(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明の実施形態を説明する図においては、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法及び比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る撮像モジュール1の概略構成を示す部分断面図である。
撮像モジュール1は、第1基板10と、第2基板20と、信号ケーブル30と、固体撮像素子40(撮像素子)と、レンズ筐体50とを備える。
【0020】
(第1基板10)
第1基板10は、絶縁部材である第1基板本体11と、第1基板本体11上に形成された第1配線12(上面配線12U、下面配線12L)とを備える。第1基板本体11は、上面11U(第1面)と、上面11Uとは反対側の下面11L(第2面)とを有する。上面11U上には、上面配線12Uが形成されている。下面11L上には、下面配線12Lが形成されている。上面11U及び下面11Lの両面において、第1配線12は、導電性の配線パターンを有する。
【0021】
第1基板本体11(第1基板10)は、固体撮像素子40に接続された外端面11E(端面)と、外端面11Eとは反対側の内端面11Fとを有している。外端面11Eが固体撮像素子40に接続されている状態で、第1基板本体11は固体撮像素子40の電極面43に対して略直交する方向に延在している。内端面11Fは、信号ケーブル30に隣接する空間に露出している。
【0022】
第1基板10は、上面11Uと下面11Lとの間において、第1基板本体11を貫通する貫通電極14を有する。貫通電極14は、上面配線12Uと下面配線12Lとを電気的に接続する。
【0023】
上面11Uには、上面配線12Uに電気的に接続された電極端子12HUが形成されている。下面11Lには、下面配線12Lに電気的に接続された電極端子12HLが形成されている。即ち、上面11U及び下面11Lの両面に電極端子が形成されている。電極端子12HUは、半田15を介して、後述する固体撮像素子40の撮像素子電極42U(42)に電気的に接続されている。電極端子12HLは、半田15を介して、固体撮像素子40の撮像素子電極42L(42)に電気的に接続されている。
【0024】
第1基板本体11の一方の面、即ち、上面11U上に、中心導体端子12I(第1ケーブル端子)及び外部導体端子12J(第1ケーブル端子)が形成されている。中心導体端子12I及び外部導体端子12Jは、上面配線12Uに電気的に接続されている。中心導体端子12Iは、半田16を介して、後述する信号ケーブル30の中心導体31に電気的に接続されている。外部導体端子12Jは、半田17を介して、信号ケーブル30の外部導体33に電気的に接続されている。
【0025】
第1基板本体11の上面11Uにおいては、上面配線12Uの表面を覆うように上面レジスト13A、13B(13)が形成されている。上面レジスト13Aは、半田15と半田16との間に形成されている。上面レジスト13Bは、半田16と半田17との間に形成されている。第1基板本体11の下面11Lにおいては、下面配線12Lの表面を覆うように下面レジスト13C(13)が形成されている。
【0026】
図1において、固体撮像素子40から内端面11Fに向かう方向から見て、固体撮像素子40の投影面内に、信号ケーブル30が配置されており、固体撮像素子40の投影面から信号ケーブル30が部分的に突出していない。
【0027】
なお、第1基板本体11の上面11U上に、半田15、16、17、信号ケーブル30の中心導体31及び外部導体33、上面レジスト13A、13Bを覆うように、樹脂モールドが形成されてもよい。このように上面11U上に樹脂モールドを形成することで、第1基板本体11の強度を高めることができる。
また、第1基板本体11の下面11L上に、半田15及び下面レジスト13Cを覆うように、樹脂モールドが形成されてもよい。このように下面11L上に樹脂モールドを形成することで、第1基板本体11の強度を高めることができる。
また、第1基板本体11の両面に樹脂モールドを形成してもよい。この場合、両面に形成された樹脂モールドによって、第1基板本体11の強度を更に高めることができる。
【0028】
なお、本実施形態では、一例として、第1基板本体11の一方の面である上面11U上に、中心導体端子12I及び外部導体端子12Jが形成されている構造を示したが、本発明はこの構造に限定されない。中心導体端子12I及び外部導体端子12Jは、第1基板本体11の他方の面である下面11L上に形成されてもよい。この場合、下面11L上に形成された中心導体端子及び外部導体端子に、各々、中心導体31及び外部導体33が接続された配線構造が採用される。
