【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の異物除去装置は、
車載カメラが有するレンズに付着した異物を除去するための異物除去装置であって、
前記レンズが車両のボディパネルの外側に向けて露出した状態で、前記車載カメラを車両のボディパネルに取り付けるためのカメラブラケットと、
前記ボディパネルの内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルを有するノズルユニットと、を備え、
前記カメラブラケットには、貫通孔が形成され、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気は、前記貫通孔を介して前記ボディパネルの内側から外側に通過するとともに、前記ノズルから前記レンズに向けて噴射される。
【0013】
この構成によれば、高圧空気生成ユニットが生成する高圧空気は、カメラブラケットに形成された貫通孔を介して、車両のボディパネルの内側から外側まで通過することが可能である。このため、車両のボディパネルに、高圧空気を通過させるための孔を形成する必要が無い。このため、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率が向上する。
【0014】
また、本発明の異物除去装置において、
前記貫通孔は、前記高圧空気が通過する管路であっても良い。
【0015】
この構成によれば、高圧空気は、カメラブラケットに形成された管路を介して、車両のボディパネルの内側から外側まで通過することが可能である。
【0016】
また、本発明の異物除去装置において、
前記高圧空気生成ユニットは、前記高圧空気を排出する排出口を有し、
前記管路は、前記高圧空気が流入する管路入口と、前記高圧空気が流出する管路出口と、を有し、
さらに、
前記排出口と前記管路入口とを接続するホースと、
前記ホースと前記管路入口とを連結するジョイント部材と、
を備えても良い。
【0017】
この構成によれば、高圧空気は、高圧空気生成ユニットから、ホース、ジョイント部材および管路の順で通過し、車両のボディパネルの内側から外側まで流速を維持しながら通過することが可能である。
【0018】
また、本発明の異物除去装置において、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記流入口は前記管路出口より大きく、
前記ノズルが前記管路に連通された状態において、前記管路の外周面と前記流入口の内周面との間には隙間が形成されていても良い。
【0019】
この構成によれば、ノズルを管路に連通させる際の組み立て作業が容易となる。
【0020】
また、本発明の異物除去装置において、
前記ジョイント部材は、前記カメラブラケットと一体的に形成されていても良い。
【0021】
この構成によれば、ジョイント部材を管路に取り付ける作業が省略されるため、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率がさらに向上する。
【0022】
また、本発明の異物除去装置において、
前記ノズルユニットは、前記カメラブラケットと一体的に形成されていても良い。
【0023】
この構成によれば、ノズルユニットを車両のボディパネルに取り付けるための専用ブラケットを準備する必要がなくなり、取り付けの汎用性が向上とするとともに、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率がさらに向上する。
【0024】
また、本発明の異物除去装置において、
前記ノズルユニットは、前記車載カメラのハウジングに接着部材を介して取り付けられても良い。
【0025】
この構成によれば、ノズルユニットを車両のボディパネルに取り付けるための専用ブラケットを準備する必要がなくなり、取り付けの汎用性が向上とするとともに、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率がさらに向上する。
【0026】
また、本発明の異物除去装置において、
前記高圧空気生成ユニットは、前記高圧空気を排出する排出口を有し、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記排出口と前記流入口とを接続するホースを、備え、
前記ホースは、前記貫通孔を通過していても良い。
【0027】
この構成によれば、ホースがカメラブラケットの貫通孔を介してボディパネルの内側から外側へ通過しており、高圧空気をボディパネルの外側に通過させる構成を簡易に実現できる。
【0028】
また、本発明の異物除去装置は、
