特許第6641353号(P6641353)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6641353鳥忌避組成物を増強するための視覚的合図(cue)の使用
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  • 特許6641353-鳥忌避組成物を増強するための視覚的合図(cue)の使用 図000006
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641353
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】鳥忌避組成物を増強するための視覚的合図(cue)の使用
(51)【国際特許分類】
   A01M 29/08 20110101AFI20200127BHJP
   A01P 17/00 20060101ALI20200127BHJP
   A01N 35/06 20060101ALI20200127BHJP
   A01N 25/00 20060101ALI20200127BHJP
   A01M 29/12 20110101ALI20200127BHJP
【FI】
   A01M29/08
   A01P17/00
   A01N35/06
   A01N25/00 101
   A01M29/12
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-504100(P2017-504100)
(86)(22)【出願日】2015年7月1日
(65)【公表番号】特表2017-527273(P2017-527273A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(86)【国際出願番号】US2015038780
(87)【国際公開番号】WO2016014227
(87)【国際公開日】20160128
【審査請求日】2018年5月30日
(31)【優先権主張番号】62/028,900
(32)【優先日】2014年7月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510203603
【氏名又は名称】アルキオン ライフ サイエンシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(73)【特許権者】
【識別番号】515257782
【氏名又は名称】ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ, アズ レプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー オブ アグリカルチャー
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100169971
【弁理士】
【氏名又は名称】菊田 尚子
(74)【代理人】
【識別番号】100168893
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 正路
(72)【発明者】
【氏名】バリンジャー,ケネス,イー.,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ワーナー,スコット,ジョン
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−530408(JP,A)
【文献】 特開2007−210786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 29/00 − 29/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鳥忌避性を増強する方法であって、鳥忌避性を増強する相乗的な量の
(i) TiO2、CaCO3、MgCO3、カーボンブラック、ZnO又はそれらの組み合わせを含む視覚的合図(cue)薬剤及び
(ii) 300〜400nmのUV範囲で鳥に合図を送る鳥忌避剤
を含む組成物を使用することを含み、視覚的合図薬剤の粒子径が100nmより大きい、方法。
【請求項2】
視覚的合図薬剤がTiO2ある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
鳥忌避剤が、アントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニル酸エステル、メチオカルブ、カフェイン、クロルピリホス、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、及びキトサンからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
鳥忌避剤がアントラキノンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
視覚的合図薬剤の鳥忌避剤に対する比が、0.1:1〜10:1の範囲内である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
組成物が、50wt%〜90wt%のポリマーアジュバントをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
視覚的合図薬剤の粒子径が、200nmより大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
視覚的合図薬剤の粒子径が、300nmより大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
鳥忌避性を増強する相乗的な量の
(i) TiO2、CaCO3、MgCO3、カーボンブラック、ZnO又はそれらの組み合わせを含む視覚的合図薬剤及び
