特許第6641324号(P6641324)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641324
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】物流容器の洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 9/30 20060101AFI20200127BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   B08B9/30
   B08B3/02 C
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-113560(P2017-113560)
(22)【出願日】2017年6月8日
(65)【公開番号】特開2018-202359(P2018-202359A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2018年10月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】598118880
【氏名又は名称】イフコ・ジャパン 株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100063842
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118119
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 大典
(72)【発明者】
【氏名】山田 隆美
【審査官】 村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】 実公平07−005062(JP,Y2)
【文献】 特開2001−225033(JP,A)
【文献】 特開平07−329737(JP,A)
【文献】 特開昭51−059589(JP,A)
【文献】 特開昭56−033074(JP,A)
【文献】 特開平05−076471(JP,A)
【文献】 特開昭52−103866(JP,A)
【文献】 特開平05−050133(JP,A)
【文献】 実開平07−037384(JP,U)
【文献】 特開2003−251293(JP,A)
【文献】 実公平03−004391(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 9/30
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベア上に物流容器を載せて自動的に搬送しつつ洗浄室内で物流容器を洗浄する洗浄装置であって、前記洗浄室内の前記コンベアの途中に物流容器が転倒させられる転倒機構を備え、前記転倒機構は、コンベアの途中に形成された、コンベアの進行方向に向かって低くなる段差で構成され、前記段差は、上流側のコンベアと、前記上流側のコンベアの下流側で、上流側で低く下流側に向かって高くなるように傾斜させた傾斜コンベアとを備えて構成されていることを特徴とする物流容器の洗浄装置。
【請求項2】
洗浄装置の洗浄室内の上部に設置された洗浄ノズルは、上下動自在に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の物流容器の洗浄装置。
【請求項3】
洗浄装置の洗浄室内の側部に設置された洗浄ノズルは、部分的に開閉自在に設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の物流容器の洗浄装置。
【請求項4】
