(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エアロゾル形成カートリッジが、前記少なくとも一つのエアロゾル形成基体の上にあり、前記基層に固定されているトップカバーをさらに含み、前記少なくとも一つのエアロゾル形成基体が前記気流チャネルと流体連通するように、前記気流チャネルが前記トップカバーと前記基層の間で少なくとも部分的に画定される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気的に動作するエアロゾル発生システム。
前記1つ以上の乱流発生装置が配置される前記内部壁表面が、前記トップカバーによって少なくとも部分的に形成される、請求項8に記載の電気的に動作するエアロゾル発生システム。
前記エアロゾル発生装置が、前記エアロゾル形成カートリッジが前記エアロゾル発生装置内に挿入された時に、前記少なくとも一つのエアロゾル形成基体および前記基層の上にある壁を含み、また前記少なくとも一つのエアロゾル形成基体が前記気流チャネルと流体連通するように、前記気流チャネルが前記エアロゾル発生装置の壁と前記基層の間に少なくとも部分的に画定される、請求項8または9に記載の電気的に動作するエアロゾル発生システム。
前記1つ以上の乱流発生装置が配置されている前記内部壁表面が、前記エアロゾル発生装置の壁によって少なくとも部分的に形成される、請求項10に記載の電気的に動作するエアロゾル発生システム。
【発明の概要】
【0005】
本発明によれば、エアロゾル発生装置
と、エアロゾル発生カートリッジとを備える、エアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル形成カートリッジは、基層と、基層上に提供された少なくとも一つのエアロゾル形成基体とを備える。基層および少なくとも一つのエアロゾル形成基体
は実質的に平面であり、かつ相互に実質的に平行に配置される。使用時、エアロゾル形成カートリッジは少なくとも部分的にエアロゾル発生装置内に受けられる。システムは、使用する時に少なくとも一つのエアロゾル形成基体を加熱するように配置されている少なくとも一つの電気ヒーターと、少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口をさらに含む。使用時、エアロゾル発生システムはさらに、少なくとも一つの空気吸込み口と少なくとも一つの空気出口との間に延びる気流チャネルを含む。気流チャネルはエアロゾル形成基体と流体連通し、気流チャネルは1つ以上の乱流発生装置が配置されている内部壁表面を持ち、乱流発生装置は、気流チャネルを通して引き込まれる空気の流れ内に乱流境界層を形成するように配置されている。
【0006】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生システム」という用語は、本明細書でさらに説明し例証する、エアロゾル発生装置、エアロゾル形成カートリッジおよびヒーターの組み合わせを意味する。システムにおいて、装置、カートリッジおよびヒーターは、協働してエアロゾルを発生させる。
【0007】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル形成カートリッジおよびヒーターと相互作用してエアロゾルを発生させる装置を意味する。エアロゾル発生装置には、エアロゾル形成カートリッジを加熱するためのヒーターを作動させる電源が含まれる。
【0008】
本明細書で使用される場合、「カートリッジ」という用語は、エアロゾル発生装置に結合するように構成され、かつ単一ユニットとして結合・分離ができる単一のユニットとして組み立てられた消費可能な物品を意味する。
【0009】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成カートリッジ」という用語は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出可能な少なくとも1つのエアロゾル形成基体を含むカートリッジを意味する。例えば、エアロゾル形成カートリッジはエアロゾルを発生する喫煙物品としうる。
【0010】
本明細書に使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出することができる基体を記述するために使用される。本発明によるエアロゾル形成カートリッジのエアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルは、見えても、または見えなくてもよく、蒸気(例えば、気状である物質の微粉は室温にて通常、液体または固体である)、ならびに気体および凝縮された蒸気の液体の液滴を含んでもよい。
【0011】
内部壁表面上に1つ以上の乱流発生装置を有する気流チャネルを提供して、気流チャネルを通して引き出された空気の流れ中に乱流境界層を形成することにより、本発明によるエアロゾル発生システムはシステムの引き出しの度合いに関係なく比較的一貫した引き出し抵抗を提供しうることを、本発明の発明者は認識した。これは、引き出しが増大すると引き出し抵抗の急激な変化を起こしかねない、US−5,505,214−A号に記載のある喫煙物品など、従来技術のシステムとは対照的である。従来の技術のシステムにおける引き出し抵抗の急激な変化は、引き出しの度合いが一定レベルを超えて増大した際に、層状の空気の流れの境界層が気流チャネルの壁から分離することによるものと考えられている。ところが、本発明によるエアロゾル発生システムでは、1つ以上の乱流発生装置に起因する乱流境界層はこの効果を軽減する。US−5,505,214−A号などの従来の技術は、こうした乱流発生装置の使用について描写または提案していない。
