特許第6641369号(P6641369)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6641369異物除去装置および当該異物除去装置を備える車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641369
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】異物除去装置および当該異物除去装置を備える車両
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/60 20060101AFI20200127BHJP
【FI】
   B60S1/60 Z
【請求項の数】22
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2017-526411(P2017-526411)
(86)(22)【出願日】2016年6月29日
(86)【国際出願番号】JP2016069334
(87)【国際公開番号】WO2017002877
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2018年2月21日
(31)【優先権主張番号】特願2015-131783(P2015-131783)
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-131784(P2015-131784)
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-131787(P2015-131787)
(32)【優先日】2015年6月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 浩明
(72)【発明者】
【氏名】馬場 淳治
(72)【発明者】
【氏名】久保田 晃宜
(72)【発明者】
【氏名】市川 靖洋
【審査官】 神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−201122(JP,A)
【文献】 特開2001−171491(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/159763(WO,A1)
【文献】 特開2012−132988(JP,A)
【文献】 特開2009−083730(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0353024(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0185592(US,A1)
【文献】 特開2015−083830(JP,A)
【文献】 特開2014−069586(JP,A)
【文献】 特開2013−018404(JP,A)
【文献】 特開2015−104933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00 − 1/68
H04N 5/225
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載カメラが有するレンズに付着した異物を除去するための異物除去装置であって、
前記レンズが車両のボディパネルの外側に向けて露出した状態で、前記車載カメラを車両のボディパネルに取り付けるためのカメラブラケットと、
前記ボディパネルの内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルを有するノズルユニットと、を備え、
前記カメラブラケットには、前記高圧空気が通過する管路が形成され、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気は、前記管路および前記ノズルを介して前記ボディパネルの内側から外側に通過するとともに、前記ノズルから前記レンズに向けて噴射され、
記高圧空気生成ユニットは、前記高圧空気を排出する排出口を有し、
前記管路は、前記高圧空気が流入する管路入口と、前記高圧空気が流出する管路出口と、を有し、
さらに、
記排出口に連結されるホースと、
前記ホースと前記管路入口とを連結するジョイント部材と、
を備え、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記流入口は前記管路出口より大きく、
前記ノズルが前記管路に連通された状態において、前記管路の外周面と前記流入口の内周面との間には隙間が形成されている、異物除去装置。
【請求項2】
前記ジョイント部材は、前記カメラブラケットと一体的に形成されている、
請求項1に記載の異物除去装置。
【請求項3】
前記ノズルユニットは、前記カメラブラケットと一体的に形成されている、
請求項1または2に記載の異物除去装置。
【請求項4】
前記ノズルユニットは、前記車載カメラのハウジングに接着部材を介して取り付けられる、
請求項1または2に記載の異物除去装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の異物除去装置を備える車両。
【請求項6】
車載カメラのレンズが車両のボディパネルの外側に向けて露出した状態となるように車両に取り付けられた当該車載カメラのレンズ上の異物に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
前記ボディパネルの内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルを有するとともに、前記車載カメラのハウジングに取り付けられたノズルユニットと、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気を通過させるための管路と、
を備え、
前記高圧空気は、前記管路および前記ノズルを介して前記ボディパネルの内側から外側に通過し、
前記管路は、前記高圧空気が流入する管路入口と、前記高圧空気が流出する管路出口と、を有し、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記流入口は前記管路出口より大きく、
前記管路出口が前記流入口に挿入されている、
異物除去装置。
【請求項7】
前記ハウジングに前記ノズルユニットが取り付けられた状態において、前記ボディパネルに対して前記車載カメラが取り付けられる際の取付方向と、前記ノズルと前記管路とが連通する際の連通方向とが、交差している、
請求項6に記載の異物除去装置。
【請求項8】
前記車載カメラが前記ボディパネルに取り付けられた状態において、前記ノズルは、前記管路の外周面と前記ノズルの内周面との間に隙間が形成された状態で、前記管路と連通している、
請求項6または請求項7に記載の異物除去装置。
【請求項9】
前記管路には、前記隙間に外部から水が浸入することを抑制するためのリブが設けられている、
請求項8に記載の異物除去装置。
【請求項10】
前記車載カメラを前記ボディパネルに取り付けるためのカメラブラケットを備え、
前記管路は、前記カメラブラケットに形成されている、
請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の異物除去装置。
【請求項11】
カメラのレンズが車両のボディパネルの外側に向けて露出した状態となるように車両に取り付けられた当該カメラのレンズ上の異物に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
前記パネル部材の内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルを有するとともに、前記カメラのハウジングに取り付けられたノズルユニットと、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気を通過させるための管路と、
を備え、
前記高圧空気は、前記管路および前記ノズルを介して前記ボディパネルの内側から外側に通過し、
前記管路は、前記高圧空気が流入する管路入口と、前記高圧空気が流出する管路出口と、を有し、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記流入口は前記管路出口より大きく、
前記管路出口が前記流入口に挿入されている、
異物除去装置。
【請求項12】
車載センサーと当該車載センサーの測定対象との間に介在する隔壁に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
前記パネル部材の内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記隔壁に向けて噴射するノズルを有するとともに、前記車載センサーのハウジングに取り付けられたノズルユニットと、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気を通過させるための管路と、
を備え、
前記高圧空気は、前記管路および前記ノズルを介して前記ボディパネルの内側から外側に通過し、
前記管路は、前記高圧空気が流入する管路入口と、前記高圧空気が流出する管路出口と、を有し、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記流入口は前記管路出口より大きく、
前記管路出口が前記流入口に挿入されている、
異物除去装置。
【請求項13】
請求項6から請求項12のいずれか一項に記載の異物除去装置を備える車両。
【請求項14】
車載カメラのレンズが車両の車体パネルの外側に向けて露出した状態となるように車両に取り付けられた前記車載カメラのレンズ上の異物を除去する異物除去装置であって、
高圧空気を生成する生成部と、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルと、
を備え、
前記ノズルは、前記車体パネルの内側面に取り付けられるとともに、その先端部が前記車体パネルと前記車載カメラとの間に形成された隙間を介して車両外部に突出して前記レンズの前面に向けて配置されている、異物除去装置。
【請求項15】
前記ノズルの前記先端部は、前記レンズに対向する側と反対側に屈曲された後に前記レンズ側に向けて再び屈曲されて開口した形状を備えている、請求項14に記載の異物除去装置。
【請求項16】
前記ノズルの噴射口の中心を通る線と、前記レンズの頂点の接線とのなす角度が、0°以上60°以下である、請求項14または請求項15に記載の異物除去装置。