コンベア上に物流容器の底面を垂直に立てた状態で設置して洗浄を行った後に、コンベアの進行方向に向かって低くなる段差により物流容器を転倒させ、上流側で低く下流側に向かって高くなるように傾斜させた傾斜コンベア上に載せ、そして前記物流容器の底面をコンベアと平行にした状態で洗浄を行うことを特徴とする物流容器の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流容器の洗浄方法に関し、特に縦横の寸法がモジュール化された物流容器の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流通業界では物流合理化の為、物流容器のモジュール化(縦×横)で標準化を進めている。例えば、国際(ISO)包装モジュールに準じた寸法の取り決めで縦横を60cm×40cmの寸法とすることや、T11即ち、縦横を110cm×110cmとして一貫パレチゼーションにあった容器モジュールの取り決め、同一業界内での統一容器の使用等の標準化が挙げられる。
【0003】
そして、物流容器を使用する企業の多くは、物流容器の相互積み重ねによる合理化の為、物流容器の底面寸法即ち縦横寸法を統一する傾向にあり、縦横寸法が統一された物流容器の流通量が増えてきている。
【0004】
そして、多くの物流容器の寸法は使用時及び積層時の安定性確保の為、縦又は横の長さに対して、高さ方向の長さが短くなっている。例えば、ISO包装モジュールを例に取ると、縦60cm×横40cmで縦横の寸法が一定で、高さは10cm〜32cm、具体的には、有効高さが10cm、13cm、15cm、18cm、19cm、23cm、26cm及び32cmの8種類である。このように、流通している物流容器の大半が、高さ寸法が縦横の長辺寸法の最大で約1/2の容器である。
【0005】
尚、物流コストを下げる為、更には物流容器の未使用時の流通における効率性向上の為、物流容器としては折り畳式容器の使用が多くなってきている。
【0006】
そして、物流容器の洗浄方法としては、従来から、物流容器の搬送手段であるコンベア、洗浄手段、乾燥手段等を備えた洗浄装置を用いて、物流容器をコンベアに載置して移動させて洗浄工程、乾燥工程等を連続して行う方法が用いられている(特許文献1)。
【0007】
このような従来の洗浄装置は、基本的機能として粗洗浄機能、本洗浄機能及び濯ぎ機能を備えて構成され、一直線状に配置されているものが多い。洗浄装置での物流容器の洗浄方法としては、主に温水のみ又は温水と洗剤を組合せた洗浄方法が採用され、これらの洗浄及び濯ぎは、夫々洗浄ノズルと濯ぎノズルから噴射される洗浄水、濯ぎ水等の水等により行われている。又、洗浄装置における洗浄圧力は、汚損状態と経済性を考慮して、低圧、中圧又は高圧に選択が可能なように構成されているものが多い。
【0008】
洗浄装置は洗浄される物流容器の最大高さに合わせて設計され、異なる高さの物流容器が洗浄可能に構成されているものが多く、又、洗浄時の水の圧力で物流容器が踊らないようにコンベアの両側端部にガイドバーが設けられており、アジャストが可能に構成されているものもある。
【0009】
又、洗浄ノズル及び濯ぎノズルは、洗浄室と濯ぎ室の上部、下部及び両側部に設けられ、噴射角度を異ならせたノズル孔を備え、コンベアの上方、下方及び側方からコンベア方向、即ち物流容器方向に水等を噴射している。そして、物流容器の洗浄工程において、洗浄装置のコンベア上に物流容器の上部開口を上向きに、又は上下を逆さにして上部開口を下向きに、且つ物流容器の縦横の何れか一方、一般的には短辺側の面を進行方向に向けて設置して、物流容器をコンベア上を流して洗浄している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−72758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、従来の洗浄装置を用いた洗浄方法では、噴射角度を異ならせたノズル孔を備えた洗浄ノズルと濯ぎノズルが夫々洗浄室と濯ぎ室の上部、下部及び両側部に設けられていると共に、図10に示すように、物流容器99の縦横の何れか一方、一般的には短辺側の面98が矢印で示す進行方向に向いた状態でコンベア上を流れているので、物流容器99の他方、一般的には長辺側の面97に対しては洗浄ノズルからの水が垂直に当たり、汚れが良く落ちるが、進行方向に向かっている或いは後ろ向きの短辺側の面98に対しては洗浄ノズルから噴射される水が垂直に当たるのではなく、斜め上方、斜め下方又は斜め横方から当たり、洗浄圧力が逃げ、洗浄効率が落ち、物流容器の四側面及び全ての面が均一に洗浄出来ないという問題点があった。
【0012】