【0012】
一部の実施形態で、乱流発生装置は、内部壁表面上に1つ以上のくぼみまたはうねりを備える。有利なことに、1つ以上のくぼみおよびうねりは、気流チャネル内に要求される乱流境界層を提供するのに特に有効である。その上、くぼみおよびうねりは、エアロゾル発生システムのための構成要素を構成するのに一般に使用される材料に形成するのが比較的簡単である。例えば、くぼみおよびうねりは、成形、スタンピング、エンボス加工、デボス加工、およびその組み合わせにより形成されうる。本発明の発明者はまた、くぼみまたはうねりによって形成された内部壁表面のへこみは、気流チャネル内で空気圧が低下する領域を形成しうることも認識している。このことは、少なくとも一つのエアロゾル形成基体の反対側にある内部壁表面の少なくとも一部分上に1つ以上のくぼみまたはうねりが提供されている実施形態で特に有利であるが、それは、空気圧が低下した領域がエアロゾル形成基体から空気の流れへの揮発性化合物の移動を促進しうるためである。
【0013】
乱流発生装置が1つ以上のくぼみまたはうねりを含む実施形態では、くぼみまたはうねりは、約0.3ミリメートル〜約0.8ミリメートルの数平均最大深さを持つことが好ましい。さらに、または別の方法として、1つ以上のくぼみまたはうねりは、気流チャネルの厚さの約15パーセント〜約80パーセントの数平均最大深さを持つことが好ましく、約30気流チャネルの厚さのパーセント〜約50パーセントであることがより好ましい。これらの範囲の一方または両方に収まる寸法を持つ1つ以上のくぼみまたはうねりは、乱流境界層の流れを提供するのに特に有効なことが分かっている。
【0014】
本明細書で使用される場合、「数平均最大深さ」という用語は、くぼみまたはうねりの平均深さを意味し、ここでそれぞれのくぼみまたはうねりの深さは、その最大深さで測定される。
【0015】
上述のいずれかの実施形態において、乱流発生装置は、内部壁表面上に複数のくぼみを備えることが好ましい。くぼみは、約3ミリメートル〜約6ミリメートルの数平均最大直径を持つことが好ましく、約3ミリメートル〜約5ミリメートルであることがより好ましく、約3ミリメートル〜約4ミリメートルであることが最も好ましい。くぼみのサイズを6ミリメートルより大きくすると、望ましい乱流境界層の流れを形成するくぼみの効果が低減されうる。
【0016】
本明細書で使用される場合、「数平均最大直径」という用語は、くぼみの平均直径を意味し、ここでそれぞれのくぼみの直径はその最大直径で測定される。
【0017】
上述のいずれかの実施形態において、気流チャネルは、チャネルの流れ面積が空気吸込み口から空気出口への下流方向に増大するディフューザー部分を備えることが好ましい。少なくとも一つのエアロゾル発生基体は、少なくとも部分的に気流チャネルのディフューザー部分内に提供されることが好ましい。ディフューザー部分を提供することで、有利なことに、ディフューザー部分に入る際の気流の速度を低下させ、大きめのサイズのエアロゾル小滴の形成を促進する。ところが、ディフューザー部分の最大断面積は、空気の流れ入口の断面積と比べて大き過ぎないことが好ましく、そうでなければ、エアロゾル小滴が気流チャネルの内側に凝縮し始めるレベルまで気流の速度が低下しかねない。したがって、空気吸込み口の最大断面積は、ディフューザー部分の最大断面積の約1パーセント〜約40パーセントであることが好ましく、ディフューザー部分の最大断面積の約5パーセントおよび約20パーセントであることがより好ましい。空気吸込み口が複数の開口部を備える実施形態では、空気吸込み口の面積は、複数の開口部の合計面積である。
【0018】
本明細書で使用される場合、「流れ面積」という用語は、チャネルを通した空気の流れの一般的な方向と直角をなす平面での気流チャネルの断面積を意味する。
【0019】
エアロゾル形成カートリッジは、基層と、基層上に提供
されている少なくとも一つのエアロゾル形成基体とを
含み、ここで基層および少なくとも一つのエアロゾル形成基体は、実質的に平面であり、かつ実質的に
互いに平行に配置
されている。
【0020】
本明細書で使用される場合、「実質的に平面の」という用語は、約1:2の厚さ対幅の比を持つ構成要素を意味する。厚さ対幅の比は、構成要素の曲がりや折れのリスクを最小限に抑えるために、約1:20未満であることが好ましい。
【0021】
平坦な構成要素は、製造時の取り扱いが簡単でありうる。さらに、実質的に平面である時、かつ空気流がエアロゾル形成基体の幅、長さ、または両方を越えて引き込まれるように配置されている時、エアロゾル形成基体からのエアロゾル放出が改善されることが分かっている。
【0022】
エアロゾル形成カートリッジは、さらに少なくとも一つのエアロゾル形成基体の上にあり、基層に固定されるトップカバーを備えうる。こうした実施形態において、気流チャネルは、少なくとも一つのエアロゾル発生基体が気流チャネルと流体連通するように、少なくとも部分的にトップカバーと基層の間に画定される。
【0023】
トップカバーを含む実施形態では、1つ以上の乱流発生装置が配置されている内部壁表面は、少なくとも部分的にトップカバーによって形成されることが好ましい。この構成は、トップカバーおよび基層がまとめて固定されて気流チャネルを形成する前に、1つ以上の流れ装置がトップカバーおよび基層の一方または両方に形成されうるため、システムの製造を簡易化しうる。言い換えれば、気流チャネルは2つの部分で製造されうるが、これにより、気流チャネルの内部壁表面上での特徴の形成が促進される。この構成方法は、気流チャネルがディフューザー部分を含むものなど、気流チャネルが可変の断面を含む実施形態では特に有利である。
