(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記エア検出路に設けた圧力スイッチと圧縮空気源との間には比較的に長い配管が設けられている。このため、上記の従来技術では、上記の検出用開閉弁の弁体が開弁状態から閉弁状態へ切換えられたときに、エア検出路の上流側の圧力が所定の圧力を上回るには数秒の時間が必要な場合がある。即ち、ピストンの位置検出に時間がかかってしまう。
本発明の目的は、ピストン等の位置を速やかに検出するシリンダ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、第1の発明は、例えば、
図1および
図2に示すように、シリンダ装置を次のように構成した。
ハウジング1にピストン10が挿入される。前記ピストン10にガイド孔17が下方へ開口するように形成される。前記ガイド孔17に収容される保持ロッド18が、前記ハウジング1の下壁4aから上方へ突設される。前記保持ロッド18に上下方向に形成されたロッド孔19の下寄り部に、電気式または電子式のスイッチ20が固定される。前記ピストン10の位置を検出する検出ロッド21が、前記ロッド孔19の上寄り部に昇降可能に挿入される。前記保持ロッド18に複数の支持孔22,22が周方向に所定間隔をあけて半径方向に向けて形成される。前記支持孔22,22に第1係合ボール30および第2係合ボール40が移動可能に挿入される。前記第1係合ボール30に当接される第1カム面32が、上方へ向かうにつれて前記検出ロッド21の軸心から遠ざかるように当該検出ロッド21の外周部に形成される。前記第1係合ボール30に当接される第1押部35が、上方へ向かうにつれて前記軸心に近づくように前記ガイド孔17に形成される。前記第2係合ボール40に当接される第2カム面42が、上方へ向かうにつれて前記軸心に近づくように当該検出ロッド21の外周部に形成される。前記第2係合ボール40に当接される第2押部45が、上方へ向かうにつれて前記軸心から遠ざかるように前記ガイド孔17に形成される。前記検出ロッド21の動きを前記スイッチ20によって電気的または電子的に検出することで前記ピストン10の位置を検出する。
【0006】
第1の発明は、次の作用効果を奏する。
前記のピストンが下降位置から上昇位置まで上昇することにより、そのピストンの第2押部が第2係合ボールと第2カム面とを介して検出ロッドを下降させる。すると、その検出ロッドが電気式または電子式のスイッチを速やかに操作する。
また、前記のピストンが上昇位置から下降位置まで下降することにより、第1押部が第1係合ボールと第1カム面とを介して検出ロッドを上昇させる。すると、その検出ロッドが電気式または電子式のスイッチを操作することを速やかに止める。
スイッチは、電気式または電子式なので瞬時に応答する。そのため、ピストンが下降位置にあること、および上昇位置にあることが、スイッチによって速やかに検出される。
【0007】
第1の発明に対して、下記(1)及び/又は下記(2)の構成を加えることが好ましい。
(1)例えば、
図3および
図4に示すように、上方へ付勢されるようにロッド孔19に上下方向に移動可能で保密状に挿入された被操作部材20bをスイッチ20が有する。
この構成によると、被操作部材がロッド孔に保密状に挿入されていることで検出ロッドの動作が安定する。
【0008】
(2)例えば、
図5に示すように、ピストン10は、ピストン本体10aと、当該ピストン本体10aから下方へ突出したガイド筒10bとを有する。ハウジング1の筒孔4bの内周面と、ガイド筒10bの外周面との間に封止部材47が装着されている。
この構成によると、検出ロッドをより小さな力で動作させることができる。
【0009】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明は、例えば、
図6Aおよび
図6Bに示すように、シリンダ装置を次のように構成した。
