(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内側部材は、第1の端部領域と第2の端部領域との間の拡大中央領域を含み、前記第1の端部領域の長さは、前記第2の端部領域の長さを上回る、請求項1又は2に記載のインプラントアセンブリ。
前記第1の端部領域および第2の端部領域はそれぞれ、蛍光透視法または超音波を使用して視認可能な放射線不透過性材料または空隙を含む、請求項3に記載のインプラントアセンブリ。
前記外側部材の前記複数の支柱は、前記外側部材の壁を完全にまたは部分的に通って延在する平行な細隙または切れ目によって生成される、請求項1乃至6の何れか1項に記載のインプラントアセンブリ。
各支柱の中心部分は、前記外側部材の遠位端に向かう前記外側部材の近位端の移動に応答して、半径方向外向きに移動するように構成されたヒンジを含む、請求項1乃至7の何れか1項に記載のインプラントアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面は、必ずしも、正確な縮尺ではない。ある特徴および構成要素は、尺度が誇張されて、または概略形態で示され得、いくつかの詳細は、明確性および一貫性のために、示されない場合がある。
【0025】
(定義)
ある用語が、特定の特徴または構成要素を指すために、本特許文書全体を通して使用される。当業者が理解するように、異なる人々は、異なる名称によって同一特徴または構成要素を指し得る。本特許文書は、名称は異なるが、機能は異ならない、構成要素または特徴間の区別を意図するものではない。以下の定義された用語に関して、異なる定義が本特許文書のいずれかに与えられない限り、ある定義が適用されるものとする。
【0026】
用語「生体吸収性」、「生体分解性」、および「生体再吸収性」は、1週間後、5週間後、またはその間の任意の時間期間等の所定の時間期間後、いずれの材料も残っていないように崩壊または分解する、材料の能力を指す。
【0027】
用語「遠位」および「近位」は、治療臨床医に対する位置または方向を指すために使用される。「遠位」および「遠位に」は、臨床医から遠い位置またはそこから離れた方向を指す。「近位」および「近位に」は、臨床医に近い位置またはそこに向かう方向を指す。
【0028】
用語「内側表面」および「外側表面」は、穿刺傷または他の開口部の近傍の身体組織表面を指す。用語「内側表面」は、血管の壁または体腔の壁の管腔内表面を指す。用語「外側表面」は、血管の壁または体腔の壁の管腔外表面を指す。穿刺傷または他の開口部が、2つの体腔または生検路間の隔壁にあるとき、「外側表面」は、治療臨床医の近位の表面であって、「内側表面」は、臨床医の遠位の表面である。
【0029】
用語「患者」および「対象」は、哺乳類を指し、ヒトおよび動物の両方を含む。
【0030】
全ての数値は、明示的に示されるかどうかにかかわらず、用語「約」によって修飾されるものと仮定される。用語「約」は、当業者が列挙された値の均等物(例えば、同一機能または結果を有する)と見なす、数字の範囲を指す。多くの事例では、用語「約」は、有効数字の桁数に丸められる数を含むことができる。
終点による数値範囲の列挙は、全数字ならびにその範囲内およびそれを境界する下位範囲(例えば、1〜4は、1、1.5、1.75、2、2.3、2.6、2.9等および1〜1.5、1〜2、1〜3、2〜3.5、2〜4、3〜4等を含む)を含む。
【0031】
本明細書および添付の請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって別様に明示的に示されない限り、複数参照も含む。本明細書および添付の請求項において使用されるように、用語「または」は、概して、文脈によって別様に明示的に示されない限り、「および/または」を含むという意味で採用される。
【0032】
(本教示の例示的用途)
血管手技は、世界中で行われており、穿刺傷を通して血管系の血管へのアクセスを要求する。
図1は、血管106(例えば、大腿動脈)の壁104内の穿刺傷102の略図である。脈管106は、患者の皮膚108および皮下組織110の真下を通過する断面で示される。脈管106は、経皮的外科手術手技を用いてアクセスされており、組織路および穿刺傷102から成るアクセス経路112をもたらしている。例えば、組織路および穿刺傷102は、導入器アセンブリを脈管106の管腔114の中に挿入することから生じ得る。
【0033】
本閉鎖システム、キット、および方法は、外科手術手技の間に意図的または非意図的に生成された脈管壁、体腔、または生検路内の穿刺傷または別の開口部を封止するために使用されることができる。意図的に生成された穿刺傷は、種々のタイプの血管、内視鏡下、または整形外科手術手技において生成された血管穿刺傷、または冠状もしくは末梢動脈および静脈もしくは体腔内における任意の他のタイプの外科手術手技において生成された穿刺傷を含む。そのような手技は、血管造影検査、血管形成術、レーザ血管形成術、弁形成術、アテローム切除術、ステント展開、ロータブレータ治療、大動脈プロテーゼ埋込、動脈瘤修復、補助人工心臓の展開、動脈内バルーンポンプ治療、ペースメーカ埋込、任意の心臓内手技、電気生理学的手技、介入放射線、ならびに透析および経皮的体外循環に関連する手技等の種々の他の診断、予防、および治療手技を含む。
【0034】
(インプラントアセンブリ)
図2は、少なくとも一実施形態によって構築される、その完全展開構成にあって、脈管206の壁204内の穿刺傷202を封止する、インプラントアセンブリ216の略図である。封止は、それぞれ、インプラントアセンブリ216の内側218(管腔内)および外側220(管腔外)部材を穿刺傷202を囲繞する内側脈管壁表面222および外側脈管壁表面224に対して適用することによって達成されることができる。穿刺傷202が、部材間に含有または挟入されるように、内側部材218は、脈管壁204の内側表面222に対して引動されることができ、外側部材220は、脈管壁204の外側表面224に対して押動されることができる。代替として、外側部材220は、脈管壁204の内側表面222と外側表面224との間において、または脈管壁204の外側表面224から離間された位置において拡張するように、展開されることができる。
【0035】
インプラントアセンブリ216はまた、内側部材218から延在し、その近位端228において、外側部材220を受容するように構成される、封止膜226を含むことができ、これは、穿刺傷202のものより大きい封止円周まで拡張することができる。封止膜226の存在は、インプラントアセンブリ216が、例えば、8F〜24F導入器シースから生じる、小、中、および大穿刺傷を含む、種々の穿刺傷サイズを封止するために使用されることを可能にする。封止膜226内の外側部材220の位置および外側部材の拡張能力に基づいて、その中央領域230内の封止膜の材料は、拡張させられ、穿刺傷202の縁239に共形化することができる。