【請求項17】
前記レンズを上下方向において6等分したときに、前記ノズルの噴射口の中心を通る線が前記レンズの上から2番目の領域と交差する、請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の異物除去装置。
【請求項18】
前記ノズルの前記先端部は、前記レンズと対向する内側部材と、前記内側部材を間に前記レンズとは反対側に配置された外側部材と、を備え、
前記内側部材と前記外側部材とが結合されて中空状の前記先端部が形成されている、請求項14から請求項17のいずれか一項に記載の異物除去装置。
【請求項19】
前記先端部は、前記内側部材と前記外側部材とを連結する連結部をさらに備え、
前記連結部を折り曲げることで前記内側部材と前記外側部材とが結合される、請求項18に記載の異物除去装置。
【請求項20】
カメラのレンズがパネル部材の外側に向けて露出した状態となるように前記パネル部材に取り付けられた前記カメラのレンズ上の異物を除去する異物除去装置であって、
高圧空気を生成する生成部と、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルと、
を備え、
前記ノズルは、前記パネル部材の内側面に取り付けられるとともに、その先端部が前記パネル部材と前記カメラとの間に形成された隙間を介して前記パネル部材の外部に突出して前記レンズの前面に向けて配置されている、異物除去装置。
【請求項21】
車載センサーと当該車載センサーの測定対象との間に介在する隔壁に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
高圧空気を生成する生成部と、
前記高圧空気を前記隔壁に向けて噴射するノズルと、
を備え、
前記ノズルは、前記パネル部材の内側面に取り付けられるとともに、その先端部が前記パネル部材と前記車載センサーとの間に形成された隙間を介して前記パネル部材の外部に突出して前記隔壁の前面に向けて配置されている、異物除去装置。
【請求項22】
請求項14から請求項21のいずれか一項に記載の異物除去装置を備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧空気を噴射して異物を除去する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両周囲の状況を撮影する車載カメラが搭載された車両が増えてきている。車載カメラは、撮像面であるレンズが雨や泥等で汚れてしまう場合がある。このため、従来、レンズ上に付着した水滴等の異物を除去するために、車載カメラのレンズに洗浄液や高圧空気等を吹き付けて異物を除去する異物除去装置が知られている。
【0003】
このような異物除去装置では、カメラのレンズに対するノズルの先端の位置決め精度が低いと、異物を除去する性能が低下してしまう場合がある。そこで、例えば、車両のボディパネルに専用のブラケットを設けて、その専用のブラケットを介してノズルがレンズに対して位置決めされる構成が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、カメラの一部およびノズルは、ボディパネルの後部に設けられたガーニッシュとボディパネルとの間の空間に配置され、カメラの撮像面は、ガーニッシュの開口部から外部へ突出している。
【0004】
また、下記の特許文献1の異物除去装置では、洗浄液が収容されるタンクと洗浄液を噴射するためのユニットが車両のボディパネルの内側に搭載される。そして、車両のボディパネルに専用のノズルブラケットが取り付けられ、そのノズルブラケットを介して、車両の外側に向けて露出するレンズ上に洗浄液が噴射される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本国特開2014−69586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の構成では、異物除去装置を車両に取り付ける作業時に、車両のボディパネルに、車載カメラを嵌めるための孔の他に、ノズルブラケットを嵌めるための孔を形成しなければならない。このため、異物除去装置を取り付ける際の作業効率が低下してしまう。
【0007】
本発明の目的の一つは、異物除去装置を車両等の対象物に取り付ける際の作業効率を向上させることが可能な異物除去装置および当該異物除去装置を備える車両を提供することである。
【0008】
また、特許文献1の構成では、組立作業者は、挿入口を有するカメラブラケットに対して車載カメラを挿入する際、車載カメラのハウジング等がノズルの先端に接触しないように作業を行わなければならず、作業効率が低くなってしまう。車載カメラのハウジング等がノズルの先端に接触してしまうと、車載カメラのレンズに対するノズルの位置決めにズレが生じてしまい、異物を除去する性能を低下してしまう。
また、車両のボディパネルの形状は車両の種類によって様々である。このため、車体に対して、車載カメラを取り付ける方向と、高圧空気を通す管路(ノズルブラケットやジョイント部材等)を取り付ける方向とは、一致しない場合が多いと考えられる。高圧空気を噴射するノズルは車載カメラに対して近接した位置に取り付けられるため、車載カメラと管路の取りつけ方向が異なると、それぞれの取り付け作業時に必要なスペースが互いに干渉してしまうことがある。この場合も、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率が低下してしまう。
【0009】
本発明の目的の一つは、異物を除去する性能を維持しつつ、異物除去装置を車両等の対象物に取り付ける際の作業効率を向上させることが可能な異物除去装置および当該異物除去装置を備える車両を提供することである。
【0010】
また、一般に、ガーニッシュとボディパネルとの間の空間やガーニッシュの開口部の大きさには制約がある。このため、特許文献1のように専用のブラケットにノズルを組み付ける方法では、ガーニッシュをボディパネルに取り付けたままカメラやノズルをボディパネルに組み付けることはできず、ボディパネルからガーニッシュを取り外してカメラ及びノズルをボディパネルに組み付けた後に再びガーニッシュをボディパネルに取付なければならず、異物除去装置を車両に取り付ける際の汎用性や作業効率が低下してしまう。
【0011】
本発明の目的の一つは、異物を除去する性能を維持しつつ、車両等の対象物に取り付ける際の汎用性や作業効率を向上させることが可能な異物除去装置および当該異物除去装置を備える車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の異物除去装置は、
車載カメラが有するレンズに付着した異物を除去するための異物除去装置であって、
前記レンズが車両のボディパネルの外側に向けて露出した状態で、前記車載カメラを車両のボディパネルに取り付けるためのカメラブラケットと、
前記ボディパネルの内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルを有するノズルユニットと、を備え、
前記カメラブラケットには、貫通孔が形成され、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気は、前記貫通孔を介して前記ボディパネルの内側から外側に通過するとともに、前記ノズルから前記レンズに向けて噴射される。
【0013】
この構成によれば、高圧空気生成ユニットが生成する高圧空気は、カメラブラケットに形成された貫通孔を介して、車両のボディパネルの内側から外側まで通過することが可能である。このため、車両のボディパネルに、高圧空気を通過させるための孔を形成する必要が無い。このため、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率が向上する。
【0014】
また、本発明の異物除去装置において、
前記貫通孔は、前記高圧空気が通過する管路であっても良い。
【0015】
この構成によれば、高圧空気は、カメラブラケットに形成された管路を介して、車両のボディパネルの内側から外側まで通過することが可能である。
【0016】
また、本発明の異物除去装置において、
前記高圧空気生成ユニットは、前記高圧空気を排出する排出口を有し、
前記管路は、前記高圧空気が流入する管路入口と、前記高圧空気が流出する管路出口と、を有し、
さらに、
前記排出口と前記管路入口とを接続するホースと、
前記ホースと前記管路入口とを連結するジョイント部材と、
を備えても良い。
【0017】
この構成によれば、高圧空気は、高圧空気生成ユニットから、ホース、ジョイント部材および管路の順で通過し、車両のボディパネルの内側から外側まで流速を維持しながら通過することが可能である。
【0018】
また、本発明の異物除去装置において、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記流入口は前記管路出口より大きく、
前記ノズルが前記管路に連通された状態において、前記管路の外周面と前記流入口の内周面との間には隙間が形成されていても良い。
【0019】
この構成によれば、ノズルを管路に連通させる際の組み立て作業が容易となる。
【0020】
また、本発明の異物除去装置において、
前記ジョイント部材は、前記カメラブラケットと一体的に形成されていても良い。
【0021】
この構成によれば、ジョイント部材を管路に取り付ける作業が省略されるため、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率がさらに向上する。
【0022】
また、本発明の異物除去装置において、
前記ノズルユニットは、前記カメラブラケットと一体的に形成されていても良い。
【0023】
この構成によれば、ノズルユニットを車両のボディパネルに取り付けるための専用ブラケットを準備する必要がなくなり、取り付けの汎用性が向上とするとともに、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率がさらに向上する。
【0024】
また、本発明の異物除去装置において、
前記ノズルユニットは、前記車載カメラのハウジングに接着部材を介して取り付けられても良い。
【0025】
この構成によれば、ノズルユニットを車両のボディパネルに取り付けるための専用ブラケットを準備する必要がなくなり、取り付けの汎用性が向上とするとともに、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率がさらに向上する。
【0026】
また、本発明の異物除去装置において、