ハウジング1にピストン10が挿入される。前記ピストン10にガイド孔17が下方へ開口するように形成される。前記ガイド孔17に収容される保持ロッド18が、前記ハウジング1の下壁4aから上方へ突設される。前記保持ロッド18に上下方向に形成されたロッド孔19の下寄り部に、電気式または電子式のスイッチ20が固定される。そのスイッチ20が有する被操作部材20bが、上方へ付勢されるように前記ロッド孔19に上下方向に移動可能に挿入される。前記ピストン10の位置を検出する検出ロッド21が、前記ロッド孔19の上寄り部に昇降可能に挿入される。そのロッド孔19の上部に装着されるバネ60が、前記被操作部材20bを上方へ付勢する力に抗するように前記検出ロッド21を下方に付勢する。前記保持ロッド18に支持孔22が半径方向に向けて形成される。前記支持孔22に係合ボール30が移動可能に挿入される。前記係合ボール30に当接されるカム面32が、上方へ向かうにつれて前記検出ロッド21の軸心から遠ざかるように当該検出ロッド21の外周部に形成される。前記係合ボール30に当接される押部35が、上方へ向かうにつれて前記軸心に近づくように前記ガイド孔17に形成される。前記検出ロッド21の動きを前記スイッチ20によって電気的または電子的に検出することで前記ピストン10の位置を検出する。
【0010】
第2の発明は、次の作用効果を奏する。
上記のピストンが下降位置から上昇位置まで上昇すると、ピストンのガイド孔と保持ロッドの外周面との間に隙間が形成されることにより、係合ボールが半径方向の外方へ移動可能となる。すると、検出ロッドの上部に装着されたバネが当該検出ロッドのカム面を介して係合ボールを半径方向の外方へ押出し、検出ロッドが下降される。これにより、前記バネが、スイッチの被操作部材を上方へ付勢する力に抗して検出ロッドを下降させる。すると、その検出ロッドが電気式または電子式のスイッチを速やかに操作する。
また、前記のピストンが上昇位置から下降位置まで下降することにより、そのピストンの押部が係合ボールとカム面とを介して検出ロッドを前記バネに抗して上昇させる。すると、被操作部材は、前記の上方へ付勢する力によって上昇される。これにより、検出ロッドが、電気式または電子式のスイッチを操作することを速やかに止める。
また、検出ロッドが下降位置に移動されたときに、想定外の外力が上向きに作用する等の原因によって検出ロッドが押し上げられた場合には、検出ロッドの上部に装着されたバネが、当該検出ロッドを上方から受け止める。これにより、検出ロッドがスイッチを誤操作することが防止される。その結果、スイッチは、ピストンが所定の上昇位置にあることを確実かつ速やかに検出できる。
【0011】
第2の発明に対して、下記の構成を加えることが好ましい。
例えば、
図7Aおよび
図7Bに示すように、上方へ付勢されるようにロッド孔19に上下方向に移動可能で被操作部材20bが保密状に挿入される。
この構成によると、被操作部材がロッド孔に保密状に挿入されていることで検出ロッドの動作が安定する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、ピストン等の位置を速やかに検出するシリンダ装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
図1および
図2は、本発明の第1実施形態を示している。
この実施形態では、位置検出機能付きシリンダ装置をリンク式クランプに適用した場合を例示してある。
固定台としてのテーブルTにハウジング1が取り付けられる。そのハウジング1は、上側ハウジング2と、その上側ハウジング2にボルト3によって固定される下側ハウジン4とを有する。上側ハウジング2の上部に上壁2aが形成されると共に、下側ハウジング4の下部に下壁4aが形成される。
【0015】
上記の上側ハウジング2の内部に形成されたシリンダ孔5に、ピストン10が昇降可能で保密状に挿入される。そのピストン10は、ピストン本体10aと、そのピストン本体10aから下方へ突出されたガイド筒10bとを備える。そのガイド筒10bは、下ハウジング4の筒孔4bに挿入される。前記のピストン本体10aの上側にリリース室11が形成されると共に、ピストン本体10aの下側にロック室12が形成される。上記の上壁2aに形成される第1給排ポートP1が、第1給排路13を介してリリース室11に連通される。また、上壁2aに形成される第2給排ポートP2が、第2給排路14を介してロック室12に連通される。
