;例えばビニルトリメトキシシラン、N−(シリルメチル)−O−メチルカルバメート、より特にN−(メチルジメトキシシリルメチル)−O−メチルカルバメート、(メタクリルオキシメチル)−シラン、メトキシメチルシラン、N−フェニル−、N−シクロヘキシル−、およびN−アルキルシランなどの
α−官能性シラン、オルトギ酸エステル、酸化カルシウムまたはモレキュラーシーブのような乾燥剤;例えば、熱、光、およびUV放射線を無効にするための安定剤;難燃剤、湿潤剤などの界面活性物質、流量制御剤、脱気剤または消泡剤;殺藻剤、殺菌剤または菌増殖防止剤などの殺生物剤;ならびにまた湿気硬化型組成物に慣習的に使用される他の物質である。
【0112】
本発明のシーラントが、少なくとも1つの接着促進剤、より具体的にはシラン官能性ポリマーPの製造について上にまた記載されたようなアミノシランを含むことが好ましい。この場合に接着促進剤の割合は好ましくは、全体シーラントを基準として、0.01〜3重量%である。
【0113】
本発明のシーラントは、湿潤剤および/または分散剤をさらに含んでもよい。さらに、特にシラン基との反応によって、シーラントが硬化するときにポリマーマトリックス中へ組み込まれる、反応性の希釈剤と呼ばれるものを使用することが必要に応じて可能である。
【0114】
特に好ましい一実施形態では、シーラントは、
a)20〜30重量%の少なくとも1つのシラン官能性ポリマーP、より具体的にはγ−シラン末端ポリマーであって、シラン官能性ポリマーPが好ましくは硬化時にメタノールを脱離しない、少なくとも1つのシラン官能性ポリマーP、より具体的にはγ−シラン末端ポリマーと、
b)0.01〜2重量%の、シラン官能性ポリマーPの架橋用の少なくとも1つの触媒、より具体的には、少なくとも1つのアミジノ基を有する化合物、より具体的には二環式アミジン、および/または有機チタネート、好ましくは、少なくとも1つのアミジノ基を有する化合物、より具体的には二環式アミジンと、有機チタネートとの組み合わせと、
c1)0〜50重量%、より特に1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%の、例えば植物油および/または植物油のエステル、より具体的には菜種油メチルエステルのような再生可能な原材料をベースとする少なくとも1つの可塑剤と、
c2)0〜50重量%の、再生可能な原材料をベースとしない少なくとも1つの可塑剤、より具体的には鉱油、フェノールのアルキルスルホン酸エステル、脂肪酸アルキルエステルまたはそれらの組み合わせ、好ましくは1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルと、
d)10〜60重量%の少なくとも1つの充填材と
を含み、好ましくは、硬化時にメタノールを放出しないシーラントである。
【0115】
シーラントは、硬化状態において、さらに好ましくは次の条件:
a)300%超の、DIN 53504に従って測定される破断点伸び;
b)10〜40の、DIN 53505に従って測定されるショアA硬度;
c)20〜360分のスキンオーバー時間
の少なくとも1つを満たす。
【0116】
報告される値についての測定方法は、実施例において詳細に説明される。
【0117】
本発明のシーラントはとりわけ、建築用シーラントとして、より具体的には屋外縁取りシーラントとして好適である。特にそれは、ISO 11600によるクラス25LMの建築用シーラントとして好適である。一実施形態でのシーラントは、ASTM C719クラス50によるシーラントとして好適である。
【0118】
特に好ましい一実施形態では、シーラントは、a)フタレート化合物を含まない、b)スズを含まない、c)硬化時にメタノールを脱離しない、およびd)可塑剤として上に記載されている再生可能な原材料をベースとする可塑剤など、再生可能な原材料および/または再生可能な原材料をベースとする化合物を含む。
【0119】
シーラントは好ましくは、湿気の不在下に製造され、貯蔵される。典型的にはシーラントは貯蔵安定性があり、それは、例えば、その使用に関係がある程度まで、その適用特性のまたは硬化後のその特性のいかなる変化も受けることなく、数ヶ月から1年以上に及ぶ期間にわたって、ドラム缶、ポウチまたはカートリッジなどの好適なパックまたはシステム中で湿気の不在下に保持できることを意味する。貯蔵安定性は通例、粘度のまたは押出力の測定によって判定される。
【0120】
本発明のシーラントを適用すると、シーラント中に存在するシラン基は湿気と接触する。シラン基の一特徴は、それらが湿気に触れると加水分解を受けることである。この反応において、オルガノシラノールが形成され、その後の縮合反応によって、オルガノシロキサンが形成される。触媒または促進剤の使用によって加速され得る、これらの反応の結果として、シーラントは究極的に硬化する。このプロセスはまた架橋とも言われる。
【0121】
硬化のために必要とされる水は、空気(大気水分)に由来してもよいか、またはシーラントは、水含有成分と接触させられてもよい(この接触は、例えば、平滑化手段を用いて、広げることによって、または吹き付けることによって、例えば、もたらされる)か、またはシーラントは、例えば、水含有ペーストの形態において水含有成分と適用時に混ぜ合わせられてもよいかのいずれかである。
【0122】