更に、物流容器の進行方向の前後方向を向いた面、一般的には短辺側の面の洗浄効率を上げるために、言い換えれば短辺側の面及び長辺側の面の双方、或いは四側面の洗浄効率を高めるため、図11に示すように、洗浄ライン100をL字型に曲げて配置し、或いは図12に示すように、洗浄ライン100の途中に物流容器99の2次元の向きを反転させる反転装置90を設置して、洗浄の途中で物流容器99の矢印で示す進行方向を90度変えて、進行方向を向く面を変えて、短辺側の面98及び長辺側の面97の双方に対して洗浄ノズルから噴射される水が垂直に当たるようにして洗浄する方法、装置が使用されていた。しかし、このような洗浄装置は、洗浄装置の設置スペースが広く必要であるという問題点や洗浄装置が複雑化するという問題点があった。
【0013】
又、図13及び図14に示すように、高さが10cmの物流容器99も32cmの物流容器991も、即ち異なる高さの物流容器も同じ洗浄装置90を用いて、同量の水及び洗剤を用いて洗浄を行っているので、その洗浄装置において洗浄可能な最大の物流容器991の大きさより小さい物流容器99を洗浄している時は、物流容器99に当らない空間100に噴射される水や洗剤の無駄や、洗浄ノズル91から物流容器99までの距離が遠くなり、そこに生じる空間100によりエネルギーロスが大きいという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以上のような課題を解決するための手段としての本発明は、コンベア上に物流容器を載せて自動的に搬送しつつ洗浄室内で物流容器を洗浄する洗浄装置であって、前記コンベアの途中に物流容器が転倒させられる転倒機構を備えていることを特徴とする物流容器の洗浄装置である。
【0015】
又、上記物流容器の洗浄装置において、前記転倒機構は、コンベアの途中に形成された、コンベアの進行方向に向かって低くなる段差で構成されていることを特徴とする物流容器の洗浄装置である。
【0016】
又、上記物流容器の洗浄装置において、洗浄装置の洗浄室内の上部に設置された洗浄ノズルは、上下動自在に設置されていることを特徴とする物流容器の洗浄装置である。
【0017】
又、上記物流容器の洗浄装置において、洗浄装置の洗浄室内の側部に設置された洗浄ノズルは、部分的に開閉自在に設置されていることを特徴とする物流容器の洗浄装置である。
【0018】
又、コンベア上に物流容器の底面を垂直に立てた状態で設置して洗浄を行った後に、物流容器を転倒させて前記物流容器の底面をコンベアと平行にした状態で洗浄を行うことを特徴とする物流容器の洗浄方法である。
【0019】
又、上記物流容器の洗浄方法において、物流容器はコンベアの段差により自然転倒させることを特徴とする物流容器の洗浄方法である。
【発明の効果】
【0020】
以上のような本発明によれば、物流容器の全ての面に洗浄ノズルからの水を垂直に、且つ均等に当てることが出来るので、洗浄圧力が逃げず、洗浄効率を向上させることが出来ると共に、全ての面を均等に洗浄することが出来た。
【0021】
又、物流容器の四側面を均等に洗浄可能な洗浄装置であっても、洗浄装置を簡素化し、洗浄装置の設置スペースを狭くすることが出来た。又、同じ長さの洗浄ラインで洗浄時間を長くすることが出来、或いは、洗浄ラインの長さを短縮することが出来た。
【0022】
又、洗浄ノズルが上下動自在に設置された構成により、洗浄ノズルから物流容器までの距離を調整することが出来、エネルギーロスを小さく抑えることが可能となった。又、洗浄ノズルを開閉自在な構成としたので、水や洗剤の無駄を防止することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明実施例側面図
図2】本発明実施例平面図
図3図1A−A断面図
図4図1B−B断面図
図5】物流容器設置状態図
図6】本発明実施例側面図
図7図6C−C断面図
図8】本発明実施例側面図
図9図8D−D断面図
図10】従来技術を示す概略図
図11】従来技術を示す概略図
図12】従来技術を示す概略図
図13】従来技術を示す側面図
