特許第6641383号(P6641383)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6641383アクリル系毛髪固定コポリマーおよび組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641383
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】アクリル系毛髪固定コポリマーおよび組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20200127BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20200127BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20200127BHJP
   C08F 220/18 20060101ALI20200127BHJP
   C08F 220/56 20060101ALI20200127BHJP
   C08F 220/06 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   A61K8/81
   A61Q5/06
   A61K8/02
   C08F220/18
   C08F220/56
   C08F220/06
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2017-553908(P2017-553908)
(86)(22)【出願日】2016年4月20日
(65)【公表番号】特表2018-513154(P2018-513154A)
(43)【公表日】2018年5月24日
(86)【国際出願番号】EP2016058712
(87)【国際公開番号】WO2016169957
(87)【国際公開日】20161027
【審査請求日】2017年11月1日
(31)【優先権主張番号】62/149,955
(32)【優先日】2015年4月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15169961.8
(32)【優先日】2015年5月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509131443
【氏名又は名称】ヌーリオン ケミカルズ インターナショナル ベスローテン フェノーツハップ
【氏名又は名称原語表記】Nouryon Chemicals International B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】レブランク,ジェーン−ピエール
(72)【発明者】
【氏名】フィルビン,マイケル ティモシー
【審査官】 駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−182370(JP,A)
【文献】 米国特許第03927199(US,A)
【文献】 特開昭49−014647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
C08C19/00−19/44
C08F6/00−246/00;301/00
C08K3/00−13/08
C08L1/00−101/14
C08F290/00−290/14
C08F299/00−299/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Japio−GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)10〜30重量%の、炭素原子5〜12個のアルキル基を有する、1以上のN−アルキル(メタ)アクリルアミドである共重合性コモノマーと;
(b)16〜21重量%の酸性共重合性コモノマーと(ただし、当該酸性共重合性コモノマーは、少なくともアクリル酸を含み、さらに任意に、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸およびマレイン酸とフマル酸の(C〜C)アルキルハーフエステルの群から選択される1以上を含む)
(c)40〜76重量%の、イソブチルメタクリレートとメチルメタクリレートとの組み合わせと
を含むモノマーから調製される膜形成ポリマーを含む毛髪固定組成物であって、
前記膜形成ポリマーは場合により塩基性試薬で中和されている組成物。
【請求項2】
前記ポリマーの利用可能なカルボキシル基の50〜100%が中和されている、請求項1に記載の毛髪固定組成物。
【請求項3】
成分(a)がN−tertオクチルアクリルアミドである、請求項1または2に記載の毛髪固定組成物。
【請求項4】
成分(b)がアクリル酸とメタクリル酸の混合物を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
【請求項5】
アクリル酸対メタクリル酸の重量比が少なくとも0.8:1である、請求項4に記載の毛髪固定組成物。
【請求項6】
アクリル酸対メタクリル酸の重量比が少なくとも1.4:1である、請求項4に記載の毛髪固定組成物。
【請求項7】
18〜21重量%の成分(b)を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
【請求項8】
イソブチルメタクリレートとメチルメタクリレートとの重量比が1:3未満である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
【請求項9】
前記膜形成ポリマーが、さらに0.1重量%〜5重量%未満の、(C〜C)アルキル(C〜C)アミノアルキル(メタ)アクリレートおよび(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル(メタ)アクリルアミドから選択される1又はそれ以上の共重合性コモノマーを含む成分(d)を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
【請求項10】
前記膜形成ポリマーが、(a)25〜30重量%のN−tertオクチルアクリルアミドと、(b)少なくとも19重量%のアクリル酸またはアクリル酸とメタクリル酸の組み合わせと、(c)少なくとも40重量%のメチルメタクリレートとイソブチルメタクリレートとの組み合わせと、(d)1重量%未満の(C〜C)アルキル(C〜C)アミノアルキル(メタ)アクリレートとから重合される、請求項1から9のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
【請求項11】