【0029】
また、本発明は、第1基板本体11の一方の面のみに中心導体端子12I及び外部導体端子12Jが形成されている構造に限定されない。第1基板本体11の両面、即ち、上面11U及び下面11Lに導体端子を形成し、この導体端子に中心導体31及び外部導体33が接続された構造が採用されてもよい。また、第1基板本体11の両面に導体端子が形成された構造では、配線パターンに応じて、貫通電極14が形成されない配線構造が採用されてもよい。
【0030】
第1基板本体11の両面に導体端子が形成される構成としては、例えば、第1同軸ケーブル30A(後述)の中心導体31A及び外部導体33Aの各々が接続される中心導体端子及び外部導体端子が上面11U上に形成され、第2同軸ケーブル30B(後述)の中心導体31B及び外部導体33Bの各々が接続される中心導体端子及び外部導体端子が下面11L上に形成された構成が挙げられる。
また、上面11U及び下面11Lのうち一方の面に中心導体端子を設け、他方の面に外部導体端子を設けた構造が採用されてもよい。
【0031】
(第2基板20)
第2基板20は、絶縁部材である第2基板本体21と、第2基板本体21上に形成された第2配線22とを備える。第2基板本体21は、上面21U(第1面)と、上面21Uとは反対側の下面21L(第2面)とを有する。上面21U上には、第2配線22を構成する上面配線22Uが形成されている。下面21L上には、第2配線22を構成する下面配線22Lが形成されている。上面21U及び下面21Lの両面において、第2配線22は、導電性の配線パターンを有する。配線パターンについては、後述する。なお、本実施形態においては、第2基板20の枚数は、複数ではなく、1枚である。
【0032】
また、第2基板20は、上面21Uと下面21Lとの間において、第2基板本体21を貫通する貫通電極28を有する。貫通電極28は、上面配線22Uと下面配線22Lとを電気的に接続する。貫通電極28の構造については、後述する。
【0033】
更に、第2基板20は、中心導体端子22I(第2ケーブル端子)、外部導体端子22J(第2ケーブル端子)、及びシールド端子22K(第2ケーブル端子)を備える。中心導体端子22I、外部導体端子22J、及びシールド端子22Kは、第2基板20の一方の面、即ち、上面21U上に形成されており、第2配線22に電気的に接続されている。
中心導体端子22Iは、半田26を介して、信号ケーブル30の中心導体31に電気的に接続されている。外部導体端子22Jは、半田27を介して、信号ケーブル30の外部導体33に電気的に接続されている。シールド端子22Kは、半田29を介して、信号ケーブル30のシールド導体30Cに電気的に接続されている。
【0034】
第2基板本体21の上面21Uにおいては、第2配線22の表面を覆うようにレジスト23A、23B(23)が形成されている。レジスト23Bは、半田26と半田27との間に形成されている。レジスト23Aは、中心導体端子22I上において、半田26に隣接して形成されている。
【0035】
第2基板本体21は、内端面21Fと、外端面21E(端面)と、外端面21Eの近くに設けられた2つの取り付け孔25を備える。取り付け孔25は、撮像モジュール1をカテーテルに取り付ける際に、ワイヤ等の治具が取り付けられる部位である。取り付け孔25に治具を取り付けた状態で、治具をカテーテルを構成するチューブ内に挿入し、チューブ内に治具を引き込むことにより、第2基板20をチューブ内に配置することが可能となる。詳細については、
図9で説明する。
また、第2基板本体21の上面21U又は下面21Lにおいては、取り付け孔25が形成されている位置に隣接する箇所に、撮像モジュール1の固体識別に用いられる識別番号が付されてもよい。
【0036】
第2基板20は、第2基板本体21上に形成された外部接続端子24を有し、外部接続端子24は第2配線22に電気的に接続されている。外部接続端子24は、外部機器に接続される。なお、外部接続端子24及び第2配線22は、第2基板本体21上に同時に形成される。
【0037】