図14】従来技術を示す図13Z−Z断面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1及び図2に示すように、物流容器用の洗浄装置1は、筐体10の内部を貫通する搬送装置40上に物流容器7を載せて自動的に搬送しつつ物流容器7を洗浄する洗浄装置であって、筐体10の内部に、上流側(図1において左側)から下流側(図1において右側)に向けて、洗浄を行う本洗浄室21と濯ぎを行う濯ぎ室22を備えた断面略方形の洗浄室2が設けられ、洗浄室2内には洗浄用ノズル3が設置されると共に、物流容器を移動させる搬送装置40としてのコンベア4が設けられ、コンベア4の途中に物流容器7が転倒させられる転倒機構5を備えて構成されている。
【0025】
物流容器7は長方形の底板71と4枚の側壁72で構成される、上部が開口した長方体であり、底板71から上部開口70までの縦辺76は、底板71の長辺78及び短辺79より短く構成されている。洗浄する物流容器7は、4枚の側壁72を底板71に重ねるように折り畳みが可能な折り畳式容器であってもよく、折り畳みが出来ない固定式容器であってもよい。又、底板71と側壁72には貫通孔が設けられていなくてもよいが、貫通孔が設けられ、網目状等に構成されていてもよい。
【0026】
筐体10は外形が略直方体形状であり、上流側と下流側の両端が洗浄室2に開口し、筐体10の上流側の端部には、物流容器7をコンベア4上に設置する搬入台11が設置され、下流側の端部には、筐体10から排出された物流容器7が置かれる搬出台12が設置され、搬入台11及び搬出台12には、洗浄室2内のコンベア4と連続してコンベア4が設けられている。
【0027】
洗浄室2は、洗浄する物流容器7をコンベア4上に載置した際に、物流容器7の上部開口70を上流側又は下流側に向け、底板71がコンベア4の進行方向に直角に位置する状態であると同時に底板71がコンベア4に対して垂直の状態である立てた状態で搬送が可能な大きさに構成されている。従って、洗浄室2の高さは、少なくとも物流容器7の短辺79或いは長辺78の長さより高く構成されている。
【0028】
洗浄用ノズル3は、図示しない給水管を介して洗浄水や濯ぎ水が供給され、図1図4によく示すように、洗浄室2の底部201、上部202及び両側部203に設置され、洗浄室2の四方から物流容器7を洗浄可能となっている。そして洗浄用ノズル3としては洗浄ノズル31と濯ぎノズル32を備え、本洗浄室21に設置される洗浄ノズル31からは、水と洗剤を含む洗浄水が供給され、濯ぎ室22に設置される濯ぎノズル32からは、水を含む濯ぎ水が供給される。尚、洗浄ノズル31から供給される洗浄水は循環温水、濯ぎノズル32から供給される濯ぎ水は新しい水を使用し、使用後の濯ぎ水は洗浄水に使用することが出来る。
【0029】
コンベア4は、図示しない電源により駆動されるモータ等により自動回転して物流容器7を自動的に搬送する装置であり、洗浄室2の底部201に設けられた洗浄用ノズル3の上方に設置され、例えばローラーコンベア、網目状のベルトコンベア、チェーンコンベア等の隙間がある構成により、洗浄室2の底部201に設けられた洗浄用ノズル3から噴射される水等がコンベア4上に載置された物流容器7に到達するように構成されている。
【0030】
本洗浄室21において、コンベア4の途中に、物流容器7が、底板71がコンベア4に対して垂直の状態である立てた状態から物流容器7の上部開口70又は底板71の裏面711が上方を向き、側壁72がコンベア4に対して垂直の状態の転倒状態に転倒させられる転倒機構5が設けられている。
【0031】
この物流容器7を側面視で90度回転させる転倒機構5は、コンベア4の途中に形成された、コンベアの進行方向に向かって低くなる段差51を備えて構成されている。段差51は、上流側の水平状態のコンベア41と、コンベア41の下流側で、上流側で低く下流側に向かって高くなるように傾斜させた傾斜コンベア42と、傾斜コンベア42の下流側の水平状態のコンベア43を備えて構成されている。コンベア41とコンベア43は同じ高さでもよいが異なる高さとしてもよい。
【0032】
段差51の高さは物流容器7を転倒させることが出来れば特に限定はないが、異なる物流容器7の高さに応じて段差51の高さLを変更可能な構成とすることが好ましい。具体的には、傾斜コンベア42の下流側をより低い位置に設置したり、コンベア43よりコンベア41の高さを高くすること等により段差51の高さLを変更可能とすることが出来る。