【0024】
エアロゾル形成カートリッジ上にトップカバーを提供する代わりに、エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成カートリッジがエアロゾル発生装置内に挿入された時に、少なくとも一つのエアロゾル形成基体および基層の上にある壁を備えうる。これらの実施形態において、気流チャネルは、少なくとも一つのエアロゾル発生基体が気流チャネルと流体連通するように、エアロゾル発生装置の壁と基層の間に少なくとも部分的に画定される。
【0025】
こうした実施形態では、1つ以上の乱流発生装置が配置されている内部壁表面は、少なくとも部分的にエアロゾル発生装置の壁によって形成されることが好ましい。トップカバーを含む実施形態と類似した方法で、この構成方法はシステムの製造を簡易化できる。特に、システムの製造時に、エアロゾル発生装置の壁および基層の一方または両方に1つ以上の流れ装置を形成することが可能であり、またユーザーによってカートリッジが装置に挿入されるまで気流チャネルは形成されない。言い換えれば、気流チャネルは2つの部分で製造され、これにより、気流チャネルの内部壁表面上での特徴の形成が促進される。この構成方法は、気流チャネルがディフューザー部分を含むものなど、気流チャネルが可変の断面を含む実施形態では特に有利である。
【0026】
上述のいずれかの実施形態において、乱流発生装置は、内部壁表面積の約30%〜約100%を占めることが好ましい。この範囲内の内部壁表面積上に乱流発生装置を提供することで、境界層流れ内でシステムを通した引き出し抵抗の安定性を最適化するのに十分な乱流を提供できる。
【0027】
上記の任意の実施形態において、気流チャネルは、その長さの少なくとも一部に沿って
、実質的に長楕円形の断面形状を持つ
ことが好ましい。
【0028】
本明細書で使用される場合、「実質的に長楕円形」という用語は、その幅よりも大きな長さを持つ実質的に長方形の形状を意味する。すなわち、長楕円形は角ばっていない矩形である。
【0029】
乱流発生装置が提供されている表面積を最大化するには、乱流発生装置は、実質的に長楕円形の形状の長辺の一方または両方の上に提供されることが好ましい。さらに、乱流発生装置は、実質的に長楕円形の形状の短辺の一方または両方の上に提供されうる。
【0030】
実質的に平面のエアロゾル形成カートリッジを提供するには、エアロゾル形成基体は実質的に平面であり、長楕円形形状の長辺の一つの上に提供されることが好ましい。
【0031】
さらに、または別の方法として、ディフューザー部分を含む実施形態では、気流チャネルの高さは一定のままであり、気流チャネルの幅は、ディフューザー部分で下流方向に増大することが好ましい。すなわち、実質的に長楕円形の形状の短辺の長さは一定のままであることが好ましく、また実質的に長楕円形の形状の長辺の長さは、ディフューザー部分の下流方向に増大することが好ましい。
【0032】
上述のいずれかの実施形態において、少なくとも一つのエアロゾル形成基体はニコチンを含みうる。例えば、少なくとも1つのエアロゾル形成基体は加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を有するたばこ含有材料を含みうる。
【0033】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体、すなわち、加熱に伴いエアロゾルを発生させる物質を含むことが好ましい。エアロゾル形成体は、例えば、ポリオールエアロゾル形成体または非ポリオールエアロゾル形成体としうる。室温で固体または液体としうるが、室温で液体であることが好ましい。適切なポリオールは、ソルビトール、グリセロール、およびプロピレングリコールまたはトリエチレングリコールなどのグリコールを含む。適切な非ポリオールは、一価アルコール(メントールなど)、高沸点炭化水素、酸(乳酸など)、およびエステル(ジアセチン、トリアセチン、クエン酸トリエチルまたはミリスチン酸イソプロピルなど)を含む。ステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなどの、脂肪族カルボン酸エステルもエアロゾル形成体として使用されうる。同等または異なる比率でのエアロゾル形成体の組み合わせも使用されうる。ポリエチレングリコールおよびグリセロールは、トリアセチンは安定化させるのがより困難であることが特に好ましい場合がある一方、また製品内部での移動を防止するために封入される必要もありうる。エアロゾル形成基体は、ココア、甘草、有機酸、またはメントールなど1つ以上の風味剤を含みうる。
【0034】
エアロゾル形成基体は、固体基体を含みうる。固体基体は、例えば、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこおよび膨化たばこのうち1つ以上を含む、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートのうち一つ以上を含みうる。随意に、基体は、基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含みうる。随意に、固体基体はまた、例えば、追加的なたばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含むカプセルを含みうる。こうしたカプセルは、固体エアロゾル形成基体の過熱中に融解しうる。別の方法として、または追加的に、こうしたカプセルは、固体エアロゾル形成基体の加熱前、加熱中、または加熱後に潰されうる。