【0036】
インプラントアセンブリ216の全ての構成要素は、生体吸収性であるように作製されることができる。これは、インプラントアセンブリ216が、穿刺傷202の周囲の脈管壁204および組織の生物学的修復を可能にするために十分な所定の時間期間後、患者の中に吸収されることを確実にする。埋め込まれた構成要素は、無傷のままであって、いずれの部片も遊離し、血流に進入せずに、ゆっくりと吸収または溶融されるはずである。さらに、構成要素は、脈管壁204内の穿刺傷202が、構成要素が脆弱化し、身体の中に吸収され始めるのに先立って、治癒を開始し得るように、最初に、その強度および完全性を維持することが望ましい。
【0037】
ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、トリメチレンカーボネート(TMC)、およびカプロラクトン(CL)等の生体吸収性ポリマーが、構成要素のうちの1つまたはそれを上回るものを形成するために使用されることができる。他の好適な生体吸収性ポリマーとして、限定ではないが、ポリD,L−乳酸(PDLA)、ポリ−L−乳酸(PLLA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸−co−グリコール酸(PLGA)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリジオキサノン(PDS)、ポリプロピレンフマレート、ポリエチルグルタメート−co−グルタミン酸、ポリtert−ブチルオキシ−カルボニルメチルグルタメート、ポリカプロラクトンco−ブチルアクリレート、ポリヒドロキシブチレート(PHBT)ならびにポリヒドロキシブチレート、ポリホスファゼン、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン)(PLA/PCL)、ポリ(グリコリド−co−カプロラクトン)(PGA/PCL)、ポリホスフェートエステル、ポリアミノ酸、およびポリヒドロキシブチレートのコポリマー、ポリデプシペプチド、無水マレイン酸コポリマー、ポリホスファゼン、ポリイミノカーボネート、ポリ[(97.5%ジメチル−トリメチレンカーボネート)−co−(2.5%トリメチレンカーボネート)]、シアノアクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリサッカリド(ヒアルロン酸、キトサン、および再生セルロース等)、およびタンパク質(ゼラチンおよびコラーゲン等)が挙げられる。これらのポリマーは、非晶質である構造を有することができ、身体の自然体温に近いガラス遷移温度を含むことができる。
【0038】
インプラントアセンブリ216の構成要素は、随意に、材料の組み合わせ、オーバーモールド、または他のコーティング技法の使用を通して、所望の強度および吸収率を提供するように設計されることができる。インプラントアセンブリ216全体またはその構成要素のうちの1つもしくはそれを上回るものの具体的部分が、オーバーモールドされる、コーティングされる、または別様に、第2、第3等の材料を組み込み、その強度または吸収プロファイルを改変することができる。ある実施例では、第2の材料は、マグネシウム等のアルカリ土類金属であることができる。マグネシウム材料と酸性ポリマー(例えば、PLA)の組み合わせは、構成要素減弱の速度を調節することが可能であり得ると考えられる。マグネシウムは、約8を上回るpHを有する環境中で溶解しないが、約7.4〜7.6のpHで比較的に急速に分解することが観察されている。ポリマーの酸性性質は、8を下回る等の臨界レベルを下回る、マグネシウム近傍のpHを維持し、それによって、分解を促すことができる。
【0039】
図3は、少なくとも一実施形態によって構築される、インプラントアセンブリ316の分解図である。インプラントアセンブリ316は、3つの一次構成要素、すなわち、内側部材318と、封止膜326と、外側部材320とを備えることができる。インプラントアセンブリ316はさらに、随意に、内側部材318の中に組み込まれ得る、接続部材332と、随意に、外側部材320の中に組み込まれ得る、係止部材334とを備えることができる。
【0040】
使用時、インプラントアセンブリ316の構成要素は、遠位/近位様式で設置され、組み立てられることができる(例えば、
図11A−11C参照)。内側部材318が、最初に、脈管の壁内の穿刺傷を通して挿入され、脈管の管腔の中に導入され得る。内側部材318は、次いで、脈管壁の内側表面と接触するまで後退され得る。接続部材332および封止膜326は、穿刺傷を通して延在することができ、接続部材332は、内側部材318を脈管壁の内側表面に対して保持するために使用されることができる。外側部材320(その非展開送達構成に図示される)が、次いで、封止膜326(閉鎖または密閉遠位端336および開放近位端328を伴う、略伸長管状本体の形態であることができる)によって受容され、脈管壁の外側表面に接触するまで、または接続部材332の長さに沿って設置された停止部材341に接触するまで、接続部材332に沿って前進され得る。停止部材341は、封止するための比較的に長い経路が存在する、僧帽弁置換のための心尖アクセス等の穿刺傷の閉鎖のために、外側部材320の所定の停止を提供することができる。張力が、接続部材332上に維持されることができ、押動力が、外側部材320に印加され、その送達構成を封止構成に拡張させることができる。いったん外側部材320が、縦方向に圧縮され、横方向に拡張された状態を達成すると、係止部材334は、接続部材332に固着されることができる。他の実施例では、近位端328は、閉鎖または密閉近位端328を有することができ、外側部材320は、閉鎖端部に対して付勢されることができる。
【0041】
(インプラントアセンブリの内側部材および接続部材)
図4および5は、少なくとも2つの実施形態に従って構築される、内側部材418、518および接続部材432、532の略図である。接続部材432、532は、内側部材418、518の一部である、ステム、ロッド、管、ストリング、スレッド、もしくは他のフィラメントであることができる、または内側部材418、518に取り付けられる、ステム、ロッド、管、ストリング、スレッド、もしくは他のフィラメントであることができる。
図4は、内側部材418および接続部材432が、単一成形部片に組み合わせられた構成を図示する。ヒンジ438が、接続部材432の基部に組み込まれ、接続部材が、内側部材418に対して屈曲または別様に再配向することを可能にすることができる。本屈曲は、
図11Aに図示されるように、内側部材418を導入器シースおよび穿刺傷を通して送達するときに有益となり得る。ある実施例では、ヒンジ438は、接続部材432の基部に刻み目を付けることによって形成されることができる。