前記高圧空気生成ユニットは、前記高圧空気を排出する排出口を有し、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記排出口と前記流入口とを接続するホースを、備え、
前記ホースは、前記貫通孔を通過していても良い。
【0027】
この構成によれば、ホースがカメラブラケットの貫通孔を介してボディパネルの内側から外側へ通過しており、高圧空気をボディパネルの外側に通過させる構成を簡易に実現できる。
【0028】
また、本発明の異物除去装置は、
カメラのレンズに付着した異物を除去するための異物除去装置であって、
前記レンズがパネル部材の外側に向けて露出した状態で、前記カメラを前記パネル部材に取り付けるためのカメラブラケットと、
前記パネル部材の内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルを有するノズルユニットと、を備え、
前記カメラブラケットには、貫通孔が形成され、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気は、前記貫通孔を介して前記パネル部材の内側から外側に通過するとともに、前記ノズルから前記レンズに向けて噴射される。
【0029】
この構成によれば、高圧空気生成ユニットが生成する高圧空気は、カメラブラケットに形成された貫通孔を介して、パネル部材の内側から外側まで通過することが可能である。このため、パネル部材に、高圧空気を通過させるための孔を形成する必要が無い。このため、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率が向上する。
【0030】
また、本発明の異物除去装置は、
車載センサーと当該車載センサーの測定対象との間に介在する隔壁に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
前記隔壁がパネル部材の外側に向けて露出した状態で、前記車載センサーを前記パネル部材に取り付けるためのブラケットと、
前記パネル部材の内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記隔壁に向けて噴射するノズルを有するノズルユニットと、を備え、
前記ブラケットには、貫通孔が形成され、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気は、前記貫通孔を介して前記パネル部材の内側から外側に通過するとともに、前記ノズルから前記隔壁に向けて噴射される。
【0031】
また、本発明の車両は、上述の異物除去装置を備えている。
【0032】
この構成によれば、例えば、車載カメラのレンズが雨や泥等で汚れてしまった場合であっても、高圧空気を吹き付けてレンズ上の異物を除去することができる。
【0033】
また、上記目的を達成するために、本発明の異物除去装置は、
車載カメラのレンズが車両のボディパネルの外側に向けて露出した状態となるように車両に取り付けられた当該車載カメラのレンズ上の異物に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
前記ボディパネルの内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルを有するとともに、前記車載カメラのハウジングに取り付けられたノズルユニットと、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気を、前記ボディパネルの内側から外側に通過させるための管路と、
を備え、
前記管路は、前記高圧空気が流入する管路入口と、前記高圧空気が流出する管路出口と、を有し、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記流入口は前記管路出口より大きく、
前記管路出口が前記流入口に挿入されている。
【0034】
この構成によれば、ノズルユニットが車載カメラのハウジングに取り付けられているため、車載カメラを車両のボディパネルに取り付ける際に、ノズルユニットのノズルと管路とが連通することとなる。この際、ノズルの流入口は管路出口より大きいため、ノズルと管路とは接触しにくい。また、ノズルユニットが車載カメラのハウジングに取り付けられる際に、ノズルとレンズとの位置決めは完了している。このため、組立作業者は、ノズルとレンズとの位置決め精度を気にすることなく、車載カメラをボディパネルに取り付ける作業を行うことができる。このようにして、上記構成によれば、異物を除去する性能を維持しつつ、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
【0035】
また、本発明の異物除去装置は、
前記ハウジングに前記ノズルユニットが取り付けられた状態において、前記ボディパネルに対して前記車載カメラが取り付けられる際の取付方向と、前記ノズルと前記管路とが連通する際の連通方向とが、交差していても良い。
【0036】
ボディパネルに対して車載カメラが取り付けられる際の取付方向と、ノズルと管路とが連通する際の連通方向とが、交差している場合、取付方向と連通方向とが一致している場合と比較して、ノズルと管路とが接触しやすくなる。しかし、上記構成によれば、ノズルの流入口は管路出口より大きいため、ノズルと管路とは接触しにくく、組立作業の効率を向上させることができる。
【0037】
また、本発明の異物除去装置は、
前記車載カメラが前記ボディパネルに取り付けられた状態において、前記ノズルは、前記管路の外周面と前記ノズルの内周面との間に隙間が形成された状態で、前記管路と連通していても良い。
【0038】
この構成によれば、一時的にノズルの噴出口に詰まりが生じた場合であっても、管路の外周面とノズルの内周面との間の隙間がバイパス経路として機能し得るため、この隙間を利用して高圧空気の生成のための吸気を行うことができる。
【0039】
また、本発明の異物除去装置において、
前記管路は、前記隙間に外部から水が浸入することを抑制するためのリブが設けられていても良い。
【0040】
この構成によれば、隙間に水が浸入しにくくなるため、雨天等であっても異物を除去する性能を維持しやすくなる。
【0041】
また、本発明の異物除去装置は、
前記車載カメラを前記ボディパネルに取り付けるためのカメラブラケットを備え、
前記管路は、前記カメラブラケットに形成されていても良い。
【0042】
この構成によれば、車載カメラをボディパネルに取り付ける作業の効率が向上する。
【0043】
また、本発明の異物除去装置は、
カメラのレンズが車両のボディパネルの外側に向けて露出した状態となるように車両に取り付けられた当該カメラのレンズ上の異物に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
前記パネル部材の内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルを有するとともに、前記カメラのハウジングに取り付けられたノズルユニットと、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気を、前記パネル部材の内側から外側に通過させるための管路と、を備え、
前記管路は、前記高圧空気が流入する管路入口と、前記高圧空気が流出する管路出口と、を有し、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記流入口は前記管路出口より大きく、
前記管路出口が前記流入口に挿入されている。
【0044】
この構成によれば、ノズルユニットがカメラのハウジングに取り付けられているため、カメラをパネル部材に取り付ける際に、ノズルユニットのノズルと管路とが連通することとなる。この際、ノズルの流入口は管路出口より大きいため、ノズルと管路とは接触しにくい。また、ノズルユニットがカメラのハウジングに取り付けられる際に、ノズルとレンズとの位置決めは完了している。このため、組立作業者は、ノズルとレンズとの位置決め精度を気にすることなく、カメラをパネル部材に取り付ける作業を行うことができる。このようにして、上記構成によれば、異物を除去する性能を維持しつつ、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
【0045】
また、本発明の異物除去装置は、
車載センサーと当該車載センサーの測定対象との間に介在する隔壁に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
前記パネル部材の内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記隔壁に向けて噴射するノズルを有するとともに、前記車載センサーのハウジングに取り付けられたノズルユニットと、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気を、前記パネル部材の内側から外側に通過させるための管路と、
を備え、
前記管路は、前記高圧空気が流入する管路入口と、前記高圧空気が流出する管路出口と、を有し、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記流入口は前記管路出口より大きく、
前記管路出口が前記流入口に挿入されている。
【0046】
また、本発明の車両は、上述の異物除去装置を備えている。
【0047】
この構成によれば、例えば、車載カメラのレンズが雨や泥等で汚れてしまった場合であっても、高圧空気を吹き付けてレンズ上の異物を除去することができる。
【0048】
また、本発明に係る異物除去装置は、
車載カメラのレンズが車両の車体パネルの外側に向けて露出した状態となるように車両に取り付けられた前記車載カメラのレンズ上の異物を除去する異物除去装置であって、
高圧空気を生成する生成部と、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルと、
を備え、
前記ノズルは、前記車体パネルの内側面に取り付けられるとともに、その先端部が前記車体パネルと前記車載カメラとの間に形成された隙間を介して車両外部に突出して前記レンズの前面に向けて配置されている。
上記「車体パネル」は、車両のボディパネルや、ボディパネルの外側に設けられたガーニッシュを含むものである。
【0049】