なお、本実施形態では、一例として、第2基板本体21の一方の面である上面21U上に、中心導体端子22I及び外部導体端子22Jが形成されている構造を示したが、本発明はこの構造に限定されない。中心導体端子22I及び外部導体端子22Jは、第2基板本体21の他方の面である下面21L上に形成されてもよい。この場合、下面21L上に形成された中心導体端子及び外部導体端子に、各々、中心導体31及び外部導体33が接続された配線構造が採用される。
【0038】
また、本発明は、第2基板本体21の一方の面のみに中心導体端子22I及び外部導体端子22Jが形成されている構造に限定されない。第2基板本体21の両面、即ち、上面21U及び下面21Lに導体端子を形成し、この導体端子に中心導体31及び外部導体33が接続された構造が採用されてもよい。また、第2基板本体21の両面に導体端子が形成された構造では、配線パターンに応じて、貫通電極28が形成されない配線構造が採用されてもよい。
【0039】
第2基板本体21の両面に導体端子が形成される構成としては、例えば、第1同軸ケーブル30A(後述)の中心導体31A及び外部導体33Aの各々が接続される中心導体端子及び外部導体端子が上面21U上に形成され、第2同軸ケーブル30B(後述)の中心導体31B及び外部導体33Bの各々が接続される中心導体端子及び外部導体端子が下面21L上に形成された構成が挙げられる。
また、上面21U及び下面21Lのうち一方の面に中心導体端子を設け、他方の面に外部導体端子を設けた構造が採用されてもよい。
【0040】
(固体撮像素子40、レンズ筐体50)
固体撮像素子40は、受光面41と、受光面41とは反対側に位置する電極面43と、電極面43に設けられた撮像素子電極42U、42L(2つの撮像素子電極)とを備える。撮像素子電極42U、42Lの間に第1基板本体11の外端面11Eが位置するように、第1基板10が電極面43に接続されている。
固体撮像素子40の電極面43に第1基板10の外端面11Eが接続された状態において、撮像素子電極42Uは、電極端子12HUに対して略直交する方向に平行な面を有し、撮像素子電極42Lは、電極端子12HLに対して略直交する方向に平行な面を有する。この構造においては、半田15は、互いに略直交する撮像素子電極42U及び電極端子12HUを接続し、互いに略直交する撮像素子電極42L及び電極端子12HLを接続する。
【0041】
図1においては、上下に配置された撮像素子電極42U、42Lが示されているが、電極面43の平面視(電極面43を鉛直方向から見た平面図)では、4つの撮像素子電極42が電極面43上に配置されている。即ち、2つの撮像素子電極42Uと、2つの撮像素子電極42Lが電極面43上に形成されている。
【0042】
受光面41にはレンズ筐体50が接続されており、レンズ筐体50には、対物レンズ等のレンズユニットが搭載されている。固体撮像素子40としては、例えば、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)を好適に用いられる。
【0043】
(信号ケーブル30)
図2は、本発明の第1実施形態に係る撮像モジュールの信号ケーブル30を示す断面図である。
信号ケーブル30は、第1基板10と第2基板20との間に設けられ、2本の同軸ケーブル(信号線、第1同軸ケーブル30A、第2同軸ケーブル30B)と、第1同軸ケーブル30A及び第2同軸ケーブル30Bを囲むシールド導体30Cと、シールド導体30Cを囲む外被30Dとを、備える。シールド導体30Cは外被30Dの内周面全体にわたって層状に設けられている。
図2では、シールド導体30Cは、第1同軸ケーブル30A及び第2同軸ケーブル30Bの各々の側部が互いに当接されたケーブル当接部から離隔して配置され、ケーブル当接部とその両側に位置するシールド導体30Cとの間に隙間30Eが存在する構成を例示している。但し、信号ケーブル30は、
図2の隙間30Eの領域にシールド導体30Cが入り込み、実質的に第1同軸ケーブル30A及び第2同軸ケーブル30Bと層状のシールド導体30Cとの間に隙間が無い断面構造も採用可能である。
【0044】
同軸ケーブル30A、30Bの各々は、中心導体31(31A、31B)と、内部絶縁体32(32A、32B)と、外部導体33(33A、33B)と、外部絶縁体34(34A、34B)とを備える。例えば、中心導体31は、固体撮像素子40に信号を供給する信号ラインとして用いられ、外部導体33は、固体撮像素子40に電力を供給する電源ラインとして用いられる。
【0045】
中心導体31(31A、31B)は、第1基板10の中心導体端子12Iと第2基板20の中心導体端子22Iとを電気的に接続する。
外部導体33(33A、33B)は、第1基板10の外部導体端子12Jと第2基板20の外部導体端子22Jとを電気的に接続する。
