【実施例】
【0035】
以下の実施例は、説明のためにだけに与えられたものであり、本発明の範囲を制限する意図はない。
【0036】
実施例1:誘電セラミック相としてのTiO
2・ZrO
2固溶体および半導体セラミック相としてのSrTiO
3・CaTiO
3固溶体を含むセラミック焼結体
図2は、実施例1の工程系統図を示す。0.075モルの炭酸ストロンチウム(SrCO
3)、0.075モルの炭酸カルシウム(CaCO
3)、および0.15モルのTiO
2(ルチル)をエタノール中でビーズミル粉砕機(直径0.1mmの酸化ジルコニウムビーズ)により混合した。混合後、混合した粉末を窒素ガス流中で乾燥させた。得られた混合物を乾式粉砕し、5時間に亘りN
2+H
2(95%+5%)ガス流中において1,000℃でか焼して、黒色の半導体(Sr
0.5Ca
0.5)TiO
3粉末を得た。その乾式粉砕した粉末に0.5モルの酸化ジルコニウム(ZrO
2)および0.5モルの酸化チタン(TiO
2)(ルチル)を添加し、ビーズミル粉砕機により再び混合した。
【0037】
このように形成された100質量部の粉末をエタノール中で混合し、混練し、次に、15質量部のPVA結合剤、0.1質量部のSiO
2および0.05質量部のAl
2O
3と混合して、スラリーを形成した。そのスラリーを、被覆装置を使用して、ポリエチレンテレフタレート担体テープ上に被覆して、未焼成シートを形成した。その未焼成シートを打ち抜いて、複数のペレットを形成した。それらのペレットを0.015気圧(約1.5MPa)超の酸素分圧および550℃の温度で60分に亘り加熱して、有機結合剤を除去した。次いで、そのペレットを、N
2を含有する雰囲気下で30分間に亘り1250℃の温度で焼結して、セラミック焼結体を形成した。上記条件の理論パーコレーション閾値は約28.95%であり、そのセラミック焼結体中の半導体セラミック相(SrTiO
3・CaTiO
3)の体積分率は約27%である。そのセラミック焼結体中の半導体セラミック粒子および誘電セラミック粒子の均一な混合状態を確認するために、誘電特性の測定前に、試料を、空気中において、それぞれ、800℃、900℃、および1000℃で30分間に亘り再酸化した。再酸化中、半導体セラミック粒子は、粒界での酸素拡散によって、粒界区域から酸化するであろう。一方で、誘電セラミック粒子においても、粒界で酸素拡散が起こる。適切な再酸化条件でセラミック焼結体の性質が向上するであろう。しかしながら、再酸化温度が高いと、酸素拡散は、粒界だけでなく、粒子の内部でも起こる。強烈な酸素拡散は半導体セラミック粒子の劣化をもたらし、それゆえ、その導電率を減少させる。このようにして得られた焼結体を、両面から100マイクロメートルの深さまで研磨して、誘電特性の測定のためにAu電極を蒸着した。
【0038】
図3Aは、実施例1のセラミック焼結体の高角度環状暗視野(HAADF)画像を示す。この画像のコントラスト差は、少なくとも、第1のセラミック相(より明るい粒子)および第2のセラミック相(より暗い粒子)を示す。さらに、STEM−EDX化学分析(
図3Bから3E)は、第1のセラミック相(Sr・Ca・Ti)および第2のセラミック相(Ti・Zr)の存在を実証する。
【0039】
図4Aは、第1のセラミック相から得た制限視野電子回折像(SAED)(より明るい粒子はSTEM−EDX化学分析におけるSr、CaおよびTiを示す)を示す。その結果は、第1のセラミック相(より明るい粒子)が(213)(Sr
0.5Ca
0.5)TiO
3であることを示す。
図4Bは、第2のセラミック相から得た制限視野電子回折像(SAED)(より暗い粒子はSTEM−EDX化学分析におけるTiおよびZrを示す)を示す。その結果は、第2のセラミック相(より暗い粒子)が(001)TiO
2(ルチル)であり、ルチル構造TiO
2・ZrO
2固溶体として推定されることを示す。
【0040】
図5は、実施例1のセラミック焼結体のX線回折(XRD)を示す。それらのピークも、セラミック焼結体中の第1のセラミック相(すなわち、(Sr
0.5Ca
0.5)TiO
3相)および第2のセラミック相(すなわち、ルチル構造TiO