図5は、内側部材518および接続部材532が、別個であるが、取付可能部片である構成を図示する。ある実施例では、接続部材532は、可溶性縫合糸540、機械的締結具、接着剤、または任意の他の好適な継合手段を使用して、内側部材518に取り付けられることができる。別個に形成されるとき、内側518および接続532部材は、同一生体吸収性材料または材料の組み合わせから成ってもよい、またはそうではなくてもよい。
【0042】
内側部材418、518は、脈管の壁内の穿刺傷を通して脈管の管腔の中に延在され、少なくとも部分的に、穿刺傷の内部開口部を遮断するように構成されることができる。
図4および5に図示されるように、内側部材418、518は、第1の端部領域444、544と第2の端部領域446、546との間に位置付けられる、拡大中心領域442、542を有することができ、そこで、接続部材432、532に取り付けられる。本拡大領域442、542は、穿刺傷の内部開口部を被覆するために十分な面積を提供することができる。縦軸448、548は、長さ寸法を画定することができ、横軸450、550は、幅寸法を画定することができる。長さ寸法は、例えば、約10mm〜約20mmの範囲であることができる。端部領域における幅寸法は、例えば、約3mm〜約5mmの範囲であることができる。拡大領域442、542では、幅寸法は、その最大幅が、例えば、約4mm〜約8mmの範囲であるように、徐々に増加することができる。
【0043】
内側部材418、518は、変形に抵抗するために十分に剛性であるが、脈管壁の内側表面に共形化し、脈管の管腔の実質的部分を占有しないために十分に薄い、材料の薄くて細いストリップまたはバーから成ることができる。内側部材418、518は、変形に抵抗し、導入された穿刺傷を通して屈曲および逆通過することを阻むことが、重要であり得る。また、その最終原位置において、
図2に図示されるように、内側部材418、518が、脈管を通る血流を遮断または別様に妨害しないことも、重要であり得る。構成要素は、吸収性材料から形成され得るため、吸収されるまで、身体内の定位置に残されることができる。
【0044】
内側部材418、518は、非対称的に成形され、放射線不透過性マーキング要素452、552を含み、治療臨床医が、それを脈管内に位置付けることに役立ち得る。例えば、内側部材418、518は、第2の端部領域446、546より長く、導入器シースから展開されるとき、接続部材432、532へのその取付場所を中心とした枢動を促す、第1の端部領域444、544を含むことができる。示される実施形態では、第1の端部領域444、544は、第2の端部領域446、546より約1/3長くあることができる。内側部材418、518はまた、送達および可能な展開の間、X線生成可視化上で視認可能な放射線不透過性マーキング要素452、552またはコーティングを含むことができる。放射線不透過性材料は、例えば、ジアトリゾ酸ナトリウム、イオパミドール、イオヘキソール、イオジキサノール、イオプロミド、または別の水溶性材料であることができ、それから内側部材が成る材料または材料の組み合わせに添加されるか、またはその中の1つもしくはそれを上回るポケット内にカプセル化されることができる。ある実施例では、放射線不透過性マーキング要素452、552は、内側部材418、518の第1の端部領域444、544および第2の端部領域446、546のそれぞれ内にカプセル化される。他の実施例では、放射線不透過性材料は、タングステンおよび白金等の非水溶性であって、粒子、ワッシャ、またはワイヤ(縦方向または円周方向)の形態であることができる。
【0045】
接続部材432、532は、脈管壁の穿刺傷を通して嵌合することを可能にする、長さおよび断面サイズを有することができる。接続部材は、例えば、約5mm〜約60mm等の少なくとも約38mm(事前に切断される)および少なくとも約9mm(事前に切断される)の長さを有することが、望ましくあり得る。接続部材432、532は、一定または可変断面サイズを有することができる。接続部材432、532は、外力(例えば、導入器シースの壁からの送達力)の不在下、内側部材418、518に対して垂直または角度付けられた配向を有することができる。
【0046】
いくつかのつめ454、554または他の離間要素が、接続部材432、532の外側表面上に形成されることができる。つめ454、554は、接続部材432、532の縦方向において相互から離間されることができる。これらの離間されたつめ454、554の存在は、外側部材(例えば、
図7Aおよび7B参照)の近位端と内側部材418、518の近位端との間の距離を調節可能にし得る。例えば、穿刺部位におけるインプラントアセンブリの展開の間、外側部材は、外側部材の近位端を遠位方向に内側部材418、518の近位端に向かって付勢することによって、脈管壁または停止部材(例えば、
図3の要素341参照)の外側表面に対して押動されることができる。係止部材(例えば、
図8Aおよび8B参照)は、抵抗を提供し、外側部材の近位端が、脈管壁または停止部材から近位に外れ、係脱することを防止することができる。
【0047】
(インプラントアセンブリの封止膜)
図6は、少なくとも一実施形態によって構築される、その遠位端636上において内側部材618に取り付けられ、その中央領域および近位端部分に沿って、接続部材632の一部を囲繞する、封止膜626の略図である。使用時、封止膜626の遠位端636は、穿刺傷の内側表面内またはその近傍に位置することができる一方、近位端は、穿刺傷の外側表面の外側に位置することができ、それを通して外側部材が受容され得る、開口部を含むことができる。
図4に図示される内側部材実施形態を使用するとき、封止膜の遠位端は、内側部材618の上側表面上のボスにわたって摺動され、例えば、吸収可能縫合糸またはOリング658を使用して、アンダーカット区分内に狭入されることができる。
図5に図示される内側部材の実施形態を使用するとき、封止膜626の遠位端636は、内側部材618の中心孔を通して挿入され、テーパ状プラグ部材によって、定位置に狭入されることができる。代替として、または併せて、封止膜626は、医療グレードの接着剤、熱もしくは溶媒接合、または任意の他の好適な継合手段を使用して、内側部材618に固着されることができる。
【0048】
封止膜626は、例えば、約2mmまたはそれを上回る内径、約0.025mm〜約0.38mmの範囲内の壁厚を有し、少なくとも約10mmの長さを有するように切断された可撓性、流体不浸透性、そして生体分解性のポリマーから形成されることができる。ある実施例では、封止膜626は、Poly−Med, Inc.(Anderson, South Carolina)から市販のSTRATAPRENE(登録商標)3534コポリマー材料から形成される。封止膜626は、可撓性材料から構築され得るため、外側部材のサイズおよび形状の変化に対応するように拡張および収縮することが可能である(例えば、送達構成から封止構成へのその変化の間)。加えて、外側部材は、その展開された封止構成では、穿刺傷の直径より大きいため、封止膜626の中央領域は、穿刺傷の縁と継続的に接触したままであって、血液漏出を防止することができる。