【0046】
シールド導体30C及び外被30Dは、信号ケーブル30の全体に亘って、第1同軸ケーブル30A及び第2同軸ケーブル30Bを囲んでいる。第1基板10に近い位置(
図1に示す内端面11Fに近い位置)では、シールド導体30C及び外被30Dは除去されており、第1同軸ケーブル30A及び第2同軸ケーブル30Bが露出している。その一方、第2基板20に近い位置(
図1に示す内端面21Fに近い位置)では、外被30Dは除去されており、シールド導体30Cが露出し、シールド導体30Cは半田29を介してシールド端子22Kに電気的に接続されている。この構成では、シールド端子が、例えば、GNDに接続されることで、シールド導体30Cは接地される。
さらに、
図1に示すように、第1同軸ケーブル30A及び第2同軸ケーブル30Bの各々を構成する外部導体33及び中心導体31は、第1基板10及び第2基板20の配線パターンに応じて露出している。具体的に、半田27と半田29との間で、外部導体33(33A、33B)は、外部絶縁体34(34A、34B)から露出している。露出した外部導体33(33A、33B)は、半田27を介して外部導体端子22Jに電気的に接続されている。半田27と半田26との間で、中心導体31(31A、31B)は、内部絶縁体32(32A、32B)から露出している。露出した中心導体31(31A、31B)は、半田26を介して中心導体端子22Iに電気的に接続されている。
【0047】
(第1基板10、第2基板20、及び信号ケーブル30の位置関係)
図3は、本発明の第1実施形態に係る撮像モジュールの概略構成を示す図であって、第1基板10、第2基板20、及び信号ケーブル30の位置関係を説明するための図である。
図3に示すように、第1基板10及び第2基板20が同一の水平面上に配置された状態では、第1ケーブル端子と信号ケーブル30とが接続される面10A(上面11U)と、第2ケーブル端子と信号ケーブル30とが接続される面20A(上面21U)とは、同一平面上に位置している。また、一組の第1基板10及び第2基板20に対して1つの信号ケーブル30が対応するように、第1基板10と第2基板20とが信号ケーブル30で接続されている。
【0048】
撮像モジュール1は、信号ケーブル30に捩り変形を与えることなく真っ直ぐに延在させた状態で、第1基板10の中心導体端子12I及び外部導体端子12Jが形成されている面10Aを上面とし、面10Aとは反対側の面を下面とし、第2基板20の中心導体端子22I及び外部導体端子22Jが形成されている面20Aを上面とし、面20Aとは反対側の面を下面としている。
したがって、
図3に示すように、第1基板10及び第2基板20の各々の下面を同一水平面に当接させ、第1基板10及び第2基板20を同一水平面上に載置することが可能である。
図3に示すように、第1基板10及び第2基板20を各々の下面を同一水平面に当接させて同一水平面上に載置したとき、信号ケーブル30は第1基板10及び第2基板20の上側に位置する。
この構成においては、第1基板10を構成する第1基板本体11及び第2基板20を構成する第2基板本体21を同一の水平面上に固定した状態で、面10A、20Aの各々に信号ケーブル30をはんだ付けにより接続することができ、撮像モジュール1を製造する工程の簡略化を図ることができる。
【0049】
さらに、撮像モジュール1を効率的に大量生産するには、複数組の第1基板10及び第2基板20の各組に1つの信号ケーブル30が対応するように、複数組の第1基板10及び第2基板20と複数の信号ケーブル30とをはんだ付けにより一括して接続する必要がある。
この場合、第1基板10の面10Aと第2基板20の面20Aとを同一平面上に位置した状態で、かつ、複数組の第1基板10及び第2基板20をX方向(
図3の紙面に対して鉛直な方向)に並べて配置した状態で、複数組の第1基板10及び第2基板20に対して複数の信号ケーブル30を一括して接続することができる。
このような接続工程においては、第1基板10の面10Aと第2基板20の面20Aとを同一平面上に配置されているため、Z方向(重力方向)に向けてはんだを面10A、20Aに供給することができ、撮像モジュール1の量産工程における生産効率を高めることができる。
第1基板10の面10Aと第2基板20の面20Aとを同一平面上に配置することで、第1基板10や第2基板20を反転する必要が無く、基板の裏面に向けて(重力方向とは反対方向、矢印で示されたZ方向とは反対方向に向けて)はんだを供給する必要もない。従って、撮像モジュール1の大量生産と工程の簡略化とを両立することができる。
