(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電池パックは、負極コレクタを挟んで支持体の両面に溝が形成され、前記単位セルが支持体の両面に対向配置されて装着された構造である、請求項1に記載の二次電池モジュール。
負極部と、正極部と、前記負極部と正極部との間に位置する固体電解質とを含む単位セルと、前記負極部をなし、内部に負極集電体が収容される負極下部ケースと、前記負極下部ケースと結合され、前面の開口部に固体電解質が接合された負極上部ケースとを含むコイン電池と、
前記コイン電池が少なくとも2つ以上装着され、各コイン電池を互いに電気的に連結する電池パックとを含み、
前記コイン電池の正極部は、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、およびこれらの組み合わせを含むイオン含有溶液と、前記イオン含有溶液に含浸された正極集電体とを含み、前記イオン含有溶液は、電池パックの外部から正極部に流入する構造であり、
前記電池パックは、前面に前記コイン電池が収容される少なくとも2つ以上のホールが配列形成された本体と、前記本体の両面に装着されてコイン電池を覆い、コイン電池の正極部に対応する位置にはイオン含有溶液の流通するスリットが形成されたカバーと、各カバーとコイン電池との間に設けられてコイン電池を電気的に連結するコレクタと、本体に設けられてコイン電池の正極部と負極部との間をシーリングするシーリング部とを含む、二次電池モジュール。
前記シーリング部は、前記ホールとコイン電池との間に設けられるシーリング部材と、前記ホールの周りに沿って配置されてカバーと本体との間をシーリングするOリングとを含む、請求項7に記載の二次電池モジュール。
前記シーリング部材は、コイン電池の外周面を囲む管構造からなり、前記カバーと本体との間で加圧されてホールとコイン電池との間に密着する構造である、請求項8に記載の二次電池モジュール。
前記コレクタは、リング形態からなり、コイン電池の正極部を加圧して固体電解質に密着させるようにリングの中心を通る加圧バーが延長形成された、請求項7に記載の二次電池モジュール。
前記本体は、ホールの内側にコイン電池の負極上部ケースの外径に対応する大きさを有する段付きが形成され、コイン電池の負極上部ケースが段付きに係止されて固定される構造である、請求項7に記載の二次電池モジュール。
前記電池パックは、コイン電池の負極部と正極部とが交互に配置され、前記コレクタは、それぞれ隣り合うコイン電池の負極部および正極部を連結してコイン電池を直列連結した構造である、請求項7〜14のいずれか1項に記載の二次電池モジュール。
前記電池パックは、コイン電池の負極部または正極部が同一の方向に配置され、前記コレクタは、それぞれ隣り合うコイン電池の負極部および正極部をそれぞれ直列連結して、コイン電池を並列連結した構造である、請求項7〜14のいずれか1項に記載の二次電池モジュール。
前記電池パックが嵌合するように複数のガイドが配列形成されて複数の電池パックを収容するハウジングを含み、複数の電池パックを電気的に連結した構造である、請求項1、2および7〜14のいずれか1項に記載の二次電池モジュール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した問題を克服するために、本発明者らは、負極部に特定の金属イオンを選択的に通過させる固体電解質を適用し、正極部にはナトリウム、リチウム、マグネシウム、およびこれらの組み合わせを含むイオン含有溶液(例えば、海水)を適用し、前記イオン含有溶液は、正極部の外部から流入するものである、コイン(coin)形態の二次電池をモジュール化して大容量の電池を実現した二次電池モジュールおよびその製造方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態の二次電池モジュールは、負極部と、正極部と、前記負極部と正極部との間に位置する固体電解質とを含む単位セルと、
前記単位セルが少なくとも1つ以上装着され、各単位セルを互いに電気的に連結する電池パックとを含み、
前記単位セルの正極部は、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、およびこれらの組み合わせを含むイオン含有溶液と、前記イオン含有溶液に含浸された正極集電体とを含み、前記イオン含有溶液は、電池パックの外部から正極部に流入する構造であるとよい。
【0010】
前記電池パックは、前面に前記単位セルが収容される少なくとも1つ以上の溝が配列形成され、前記固体電解質が前記溝に接合される支持体と、前記支持体に設けられて各溝の底に配置され、互いに電気的に連結され、溝に収容された負極部と接する負極コレクタと、前記支持体の外側に配置されて前記正極部に電気的に連結される正極コレクタとを含むことができる。
【0011】
前記負極コレクタは、支持体の内部に一体に形成される。
【0012】
前記正極コレクタは、イオン含有溶液が流通するように孔が形成された格子網構造であるとよい。
【0013】
前記電池パックは、負極コレクタを挟んで支持体の両面に溝が形成され、前記単位セルが支持体の両面に対向配置されて装着された構造であるとよい。
【0014】
前記負極コレクタおよび正極コレクタは、支持体の外側に延長形成される端子を含むことができる。
【0015】
本実施形態の二次電池モジュールは、負極部と、正極部と、前記負極部と正極部との間に位置する固体電解質とを含む単位セルと、前記負極部をなし、内部に負極集電体が収容される負極下部ケースと、前記負極下部ケースと結合され、前面の開口部に固体電解質が接合された負極上部ケースとを含むコイン電池と、
前記コイン電池が少なくとも1つ以上装着され、各コイン電池を互いに電気的に連結する電池パックとを含み、
前記コイン電池の正極部は、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、およびこれらの組み合わせを含むイオン含有溶液と、前記イオン含有溶液に含浸された正極集電体とを含み、前記イオン含有溶液は、電池パックの外部から正極部に流入する構造であるとよい。
【0016】
前記電池パックは、前面に前記コイン電池が収容される少なくとも1つ以上のホールが配列形成された本体と、前記本体の両面に装着されてコイン電池を覆い、コイン電池の正極部に対応する位置にはイオン含有溶液の流通するスリットが形成されたカバーと、各カバーとコイン電池との間に設けられてコイン電池を電気的に連結するコレクタと、本体に設けられてコイン電池の正極部と負極部との間をシーリングするシーリング部とを含むことができる。
【0017】