上記構成によれば、ノズルは、車両の車体パネルの内側面に取り付けられるとともに、ノズル先端部が車体パネルと車載カメラとの間に形成された隙間を介して車両外部に突出するように設けられている。このため、カメラおよびノズルを車両に取り付ける際には、ノズルを車体パネルの内側面に取り付けて、その後カメラを車体パネルの開口部から挿入して車体パネルに取り付けることができる。そのため、ノズル先端部が車体パネルに取り付けられる車載カメラと干渉することなく配置することができる。したがって、異物除去装置を取り付けるための車体パネルへの後加工の必要がなく、異物除去装置を車両に取り付ける際の汎用性や作業効率が向上する。
【0050】
前記ノズルの前記先端部は、前記レンズに対向する側と反対側に屈曲された後に前記レンズ側に向けて再び屈曲されて開口した形状を備えていることが好ましい。
【0051】
上記構成によれば、ガーニッシュとカメラ取付部材との間の隙間が狭小である場合でも、ノズルの先端部を略S字状に屈曲して形成することで車載カメラのレンズに対してノズル先端部の最適な位置を確保することができ、異物を除去する性能を維持することができる。
【0052】
前記ノズルの噴射口の中心を通る線と、前記レンズの頂点の接線とのなす角度が、0°以上60°以下であることが好ましい。
【0053】
前記レンズを上下方向において6等分したときに、前記ノズルの噴射口の中心を通る線が前記レンズの上から2番目の領域と交差することが好ましい。
【0054】
これらの構成によれば、レンズの表面全体に高圧空気を吹き付けやすくなり、異物除去の性能を向上させることができる。
【0055】
前記ノズルの前記先端部は、前記レンズと対向する内側部材と、前記内側部材を間に前記レンズとは反対側に配置された外側部材と、を備え、
前記内側部材と前記外側部材とが結合されて中空状の前記先端部が形成されていることが好ましい。
【0056】
上記構成によれば、ノズル先端部を内側部材と外側部材の部分に分けて形成し、これらを結合して組み立てる構成とすることで、先端部の形状の設計自由度を向上させるとともに、金型作製に係る費用を軽減することができる。
【0057】
前記先端部は、前記内側部材と前記外側部材とを連結する連結部をさらに備え、
前記連結部を折り曲げることで前記内側部材と前記外側部材とが結合されることが好ましい。
【0058】
上記構成によれば、内側部材と外側部材とを連結部を介して連結しているため、内側部材と外側部材とを結合するための作業が容易である。
【0059】
また、本発明の別の例に係る異物除去装置は、
カメラのレンズがパネル部材の外側に向けて露出した状態となるように前記パネル部材に取り付けられた前記カメラのレンズ上の異物を除去する異物除去装置であって、
高圧空気を生成する生成部と、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルと、
を備え、
前記ノズルは、前記パネル部材の内側面に取り付けられるとともに、その先端部が前記パネル部材と前記カメラとの間に形成された隙間を介して前記パネル部材の外部に突出して前記レンズの前面に向けて配置されている。
【0060】
上記構成によれば、カメラおよびノズルをパネル部材に取り付ける際には、ノズルをパネル部材の内側面に取り付けて、その後カメラをパネル部材の開口部から挿入してパネル部材に取り付けることができる。そのため、ノズル先端部がパネル部材に取り付けられるカメラと干渉することなく配置することができる。したがって、異物除去装置を取り付けるためのパネル部材への後加工の必要がなく、異物除去装置を車両に取り付ける際の汎用性や作業効率が向上する。
【0061】
また、本発明に係る異物除去装置は、
車載センサーと当該車載センサーの測定対象との間に介在する隔壁に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
高圧空気を生成する生成部と、
前記高圧空気を前記隔壁に向けて噴射するノズルと、
を備え、
前記ノズルは、前記パネル部材の内側面に取り付けられるとともに、その先端部が前記パネル部材と前記車載センサーとの間に形成された隙間を介して前記パネル部材の外部に突出して前記隔壁の前面に向けて配置されている。
【0062】
また、本発明の車両は、上述の異物除去装置を備えている。
【0063】
この構成によれば、例えば、車載カメラのレンズが雨や泥等で汚れてしまった場合であっても、高圧空気を吹き付けてレンズ上の異物を除去することができ、車載カメラから得られる情報の精度を高めることができる。
【発明の効果】
【0064】
本発明の異物除去装置および当該異物除去装置を備える車両によれば、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
【0065】
また、本発明の異物除去装置によれば、異物を除去する性能を維持しつつ、車両に取り付ける際の汎用性や作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1図1中の(a)は、車両の背面図(異物除去装置は透視で図示)であり、図1中の(b)は、車両の後部の側面図(異物除去装置は透視で図示)であり、図1中の(c)は、車両の後部の部分拡大図である。
図2図2中の(a),(b)は異物除去装置が取り付けられる位置の別の例を示す図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る異物除去装置の斜視図である。
図4】異物除去装置が備える高圧空気生成ユニットの構成図である。
図5】異物除去装置が備える車載カメラの取付位置を説明するための図である。
図6図6中の(a),(b)は車載カメラが組付けられるカメラブラケットを説明するための図である。
図7図6中の(b)のC−C線における縦断面図である。
図8図8中の(a),(b)は、カメラブラケットの変形例を説明するための図である。
図9図6中の(b)のC−C線における縦断面図である。
図10図10中の(a),(b),(c)は、カメラブラケットの組付け手順を説明するための図である。
図11図11中の(a)は、車両の背面図(異物除去装置は透視で図示)であり、図11中の(b)は、車両の後部の側面図(異物除去装置は透視で図示)である。
図12図12中の(a),(b)は異物除去装置が取り付けられる位置の別の例を示す図である。
図13】第二実施形態の異物除去装置が備える高圧空気生成ユニットの構成図である。
図14】ガーニッシュに取り付けられた車載カメラおよびノズルユニットを示す斜視図である。
図15】ノズルユニットの断面図である。
図16】ノズルユニットおよび車載カメラのガーニッシュへの取付例を示す断面図である。
図17図17中の(a),(b)は、異物除去装置が備えるノズルと、車載カメラのレンズとの位置関係を示す概略構成図である。
図18図18中の(a),(b)は、ノズルユニットを構成する内側部材と外側部材が非係合の状態を示す斜視図であり、図18中の(c),(d)は、内側部材と外側部材が係合された状態を示す斜視図である。
図19】参考例における車載カメラを搭載したノズルユニット一体型ブラケットのガーニッシュへの取付例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、本実施形態の一例について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の異物除去装置は、例えば車載カメラのレンズに付着する水滴や泥や塵埃等の異物を除去する装置として適用される。
【0068】
(第一実施形態)
図1の(a),(b)に示すように、異物除去装置1は、例えば車両Vのバックドア200Aに取り付けられる。異物除去装置1は、モータ55を備えており、モータ55の電源端子が車両の電源ラインに接続されている。例えば、車両Vのギアがリバースに入ったことをトリガーとして、図示せぬ車両制御部(ECU)により後述する車載カメラ100による撮影が開始され、例えば撮影開始時の数秒間に異物除去装置1が車両制御部(ECU)により動作するように制御される。
【0069】
車載カメラ100は、車両の例えば後方を確認するためのカメラであり、図1の(c)に示すように、車載カメラ100のレンズ101が車両のバックドア200Aの外側に向けて露出した状態となるようにバックドア200Aに取り付けられている。車載カメラ100は、撮像部(図示省略)を有し、レンズ101は撮像部を覆っている。レンズは、光の収束や拡散をしない単なる透光性カバーも本例のレンズに含まれる。
【0070】
なお、異物除去装置1は、図2の(a),(b)に示すように、例えば車両のリアバンパー200Bに取付けられても良い。なお、車載カメラ100が取り付けられる位置は、車両の後端側に限定されず、車両の前方側や側方側等のボディパネルであっても良い。また、本例で、「ボディパネルに取り付けられる」の意味は、例えば、車載カメラがボディパネルに取り付けられたランプ、ドアノブ、ミラー、バンパー等の車両表装部品を介して取り付けられる場合や、車載カメラがこれらの部品の一部として(一体物として)搭載されている場合も含む。
また、車両の「ボディパネル」としては、車両を構成するパネル部材であれば良く、バックドア、車両前方を構成するフロントパネル、車両側方を構成するサイドパネル、フロントバンパー、サイドバンパー、リアバンパー、意匠用のカバー部材(ガーニッシュ等)が少なくとも含まれる。また、「ボディパネルの外側」とは、上述のパネル部材を構成する面のうち、車両の外側に露出している外面が向いている方向を意味し、「ボディパネルの内側」とは、前述の外面と反対側の内面が向いている方向を意味する。
【0071】
図3に示すように、異物除去装置1は、ノズルユニット2と、カメラブラケット91と、ジョイント部材3と、ホース4と、高圧空気生成ユニット5と、車載カメラ100とを備えている。
【0072】
ノズルユニット2は、車載カメラ100に対して着脱可能に構成されており、取付部21と、ノズル22とを有している。ノズルユニット2は、例えば樹脂を材料として形成されている。
【0073】
取付部21は、車載カメラ100の上面を覆うようにして車載カメラ100のハウジング102に取り付けられる。ノズル22は、高圧空気を車載カメラ100のレンズ101に向けて噴射する。ノズル22は、取付部21と一体的に形成されており、取付部21がハウジング102に取り付けられた際に、ノズル22の先端がレンズ101を向くように設けられている。ここで、「一体的に形成され」とは、ノズル22と取付部21とを作業者が組立作業時に一体の部品として取り扱うことが可能に構成されることを意味する。具体的には、例えば、ノズル22と取付部21とを、同一材料で同一金型で成形しても良いし、ノズル22と取付部21とを別々の材料でそれぞれ成形して、互いに嵌め合わせて一体的に形成して、ノズルユニット2を構成しても良い。また、他の部材について「一体的に形成され」と述べる場合も、同様に定義される。