(ii) 300〜400nmのUV範囲で鳥に合図を送る鳥忌避剤
を含む組成物であって、視覚的合図薬剤の粒子径が100nmより大きい、組成物。
【請求項10】
視覚的合図薬剤がTiO2ある、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
鳥忌避剤が、アントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニル酸エステル、メチオカルブ、カフェイン、クロルピリホス、シハロトリン、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、及びキトサンからなる群より選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
鳥忌避剤がアントラキノンである、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
視覚的合図薬剤の鳥忌避剤に対する比が、0.1:1〜10:1の範囲内である、請求項9に記載の組成物。
【請求項14】
組成物が、50wt%〜90wt%のポリマーアジュバントをさらに含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項15】
視覚的合図薬剤の粒子径が、200nmより大きい、請求項9に記載の組成物。
【請求項16】
視覚的合図薬剤の粒子径が、300nmより大きい、請求項9に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年7月25日に出願された米国特許仮出願第62/028,900号の優先権を主張するものであり、この仮出願の開示は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、植物から鳥を効率的に忌避するのに必要とされる鳥忌避有効成分の量を低下させるための、1種以上の光吸収化合物の使用に関する。詳細には、本開示は、風味又は腸ベースの摂取の結果を利用した鳥忌避剤中に1種以上の光吸収化合物を組み込むことに関する。
【背景技術】
【0003】
効果的な鳥忌避剤を散布し、収穫及び実生の準備ができた農作物が鳥害にさらされることから保護することは、農業にとって重要である。摂取後鳥忌避剤(post ingestive bird repellents)は、鳥による農作物の損害を防ぐ効果的な方法であることは立証されている。鳥は、既知のUV光の波長で食料源を見ており、既知の忌避剤は、鳥が見ることのできる適切な範囲の光を吸収し、摂取後の刺激によって鳥を忌避する。
【0004】
既知の紫外線合図は、鳥忌避剤の効果的な模倣体となり得、300〜400nmの範囲の紫外線で鳥に合図を送ることもできる。米国特許出願第12/652,944号を参照されたい。この出願は、その全体が本明細書に組み込まれるものとする。米国特許出願第12/652,944号では、鳥忌避剤の有効成分濃度の低下による効果が記載されている。低濃度の鳥忌避製品(すなわち、有効成分)を用いて忌避効果を得ることは、農業にとって経済的に重要であり、食品又は餌に使用するなどの、低濃度製品の安全な使用を増やすことができる。
【0005】
米国特許出願第12/652,944号では、TiO2及び他の形態のチタン(IV)化合物、トリシロキサン、シロキサンなどを含む、UVa及びUVbの範囲の紫外線光の光吸収化合物も記載されている。鳥忌避性に対するこれらの化合物の有用性は、可視及びUVの範囲の光をどちらも見えるという鳥固有の性質に基づく。鳥は、UV範囲を利用して食料源を識別し、食料源を植食するタイミングを視覚的に決定する。米国特許出願第12/652,944号では、TiO2と、鳥忌避剤として知られている有効成分である9,10アントラキノンの間の相乗作用も論じられている。米国特許出願第12/652,944号では、効果的な鳥忌避性を得るために必要とされる9,10アントラキノンの量を、23%減らしたことが開示されている(すなわち、AQ濃度を1778ppmから1370ppmにし、74%の忌避率を得た)。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、UV吸収化合物を既知の鳥忌避化合物と組み合わせ、UV吸収化合物のUV吸収特性による視覚的効果を増強し、それによってUV吸収化合物を鳥忌避化合物と組み合わせたときに予想外のかつ相乗的な忌避効果をもたらす方法に関する。
【0007】
本開示はさらにTiO2などのUV範囲の光吸収化合物、及び他の化合物を単独又は組み合わせて使用し、反射、屈折、及び光散乱が、鳥視覚及び食品合図の性質と関連するために、それらを利用することに関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】界面活性剤を含むUV吸収化合物、及び界面活性剤を含まないUV吸収化合物の比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1つの実施形態において、本開示は、鳥忌避性を増強する方法であって、鳥忌避性を増強する相乗的な量の視覚的合図(cue)薬剤及び鳥忌避剤を使用することを含む、方法に関する。
【0010】
本開示の方法及び組成物は、目的の任意の標的(すなわち、食品又は土地)から、さまざまな鳥を忌避するのに効果的である。本開示は、野鳥を忌避するために使用することができる。野鳥としては、これらに限定されるものではないが、ハゴロモガラス種(ムクドリモドキ科(Icteridae))、ハゴロモガラス(アゲライウス・フォエニケウス(Agelaius phoeniceus))、オオクロムクドリモドキ(クイスカルス種(Quiscalus spp.))、キガシラムクドリモドキ(キサントケファルス・キサントケファルス(Xanthocephalus xanthocephalus))、コウウチョウ(モロスルス・アテル(Molothrus ater)、ヨーロッパホシムクドリ(スルヌス・ブルガリス(Sturnus vulgaris))を含むホシムクドリ、カナダガン(ブランタ・カナデンシス(Branta canadensis))、シジュウカラガン(B.フキンシ(B. hutchinsii))、及びハクガン(ケン・カエルレスケンスChen caerulescens)を含むガン、カラス、ツル、ハクチョウ、キジ、シチメンチョウ、ハト、スズメ、キツツキ、ヒバリ、コマドリ、フィンチ、並びにレンジャクがある。