2・ZrO
2固溶体相)の存在を示す。
【0041】
図6A、
図6B、および
図6Cは、いくつかの異なる再酸化条件下での実施例1のセラミック焼結体の比誘電率、誘電損失、および抵抗率を示す。比誘電率および誘電損失の減少、並びに抵抗率の増加は、(Sr
0.5Ca
0.5)TiO
3半導体相の再酸化の増加を示唆する。得られたセラミック焼結体(
図6Aから6Cに「焼結されたまま」と示されている)は、(Sr
0.5Ca
0.5)TiO
3およびTiO
2・ZrO
2のものよりも著しく大きい比誘電率を有し、その比誘電率は、再酸化温度の上昇に対応して減少する。半導体セラミック相((Sr
0.5Ca
0.5)TiO
3)の酸化レベルに応じての比誘電率の減少は、そのセラミック焼結体がサブパーコレーション複合体であることを示す。すなわち、非常に大きい見掛けの比誘電率は、そのサブパーコレーション複合体に由来する。
【0042】
したがって、上記分析結果は、実施例1のセラミック焼結体は、誘電セラミック相(すなわち、ルチル構造TiO
2・ZrO
2固溶体相)中に分散した半導体セラミック相(すなわち、(Sr
0.5Ca
0.5)TiO
3相)を含み、その半導体セラミック相および誘電セラミック相は共にサブパーコレーション複合体を形成することを示す。
【0043】
実施例2:誘電セラミック相としてのTiO
2・ZrO
2固溶体および半導体セラミック相としてのSrTiO
3・CaTiO
3固溶体を含むセラミック焼結体
図7は、実施例2の工程系統図を示す。0.11モルの炭酸ストロンチウム(SrCO
3)、0.046モルの炭酸カルシウム(CaCO
3)、および0.154モルのTiO
2(ルチル)をエタノール中でビーズミル粉砕機(直径0.1mmの酸化ジルコニウムビーズ)により混合した。混合後、混合した粉末を窒素ガス流中で乾燥させた。得られた混合物を乾式粉砕し、5時間に亘りN
2+H
2(95%+5%)ガス流中において1,100℃でか焼して、黒色の半導体(Sr
0.7Ca
0.3)TiO
3粉末を得た。その乾式粉砕した粉末に0.7モルの酸化ジルコニウム(ZrO
2)および0.3モルの酸化チタン(TiO
2)(ルチル)を添加し、ビーズミル粉砕機により再び混合した。
【0044】
このように形成された100質量部の粉末を、20%のMEKおよび80%のBCA(v/v)を含有する溶媒中で混練し、次に、15質量部のエチルセルロース、0.3質量部のCaSiO
3、0.1質量部のGeO
2および0.05質量部のAl
2O
3と混合して、スラリーを形成した。そのスラリーを、被覆装置を使用して、ポリエチレンテレフタレート(PET)担体テープ上に被覆して、未焼成シートを形成した。その未焼成シートを打ち抜いて、複数のペレットを形成した。それらのペレットを0.015気圧(約1.5MPa)超の酸素分圧および450℃の温度で60分に亘り加熱して、結合剤を除去した。次いで、そのペレットを、N
2を含有する雰囲気下で30分間に亘り1300℃の温度で焼結して、セラミック焼結体を形成した。上記条件の理論パーコレーション閾値は約28.95%であり、そのセラミック焼結体中の半導体セラミック相(SrTiO
3・CaTiO
3)の体積分率は約27.3%である。そのセラミック焼結体中の半導体セラミック粒子および誘電セラミック粒子の均一な混合状態を確認するために、誘電特性の測定前に、試料を、空気中において、それぞれ、800℃、900℃、および1000℃で30分間に亘り再酸化した。このようにして得られた焼結体を、両面から100マイクロメートルの深さまで研磨して、誘電特性の測定のためにAu電極を蒸着した。
【0045】
図8Aは、実施例2のセラミック焼結体の高角度環状暗視野(HAADF)画像を示す。この画像のコントラスト差は、いくつかのセラミック相を示す。さらに、STEM−EDX化学分析(
図8Bから8E)は、第1のセラミック相(Sr・Ca・Ti)、第2のセラミック相(Ti・Zr)、および第3のセラミック相(Ca・Zr・Ti)の存在を実証する。
【0046】