【0049】
(インプラントアセンブリの外側部材)
図7Aおよび7Bは、少なくとも一実施形態によって構築される、送達構成(
図7A)から封止構成(
図7B)に拡張され得る、外側部材720の略図である。送達構成の薄型は、外側部材720の送達を促進するために有用であり得る一方、封止構成は、外側部材720を組織路および穿刺傷内にしっかりと引っ掛け、外向き血流に対して穿刺傷を封止させることを促進するために有用であり得る。ある実施例では、封止構成(
図7B)における外側部材720の直径756は、送達構成(
図7A)における外側部材720の直径756の少なくとも3倍である。これは、外側部材720が、封止構成にあるとき、穿刺傷および穿刺傷の近隣部分を血管壁の外側から被覆することを可能にし得る。
【0050】
外側部材720は、略円筒形または多角形(例えば、正方形または六角形)形状を伴い、近位端760と、中間変形部分762と、遠位端764とを有する、実質的に剛性の本体から形成されることができる。本体は、例えば、事前に拡張された送達長約6mm〜約20mmと、事前に拡張された送達直径約2.5mm〜20mmとを有することができる。他の形状および寸法もまた、可能性として考えられる。
【0051】
外側部材720の中間変形部分762は、部材の壁を通して完全または部分的に平行細隙または切れ目768によって生成される、支持支柱766を含むことができる。支持支柱766の中心部分は、部材760の遠位端764に向かうその部材760の近位端の移動に応答して、ヒンジ状様式で半径方向外向きに移動することができる。送達構成では、中間変形部分762の支柱766は、原位置内側部材に対して略垂直方向に伸長されることができる一方、封止構成では、支柱766は、原位置内側部材に対して略平行方向に収縮されることができる。支柱766の中心の近傍のヒンジ770は、機械的薄化、くぼみ付け、研磨、熱形成、または機械加工、もしくは微小切れ目もしくはテーパ状溝によって生成される弱化区分を含む、種々の方法で形成されることができる。細隙または切れ目768の数、長さ、およびその間の距離は、外側部材720の係留性および部材の圧潰性の両方に影響を及ぼし得る。平行細隙または切れ目768の代替として、細隙または切れ目が、その遠位端764に対する部材の近位端760の回転に応じて、拡張し、ウィングを形成するように適合されるように、螺旋または蛇行することができる。
【0052】
外側部材720の中間変形部分762内の細隙または切れ目768は、エッチングまたは切断プロセスを使用して形成されることができる。例えば、細隙は、レーザブレード等の切断ツールを使用して、剛性本体の中間部分に沿って切断されることができる。いくつかの実施形態による、細隙は、任意の有意な量の材料を剛性本体から除去することなく切断される、すなわち、細隙の形成は、剛性本体の全体的体積を有意に低減させない。他の実施形態によると、細隙は、その体積が低減されるように、材料を剛性本体から切断することによって形成される。
【0053】
各細隙768の一端または両端772は、細隙の軸方向端部における応力を緩和するように丸みを帯びることができる。これは、細隙が応力に起因して延長することを防止することができる。細隙が任意の有意な量の材料を剛性本体から除去せずに切断される、実施形態では、丸みを帯びた端部は、各細隙の両端において孔を燃焼させることによって生産されることができる。細隙が材料を剛性本体から切断することによって形成される、実施形態では、丸みを帯びた端部は、切断プロセスの間に形成されることができる。丸みを帯びた端部のサイズは、剛性本体の寸法および要求される応力解放の量に応じて、変動することができる。
【0054】
外側部材720は、外側部材と内側部材との間の距離が、封止されるべき穿刺傷または開口部に応じて、整合された様式で調節可能であるように、封止膜の管腔内に配置され、接続部材にわたって受容され、それに沿って摺動される。これは、厚い、薄い、硬質、または軟質の生体内脈管壁を伴う患者等、種々の状況または場合に対処することを可能にする。その封止構成への外側部材720の拡張の間、封止膜は、反作用または対抗収縮性力を外側部材に付与することができる。このように、封止膜は、受動的に拡張せず、むしろ、外側部材720は、封止膜を強制的に拡張させ、膜を緊張させ、穿刺傷を液密様式で封止可能にする。代替として、封止膜は、外側部材720が、その封止構成に拡張し、封止膜内の空間を充填するように、定寸および成形されることができる。
【0055】
図示されないが、1つを上回る外側部材720は、積層配列等において使用され得ることが検討される。そのような実施例では、外側部材720の拡張された直径が、治療部位(例えば、脈管壁穿刺傷)からの距離が増加するにつれて、サイズが減少することができる。
【0056】
(インプラントアセンブリの係止部材)
図8A、8B、および9は、少なくとも2つの実施形態に従って構築される、接続部材932の近位端によって受容され得る、係止部材834、934の略図である。係止部材834、934は、接続部材に沿って摺動して外側部材の近位端に対して当接し、それによって、脈管壁の内側表面に対する内側部材の原位置、脈管壁または停止部材(例えば、
図3の要素341参照)の外側表面に対する外側部材の拡張構成、および封止膜と穿刺傷の縁(
図2に図示されるように)または組織路との間の接触を維持することができる。係止部材の近位の接続部材の一部は、機械的手段(例えば、剪断配列)または熱手段を使用して切断され、係止部材834、934が接続部材に固着された後、除去されることができる。
【0057】
係止部材834、934は、種々の形態をとることができ、その非限定的実施例は、
図8A、8B、および9に提供される。当業者は、係止部材834、934が、内側および外側部材の位置を維持するためのその能力を保ちながら、多数の他の構成をとり得ることを認識するであろう。
図8Aおよび8Bは、ある方向において、接続部材の外側表面上に形成されるいくつかのつめまたは他の離間要素を摺動可能であって、それを受容するが、第2の反対方向において、つめまたは他の離間される要素が摺動することに抵抗する切り欠き付き通路874を係止部材834が備える構成を図示する。
図9は、係止部材934が、複数のボール突起954をその上に有するフィラメントの形態における接続部材932を摺動可能であって、それを受容する、圧縮性ディスクを備える、構成を図示する。フィラメントへの十分な引動力の印加に応じて、1つまたはそれを上回るボール突起954は、ディスクの中心管腔を通して通過し、フィラメントの位置を係止することができる。
【0058】
図8A、8B、および9は、固有の係止部材を図示するが、係止部材は、随意に、その近位端等において、外側部材の一部の中に統合されることができる。
【0059】