【0074】
カメラブラケット91は、車載カメラ100を車両Vのボディパネルに取付ける。また、カメラブラケット91は、ノズル22とジョイント部材3とを連通する。
【0075】
ジョイント部材3は、カメラブラケット91とホース4とを接合する部材であり、一方側の端部がカメラブラケット91と連結され、反対側の端部がホース4と連結されている。ジョイント部材3は、例えば樹脂を材料として形成されている。
【0076】
ホース4は、ジョイント部材3とともに、ノズル22と高圧空気生成ユニット5とを接続する配管部材である。ホース4は、一方側の端部がジョイント部材3に連結され、反対側の端部が高圧空気生成ユニット5の排出口50に連結されている。ホース4は、例えば樹脂やゴム等の材料で形成されている。
【0077】
高圧空気生成ユニット5は、ノズル22に送出する高圧空気を生成するためのユニットである。高圧空気生成ユニット5は、車両の内部において車体の一部に取り付けられる。
【0078】
図4に示すように、高圧空気生成ユニット5は、ハウジング(ケース本体)51と、ハウジング51の内部に配置された移動機構(生成部)65とを有している。移動機構65は、高圧空気を生成する。高圧空気生成ユニット5において、ピストン52の移動方向は、空気を送り出す方向である後方が送出方向とされ、送出方向と反対方向である前方が溜力方向とされている。
【0079】
高圧空気が送り出される前の初期状態では、ピストン52が送出方向側に位置され、ラック53はラック部53aがピニオン54のギヤ部54aに噛合可能な状態で位置される。
【0080】
モータ(駆動源)55の駆動が開始され、モータ55の駆動力がウォーム56を介してウォームホイール57に伝達されると、ピニオン54のギヤ部54aがラック53のラック部53aに噛合される。このため、ラック53は、ピニオン54の回転に伴って付勢バネ(弾性部材)58の付勢力に反して溜力方向へ移動されていく。ラック53が溜力方向へ移動されていくと、所定の位置でギヤ部54aとラック部53aの噛合が解除される。ギヤ部54aとラック部53aの噛合が解除された位置(図4に示す位置)がピストン52の下死点とされる。ピストン52が下死点に位置された状態では、ピストン支持部59の内部空間60における前側略半分の部分(第2の空間)60bに流入された空気(外気)が段差61aに沿い隙間61bを通って内部空間60における後側略半分の部分(第1の空間)60aへ向けて流動される。
【0081】
ピストン52が下死点まで移動されると、ギヤ部54aとラック部53aの噛合が解除され、ピストン52が付勢バネ58の付勢力によって溜力方向への移動速度より高速で送出方向へ移動される。これにより、第2の空間60bから第1の空間60aに流動された空気が第1の空間60aから連結突部62の排出口50を通ってホース4を介しノズルユニット2のノズル22へ向けて送出される。このとき、排出口50の径がピストン支持部59の径よりも小さく形成されているため、第1の空間60aから排出口50を通って排出される空気は圧縮されて高圧空気となって送出される。移動機構65は、ピストン52を繰り返し高速移動させて、連続的に高圧空気を生成する。
【0082】
図5に示すように、車載カメラ100は、例えば車両Vのリアバンパー200Bの外面を構成するリアバンパーパネル(パネル部材の一例)200bに対して固定されている。リアバンパーパネル200bには、車載カメラ100を取付けるための孔210が形成されており、車載カメラ100は、孔210に嵌め込まれた状態でカメラブラケット91を介してリアバンパーパネル200bに固定されている。本例では車載カメラ100のレンズを含む一部分がリアバンパー200Bの外側に露出するように配置され、高圧空気生成ユニット(図示省略)がリアバンパー200Bの内側に配置されている。
【0083】
図6の(a)は、カメラブラケット91に組付けられる車載カメラ100とノズルユニット2を示す。図6の(b)は、車載カメラ100とノズルユニット2がカメラブラケット91に組付けられた状態を示す。また、図7は、図6の(b)のC−C矢視の断面図を示す。図7では、リアバンパーパネル200bに対する車載カメラ100の位置関係を理解するためにリアバンパーパネル200bの一部を表示している。
【0084】
カメラブラケット91は、図7に示すように、車載カメラ100のレンズ101をリアバンパーパネル200bの外側に向けて露出させた状態で、車載カメラ100をリアバンパーパネル200bに取り付ける。
【0085】
図6の(a),(b)に示すように、カメラブラケット91には、管路(貫通孔の一例)92と、開口部95とが設けられている。管路92は、ジョイント部材3とノズル22とを連結する管であり、ジョイント部材3が連結される側の端部にジョイント側連結部92Aを有し、ノズル22が連結される側の端部にノズル側連結部92Bを有している。管路92内には高圧空気が通過する連通路が形成されており、ジョイント側連結部92Aには高圧空気が流入する管路入口93が設けられ、ノズル側連結部92Bには高圧空気が流出する管路出口94が設けられている。
【0086】
開口部95は、車載カメラ100が収納される部位である。車載カメラ100は、電源端子、信号端子等が設けられたコネクタ部103を有している。コネクタ部103は、例えば車載カメラ100のレンズ101が設けられている前部とは反対側の車載カメラ100の背部に設けられている。
【0087】
車載カメラ100は、略立方体形状を有したハウジング102を備えている。ハウジング102内には、車載カメラ100のレンズ101がハウジング102の前面から一部が露出した状態で設けられている。
【0088】
ノズルユニット2は、接着部材(例えば両面テープ)25を介してハウジング102の上面10Aに貼り付けられる。ノズルユニット2のノズル22は、連通部22Aと、延伸部22Bと、噴出部22Cとを有している。連通部22Aは、管路92の管路出口94と連通される部分である。連通部22Aには、高圧空気が流入する流入口23が設けられている。延伸部22Bは、連通部22Aと噴出部22Cとを連通する部分である。噴出部22Cは、高圧空気が噴出される部分であり、例えば横長(例えば、長方形、楕円形等)に開口する噴出口24が設けられている。連通部22Aの流入口23に流入した高圧空気は、連通部22A、延伸部22B、及び噴出部22C内に形成されている連通路を通って噴出部22Cの噴出口24から噴出される。
【0089】
ジョイント部材3は、カメラブラケット91の管路92における管路入口93に連結される。本例のジョイント部材3は、カメラブラケット91と一体的に形成されている。なお、ジョイント部材3とカメラブラケット91とを別部品で準備し、組み立て時に互いに組み合わせる構成であっても良い。
【0090】
このような構成の車載カメラ100とノズルユニット2は、以下のように手順でカメラブラケット91に組付けられる。先ず、ノズル22が接着部材25でカメラ100の上面102Aに貼り付けられる。この場合、ノズル22の噴出口24がカメラ100の中心点を向くように調整して貼り付けられる。続いて、車載カメラ100のコネクタ部103がカメラブラケット91の開口部95内に挿入される。車載カメラ100は、挿入されたコネクタ部103側の端部を中心として、レンズ101側が車載カメラ100の上面102A方向へ回転され、上面102Aに貼り付けられているノズル22がカメラブラケット91の管路92に近づけられる。さらに回転されると、管路92のノズル側連結部92Bの管路出口94が、ノズル22の連通部22Aの流入口23に挿入されて、ノズル22が管路92と連通される。このような状態になると例えばカメラブラケット91の係合部が車載カメラ100の係合部と係合して組付けが完了する。
【0091】
なお、ノズルユニット2は、カメラブラケット91と一体的に形成されていても良い。この場合、カメラブラケット91の開口部95に対して車載カメラ100を開口部95内に組付けることができる組付け経路が確保されるようにノズルユニット2をカメラブラケット91と一体的に組付ける。
【0092】
図7に示すように、ノズル側連結部92Bの管路出口94の断面積は、連通部22Aの流入口23の断面積よりも小さく形成されている。このため、ノズル22が管路92に連通された状態において、ノズル側連結部92Bの外周面と連通部22Aの内周面との間には、隙間96A,96Bが形成される。隙間96Aは開口97を介して、隙間96Bは開口98を介してそれぞれノズル22内の連通路71と連通されている。開口97の断面積d1及び開口98の断面積d2は、ノズル22の噴出口24の断面積よりも小さく形成されている。
【0093】
カメラブラケット91に組付けられた車載カメラ100は、リアバンパーパネル200bに形成された孔210に嵌め込まれてリアバンパーパネル200bに取付けられる。高圧空気は、ジョイント部材3から管路92を通過してノズル22へ送られ、レンズ101に向けて噴射される。
【0094】
この構成によれば、高圧空気生成ユニット5が生成した高圧空気は、カメラブラケット91に設けられた管路92を介してリアバンパーパネル200bの内側から外側まで通過することが可能である。このため、リアバンパーパネル200bに、高圧空気を通過させるための専用の孔を形成する必要が無い。よって、異物除去装置1を車両Vに取り付ける際の作業効率が向上する。なお、本例で「ボディパネルの内側から外側へ通過する」とは、上述のリアバンパーパネル等のパネル部材の内側の空間から外側の空間へ高圧空気が移動することを意味する。
【0095】
また、高圧空気は、高圧空気生成ユニット5から、ホース4、ジョイント部材3および管路92の順で通過し、リアバンパーパネル200bの内側から外側まで流速を維持しながら通過することが可能である。
【0096】
また、ノズル22が貼り付けられた状態の車載カメラ100をカメラブラケット91に対して組付ける場合、断面積が大きいノズル22の流入口23内に、断面積が小さい管路92の管路出口94を挿入させることによりノズル22と管路92とを連通させる構成とされている。この構成によれば、ノズル22を管路92に連通させる際の組み立て作業が容易となり作業効率が向上する。また、車載カメラ100をカメラブラケット91に組付ける際にノズル22の連通部22Aを管路92のノズル側連結部92Bに接触させずに組付けることができるので、レンズ101に対するノズル22の位置にズレが生じるのが抑制できる。また、高圧空気が管路92からノズル22に移動する際の空気の漏れが少なく、管路92からノズル22に移動する際の圧力損失を小さくすることができる。