【0016】
上記のピストン10のガイド筒10bの内周にガイド孔17が形成され、そのガイド孔17が下方へ向かって開口される。そのガイド孔17に収容される保持ロッド18が、前記ハウジング1の下壁4aから上方へ突設される。その保持ロッド18にロッド孔19が上下方向に形成され、そのロッド孔19の下部に、電気式または電子式のリミットスイッチ(スイッチ)20のケーシング20aが装着される。
【0017】
リミットスイッチ20のケーシング20aから被操作部材20bが上方へ突設される。その被操作部材20bは、ロッド孔19の下寄り部に上下移動可能に挿入される。上記ケーシング20aの内部に、被操作部材20bを上方へ付勢する力を発生させる手段としてのバネ(図示せず)が設けられる。被操作部材20bを上方へ付勢する上記手段は、例示したバネに代えて、ゴム等の弾性体であってもよく、さらには、圧油や圧縮空気などの圧力流体であってもよい。
【0018】
また、ロッド孔19の上寄り部に検出ロッド21が上下移動可能で封止部材23を介して保密状に挿入され、その検出ロッド21が、上記被操作部材20bの上部に当接可能である。
また、保持ロッド18の上部に複数の支持孔22,22が周方向に所定の間隔をあけて半径方向に形成され、その複数の支持孔22,22に第1係合ボール30および第2係合ボール40が、それぞれ、半径方向に移動可能に挿入される。
【0019】
上記の検出ロッド21の外周部には、第1カム溝31が上方へ向かうにつれて当該検出ロッド21の軸心から遠ざかるように形成され、その第1カム溝31の周壁に第1カム面32が形成される。その第1カム面32は第1係合ボール30に当接される。
また、上記のガイド孔17に第1ガイド溝33が上下方向に形成される。その第1ガイド溝33は、上下方向へストレートに形成された大径部34と、上方に向かうにつれて前記軸心に近づくように形成された第1押部35と、上下方向へストレートに形成された小径部36とを上方へ順に有する。大径部34と第1押部35と小径部36とは、上記の第1係合ボール30に当接される。
【0020】
また、上記の検出ロッド21の外周部には、第2カム溝41が上方へ向かうにつれて当該検出ロッド21の軸心に近づくように傾斜され、その第2カム溝41の周壁に第2カム面42が形成される。その第2カム面42は第2係合ボール40に当接される。
また、上記のガイド孔17に第2ガイド溝43が上下方向に形成される。その第2ガイド溝43は、上下方向へストレートに形成された小径部44と、上方に向かうにつれて前記軸心から遠ざかるように形成された第2押部45と、上下方向へストレートに形成された大径部46とを上方へ順に有する。小径部44と第2押部45と大径部46とは、上記の第2係合ボール40に当接される。
なお、この実施形態では、上記の第1カム面32と第2カム面42とが、ほぼ同じ高さ位置で対面するように形成されている。また、上記の第1押部35と第2押部45とが、ほぼ同じ高さ位置で対面するように形成されている。
【0021】
上記のピストン本体10aの上部から出力ロッド50が上方に突設され、その出力ロッド50が上側ハウジング2の上壁2aに上下方向に移動可能で保密状に挿入される。その出力ロッド50の上部にクランプアーム51の左端部が垂直面内で回転可能に連結される。前記の上壁2aの右上部から枢支部52が上方へ突設され、その枢支部52の上部にリンク部材53の基端部が回転可能に連結される。そのリンク部材53の先端部にクランプアーム51の長手方向の途中部が回転可能に連結される。
【0022】
上記のシリンダ装置は、
図1と
図2に示すように、次のように作動する。