【0011】
本開示における使用に適している鳥忌避薬剤は、1次的な及び/又は2次的な忌避剤として有効なものとすることができる。1次的な忌避剤は、動物に対して撤退又は逃避の行動反射を引き起こす性質(例えば、不快な風味、臭気、刺激)を有する。対照的に、2次的な忌避剤は有害な生理学的作用(例えば、病気、痛み)を引き起こし、後の感覚刺激(例えば、風味、臭気、視覚的合図)の回避を伴う。
【0012】
さまざまな鳥忌避剤が以前に記載されており、本明細書における使用に適する。鳥忌避剤としては、これらに限定されるものではないが、アントラキノン、アントラヒドロキノン、フルトラニル、ベンゾキノン、アントラニル酸エステル(アントラニル酸メチル及びアントラニル酸ジメチルを含む)、メチオカルブ、カフェイン、クロルピリホス、(+シハロトリン)、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、シンナミド、及びキトサンがある。これらの薬剤は単独又は組み合わせて使用してもよい。同様に、製剤、散布量、及び散布技術を含む、これらの薬剤の散布技術も周知であり、記載されている。例えば、アントラキノンの使用を記載しているHermann(米国特許第3,941,887号)、フルトラニルの使用を記載しているWilson(米国出願公開2007/0178127 A1号)、アントラニル酸エステル及びフェニル酢酸エステルの使用を記載しているKare(米国特許第2,967,128号)及びMason(米国特許第4,790,990号)、シンナミドの使用を記載しているCrocker及びPerry(1990、同上)、カフェイン及びカフェイン+安息香酸塩の使用をそれぞれ記載しているSchaferら(1983、同上)及びWernerら(2005、Caffeine Formulation for Avian Repellency. J Wildlife Management、71:1676〜1681)、並びにアントラニル酸エステル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、o-アミノアセトフェノン、2-アミノ-4,5-ジメチルアセトフェノン、ベラトリルアミン、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸、又はシンナミドのいずれかの使用を記載しているPreiser(米国特許第5,549,902号)を参照されたい。それぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。これらの忌避剤の製剤の多くは市販もされている。製剤としては、これらに限定されるものではないが、9,10-アントラキノン(Avipel(登録商標)、Flight Control Plus(登録商標)、AV-1011、AV-2022、AV-4044、Arkion Life Sciences製、ニューカッスル、デラウェア州)、フルトラニル(GWN-4770及びGWN-4771、Gowan Company、ユマ、アリゾナ州より販売)、アントラニル酸メチル(Bird Shield(登録商標)、Bird Shield repellent Corp、スポーケン、ワシントン州より販売)、メチオカルブ(MESUROL(登録商標)、Gowan Company、ユマ、アリゾナ州より販売)、カフェイン(Flavine North America, Inc.、クロスター、ニュージャージー州)、並びにクロルピリホス+γシハロトリン(Cobalt、Dow AgroSciences、インディアナポリス、インディアナ州より販売)がある。
【0013】
上述のとおり、本開示の適切な視覚的合図薬剤は、前述の散布される忌避処理剤と十分に類似したスペクトル特性を示すことができ、目的の鳥は、視覚的合図薬剤と鳥忌避薬剤又は鳥忌避薬剤を含む第1の処理剤製剤とを視覚的に区別しない。例えば、実例として、それらに限定されるものではないが、既知の鳥忌避剤である、アントラキノン、フルトラニル、アントラニル酸エステル、メチオカルブ、カフェイン、及びクロルピリホス+γシハロトリンは全て、UV-A(320〜400nm)及び/又はUV-B(280〜320nm)の吸収を示す。したがって、適切な視覚的合図薬剤は、これらの波長の又はこれらの波長に十分近い紫外線吸収を示すべきである。さまざまな視覚的合図薬剤が本明細書での使用に適し、目的の鳥忌避薬剤(又は、忌避薬剤が加えられた第1の処理剤の製剤)、及び候補となるUV吸収化合物又はUV吸収薬剤のUV吸収スペクトルを測定し、鳥忌避薬剤又は第1の処理剤と実質的に同じUV吸収スペクトル又は色を有するUV吸収薬剤である、視覚的合図薬剤を選択することによって、同定することができる。他の鳥忌避薬剤及び視覚的合図薬剤のUV吸収スペクトルは、従来の分光分析技術を用いて容易に測定することができる。一般的に、視覚的合図薬剤はそれ自体が忌避剤として効果的であり得るが、単独で使用する場合、視覚的合図薬剤は、条件付けされていない(unconditioned)鳥の統計的に有意なレベルでの忌避又は誘引を示さない。本明細書で使用される好ましい視覚的合図薬剤としては、これらに限定されるものではないが、酸化チタン(IV)(TiO2)、トリシロキサン、シロキサン、UV-B吸収剤、UV-A吸収剤、CaCO3、MgCO3、カーボンブラック、ZnO、又はそれらの組み合わせがある。
【0014】