前記シーリング部は、前記ホールとコイン電池との間に設けられるシーリング部材と、前記ホールの周りに沿って配置されてカバーと本体との間をシーリングするOリングとを含むことができる。
【0018】
前記シーリング部材は、コイン電池の外周面を囲む管構造からなり、前記カバーと本体との間で加圧されてホールとコイン電池との間に密着する構造であるとよい。
【0019】
前記電池パックは、コイン電池の負極部と正極部とが交互に配置され、前記コレクタは、それぞれ隣り合うコイン電池の負極部および正極部を連結して、コイン電池を直列連結した構造であるとよい。
【0020】
前記電池パックは、コイン電池の負極部または正極部が同一の方向に配置され、前記コレクタは、それぞれ隣り合うコイン電池の負極部および正極部をそれぞれ直列連結して、コイン電池を並列連結した構造であるとよい。
【0021】
前記コレクタは、リング形態からなり、コイン電池の正極部を加圧して固体電解質に密着させるようにリングの中心を通る加圧バーが延長形成される。
【0022】
前記コレクタは、電池パックの外側に延長形成される端子を含むことができる。
【0023】
前記カバーは、本体を向く前面にコレクタの載置される段差溝が形成された構造であるとよい。
【0024】
前記本体は、ホールの内側にコイン電池の負極上部ケースの外径に対応する大きさを有する段付きが形成され、コイン電池の負極上部ケースが段付きに係止されて固定される構造であるとよい。
【0025】
前記単位セルまたは前記コイン電池は、四角断面構造であるとよい。
【0026】
前記単位セルまたは前記コイン電池は、六角断面構造であるとよい。
【0027】
本実施形態の二次電池モジュールは、前記電池パックが嵌合するように複数のガイドが配列形成されて複数の電池パックを収容するハウジングを含み、複数の電池パックを電気的に連結した構造であるとよい。
【0028】
本実施形態の二次電池モジュールは、前記ハウジングを複数個連結して大容量の二次電池モジュールを提供することができる。
【0029】
本実施形態の製造方法は、複数の溝が形成され、内部に負極コレクタが一体に形成されている支持体を含む電池パックを準備する段階と、
前記支持体の各溝に負極部を位置させ、負極部上に固体電解質を位置させて固体電解質を支持体の溝に接合した後、固体電解質上に正極部を位置させて、電池パックに複数の単位セルを装着する段階と、
支持体上に正極コレクタを設けて、各溝に装着された単位セルの正極部を電気的に連結する段階と、
電池パックの外部からナトリウム、リチウム、マグネシウム、およびこれらの組み合わせを含むイオン含有溶液を単位セルの正極部に流入させる段階とを含むことにより、二次電池モジュールを製造することができる。
【0030】
本実施形態の製造方法は、複数のホールが形成された本体と、コレクタが備えられたカバーとを含む電池パックを準備する段階と、
負極部と、正極部と、前記負極部と正極部との間に位置する固体電解質とを含む単位セルと、前記負極部をなし、内部に負極集電体が収容される負極下部ケースと、前記負極下部ケースと結合され、前面の開口部に固体電解質が接合された負極上部ケースとを含むコイン電池を準備する段階と、
前記本体の各ホールにシーリング部材を介在させてコイン電池を装着する段階と、
カバーと本体との間にOリングを設けた後、カバーを本体に装着してコレクタとコイン電池とを電気的に連結する段階と、
電池パックの外部からナトリウム、リチウム、マグネシウム、およびこれらの組み合わせを含むイオン含有溶液をコイン電池の正極部に流入させる段階とを含むことにより、二次電池モジュールを製造することができる。
【0031】
前記固体電解質は、ナシコン(Na superionic conductor、NASICON)、リシコン(Li superionic conductor、LISICON)、非晶質イオン伝導性物質、セラミックイオン伝導性物質、およびこれらの組み合わせを含む群より選択されるものであるとよい。
【0032】
前記負極部は、負極集電体に含浸される液体電解質をさらに含むものであるとよい。
【0033】
前記液体電解質は、解離可能な塩および有機溶媒を含むものであるとよい。
【0034】
前記解離可能な塩は、ナトリウム化合物、リチウム化合物、アンモニウム化合物、およびこれらを含む群より選択される少なくとも1つ以上の物質であるとよい。
【0035】
前記有機溶媒は、エーテル(ether)系有機溶媒、カーボネート(carbonate)系有機溶媒、ニトリル(nitrile)系有機溶媒、およびこれらを含む群より選択される少なくとも1つ以上の物質であるとよい。
【0036】
前記正極部において、前記イオン含有溶液は、海水、塩水、およびこれらの組み合わせを含む群より選択されるものであるとよい。
【発明の効果】
【0037】
本発明の一実施形態では、負極部に特定の金属イオンを選択的に通過させる固体電解質を適用し、正極部には外部から流入する、環境に優しくて安全な物質である、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、およびこれらの組み合わせを含むイオン含有溶液を使用することによって、大規模な貯蔵システムが位置するのに適した場所としては、前記イオン含有溶液のうち代表的な海水の豊富な海を選択することができ、これにより、諸費用が減少し、環境問題を比較的に少なく誘発する、二次電池モジュールを提供することができる。
【0038】
また、複数のコイン型二次電池を連結して大容量の電池モジュールを実現することができる。
【0039】
さらに、多様な配置構造と直列および並列連結構造により使用範囲を広げ、多様な目的と用途に合わせて使用することができる。
【0040】
また、大容量の電池モジュールを実現するにあたり、構造を単純化し、所要する部品の個数を最小化することによって、製造原価を節減することができる。
【0041】
さらに、部品一体型構造によりシーリング問題の発生を最小化し、組立が容易である。
【0042】
また、構造を単純化して体積を減らすことによって、大面積化により有利である。
【0043】
さらに、電池の形態を改善してモジュール内の空き空間を最小化することによって、単位面積あたりのエネルギー貯蔵面積を増加させて大容量の電池モジュールを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。ただし、これは例として提示されるものであり、これによって本発明が制限されず、本発明は後述する請求項の範疇によってのみ定義される。
【0046】
[第1実施例]
図1は、本発明の第1実施例による二次電池モジュールを示している。
【0047】
図1〜
図3はいずれも、複数のコイン電池10が直列連結された電池モジュール100を例示しているが、
図1は、2個のコイン電池10が直列連結された構造であり、