【0050】
なお、複数組の第1基板10及び第2基板20と複数の信号ケーブル30とをはんだ付けにより一括して接続する場合だけでなく、複数組の第1基板10及び第2基板20の各組に、信号ケーブル30を連続的に接続する場合においても、第1基板10や第2基板20を反転する必要が無く、撮像モジュール1の量産工程における生産効率を高めることができる。
【0051】
(固体撮像素子40、第2基板20、及び信号ケーブル30の大小関係)
図4は、本発明の第1実施形態に係る撮像モジュールの固体撮像素子の受光面を示す斜視図である。
図5は、本発明の第1実施形態に係る撮像モジュールの第2基板の端部を示す図であって、
図5(a)は斜視図であり、
図5(b)は側面図である。
なお、
図4においては、
図1に示された第1基板10における配線構造、即ち、第1基板本体11上に形成された第1配線12、半田15〜17、第1基板10に接続された信号ケーブル30、及びレンズ筐体50は省略されている。
図5(a)においては、
図1に示された第2基板20における配線構造、即ち、第2基板本体21上に形成された第2配線22、半田26、27、第2基板20に接続された信号ケーブル30は省略されている。
図5(b)においては、第2基板20と、第2基板20上に接続される信号ケーブル30とが示されている。
【0052】
固体撮像素子40の受光面41における第1対角線T1の長さをD1とし、第2基板本体21の外端面21Eにおける第2対角線T2の長さをD2とした場合、長さD2は、長さD1以下に設定されている(条件D1≧D2)。
また、
図5(b)に示すように、第2対角線T2を直径とする第2基板本体21の外接円Cの内側に、信号ケーブル30が配置されている。
【0053】
(第2基板20上における配線パターン)
図6は、本発明の第1実施形態に係る撮像モジュールの第2基板上に形成された配線パターンを示す図である。
図6(a)は、第2基板本体21の上面21U上に形成された上面配線22Uの配線パターンを示している。
図6(b)は、第2基板本体21の下面21L上に形成された下面配線22Lの配線パターンを示している。なお、
図6(b)は、下面21Lを見た下面図ではなく、
図6(a)に示す上面21Uから見た投影図である。
なお、
図1に示す第2基板本体21の上面21Uにはレジスト23A、23Bが形成されているが、
図6においてはレジスト23A、23Bは省略されている。
【0054】
図6(a)に示すように、符号22JAは、外部導体端子22Jに対応しており、第1同軸ケーブル30Aの外部導体33Aが半田27を介して接続される端子である。以下、外部導体端子22JAと称する。符号22JBは、外部導体端子22Jに対応しており、第2同軸ケーブル30Bの外部導体33Bが半田27を介して接続される端子である。以下、外部導体端子22JBと称する。
【0055】
符号22IAは、中心導体端子22Iに対応しており、第1同軸ケーブル30Aの中心導体31Aが半田26を介して接続される端子である。以下、中心導体端子22IAと称する。符号22IBは、中心導体端子22Iに対応しており、第2同軸ケーブル30Bの中心導体31Bが半田26を介して接続される端子である。以下、中心導体端子22IBと称する。符号22Kは、第2基板本体21の内端面21Fに隣接する位置に設けられた、シールド導体30Cが接続される端子であり、以下、シールド端子22Kと称する。
【0056】
符号24K、24IB、24IA、24JA、24JBは、上面21U上に形成された外部接続端子であり、
図1に示す外部接続端子24に対応している。外部接続端子24K、24IB、24IA、24JA、24JBは、第2基板本体21の延在方向に沿って配列している。
符号22Lは、中心導体端子22IAと外部接続端子24IAとを接続する引出配線である。符号22Mは、外部導体端子22JBと外部接続端子24JBとを接続する引出配線である。符号22Nは、中心導体端子22IBと外部接続端子24IBとを接続する引出配線である。
引出配線22Nは、第2基板本体21の延在方向に沿って直線に延びる直線部を有する配線である。
引出配線22Mは、第2基板本体21の延在方向に沿って直線に延びる直線部と、外部接続端子24IBの形状に沿って屈曲した屈曲部とを有する配線である。
引出配線22Lは、第2基板本体21の延在方向に沿って直線に延びる配線部と、引出配線22Mの形状に沿って屈曲した屈曲部とを有する配線である。