(送達アセンブリ)
図10Aは、少なくとも一実施形態によって構築される、インプラントアセンブリを穿刺部位に展開するように構成される、送達アセンブリ1076の近位部分の概略断面図である。
図10Bは、少なくとも一実施形態によって構築される、送達アセンブリ1076の遠位部分上に搭載される、インプラントアセンブリ1016の概略断面図である。
【0060】
送達アセンブリ1076は、その近位部分における、治療臨床医によって動作可能である、ハンドル1078から、その遠位部分における、インプラントアセンブリ1016の構成要素との接続まで延在することができる。ハンドル1078は、近位筐体部分1080と、遠位筐体部分1082とを含むことができる。初期送達ステップの間にアクティブ化され得る、ハンドル係止部1084は、2つの筐体部分1080、1082間の相対的移動を防止する。係止部1084がアクティブ化されないとき、2つの筐体部分1080、1082は、相互に対して回転されることができる。
【0061】
4つの伸長部材が、ハンドル1078からインプラントアセンブリ1016まで遠位に延在することができる、すなわち(内側から外側に移動するように)、レール1086、剪断管1088、押動管1090、および送達管1092である。
【0062】
レール1086および剪断管1088は、その近位端上において、近位筐体部分1080と係合されることができる。レール1086は、近位筐体部分1080と静的に結合される、近位端1094から、インプラントアセンブリ1016の内側部材1018と係合される、遠位端1096まで延在することができる。ある実施例では、レール1086は、長方形断面を有する、ステンレス鋼リボンを含むことができる。リボンの近位端は、近位筐体部分1080内の長方形ポケットの中に固着されることができる。リボンの遠位端は、インプラントアセンブリ1016の接続部材1032の近位端の中に成形されることができる。接続部材1032は、その遠位端上において、内側部材1018に取り付けられる。接続部材1032は、レール1086のものより若干大きい、長方形断面を含むことができる。剪断管1088は、軸方向路1001および近位筐体部分1080の作動部材1003と係合される、近位端1098から、キー溝付き通路を含み、インプラントアセンブリ1016の係止部材1034および外側部材1020に当接する、遠位端1005まで延在することができる。軸方向路1001は、剪断管1088が、近位筐体部分1080に対して軸方向にのみ移動し得ることを確実にすることができ、そのような軸方向移動は、作動部材1003の移動を通して生成される。ある実施例では、作動部材1003は、ねじ山付きシャフト1007と係合される、回転可能ノブを含む。第1の方向におけるノブの回転は、ねじ山付きシャフト1007の遠位移動を付勢する。ねじ山付きシャフト1007の遠位移動は、剪断管1088の遠位移動を生じさせ、これは、そのような移動(押動管1090を介して)をインプラントアセンブリ1016の係止部材1034および外側部材1020に伝達することができる。
【0063】
押動管1090および送達管1092は、その近位端において、遠位筐体部分1082と係合されることができる。押動管1090は、管が遠位筐体部分に対して軸方向にのみ移動し得るように、遠位筐体部分1082の軸方向路1011と係合される、近位端1009から、剪断管1088のキー溝付き通路とサイズおよび形状が類似するキー溝付き通路を含む、遠位端1013まで延在することができる。押動管1090は、剪断管1088の一部を囲繞し、その遠位端1013は、剪断管の遠位端1005の遠位に延在する。したがって、剪断管1088が遠位方向において軸方向に移動されると、押動管1090もまた、遠位に移動される。剪断管1088および押動管1090のキー溝付き通路は、レール1086および接続部材1032を受容し、それに沿って摺動するように構成されることができる。送達管1092は、押動管1090および剪断管1088の一部を同心状に囲繞することができる。その近位端1015上において、送達管1092は、遠位筐体部分1082と静的に結合されることができ、その遠位端1017上において、送達管1092の外側表面は、インプラントアセンブリ1016の封止膜1026の近位端1028に静的に結合されることができる。剪断1088および押動1090管の遠位移動に先立って、送達管1092の遠位端1017は、剪断管および押動管の遠位端1005、1013の遠位に位置付けられ、それによって、初期送達の間、係止部材1034および外側部材1020の設置のための内部空洞1019を生成することができる。剪断管1088および押動管1090の遠位移動後、送達管1092の遠位端1017は、剪断管および押動管の遠位端1005、1013の近位に位置付けられることができる。
【0064】
ハンドル1078は、製造および使用を容易にするためのある特徴を含むことができる。例えば、ハンドル1078は、4つの部片(近位および遠位筐体部分毎に2つずつ)を含む、クラムシェル状構成を含み、製造の間、4つの伸長部材の近位端の設置を可能にすることができる。ハンドル1078の遠位端は、導入器シースの近位端に着脱可能に結合するように構成される、係合特徴(例えば、スナップ係止アーム)を含むことができる。さらに、ハンドル1078の外側表面部分は、遠位に位置付けられるインプラントアセンブリ1016の配向を治療臨床医に伝える、平坦表面、可視マーキング、または他のインジケータ手段を含むことができる。
(アセンブリ導入器シースおよび送達アセンブリを使用したインプラントの送達)
【0065】
図11A−11Cは、少なくとも一実施形態によって構築される、順次的順序における、導入器シース1119および送達アセンブリ1176が、インプラントアセンブリ1116を穿刺部位1102に送達および展開する、略図である。送達アセンブリ1176は、他の好適な構成をとってもよいが、
図10Aおよび10Bに図示および説明される構成と関連付けて説明される。拡張器(図示せず)が、導入器シース1119および拡張器の一部が、患者の皮膚1108内の開口部を通して、組織路を通して、穿刺傷1102を通して、脈管管腔1114の中に延在するように、導入器シース1119を通してガイドワイヤ(図示せず)を経由して脈管管腔1114の中に挿入され得る。導入器シースの遠位端1121の場所は、シースに埋設される、または別様に取り付けられる、放射線不透過性マーカバンド1123を使用して検証されることができる。次に、ガイドワイヤおよび拡張器は、抜去されることができ、送達アセンブリ1176の遠位部分は、
図11Aに図示されるように、弁バイパス(図示せず)を使用して、導入器シース1119の近位端の中に挿入され、導入器シースの遠位端1121に向かって前進されることができる。インプラントアセンブリ1176の内側部材1118は、本前進の間、導入器シース1119の壁によって、縦方向の軸方向に整合された配向に保定されることができる。