【0035】
エアロゾル形成基体が均質化したたばこ材料を含む固体基体を含む場合、均質化したたばこ材料は、粒子状のたばこを凝集させることにより形成されうる。均質化したたばこ材料は、シートの形態としうる。均質化したたばこ材料は、乾燥質量で5%より多いエアロゾル形成体含有量を持ちうる。別の方法では、均質化したたばこ材料は、乾燥質量で約5〜約30重量パーセントのエアロゾル形成体含有量を持ちうる。均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉の茎の一方または両方を粉砕またはその他の方法で細かく砕くことにより得られる粒子状のたばこを凝集させることによって形成されうるか、あるいは、または追加的に、均質化したたばこ材料シートは、例えば、たばこの処理、取扱いおよび輸送中に形成されるたばこダスト、たばこの微粉およびその他の粒子状のたばこ副産物の1つ以上を含みうる。均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこを凝集するのを補助するために1つ以上の固有の結合剤を含んでもよく、それはたばこ内因性結合剤、1つ以上の外因性結合剤であり、それはたばこ外来性結合剤またはそれらの組み合わせである。別の方法として、または加えて、均質化したたばこ材料のシートは、たばこおよび非たばこ繊維、エアロゾル形成体、湿潤剤、可塑剤、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒およびこれらの組み合わせを含むが限定されないその他の添加剤を含んでもよい。均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこおよび1つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面上にキャスティングし、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料シートを形成し、均質化したたばこ材料シートを支持表面から除去することを一般的に含むタイプのキャスティングプロセスにより形成されることが好ましい。
【0036】
随意に、固体の基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもまたはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートなどの形態をとりうる。別の方法として、担体は、その内側表面上(第US−A−5 505 214号、第US−A−5 591 368号および第US−A−5 388 594号で開示されているものなど)、またはその外側表面上、またはその内側および外側の表面両方に配置された固体基体の薄い層を持つ、管状の担体としうる。こうした管状の担体は、例えば、紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、質量の小さく目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穴あきの金属箔またはその他の任意の熱的に安定した高分子マトリクスで形成しうる。固体の基体は、例えば、シート、泡、ゲルまたはスラリーの形態で担体の表面上に沈着してもよい。固体の基体は、担体の全表面上に沈着してもよく、または代わりに、使用の間、所定の、あるいは均一でない風味送達を提供するために一定のパターンにおいて沈着してもよい。別の方法として、担体は、第EP−A−0 857 431号に説明されているものなど、たばこ成分が組み込まれた不織布繊維または繊維の束としうる。不織布繊維または繊維の束は、例えば、炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含みうる。
【0037】
固体のたばこベースのエアロゾル形成基体の代わりに、少なくとも一つのエアロゾル形成基体は液体基体を含み、またカートリッジは、1つ以上の容器など、液体基体を保持するための手段を含みうる。別の方法としてまたはさらに、カートリッジは、第WO−A−2007/024130号、第WO−A−2007/066374号、第EP−A−1 736 062号、第WO−A−2007/131449号および第WO−A−2007/131450号に説明のある通り、その内部に液体基体が吸収されうる多孔性担体材料を含む。
【0038】
液体基体は、ニコチン、ニコチン塩基、ニコチン塩(ニコチン−HCl、ニコチン酒石酸塩、またはニコチン二酒石酸塩など)、またはニコチン誘導体のうちの1つ以上を含むニコチン供与源が好ましい。
【0039】
ニコチン供与源は天然ニコチンまたは合成ニコチンを含んでもよい。
【0040】
ニコチン供与源は純粋なニコチン、水性溶剤または非水性溶剤中のニコチン溶液、あるいは液体たばこ抽出物を含んでもよい。
【0041】
ニコチン供与源は電解質形成化合物をさらに含んでもよい。電解質形成化合物はアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、およびこれらの組み合わせから成る群より選択されてもよい。
【0042】
例えば、ニコチン供与源は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酸化リチウム、酸化バリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸アンモニウムおよびこれらの組み合わせから成る群より選択された電解質形成化合物を含んでもよい。