図2は、5個のコイン電池10が直列連結された構造であり、
図3は、10個のコイン電池10が直列連結されたものを示している。
【0048】
図1〜
図3に示された二次電池モジュール100は、コイン電池10の個数とそれに伴う一部部品の個数を除いてその内部構成は同一であるので、以下、
図1に示された2個のコイン電池10が直列連結された二次電池モジュール100を例として第1実施例について説明する。
【0049】
図4は、第1実施例による二次電池モジュールの構成を示しており、
図5は、二次電池モジュールの組立てられた断面構造を示している。
【0050】
本実施例の二次電池モジュール100は、複数のコイン電池10と、複数のコイン電池10を支持し互いに電気的に連結する電池パック110とを含む。
【0051】
これにより、1つの電池パック110内に複数のコイン電池10は直列連結されて高出力の電池モジュールをなす。
【0052】
以下、まず、前記コイン電池10について説明する。
【0053】
本実施例において、前記コイン電池10は、外部からイオン含有溶液が正極部12に流入する構造となっている。これにより、複数のコイン電池10が装着される電池パック110は、コイン電池10の正極部12側にイオン含有溶液を流入させる構造となっている。電池パック110の構造については後でさらに詳細に説明する。
【0054】
本実施例において、前記コイン電池10は、コイン(coin)形態の平らな円形板構造からなる。前記コイン電池の外形は多様に変形可能である。
【0055】
図5に示されているように、前記コイン電池10は、負極部13と、正極部12と、前記負極部13と正極部12との間に位置する固体電解質14とを含む単位セル11と、前記負極部13をなし、内部に負極集電体が収容される負極下部ケース16と、前記負極下部ケース16と結合され、前面の開口部18に固体電解質14が接合された負極上部ケース17とを含むことができる。
【0056】
前記コイン電池10は、単位セル11が負極下部ケース16と負極上部ケース17とによって組立てられた構造となっている。前記負極下部ケース16と負極上部ケース17は、コイン電池の外形をなす。
【0057】
前記コイン電池10は、上端が開口した負極下部ケース16の内部に負極部13が収容され、固体電解質14の接合された負極上部ケース17が前記負極下部ケース16の開放された先端に接合された構造となっている。前記固体電解質14は、負極上部ケース17に形成された開口部18を介して外部に露出し、負極上部ケース17の開口部18を介して露出した固体電解質14の外面には正極部12が配置される。また、前記負極上部ケース17と負極下部ケース16との間には、2つの部材の間をシーリングし短絡を防止するための絶縁ガスケット19が設けられる。
【0058】
前記固体電解質14は、特定の金属イオンを選択的に通過させる。固体電解質14は、円板形態からなり、負極上部ケース17の開口部18の内面に接合される。固体電解質14は、負極上部ケース17の開口部18の直径より十分に大きいサイズに形成され、負極上部ケース17に接合されて開口部18を介して外部に露出する。負極上部ケース17の開口部18つまり、固体電解質14が露出した部位は、特定の金属イオンが固体電解質14と接して選択的に通過する経路となる。
【0059】
前記固体電解質14は、負極上部ケース17に接着剤を介在させて接合される。前記接着剤は、シリコン(Si)系物質、エポキシ系物質、およびこれらの組み合わせを含む群より選択されるいずれか1つ以上の物質を含むことができる。
【0060】
一方、前記固体電解質14の場合、特定の金属イオン(例えば、Li
+、Na
+など)を選択的に通過させる物質であれば特に限定されない。特に、前記金属イオンを選択的に通過させる速度が速く、水溶液および有機溶液との界面が安定して形成される物質であるとよい。
【0061】
例えば、前記固体電解質14は、ナシコン(Na superionic conductor、NASICON)、リシコン(Li superionic conductor、LISICON)、非晶質イオン伝導性物質、セラミックイオン伝導性物質、およびこれらの組み合わせを含む群より選択されるものであるとよい。
【0062】
具体的には、前記非晶質イオン伝導性物質の例としては、ホスホラスベースのガラス(phosphorus−based glass)、オキシドベースのガラス(oxide−based glass)、オキシド/スルフィドベースのガラス(oxide/sulfide−based glass)などが挙げられる。
【0063】
また、前記セラミックイオン伝導性物質の例としては、リチウムベータ−アルミナ(lithium beta−alumina)、ナトリウムベータ−アルミナ(sodium beta−alumina)などが挙げられる。
【0064】
より具体的には、前記固体電解質14としてナシコンを選択する場合、前記固体電解質14のイオン伝導度がさらに向上できる。
【0065】
前記負極下部ケース16および前記負極上部ケース17としてはそれぞれ、ステンレス金属(Steel Use Stainless、SUS)、アルミニウム(Al)、スチール(Steel)などの金属、または非鉄金属材質のものを使用することができる。
【0066】
前記負極部13は、負極下部ケース16の内部に収容される負極集電体を含む。
【0067】
前記負極集電体としては、銅箔、ニッケル箔、ステレンス鋼箔、チタン箔、ニッケル発泡体(foam)、銅発泡体、伝導性金属がコーティングされたポリマー基材など非鉄金属材質のものを使用することができる。
【0068】
前記負極部13において、前記負極集電体上に位置する負極活物質層をさらに含み、前記負極活物質層は、負極活物質を含み、前記負極活物質は、金属、金属酸化物、金属硫化物、金属リン化物、カーボン(carbon)系物質、およびこれらの組み合わせを含む群より選択される少なくとも1つ以上の物質であるとよい。
【0069】
前記負極部13は、液体電解質をさらに含むものであるとよい。前記液体電解質は、解離可能な塩および有機溶媒を含むものであるとよい。
【0070】
この時、前記有機溶媒は、電池の電気化学的反応に関与するイオンが移動できる媒質の役割を果たす。例えば、前記有機溶媒は、エーテル(ether)系有機溶媒、カーボネート(carbonate)系有機溶媒、ニトリル(nitrile)系有機溶媒、およびこれらを含む群より選択される少なくとも1つ以上の物質であるとよい。
【0071】