【0057】
符号28A、28B、28C、28Dは、貫通電極であり、
図1に示す貫通電極28に対応している。貫通電極28Aはシールド端子22Kと接続されており、貫通電極28Bは外部導体端子22JAと接続されており、貫通電極28Cは外部接続端子24JAと接続されており、貫通電極28Dは外部接続端子24Kと接続されている。
一方、
図6(b)に示すように、下面21L上に形成された下面配線22Lは、引出配線22O、22Pを有する。引出配線22Oは、貫通電極28Bと貫通電極28Cとを接続している。引出配線22Pは、貫通電極28Aと貫通電極28Dとを接続している。
上述した外部導体端子、中心導体端子、外部接続端子、及び引出配線は、公知のフォトリソグラフィ技術等を用いたパターニングにより、一括して形成することができる。また、貫通電極28A、28B、28C、28Dも、公知の方法により形成することができる。
【0058】
上面配線22U及び下面配線22Lが上述した配線構造を有することで、第2基板本体21の幅(延在方向に対して直交する方向における長さ)が小さい場合であっても、同軸ケーブル30(第1同軸ケーブル30A、第2同軸ケーブル30B)の外部導体端子及び中心導体端子を、外部接続端子24K、24IB、24IA、24JA、24JBに接続することができ、外部機器に容易に接続することが可能となる。
なお、第2基板20上における配線パターンは、
図6に示す構造に限定されない。例えば、
図7に示す配線構造を採用することもできる。
【0059】
(第2基板20上における配線パターンの変形例)
図7は、本発明の第1実施形態の変形例に係る撮像モジュールの第2基板上に形成された配線パターンを示す図である。
図7(a)は、第2基板本体21の上面21U上に形成された上面配線22Uの配線パターンを示している。
図7(b)は、第2基板本体21の下面21L上に形成された下面配線22Lの配線パターンを示している。なお、
図7(b)は、下面21Lを見た下面図ではなく、
図7(a)に示す上面21Uから見た投影図である。
なお、
図1に示す第2基板本体21の上面21Uにはレジスト23A、23Bが形成されているが、
図7においてはレジスト23A、23Bは省略されている。また、
図7において、
図6と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
【0060】
図7(a)に示すように、上面21U上においては、シールド端子22Kが貫通電極28Aと接続され、外部導体端子22JBが貫通電極28Bと接続され、外部導体端子22JAが貫通電極28Cと接続され、中心導体端子22IAが貫通電極28Dと接続され、中心導体端子22IBが貫通電極28Eと接続されている。
【0061】
一方、
図7(b)に示すように、下面21L上においては、外部接続端子24K、24JB、24JA、24IA、24IBが第2基板本体21の延在方向に沿って配列している。
外部接続端子24Kは、貫通電極28Aを通じて、シールド端子22Kと接続されている。外部接続端子24JBは、貫通電極28Bを通じて、外部導体端子22JBと接続されている。外部接続端子24JAは、貫通電極28Cを通じて、外部導体端子22JAと接続されている。外部接続端子24IAは、貫通電極28Dを通じて、中心導体端子22IAと接続されている。外部接続端子24IBは、貫通電極28Eを通じて、中心導体端子22IBと接続されている。
【0062】
上面配線22U及び下面配線22Lが上述した配線構造を有することで、第2基板本体21の幅(延在方向に対して直交する方向における長さ)が小さい場合であっても、同軸ケーブル30(第1同軸ケーブル30A、第2同軸ケーブル30B)の外部導体端子及び中心導体端子を、外部接続端子24K、24JB、24JA、24IA、24IBに接続することができ、外部機器に容易に接続することが可能となる。
また、屈曲部を有する引出配線を用いることなく、上面21U上に形成された端子と、下面21L上に形成された端子とを、貫通電極を介して接続することができるので、シンプルな配線構造を実現できる。
【0063】
上述した第1実施形態によれば、条件D1≧D2が満たされており、また、第2対角線T2を直径とする第2基板本体21の外接円Cの内側に信号ケーブル30が配置されている。これにより、固体撮像素子40よりも、第2基板20を小さくすることができる。また、撮像モジュール1をカテーテル等の医療機器に取り付ける際、最初に、固体撮像素子40が取り付けられる穴に第2基板20を挿入し、撮像モジュール1を医療機器内に容易に引き込むことができる。