本発明のシーラントは、コンクリート、モルタル、れんが、タイル、しっくい、花崗岩または大理石などの天然石、ガラス、ガラス−セラミック、金属または金属合金、木材、プラスチック、およびペイントへの適用に例えば好適であり;建設資材への適用がとりわけ好ましい。
【0123】
本発明のシーラントは、5〜45℃の温度範囲で好ましくは適用され、およびまたこれらの条件下で硬化する。
【0124】
本発明はさらに、本発明のシーラントから、より特に大気水分の形態での、水でのその硬化後に得られる硬化シーラントに関する。
【0125】
本発明のシーラントでシールされる物品は好ましくは、建築物、より特に屋外縁取りを含む。
【実施例】
【0126】
記載される本発明をより詳細に説明することを意図する実施例が以下に提示される。本発明は、当然のことながら、記載されるこれらの実施例に限定されない。特に明記しない限り、量および百分率は重量による。
【0127】
試験方法
割線係数は、DIN EN ISO 8339に従って100%伸びおよび23℃で測定する。
【0128】
弾性回復は、ISO 7389に従って100%伸びで測定する(DINコンクリート平板、硬化のための貯蔵:23℃、50%相対湿度で28日)。この目的のために、2つのコンクリート平板をポリエチレンシート上に2つのTeflonスペーサーを用いて配置してそれぞれの間に空間(12×12×50mm)を与え、その空間中へ被験シーラントを満たす。シーラントを上述の条件下で硬化させる。試料をその後、DIN 51221、パート2、クラス1に従って引張強度試験機を用いて100%伸びにかけ(12〜24mmの伸び距離)、24mmの幅の金属スペーサーを挿入する。試料を試験機から取り出し、24時間にわたり伸びた位置に保持する。スペーサーを次に取り除き、試料を、タルク粉で処理されたガラス板上に置く。1時間後に、距離を測定し、それを用いてISO 7389の式に従って弾性回復を計算する。
【0129】
引張強度、破断点伸び、および0〜100%伸びでの弾性率は、23℃および50%相対湿度で14日間にわたり硬化させた、2mmの層厚さのフィルムに関してDIN 53504に従って測定した(引張速度:200mm/分)。
【0130】
引裂抵抗は、23℃および50%相対湿度で7日間にわたり硬化させた、2mmの層厚さのフィルムに関して、DIN 53515に従って測定した。
【0131】
スキンオーバー時間(粘着性がなくなるまでの時間、「不粘着時間」)は、23℃および50%相対湿度で測定した。スキンオーバー時間の測定のために、室温での少量の
シーラントを板紙に約2mmの層厚さで適用し、
シーラントの表面にLDPEピペットで静かに触れたときに、初めて、いかなる残留物ももはやピペット上に残らなくなるまでに経過する時間を記録した。
【0132】
押出力の測定のために、組成物を、内面被覆されたアルミニウムカートリッジ(外径46.9mm、内径46.2mm、長さ215mm、開口部15−M)へ導入し、Novelis Deutschland GmbH製のポリエチレン栓(直径46.1mm)で気密シールした。23℃で24時間にわたり順化させた後、カートリッジを開け、内容物を、押出装置を用いて押し出した。この装置について、3mm内径開口部を有するノズルをカートリッジスレッドへねじ込んだ。押出装置(Zwick/Roell Z005)を用いて、60mm/分の押出速度で組成物を押し出すために必要とされる力の測定を行った。報告される数字は、22mm、24mm、26mm、および28mmの押出距離後に測定された力の平均値である。30mmの押出距離後に、測定を停止した。
【0133】
硬化速度は、くさびでの全厚硬化(through−curing)によって測定する。これは、Teflonくさび型(くさび長さ(L)300mm、最大くさび深さ(d)10mm、くさび幅10mm)を使用して行う。シーラントを、くさびの最低点から出発してくさびの端まで、泡なしにおよび過剰に導入する。突出シーラントを、木製スパチュラを使用して、型のエッジに依然として存在する穴に圧入し、残りをスパチュラで取り除く。くさびを23℃および50%相対湿度で貯蔵し、全厚硬化を1、2、3、4、および7日後に測定する。この目的のために、直前に硬化したくさびの刃から出発して、シーラントを、未硬化シーラントがTeflon型上に見出されるまで型から離脱させる。既に硬化しているシーラントの長さ(l)を、mm単位で確認する。シーラントをその後、型に戻し、静かに押し付ける。全厚硬化は、次式(mm単位でのすべての数字):D=(l・d)/L(式中、Dは全厚硬化であり、lは既に硬化したシーラントの長さであり、Lはくさび長さであり、dは最大くさび深さである)によって求める。
【0134】
ショアA硬度は、23℃および50%相対湿度で14日間にわたり硬化させた、6mmの層厚さの試料に関してDIN 53505に従って測定した。
【0135】
実施例4および市販製品Sonolasticについて、それらがASTM C719クラス50の要件を満たすかどうかを判定するために試験を行った。
【0136】
エトキシ末端基を有するシラン官能性ポリウレタンポリマーP−EtOの製造