図1のリリース状態では、ロック室12から、圧力流体としての圧油が排出されると共に、リリース室11に圧油が供給されている。リリース室11の圧油によって下降されたピストン10が、シリンダ孔5と筒孔4bとの間に形成された段差部5aに下方から受け止められている。
また、第1ガイド溝33の小径部36が第1係合ボール30を介して第1カム面32を上方へ押圧して、検出ロッド21を上昇位置へ移動させている。これにより、リミットスイッチ20の被操作部材20bは、ケーシング20a内のバネによって上限位置に移動され、そのリミットスイッチ20によってピストン10が下限位置にあることを検出する。
【0023】
上記シリンダ装置を
図1のリリース状態から
図2のロック状態にロック駆動するときには、上記リリース状態において、リリース室11から圧油が排出されると共に、ロック室12に圧油が供給される。すると、ロック室12の圧油が、ピストン10を上昇させていく。これと同時に、第2ガイド溝43の第2押部45が第2係合ボール40を介して検出ロッド21の第2カム面42を押し下げ、その検出ロッド21が下降されていく。これにより、その検出ロッド21がリミットスイッチ20の被操作部材20bをケーシング20a内のバネの付勢力に抗して押下げる。その結果、そのリミットスイッチ20によってピストン10が所定の上昇位置にあることを確実かつ速やかに検出できる。
【0024】
図2のロック状態から
図1のリリース状態にリリース駆動するときには、ロック状態において、ロック室12から圧油が排出されると共に、リリース室11に圧油が供給されていくと、まず、リリース室11の圧油によってピストン10が下降されていく。これと同時に、第1ガイド溝33の第1押部35が第1係合ボール30を半径方向の内方へ押圧し、その第1係合ボール30が第1カム面32を介して検出ロッド21を押し上げていく。これにより、
図1に示すように、ピストン10の下部が前記の段差部5aに受け止められると共に、リミットスイッチ20の被操作部材20bがケーシング20a内のバネ(図示せず)によって上限位置に上昇される。その結果、リミットスイッチ20によってピストン10が所定の下降位置にあることを確実かつ速やかに検出できる。
【0025】
本発明の第1実施形態では、次の作用効果を奏する。
上記のピストン10が下降位置から上昇位置まで上昇することにより、そのピストン10の第2押部45が第2係合ボール40と第2カム面42とを介して検出ロッド21を下降させる。すると、その検出ロッド21が、電気式または電子式のリミットスイッチ20を速やかに操作する。
また、前記のピストン10が上昇位置から下降位置まで下降することにより、そのピストン10の第1押部35が第1係合ボール30と第1カム面32とを介して検出ロッド21を上昇させる。すると、その検出ロッド21が、電気式または電子式のリミットスイッチ20を操作することを速やかに止める。
また、検出ロッド21が下降位置に移動されたときに、想定外の外力が上向きに作用する等の原因によって検出ロッド21に押し上げの力が作用した場合には、ピストン10の第2ガイド溝43の小径部44が第2係合ボール40と第2カム面42とを介して検出ロッド21を上方から受け止める。これにより、検出ロッド21がリミットスイッチ20を誤って操作することが防止される。その結果、リミットスイッチ20は、ピストン10が所定の上昇位置にあることを確実かつ速やかに検出できる。リミットスイッチ20は、電気式または電子式なので瞬時に応答する。そのため、ピストン10が所定の下降位置にあること、および所定の上昇位置にあることが、リミットスイッチ20によって速やかに検出される。
【0026】
(第1実施形態の第1変形例)
図3および
図4は、本発明の第1実施形態の第1変形例を示している。上記の第1実施形態の構成部材と同じ部材(または類似する部材)には原則として同一の参照数字を付けて第1変形例について説明する。
この第1変形例が上記の第1実施形態と異なる点は次の通りである。
【0027】
