特許第6641355号(P6641355)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641355
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】迅速分解する不織布バインダ
(51)【国際特許分類】
   D04H 1/587 20120101AFI20200127BHJP
   C08F 2/22 20060101ALI20200127BHJP
   A47K 7/00 20060101ALI20200127BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20200127BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20200127BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   D04H1/587
   C08F2/22
   A47K7/00 D
   A61K8/02
   A61K8/81
   A61Q19/10
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-508632(P2017-508632)
(86)(22)【出願日】2015年8月19日
(65)【公表番号】特表2017-533349(P2017-533349A)
(43)【公表日】2017年11月9日
(86)【国際出願番号】US2015045784
(87)【国際公開番号】WO2016028832
(87)【国際公開日】20160225
【審査請求日】2018年8月7日
(31)【優先権主張番号】62/039,697
(32)【優先日】2014年8月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】モーリン・ビー・ナン
(72)【発明者】
【氏名】キャサリン・スー・ライス
(72)【発明者】
【氏名】デブラ・エイ・クライン
(72)【発明者】
【氏名】イアン・エイ・トムリンソン
【審査官】 相田 元
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/154879(WO,A1)
【文献】 米国特許第05292842(US,A)
【文献】 特開平09−132853(JP,A)
【文献】 米国特許第06458230(US,B1)
【文献】 米国特許第04242408(US,A)
【文献】 特開2005−036189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/00−18/04
D06M 13/00−15/715
A47K 7/00
A61K 8/02
A61K 8/81
A61Q 19/10
C08F 2/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性媒体中で分散可能な不織布基材を形成するための方法であって、繊維質基材を、少なくとも10の多分散指数、1,000,000未満の重量平均分子量、及び8重量パーセント〜22重量パーセントの酸モノマーを有するエマルションポリマーを含む水性不織布バインダと接触させることを含み、
a)開始剤を使用して、水溶液中で少なくとも1種のモノ−エチレン系不飽和モノマー及び少なくとも1種の酸モノマーをエマルション重合するステップであって、前記開始剤は、前記水溶液中に前記モノマーの総重量を基準にして0.5重量パーセント〜1.5重量パーセントの範囲の量で存在して前記エマルションポリマーを形成する、ステップと、
b)前記エマルションポリマーを、トロメタミン、水酸化アルカリ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される中和剤で中和して、前記水性不織布バインダを形成するステップと、を含む方法によって調製される、方法。
【請求項2】
前記エマルションポリマーが、500,000未満の重量平均分子量及び12.5重量パーセント〜20重量パーセントの酸モノマーを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エマルションポリマーが、400,000未満の重量平均分子量及び14重量パーセント〜16重量パーセントの酸モノマーを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エマルションポリマーが、900,000未満の重量平均分子量及び8重量パーセント〜11重量パーセントの酸モノマーを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
不織布基材を前記水性不織布バインダと接触させて、接触された不織布基材を形成することと、
前記接触された不織布基材を120℃〜220℃の温度に加熱して、加熱され接触された不織布基材を形成することと、