使用される鳥忌避薬剤の量は、最初の散布と次の散布とでは異なる。最初の散布(並びに視覚的合図薬剤非存在下での任意の次の散布)では、忌避薬剤の量は、処理される標的(すなわち、食品又は土地)から効率的に鳥を忌避するように選択される。したがって、本明細書では、「効果的な量」とは、未処理の対照(忌避されていない標的)と比較して、処理された標的から有意に鳥を忌避する量であると定義される。実際の効果的な量は、選択された特定の忌避薬剤、その製剤、有害鳥、標的、及び環境因子によって異なり、ルーチン的な防除実験によって容易に測定することができる。適切な量及び製剤は上述の従来技術に記載され、忌避剤の製造業者及び供給業者によっても提供される。例として、それらに限定されるものではないが、最初の散布において、アントラキノン(Avipel(登録商標)、Flight Control Plus(登録商標)、AV-1011、又はAV-2022)の特定量は、大部分の鳥に対して約100ppm、約200ppm、約300ppm、約400ppm、約500ppm、約600ppm、約700ppm、約800ppm、約900ppm、約1000ppm、約1100ppm、約1200ppm、約1300ppm、約1400ppm、約1500ppm、約1600ppm、約1700ppm、約1800ppm、約1900ppm、約2000ppm、約2100ppm、約2200ppm、約2300ppm、約2400ppm、約2500ppm、約2600ppm、約2700ppm、約2800ppm、約2900ppm、約3000ppm、約3100ppm、約3200ppm、約3300ppm、約3400ppm、約3500ppm、約3600ppm、約3700ppm、約3800ppm、約3900ppm若しくは約4000ppm又はこれら未満の有効成分(a.i.)とすることができる。これらの量を使用して、範囲、例えば約1000ppmから約2000ppmを定義することもできる。例えば、アントラキノンの特定量は、ヒバリなどの一部の鳥に対して、約600ppmのa.i.とすることができる。
【0015】
フルトラニルの特定量は、約500ppm、約1000ppm、約3000ppm、約6000ppm、約9000ppm、約12000ppm、約15000ppm、約18000ppm、約20000ppm、約25000ppm、約30000ppm、約35000ppm、約40000ppm、約45000ppm、若しくは約50000ppm又はこれら未満とすることができる。これらの量を使用して、範囲、例えば約10000ppmから約40000ppmを定義することもできる。例えば、GWN-4770の特定量は約35000ppmとすることができ、GWN-4771の特定量は約15,000ppmとすることができる。
【0016】
アントラニル酸エステル(Bird Shield(登録商標))の特定量は、約1000ppm、約5000ppm、約10000ppm、約20000ppm、約30000ppm、約40000ppm、約50000ppm、約60000ppm、約70000ppm、約80000ppm、約90000ppm、若しくは約100,000ppm又はこれら未満とすることができる。これらの量を使用して、範囲、例えば約10000ppmから約80000ppmを定義することもできる。
【0017】
メチオカルブ(Mesurol(登録商標))の特定量は、約1ppm、約2ppm、約3ppm、約4ppm、約5ppm、約6ppm、約7ppm、約8ppm、約9ppm、約10ppm、約15ppm、約20ppm、約25ppm、約30ppm、約325ppm、約40ppm、約45ppm、若しくは約50ppm又はこれら未満とすることができる。これらの量を使用して、範囲、例えば約2ppmから約10ppmを定義することもできる。例えば、メチオカルブ(Mesurol(登録商標))、例えばMesurol(登録商標)75-Wの特定量は、ハゴロモガラスに対して約1,250ppm、又はヒバリに対して約30ppm、又はコマドリ、ホシムクドリ、オオクロムクモリモドキ、フィンチ、及びレンジャクに対して約15ppmとすることができる。
【0018】
カフェイン(例えば、1:1のカフェイン+安息香酸ナトリウム)の特定量は、約100ppm、約250ppm、約500ppm、約750ppm、約1000ppm、約1500ppm、約2000ppm、約2500ppm、約3000ppm、約3500ppm、約4000ppm、約4500ppm、若しくは約5,000ppm又はこれら未満とすることができる。これらの量を使用して、範囲、例えば約250ppmから約3500ppmを定義することもできる。
【0019】
クロルピリホス+γシハロトリン(Cobalt)の特定量は、約50ppm、約100ppm、約250ppm、約500ppm、約750ppm、約1000ppm、約1500ppm、約2000ppm、約2500ppm、約3000ppm、約3500ppm、約4000ppm、約4500ppm、若しくは約5,000ppm又はこれら未満とすることができる。これらの量を使用して、範囲、例えば約50ppmから約2500ppmを定義することもできる。
【0020】
最初の忌避剤の散布と同時に視覚的合図薬剤を散布してよいが、現時点ではこの散布は少しも利点がなく、次の散布まで省略してよいことも理解されたい。
【0021】
鳥忌避薬剤が視覚的合図薬剤と共に散布される一部の散布において、本明細書にわたって論じられるように、その鳥忌避薬剤の量は有意に減らすことができる。これらの散布は、鳥忌避剤単独での最初の散布の後にすることができる。1回以上の次の散布における鳥忌避薬剤の量は、最初の散布量又は効果的な抑止量の、約90%、約85%、約80%、約75%、約70%、約65%、約60%、約55%、約50%、約45%、約40%、約40%、約35%、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、約2%、又は約1%未満とすることができる。これらの量を使用して、範囲、例えば約1%〜約50%を定義することもできる。一部の散布において、忌避薬剤の適切な量は、最初の散布に使用した量の約2%から約60%の間、又は最初の散布に使用した量の約10%から約60%の間、又は最初の散布に使用した量の約25%から約60%の間、又は、最初の散布に使用した量の約40%から約60%の間としてよい。忌避薬剤の量は、大幅に、例えば、最初の散布に使用した量の、約10%未満、又は4%から9%の間、又は4%から7%の間に減らすことができる。