上記の第1実施形態では、ロッド孔19の上寄り部に検出ロッド21が封止部材23を介して保密状に挿入されるが、この第1変形例では、この封止部材23がない。すなわち、封止部材23を省略している。このようにすると、ロック室12に圧油が供給されたときには、そのロック室12の圧油が検出ロッド21を上方から押圧すると共に、下方から押圧する。その上方からの押圧力と下方からの押圧力とは、封止部材23がないことにより釣り合う。
【0028】
この第1変形例では、ロッド孔19の下部に、リミットスイッチ20のケーシング20aが封止部材18aを介して保密状に装着される。また、リミットスイッチ20のケーシング20aに、被操作部材20bが封止部材20cを介して保密状で上下方向へ移動可能に挿入される。封止部材18aおよび封止部材20cにより、被操作部材20bは、ロッド孔19内に保密状に配置される。このようにして、被操作部材20bは、上方へ付勢されるようにロッド孔19に上下方向に移動可能で保密状に挿入される。この構成によると、被操作部材20bが、ロッド孔19内に保密状に配置されることにより、ロック室12の圧油が検出ロッド21を上方から押圧する押圧力と、下方から押圧する押圧力との釣り合いがより保たれ易い。その結果、検出ロッド21の動作が安定する。
【0029】
なお、第1変形例のシリンダ装置の作動は、第1実施形態のシリンダ装置の作動と同じである。
【0030】
(第1実施形態の第2変形例)
図5は、本発明の第1実施形態の第2変形例を示している。上記の第1実施形態の構成部材と同じ部材(または類似する部材)には原則として同一の参照数字を付けて第2変形例について説明する。
この第2変形例が上記の第1実施形態と異なる点は次の通りである。
【0031】
下側ハウジング4の筒孔4bの内周面とガイド筒10bの外周面との間に封止部材47が装着される。
【0032】
この構成によると、ロック室12に供給される圧油は、下側ハウジング4の筒孔4bの内周面とガイド筒10bの外周面との間に形成された隙間に装着された封止部材47によってピストン10の筒孔10b内に流入しない。圧油がピストン10の筒孔10bに流入しないので、検出ロッド21は圧油の圧力を受けずに動作する。その結果、ピストン10が上下方向へ移動することにより、ピストン10が第1係合ボール30等を介して検出ロッド21をより小さな力で動作させることができる。
【0033】
なお、第2変形例のシリンダ装置の作動は、第1実施形態のシリンダ装置の作動と同じである。
【0034】
(第2実施形態)
図6Aおよび
図6Bは、本発明の第2実施形態を示している。この実施形態では、位置検出機能付きシリンダ装置を旋回式クランプに適用した場合を例示し、上記の第1実施形態の構成部材と同じ部材(または類似する部材)には原則として同一の参照数字を付けて説明する。
この第2実施形態が上記の第1実施形態と異なる点は次の通りである。
【0035】
上記の上側ハウジング2の内部に、シリンダ孔5と筒孔2bとが上方に順に形成される。そのシリンダ孔5と筒孔2bとの間に段差部5aが形成される。前記のシリンダ孔5にピストン10のピストン本体10aが昇降可能で保密状に挿入され、そのピストン本体10aから上方へ突出されたガイド筒10bが、前記の筒孔2bに挿入される。前記のピストン本体10aの下側にリリース室11が形成されると共に、ピストン本体10aの上側にロック室12が形成される。上記の上側ハウジング2の上壁2aに形成される第1給排ポートP1が、第1給排路13を介してリリース室11に連通される。また、上壁2aに形成される第2給排ポートP2が、第2給排路14を介してロック室12に連通される。
【0036】
前記の保持ロッド18のロッド孔19の上部にバネ受け58が止め輪59によって固定される。そのバネ受け58と検出ロッド21との間にバネ60が装着され、そのバネ付勢力によって検出ロッド21が下方へ付勢される。その検出ロッド21の外周部に、複数のカム溝31が周方向へ所定の間隔をあけて形成され、そのカム溝31の周壁にカム面32が形成される。保持ロッド18の周壁に横向きに形成された支持孔22に、係合ボール30が挿入される。