窒素雰囲気下で、700gのAcclaim(登録商標)12200ポリオール(Bayer MaterialScience AG,Germany;低モノオールポリオキシプロピレンジオール;OH数 11.0mg KOH/g;含水率 約0.02重量%)、32.1gのイソホロンジイソシアネート(Vestanat(登録商標)IPDI、Evonik Degussa GmbH,Germany)、85.4gの2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート(Eastman TXIB
TM;Eastman Chemical Compan,USA)、および0.1gのビスマストリス(ネオデカノエート)(Hexamoll(登録商標)DINCH,BASF SE,Germany中10重量%)を、連続攪拌しながら90℃に加熱し、この温度で放置した。1時間の反応時間後に、滴定により、0.7重量%の遊離イソシアネート基含有量と分かった。次に、0.14モル(NCO基とシランとの化学量論的反応に相当する)の反応性のシラン(Int−EtO)を添加し、攪拌をさらに2〜3時間にわたり90℃で続行した。遊離イソシアネートがIR分光法(2275〜2230cm
−1)によってもはや検出できなくなると直ちに反応を停止した。生成物を室温(23℃)まで冷却し、湿気の不在下に貯蔵した(理論的ポリマー含有量=90%)。
【0137】
反応性のシランInt−EtO(N−(3−トリエトキシシリルプロピル)アミノコハク酸ジエチル)は、次の通り調製した:100gの3−アミノプロピルトリエトキシシラン(Evonik Degussa GmbH,Germany製のDynasylan(登録商標)AMEO)を導入した。室温で十分攪拌しながらゆっくりと77.8gのマレイン酸ジエチル(Fluka Chemie GmbH,Switzerland)を添加し、混合物を60℃で12時間にわたり攪拌した。
【0138】
メトキシ末端基を有するシラン官能性ポリウレタンポリマーP−MeOの製造
メトキシ末端基を有するシラン官能性ポリウレタンポリマーP−MeOは、反応性のシランInt−EtOの代わりに反応性のシランInt−MeO(N−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノコハク酸ジエチル)を使用したことを除いて、エトキシ末端基を有するシラン官能性ポリウレタンポリマーP−EtOと同じ方法で製造した。反応性のシランInt−MeOは、反応性のシランInt−EtOと同じ方法で、しかし3−アミノプロピルトリエトキシシランではなくて3−アミノプロピルトリメトキシシランを使用して調製した。
【0139】
チキソトロープ剤TMの製造
真空ミキサーに、1000gの1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニル(DINCH,Hexamoll(登録商標)DINCH)および160gの4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(Desmodur(登録商標)44 MC L,Bayer MaterialScience AG,Germany)を装入し、この初期装入物をわずかに温めた。次に、激しく攪拌しながら90gのモノブチルアミンをゆっくりと滴加した。形成された白色ペーストを、減圧下で、冷却しながらさらに1時間にわたり攪拌した。チキソトロープ剤TMは、80重量%のDINCH中に20重量%のチキソトロープ剤を含有する。
【0140】
シーラントの製造
真空ミキサーで、表1に示される重量部に従って、シラン官能性ポリマー(P−MeOまたはP−EtO)、可塑剤(Hexamoll DINCHおよび/または菜種油メチルエステル)、チキソトロープ剤(TMまたはThixatrol ST)ならびにビニルトリメトキシ−および/または−トリエトキシシラン(Evonik Degussa GmbH,Germany製のDynasylan(登録商標)VTMOおよび/またはVTEO)を5分間にわたり十分に混合した。その後充填材(Socal(登録商標)U1S2、Solvay SA,BelgiumおよびOmyacarb(登録商標)5−GU、Omya AG,Switzerland)を、60℃で15分間にわたり混練して組み込んだ。加熱のスイッチを切って、残りの構成物質(触媒、シラン)をその後添加し、減圧下で10分間にわたり処理して均一なペーストにした。このペーストを次に、内面被覆されたアルミニウムガン−適用カートリッジへ分配した。
【0141】
【表1】
【0142】
シーラント調合物の試験
製造された調合物を、上に報告された試験方法を用いて試験した。比較のために、同様にシラン官能性ポリマーをベースとする、以下の市販製品を同じ方法で試験した。
Sikaflex Sika製のSikaflex(登録商標)AT−Connection
Danalim Danalim(登録商標)MS Byggefuge 552
Ljungdahl Ljungdahl(登録商標)MS 20 Polymeric Modehvid
Sonolastic BASF製のSonolastic(登録商標)150 with VLM Technology
【0143】
結果を下の表2に提示する。それぞれの調合物または市販製品中の有機スズ触媒およびフタレート可塑剤の存在に関する、ならびにまた硬化時のメタノールの放出に関する情報をまた表2に含める。
【0144】
【表2】
【0145】
製造されたシーラントの特性を研究した。結果を表3に示す。
【0146】
【表3】