【0043】
ある特定の実施形態では、ニコチン供与源はニコチン、ニコチン塩基、ニコチン塩、またはニコチン誘導体および電解質形成化合物の水溶液を含んでもよい。
【0044】
別の方法としてまたは追加的に、ニコチン供与源は、天然風味、人工風味、および酸化防止剤が挙げられるがこれに限定されない他の構成成分をさらに含んでもよい。
【0045】
ニコチン含有エアロゾル形成基体に加えて、それぞれの第一および第二のエアロゾル形成基体は、気相でニコチンと反応してユーザーへのニコチン送達を支援する揮発性送達促進化合物の供与源をさらに備えうる。
【0046】
揮発性送達促進化合物は単一の化合物を含んでいてもよい。あるいは、揮発性送達促進化合物は2つ以上の異なる化合物を含んでいてもよい。
【0047】
揮発性送達促進化合物は揮発性液体であることが好ましい。
【0048】
揮発性送達促進化合物は、1つ以上の化合物の水溶液を含んでもよい。あるいは、揮発性送達促進化合物は、1つ以上の化合物の非水溶液を含んでもよい。
【0049】
揮発性送達促進化合物は2つ以上の異なる揮発性化合物を含む場合がある。例えば、揮発性送達促進化合物は、2つ以上の異なる揮発性液体化合物の混合物を含んでもよい。
【0050】
あるいは、揮発性送達促進化合物は、1つ以上の不揮発性化合物および1つ以上の揮発性化合物を含んでもよい。例えば、揮発性送達促進化合物は、揮発性溶剤中の1つ以上の不揮発性化合物の溶液、または1つ以上の不揮発性液体化合物と1つ以上の揮発性液体化合物との混合物を含んでもよい。
【0051】
一つの実施形態で、揮発性送達促進化合物は酸を含む。揮発性送達促進化合物は有機酸または無機酸を含んでもよい。揮発性送達促進化合物は有機酸を含むことが好ましく、カルボン酸がより好ましく、α−ケト酸または2−オキソ酸が最も好ましい。
【0052】
好ましい実施形態で、揮発性送達促進化合物は、3−メチル−2−オキソペンタン酸、ピルビン酸、2−オキソペンタン酸、4−メチル−2−オキソペンタン酸、3−メチル−2−オキソブタン酸、2−オキソオクタン酸およびこれらの組み合わせから成る群より選択される酸を含む。特に好ましい実施形態で、揮発性送達促進化合物はピルビン酸を含む。
【0053】
固体または液体エアロゾル形成基体の代わりに、少なくとも一つのエアロゾル形成基体は、その他の任意の種類の基体、例えば、ガス基体、ゲル基体、または様々な基体タイプの任意の組み合わせとしうる。
【0054】
上述のいずれかの実施形態において、少なくとも一つのエアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成基体を含みうる。別の方法として、少なくとも1つのエアロゾル形成基体は、複数のエアロゾル形成基体を含みうる。複数のエアロゾル形成基体は、実質的に同一の組成を持ちうる。別の方法として、複数のエアロゾル形成基体は、実質的に異なる組成を持つ2つ以上のエアロゾル形成基体を含みうる。複数のエアロゾル形成基体は、基層上に一緒に貯蔵されうる。別の方法として、複数のエアロゾル形成基体は、別個に貯蔵されうる。エアロゾル形成基体の2つ以上の異なる部分を別々に貯蔵することにより、同一カートリッジ内で完全には適合性のない2つの物質を貯蔵することが可能である。有利なことに、エアロゾル形成基体の2つ以上の異なる部分を別々に貯蔵することで、カートリッジの寿命を延長しうる。また、2つの不適合の物質を同一のカートリッジ内に貯蔵できるようになる。さらに、例えば、それぞれのエアロゾル形成基体を別個に加熱することにより、エアロゾル形成基体を別々にエアロゾル化できるようになる。こうして、異なる加熱プロフィール要件を持つエアロゾル形成基体が、エアロゾル形成を改善するために、別々に加熱できる。また、より揮発性の高い物質を、揮発性の低い物質と別個に、低い度合いとしうるため、より効率的なエネルギー使用が可能となりうる。別個のエアロゾル形成基体は、例えば、毎回の使用のために複数のエアロゾル形成基体のうち異なる1つを加熱することにより、所定の順序でエアロゾル化することもでき、カートリッジが使用される度ごとに「新鮮な」エアロゾル形成基体がエアロゾル化されるようになる。液体ニコチンエアロゾル形成基体および揮発性送達促進化合物エアロゾル形成基体を含む実施形態において、ニコチンおよび揮発性送達促進化合物は有利なことに、別個に貯蔵され、システムの作動時のみに気相で一緒に反応する。
【0055】
一定の好ましい実施形態で、それぞれのエアロゾル形成基体は、約60℃〜約320℃、好ましくは約70℃〜約230℃、好ましくは約90℃〜約180℃の気化温度を有する。
【0056】
少なくとも一つの電気ヒーターは、エアロゾル発生装置内に提供された1つ以上の電気ヒーターを備えうる。別の方法として、少なくとも一つの電気ヒーターは、エアロゾル発生装置への挿入およびそこからの取り外しができ、ヒーターの掃除および交換を促進する、取り外し可能なヒーターとしうる。有利なことに、この配置によって、ユーザーは、異なるエアロゾル形成物品を収容するために、装置に挿入される電気ヒーターのタイプを変更できるようにもなる。その上、装置およびカートリッジの両方から分離される取り外し可能なヒーターを使用することで、ヒーターは複数のカートリッジを加熱するために使用されるようになる。
【0057】
さらに別の方法で、少なくとも一つの電気ヒーターは、エアロゾル形成カートリッジの一部を形成する少なくとも一つの電気ヒーターを備えうる。