前記接触され加熱された不織布基材を、5未満の最終pHを有する水性媒体中に浸漬して、水性媒体中で分散可能な不織布を得ることと、をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記エマルションポリマーが、エチルアクリレート、スチレン、アクリル酸、及びイタコン酸を含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記開始剤が、過硫酸アルカリ、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、アゾビスシアノバレリアン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記中和ステップが、80%〜100%中和されたポリマーをもたらす、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記エマルションポリマーが、ステップb)における中和前に、−20℃〜30℃の範囲のガラス転移温度を有する、請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
分散可能なワイプ製品であって、
a)繊維質基材と、
b)少なくとも10の多分散指数、1,000,000未満の重量平均分子量、及び8重量パーセント〜22重量パーセントの酸モノマーを有するエマルションポリマーを含む水性不織布バインダと、を含む、ワイプ製品であって、
前記水性不織布バインダが、以下のステップ、
a)開始剤を使用して、水溶液中で少なくとも1種のモノ−エチレン系不飽和モノマー及び少なくとも1種の酸モノマーをエマルション重合するステップであって、前記開始剤は、前記水溶液中に前記モノマーの総重量を基準にして0.5重量パーセント〜1.5重量パーセントの範囲の量で存在して前記エマルションポリマーを形成する、ステップと、
b)前記エマルションポリマーを、トロメタミン、水酸化アルカリ、
及びそれらの組み合わせからなる群から選択される中和剤で中和して、前記水性不織布バインダを形成するステップと、を含む方法によって調製される、分散可能なワイプ製品
【請求項11】
請求項10に記載の分散可能なワイプ製品で調製されたベビーワイプ。
【請求項12】
請求項10に記載の分散可能なワイプ製品で調製されたパーソナルケアワイプ。
【請求項13】
請求項10に記載の分散可能なワイプ製品で調製されたクリーニングワイプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年8月20日に出願された米国特許仮出願第62/039,697号の利益を主張し、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、分散可能な不織布基材組成物及びそれから製造される分散可能な不織布基材を形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、廃水処理業界は、設備を詰まらせて困難を引き起こし廃水処理施設での停止時間をもたらす湿式ワイプなどの使い捨て製品に焦点を当てている。したがって、使用中に適切な引張り強度を有するが、水に容易に分散可能なワイプが望ましい。
【0004】
トイレ水洗後の水への分散性を高めるために種々のバインダが開発されている。例としては、ワイプに使用される液体/ローションと水の間のpH差を利用し、分散性を提供するバインダが挙げられる。このようにして、使用されている間ワイプは無傷で、一旦排水システムに置かれると分解される。例えば、イオン感受性バインダを使用することができる。これらのバインダは溶媒ベースであり、塩の使用が必要となる傾向がある。しかし、それらは硬水など特定の環境下で分散できないことがある。他のバインダは、商業的に出荷が困難な場合があり、現場で配合されなければならない。さらに、業界標準化に対応するためには、新しい技術が必要である。
【0005】
したがって、許容される分散性も維持しつつ、改善された強度を有する経済的な分散可能な不織布基材組成物、及び容易に出荷可能なエマルションポリマーバインダが望ましくあるだろう。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、水性媒体中で分散可能な不織布基材を形成するための方法を提供する。本発明はまた、本方法によって形成された分散可能な不織布基材から製造されたベビーワイプ、パーソナルケアワイプ、クリーニングワイプ、またはpH5もしくは6未満のローションを有する任意の湿式不織布を提供する。
【0007】
一実施形態では、本発明は、少なくとも10の多分散指数、1,000,000未満の重量平均分子量、及びエマルションポリマーの重量を基準にして8重量パーセント〜22重量パーセントの酸モノマーを有するエマルションポリマーを含む水性不織布バインダと繊維質基材を接触させること、を含むか、またはそれからなるか、またはそれから本質的になる、水性媒体中で分散可能な不織布基材を形成するための方法を提供する。