【0097】
また、ジョイント部材3をカメラブラケット91と一体的に形成することで、ジョイント部材3を管路92に取り付ける作業が省略されるため、異物除去装置1を車両Vに取り付ける際の作業効率がさらに向上する。
【0098】
また、ノズルユニット2をカメラブラケット91と一体的に形成することで、ノズルユニット2をリアバンパーパネル200bに取り付けるための専用ブラケットを準備する必要がなくなり、取り付けの汎用性が向上とするとともに、異物除去装置1を車両Vに取り付ける際の作業効率がさらに向上する。
【0099】
また、ノズルユニット2を両面テープ25で取り付けることができるので、ノズルユニット2をリアバンパーパネル200bに取り付けるための専用ブラケットを準備する必要がなくなり、取り付けの汎用性が向上とするとともに、異物除去装置1を車両Vに取り付ける際の作業効率がさらに向上する。
【0100】
また、上記構成の異物除去装置1を車両Vに搭載することにより、例えば、車載カメラ100のレンズ101が雨や泥等で汚れてしまった場合であっても、高圧空気を吹き付けてレンズ上の異物を除去することができる。
【0101】
次に、カメラブラケット91に形成された管路(貫通孔)92の変形例について図8を参照して説明する。
図8の(a)は、車載カメラ110が組付けられたカメラブラケット91が、リアバンパー200Bのアウターパネル200cに取付けられている状態を表している。図8の(b)は、カメラブラケット91に形成されている貫通孔192を示す。
【0102】
変形例の貫通孔192は、ホース4が通過するための貫通孔192である点で、ノズル22とジョイント部材3とを連通させるために形成されている管路(貫通孔)92(図6参照)と相違している。
【0103】
貫通孔192は、カメラブラケット91がアウターパネル200cに対して取り付けられる面に対して例えば略垂直方向へカメラブラケット91を貫通するように形成されている。カメラブラケット91に形成された貫通孔192には、ホース4が通過するように構成されている。貫通孔192に通されたホース4の一方の端部は、アウターパネル200cの外側に配置されているノズル22の流入口23に接続されている。また、ホース4の反対側の端部は、アウターパネル200cの内側に配置された高圧空気生成ユニット(図示省略)5の排出口50に接続されている。ノズル22は、車載カメラ100に取り付けられている。
【0104】
なお、本例ではアウターパネル200cの外側に突出して配置されている車載カメラ100等を覆うようにガーニッシュ201が設けられている。
【0105】
この構成によれば、ホース4がカメラブラケット91の貫通孔192を介してアウターパネル200cの内側から外側へ通過しており、アウターパネル200cの内側で生成された高圧空気をアウターパネル200cの外側に通過させる構成を簡易に実現することができる。このため、異物除去装置1を車両Vに取り付ける際の作業効率が向上する。
【0106】
なお、上述のように、ノズルユニット2は、カメラブラケット91と一体的に形成されていても良い。この場合、カメラブラケット91の開口部95に対して車載カメラ100を開口部95内に組付けることができる組付け経路が確保されるようにノズルユニット2をカメラブラケット91と一体的に組付けても良い。
【0107】
図9に示すように、ノズル側連結部92Bの管路出口94の断面積は、連通部22Aの流入口23の断面積よりも小さく形成されている。車載カメラ100がカメラブラケット91に組付けられたとき、ノズル側連結部92Bにおける管路出口94に近い側の一部分が連通部22Aの流入口23内に挿入される。ノズル22が管路92に連通された状態において、ノズル側連結部92Bの外周面と連通部22Aの内周面との間には、隙間96A,96Bが形成される。隙間96Aは、ノズル側連結部92Bの先端部(管路出口94の壁)と連通部22Aの奥側との間に形成される開口97を介して、隙間96Bは、同様の間に形成される開口98を介してそれぞれノズル22内の連通路71と連通されている。
【0108】
連通路71は、噴出口24に近い側の連通路71の一部分が、ノズル22(延伸部22B、噴出部22C)の壁とハウジング102の前面の肩部等とによって形成されている。開口97の断面積d1及び開口98の断面積d2は、ノズル22の噴出口24の断面積よりも小さく形成されている。
【0109】
管路92の先端部には、カバー部(リブの一例)99が形成されている。カバー部99は、ノズル側連結部92Bの一部を構成しており、管路出口94の外周側に形成されている。ノズル22が管路92に連通された状態において、カバー部99は、ノズル22の連通部22Aの外側に上記隙間96Bと同程度の隙間を空けつつ連通部22Aを覆うように配置される。
【0110】
上記隙間96Bは、カバー部99により形成される隙間と連通しており、カバー部99の先端部とノズル22の連通部22Aとの間に形成される開口118を介してノズル22の外部と連通されている。上記隙間96Aは、ノズル側連結部92Bの奥側と連通部22Aの先端部(流入口23の壁)との間に形成される開口117を介してノズル22の外部と連通されている。隙間96Aは開口97及び開口117と共に、隙間96Bは開口98及び開口118と共に、それぞれ連通路71とノズル22の外部とを連通するバイパス経路を形成する。
【0111】
カメラブラケット91に組付けられた車載カメラ100は、リアバンパーパネル200bに形成された孔210に嵌め込まれてリアバンパーパネル200bに取付けられる。高圧空気は、ジョイント部材3から管路92を通過してノズル22へ送られ、レンズ101に向けて噴射される。
【0112】
このような構成の車載カメラ100は、図10の(a)〜(c)に示す手順でカメラブラケット91に組付けられる。
準備段階として、ノズル22が接着部材25によってカメラ100の上面102Aに貼り付けられる。この場合、ノズル22の噴出口24がカメラ100の中心点を向くように調整して貼り付けられる。
【0113】
先ず、図10の(a)に示すように、車載カメラ100が、カメラブラケット91の開口部95を通してカメラブラケット91内(矢印Xの方向へ)挿入される。このとき、車載カメラ100のコネクタ部103は、カメラブラケット91の背壁に形成されている開口120に挿入される。本例では、この矢印Xの方向が、リアバンパーパネル200bに対して車載カメラ100が取り付けられる際の取付方向とされる。
【0114】
続いて、図10の(b)に示すように、車載カメラ100は、挿入されているコネクタ部103の先端側を中心として、車載カメラ100のレンズ101側が車載カメラ100の上面102A方向に向けて回転される。これにより、ハウジング102の上面102Aに貼り付けられているノズル22がカメラブラケット91の管路92に近づけられる。本例では、この矢印Yの方向が、ノズル22と管路92とが連通する際の連通方向とされる。本例で、取付方向Xと連通方向Yとは交差する関係である(図10の(c)参照)。
【0115】
続いて、図10の(c)に示すように、さらに車載カメラ100が連通方向へ回転されると、管路92のノズル側連結部92Bが、ノズル22の連通部22Aの流入口23に挿入されて、ノズル22が管路92と連通される。
【0116】
このような状態になると例えばカメラブラケット91の係合部が車載カメラ100の係合部と係合して組付けが完了する。
【0117】
この構成によれば、ノズルユニット2が車載カメラ100のハウジング102に取り付けられているため、車載カメラ100を車両Vのリアバンパーパネル200bに取り付ける際に、ノズルユニット2のノズル22と管路92とが連通することとなる。ノズル22の流入口23は管路92の管路出口94より大きいため、管路92のノズル側連結部92Bが、ノズル22の流入口23に挿入される際に、ノズル22と管路92とは接触しにくい。また、上記構成によれば、高圧空気が管路92からノズル22に移動する際の空気の漏れが少なく、管路92からノズル22に移動する際の圧力損失を小さくすることができる。また、車載カメラ100のレンズ101に対するノズルユニット2のノズル22の位置決めは、ノズルユニット2が車載カメラ100のハウジング102に取り付けられる際に完了している。このため、組立作業者は、ノズル22とレンズ101との位置決め精度を気にすることなく、車載カメラ100をリアバンパーパネル200bに取り付ける作業を行うことができる。このように、異物を除去する性能を維持しつつ、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
【0118】
また、高圧空気生成ユニット5が生成した高圧空気は、カメラブラケット91に設けられた管路92を介してリアバンパーパネル200bの内側から外側まで通過することが可能である。このため、リアバンパーパネル200bに、高圧空気を通過させるための専用の孔を形成する必要が無い。よって、異物除去装置1を車両Vに取り付ける際の作業効率が向上する。なお、本例で「ボディパネルの内側から外側へ通過する」とは、上述のリアバンパーパネル等のパネル部材の内側の空間から外側の空間へ高圧空気が移動することを意味する。
【0119】
ところで、リアバンパーパネル200bに対して車載カメラ100が取り付けられる際の取付方向Xと、ノズル22と管路92とが連通する際の連通方向Yとが、交差している場合、取付方向Xと連通方向Yとが一致している場合と比較して、ノズル22と管路92とが接触しやすくなる。
【0120】
これに対して、本形態の構成によれば、ノズル22の流入口23は、管路92の管路出口94より大きく形成されているため、ノズル22と管路92とは接触しにくく、組立作業の効率を向上させることができる。
【0121】
また、一時的にノズルの噴出口24に詰まりが生じた場合であっても、管路92の外周面とノズル22の内周面との間の隙間96A,96Bがバイパス経路として機能し得るため、この隙間96A,96Bを利用して高圧空気を生成するための吸気を行うことができる。
【0122】
また、管路92の先端部にはカバー部99が形成されているので、隙間96Bに水が浸入しにくくなり、雨天等であっても異物を除去する性能を維持しやすくなる。
【0123】
また、車載カメラ100は、予めカメラブラケット91に取付けられているので、車載カメラ100をリアバンパーパネル200bに取り付ける作業の効率が向上する。
【0124】
また、上記構成の異物除去装置1を車両Vに搭載することにより、例えば、車載カメラ100のレンズ101が雨や泥等で汚れてしまった場合であっても、高圧空気を吹き付けてレンズ上の異物を除去することができる。