なお、前記バネ60の弾性力は、リミットスイッチ20の被操作部材20bを上方へ付勢するバネ(図示せず)の弾性力よりも大きく設定されている。
【0037】
上記のピストン10のガイド孔17は、上下方向へストレートに形成された大径部34と、上方へ向かうにつれて前記軸心に近づくように形成された押部35と、上下方向へストレートに形成された小径部36とを上方へ順に有する。
【0038】
上記シリンダ孔5の周壁に凹部62が形成され、その凹部62に案内ボール63が装着される。また、ピストン10のガイド筒10bの外周部に直線溝64が上下方向に形成されると共に、その直線溝64の下側に連続するように螺旋状の旋回溝65が形成される。その直線溝64および旋回溝65に前記の案内ボール63が挿入される。
【0039】
上記のガイド筒10bから上方へ突設された出力ロッド50が、ハウジング1の上壁2aに上下方向に移動可能で保密状に挿入される。その出力ロッド50の上部にクランプアーム67がナット68によって固定されている。
【0040】
上記のシリンダ装置は、
図6Aおよび
図6Bに示すように、次のように作動する。
図6Aのリリース状態では、ロック室12から圧油が排出されると共に、リリース室11に圧油が供給されている。リリース室11の圧油によって上昇されたピストン本体10aの上面が、前記段差部5aに受止められている。また、保持ロッド18のロッド孔19に装着されたバネ60が検出ロッド21のカム面32を介して係合ボール30を半径方向の外方へ押出し、検出ロッド21を下限位置へ移動させている。その結果、その検出ロッド21がリミットスイッチ20の被操作部材20bを下方へ押圧し、リミットスイッチ20によってピストン10が上限位置にあることを検出する。
【0041】
上記シリンダ装置を
図6Aのリリース状態から
図6Bのロック状態にロック駆動するときには、リリース状態において、リリース室11から圧油が排出されると共に、ロック室12に圧油が供給される。すると、まず、ピストン10が、旋回溝65に沿って平面視で時計回りの方向へ90°回転しながら下降され、次いで、直線溝64に沿って真っすぐに下降される。これと同時に、ピストン10の押部35が係合ボール30を介して検出ロッド21のカム面32を押し上げ、その検出ロッド21がバネ60の付勢力に抗して上昇されていく。すると、リミットスイッチ20の被操作部材20bがケーシング20a内のバネ(図示せず)の付勢力によって上昇される。これにより、
図6Bに示すように、クランプアーム67がワークWを上方から押圧すると共に、リミットスイッチ20の被操作部材20bが前記バネによって上昇される。その結果、リミットスイッチ20によってピストン10が所定の下降位置にあることが検出される。
【0042】
図6Bのロック状態から
図6Aのリリース状態にリリース駆動するときには、ロック状態において、ロック室12から圧油が排出されると共に、リリース室11に圧油が供給されていく。すると、まず、ピストン10が真っすぐに上昇され、次いで、そのピストン10が平面視で反時計回り方向へ90°回転しながら上昇されていく。すると、保持ロッド18の外周面とガイド孔17との間に隙間が形成され、係合ボール30が半径方向の外方へ移動可能となる。これと同時に、検出ロッド21の上部に装着されたバネ60が当該検出ロッド21のカム面32を介して係合ボール30を半径方向の外方へ押出すと共に、リリース室11の圧油力とバネ60の付勢力とが検出ロッド21を下降させる。これにより、
図6Aに示すように、ピストン本体10aの上面が前記の段差部5aに受け止められると共に、リミットスイッチ20の被操作部材20bがケーシング20a内のバネ(図示せず)に抗して下降される。その結果、リミットスイッチ20によってピストン10が上限位置にあることが検出される。
【0043】
本発明の第2実施形態では、次の作用効果を奏する。