【0066】
送達アセンブリ1176はさらに、内側部材1118が、脈管管腔1114の中に延在するように、導入器シース1119を通してその遠位先端1121を越えて前進されることができる。内側部材1118が、導入器シース1119の閉じ込めから解放されるにつれて、導入器シースの遠位端1121におけるくぼみ(または凹面)1125を用いて、横配向に枢動されることができる。内側部材1118の本枢動はさらに、接続部材1132へのオフセット接続によって促されることができる。内側部材1118が、導入器シース1119の遠位端1121を越えて脈管管腔1114の中に前進された後、導入器シース1119は、近位に引動されることができ、その近位ハブは、送達アセンブリ1176のハンドルの遠位端上のスナップ係止アームと係合させられることができる。本近位引動は、導入器シース1119の遠位端1121を脈管壁1104の近傍から離れるように移動させ、展開されるべきインプラントアセンブリ1116の構成要素のための空間を提供し、閉鎖手技の終了時、同時に除去され得るように、シースを送達アセンブリ1176に係止する。
【0067】
次に、
図11Bに図示されるように、ハンドルは、近位に優しく引動され、近位筐体部分から内側部材1118と係合される接続部材1132まで延在し得る、レール1186を用いて、内側部材1118を脈管壁1104の内側表面1122に対して付勢することができる。内側部材1118の拡大領域は、穿刺傷1102の内部開口部に跨架するように位置付けられることができる。
【0068】
内側部材1118が定位置に来ると、近位筐体部分上のノブは、回転され、剪断管1188および押動管1190の遠位端1105、1113を遠位方向に移動させることができる。本遠位移動は、外側部材1120と内側部材1118との間の距離が短縮されるように、インプラントアセンブリの外側部材1120および係止部材1134を、周囲送達管1192の遠位端1117内の空洞から、レール1186および接続部材1132の近位部分に沿って、インプラントアセンブリ1116の封止膜1126の近位管腔を通して付勢することができる。ノブの付加的回転は、外側部材1120および係止部材1134を接続部材1132に沿ってさらに移動させることができ、その間、
図11Cに図示されるように、外側部材1120の遠位端は、脈管壁1104の外側表面1124に接触することができ(封止膜1126を用いて)、外側部材1120は、周囲封止膜1126に対して拡張させられることができる。本外側部材拡張の反跳は、接続部材1132と係合され得る、当接係止部材1134によって阻まれることができる。
【0069】
係止部材1134の近位の接続部材1132の一部は、ここで、切断および除去されることができる。ある実施例では、ハンドルと関連付けられた係止部は、係止解除され、近位および遠位筐体部分が、相互に対して回転されることを可能にすることができる。剪断管の近位端は、近位筐体部分に回転可能に固着され、押動管の近位端は、遠位筐体部分に回転可能に固着されるため、筐体部分の相対的回転は、剪断管1188および押動管1190の遠位端1105、1113ならびにその関連付けられたキー溝付き通路の対応する相対的回転を生じさせることができる。キー溝付き通路の本相対的回転は、その近位部分が除去され得るように、接続部材1132を剪断させることができる。
【0070】
本時点において、インプラントアセンブリ1116と送達アセンブリ1076との間に取り付けられたままの構成要素は、封止膜1126のみとなる。封止膜1126の遠位端は、内側部材1118に取り付けられ、穿刺傷1102の一部および外側部材1120の周囲部分を通して延在することができ、その近位端において、送達管1192の遠位端1117に取り付けられる(例えば、UV接着剤、熱接合、または溶媒接合を使用して)。封止膜1126内の穿孔(例えば、
図10Bにおける要素1031参照)を活用して、ハンドルは、近位に引動され、封止膜1126をその穿孔1131に沿って断裂させ、送達管1192をインプラントアセンブリ1116から分離することができる。ここで、インプラントアセンブリ1116から分離されると、送達アセンブリ1176および導入器シース1119は、ハンドルを患者から離れる方向に近位にさらに引動させることによって、患者から除去されることができる。
【0071】
(閉鎖システムキット)
図12は、少なくとも一実施形態によって構築される、インプラントアセンブリ1216と、送達アセンブリ1276と、導入器シース1219と、弁バイパス1235と、拡張器1243と、これらの構成要素を使用して、血管壁、体腔、または生検路内の穿刺傷または他の開口部を封止するための命令1237とを含む、キット1233の略図である。インプラントアセンブリ1216は、事前に装填され、送達アセンブリ1276の遠位端部分に取り付けられることができる。このように、治療臨床医は、拡張器1243および導入器シース1219を用いて脈管管腔へのアクセスを得た後、
図11A−11Cに説明および図示される一連の単純ステップを行い、穿刺部位を封止することができる。拡張器1243は、比較的に長く(例えば、約80cmまたはそれを上回る)、近位ハブを用いずに、例えば、TAVIシースまたは他の介入デバイスの除去を促進することができる。
【0072】
(結語および実施例)
本閉鎖システム、キット、および方法は、デバイスの外形が、小型、中型、または大型サイズであるかどうかにかかわらず、導入器シースまたは他の介入デバイスの除去に続いて、治療臨床医によって、穿刺傷または他の開口部を封止するために使用されることができる。本システム、キット、および方法は、使用が簡単で、安全、効果的、かつ確実な構造を使用して、穿刺傷または開口部の閉鎖を可能にする。閉鎖システムのインプラント構成要素は、穿刺傷または開口部および周囲組織の治癒を可能にしながら、ある時間期間にわたって溶解することができる。
【0073】
図および多くの実施形態は、血管外科手術と関連付けられた穿刺傷の封止のための本閉鎖システム、キット、および方法の使用に関するが、当業者は、本明細書に開示される構成要素が、患者の血管壁、体腔、または生検路内の任意の穿刺傷または他の開口部の閉鎖のために拡張可能かつ有用であり得ることを理解されるであろう。さらに、本閉鎖システム、キット、および方法は、医療手技の間の累積送達および展開ステップが減少されるように、別の医療デバイスの中に組み込まれることができることが検討される。
【0074】
前述の発明を実施するための形態は、発明を実施するための形態の一部を形成する、付随の図面の参照を含む。発明を実施するための形態は、図面を参照して熟読されるべきである。図面は、例証として、本システム、キット、および方法が実践され得る、具体的実施形態を示す。これらの実施形態はまた、本明細書では、「実施例」とも称される。
【0075】