【0008】
本発明の別の代替実施形態では、上記方法が提供され、水性不織布バインダが以下のステップを含む方法によって調製される。a)開始剤を使用し水溶液中で、少なくとも1種のモノ−エチレン系不飽和モノマー及び少なくとも1種の酸モノマーをエマルション重合するステップであって、開始剤は、水溶液中に前記モノマーの総重量を基準にして0.5重量パーセント〜1.5重量パーセントの範囲の量で存在して前記エマルションポリマーを形成する、ステップと、ならびに、b)エマルションポリマーを、4〜7のpKbを有するアミン、水酸化アルカリ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される中和剤で中和し、水性不織布バインダを形成するステップ。
【0009】
あるいは、本発明は、前述の実施形態のうちのいずれかの方法によって形成される分散可能な不織布基材を提供する。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、前述の実施形態のいずれかに従う、ベビーワイプ、パーソナルケアワイプ、クリーニングワイプ、またはpHが6未満のローションを含有する任意の湿式不織布などの分散可能なワイプを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、水性媒体中で分散可能な不織布基材の形成するための方法、及び本方法によって形成された分散可能な不織布基材から作られたベビーワイプ、パーソナルケアワイプ、もしくはクリーニングワイプ、またはローションがpH5もしくは6未満である任意の湿式不織布などのワイプを提供する。
【0012】
本発明の水性媒体中で分散可能な不織布基材を形成するための方法において、本明細書における「水性」とは、連続相が水であるか、あるいは主に水を含むが、水混和性溶媒、殺生物剤、軟化剤、緩衝剤、キレート剤、及び界面活性剤、ならびに他の成分も任意に含む混合物である組成を意味する。本明細書において「分散可能な」とは、適切な条件下で、不織布基材が、より小さい部分、繊維の凝集体、個々の繊維、及びそれらの混合物の少なくとも1つに分解できることを意味する。
【0013】
本明細書において「不織布」とは、典型的には、織っていないまたは編んでいない材料で形成されたシートまたはウェブの繊維の織物様アセンブリを意味する。不織布基材は紙、不織布繊維、フェルト及びマット、または繊維の他のアセンブリを含む。不織布基材は、木綿、レーヨン、木材パルプなどのセルロース繊維;ポリエステル、ガラス、ナイロンなどの合成繊維;2成分繊維;及びそれらの混合物を含むことができる。一実施形態では、不織布基材は、水素結合に関与できる繊維の大部分を有する。代替的実施形態では、不織布基材は、セルロース繊維の大部分を含む。不織布基材は、例えば、ウェットレイド、エアレイド、スパンボンド、スパンメルト、及び水流交絡ウェブ形成などの、当該技術分野において既知の方法によって形成することができる。繊維は、典型的には、それらの長さ及び組成が、処理される不織布基材の最終的な分散性に不利ではないように選択される。
【0014】
水性媒体中で分散可能な不織布基材を形成するための方法は、少なくとも10の多分散指数、1,000,000未満の重量平均分子量、及びエマルションポリマーの重量を基準にして8重量パーセント〜22重量パーセントの酸モノマーを有するエマルションポリマーを含む水性不織布バインダと繊維質基材を接触させること、を含むか、またはそれからなるか、またはそれから本質的になる。
【0015】
水性不織布バインダは、エマルションポリマーを含み、これはすなわち、水性乳化重合プロセスにおけるエチレン系不飽和モノマーのフリーラジカル重合によって調製されたポリマーである。エマルションポリマーは、共重合単位として、エマルションポリマーの重量を基準にして8〜22重量パーセントの酸モノマーを含む。8〜22重量パーセントの範囲は全て本明細書に含まれ、本明細書に開示され、例えば、酸モノマーの重量パーセントは、8、12.5、または14の下限から11、16、20、または22の上限までであり得る。
【0016】
本エマルションポリマーは、少なくとも10の多分散指数を有する。10以上のいずれか及び全ての範囲が本明細書に含まれ本明細書に開示されており、例えば、エマルションポリマーは、15、20、30、40、または50の多分散指数を有することができる。
【0017】
エマルションポリマーはまた、1,000,000未満の重量平均分子量を有する。1,000,000未満のあらゆる範囲が本明細書に含まれ、本明細書に開示されており、例えば、エマルションポリマーは、900,000未満、500,000未満、または400,000未満の重量平均分子量を有することができる。
【0018】