上記のピストン10が下降位置から上昇位置まで上昇すると、保持ロッド18とガイド孔17との間に隙間が形成されることにより、係合ボール30が半径方向の外方へ移動可能となる。すると、検出ロッド21の上部に装着されたバネ60が当該検出ロッド21のカム面32を介して係合ボール30を半径方向の外方へ押出し、検出ロッド21が下降される。これにより、検出ロッド21の上部に装着されたバネ60が、リミットスイッチ20の被操作部材20bを上方へ付勢する力に抗して当該検出ロッド21を下降させる。すると、その検出ロッド21が電気式または電子式のリミットスイッチ20を速やかに操作する。
また、前記のピストン10が上昇位置から下降位置まで下降することにより、そのピストン10の押部35が係合ボール30とカム面32とを介して検出ロッド21を上昇させる。すると、その検出ロッド21が被操作部材20bを上方へ付勢するバネによって上昇され、電気式または電子式のリミットスイッチ20を操作することを速やかに止める。
また、検出ロッド21が下降位置に移動されたときに、想定外の外力が上向き作用する等の原因によって検出ロッド21が押し上げられた場合には、検出ロッド21の上部に装着されたバネ60が、当該検出ロッド21を上方から受け止める。これにより、検出ロッド21がリミットスイッチ20を誤操作することが防止される。その結果、リミットスイッチ20は、ピストン10が所定の上昇位置にあることを確実かつ速やかに検出できる。リミットスイッチ20は、電気式または電子式なので瞬時に応答する。そのため、ピストン10が所定の下降位置にあること、および所定の上昇位置にあることが、リミットスイッチ20によって速やかに検出される。
【0044】
(第2実施形態の変形例)
図7Aおよび
図7Bは、本発明の第2実施形態の変形例を示している。上記の第2実施形態の構成部材と同じ部材(または類似する部材)には原則として同一の参照数字を付けて第2変形例について説明する。
この変形例が上記の第2実施形態と異なる点は次の通りである。
【0045】
被操作部材20bの外周面と、保持ロッド18のロッド孔19の内周面との間に封止部材70が装着される。このようにして、上方へ付勢されるようにロッド孔19に上下方向に移動可能で被操作部材20bが保密状に挿入されている。この構成によると、被操作部材20bが、ロッド孔19内に保密状に配置されることにより、検出ロッド21の動作が安定する。
【0046】
上記の変形例を含む各実施形態は次のように変更可能である。
上記の圧力流体は、例示した圧油に代えて、他の液体または圧縮空気等の気体であってもよい。
上記のピストン10は、前記リリース室11および前記ロック室12に給排される圧油によって往復駆動される構成に代えて、前記ロック室12に装着したロックバネによってロック駆動されると共に前記リリース室11に給排される圧力流体によってリリース駆動される構成であってもよい。また、ピストン10は、前記リリース室11および前記ロック室12に給排される圧油によって往復駆動される構成に代えて、前記リリース室11に装着したリリースバネによってリリース駆動されると共に前記ロック室12に給排される圧力流体によってロック駆動される構成であってもよい。さらには、例示した油圧シリンダに代えて、空圧シリンダや電動アクチュエータであってもよい。
【0047】
図3および
図4に示す第1実施形態の第1変形例において、封止部材18aおよび封止部材20cを装着するのに代えて、
図7Aおよび
図7Bに示す第2実施形態の変形例のように、被操作部材20bの外周面と、保持ロッド18のロッド孔19の内周面との間に封止部材70を装着してもよい。
【0048】
図7Aおよび
図7Bに示す第2実施形態の変形例において、封止部材70を装着するのに代えて、
図3および
図4に示すように、封止部材18aおよび封止部材20cをリミットスイッチ20部分に装着してもよい。
【0049】
上記のスイッチは、例示した接触式のリミットスイッチ20に代えて、近接スイッチ等の非接触式のスイッチであってもよい。さらには、電気式のスイッチではなく、半導体素子などを用いた電子式のスイッチであってもよい。
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。