前述の発明を実施するための形態は、例証であって、制限を意図するものではない。例えば、前述の実施例(またはその1つもしくはそれを上回る特徴または構成要素)は、相互に組み合わせて使用されることができる。他の実施形態は、前述の発明を実施するための形態の精査に応じて、当業者等によって、使用されることができる。また、種々の特徴または構成要素は、本開示を効率化するために、ともにグループ化されている、またはグループ化されることができる。これは、請求されない開示された特徴が、任意の請求項に不可欠であることを意図するものと解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示される実施形態の全てに満たない特徴にあり得る。したがって、以下の請求項の例は、発明を実施するための形態に組み込まれ、各例は、それ自体で別個の実施形態として成り立つ。
【0076】
実施例1では、第1の組織表面と第2の組織表面との間に延在し、あるサイズおよび縁を有する、孔を封止するための閉鎖システムが、インプラントアセンブリを備える。インプラントアセンブリは、内側部材と、外側部材と、封止膜とを含むことができる。内側部材は、少なくとも部分的に、孔を通して延在し、第1の組織表面に対して位置付け可能な表面を有するように構成されることができる。外側部材は、送達構成から封止構成に拡張し、第2の組織表面に隣接して位置付けられることができる。封止構成は、孔のサイズより大きいサイズを有することができる。封止膜は、内側部材に封止可能に取り付けられる遠位端と、外側部材を受容するように構成される開口部を含む近位端と、その間の中央領域とを有することができる。外側部材は、封止構成にあるとき、その外側表面が孔の縁に接触および共形化するように、封止膜の中央領域を半径方向外向きに付勢することができる。
【0077】
実施例2では、実施例1に記載の閉鎖システムは、随意に、インプラントアセンブリがさらに、その遠位端上において、内側部材に結合され、内側部材に対してある角度で延在する、接続部材を備えるように構成されることができる。接続部材は、その長さの一部に沿って延在する、1つまたはそれを上回る表面突起を含むことができる。
【0078】
実施例3では、実施例2に記載の閉鎖システムは、随意に、インプラントアセンブリがさらに、接続部材が、係止部材に対して第1の方向に摺動されることを可能にするが、接続部材が係止部材に対して第2の反対方向に摺動することを阻む、突起係合部分を含む、係止部材を備えるように構成されることができる。
【0079】
実施例4では、実施例2または3の任意の1つに記載の閉鎖システムは、随意に、ヒンジが、内側部材と接続部材の交差点に組み込まれるように構成されることができる。
【0080】
実施例5では、実施例1−4の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の閉鎖システムは、随意に、内側部材が、第1の端部領域と第2の端部領域との間の拡大領域を含むように構成されることができる。第1の端部領域は、第2の端部領域を上回る長さを有することができる。
【0081】
実施例6では、実施例5に記載の閉鎖システムは、随意に、第1の端部領域および第2の端部領域がそれぞれ、蛍光透視法または超音波を使用して視認可能な放射線不透過性材料または空隙を含むように構成されることができる。
【0082】
実施例7では、実施例6に記載の閉鎖システムは、随意に、放射線不透過性材料が、水溶性材料であるように構成されることができる。
【0083】
実施例8では、実施例1−7の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の閉鎖システムは、随意に、外側部材が、近位端と、中間変形部分と、遠位端とを有するように構成されることができる。中間変形部分は、外側部材の壁を通した平行細隙または切れ目によって生成される複数の支柱を含むことができる。
【0084】
実施例9では、実施例8に記載の閉鎖システムは、随意に、複数の支柱がそれぞれ、ヒンジ領域を含むように構成されることができる。
【0085】
実施例10では、実施例8または9の任意の1つに記載の閉鎖システムは、随意に、外側部材が送達構成にあるとき、複数の支柱がそれぞれ、内側部材と略垂直方向に伸長されるように構成されることができる。
【0086】
実施例11では、実施例8−10の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の閉鎖システムは、随意に、外側部材が封止構成にあるとき、複数の支柱がそれぞれ、内側部材と略平行方向に収縮されるように構成されることができる。
【0087】
実施例12では、実施例8−11の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の閉鎖システムは、随意に、封止構成における外側部材のサイズが、複数の支柱の収縮の量に依存するように構成されることができる。
【0088】
実施例13では、実施例1−12の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の閉鎖システムは、随意に、内側部材、外側部材、および封止膜がそれぞれ、生体吸収性材料を含むように構成されることができる。
【0089】
実施例14では、実施例13に記載の閉鎖システムは、随意に、生体吸収性材料が、酸性ポリマーおよびアルカリ土類金属を含むように構成されることができる。
【0090】
実施例15では、実施例1−14の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の閉鎖システムは、随意に、封止膜が、非多孔性材料を含むように構成されることができる。
【0091】
実施例16では、実施例1−15の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の閉鎖システムは、随意に、封止膜が、複数の微小細孔を有する、微小多孔性材料を含むように構成されることができる。各微小細孔は、血球の流動を阻止するように定寸および成形されることができる。
【0092】
実施例17では、実施例1−16の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の閉鎖システムは、随意に、封止膜が、1つまたはそれを上回る補強要素を含むように構成されることができる。
【0093】
実施例18では、実施例17に記載の閉鎖システムは、随意に、1つまたはそれを上回る補強要素が、封止膜の縦軸と平行に配列されるように構成されることができる。
【0094】
実施例19では、実施例17に記載の閉鎖システムは、随意に、1つまたはそれを上回る補強要素が、封止膜の縦軸に対してある角度で配列されるように構成されることができる。
【0095】
実施例20では、実施例1−19の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の閉鎖システムは、随意に、封止膜が、その遠位端とその近位端との間に非均一断面サイズを含むように構成されることができる。