【0033】
尚、転倒機構は物流容器7の自然転倒を利用した機構でもよく、機械的に転倒させる機構でもよい。転倒機構は、図示はしないが、コンベアの途中に形成された、コンベアの進行方向に向かって高くなる段差を備えて構成することとしてもよい。この段差は、上流側の水平状態のコンベアと、上流側で高く下流側に向かって低くなるように傾斜させた傾斜コンベアと、傾斜コンベアの下流側の水平状態のコンベアを備えて構成することが出来る。更に、コンベアの途中に形成された、コンベアの上方に設置した横棒で構成して、流れてきた物流容器が横棒により転倒させられる機構や、コンベアの途中に形成された、コンベアの上方に設置した自動突出し棒で構成し、突出し棒で物流容器の上部を押して進行方向に転倒させる機構を採用することとしてもよい。
【0034】
洗浄室2の高さは、洗浄する物流容器7の縦辺76より高く構成され、同じ洗浄装置で縦辺76の長さが異なる物流容器を洗浄することが可能であり、特に、図5図7に示すように、縦辺76の長さが異なる物流容器を同時に洗浄することが出来る。
【0035】
洗浄室2の上部202に設置される洗浄用ノズル3は上下動自在に設置されていることが好ましい。このような構成とすることで、どのようなサイズの物流容器7に使用しても、洗浄用ノズル3から物流容器7までの距離を近くすることが出来、エネルギーロスを防止することが出来るからである。特に、図8及び図9に示すように、段差51より下流側の洗浄用ノズル3は、物流容器7が転倒状態であり、コンベア4上での物流容器7の高さは低くなるので、このような構成とすることがより好ましい。段差51より下流側の洗浄用ノズル3、即ち洗浄ノズル31と濯ぎノズル32の上下の作動は別々でもよいが一体でもよい。
【0036】
同様な理由から、洗浄室2に設置されるコンベア4の全部又は一部が上下動自在に設置されている構成としてもよい。この場合の洗浄用ノズル3は上下動自在でもよいが上下動が出来ない構成でもよい。
【0037】
洗浄室2の両側部203に設置される洗浄用ノズル3は、部分的に開閉自在とすることが好ましい。具体的には、図9に示すように、両側部203に設置される洗浄用ノズル3の上方部分の一部分をバルブ8等により開閉自在として、水流を止め、洗浄用ノズル3から水の噴射を止めることが出来るように構成することが好ましい。このような構成とすることで、どのようなサイズの物流容器7に使用しても、物流容器7に当たらない洗浄用ノズル3からの水を止めて水や洗剤の無駄を防止することが出来るからである。特に、段差51より下流側の洗浄用ノズル3は、物流容器7が転倒状態であるので、このような構成とすることがより好ましい。
【0038】
尚、図示はしないが、洗浄室2には、本洗浄室21の上流側に物流容器の本洗浄の前に粗洗浄を行う粗洗浄室を設けてもよく、又、濯ぎ室22の下流側に物流容器の乾燥を行う乾燥室を設けてもよい。
【0039】
本洗浄室21及び濯ぎ室22を備えた洗浄室2は一体的な筐体10によって構成されているが、本洗浄室21の一部を構成する、物流容器7の底板71がコンベア4に対して垂直の状態である立てた状態で主に4面の側壁72を洗浄するゾーンV、物流容器7を転倒させるゾーンW、上部開口70又は底板71の裏面711が上方を向き、側壁72がコンベア4に対して垂直の状態の転倒状態で主に底板71の裏面711及び内側面を洗浄するゾーンX、濯ぎ室22を構成する濯ぎをするゾーンYのゾーン毎に分割された或いは本洗浄室21と濯ぎ室22に分割された筐体を連結して構成してもよい。又、物流容器7を転倒させるゾーンWは、筐体に覆われることなく、開放した構成としてもよい。
【0040】
次に洗浄装置1を用いた物流容器7の洗浄方法について説明する。図1及び2に示すように、物流容器7を搬入台11でコンベア4上に設置する。この際、物流容器7は、上部開口70を上流側又は下流側に向け、底板71がコンベア4の進行方向に直角に位置する状態であると同時に底板71がコンベア4に対して垂直の状態である立てた状態で設置する。言い換えれば、一つの側壁72をコンベア4に接地させて設置する。コンベア4に接地させる側壁72は、底板71の長辺78を含む側壁72とすることが好ましい。このような設置方法とすることで、物流容器7が転倒状態となった時に進行方向の長さが短辺79となり、長辺78が進行方向の長さとなる場合と比較して路長の短縮が可能となるからである。