【0022】
視覚的合図薬剤の量は、特定の視覚薬剤、その製剤、その粒子径、及び標的によって異なり得る。例として、それらに限定されるものではないが、視覚薬剤、例えば酸化チタン(IV)の量は、約50ppm、約100ppm、約150ppm、約200ppm、約250ppm、約500ppm、約1000ppm、約1500ppm、約2000ppm、約2500ppm、約3000ppm、約3500ppm、約4000ppm、約4500ppm、約5000ppm、約6000ppm、約7000ppm、約8000ppm、約9000ppm、約10000ppm、約20000ppm、約30000ppm、約40000ppm、約50000ppm、約60000ppm、約70000ppm、約80000ppm、約90000ppm、及び約100000ppm以上の量で変化してよい。これらの量で、範囲、例えば約3500ppm〜5000ppm(例えば、Aeroxide(登録商標) P25、Evonik Goldschmidt Corp.、ホープウェル、バージニア州、又はカタログ番号232033、Aldrich、セントルイス、ミズーリ州から入手可能)、又は4000ppm〜7000ppm (例えば、カタログ番号808、Merck & Co.、ホワイトホースステーション、ニュージャージー州から入手可能、又はHombikat UV 100、Sachtleben、デュースブルク、ドイツから入手可能、又はカタログ番号89490、Aldrich、セントルイス、ミズーリ州から入手可能、又はカタログ番号T315-500、Fisher Scientific、ピッツバーグ、ペンシルベニア州から入手可能)を定義することもできる。
【0023】
トリシロキサンの特定量は、約50ppm、約100ppm、約250ppm、約500ppm、約750ppm、約1000ppm、約1500ppm、又は約2000ppm以上とすることができる。これらの量を使用して、範囲、例えば約50ppmから約2000ppmを定義することもできる。シロキサンの特定量は、約500ppm、約750ppm、約1000ppm、約1500ppm、約2000ppm、約3000ppm、約4000ppm、約5000ppm、約6000ppm、又は約7000ppm以上とすることができる。これらの量を使用して、範囲、例え約3500ppmから約5000ppmを定義することもできる。
【0024】
視覚的合図薬剤の粒子径は、忌避性の増強に影響を与えることができる。具体的には、非常に小さな粒子径、具体的には、約1nm〜約100nmの範囲内の粒子径を有する視覚的合図化合物の反射特性又は吸収特性が、鳥に対する視覚模倣体として効果的であり得る。驚くべきことに、粒子径が約100nmを超えて増加すると、相乗作用は増強される。具体的には、鳥はシグナルを判別し、このシグナルを食料源と関連付けるようにしようとしていると思われる。100nm未満〜10nmの範囲のナノ粒子は、相乗効果を示す。ナノメートルサイズより大きい粒子(例えば、100nm〜最大50μm)の使用により、予想外のより有意な相乗効果が示される。
【0025】
1つの実施形態において、視覚的合図、例えばTiO2の粒子径は、約1nm、約5nm、約10nm、約20nm、約30nm、約40nm、約50nm、約60nm、約70nm、約80nm、約90nm、約100nm、約110nm、約120nm、約130nm、約140nm、約150nm、約160nm、約170nm、約180nm、約190nm、約200nm、約210nm、約220nm、約230nm、約240nm、約250nm、約260nm、約270nm、約280nm、約290nm、約300nm、約310nm、約320nm、約330nm、約340nm、約350nm、約360nm、約370nm、約380nm、約390nm、約400nm、約410nm、約420nm、約430nm、約440nm、約450nm、約460nm、約470nm、約480nm、約490nm、約500nm、約510nm、約520nm、約530nm、約540nm、約550nm、約560nm、約570nm、約580nm、約590nm、約600nm、約700nm、約800nm、約900nm、又は約1000nmとすることができる。別の実施形態において、視覚的合図、例えばTiO2の粒子径は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、約50μm、約55μm、約60μm、約65μm、約70μm、約75μm、約80μm、約85μm、約90μm、約95μm、約100μm、約200μm、約300μm、約400、又は約500μmとすることができる。これらの値は、約1nm〜約50nm、約250nm〜約500nm、又は約1nm〜約500μmなどの範囲と定義することもできる。1つの実施形態において、視覚的合図の粒子径は、約100nm、約200nm、約300nm、約400nm、又は約500nmより大きい。
【0026】