より具体的には、前記エーテル系有機溶媒の例としては、TEGDME(Tri−Ethylene Glycol−Di−Methyl Ether)などが挙げられ、前記カーボネート系有機溶媒の例としては、PC(Propylene Carbonate)、EMC(Ethyl−Methylene Carbonate)、DMC(Di−Methylene Carbonate)、EC(Ethylene Carbonate)などが挙げられ、前記ニトリル系有機溶媒の例としては、ACN(Acetonitrile)などが挙げられる。
【0072】
また、前記解離可能な塩は、前記有機溶媒に溶解して、電池内で陽イオンの供給源として作用して基本的な二次電池の作動を可能にし、正極と負極との間の陽イオンの移動を促進する役割を果たす物質である。例えば、前記解離可能な塩は、ナトリウム化合物、リチウム化合物、アンモニウム化合物、およびこれらを含む群より選択される少なくとも1つ以上の物質であるとよい。
【0073】
より具体的には、前記ナトリウム化合物の例としては、NaCF
3SO
3、NaPF
6、NaBF
4などが挙げられ、前記リチウム化合物の例としては、LiPF
6、LiBF
4、LIClO
4などが挙げられ、前記アンモニウム化合物の例としては、Et
4NBF
4、Et
4NPF
6などが挙げられる。
【0074】
前記コイン電池10の正極部12は、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、およびこれらの組み合わせを含むイオン含有溶液と、前記イオン含有溶液に含浸された正極集電体とを含み、前記イオン含有溶液は、コイン電池10の外部から流入する構造となっている。
【0075】
前記正極部12において、前記ナトリウム、リチウム、マグネシウム、およびこれらの組み合わせを含むイオン含有溶液は、海水、塩水、およびこれらを含む群より選択されるものであるとよい。
【0076】
特に、前記イオン含有溶液として海水を選択する場合、前記コイン型二次電池の設置場所は海となり、これにより、海水が負極上部ケース17の開口部18によってコイン電池10の外部から前記正極部12に流入できる。
【0077】
本実施例において、前記正極集電体は、負極上部ケース17の開口部18上に置かれて、開口部18を介して露出した固体電解質14と接触する。
【0078】
前記正極集電体は、炭素紙、炭素繊維、炭素布、炭素フェルト、金属箔膜、またはこれらの組み合わせの物質を使用することができる。前記炭素紙の場合、ナトリウム含有溶液内に含まれているその他金属イオンの酸化/還元反応から発生し得る副産物を最小化することができる。また、前記正極集電体上に前記触媒電極が位置する場合、反応性をより改善することができる。
【0079】
前記構造のコイン電池10は、電池パック110によって複数個が互いに連結されて1つの二次電池モジュール100をなす。
【0080】
以下、前記電池パック110について説明する。
【0081】
前記電池パック110は、前面に前記コイン電池10が収容される少なくとも1つ以上のホール113が配列形成された本体112と、前記本体112の両面にそれぞれ装着されてコイン電池10を覆い、コイン電池10の正極部12に対応する位置には外部から供給されるイオン含有溶液の流通するスリット115が形成されたカバー114と、各カバー114とコイン電池10との間に設けられて各コイン電池10を電気的に連結するコレクタ116と、本体112に設けられてコイン電池10の正極部12と負極部13との間をシーリングするシーリング部とを含むことができる。
【0082】
また、前記シーリング部は、前記ホール113とコイン電池10との間に設けられるシーリング部材120と、前記ホール113の周りに沿って配置されてカバー114と本体112との間をシーリングするOリング122とを含む。
【0083】
前記電池パック110の本体112とカバー114は、コイン電池10を密封し、カバー114に形成されたスリット115を通してコイン電池の外部に位置するイオン含有溶液がコイン電池10の正極部12に流入できるようにする。
【0084】
前記本体112は、装着されるコイン電池10の個数に応じてその大きさおよびホール113の個数を多様に形成することができる。
【0085】
前記本体112は、例えば、四角の板構造物に形成され、前面を貫通するホール113が間隔をおいて配列形成される。前記ホール113は、コイン電池10の外形に対応する形態に形成される。前記ホール113の直径は、コイン電池10の大きさおよび前記ホール113とコイン電池10との間に設けられるシーリング部材120の厚さを考慮して適切に設計される。
【0086】
本実施例の二次電池モジュール100は、電池パック110に装着されるコイン電池10が直列に連結される構造となっている。これにより、前記電池パック110には、隣り合うコイン電池10の間に互いに反対方向に装着され、電池パック110の配列されたホール113に沿ってコイン電池10の負極部13および正極部12が交互に配置される。
【0087】
前記本体112は、ホール113の内側にコイン電池10の負極上部ケース17の外径に対応する大きさを有する段付き124が形成され、コイン電池10の負極上部ケース17が段付き124に係止されて固定される構造となっている。前記コイン電池10は、外形をなす負極上部ケース17と負極下部ケース16の形態が異なる。これにより、本体112のホール113の内側に負極上部ケース17の外径にのみ対応する段付き124を形成することによって、コイン電池10を挿入方向に合わせて正確に本体112のホール113に挿入することができる。したがって、本実施例のように、直列にコイン電池10を連結するためにコイン電池10の装着方向が交互に変わっても正確にコイン電池10を装着することができる。
【0088】
これにより、本体112に複数のコイン電池10を装着するにあたり、各コイン電池10の挿入不良を防止し、電池の直列連結に合わせて正確な方向にコイン電池10をホール113に挿入することができる。
【0089】
前記カバー114は、板形態の構造物で、2つがそれぞれ本体112の対向する両面に設けられて、本体112に装着されたコイン電池10を囲み電池パック110を密封する。前記カバー114は、例えば、本体112にボルトで締結されて設けられる。
【0090】
本実施例において、前記カバー114は、コイン電池10の正極部12に対応する位置に前記正極部12にイオン含有溶液が流入できるようにスリット115が貫通形成される。
【0091】
これにより、カバー114と本体112とによってコイン電池10が密封された状態で、カバー114に形成されたスリット115を通してコイン電池10の正極部12にイオン含有溶液が供給される。
【0092】
図4に示されているように、前記カバー114は、本体112を向く前面にコレクタ116の載置される段差溝126が形成される。
【0093】