【0064】
一方、
D2が
D1よりも大きい場合には、撮像モジュールを医療機器の後方から内部に向けて押し込むか、固体撮像素子が取り付けられる穴の大きさをD2よりも大きくする必要がある。撮像モジュールを医療機器の後方から内部に向けて押し込む場合には、信号ケーブルの剛性を利用して撮像モジュールが医療機器の内部に押し込まれる。しかしながら、信号ケーブルが柔らかい場合、撮像モジュールを医療機器の内部に効率的に押し込むことができず、作業性が悪化してしまう。固体撮像素子が取り付けられる穴の大きさをD2よりも大きくした場合、医療機器の全体サイズが大きくなってしまい、医療機器の小型化することができない。これに対し、第1実施形態の撮像モジュール1によれば、
D2が
D1よりも大きい場合に生じる問題点を解決することができる。
【0065】
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係るカテーテル60の概略構成を示す部分断面図である。
図8において、第1実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
図8に示すカテーテル60は、上述した撮像モジュール1を備えた撮像モジュール付きカテーテルである。
以下の説明では、カテーテル60のうち、固体撮像素子40又は第1基板10が配置されている位置を前方と称し、第2基板20が配置されている位置を後方と称する場合がある。
【0066】
カテーテル60は、例えば、シリコン等で形成された絶縁性のチューブ70を備えている。本実施形態では、チューブ70の材料としてシリコンを挙げたが、シリコン以外の可撓性材料や金属材料が用いられてもよい。
例えば、可撓性材料としては、シリコン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、例えば、テフロン(登録商標))等が挙げられる。金属材料としては、チタニウム、チタニウム合金、ステンレス鋼等が挙げられる。また、可撓性材料や金属材料に限らず、セラミックス材料がチューブ70の材料として用いられてもよい。
【0067】
チューブ70は、モジュール挿入口70Aと、ケーブル挿入口70Bと、撮像モジュール1のうち第1基板10及び信号ケーブル30の一部が配置されるモジュール配置領域71と、チャネル72と、ケーブル配置領域75と、第2基板取出口76とを有する。
具体的に、カテーテル60を製造する工程において、モジュール挿入口70Aは撮像モジュール1がチューブ70に挿入される開口部であり、ケーブル挿入口70Bは撮像モジュール1のうち第2基板20及び信号ケーブル30が挿入される開口部であり、ケーブル配置領域75は第2基板20が通される管であり、第2基板取出口76は第2基板20がチューブ70の外部に取り出される開口部である。
このような製造工程を経て、モジュール挿入口70Aには固体撮像素子40が取り付けられ、モジュール配置領域71には第1基板10及び信号ケーブル30の一部が配置され、ケーブル配置領域75には信号ケーブル30が配置され、第2基板取出口76の外部に第2基板20が配置される。
【0068】
チューブ70は、第1基板10に近くに位置する前方開口部72Aと、第2基板20に近くに位置する後方開口部72Bとを有しており、前方開口部72Aと後方開口部72Bとの間に形成されている経路がチャネル72である。チャネル72は、外部導体端子12J(第1ケーブル端子)と外部導体端子22J(第2ケーブル端子)との間に位置し、ケーブル配置領域75に隣り合うように配置されている。チャネル72とケーブル配置領域75とは、内壁74によって隔離されている。チャネル72は、固体撮像素子40から内端面11Fに向かう方向から見て、固体撮像素子40の投影面内に、配置されている。
【0069】
次に、モジュール挿入口70Aの内径及びケーブル挿入口70B(ケーブル配置領域75)の内径について説明する。
上述したように、固体撮像素子40の受光面41における第1対角線T1の長さをD1とし、第2基板本体21の外端面21Eにおける第2対角線T2の長さをD2とした場合、モジュール挿入口70Aの内径D3は、長さD1以下、かつ、長さD2以上となるように設定されている(条件D1≧D3≧D2)。
更に、ケーブル挿入口70B(ケーブル配置領域75)の内径D4は、長さD3以下、かつ、長さD2以上となるように設定されている(条件D3≧D4≧D2)。
つまり、長さD1、D2、D3、D4の関係は、条件D1≧D3≧D4≧D2を満たしている。