カメラのレンズに付着した異物を除去するための異物除去装置であって、
前記レンズがパネル部材の外側に向けて露出した状態で、前記カメラを前記パネル部材に取り付けるためのカメラブラケットと、
前記パネル部材の内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルを有するノズルユニットと、を備え、
前記カメラブラケットには、貫通孔が形成され、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気は、前記貫通孔を介して前記パネル部材の内側から外側に通過するとともに、前記ノズルから前記レンズに向けて噴射される。
【0029】
この構成によれば、高圧空気生成ユニットが生成する高圧空気は、カメラブラケットに形成された貫通孔を介して、パネル部材の内側から外側まで通過することが可能である。このため、パネル部材に、高圧空気を通過させるための孔を形成する必要が無い。このため、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率が向上する。
【0030】
また、本発明の異物除去装置は、
車載センサーと当該車載センサーの測定対象との間に介在する隔壁に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
前記隔壁がパネル部材の外側に向けて露出した状態で、前記車載センサーを前記パネル部材に取り付けるためのブラケットと、
前記パネル部材の内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記隔壁に向けて噴射するノズルを有するノズルユニットと、を備え、
前記ブラケットには、貫通孔が形成され、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気は、前記貫通孔を介して前記パネル部材の内側から外側に通過するとともに、前記ノズルから前記隔壁に向けて噴射される。
【0031】
また、本発明の車両は、上述の異物除去装置を備えている。
【0032】
この構成によれば、例えば、車載カメラのレンズが雨や泥等で汚れてしまった場合であっても、高圧空気を吹き付けてレンズ上の異物を除去することができる。
【0033】
また、上記目的を達成するために、本発明の異物除去装置は、
車載カメラのレンズが車両のボディパネルの外側に向けて露出した状態となるように車両に取り付けられた当該車載カメラのレンズ上の異物に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
前記ボディパネルの内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルを有するとともに、前記車載カメラのハウジングに取り付けられたノズルユニットと、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気を、前記ボディパネルの内側から外側に通過させるための管路と、
を備え、
前記管路は、前記高圧空気が流入する管路入口と、前記高圧空気が流出する管路出口と、を有し、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記流入口は前記管路出口より大きく、
前記管路出口が前記流入口に挿入されている。
【0034】
この構成によれば、ノズルユニットが車載カメラのハウジングに取り付けられているため、車載カメラを車両のボディパネルに取り付ける際に、ノズルユニットのノズルと管路とが連通することとなる。この際、ノズルの流入口は管路出口より大きいため、ノズルと管路とは接触しにくい。また、ノズルユニットが車載カメラのハウジングに取り付けられる際に、ノズルとレンズとの位置決めは完了している。このため、組立作業者は、ノズルとレンズとの位置決め精度を気にすることなく、車載カメラをボディパネルに取り付ける作業を行うことができる。このようにして、上記構成によれば、異物を除去する性能を維持しつつ、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
【0035】
また、本発明の異物除去装置は、
前記ハウジングに前記ノズルユニットが取り付けられた状態において、前記ボディパネルに対して前記車載カメラが取り付けられる際の取付方向と、前記ノズルと前記管路とが連通する際の連通方向とが、交差していても良い。
【0036】
ボディパネルに対して車載カメラが取り付けられる際の取付方向と、ノズルと管路とが連通する際の連通方向とが、交差している場合、取付方向と連通方向とが一致している場合と比較して、ノズルと管路とが接触しやすくなる。しかし、上記構成によれば、ノズルの流入口は管路出口より大きいため、ノズルと管路とは接触しにくく、組立作業の効率を向上させることができる。