これにより、コレクタ116が各カバー114の段差溝126に置かれて、その位置がコイン電池10の両端部に合わせて正確に規制されることによって、コレクタがコイン電池10の位置から外れて両者間に電気的接触不良が発生するのを防止することができる。
【0094】
本実施例において、前記本体112およびカバー114は、プラスチック(Plastic)、アクリル(Acryl)、PEEK(Polyether ether ketone)、テフロン(登録商標)(Teflon)、エンジニアリングプラスチック(Engineering Plastic)、PC(Propylene Carbonate)などの材質のものを使用することができる。
【0095】
前記コレクタ116は、それぞれ本体112の両面で隣り合うコイン電池10の負極部13および正極部12を電気的に連結して、本体112内に収容された各コイン電池10を直列連結する。本実施例において、前記コイン電池10の負極部13とは、実質的にコイン電池10の負極下部ケース16として理解できる。
【0096】
前記コレクタ116は、導電剤からなるとよいし、例えば、銅材質で製造される。前記コレクタ116は、各カバー114が本体112に装着されながら、カバー114によって押されてコイン電池10の負極部13と正極部12に密着する。
【0097】
前記コレクタ116は、コイン電池10に接する板形態からなるとよいし、コイン電池10の正極部12に位置する部分は、イオン含有溶液が正極部12に流入するのを遮断しないように中間部の開放されたリング形態からなるとよい。本実施例において、前記コレクタ116は、コイン電池10の負極部13および正極部12にそれぞれ位置し、互いに連結された一対のリング形態をなす。ただし、電池パック110内で直列連結されるコイン電池のうち最外側に配置されたコイン電池10の正極部12または負極部13に連結されるコレクタ116の場合、単一のリング構造をなし、電池パック110の外側に延びる端子128がさらに形成される。これにより、二次電池モジュール100は、電池パック110の外側に延びた2つの端子128を介して容易に外部と電気的に連結される。
【0098】
本実施例において、前記コレクタ116は、コイン電池10の正極部12に位置する部分に正極部12を加圧して固体電解質14に密着させるようにリングの中心を通る加圧バー129がさらに形成される。前記加圧バー129は、固体電解質14上に置かれる正極部12の正極集電体上に位置するため、正極集電体を押して固体電解質14により強く密着させるようになる。
【0099】
前記本体112とカバー114とが組立てられると、電池パック110は密封され、外部のイオン含有溶液は電池パック110のスリット115を通して単にコイン電池10の正極部12にのみ流入する。
【0100】
電池パック110の内部は、シーリング部材120とOリング122を介してシーリングされる。
【0101】
本実施例において、前記シーリング部材120は、コイン電池10の外周面を囲む管構造に形成される。前記シーリング部材120は、シリコン材質からなるとよい。
【0102】
前記シーリング部材120は、コイン電池の外側面全体を囲み、前記カバー114と本体112との間で加圧されてホール113とコイン電池10との間に密着する。
【0103】
前記シーリング部材120は、ホール113の内周面とコイン電池10との間で密着して、ホール113を通してイオン含有溶液が移動するのを遮断する。これにより、シーリング部材120によってホール113が遮断されて、コイン電池10の正極部12に流入したイオン含有溶液が正極部12以外の領域つまり、負極集電体が収容された負極下部ケース16側に移動するのを防止することができる。
【0104】
また、前記シーリング部材120は、ホール113の内周面とコイン電池10との間に密着して、コイン電池10をホール113の内部に固定し支持する作用をする。これにより、本体112内でコイン電池10がより安定的に装着され、シーリング部材120が外部衝撃を吸収してコイン電池10に衝撃が加えられるのを緩和させる。
【0105】
前記Oリング122は、カバー114と本体112との間をシーリングして、イオン含有溶液が本体112のホール113に装着されたコイン電池10の負極部13に流入するのを遮断する。
【0106】
Oリング122は、閉曲線をなして、コイン電池10が嵌合したホール113の周りに沿って配置される。
図4に示されているように、本実施例において、前記Oリング122は、コイン電池10の正極部12側および負極部13側ともに設けられるとよいし、コイン電池10の負極部13側にのみ配置されてカバー114と本体112との間をシーリングしてもよい。
【0107】
したがって、シーリング部材120とOリング122を介して電池パック110内でコイン電池10の負極部13に対するシーリングが行われ、電池パック110に供給されたイオン含有溶液はコイン電池10の正極部12にのみ流入して接するようになる。
【0108】
このように、本実施例の二次電池モジュール100は、コイン電池10を1つの電池パック110に配置し直列連結することによって、高出力の二次電池モジュール100を実現することができる。
【0109】
以下、本実施例による二次電池モジュールの製造過程について説明する。
【0110】
本実施例の二次電池モジュール100は、複数のホール113が形成された本体112と、本体112の両先端部に設けられるカバー114とを含む電池パック110を準備する段階と、コイン電池10を準備して、前記本体112の各ホール113にシーリング部材120を介在させてコイン電池10を装着する段階と、Oリング122を挟んで本体112にカバー114を組立ててコイン電池10を電気的に連結する段階とを経て製造される。
【0111】
前記カバー114を準備する際、各カバー114の内側にコレクタ116を設けることができる。あるいは、コレクタ116は、各カバー114を本体112に組立てる過程で、カバー114と本体112との間に設けてもよい。コレクタ116を組立てる細部的な順序は特に限定されない。
【0112】
そして、前記のように、コイン電池10を電池パック110に装着し、電池パック110を組立てた後、電池パック110の外部からコイン電池10の正極部12にイオン含有溶液を流入させる方法により、高出力の二次電池モジュールを製造することができる。前記電池パック110の外部からナトリウム、リチウム、マグネシウム、およびこれらの組み合わせを含むイオン含有溶液を正極部12に流入させる段階は、電池パック110のスリット115を通してコイン電池10の正極部12に前記イオン含有溶液を流入させるものであるので、本体112にカバー114を組立てた後、電池パック110を前記イオン含有溶液に浸漬するものであるとよい。これにより、前記組立てられた電池パック110の外部には前記イオン含有溶液が存在し、前記電池パック110の外部からスリット115を通して前記イオン含有溶液が前記コイン電池10の正極部12に流入できる。電池パック110内において、コイン電池10は、正極部12を除いて外部とシーリングされた状態であるので、イオン含有溶液は正極部12にのみ接するようになる。