図9Aは、第1のセラミック相から得た制限視野電子回折像(SAED)(粒子はSTEM−EDX化学分析におけるSr、CaおよびTiを示す)を示す。その結果は、第1のセラミック相が(212)(Sr
0.7Ca
0.3)TiO
3であることを示す。
図9Bは、第2のセラミック相から得た制限視野電子回折像(SAED)(粒子はSTEM−EDX化学分析におけるTiおよびZrを示す)を示す。その結果は、第2のセラミック相が(311)TiO
2(ルチル)であり、ルチル構造TiO
2・ZrO
2固溶体として推定されることを示す。
図9Cは、第3のセラミック相から得た制限視野電子回折像(SAED)(粒子はSTEM−EDX化学分析におけるCa、ZrおよびTiを示す)を示す。
図9Dに示された(150)CaZrTi
2O
7(ジルコノライト)のシミュレーション結果と比べると、第3のセラミック相は(150)CaZrTi
2O
7(ジルコノライト)であると考えられる。
【0047】
図10は、実施例2のセラミック焼結体のX線回折(XRD)を示す。それらのピークも、セラミック焼結体中の第1のセラミック相(すなわち、(Sr
0.7Ca
0.3)TiO
3相)、第2のセラミック相(すなわち、ルチル構造TiO
2・ZrO
2固溶体相)、および第3のセラミック相(すなわち、CaZrTi
2O
7相)の存在を示す。
【0048】
図11A、
図11B、および
図11Cは、いくつかの異なる再酸化条件下での実施例2のセラミック焼結体の比誘電率、誘電損失、および抵抗率を示す。比誘電率および誘電損失の減少、並びに抵抗率の増加は、(Sr
0.7Ca
0.3)TiO
3半導体相の再酸化の増加を示唆する。得られたセラミック焼結体(
図11Aから11Cに「焼結されたまま」と示されている)は、(Sr
0.7Ca
0.3)TiO
3、CaZrTi
2O
7、およびTiO
2・ZrO
2のものよりも著しく大きい比誘電率を有し、その比誘電率は、再酸化温度の上昇に対応して減少する。半導体セラミック相((Sr
0.7Ca
0.3)TiO
3)の酸化レベルに応じての比誘電率の減少は、そのセラミック焼結体がサブパーコレーション複合体であることを示す。すなわち、非常に大きい見掛けの比誘電率は、そのサブパーコレーション複合体に由来する。
【0049】
したがって、上記分析結果は、実施例2のセラミック焼結体は、誘電セラミック相(すなわち、ルチル構造TiO
2・ZrO
2固溶体相およびCaZrTi
2O
7相)中に分散した半導体セラミック相(すなわち、(Sr
0.7Ca
0.3)TiO
3相)を含み、その半導体セラミック相および誘電セラミック相は共にサブパーコレーション複合体を形成することを示す。
【0050】
実施例3:誘電セラミック相としてのTiO
2・ZrO
2固溶体および半導体セラミック相としてのSrTiO
3を含むセラミック焼結体
図12は、実施例3の工程系統図を示す。0.25モルの炭酸ストロンチウム(SrCO
3)および0.25モルのTiO
2(アナターゼ)をエタノール中でビーズミル粉砕機(直径0.1mmの酸化ジルコニウムビーズ)により混合した。混合後、混合した粉末を窒素ガス流中で乾燥させた。得られた混合物を乾式粉砕し、5時間に亘りN
2+H
2(95%+5%)ガス流中において1,000℃でか焼して、黒色の半導体SrTiO
3粉末を得た。その乾式粉砕した粉末に0.5モルの酸化ジルコニウム(ZrO
2)および0.5モルの酸化チタン(TiO
2)(アナターゼ)を添加し、ビーズミル粉砕機により再び混合した。
【0051】
このように形成された100質量部の粉末を、35%のトルエンおよび65%のMEK(v/v)を含有する溶媒中で混練し、次に、15質量部のポリアクリレート、0.3質量部のSrSiO
3、0.1質量部のGeO
2および0.1質量部のMnO
2と混合して、スラリーを形成した。そのスラリーを、被覆装置を使用して、PET担体テープ上に被覆して、未焼成シートを形成した。その未焼成シートを打ち抜いて、複数のペレットを形成した。それらのペレットを0.015気圧(約1.5MPa)超の酸素分圧および450℃の温度で60分に亘り加熱して、有機結合剤を除去した。次いで、そのペレットを、N