【0037】
また、本発明の異物除去装置は、
前記車載カメラが前記ボディパネルに取り付けられた状態において、前記ノズルは、前記管路の外周面と前記ノズルの内周面との間に隙間が形成された状態で、前記管路と連通していても良い。
【0038】
この構成によれば、一時的にノズルの噴出口に詰まりが生じた場合であっても、管路の外周面とノズルの内周面との間の隙間がバイパス経路として機能し得るため、この隙間を利用して高圧空気の生成のための吸気を行うことができる。
【0039】
また、本発明の異物除去装置において、
前記管路は、前記隙間に外部から水が浸入することを抑制するためのリブが設けられていても良い。
【0040】
この構成によれば、隙間に水が浸入しにくくなるため、雨天等であっても異物を除去する性能を維持しやすくなる。
【0041】
また、本発明の異物除去装置は、
前記車載カメラを前記ボディパネルに取り付けるためのカメラブラケットを備え、
前記管路は、前記カメラブラケットに形成されていても良い。
【0042】
この構成によれば、車載カメラをボディパネルに取り付ける作業の効率が向上する。
【0043】
また、本発明の異物除去装置は、
カメラのレンズが車両のボディパネルの外側に向けて露出した状態となるように車両に取り付けられた当該カメラのレンズ上の異物に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
前記パネル部材の内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルを有するとともに、前記カメラのハウジングに取り付けられたノズルユニットと、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気を、前記パネル部材の内側から外側に通過させるための管路と、を備え、
前記管路は、前記高圧空気が流入する管路入口と、前記高圧空気が流出する管路出口と、を有し、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記流入口は前記管路出口より大きく、
前記管路出口が前記流入口に挿入されている。
【0044】
この構成によれば、ノズルユニットがカメラのハウジングに取り付けられているため、カメラをパネル部材に取り付ける際に、ノズルユニットのノズルと管路とが連通することとなる。この際、ノズルの流入口は管路出口より大きいため、ノズルと管路とは接触しにくい。また、ノズルユニットがカメラのハウジングに取り付けられる際に、ノズルとレンズとの位置決めは完了している。このため、組立作業者は、ノズルとレンズとの位置決め精度を気にすることなく、カメラをパネル部材に取り付ける作業を行うことができる。このようにして、上記構成によれば、異物を除去する性能を維持しつつ、異物除去装置を車両に取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
【0045】
また、本発明の異物除去装置は、
車載センサーと当該車載センサーの測定対象との間に介在する隔壁に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
前記パネル部材の内側に配置されるとともに、高圧空気を生成する高圧空気生成ユニットと、
前記高圧空気を前記隔壁に向けて噴射するノズルを有するとともに、前記車載センサーのハウジングに取り付けられたノズルユニットと、
前記高圧空気生成ユニットが生成した前記高圧空気を、前記パネル部材の内側から外側に通過させるための管路と、
を備え、
前記管路は、前記高圧空気が流入する管路入口と、前記高圧空気が流出する管路出口と、を有し、
前記ノズルは、前記高圧空気が流入する流入口を有し、
前記流入口は前記管路出口より大きく、
前記管路出口が前記流入口に挿入されている。
【0046】
また、本発明の車両は、上述の異物除去装置を備えている。
【0047】
この構成によれば、例えば、車載カメラのレンズが雨や泥等で汚れてしまった場合であっても、高圧空気を吹き付けてレンズ上の異物を除去することができる。
【0048】
また、本発明に係る異物除去装置は、
車載カメラのレンズが車両の車体パネルの外側に向けて露出した状態となるように車両に取り付けられた前記車載カメラのレンズ上の異物を除去する異物除去装置であって、
高圧空気を生成する生成部と、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルと、
を備え、