【0113】
イオン含有溶液として海水を使用する場合、電池パック110に海水を供給するか、海水に電池パック110を浸漬することで、簡単に高出力の二次電池モジュール100を実現することができる。
【0114】
[第2実施例]
図6と
図7は、本発明の第2実施例による二次電池モジュールとして、複数のコイン電池が並列連結された大容量の二次電池モジュールを示している。
【0115】
本実施例の二次電池モジュール200は、複数のコイン電池10が並列に連結された構造であることを除いて、すでに言及した第1実施例の二次電池モジュールの構成と同一である。これにより、同一の構成については同一の符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0116】
並列連結構造の二次電池モジュールも、コイン電池10の設置個数は多様に変形可能である。
【0117】
本実施例の二次電池モジュール200は、複数のコイン電池10と、複数のコイン電池10を支持し互いに電気的に連結する電池パック110とを含む。これにより、1つの電池パック110内に複数のコイン電池10は並列連結されて大容量の電池モジュールをなす。
【0118】
前記電池パック110は、コイン電池10の負極部13または正極部12が同一の方向に配置され、本体112の両面に配置されるコレクタはそれぞれ互いに直列連結されて、コイン電池10を並列連結する構造となっている。
【0119】
前記本体112のホール113に挿入されるコイン電池10は、全て同一の方向に正極部12または負極部13が配置される。
図7は、各コイン電池10が、正極部12が図上の下方に配置されるようにして設けられた構造を例示している。
【0120】
前記本体112のホール113に形成される段付き124も、全体ホール113に対して同一の位置に形成されて、各コイン電池10をホール113に同一の方向に設けられるようになっている。
【0121】
本実施例において、本体112の両面に配置される各コレクタは、それぞれコイン電池10の負極部13のみ接するか、正極部12のみ接するので、その形態が少しずつ異なる。以下、説明の便宜のために、本実施例のコレクタのうち、コイン電池10の正極部12を連結するコレクタは正極コレクタ216といい、コイン電池10の負極部13を連結するコレクタは負極コレクタ217という。コレクタとは、正極コレクタおよび負極コレクタの両方を称することができる。また、カバーのうち、正極コレクタ216が設けられるカバーを正極カバー214といい、負極コレクタ217が設けられるカバーを負極カバー215という。
【0122】
前記負極コレクタ217は、本体112の一面においてコイン電池10の配置形態に対応する形態で配置され、互いに直列連結され、各コイン電池10の負極部13に接するリング形態を有する。直列に連結された負極コレクタ217の一側末端には、電池パック110の外側に延びる端子128がさらに形成される。
【0123】
前記負極コレクタ217が設けられる負極カバー215は、本体112を向く内面に前記負極コレクタに対応する形態に段差溝126が形成される。
【0124】
前記正極コレクタ216は、本体112の他面においてコイン電池10の配置形態に対応する形態で配置され、互いに直列連結され、各コイン電池10の正極部12に接するリング形態をなす。直列に連結された正極コレクタ216の一側末端には、電池パック110の外側に延びる端子128がさらに形成される。前記正極コレクタ216は、
図7に示されているように、正極部12を加圧して固体電解質14に密着させられるようにリングの中心を通る加圧バー129がさらに形成される。
【0125】
前記正極コレクタ216が設けられる正極カバー214も、本体112を向く内面に前記正極コレクタに対応する形態に段差溝126が形成される。
【0126】
このように、本実施例の二次電池モジュール200は、コイン電池10を1つの電池パック110に配置して並列連結することによって、大容量の二次電池モジュールを実現することができる。
【0127】
[第3実施例]
図8と
図9は、本発明の第3実施例による二次電池モジュールを例示している。
【0128】
図示のように、本実施例の二次電池モジュール300は、複数の単位セル11と、複数の単位セル11を支持し互いに電気的に連結する電池パック110とを含む。
【0129】
これにより、1つの電池パック110内に複数の単位セル11が並列連結されて大容量の二次電池モジュール300をなす。
【0130】
前記単位セル11は、言及したように、負極部13と、正極部12と、前記負極部13と正極部12との間に位置する固体電解質14とを含むことで、二次電池の作用を実現する最小単位として理解できる。
【0131】
前記単位セル11は、電池パック110と組立てられて実質的に二次電池をなし、本実施例により、電池パック110内に複数の単位セル11が装着されて大容量の二次電池モジュール300を構成する。
【0132】
前記単位セル11の各構成部についてはすでに上述したので、以下、同一の構成については同一の符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0133】
前記単位セル11は、電池パック110によって複数個が互いに並列連結されて1つの電池モジュールをなす。
【0134】
前記二次電池モジュール300の前記電池パック110は、前面に前記単位セル11が収容される少なくとも1つ以上の溝312が配列形成され、前記固体電解質14が前記溝312に接合される支持体310と、前記支持体310に設けられて各溝312の底に配置され、互いに電気的に連結され、溝312に収容された負極部13と接する負極コレクタ320と、前記支持体310の外側に配置されて前記正極部12に電気的に連結される正極コレクタ330とを含むことができる。
【0135】
前記支持体310は、装着される単位セル11の個数に応じてその大きさおよび溝312の個数を多様に形成することができる。
【0136】
前記支持体310は、例えば、四角の板構造物に形成され、一面に溝312が間隔をおいて配列形成される。前記溝312は、単位セル11に対応する形態と大きさに形成される。前記支持体310は、プラスチック(Plastic)、アクリル(Acryl)、PEEK(Polyether ether ketone)、テフロン(登録商標)(Teflon)、エンジニアリングプラスチック(Engineering Plastic)、PC(Propylene Carbonate)などの材質のものを使用することができる。