2を含有する雰囲気下で30分間に亘り1300℃の温度で焼結して、セラミック焼結体を形成した。上記条件の理論パーコレーション閾値は約28.95%であり、そのセラミック焼結体中の半導体セラミック相(SrTiO
3)の体積分率は約27.8%である。そのセラミック焼結体中の半導体セラミック粒子および誘電セラミック粒子の均一な混合状態を確認するために、誘電特性の測定前に、試料を、空気中において、それぞれ、800℃、900℃、および1000℃で30分間に亘り再酸化した。このようにして得られた焼結体を、両面から100マイクロメートルの深さまで研磨して、誘電特性の測定のためにAu電極を蒸着した。
【0052】
図13Aは、実施例3のセラミック焼結体の高角度環状暗視野(HAADF)画像を示す。この画像のコントラスト差は、いくつかのセラミック相を示す。さらに、STEM−EDX化学分析(
図13Bから13D)は、第1のセラミック相(Sr・Ti)および第2のセラミック相(Ti・Zr)の存在を実証する。
【0053】
図14Aは、第1のセラミック相から得た制限視野電子回折像(SAED)(粒子はSTEM−EDX化学分析におけるSrおよびTiを示す)を示す。その結果は、第1のセラミック相が(112)SrTiO
3であることを示す。
図14Bは、第2のセラミック相から得た制限視野電子回折像(SAED)(粒子はSTEM−EDX化学分析におけるTiおよびZrを示す)を示す。その結果は、第2のセラミック相が(101)TiO
2(ルチル)であり、ルチル構造TiO
2・ZrO
2固溶体として推定されることを示す。
【0054】
図15は、実施例3のセラミック焼結体のX線回折(XRD)を示す。それらのピークも、第1のセラミック相(すなわち、SrTiO
3相)および第2のセラミック相(すなわち、ルチル構造TiO
2・ZrO
2固溶体相)の存在を示す。
【0055】
図16A、
図16B、および
図16Cは、いくつかの異なる再酸化条件下での実施例3のセラミック焼結体の比誘電率、誘電損失、および抵抗率を示す。比誘電率および誘電損失の減少、並びに抵抗率の増加は、SrTiO
3半導体相の再酸化の増加を示唆する。得られたセラミック焼結体(
図16Aから16Cに「焼結されたまま」と示されている)は、SrTiO
3およびTiO
2・ZrO
2のものよりも著しく大きい比誘電率を有し、その比誘電率は、再酸化温度の上昇に対応して減少する。半導体セラミック相(SrTiO
3)の酸化レベルに応じての比誘電率の減少は、そのセラミック焼結体がサブパーコレーション複合体であることを示す。すなわち、非常に大きい見掛けの比誘電率は、そのサブパーコレーション複合体に由来する。
【0056】
実施例4:誘電セラミック相としてのCaZrTi
2O
7および半導体セラミック相としてのSrTiO
3を含むセラミック焼結体
図17は、実施例4の工程系統図を示す。0.56モルの炭酸ストロンチウム(SrCO
3)、0.56モルのTiO
2(アナターゼ)、および0.015モルのY
2O
3をエタノール中でビーズミル粉砕機(直径0.1mmの酸化ジルコニウムビーズ)により混合した。混合後、混合した粉末を窒素ガス流中で乾燥させた。得られた混合物を乾式粉砕し、5時間に亘りN
2+H
2(95%+5%)ガス流中において1,000℃でか焼して、黒色の半導体SrTiO
3粉末を得た。その乾式粉砕した粉末に1.0モルのジルコノライト(CaZrTi
2O
7)を添加し、ビーズミル粉砕機により再び混合した。
【0057】
このように形成された100質量部の粉末を、トルエンおよびMEK溶媒の混合物中で混練し、次に、15質量部のエチルセルロース結合剤、0.3質量部のSrSiO
3、0.1質量部のGeO
2および0.1質量部のMnO
2と混合して、スラリーを形成した。そのスラリーを、被覆装置を使用して、PET担体テープ上に被覆して、未焼成シートを形成した。その未焼成シートを打ち抜いて、複数のペレットを形成した。それらのペレットを0.015気圧(約1.5MPa)超の酸素分圧および550℃の温度で30分に亘り加熱して、有機結合剤を除去した。次いで、そのペレットを、N