【0096】
実施例21では、実施例1−20の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の閉鎖システムは、随意に、封止膜が、その近位端近傍に1つまたはそれを上回る穿孔を含むように構成されることができる。
【0097】
実施例22では、実施例1−21の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の閉鎖システムは、随意に、送達アセンブリをさらに備えることができる。送達アセンブリは、ハンドルと、レールと、剪断管と、送達管と、作動部材とを含むことができる。ハンドルは、第1の筐体部分と、第2の筐体部分とを有することができる。レールは、内側部材と係合される、第1の端部から、第2の筐体部分と静的に結合される、第2の端部まで延在することができる。外側部材は、その第1の端部と第2の端部との間のレールによって支持されることができる。剪断管は、キー溝付き通路を含む、第1の端部から、第2の筐体部分と係合される、第2の端部まで延在することができる。送達管は、剪断管の一部を同心状に囲繞し、その第1の端部上において、封止膜の端部に結合され、その第2の端部上において、第1の筐体部分に結合されることができる。作動部材は、剪断管の第2の端部と係合され、管を外側部材をその送達構成からその封止構成に拡張させる方向に付勢することができる。
【0098】
実施例23では、実施例22に記載の閉鎖システムは、随意に、第1の筐体部分が、第2の筐体部分に解放可能に係止可能であるように構成されることができる。係止されない場合、第1の筐体部分は、第2の筐体部分に対して回転することができる。
【0099】
実施例24では、実施例22または23の任意の1つに記載の閉鎖システムは、随意に、剪断管の第2の端部が、第2の筐体部分の軸方向路と係合され、それによって、剪断管を第2の筐体部分に対して軸方向移動に制約するように構成されることができる。
【0100】
実施例25では、実施例22−24の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の閉鎖システムは、随意に、送達アセンブリがさらに、剪断管と送達管との間に位置付けられる押動管を備えるように構成されることができる。押動管は、キー溝付き通路を含む、第1の端部から、第1の筐体部分の軸方向路と係合される、第2の端部まで延在することができる。本軸方向路は、押動管を第1の筐体部分に対して軸方向移動に制約することができる。
【0101】
実施例26では、内側脈管表面と外側脈管表面との間に延在する、孔を封止するための方法は、内側部材を孔を通して脈管の管腔の中に挿入するステップを含むことができる。内側部材は、内側脈管表面に対して引動されることができ、その第1の端部上において、内側部材に結合される、接続部材および封止膜の一部は、その第2の端部上において、脈管の外側まで延在するように配列されることができる。送達構成における外側部材が、次いで、封止膜が、少なくとも部分的に、外側部材を囲繞するように、封止膜の第2の端部を通して挿入されることができる。圧縮力が、外側部材に遠位方向に印加され、送達構成を封止構成に拡張させることができる。本拡張は、その外側表面が孔の縁に接触および共形化するように、封止膜の中央領域を半径方向外向きに付勢することができる。
【0102】
実施例27では、実施例26に記載の方法は、随意に、圧縮力を外側部材に印加するステップが、外側部材を孔の周縁を上回る円周に拡張させるステップを含むように構成されることができる。
【0103】
実施例28では、実施例26または27のいずれかに記載の方法は、随意に、内側脈管表面に対する内側部材の位置および封止構成における外側部材の拡張を固着させるステップをさらに含むことができる。本固着させるステップは、係止部材と接続部材の一部を係合させるステップを含むことができる。
【0104】
実施例29では、実施例28に記載の方法は、随意に、係止部材の位置を接続部材に対して調節することによって、封止構成における外側部材の円周を変化させるステップをさらに含むことができる。
【0105】
実施例30では、実施例28または29のいずれかに記載の方法は、随意に、係止部材の近位にある接続部材の一部を剪断するステップをさらに含むことができる。
【0106】
実施例31では、実施例26−30の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の方法は、随意に、外側部材を封止膜の第2の端部を通して挿入するステップが、外側部材を封止膜の他の部分より大きい断面サイズを有する封止膜の一部の中に位置付けるステップを含むように構成されることができる。
【0107】
実施例32では、実施例26−31の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の方法は、随意に、X線を使用して、内側部材内のヨウ素のカプセル化されたポケットを視認するステップをさらに含むことができる。
【0108】
実施例33では、実施例26−32の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載の方法は、随意に、その第2の端部の近傍の1つまたはそれを上回る穿孔に沿って封止膜の過剰部分を除去するステップをさらに含むことができる。
【0109】
実施例では、実施例1−33の任意の1つまたは任意の組み合わせに記載のシステムまたは方法は、随意に、列挙される全要素またはオプションが、使用または選択するために利用可能であるように構成されることができる。
【0110】
本システム、キット、および方法の範囲は、添付の請求項を参照して、そのような請求項が権利を有する均等物の全範囲とともに判定されるべきである。添付の請求項では、用語「含む(including)」および「そこで(in which)」は、それぞれの用語「備える(comprising)」および「そこで(wherein)」の平易な英語の均等物として使用される。また、以下の請求項では、用語「含む(including)」および「備える(comprising)」は、無制限である、すなわち、請求項におけるそのような用語の後に列挙されるそれらのものに加えて、特徴または構成要素を含む、システム、キット、または方法も、依然として、その請求項の範囲内にあると見なされる。さらに、以下の請求項では、用語「第1の(first)」、「第2の(second)」、および「第3の(third)」等は、単に標識として使用され、そのような用語は、そのオブジェクトに対して数値要件を課すことを意図されない。
【0111】
要約は、読者が、本技術的開示の性質を迅速に明らかにすることを可能にするために提供される。これは、請求項の範囲または意味を解釈もしくは限定するように使用されないという理解を持って思慮される。