【0137】
前記支持体310に形成される溝312は、負極部13と固体電解質14および正極部12が順次に積層されるように段差加工される。前記溝312の底には、支持体310に設けられている負極コレクタ320が位置する。つまり、前記負極コレクタ320は、支持体310の内部で溝312の底面をなす。前記単位セル11は、溝312の底面をなす負極コレクタ320上に、負極部13と固体電解質14および正極部12が順次に積層設置される。
【0138】
本実施例の電池パック110は、前記支持体310の内部に負極コレクタ320が一体に形成された構造となっている。ここで、一体に形成されるというのは、互いに異なる材質の支持体310と負極コレクタ320とが互いに緊密に接合されて1つのボディをなすものと理解できる。
【0139】
支持体310の内部に負極コレクタ320が一体に形成されることによって、負極コレクタ320は、支持体310によって囲まれた形態となって、イオン含有溶液との接触が根本的に遮断される。これにより、支持体310と負極コレクタ320との間のシーリング性と組立性を高め、二次電池モジュールの体積を最小化することができる。
【0140】
本実施例の場合、
図9に示されているように、前記負極コレクタ320は、支持体310の内部に挿入されて1つのボディをなすことができる。前記負極コレクタ320は、前記支持体310の前面に対応する大きさを有する板構造で、支持体310に一体に接合されて各溝312の底面をなす。前記負極コレクタ320は、全体的に1つの板材からなり、各溝312に装着される各単位セル11の負極部13を電気的に並列連結する。
【0141】
前記構造のほか、負極コレクタは、全体的に1つに連結された部材であるが、各溝312の位置に合わせて溝に対応する形態からなり、溝と溝との間には負極コレクタが形成されない構造であるとよい。この構造の場合、負極コレクタ材料をより低減可能で、電池モジュールの製造原価をより節減することができる。
【0142】
前記負極コレクタ320は、溝312に装着される単位セル11の負極部13と電気的に連結されて、支持体310内に収容された各単位セル11を並列連結する。前記負極コレクタ320は、導電剤からなるとよいし、例えば、銅材質で製造される。
【0143】
支持体310の溝312の底に負極コレクタ320が配置された状態で、負極コレクタ320上に負極部13が位置し、固体電解質14は負極部13上に位置して支持体310に接合される。固体電解質14は、支持体310と接着剤を介在させて接合される。
【0144】
前記支持体310と固体電解質14との間が接合されることによって、支持体310の溝312の内部において固体電解質14と負極コレクタ320との間に収容された負極部13は外部と遮断されてシーリングが行われる。これにより、電池パック110に供給されたイオン含有溶液が負極部13に流入するのを遮断することができる。負極コレクタ320も、支持体310によって完全に囲まれた状態であるので、イオン含有溶液との接触が遮断される。
【0145】
前記固体電解質14の外側に正極部12が配置され、その外側に正極部12を電気的に連結する正極コレクタ330が設けられる。
【0146】
本実施例において、前記正極コレクタ330は、電池パック110に備えられた各単位セル11の正極部12の全てに連結できるようにほぼ支持体310の前面に対応する大きさに形成される。前記正極コレクタ330は、正極部12の外側に配置されるため、電池パック110に供給されたイオン含有溶液が正極部12に容易に流入できるように、イオン含有溶液の流通する孔が形成された格子網構造からなるとよい。
【0147】
また、前記負極コレクタ320と正極コレクタ330はそれぞれ、電池パック110の外側に延びる端子128がさらに形成される。前記負極コレクタ320に形成された端子は、支持体310を貫通して外部に延びる。これにより、前記二次電池モジュール300は、電池パック110の外側に延びた2つの端子128を介して容易に外部と電気的に連結される。
【0148】
このように、複数の単位セル11が1つの支持体310を共有して組立てられて二次電池モジュール300をなすことによって、構成を最小化してモジュールの体積を最小化しながら大容量の電池モジュールを実現することができる。また、負極コレクタ320と負極部13に対する別途のシーリング構造が不必要であり、より完璧なシーリング効果を得ることができる。
【0149】
以下、本実施例による二次電池モジュールの製造過程について説明する。
【0150】
本実施例の二次電池モジュール300は、複数の溝312が形成され、内部に負極コレクタ320が一体に形成されている支持体310を含む電池パック110を準備する段階と、単位セル11を準備して、前記支持体310の各溝312に単位セル11を装着する段階と、支持体310上に正極コレクタ330を設けて、各溝312に装着された単位セル11の正極部12を電気的に連結する段階とを経て製造される。
【0151】
単位セル11を装着する段階を説明すれば、まず、支持体310の各溝312の内部に負極部13を挿入する。そして、負極部13上に固体電解質14を位置させ、固体電解質14を支持体310の溝312に接合する。
【0152】
前記支持体310の溝312の内周面には、固体電解質14が置かれるように固体電解質14に対応する段付き124が形成されていて、前記段付き124に接着剤を介在させて固体電解質14を接合することができる。
【0153】
固体電解質14が支持体310の溝312に接合されると、固体電解質14上に正極部12を位置させることによって、支持体310の各溝312に単位セル11を装着することができる。
【0154】
そして、前記のように、単位セル11を支持体310に装着し、電池パック110を組立てた後、電池パック110の外部から単位セル11の正極部12にイオン含有溶液を流入させる方法により、高出力の二次電池モジュールを製造することができる。
【0155】
前記電池パック110の外部からナトリウム、リチウム、マグネシウム、およびこれらの組み合わせを含むイオン含有溶液を正極部12に流入させる段階は、電池パック110の正極コレクタ330を通して単位セル11の正極部12に前記イオン含有溶液を流入させるものであるため、電池パックを組立てた後、電池パック110を前記イオン含有溶液に浸漬するものであるとよい。これにより、前記組立てられた電池パック110の外部には前記イオン含有溶液が存在し、前記電池パック110の外部から格子網形態の正極コレクタ330を通して前記イオン含有溶液が前記支持体310に装着された各単位セル11の正極部12に流入できる。電池パック110内において、単位セル11の負極部13と負極コレクタ320は支持体310の内部に位置して外部と完全にシーリングされた状態であるので、イオン含有溶液は正極部12にのみ接するようになる。