各種実施形態では、酸性モノマー重量パーセントの特定の範囲は、所望の粘度を得て中和後に少なくとも20重量パーセントの固形分を有するバインダ材料を製造するために、特定の重量平均分子量範囲と組み合わされる。一般的に商業出荷には、少なくとも20重量パーセントの固形分を有する組成物が必要である。一実施形態では、エマルションポリマーは、500,000未満の重量平均分子量及び12.5重量パーセント〜20重量パーセントの酸モノマーを有する。別の実施形態において、エマルションポリマーは、400,000未満の重量平均分子量及び14重量パーセント〜16重量パーセントの酸モノマーを有する。さらに別の実施形態において、エマルションポリマーは、900,000未満の重量平均分子量及び8重量パーセント〜11重量パーセントの酸モノマーを有する。
【0019】
酸モノマーは、一塩基酸モノマー及び二塩基酸モノマーを含むことができる。一塩基酸モノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノブチルなどのカルボン酸モノマーを含む。二塩基酸の実施例には、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸;それらの無水物、塩、及び混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
エマルションポリマーはまた、少なくとも1種の他の共重合したエチレン性不飽和モノマー、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ウレイド官能性(メタ)アクリレート、及びアセトアセテート、アセトアミドまたは(メタ)アクリル酸のシアノアセテートを含む(メタ)アクリル酸エステルモノマー;スチレンまたは置換スチレン;ビニルトルエン;ブタジエン;酢酸ビニル、またはビニルエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのビニルモノマー類;及び(メタ)アクリロニトリル;をさらに含む。本開示を通して使用される用語「(メタ)」に続く(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリルアミドのような別の用語の使用は、それぞれアクリレート及びメタクリレート、またはアクリルアミド及びメタクリルアミドの両方を指す。少なくとも1つの他の共重合エチレン系不飽和モノマーは、エマルションポリマーが所要の範囲内のTgを有するように選択される。一実施形態では、エマルションポリマーは、エチルアクリレート、スチレン、アクリル酸、及びイタコン酸を含む。
【0021】
異なる組成を有するエマルションポリマーの混合物も考えられる。2種以上のエマルションポリマーの混合物については、その中のエマルションポリマーの数または個々の組成に関わらず、エマルションポリマーの全組成から酸モノマー含有量及びTgを決定しなければならない。
【0022】
各種実施形態では、水性不織布バインダは、以下のステップを含む方法によって調製することができる。a)開始剤を使用し水溶液中で、少なくとも1種のモノ−エチレン系不飽和モノマー及び少なくとも1種の酸モノマーをエマルション重合するステップであって、開始剤は、水溶液中にモノマーの総重量を基準にして0.5重量パーセント〜1.5重量パーセントの範囲の量で存在してエマルションポリマーを形成する、ステップと、ならびに、b)エマルションポリマーを、4〜7のpKbを有するアミン、水酸化アルカリ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される中和剤で中和し、水性不織布バインダを形成するステップ。
【0023】
エマルションポリマーを調製するために使用されるエマルション重合技術は、例えば、米国特許第4,325,856号、同第4,654,397号、及び同第4,814,373号に開示されており、当該技術分野において周知である。各種実施形態では、エマルション重合は開始プロセス(例えば、熱または酸化還元)に依存して、室温100℃までの反応温度で行われる。例えば、アルカリ金属またはアンモニウムアルキルサルフェート、アルキルスルホン酸、脂肪酸、共重合可能な界面活性剤、及びオキシエチル化アルキルフェノールなどのアニオン性及び/または非イオン性乳化剤のような、従来の界面活性剤を使用することができる。アニオン性乳化剤が好ましい。使用される界面活性剤の量は、全モノマーの重量を基準にして、通常0.1重量%〜6重量%である。熱または酸化還元開始プロセスのいずれかを使用してもよい。従来のフリーラジカル開始剤、例えば、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、アンモニウム及び/または過硫酸アルカリ、ならびにアゾビスシアノバレリアン酸のような水溶性アゾ化合物、典型的には全モノマーの重量を基準にして0.01重量%〜3.0重量%のレベルで使用してもよい。一実施形態では、開始剤は、全モノマーの重量を基準にして0.5重量%〜1.5重量%の範囲で存在する。