当技術分野で知られているように、鳥忌避薬剤、視覚的合図薬剤、又はその両方は、適切な不活性担体と共に配合することができる。鳥忌避薬剤及び視覚的合図薬剤の製剤は、特定の標的及び散布方法によって異なり得る。例えば、薬剤は、溶液、エマルジョン、乳化濃縮物、懸濁濃縮物、水和剤、粉末、顆粒、付着性の粉末又は顆粒、及びエアロゾルとして配合してよい。具体的には、担体は、農学的に許容可能であり、かつ構造物、圃場又は農作物、種子、実生、果樹園、ブドウ園、家畜の餌、肥料、農薬、動物若しくは昆虫の餌、及びそれらの組み合わせへの散布に適し得る。特定の担体は、液相担体又は固相担体とすることができる。特定の担体としては、これらに限定されるものではないが、水、水性界面活性剤混合物、アルコール、エーテル、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、グリコール、ケトン、エステル、油(天然又は合成)、粘土、カオリナイト、シリカ、セルロース、ゴム、タルク、バーミキュライト、及び合成ポリマーがある。鳥忌避薬剤及び視覚的合図薬剤は、単一の組成物に配合することができ、又は異なる組成物に配合して別々に散布することもできる。忌避薬剤及び/又は視覚的合図薬剤は、他の農学的に有益な薬剤と共に混合剤中に配合することもできる。他の農学的に有益な薬剤としては、これらに限定されるものではないが、紫外線安定剤、抗酸化剤、餌、アジュバント、除草剤、肥料、並びに殺虫剤及び殺菌剤を含む農薬がある。
【0027】
1つの実施形態において、本開示は、鳥が害をもたらすどの場所からでも鳥を忌避するために、又は、さらに重要なことには、特に農産物に対して経済損害を防ぐため若しくは最小限にするために、使用することができる。忌避薬剤及び視覚的合図薬剤は、鳥を忌避すべきである任意の標的位置又は空間的位置に散布することができる。特定の標的としては、これらに限定されるものではないが、1つ以上の、構造物、圃場又は農作物、種子、実生、果樹園、ブドウ園、家畜の餌、肥料、農薬、動物若しくは昆虫の餌、及びそれらの組み合わせがある。農作物としては、これらに限定されるものではないが、1つ以上の、トウモロコシ、果実、穀物、牧草、マメ科植物、レタス、キビ、エンバク、イネ、条植作物、ソルガム、ヒマワリ、木の実、芝生、野菜、及びコムギがある。
【0028】
忌避薬剤及び視覚的合図薬剤を用いた標的の次の処理は、一般的に、最初の散布後の任意の時点で使用者の希望通りに適用される。例えば、1つの実施形態において、次の処理は、最初の適用の有効性が減少したとき又は有意に減少したとき、或いは鳥による損害がひどくなることが予想される期間に、適用することができる。実際には次の処理は、一般的に第1の処理から少なくとも1週間後(同じ生育期間中)に適用される。
【0029】
本開示の方法及び組成物は、農業でルーチン的に使用されて植物材料表面に化合物を付着させるアジュバントのような、1種以上のアジュバントを含むこともできる。1種以上のアジュバントを含むことにより、着色剤及び顔料のUV吸収を効果的に増強することもできる。このような増強は、粒子を覆うことが可能な十分な深さのアジュバント層中に、UV吸収材料の粒子を入れることによって達成することができる。例えば、ポリマーアジュバントの液滴により下図のようなマトリックスがもたらされると、葉の上の平らな面に残った色素又は着色剤と比較して、UV吸収を改善することができる。
【0030】
マトリックスにおける、UV吸収及び最終的な忌避性に影響を与える別の可変部は、製剤の調製と関連する。1つの実施形態において、視覚的合図スラリー、例えばTiO2スラリー、及び/又はAQスラリーを形成することが可能であり、その後それらを共に混合することができる。不溶性結晶を別々に製造又は調製すると、凝集を減らす添加及び/又は分離ステップが可能になり得る。凝集は、AQ、及びTiO2などの視覚的合図の両方によく見られる状態である。凝集体は、破砕することが特に難しく、取り除いて、特定の粒子径の成分を維持するべきである。
【0031】
本開示を、その例示的実施形態を参照しながら具体的に示しかつ記載してきたが、添付の特許請求の範囲に含まれる本発明の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において種々の変更をそこに行ってもよいことは当業者によって理解されるであろう。
【0032】
下記実施例は、本発明をさらに例示することのみを意図し、特許請求の範囲によって定義される発明の範囲を限定することを意図しない。
【0033】
[実施例]
[実施例1]
一般的な方法
コロラド州、フォートコリンズにある国立野生動物研究センター(NWRC:National Wildlife Research Center)の野外動物研究施設で給餌実験を実施した。生きたまま捕獲された121羽のハゴロモガラス(RWBL:red-winged blackbird)を得て、全ての実験の要素はNWRC動物実験委員会(Animal Care and Use Committee)(NWRC Study Protocol QA-1968;S.J.Werner-Study Director)によって承認された。
【0034】
ハゴロモガラスは実験の少なくとも2週間前から、金網が側面に付けられた建築物内にある4.9m×2.4m×2.4mのケージ中で飼育した。隔離及び拘束の間は、全ての鳥に対して、砂及び維持食を自由に利用できるようにした。維持食には、2部のキビ、1部の砕いたトウモロコシ、1分のミロ、1部のベニバナが含まれていた。ハゴロモガラス給餌実験は、金網が側面に付けられた建築物内にある視覚的に隔てられた個別のケージ(0.9m×1.8m×0.9m)中で実施された。実験期間にわたって、水を全ての鳥に対して自由に与えた。
【0035】
アントラキノン系鳥忌避剤(50%のAQ水性製剤)、二酸化チタン(粉末としての平均粒子径は28nm)、及び赤色給餌合図(赤色40号、FC&Cアルミニウムレーキ分散体)を給餌実験に使用した。Genesys 2, 336002分光光度計(Thermo Spectronic、ロチェスター、ニューヨーク州、米国)を使用して、AQ忌避剤及び二酸化チタン給餌合図の両方がUV波長(280〜350nm)付近の光を吸収することを測定した。全ての実験用のための種子用処理剤は、回転混合器及び家庭用スプレー器具を使用して、搾油用ヒマワリ種子全体に水性懸濁液(60mL/kg)を散布することによって配合した。
【0036】
ベースライン嗜好性給餌実験を実施し、未処理のヒマワリ種子とUV給餌合図で処理されたヒマワリ種子に対するハゴロモガラスの消費量を評価し、次の給餌実験のために、計算上好ましいUV給餌合図の濃度を特定した。