前記ノズルは、前記車体パネルの内側面に取り付けられるとともに、その先端部が前記車体パネルと前記車載カメラとの間に形成された隙間を介して車両外部に突出して前記レンズの前面に向けて配置されている。
上記「車体パネル」は、車両のボディパネルや、ボディパネルの外側に設けられたガーニッシュを含むものである。
【0049】
上記構成によれば、ノズルは、車両の車体パネルの内側面に取り付けられるとともに、ノズル先端部が車体パネルと車載カメラとの間に形成された隙間を介して車両外部に突出するように設けられている。このため、カメラおよびノズルを車両に取り付ける際には、ノズルを車体パネルの内側面に取り付けて、その後カメラを車体パネルの開口部から挿入して車体パネルに取り付けることができる。そのため、ノズル先端部が車体パネルに取り付けられる車載カメラと干渉することなく配置することができる。したがって、異物除去装置を取り付けるための車体パネルへの後加工の必要がなく、異物除去装置を車両に取り付ける際の汎用性や作業効率が向上する。
【0050】
前記ノズルの前記先端部は、前記レンズに対向する側と反対側に屈曲された後に前記レンズ側に向けて再び屈曲されて開口した形状を備えていることが好ましい。
【0051】
上記構成によれば、ガーニッシュとカメラ取付部材との間の隙間が狭小である場合でも、ノズルの先端部を略S字状に屈曲して形成することで車載カメラのレンズに対してノズル先端部の最適な位置を確保することができ、異物を除去する性能を維持することができる。
【0052】
前記ノズルの噴射口の中心を通る線と、前記レンズの頂点の接線とのなす角度が、0°以上60°以下であることが好ましい。
【0053】
前記レンズを上下方向において6等分したときに、前記ノズルの噴射口の中心を通る線が前記レンズの上から2番目の領域と交差することが好ましい。
【0054】
これらの構成によれば、レンズの表面全体に高圧空気を吹き付けやすくなり、異物除去の性能を向上させることができる。
【0055】
前記ノズルの前記先端部は、前記レンズと対向する内側部材と、前記内側部材を間に前記レンズとは反対側に配置された外側部材と、を備え、
前記内側部材と前記外側部材とが結合されて中空状の前記先端部が形成されていることが好ましい。
【0056】
上記構成によれば、ノズル先端部を内側部材と外側部材の部分に分けて形成し、これらを結合して組み立てる構成とすることで、先端部の形状の設計自由度を向上させるとともに、金型作製に係る費用を軽減することができる。
【0057】
前記先端部は、前記内側部材と前記外側部材とを連結する連結部をさらに備え、
前記連結部を折り曲げることで前記内側部材と前記外側部材とが結合されることが好ましい。
【0058】
上記構成によれば、内側部材と外側部材とを連結部を介して連結しているため、内側部材と外側部材とを結合するための作業が容易である。
【0059】
また、本発明の別の例に係る異物除去装置は、
カメラのレンズがパネル部材の外側に向けて露出した状態となるように前記パネル部材に取り付けられた前記カメラのレンズ上の異物を除去する異物除去装置であって、
高圧空気を生成する生成部と、
前記高圧空気を前記レンズに向けて噴射するノズルと、
を備え、
前記ノズルは、前記パネル部材の内側面に取り付けられるとともに、その先端部が前記パネル部材と前記カメラとの間に形成された隙間を介して前記パネル部材の外部に突出して前記レンズの前面に向けて配置されている。
【0060】
上記構成によれば、カメラおよびノズルをパネル部材に取り付ける際には、ノズルをパネル部材の内側面に取り付けて、その後カメラをパネル部材の開口部から挿入してパネル部材に取り付けることができる。そのため、ノズル先端部がパネル部材に取り付けられるカメラと干渉することなく配置することができる。したがって、異物除去装置を取り付けるためのパネル部材への後加工の必要がなく、異物除去装置を車両に取り付ける際の汎用性や作業効率が向上する。
【0061】
また、本発明に係る異物除去装置は、
車載センサーと当該車載センサーの測定対象との間に介在する隔壁に付着する異物を除去するための異物除去装置であって、
高圧空気を生成する生成部と、
前記高圧空気を前記隔壁に向けて噴射するノズルと、
を備え、
前記ノズルは、前記パネル部材の内側面に取り付けられるとともに、その先端部が前記パネル部材と前記車載センサーとの間に形成された隙間を介して前記パネル部材の外部に突出して前記隔壁の前面に向けて配置されている。
【0062】
また、本発明の車両は、上述の異物除去装置を備えている。
【0063】
この構成によれば、例えば、車載カメラのレンズが雨や泥等で汚れてしまった場合であっても、高圧空気を吹き付けてレンズ上の異物を除去することができ、車載カメラから得られる情報の精度を高めることができる。