【0125】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。
図11の(a),(b)に示すように、異物除去装置1001は、例えば車両Vのバックドア1200Aに取り付けられる。異物除去装置1001は、駆動部1055を備えており、駆動部1055の電源端子が車両Vの電源ラインに接続されている。例えば、車両Vのギアがリバースに入ったことをトリガーとして、図示せぬ車両制御部(ECU)により後述する車載カメラ1100による撮影が開始され、例えば撮影開始時の数秒間に異物除去装置1001が車両制御部(ECU)により動作するように制御される。
【0126】
異物除去装置1001は、ノズルユニット1002と、ホース1004と、高圧空気生成ユニット(生成部の一例)1005とを備えている。ホース1004は、ノズルユニット1002と高圧空気生成ユニット1005とを接続する配管部材である。高圧空気生成ユニット1005は、ノズル1022に送出する高圧空気を生成するためのユニットである。高圧空気生成ユニット1005は、車両Vの内部において車体の一部に取り付けられる。
【0127】
なお、異物除去装置1001は、図12の(a),(b)に示すように、例えば車両Vのリアバンパー1200Bに取り付けられても良い。
【0128】
図13に示すように、高圧空気生成ユニット1005は、ケース体1051と、ケース体1051の内部に配置された移動機構とを有している。高圧空気生成ユニット1005において、ピストン1052の移動方向は、空気を送り出す方向である後方が送出方向とされ、送出方向と反対方向である前方が溜力方向とされている。
【0129】
高圧空気が送り出される前の初期状態では、ピストン1052が送出方向側に位置され、ラック1053はラック部1053aがピニオン1054のギヤ部1054aに噛合可能な状態で位置される。
【0130】
モータ(駆動部)1055の駆動が開始され、モータ1055の駆動力がウォーム1056を介してウォームホイール1057に伝達されると、ピニオン1054のギヤ部1054aがラック1053のラック部1053aに噛合される。このため、ラック1053は、ピニオン1054の回転に伴って付勢バネ1058の付勢力に反して溜力方向へ移動されていく。ラック1053が溜力方向へ移動されていくと、所定の位置でギヤ部1054aとラック部1053aの噛合が解除される。ギヤ部1054aとラック部1053aの噛合が解除された位置がピストン1052の下死点とされる。ピストン1052が下死点に位置された状態では、ピストン支持部1059の内部空間1060における前側略半分の部分(第2の空間)1060bに流入された空気(外気)が段差1061aに沿い隙間1061bを通って内部空間1060における後側略半分の部分(第1の空間)1060aへ向けて流動される。
【0131】
ピストン1052が下死点まで移動されると、ギヤ部1054aとラック部1053aの噛合が解除され、ピストン1052が付勢バネ1058の付勢力によって溜力方向への移動速度より高速で送出方向へ移動される。これにより、第2の空間1060bから第1の空間1060aに流動された空気が第1の空間1060aから連結突部1062の排出口1050を通ってホース1004を介しノズルユニット1002のノズル1022へ向けて送出される。このとき、排出口1050の径がピストン支持部1059の径よりも小さく形成されているため、第1の空間1060aから排出口1050を通って排出される空気は圧縮されて高圧空気となって送出される。
【0132】
車載カメラ1100は、車両の例えば後方を確認するためのカメラであり、図14に示すように、バックドア1200Aを構成するボディパネル1210の外側に設けられたガーニッシュ1300(車体パネルの一例)にカメラ取付部材1110を介して取り付けられている。これにより、車載カメラ1100のレンズ1101がガーニッシュ1300の外側に向けて露出した状態となるように配置されている。車載カメラ1100は、撮像部(図示省略)を有し、レンズ1101は撮像部を覆っている。レンズ1101は、光の収束や拡散をしない単なる透光性カバーも本例のレンズに含まれる。なお、車載カメラ1100が取り付けられる位置は、車両の後端側に限定されず、車両の前方側や側方側等のボディパネルであっても良い。また、車載カメラ1100は、ボディパネルに取り付けられたランプ、ドアノブ、ミラー、バンパー等の車両表装部品を介して車体に取り付けられても良く、車載カメラ1100がこれらの部品の一部として(一体物として)搭載されていても良い。
【0133】
図14に示すように、ノズルユニット1002は、ガーニッシュ1300の内側面(ボディパネル1210と対向する面1301A,1301Bに取り付けられており、取付部1021と、ノズル1022とを有している。ノズルユニット1002は、例えば樹脂を材料として形成されている。
【0134】
ガーニッシュ1300は、内側面1301Aを備える第一面1301a(図16参照)が車両の上下方向にほぼ沿った方向に延び、内側面1301Bを備える第二面1301b(図16参照)が車両の水平方向にほぼ沿った方向に延びた略L字状に形成されている。取付部1021は、第一取付部1021Aと、第二取付部1021Bとを有している。第一取付部1021Aは、ノズル1022から側方に突出し、ガーニッシュ1300の第一面1301a(内側面1301A)に接着テープTにより接着される第一接着面1021A1を備えている。第二取付部1021Bは、第一取付部1021Aから下方に突出し、ガーニッシュ1300の第二面1301b(内側面1301B)に接着テープTにより接着される第二接着面1021B1を備えている。なお、第一取付部1021Aおよび第二取付部1021Bは、両面テープ等の接着テープTによる接着方法以外に、接着剤による接着やネジ止めによる係合等を採用することもできる。
【0135】
ノズル1022は、高圧空気を車載カメラ1100のレンズ1101に向けて噴射する。ノズル1022は、取付部1021と一体的に形成されており、取付部1021がガーニッシュ1300に取り付けられた際に、ノズル1022の先端がレンズ1101を向くように設けられている。ここで、「一体的に形成され」とは、ノズル1022と取付部1021とを作業者が組立作業時に一体の部品として取り扱うこと可能に構成されることを意味する。具体的には、例えば、ノズル1022と取付部1021とを、同一材料で同一金型で成形しても良いし、ノズル1022と取付部1021とを別々の材料でそれぞれ成形して、互いに嵌め合わせて一体的に形成して、ノズルユニット1002を構成しても良い。
【0136】
図15に示すように、ノズル1022は、接続部1022Aと、延伸部1022Bと、噴出部1022Cとを有している。接続部1022Aは、ホース1004が接続される部分である。接続部1022Aには、高圧空気が流入する流入口1023が設けられている。延伸部1022Bは、接続部1022Aと噴出部1022Cとを連通する部分である。噴出部1022Cは、高圧空気が噴出される部分である。
【0137】
噴出部1022Cは、レンズ1101に対向する側と反対側に屈曲された後にレンズ1101側に向けて再び屈曲されて開口した形状を備えている。すなわち、噴出部1022Cは、略S字状に形成され、図16に示すように、その先端に設けられた噴出口1024がレンズ1101の前面に向けて配置されている。接続部1022Aの流入口1023に流入した高圧空気は、延伸部1022B内に形成されている連通路を通って噴出部1022Cの噴出口1024から噴出される。
【0138】
図16に示すように、ガーニッシュ1300の開口部1302において、ガーニッシュ1300とガーニッシュ1300に取り付けられる車載カメラ1100およびカメラ取付部材1110との間には一定の隙間Sが形成されている。ノズル1022の噴出部1022Cは、この隙間Sを介してガーニッシュ1300の開口部1302から車両外部に突出している。
【0139】
上述の通り、ノズルユニット1002は、車載カメラ1100に対して着脱可能に構成されているが、図17の(a)に示すように、ノズル1022の噴射口1024の中心を通る線Cと、レンズ1101の頂点の接線Lとのなす角度をθとすると、角度θが0°以上60°以下となるように、レンズ1101に対するノズル1022の位置決めが行われている。角度θは、5°以上30°以下であることが好ましい。このように、レンズ1101に対して、ノズル1022の噴射口1024を所定の傾きを保って配置することで、レンズ1101の表面全体に高圧空気を吹き付けやすくなり、水滴の除去の性能を向上させることができる。なお、車載カメラに搭載されるレンズが、本実施形態のように曲面状のレンズ1101ではなく、平面レンズ(例えば、平凹レンズ)である場合には、平面レンズの表面に沿った線が上記の接線Lとみなされ、レンズ平面とノズル1022の噴射口1024の中心線Cとのなす角度θが0°以上60°以下となるように、平面レンズに対するノズル1022の位置決めを行えばよい。
【0140】
また、図17の(b)に示すように、レンズ1101を上下方向において6等分し、上から第1領域1101A,第2領域1101B,第3領域1101C,第4領域1101D,第5領域1101Eおよび第6領域1101Fとしたときに、ノズル1022の噴射口1024の中心線Cがレンズ1101の上から二番目の第2領域1101Bに交差することが好ましい。このように、ノズル1022の噴射口1024をレンズ1101の上側の一定領域(第2領域1101B)に向けて位置決めすることで、レンズ1101の表面全体に高圧空気を吹き付けやすくなり、水滴除去の性能を向上させることができる。
【0141】
図18の(a),(b)に示すように、噴出部1022Cは、内側部材1025と、外側部材1026と、連結部1027とから構成されている。内側部材1025は、ノズルユニット1002がガーニッシュ1300に取り付けられた状態で、レンズ1101と対向する一方の壁部を構成している。内側部材1025は外側部材1026側に向けて突出する突部1025aを有している。外側部材1026は、内側部材1025を間にレンズ1101とは反対側に配置され、ノズル1022の延伸部1022Bから直接延びる他方の壁部を構成している。外側部材1026は内側部材1025の突部1025aを受け入れるための溝部1026aを有している。連結部1027は、内側部材1025と外側部材1026とを連結する部材であって、二本一対の細径線部から構成されている。内側部材1025は、その外形が、外側部材1026の溝部1026aの外形に応じた形状となっており、図17の(c),(d)に示すように、連結部1027を折り曲げることで内側部材1025が外側部材1026内に収容されて(内側部材1025と外側部材1026とが結合されて)中空状の噴出部1022Cが形成される。