【0058】
上述のいずれかの実施形態において、ヒーターは電気的に絶縁された基体を備えうるが、ここで、少なくとも一つの電気ヒーター要素は、電気的に絶縁された基体上に配置された1つ以上の実質的に平面のヒーター要素を含む。基体は柔軟なものとしうる。基体は高分子としうる。基体は複数層の高分子材料としうる。発熱体(または複数の発熱体)は、基体にある1つ以上の開口部を横切って延びうる。
【0059】
使用時に、ヒーターは、伝導、対流および放射のうち1つ以上によって、エアロゾル形成基体を加熱するように配置されうる。ヒーターは、伝導の手段によりエアロゾル形成基体を加熱してもよく、また少なくとも部分的にエアロゾル形成基体と接触してもよい。別の方法として、または追加的に、ヒーターからの熱は熱伝導性の中間要素の手段によってエアロゾル形成基体に伝導されうる。別の方法として、または追加的に、ヒーターは、使用時にカートリッジを通して引き出されるか、またはそれを通過する、入ってくる周囲空気に熱を伝達しうるが、これが次に、対流によってエアロゾル形成基体を加熱する。
【0060】
ヒーターは、エアロゾル形成基体に少なくとも部分的に挿入するための内部電気発熱体を備えうる。「内部発熱体」は、エアロゾル形成材料への挿入に適切なものである。別の方法としてまたは追加的に、電気ヒーターは、外部発熱体を備えうる。「外部発熱体」という用語は、少なくとも部分的にエアロゾル形成カートリッジを囲むものを意味する。ヒーターは、1つ以上の内部発熱体および1つ以上の外部発熱体発熱体を備えうる。ヒーターは、単一の発熱体を有しうる。別の方法として、ヒーターは1つ以上の発熱体を備えうる。
【0061】
少なくとも一つの発熱体は、電気抵抗性の材料を含みうる。適切な電気抵抗性の材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金およびセラミック材料および金属材料でできた複合材料が挙げられるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含む場合がある。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープシリコン炭化物が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例は、ステンレス鋼、ニッケル−、コバルト−、クロミウム−、アルミニウム−チタン−ジルコニウム−、ハフニウム−、ニオビウム−、モリブデン−、タンタル−、タングステン−、スズ−、ガリウム−、マンガン−および鉄を含有する合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)および鉄−マンガン−アルミニウム系の合金を含む。複合材料では、電気抵抗性の材料は、必要なエネルギー移動の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料へ埋込、封入、または塗布されてもよく、あるいはその逆であってもよい。別の方法として、ヒーターは赤外線発熱体、光子供給源、または誘導発熱体を備えうる。
【0062】
ヒーターは任意の適切な形態をとりうる。例えば、ヒーターは加熱用ブレードの形態をとる場合がある。別の方法として、ヒーターは、異なる導電性部分または電気抵抗性の金属チューブを持つケーシングまたは基体の形態をとりうる。別の方法として、ヒーターは、エアロゾル形成基体の中心を貫通する1つ以上の加熱用の針または棒を含みうる。別の方法として、少なくとも一つのヒーターは、ディスク型の(末端)ヒーターまたはディスク型ヒーターと加熱用の針または棒を組み合わせたものであってもよい。ヒーターは、電気抵抗性のある材料(ステンレス鋼など)の1つ以上のスタンピングした部分を含みうる。その他の代替物は、加熱用のワイヤまたはフィラメント、例えばNi−Cr(ニッケル・クロム)、プラチナ、タングステンまたは金属製のワイヤまたは加熱板を含む。
【0063】
一定の好ましい実施形態で、ヒーターは複数の導電性フィラメントを含む。複数の導電性フィラメントは、フィラメントのメッシュまたはアレイを形成してもよく、または織物または不織布を含んでもよい。
【0064】
導電性フィラメントはフィラメント間の隙間を画定でき、隙間の幅は10μm〜100μmとしうる。ヒーターが液体を含有するエアロゾル形成基体と接触して配置された時に、気化される液体が隙間に引き込まれてヒーター組立品と液体の間の接触面積を増やすように、フィラメントは隙間で毛細管作用を引き起こすことが好ましい。導電性フィラメントは160〜600メッシュUS(±10パーセント)(すなわち、1インチ当たりのフィラメント数が160〜600個(±10パーセント))のサイズのメッシュを形成しうる。隙間の幅は25μm〜75μmが好ましい。メッシュの合計面積に対する隙間の面積の比であるメッシュの開口部分の面積率は25パーセント〜56パーセントが好ましい。メッシュは異なるタイプの織物または格子の構造を使用して形成してもよい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維はまた、当業界において周知の通り、液体を保持するその能力によって特性付けられうる。導電性フィラメントの直径は10μm〜100μmとすることができ、8μm〜50μmであることが好ましく、8μm〜39μmであることがより好ましい。フィラメントは、丸い断面を有してもよく、または平坦な断面を有してもよい。ヒーターフィラメントは、シート材料(箔など)のエッチングによって形成されうる。