2を含有する雰囲気下で30分間に亘り1300℃の温度で焼結して、セラミック焼結体を形成した。上記条件の理論パーコレーション閾値は約28.95%であり、そのセラミック焼結体中の半導体セラミック相(SrTiO
3)の体積分率は約28%である。そのセラミック焼結体中の半導体セラミック粒子および誘電セラミック粒子の均一な混合状態を確認するために、誘電特性の測定前に、試料を、空気中において、それぞれ、800℃、900℃、および1000℃で30分間に亘り再酸化した。このようにして得られた焼結体を、両面から100マイクロメートルの深さまで研磨して、誘電特性の測定のためにAu電極を蒸着した。
【0058】
図18Aは、実施例4のセラミック焼結体の高角度環状暗視野(HAADF)画像を示す。この画像のコントラスト差は、いくつかのセラミック相を示す。さらに、STEM−EDX化学分析(
図18Bから18E)は、第1のセラミック相(Sr・Ti)および第2のセラミック相(Ca・Zr・Ti)の存在を実証する。
【0059】
図19Aは、第1のセラミック相から得た制限視野電子回折像(SAED)(粒子はSTEM−EDX化学分析におけるSrおよびTiを示す)を示す。その結果は、第1のセラミック相が(102)SrTiO
3であることを示す。
図19Bは、第2のセラミック相から得た制限視野電子回折像(SAED)(粒子はSTEM−EDX化学分析におけるCa、TiおよびZrを示す)を示す。その結果は、第2のセラミック相が(011)CaZrTi
2O
7(ジルコノライト)であることを示す。
図19Cに示された(011)CaZrTi
2O
7(ジルコノライト)のシミュレーション結果と比べると、第3のセラミック相は(011)CaZrTi
2O
7(ジルコノライト)であると考えられる。
【0060】
図20は、実施例4のセラミック焼結体のX線回折(XRD)を示す。それらのピークも、第1のセラミック相(すなわち、SrTiO
3相)および第2のセラミック相(すなわち、CaZrTi
2O
7(ジルコノライト)相)の存在を示す。
【0061】
図21A、
図21B、および
図21Cは、いくつかの異なる再酸化条件下での実施例4のセラミック焼結体の比誘電率、誘電損失、および抵抗率を示す。比誘電率および誘電損失の減少、並びに抵抗率の増加は、SrTiO
3半導体相の再酸化の増加を示唆する。得られたセラミック焼結体(
図21Aから21Cに「焼結されたまま」と示されている)は、SrTiO
3およびCaZrTi
2O
7のものよりも著しく大きい比誘電率を有し、その比誘電率は、再酸化温度の上昇に対応して減少する。半導体セラミック相(SrTiO
3)の酸化レベルに応じての比誘電率の減少は、そのセラミック焼結体がサブパーコレーション複合体であることを示す。すなわち、非常に大きい見掛けの比誘電率は、そのサブパーコレーション複合体に由来する。
【0062】
本開示を、その特定の実施の形態に関して記載し、説明してきたが、これらの記載および説明は制限するものではない。付随の特許請求の範囲により定義されたような本開示の真の精神および範囲から逸脱せずに、様々な変更を行い、同等物を代用してもよいことを当業者は理解すべきである。説明図は、必ずしも、一定の縮尺で描かれていないであろう。製造過程および許容誤差のために、本開示と実際の装置における技術解釈の間には違いがあるかもしれない。具体的に説明されていない本開示の他の実施の形態があるであろう。明細書および図面は、限定的ではなく、むしろ説明的であると解釈すべきである。本開示の目的、精神および範囲に、特定の状況、材料、物質の組成、方法、または過程を適用するために、改変を行ってもよい。そのような改変の全ては、付随の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図されている。ここに開示された方法は、特定の順序で行われる特定の操作に関して記載されているが、これらの操作は、本開示の教示から逸脱せずに、同等の方法を形成するために、組み合わせても、細かく分けても、または並べ替えてもよいことが理解されよう。したがって、この中に具体的に示されていない限り、それらの操作の順序および組分けは、本開示の制限ではない。