例えば、スルホキシル酸ナトリウムホルムアルデヒド、ヒドロ亜硫酸ナトリウム、イソアスコルビン酸、ヒドロキシルアミンサルフェート、及び亜硫酸水素ナトリウムのような適切な還元剤と結合した同一の開始剤を使用する酸化還元プロセスは、任意に金属イオン、例えば鉄及び銅と組み合わせて、任意に金属のための錯化剤をさらに含んで、同様のレベルで使用することができる。メルカプタンのような連鎖移動剤を使用して、ポリマーの分子量を低下させることができる。モノマー混合物は、そのまままたは水中のエマルションとして追加してもよい。モノマー混合物は、一回の添加もしくは複数回の添加または全反応期間にわたって、単一または様々な組成物を用いて連続的に追加してもよい。例えば、フリーラジカル開始剤、酸化剤、還元剤、連鎖移動剤、中和剤、界面活性剤、及び分散剤などの追加の成分は、いずれかの段階の前、最中または後に追加してもよい。各種実施形態では、エマルションポリマーは、多段階エマルション重合プロセスによって調製することができ、組成が異なる少なくとも2つの段階で逐次的に重合される。最終ポリマーの分子量は上記の分子量範囲内にある。
【0024】
本発明の実施形態では、エマルションポリマーは、4〜7のpKbを有するアミン、水酸化アルカリ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される中和剤で中和する。中和剤として使用することができるアルカリ水酸化物の例としては、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムが挙げられるが、これらに限定されない。pKbが4〜7であるアミンの例としては、トロメタミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。種々の実施形態において、中和剤は0〜100重量%のアミンを含有することができる。0〜100重量%間のあらゆる範囲が本明細書に含まれ本明細書に開示されており、例えば、中和剤は、40、50、60、または75重量%のアミンを含有することができる。種々の実施形態において、中和剤は0〜100重量%の水酸化アルカリを含有することができる。0〜100重量%間のあらゆる範囲が本明細書に含まれ、本明細書に開示されており、例えば、中和剤は、40、50、60、または75重量%の水酸化アルカリを含有することができる。
【0025】
中和前、エマルションポリマーの計算されたガラス転移温度(「Tg」)は、一般に−20℃〜30℃である。本明細書のポリマーのTgは、フォックス式(T.G.Fox,Bull.Am.Physics Soc.,Volume 1,Issue No.3,p.123(1956))を用いて計算したものである。例えば、モノマーM1及びモノマーM2のコポリマーのTgを計算するための式は以下である。
1/Tg(calc.)=w(M1)/Tg(M1)+w(M2)/Tg(M2)
式中、
Tg(calc.)はコポリマーについて計算されたガラス転移温度であり、
w(M1)はコポリマー中のモノマーM1の重量分率であり、
w(M2)はコポリマー中のモノマーM2の重量分率であり、
Tg(M1)はM1のホモポリマーのガラス転移温度であり、
Tg(M2)はM2のホモポリマーのガラス転移温度であり、
全ての温度は°Kである。
【0026】
ホモポリマーのガラス転移温度は、例えば、J.Brandrup及びE.H.Immergut編集、Interscience Publishersの「Polymer Handbook」に見出すことができる。いずれにしても、次のポリ酸についてのフォックス式の計算では、以下のホモポリマーTgを使用する。ポリ(メタクリル酸)Tg=185℃、ポリ(アクリル酸)Tg=106℃、ポリ(イタコン酸)Tg=154℃、ポリ(無水マレイン酸)Tg=154℃。
【0027】
エマルションポリマー粒子の平均粒子直径は、ニューヨーク州ホルツビル、Brookhaven Instrument Corp.によって供給されるBrookhaven Model BI−90 Particle Sizerによって測定すると、典型的には30ナノメートル〜500ナノメートル、好ましくは200ナノメートル〜400ナノメートルである。
【0028】
水性不織布バインダは、エマルションポリマーに加えて、例えば乳化剤、顔料、充填剤または増量剤、抗マイグレーション助剤、硬化剤、合体剤、界面活性剤、殺生物剤、可塑剤、オルガノシラン、消泡剤、腐食防止剤、着色剤、ワックス、他のポリマー、及び抗酸化剤などの従来の処理組成物が含まれてもよい。
【0029】
本発明の水性媒体中で分散可能な不織布基材を形成するための方法では、不織布基材が水性不織布バインダと接触させられる。典型的には、不織布バインダと接触された不織布基材の比は、乾燥重量基準で含浸量%としても知られているパーセンテージとして表され、1%〜25%、好ましくは1%〜10%であり、不織布基材の強度及び所望の最終用途に依存して選択される。不織布基材は、例えばエアスプレーまたはエアレススプレー、パッド、含浸、ロールコーティング、カーテンコーティング、グラビア印刷などの従来の塗布技術を用いて水性不織布バインダと接触させられる。不織布基材は、その位置もしくはその付近もしくは両方の表面に、または構造全体に均一もしくは不均一にバインダを提供するために、水性不織布バインダと接触させてもよい。また、水性不織布バインダは、パターン化分布が所望される場合に、一方または両方の表面に不均一な様式で適用されてもよいと考えられる。