これは、ヒーターが一連の平行のフィラメントを含む時、特に有利でありうる。ヒーターがフィラメントのメッシュまたは織物を含む場合、フィラメントは個別に形成され、まとめて編まれうる。導電性フィラメントは、メッシュ、アレイまたは繊維として提供されうる。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維の面積は小さくてもよく、25平方ミリメートル未満であり、手持ち式システムへの組み込みが許容されることが好ましい。導電性フィラメントのメッシュ、アレイまたは繊維は、例えば長方形で5mm×2mmの寸法を持つものでもよい。導電性フィラメントのメッシュまたはアレイは、ヒーターの面積の10パーセント〜50パーセントの面積を覆うことが好ましい。導電性フィラメントのメッシュまたはアレイは、ヒーターの面積の15パーセント〜25パーセントの面積を覆うことがより好ましい。
【0065】
1つの実施形態で、電気エネルギーは、電気ヒーターの発熱体または要素が約180℃〜約310℃の温度に達するまで電気ヒーターに供給される。要求される温度に達するまでの発熱体または要素の加熱を制御するために、適切な任意の温度センサーおよび制御回路を使用しうる。このことは、たばこおよび紙巻たばこラッパーの燃焼が800℃に達しうる従来的な紙巻たばことは対照的である。
【0066】
好ましくは、電気ヒーターと少なくとも1つのエアロゾル形成基体との間の最小距離は、50マイクロメートルであることが好ましく、カートリッジは、電気ヒーターとエアロゾル形成基体との間の空間に毛細管繊維の1つ以上の層を含むことが好ましい。
【0067】
ヒーターは、エアロゾル形成基体の上に1つ以上の発熱体を備えうる。別の方法として、ヒーターは、エアロゾル形成基体の下に1つ以上の発熱体を備えうる。この配置で、エアロゾル形成基体の加熱およびエアロゾルの放出は、エアロゾル形成カートリッジの反対側で発生する。これは、たばこ含有材料を含むエアロゾル形成基体にとって特に有効であることが分かっている。ある一定の実施形態において、ヒーターは、エアロゾル形成基体の反対側に隣接して位置する1つ以上の発熱体を含む。ヒーターは、エアロゾル形成基体の異なる部分を加熱するように配置された複数の発熱体を含むことが好ましい。一定の好ましい実施形態で、エアロゾル形成基体は、基層上に別々に配置された複数のエアロゾル形成基体を含み、ヒーターは複数のエアロゾル形成基体のうち異なる1つを加熱するようにそれぞれ配置された複数の発熱体を含む。
【0068】
エアロゾル形成カートリッジは、適切な任意のサイズを持ちうる。カートリッジは、手持ち式のエアロゾル発生装置と併用するために適切な寸法を持つことが好ましい。ある一定の実施形態において、カートリッジは、約5mm〜約200mm、好ましくは約10mm〜約100mm、より好ましくは約20mm〜約35mmの長さを持つ。ある一定の実施形態において、カートリッジは、約5mm〜約12mm、好ましくは約7mm〜約10mmの幅を持つ。ある一定の実施形態において、カートリッジは、約2mm〜約10mm、好ましくは形成する約5mm〜約8mmの高さを持ちうる。
【0069】
使用時、エアロゾル形成カートリッジおよびエアロゾル発生装置のうち少なくとも1つは別個のマウスピース部分に接続されうるが、それによってユーザーはマウスピース部分の下流端を吸うことで、カートリッジを通して、またはそれに隣接して空気流を引き出すことができる。こうした実施形態において、カートリッジは、マウスピース部分の下流端での引き出し抵抗が好ましくは約50mmWG〜約130mmWG、より好ましくは約80mmWG〜約120mmWG、より好ましくは約90mmWG〜約110mmWG、最も好ましくは約95mmWG〜約105mmWGであるように配置される。本明細書で使用される場合、「引き出し抵抗」という用語は、22℃および101kPa(760トル)で17.5ml/秒のレートで、試験対象の物体の全長にわたり空気を強制的に通過させるために要する圧力を意味する。引き出し抵抗は、一般に水柱ミリメートル(mmWG)という単位で表現され、ISO 6565:2011に従い測定される。
【0070】
エアロゾル形成カートリッジは、1つ以上の電気接点を備えうる。エアロゾル形成カートリッジに提供されている電気接点は、カートリッジの外側からアクセスしうる。電気接点は、カートリッジの1つ以上の端に沿って位置付けられうる。ある一定の実施形態において、電気接点はカートリッジの横方向の端に沿って位置付けられうる。例えば、電気接点はカートリッジの上流端に沿って位置付けられてもよい。別の方法として、または追加的に、電気接点はカートリッジの単一の長軸方向の端に沿って位置付けられてもよい。カートリッジ上の電気接点は、カートリッジへの/カートリッジからの一方向での、またはカートリッジへの/カートリッジからの両方向でのデータ転送のためのデータ接点を備えうる。
【0071】
エアロゾル形成カートリッジは、少なくとも1つのエアロゾル形成基体の少なくとも一部分上に位置付けられた保護箔を備えうる。保護箔はガス不浸透性としうる。保護箔は、カートリッジ内でエアロゾル形成基体を密封シールするように配置されうる。本明細書で使用される場合、「密封シール」という用語は、エアロゾル形成基体内での揮発性化合物の重さが、2週間にわたり、好ましくは2か月間にわたり、より好ましくは2年間にわたり、2%未満だけ変化することを意味する。
【0072】