【0037】
ヒマワリの1日の消費量を、嗜好性実験中にわたって計測した(テストの1〜4日目)。それぞれの餌入れに残った消費されていないヒマワリ種子及びこぼれたものを収集し、毎日秤量した。ヒマワリ種子の重量変化(例えば、乾燥)を、嗜好性実験中にわたって空のケージに入れられた種子を秤量することによって、毎日計測した。
【0038】
11羽のハゴロモガラス(実験歴がない(experimentally naive))を、ベースライン嗜好性実験に無作為に割り付けた。全てのハゴロモガラスは、個別のケージ中での5日間の順化の間に、2つの餌入れに入れられた未処理のヒマワリ種子を自由に与えられた。続いて、それぞれのハゴロモガラスは、1つに餌入れに入れられた未処理のヒマワリ及びもう1つの餌入れに入れられた0.2(wt/wt)%の二酸化チタン給餌合図で処理したヒマワリを、4日間のテスト中にわたって毎日AM8:00(0800 h)に与えられた。餌入れの北と南の配置を、1日目に無作為化し、試験の翌日入れ替えた。
【0039】
ベースライン嗜好性実験の従属計測値は、処理及び未処理のヒマワリ種子の平均テスト消費量であった。処理剤の効果は、混合モデル(SAS v9.1)を使用して分析した。記述統計を使用して、嗜好性実験中にわたる、処理及び未処理の種子の消費量をまとめた。
【0040】
未処理のヒマワリの平均消費量と比較して、ハゴロモガラスは、0.2%の二酸化チタンUV給餌合図で処理されたヒマワリを有意に好まなかった(F1,10=2.15、P=0.1732)。4日間の実験期間中、ハゴロモガラスは平均で3.3±0.4gの処理ヒマワリを消費し、平均で2.5±0.3gの未処理ヒマワリを消費した。UV給餌合図は、それ自体が鳥に対して嫌悪なものではなかった。
【0041】
AQ+TiO2給餌合図の濃度応答をテストした。この実験は、捕獲中のハゴロモガラスに対して、AQ+0.2%TiO2で処理されたヒマワリ種子の濃度応答関係が確立されるように計画されていた。実験は、TiO2給餌合図と組み合わせたAQ系忌避剤の濃度変化によって低下した場合に、ハゴロモガラス給餌忌避性に対して必要とされるAQの閾値濃度が確立されるようにも計画されていた。この最適化されたAQの濃度は、Wernerら(2009)により行われ、表1の2列目に示すハゴロモガラスに対して以前に確立されたAQの閾値濃度より低くなることが予想された。ヒマワリの1日の消費量を、前述のように実験の前処理期間及びテスト期間にわたって計測した。AQ忌避剤を使用した分野で実証されているように、捕獲給餌試験の間の80%を超える忌避率は、効果的に忌避するための作用可能なレベルである。Wernerら(2009)及び(2011)を参照されたい。
【0042】
材料及び方法
55羽のハゴロモガラス(実験歴がない)は、個別のケージ中での5日間の順化の間に、1つの餌入れに入れられた未処理のヒマワリ種子を自由に与えられた。続いて、それぞれのハゴロモガラスに、1つの餌入れに入れられた未処理のヒマワリ種子30gが、1日目、2日目、及び3日目のそれぞれの研究期間に与えられた。ハゴロモガラスを前処理での平均消費量に基づいてランク付けし、それぞれの群に高い1日消費量を示す鳥から低い1日消費量を示す鳥までが同様に存在するように、6つの処理群のうちの1つに割り付けた(1群当たりn=9〜10羽)。
【0043】
前処理の後で、処理剤を群間で無作為に割り付けた(AQの標的濃度:0.02wt/wt%、0.035wt/wt%、0.05wt/wt%、0.1wt/wt%、0.25wt/wt%、及び0.5wt/wt%)。これらのそれぞれの種子用処理剤は、0.2%のTiO2給餌合図も含んでいた。1つの餌入れに入れられた30gの処理されたヒマワリ種子を、4日目の研究日に全ての鳥へ与え、食べられなかった種子及びこぼれた種子の総重量(±0.1g)を、5日目の研究日のAM8:00に測定した。
【0044】
この実験の結果を表1の3列目に示す。AQ+TiO2給餌合図の濃度変化に伴って、正の濃度応答関係が観察された。80%の忌避率に対して予想されるAQ濃度は1737ppmのAQであり、AQ及びTiO2の混合物での結果は1481であり、鳥を忌避するのに必要なAQ量の低下によって15%の改善が計測されたという事実に反映されるように、相乗効果が観察された。
【0045】
実験は、より大きい粒子径のTiO2を使用して繰り返した。種子の調製に使用されるTiO2の種類を除き、同じ材料及び方法を再現した。ナノ粒子TiO2(平均粒子径28nm)の代わりに、顔料級TiO2(平均粒子径385nm、DuPont RPS Vantagte)を使用した。使用したTiO2(385nm)の量は、ナノ粒子TiO2(28nm)と同じであった。鳥テストを、同じ方法で実施した。
【0046】
この実験の結果を表1の4列目に示す。より大きい粒子径のTiO2を使用すると、相乗効果は増強されることが観察された。AQのみの場合、80%の忌避率には、1737ppmのAQが必要とされた。AQ+ナノ粒子TiO2の場合、80%の忌避率には、1481ppm(15%の改善)が必要とされた。AQ+顔料級TiO2の場合、80%の忌避率には、1049ppmから1247ppm(28%〜40%の改善)の間のみが必要とされた。相乗的利点が両方の視覚的合図に観察され、粒子径がより大きい視覚的合図により有意に観察された。
【0047】
【表1】
【0048】
上記のように、かつ一般的に知られているように、TiO2は任意の規格濃度では忌避剤にはならない。TiO2は、弱い鳥誘引剤となり得る。米国仮出願第62/021,393号、147〜184行目を参照されたい。TiO2が既知の鳥忌避剤、例えばAQと混合される場合のみ、忌避効果があり得る。忌避効果は、さらに次のパラメータ:顔料及びTiO2源(例えば、ルチル、アナターゼ)の、マトリックス効果、粒子径、屈折率に影響されることが考えられる。
【0049】
[実施例2]