【0142】
次に、異物除去装置1001の動作について、図11および図13を再度参照して説明する。
高圧空気生成ユニット1005において駆動モータの駆動が開始されると、先ず、高圧空気を生成するための空気(外気)が吸い込まれる。空気は、ノズル1022の噴出口1024から流入され、延伸部1022B内の連通路を通って流入口1023から高圧空気生成ユニット1005へ吸い込まれる。吸い込まれた空気は、付勢バネ1058の付勢力によるピストン運動により、高圧空気生成ユニット1005の排出口1050からホース1004へ高圧空気となって送出される。高圧空気は、ホース1004からジョイント部材1003を通ってノズルユニット1002のノズル1022へ送出される。
【0143】
高圧空気は、ノズル1022の流入口1023に流入され、連通路を通って噴出口1024から噴出される。噴出口1024から噴出された高圧空気は、車載カメラ1100のレンズ1101に向けて吹き付けられる。これにより、レンズ1101に付着されている水滴、塵埃、泥等の異物が吹き飛ばされてレンズ1101の汚れが解消される。
【0144】
ところで、図19に示す異物除去装置のように、車載カメラ1100をガーニッシュ1300に取り付けるための専用のブラケット1110Aにノズルユニット1002Aが一体成形されている構成では、ボディパネルにガーニッシュ1300を取り付けた後にブラケット1110Aを介して車載カメラ1100をガーニッシュ1300に取り付けようとすると、ガーニッシュ1300の開口部1302の大きさに対してノズルユニット1002Aを備えたブラケット1110Aが干渉してしまう。そのため、ガーニッシュ1300の開口部1302から車載カメラ1100を搭載したノズルユニット1002A付きブラケット1110Aを挿入してガーニッシュ1300に取り付けることができない。そのため、ガーニッシュ1300をボディパネルからいったん取り外したり、ガーニッシュ1300の開口部1302の大きさを拡大・変更したりする必要があり、車載カメラ1100やノズルユニット1002Aを車両に取り付ける際の汎用性が低かった。
【0145】
これに対して、本実施形態の異物除去装置1001によれば、図16に示すように、ノズルユニット1002は、ガーニッシュ1300の内側面に取り付けられるとともに、ノズル1022の先端部である噴出部、ガーニッシュ1300と、車載カメラ1100または車載カメラ1100をガーニッシュ1300に取り付けるためのカメラ取付部材1110との間に形成された隙間Sを介して、車両外部に突出して車載カメラ1100のレンズ1101の前面に向けて配置されている。このため、カメラ1100およびノズルユニット1002を車両に取り付ける際には、ガーニッシュ1300をボディパネル1210に取り付けた状態でノズルユニット1002をガーニッシュ1300の内側面1301A,1302B(第一面1301aおよび第二面1302b)に取り付けて、その後、カメラ1100が取り付けられたカメラ取付部材1110をガーニッシュ1300の開口部1302から挿入してボディパネル1210に取り付けることができる。このように、噴出部1022Cがガーニッシュ1300に取り付けられる車載カメラ1100やカメラ取付部材1110と干渉することなく配置することができる。そのため、カメラ1100やノズルユニット1002を取り付けるためにガーニッシュ1300をボディパネル1210から取り外したり、ガーニッシュ1300の開口部1302を拡大・変形したりする等のガーニッシュ1300への後加工の必要がなく、異物除去装置1001を車両に取り付ける際の汎用性や作業効率が向上する。また、ガーニッシュ1300自体は水密性を確保する必要がないため、ガーニッシュ1300の開口部1302にシール部材等を設けることなく車載カメラ1100やノズルユニット1002をガーニッシュ1300に取り付けることができる。
【0146】
また、ノズル1022の噴出部1022Cは、レンズ1101に対向する側と反対側に屈曲された後にレンズ1101側に向けて再び屈曲されて開口した形状を備えている。このように、噴出部1022Cを略S字状に屈曲して形成することで、ガーニッシュ1300とカメラ取付部材1110との間の隙間Sが狭小である場合でも、カメラ1100のレンズ1101に対して噴出部1022Cの噴出口1024の最適な位置を確保することができ、異物を除去する性能を維持することができる。
【0147】
また、噴出部1022Cは、レンズ1101と対向する内側部材1025と、内側部材1025を間にレンズ1101とは反対側に配置された外側部材1026とを備え、内側部材1025と外側部材1026とが結合されて中空状の噴出部1022Cが形成されている。このように、噴出部1022Cを内側部材1025と外側部材1026の部分に分けて形成し、これらを結合して組み立てる構成とすることで、噴出部1022Cの形状の設計自由度を向上させるとともに、金型作製に係る費用を軽減することができる。
【0148】
また、噴出部1022Cは、内側部材1025と外側部材1026とを連結する連結部1027をさらに備え、連結部1027を折り曲げることで内側部材1025と外側部材1026とが結合される。このため、内側部材1025と外側部材1026とを結合するための作業が容易である。
【0149】
以上において本発明の実施形態の例を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、必要に応じて他の構成を採用することが可能である。
【0150】
上記の実施形態においては、車載カメラ1100をカメラ取付部材1110を介してガーニッシュ1300に取り付ける構成としているが、車載カメラ1100を車両のボディパネル1210に取り付ける構成としてもよい。この場合も、ノズルユニット1002をガーニッシュ1300の内側面に取り付けてから、車載カメラ1100をガーニッシュ1300の開口部1302から挿入して専用のブラケットによりボディパネル1210に取り付けることができ、ガーニッシュ1300を取り外したり開口部1302の大きさを拡大したりする必要がない。なお、ボディパネルの外側にガーニッシュが設けられていないような車両構造である場合等は、ノズルユニットおよび車載カメラをボディパネル(車体パネルの一例)に直接取り付けて、ボディパネルの開口部と車載カメラとの間の隙間からノズルの噴出部が車両外部に突出する構成としてもよい。この場合は、ボディパネルの水密性を確保するため、ボディパネルの開口部にシール部材等を設けることが望ましい。
【0151】
また、上記の実施形態においては、ノズルユニット1002は、略L字状に形成されたガーニッシュ1300の形状に合わせてノズル1022から側方に突出する第一取付部1021Aと、第一取付部1021Aから下方に突出する第二取付部1021Bとを備えた取付部1021を有しているが、この例に限られない。ノズルユニット1002は、車載カメラ1100のカメラ取付部材1110とは独立した部材であるため、車両のボディパネルやガーニッシュの形状に応じて、ノズルユニット1002の取付部1021の形状を適宜変更することができる。
【0152】
また、上記の実施形態においては、ノズルユニット1002のノズル1022にホース1004を直接連結して、高圧空気生成ユニット1005から高圧空気を流入させる構成としているが、ノズル1022とホース1004との間に例えば略L字状のジョイント部材を連結させてもよい。ジョイント部材を介してノズル1022とホース1004とを連結することで、ノズル1022に対するホース1004の姿勢を変更することができ、ノズルユニット1002のガーニッシュ1300への取り付け自由度が高まる。
【0153】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0154】
例えば、上述の例では車載カメラへの適用について記載したが、本発明を適用する対象は、屋外で使用されるカメラであれば種類を問わない。例えば、航空機、鉄道、船舶、ロボット、屋外設置物、建築物等の外部に向けて露出した状態になるように取り付けられたカメラを含む。
【0155】
また、上述の例ではカメラ(可視光に限られない)への適用について記載したが、本発明を適用するセンサーは、これに限られない。LIDAE(レーザーレーダ)、ミリ波レーダ、超音波センサーなど、車両に取り付け可能なセンサーに対して本発明は適用可能である。
【0156】
また、異物除去装置が異物を除去する対象部位は、カメラのレンズに限られない。例えば、センサー素子の光学レンズ、光学レンズの前面を覆うカバー、センサーの通信窓として機能する部位を有する灯具、ミラー、バンパー、グリル、ドアノブ等の車両表装部品のカバー、車両室内にセンサーが搭載された場合の車両窓等、を包括する概念として規定される「隔壁」上に付着した異物を除去する異物除去装置に対して、本発明を適用することは可能である。なお、この隔壁は、透明部材(透光性)に限らず、超音波センサーやミリ波レーダ等においては透明でなくても良い。
【0157】
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2015年6月30日出願の日本特許出願・出願番号2015-131783、2015年6月30日出願の日本特許出願・出願番号2015-131784、2015年6月30日出願の日本特許出願・出願番号2015-131787に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【符号の説明】
【0158】
1:異物除去装置、2:ノズルユニット、3:ジョイント部材、4:ホース、5:高圧空気生成ユニット、21:取付部、22:ノズル、51:ハウジング、52:ピストン、55:モータ(駆動源)、58:付勢バネ(弾性部材)、65:移動機構(生成部)、22A:連通部、22B:延伸部、22C:噴出部、23:流入口、24:噴出口、25:接着部材、71:連通路、91:カメラブラケット、92:管路、93:管路入口、94:管路出口、95:開口部、96A,96B:隙間、97,98:開口、100:車載カメラ、101:レンズ、102:ハウジング、103:コネクタ部、200B:リアバンパー、200b:リアバンパーパネル、200c:アウターパネル、V:車両
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