カートリッジが基層を含む実施形態では、基層はその中にエアロゾル形成基体が保持される少なくとも一つのくぼみを備えうる。これらの実施形態において、保護箔は1つ以上のくぼみを閉じるように配置されうる。保護箔は、少なくとも1つのエアロゾル形成基体を露出するために、少なくとも部分的に取り外し可能としうる。好ましくは、保護箔は取り外し可能である。複数のエアロゾル形成基体が保持される複数のくぼみを基層に含む場合、1つ以上のエアロゾル形成基体のシールを選択的に外すように、保護箔は段階的に取り外し可能としうる。例えば、保護箔は、そのそれぞれが、保護箔の残りの部分から取り外した時に1つ以上のくぼみを露出させるように配置されている、1つ以上の取り外し可能な部分を備えてもよい。別の方法として、または追加的に、保護箔は、ユーザーに対する表示として要求される取り外しの力が取り外しの各段階間で変化するように、取り付けられてもよい。例えば、要求される取り外しの力は、保護箔の取り外しを続行するには、ユーザーが故意に保護箔を強めに引かなければならないように、隣接した段階間で増大してもよい。これは適切な任意の手段によって達成されうる。例えば、引く力は、接着剤層のタイプ、数量、または形状を変えることで、またはそれによって保護箔が取り付けられる溶接線の形状または量を変えることで、変化させてもよい。
【0073】
保護箔は、直接的に、または1つ以上の中間構成要素を介して間接的に、取り外し可能なように基層に取り付けられうる。保護箔は、適切な任意の方法、例えば接着剤の使用によって、取り外し可能なように取り付けられうる。保護箔は、超音波溶接によって取り外し可能なように取り付けられうる。保護箔は、超音波溶接によって溶接線に沿って取り外し可能なように取り付けられうる。溶接線は連続としうる。溶接線は、横並びに配置された2つ以上の連続溶接線を含みうる。この配置で、少なくとも1つの連続溶接線が損なわれずに残る場合にシールは維持されうる。
【0074】
保護箔は、柔軟なフィルムとしうる。保護箔は、適切な任意の材料(単一または複数)を含みうる。例えば、保護箔は、例えばポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)といった高分子箔を含みうる。例えば、保護箔は複数層の高分子箔を備えうる。
【0075】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの電気ヒーターに電力を供給するための電源を含むことが好ましい。電力供給源はDC電圧供与源であってもよい。好ましい実施形態で、電源は電池である。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウムベースの電池、例えばリチウムコバルト、リチウム鉄リン酸塩またはリチウムポリマー電池としうる。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置としうる。電源は再充電を必要とすることがあり、またエアロゾル発生装置を1つ以上のエアロゾル形成カートリッジとともに使用するのに十分なエネルギーの蓄積を可能にする容量を持つものとしうる。
【0076】
エアロゾル発生装置は、ヒーターおよび1つ以上のエアロゾル形成基体のうち少なくとも一つの温度を感知するように構成された1つ以上の温度センサーを備えうる。こうした実施形態では、コントローラは、感知された温度に基づきヒーターへの電力供給を制御するよう構成されうる。
【0077】
ヒーターが少なくとも一つの抵抗性発熱体を含む実施形態では、その少なくとも一つのヒーター要素は、温度と比抵抗の間で明確な関係を持つ金属を使用して形成しうる。こうした実施形態で、金属は2層の適切な絶縁材の間のトラックとして形成しうる。このように形成されたヒーター要素は、ヒーターおよび温度センサーのどちらとしても使用されうる。
【0078】
上述のいずれかの実施形態において、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置が別の電気的な装置に接続されるようにする外部プラグまたはソケットを備えうる。例えば、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を別のUSB使用可能な装置に接続できるようにするUSBプラグまたはUSBソケットを備えうる。例えば、USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置をUSB充電装置に接続して、エアロゾル発生装置内の再充電可能電源を充電できるようにしうる。さらに、または別の方法として、USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置への/エアロゾル発生装置からの一方向またはその両方向でのデータ転送をサポートしうる。例えば、装置はコンピュータに接続して、使用データなどのデータを装置からダウンロードしてもよい。さらに、または別の方法として、装置をコンピュータに接続して、新しいまたは更新されたエアロゾル形成カートリッジ用の新しい加熱プロフィールなどのデータを装置に転送してもよく、ここで、加熱プロフィールは、エアロゾル発生装置内にあるデータストレージ装置内に格納される。
【0079】
装置がUSBプラグまたはソケットを含む実施形態で、装置は、使用されていない時にUSBプラグまたはソケットを覆う取り外し可能なカバーをさらに備えうる。USBプラグまたはソケットがUSBプラグである実施形態では、USBプラグはさらに、または別の方法として、装置内で選択的に格納可能としうる。
【0080】
ここで、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明するが、これは例証としてのみである。