【0070】
なお、チャネル72は、ルーメンとして用いられてもよいし、ワーキングチャネルとして用いられてもよい。チャネル72をルーメンとして用いる場合、例えば、カテーテル60の前方に向けて溶剤を吐出する溶剤注入ルーメン、或いは、カテーテル60の前方に存在する液体を除去するバキュームルーメンを、チューブ70に設けることができる。
また、チャネル72をワーキングチャネルとして用いる場合、例えば、符号73に示す処置具をチャネル72に挿入することが可能である。処置具73としては、例えば、各種鉗子、スネア、ガイドワイヤ、ステント、レーザ処置具、高周波処置具等が挙げられる。
【0071】
次に、
図9を参照し、カテーテル60のチューブ70内に撮像モジュール1を引き込む作業、即ち、カテーテル60の製造工程を説明する。
まず、信号ケーブル30を介して第1基板10と第2基板20とが接続された撮像モジュール1を用意する。更に、治具80を用意し、第2基板本体21の取り付け孔25に治具80を取り付ける。
図9に示す例では、治具80は、第2基板本体21の端部から若干延出する程度の長さを有しているが、治具80の長さは特に限定されない。治具80の材料としては、チューブ70の材質よりも高い剛性を有しており、チューブ70内に撮像モジュール1を引き込む作業において折れ曲がることが無い材料が採用される。
【0072】
次に、治具80をモジュール挿入口70Aに挿入し、更に、ケーブル挿入口70Bを通じて治具80をケーブル配置領域75の内部に挿入し、治具80を第2基板取出口76に向けて移動させる。最後には、治具80を第2基板取出口76から取り出す。
このような治具80の移動に伴って、第2基板20はモジュール挿入口70Aに挿入され、ケーブル挿入口70Bを通じて第2基板20がケーブル配置領域75の内部に挿入され、第2基板20は第2基板取出口76に向けて移動する。最後に、第2基板20は、第2基板取出口76から取り出される。
【0073】
上記のような第2基板20の移動においては、モジュール挿入口70Aの内径D3は、第2基板本体21の外端面21Eにおける第2対角線T2の長さD2以上である(条件D3≧D2)ため、第2基板20がモジュール挿入口70Aに引っ掛かることがない。また、ケーブル挿入口70B(ケーブル配置領域75)の内径D4は、長さD2以上である(条件D4≧D2)ため、第2基板20がケーブル挿入口70Bに引っ掛かることがない。
【0074】
上記のような第2基板20の移動に伴って、第2基板20に接続されている信号ケーブル30は、ケーブル配置領域75の内部に配置される。さらに、モジュール配置領域71には、第1基板10及び信号ケーブル30の一部が配置される。
【0075】
上記のような第2基板20の移動及び第1基板10及び信号ケーブル30の移動に伴って、固体撮像素子40は、モジュール挿入口70Aに接触する。ここで、モジュール挿入口70Aの内径D3は、受光面41における第1対角線T1の長さD1以下である(条件D1≧D3)ため、固体撮像素子40は、チューブ70の内部に挿入されず、モジュール挿入口70Aに取り付けられた状態となる。
【0076】
上述した第2実施形態によれば、カテーテル60のチューブ70内に撮像モジュール1を容易に引き込むことができる。特に、モジュール挿入口70A及びケーブル挿入口70Bに引っ掛かることがなく、第2基板20をスムーズに第2基板取出口76から取り出すことができる。また、固体撮像素子40をモジュール挿入口70Aに取り付けることができる。更に、カテーテル60の外径が増加することが無いため、チャネル及び撮像モジュールの両方を具備するとともに細径のカテーテル60を実現することができる。
【0077】
なお、上述した第2実施形態においては、治具80として、ワイヤ等を用いてもよい。この場合、チューブ70の全長よりも長いワイヤを用意し、モジュール挿入口70A及び第2基板取出口76からワイヤが露出するようにケーブル配置領域75内にワイヤを挿入する。その後、ワイヤの先端を
図9に示す取り付け孔25に取り付けて、第2基板取出口76から露出するワイヤを引っ張り出す。すると、ワイヤに張力が生じ、第2基板20は、モジュール挿入口70Aに挿入される。このようなワイヤを治具80として用いる場合であっても上記と同様の効果が得られる。
【0078】
本発明の好ましい実施形態を説明し、上記で説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、請求の範囲によって制限されている。