【0156】
イオン含有溶液として海水を使用する場合、電池パック110に海水を供給するか、海水に電池パック110を浸漬することで、簡単に大容量の二次電池モジュールを実現することができる。
【0157】
[第4実施例]
図10は、本発明の第4実施例による二次電池モジュールとして、単位セル11が電池パック110の両面に装着された構造の大容量の二次電池モジュールを示している。
【0158】
本実施例の二次電池モジュール400は、複数の単位セル11が電池パック110の両面に装着された構造であることを除いて、すでに言及した第3実施例の二次電池モジュールの構成と同一である。これにより、同一の構成については同一の符号を用い、その詳細な説明は省略する。
【0159】
電池パック110の両面設置構造の二次電池モジュール400も、単位セル11の設置個数は多様に変形可能である。
【0160】
本実施例の二次電池モジュール400は、複数の単位セル11と、複数の単位セル11を支持し互いに電気的に連結する電池パック110とを含む。これにより、1つの電池パック110内に複数の単位セル11が並列連結されて大容量の二次電池モジュールをなす。
【0161】
前記電池パック110は、両面に前記単位セル11が収容される少なくとも1つ以上の溝312が配列形成された支持体310と、前記支持体310の内部に設けられ、各溝312の底面をなし、互いに電気的に連結され、溝312に収容された負極部13と接する負極コレクタ320と、前記支持体310の外側に配置されて前記正極部12に電気的に連結される正極コレクタ330とを含むことができる。
【0162】
前記支持体310は、装着される単位セル11の個数に応じてその大きさおよび溝312の個数を多様に形成することができる。
【0163】
また、前記支持体310の両面に形成される溝312は、その位置が互いに同一であるか異なっていてもよい。
【0164】
本実施例において、前記電池パック110は、支持体310の内部に一体に形成された負極コレクタ320を挟んで支持体310の両面に溝312が形成され、前記単位セル11が支持体310の両面に対向配置されて装着された構造であるとよい。前記支持体310の両面において、単位セル11は、それぞれ溝312の底面をなす負極コレクタ320上に、負極部13と固体電解質14および正極部12が順次に積層設置される。
【0165】
前記正極コレクタ330は、支持体310の両面にそれぞれ配置されて、支持体310の各面に配置された単位セル11の正極部12を電気的に連結する。
【0166】
前記支持体310の内部に一体に形成される負極コレクタ320は、支持体310の両面に形成される溝312の共通の底面をなす。つまり、本実施例において、支持体310の両面に装着される単位セル11は、支持体310の内部に備えられた1つの負極コレクタ320を共有するようになる。これにより、前記負極コレクタ320は、支持体310の両面に対向配置された各単位セル11の共通の負極コレクタ320として作用する。
【0167】
このように、支持体310の両面に配置された単位セル11が1つの負極コレクタ320を共有することによって、電池パック110の体積をより最小化しながら大容量の電池モジュール400を実現することができる。
【0168】
[第5実施例]
図11と
図12は、本発明の第5実施例による二次電池モジュールを示している。
【0169】
図11に示されているように、本実施例の二次電池モジュール500は、電池パック110に備えられる複数の単位セル11またはコイン電池10が四角断面構造であるとよい。
【0170】
これにより、単位セル11またはコイン電池10が電池パック110に列を合わせて各側面が互いに対向するように格子形態に配置されることによって、隣り合う単位セル11やコイン電池10の間の空間を最小化することができる。つまり、電池パック110内において、電池以外の無駄遣いされる空間を最小化し、より多数の単位セル11やコイン電池を積載することができる。したがって、面積対比の電池モジュールの容量をより増大させることができる。
【0171】
図12は、電池パック110に備えられる複数の単位セル11またはコイン電池10が六角断面構造の二次電池モジュール500を示している。
【0172】
単位セル11やコイン電池10が六角形態をなすことによって、電池パック110内において、隣り合う単位セル11やコイン電池10の側面が互いに対向するように列を合わせて配置され、これにより、隣り合う単位セル11やコイン電池10の間の空間を最小化することができる。
【0173】
したがって、
図12の実施例による二次電池モジュール500も、電池パック110内において、電池以外の無駄遣いされる空間を最小化し、面積対比の電池モジュールの容量を最大限に増大させることができる。
【0174】
[第6実施例]
図13は、本発明の第6実施例により大容量で実現された二次電池モジュールを示している。
【0175】
本実施例の二次電池モジュール600は、複数の単位セルまたはコイン電池が装着された電池パック110が嵌合するように複数のガイド612が配列形成されて、複数の電池パック110を収容するハウジング610を含み、複数の電池パック110を電気的に連結した構造であるとよい。
【0176】
前記ハウジング610の大きさや形態は多様に変形可能であり、特に限定されない。
【0177】
例えば、前記ハウジング610は、四角のボックス構造物であるとよい。ハウジングの内部には、電池パック110を順次に積層できるように長手方向に沿ってガイド612が連続的に形成される。前記ハウジング610内に積層された複数の電池パック110に備えられた端子を直列または並列に連結して高出力大容量の二次電池モジュールを実現することができる。
【0178】
また、本実施例の二次電池モジュールは、前記ハウジング610を複数個連結してより大容量の二次電池モジュールを実現することができる。
【0179】
本発明は、上記の実施例に限定されず、互いに異なる多様な形態に製造可能であり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は本発明の技術的な思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることを理解するであろう。そのため、以上に述べた実施例は、あらゆる面で例示的なものであり限定的ではないと理解しなければならない。