TiO2粒子特性を研究し、粒子径が忌避性の増強にどのような影響を与えるかを測定した。鳥が検出できる範囲のUV光を屈折させるには、光の波長範囲の約1/2の粒子径が必要とされる。例えば、400μmの範囲の光を屈折させるには、平均径が約0.2nm(例えば、200μm)の粒子が必要とされる。認識及び最終的な忌避性は、着色剤又は顔料をプラスチックマトリックスへ添加することほど、単純ではない可能性があるため、これらのTiO2粒子の反射特性又は吸収特性も、鳥に対して重要であり得る。むしろ、鳥は視覚的により詳細に判別し、視覚信号を食料源に関連付けることができる。このことを考慮して、種々の粒子特性をテストし、忌避性に対するその効果を評価した。
【0050】
さまざまな組成の視覚的合図増強鳥忌避剤が与えられたハゴロモガラスの間で、給餌忌避性をテストした。鳥忌避剤は、0.0325%のアントラキノン(Avipel(登録商標)、Arkion Life Sciences、ニューカッスル、デラウェア州)であった。視覚的合図は、顔料級二酸化チタン、例えば、約100nm、200nm、又は300nmを超えるサイズを有する粒子であった。
【0051】
ルチルTiO2及びアナターゼTiO2は、視覚的合図としてテストした。両方とも、300nmを超える平均粒子径を有していた。上述のように、制限給餌実験をハゴロモガラスで実施し、1:1〜2.5:1の比のTiO2とアントラキノンで比較評価した。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
ルチルTiO2場合2.5:1の比で、アナターゼTiO2の場合1.9:1の比で、最も高い給餌忌避性がそれぞれ生じることが観察された。別の制限給餌実験を実験歴がないハゴロモガラスで実施した。2.5部のルチルTiO2及び1部のアントラキノンが、35.3%の忌避率を示すことが観察された。1.9部のアナターゼTiO2及び1部のアントラキノンが、1.5%の給餌忌避率を示すことも観察された。最も高い相対的忌避効果が、2.5部のルチルTiO2及び1部のアントラキノンで観察された。
【0054】
1つの実施形態において、視覚的合図の鳥忌避剤に対する比は、約0.1:1、0.2:1、0.3:1、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、2:1:1、2.2:1、2.3:1、2.4:1、2.5:1、2.6:1、2.7:1、2.8:1、2.9:1、3.0:1、3.1:1、3.2:1、3.3:1、3.4:1、3.5:1、3.6:1、3.7:1、3.8:1、3.9:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1. 9:1又は約10:1とすることができる。これらの値は、約1.5:1〜約3.0:1などの範囲と定義することもできる。
【0055】
1つの実施形態において、視覚的合図薬剤は顔料級ルチルとすることができる。顔料級ルチル材料は、固有の結晶構造、均一な粒子径、及び高い屈折率を有する。優れたUV吸収により、鳥の能力を改善し、模倣体(例えば、TiO2)と組み合わせたUV吸収鳥忌避剤の存在を識別させることができる。結果より、UV吸収鳥忌避剤と組み合わせた平均粒子径が385nmの顔料級ルチルTiO2の使用には明らかな忌避性の利点があることが示される。
【0056】
[実施例3]
製剤中にアジュバントを含むことの効果をテストした。さまざまな組成の視覚的合図増強鳥忌避剤が与えられたハゴロモガラスの間で、給餌忌避性をテストした。鳥忌避剤は、0.0325%のアントラキノン(Avipel(登録商標)、Arkion Life Sciences、ニューカッスル、デラウェア州)であった。組成物は、ポリマーアジュバント(ポリエチレングリコール)を含む又は含まない2.5部のルチルTiO2及び1部のアントラキノンで配合されていた。結果を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】
最も高い相対的忌避性が、ポリマーアジュバントを含む、2.5部のルチルTiO2及び1部のアントラキノン(Avipel(登録商標))で観察された。1つの実施形態において、組成物は、約10wt%、約15wt%、約20wt%、約25wt%、約30wt%、約35wt%、約40wt%、約45wt%、約50wt%、約55wt%、約60wt%、約65wt%、約70wt%、約75wt%、約80wt%、約85wt%、約90wt%、又は約95wt%のポリマーアジュバントを含むことができる。これらのポリマーアジュバントの値は、約50wt%〜約80wt%のポリマーアジュバントなどの範囲と定義することもできる。
【0059】
[実施例4]
製剤中の顔料などの他の視覚的合図の効果をテストした。さまざまな組成の視覚的合図増強鳥忌避剤が与えられたハゴロモガラスの間で、給餌忌避性をテストした。鳥忌避剤は、0.0325%のアントラキノン(Avipel(登録商標)、Arkion Life Sciences、ニューカッスル、デラウェア州)であった。視覚的合図は、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、及びカーボンブラックであった。
【0060】
視覚的合図としての、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、及びカーボンブラックのそれぞれに対し、給餌実験を、1:1〜2.5:1の比のTiO2とアントラキノンで比較評価した。結果を表4に示す。
【0061】
【表4】
【0062】
最も高い給餌忌避性が、1:1(MgCO3)、2.2:1(ZnO)、1:1(CaCO3)、及び1.6:1(カーボンブラック)の比で観察された。最も高い相対的忌避性が、1.6部のカーボンブラック及び2部のアントラキノンで観察された。別の制限給餌実験を実験歴がないハゴロモガラスで実施した。相対的忌避性値が観察され、MgCO3では22.2%、ZnOでは26.0%、CaCO3では28.3%、カーボンブラックでは29.5%であった。
図1