【0041】
物流容器7の設置は、前後の他の物流容器7とはなるべく間隔を開けないで、より好ましくは全く間隔を設けないで設置することが好ましい。このように設置することで、路長の短縮が可能となる。前後の他の物流容器7とは重ねてもよいが重ねなくてもよい。
【0042】
物流容器7はコンベア4で運搬されて筐体10内に入り、本洗浄室21において、コンベア41上の物流容器7は、洗浄室2の底部201、上部202及び側部203に設置された洗浄ノズル31から噴射される洗浄水で四側壁72が同時に均一の水圧で洗浄される。このようにして四側壁72の洗浄が効率的且つ均一的に行われる。尚、本洗浄室21の上流側に粗洗浄室を設け、物流容器の本洗浄の前に粗洗浄を行うこととしてもよい。
【0043】
物流容器7の高さにもよるが、代表的なサイズとして60cmの高さの物流容器7に対して、20cmの高さの物流容器7であれば、進行方向に1/3の長さとなり、時間的に3倍洗浄されることになるので、路長を短縮可能であり、又は同じ速度であれば、洗浄時間が長くなるので、より綺麗にすることが出来る。更に、洗浄水や濯ぎ水は60℃程度の温水が使用されることが多く、常温の水を温水にするボイラーでは灯油、軽油又は重油等の燃料が使用されているが、路長を短縮することで、使用する温水量及び燃料の使用量を少なくすることが出来、コスト及びCOの削減に繋がり環境にも寄与することが出来る。
【0044】
又、ISO包装モジュールの場合、縦60cm×横40cmであり、縦60cmに対して高さは最大で略1/2であり、進行方向に縦を沿わす場合に比べて、同じ洗浄速度であれば2倍の洗浄時間が得られる。又、より低い容器では更に長い時間の洗浄が可能となる。従って、洗浄速度をあげることが可能となる。
【0045】
底板71の裏面711及び内側面は側壁72に洗浄水を当てて洗浄している間に濡れ、本洗浄室21内の湿度は略100%と高いので、汚れが膨潤し、落ち易くなってくる。そして、物流容器7は転倒機構5である段差51により自然落下及び転倒して、傾斜コンベア42上に、上部開口70又は底板71の裏面711が上方を向き、側壁72がコンベア4に対して垂直の状態の転倒状態で載る。この時に、物流容器7を搬入台11でコンベア4上に設置する際に上部開口70を上流側又は下流側に向けると共に、底板71の長辺78を含む側壁72が接地しているので、底板71の長辺78を含む側壁72が進行方向に向き、底板71の短辺79を含む側壁72が進行方向に沿った状態となるので、短辺79を含む側壁72が進行方向に向いた状態よりも出来高が向上し、或いは路長を短縮することが可能となる。尚、短辺が40cm、長辺が60cmの場合、流す速度が同一であれば、出来高が30%程度向上する。
【0046】
そして、コンベア43上で、洗浄室2の底部201、上部202及び側部203に設置された洗浄ノズル31から噴射される洗浄水で物流容器7の底板71の裏面711及び内側面が洗浄される。
【0047】
次いで、物流容器7はコンベア4で濯ぎ室22に運ばれ、濯ぎノズル32から噴射される濯ぎ水で濯がれる。そして、物流容器7が筐体10から排出されて搬出台12に置かれて一連の洗浄工程が終了する。尚、濯ぎ室22の下流側に乾燥室を設け、物流容器の濯ぎの後にエアブロー等の公知の方法で乾燥を行うこととしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明によれば、物流容器の効率的、均一的な洗浄が可能となり、又、洗浄装置の簡素化を図ることが出来るので、流通業界や洗浄業界において極めて有用である。
【符号の説明】
【0049】
1 洗浄装置
10 筐体
2 洗浄室
21 本洗浄室
22 濯ぎ室
3 洗浄用ノズル
31 洗浄ノズル
32 濯ぎノズル
4 コンベア
42 傾斜コンベア
40 搬送装置
5 転倒機構
51 段差
7 物流容器
70 上部開口
71 底板
72 側壁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14