【0030】
本発明の水性媒体中で分散可能な不織布基材を形成するための方法では、水性不織布バインダと接触された不織布基材は、許容可能なレベルの乾燥を達成するのに十分な時間、120℃〜220℃、好ましくは140℃〜180℃の温度に加熱される。一実施形態では、組成物は、組成物を実質的に乾燥させるのに十分な温度かつ時間加熱するが、組成物を実質的に硬化させない。
【0031】
本発明の水性媒体中で分散可能な不織布基材を形成するための方法は、接触され加熱された不織布基材は、様々な実施形態において最終pH<5、最終pHが3.0〜4.99の水性媒体中に浸漬され、水性媒体中で分散可能な不織布を提供するために、様々な他の実施形態において3.0未満の最終pHを有する。本明細書における「最終pH」とは、接触され加熱された不織布が浸漬される水性媒体のpH(20℃で測定)を意味する。選択された不織布及び水性媒体及びその量で最終pH<5が達成されない場合、pHは、浸漬ステップの前、最中、または後、例えばクエン酸のような酸性物質の添加によって、所望の範囲に調整される。水性媒体の必要なpHは、加熱され処理された不織布に対する有益レベルの湿潤強度に寄与すると考えられ、加熱され処理された不織布を貯蔵することができる、例えばワイプ溶液及びローションなどの特定の組成物に適したpHでもある。典型的には、水性媒体の重量は、接触され加熱された不織布基材の重量の0.1〜10倍、好ましくは0.5〜5倍である。
【0032】
本発明の水性媒体中で分散可能な不織布を提供する方法では、本発明の分散可能な不織布を、>6.5のpH、好ましくは>6.5の最終pH、好ましくは6.8〜10.0の最終pHで過剰の水性媒体に浸漬する。本明細書では、「過剰の水性媒体」とは、水性媒体の重量が接触され加熱された不織布の重量よりも大きいことを意味する。加熱され処理された不織布の湿潤強度は、指定されたpH(20℃で測定)で十分に低減され、より小さい部分、繊維の凝集体、個々の繊維、及びそれらの混合物の少なくとも1つに分解することを容易にする。例えば、処理された不織布がpH>6.5の過剰の水中に沈着し、便器洗浄動作のようなせん断力を受けた場合などには、適用可能な任意の機械的力はもちろん、この分散性プロセスを助けるであろう。
【0033】
本発明の実施形態は、ベビーワイプ、パーソナルケアワイプ、及びクリーニングワイプなどの様々なワイプを製造するために使用することができる。約5または6未満のpHを有する他のワイプも、本発明の実施形態を使用して製造することができる。
【実施例】
【0034】
使用する略称
AA=アクリル酸
EA=エチルアクリレート
IA=イタコン酸
MMA=メチルメタクリレート
Sty=スチレン
【0035】
ポリマー合成
撹拌機、コンデンサ、温度モニタ、加熱マントル、及び窒素導入口を備えた5000mlの丸底フラスコに、1850グラムの脱イオン水を添加し、続いて85℃に加熱した。モノマープレミックスを、800グラムの脱イオン水、26.7グラムのDisponil FES 993(ポリグリコールエーテル硫酸ナトリウム塩)、8.0gのイタコン酸、16.0グラムのスチレン、1424グラムのアクリル酸エチル、及び152グラムの氷アクリル酸から調製した。84℃の反応器水で、過硫酸アンモニウム(APS)7.2グラムを51グラムの水に添加した。プレミックス供給は12.1g/分で開始した。20分後、供給速度を24.3g/分に増加させた。同時に、200グラムの脱イオン水内に溶解された2.4グラムの過硫酸アンモニウムの供給を1.85g/分で開始した。供給が完了した後、バッチを40分かけて約75℃までゆっくりと冷却した。目的の温度で、0.15%硫酸第一鉄七水和物水溶液7グラムを添加した。50グラムの脱イオン水中の2.7グラムのtBHP(t−ブチルヒドロペルオキシドの70%水性ゾル)、及び50グラムの脱イオン水中の1.9グラムのBruggolite FF6(Bruggaman Chemicals)の両方を1時間にわたって供給した。バッチを室温に冷却し、濾過した。続いて水酸化ナトリウムで材料を中和して〜25%の固体を得た。本ポリマーを実施例1とする。他の実施例及び比較実施例は、同じプロセスを使用するが、可変量のモノマー、APS、及び反応温度(約90℃まで)で調製した。
【0036】
次に、ワットマン4紙を種々のバインダでコーティングし、Pure n’Gentleワイプから抽出し、〜4のpHを有するローションを得るように3%クエン酸でpHを調整して得たローション中、ならびに〜7から8のpHを有する水道水中で引張り強度を試験した。結果を以下の表1及び2に示す。全てのポリマーをモル基準で100%中和した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
表1及び2から分かるように、アンモニアは、4〜7のpKb範囲に入るにもかかわらず、その揮発性のため中和剤として使用することができない。
【0040】
種々の中和剤で中和された異なるポリマーを粘度について試験した。結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
表3から分かるように、20重量%の酸を含むポリマーは非常に高い粘度を有していた。
【0043】
15重量%の酸及び種々の分子量を有するポリマー溶液を粘度について試験した。各ポリマーは、84重量%のEA、1重量%のSty、14.5重量%のAA、及び0.5重量%のIAを含有していた。全てのポリマーを40当量%トロメタミン及び60当量%水酸化ナトリウムで中和した。種々の温度で種々の量のAPSを用いてポリマーを調製した。固体の量は、中和後の結合剤溶液中の固形分の重量パーセントを反映する。結果を以下の表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
15%酸ポリマーをコーティングしたワットマン4紙の引張り強度を種々のpHで測定した。コーティングしたワットマン4紙をストリップ切断し(1インチ×4インチ)、異なるpHを有する溶液に30分間浸漬した。次いで、ストリップを吸い取って乾燥させ、強度について試験した。ポリマーは、84重量%のEA、1重量%のSty、14.5重量%のAA及び0.5重量%のIAを含有し、100%水酸化ナトリウムで中和された。結果を以下の表5に示す。
【0046】
【表5】
【0047】
表5から分かるように、引張り強度は、pHが約7に達するまでpHが上昇するにつれて徐々に低下した。
【0048】
500ガロンの反応器中で、84重量%のEA、1重量%のSty、14.5重量%のAA、及び0.5重量%のIAを有するポリマーを種々の分子量の固形物及び種々の量の固形物と共に含有するバインダを製造した。各バインダを100%水酸化ナトリウムで中和した。バインダの粘度は、Brookfield Spindle 3を用いて60rpmで試験した。結果を以下の表6〜7に示す。
【0049】
【表6】
【0050】
【表7】
【0051】
以下の表8は、表9、10、11、及び12の粘度試験に使用されるポリマーの特性を示す。表8の全固体値は、中和前のポリマーに関するものである。表9は、表8の選択された試料の重量平均分子量及び数平均分子量を示す。
【0052】
【表8】
【0053】
【表9】
【0054】
表10〜13の全てのバインダをトリエタノールアミンで100%中和した。粘度はBrookfield #4 spindleを用いて測定した。「エラー」表示は、配合物の粘度が、特定のrpmでの測定機器の能力を超えていることを意味する。このスピンドルで測定できる最大粘度は、20rpmで10,000cps、50rpmで4000cps、及び100rpmで2000cpsである。
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】
【表12】
【0058】
【表13】
【0059】
表10〜13から分かるように、所望の粘度を達成するため、15〜20重量%の固体ポリマーを含有する配合物については、酸レベルを低くしなければならない。
【0060】
試験方法
試験方法としては、以下が挙げられる。
【0061】
粘度
粘度は、Brookfield DV−I及びViscometerを用いて、特定のrpmを設定したBrookfield Spindleを用い室温で測定した。
【0062】
分子量
分子量はサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)を使用して測定した。SECはラテックスサンプルを約2mg/mLの濃度でTHF/FA(100:5容量/容量)に入れ、SECサンプルを調製した。調製した混合物を機械式振とう器で周囲温度にて一晩振とうし、次いでさらに3日間置いた。混合物をSEC分析の前に0.45μmのPTFEフィルターで濾過した。SEC分離は、HPLCポンプシステム及び示差屈折計を室温で操作し液体クロマトグラフィ装置で行った。SEC分離は、1mL/分の流速でTHF/FA(100:5容量/容量)で行い、架橋PS−DVBゲル(粒径10μm)を充填したShodex KF−806Lカラム(300×8mm ID)とShodex KF−800D(100×8mm IDからなる2つのSECカラムセットを用いて測定した。試料の注入量は、SEC分離について100μLであった。少なくともSEC分離の良好な再現性を確認するために、各試料の重複注入を行った。商業的に入手可能なポリスチレンの限られた標準物質を使用して、サンプル分子量計算のための検量線を生成した。
【0063】
引張り強度
引張り強度は、9つの1インチ×4インチのストリップCDを、3%クエン酸を使用してpHを5未満に維持した50gのローション、110ppmの重炭酸ナトリウムでpH=7に調整した水道水中に別々に浸し、30分後測定した。引張り強度を測定するために、Thwing Albert EJA引張り試験機を使用した。以下の設定を行った:標点距離長さ2インチ、試験速度12インチ/分、破断スロープ拡張機能90%、アーム荷重0.02kg。
【0064】
本発明は、その趣旨及び本質的な特性から逸脱することなく他の形態で実施することができ、したがって、本発明の範囲を示すものとして、前述の明細書ではなく添付の特許請求の範囲を参照すべきである。本願は以下の発明に関するものである。
(1)水性媒体中で分散可能な不織布基材を形成するための方法であって、繊維質基材を、少なくとも10の多分散指数、1,000,000未満の重量平均分子量、及び8重量パーセント〜22重量パーセントの酸モノマーを有するエマルションポリマーを含む水性不織布バインダと接触させることを含む、方法。
(2)前記エマルションポリマーが、500,000未満の重量平均分子量及び12.5重量パーセント〜20重量パーセントの酸モノマーを有する、前記(1)に記載の方法。
(3)前記エマルションポリマーが、400,000未満の重量平均分子量及び14重量パーセント〜16重量パーセントの酸モノマーを有する、前記(1)に記載の方法。
(4)前記エマルションポリマーが、900,000未満の重量平均分子量及び8重量パーセント〜11重量パーセントの酸モノマーを有する、前記(1)に記載の方法。
(5)前記水性不織布バインダが、
a)開始剤を使用して、水溶液中で少なくとも1種のモノ−エチレン系不飽和モノマー及び少なくとも1種の酸モノマーをエマルション重合するステップであって、前記開始剤は、前記水溶液中に前記モノマーの総重量を基準にして0.5重量パーセント〜1.5重量パーセントの範囲の量で存在して前記エマルションポリマーを形成する、ステップと、
b)前記エマルションポリマーを、4〜7のpKbを有するアミン、水酸化アルカリ、
及びそれらの組み合わせからなる群から選択される中和剤で中和して、前記水性不織布バインダを形成するステップと、を含む方法によって調製される、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)不織布基材を前記水性不織布バインダと接触させて、接触された不織布基材を形成することと、
前記接触された不織布基材を120℃〜220℃の温度に加熱して、加熱され接触された不織布基材を形成することと、
前記接触され加熱された不織布基材を、5未満の最終pHを有する水性媒体中に浸漬して、水性媒体中で分散可能な不織布を得ることと、をさらに含む、前記(5)に記載の方法。
(7)前記エマルションポリマーが、エチルアクリレート、スチレン、アクリル酸、及びイタコン酸を含む、前記(5)に記載の方法。
(8)前記開始剤が、過硫酸アルカリ、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、アゾビスシアノバレリアン酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、前記(5)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)前記中和ステップが、80%〜100%中和されたポリマーをもたらす、前記(5)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)前記エマルションポリマーが、ステップb)における中和前に、−20℃〜30℃の範囲のガラス転移温度を有する、前記(5)〜(9)のいずれかに記載の方法。
(11)分散可能なワイプ製品であって、
a)繊維質基材と、
b)少なくとも10の多分散指数、1,000,000未満の重量平均分子量、及び8重量パーセント〜22重量パーセントの酸モノマーを有するエマルションポリマーを含む水性不織布バインダと、を含む、ワイプ製品。
(12)前記水性不織布バインダが、以下のステップ、
a)開始剤を使用して、水溶液中で少なくとも1種のモノ−エチレン系不飽和モノマー及び少なくとも1種の酸モノマーをエマルション重合するステップであって、前記開始剤は、前記水溶液中に前記モノマーの総重量を基準にして0.5重量パーセント〜1.5重量パーセントの範囲の量で存在して前記エマルションポリマーを形成する、ステップと、
b)前記エマルションポリマーを、4〜7のpKbを有するアミン、水酸化アルカリ、
及びそれらの組み合わせからなる群から選択される中和剤で中和して、前記水性不織布バインダを形成するステップと、を含む方法によって調製される、前記(11)に記載の分散可能なワイプ製品。
(13)前記(11)に記載の分散可能なワイプ製品で調製されたベビーワイプ。
(14)前記(11)に記載の分散可能なワイプ製品で調製されたパーソナルケアワイプ。
(15)前記(11)に記載の分散可能なワイプ製品で調製されたクリーニングワイプ。