エアロゾルスプレー中にあり、そのための溶媒およびエアロゾル噴霧剤をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物を毛髪に適用する工程を含む、毛髪を固定する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜形成ポリマーおよび本明細書に記載される特有の膜形成ポリマーを含有する毛髪固定組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪固定組成物、例えばエアロゾルヘアスプレーおよびヘアセットローションにおいて非常に有効であるために、そこに利用される膜形成ポリマーならびにそこから誘導される膜は厳格な一式の要件を満たさなければならない。したがって、このような配合物に使用されるポリマーは、無水有機溶媒に可溶性であるべきであるが、このような毛髪固定配合物から鋳造された膜は、通常、使用者の毛髪からの容易な除去を促進するために水溶性または水分散性であるべきである。容易に可視化されるように、これは、このような配合物に使用されるポリマーが、そこに通常使用される溶媒および/または噴霧剤と完全に適合性であるという要件によってさらに複雑にされる特性の珍しい組み合わせである。さらに、使用されるポリマーは、毛髪固定配合物に利用される香料または他の任意成分と相互作用する傾向をほとんどまたは全く示すべきでない。
【0003】
さらに、これらのポリマーの水溶液または有機溶媒溶液から鋳造された膜は、可撓性であるべきであり、同時に十分な強度および弾性を示すべきであり;これらは、毛髪が様々なストレスにさらされたときに、粉塵または剥落の発生を避けるために、毛髪への良好な接着を示すべきであり;これらは容易に髪を再度櫛でとかす(recomb)のを可能にするべきであり;これらは湿潤状態にもかかわらず非粘着性の状態を維持すべきであり;これらは清澄で、透明で、光沢があるべきであり、良好な帯電防止特性を有するべきであり;これらは水および/または石鹸もしくはシャンプーの使用によって容易に除去可能であるべきである。
【0004】
毛髪固定製品は、より自然で、硬すぎない手触りを提供しながら、かつ毛髪の柔軟性を可能にしながら、高湿度条件下でさえ優れた保持を提供することができることも望ましい。このような毛髪固定製品は、望ましくは、良好な剛性、弾性およびウェビング(webbing)を有するであろう。
【0005】
これらの厳しい要件を満たそうとして、多くのポリマー系が利用されてきた。これらの中には、ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンとビニルアセテートのコポリマー、5−5’−ジメチルヒダントインホルムアルデヒド樹脂、およびメチルビニルエーテルとマレイン酸ハーフエステルのコポリマー等が含まれる。
【0006】
他のモノマーと共重合したアクリルモノマーを含有するアクリレート樹脂も、毛髪固定組成物に使用されてきた。
【0007】
米国特許第6482393号明細書は、30〜72重量%のtert−ブチル(メタ)アクリレートと、10〜28重量%のアクリル酸またはメタクリル酸またはこれらの混合物と、0〜60重量%のそのホモポリマーはガラス転移温度が30℃未満である共重合性モノマーとを含むヘアセット組成物を開示している。
【0008】
米国特許出願公開第2007/0141013号明細書は、モル過剰のアニオン生成(anionogenic)基および/またはアニオン基を含有する両性コポリマー、両性コポリマーを含有する高分子電解質複合体、ならびにコポリマーまたは高分子電解質複合体を含有する組成物を開示している。
【0009】
欧州特許第0364887号明細書は、約0〜60重量%のC〜C12アルキルアクリレートまたはメタクリレートと、約15〜75重量%のC〜C10 N−置換アクリルアミドと、約20〜35重量%のアクリル酸またはメタクリル酸とを共重合することによって調製されるポリマーを含む毛髪固定組成物を開示している。
【0010】
他のポリマーおよび組成物は、例えば、その各々が参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第3927199号明細書;米国特許第4315910号明細書および米国特許第5686062号明細書に開示されている。あるこのような先行技術の膜形成ポリマーは、アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマーである。他のこのような先行技術の膜形成ポリマーは、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマーである。両タイプのコポリマーは、髪固定業界において周知であり、優れた性能特性、例えば高湿度カール保持を提供する。
【0011】
しかしながら、ある消費者は、良好な高湿度カール保持を有するが、あまり硬くなく、より自然な手触りも有し、スタイリングにおける柔軟性を可能にする固定組成物を好む。
【0012】
さらに、アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマーおよびオクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマーに使用されるモノマーのいくつかは高価であり得る。特に、(メタ)アクリルアミドモノマー、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーおよびアルキルアミノアルキルメタクリレートモノマーは全て比較的高価である。既存の膜形成ポリマーの特性と少なくとも同じくらい優れた特性を有するが、より高価なモノマーをあまり使用しない、またはより高価なモノマーのいくつかを完全に除去さえするアクリルコポリマーを提供することが望ましいであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6482393号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0141013号明細書
【特許文献3】欧州特許第0364887号明細書
【特許文献4】米国特許第3927199号明細書
【特許文献5】米国特許第4315910号明細書
【特許文献6】米国特許第5686062号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
毛髪固定配合物に使用するのに適した膜形成ポリマーであって、上記特性のほとんどまたは全てを示すポリマーを提供することが本発明の目的である。
【0015】
本発明の膜形成ポリマーを使用する毛髪固定組成物を提供することがさらなる目的である。
【0016】
非極性炭化水素噴霧剤、極性噴霧剤およびヒドロフルオロカーボン噴霧剤を含む異なる噴霧剤系とも適合性であるこのような膜形成ポリマーを提供することが本発明のさらなる目的である。
【0017】
本発明の種々の他の目的および利点は、以下に続く本開示を読むことから明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者らはここで、本発明の毛髪固定組成物の膜形成ポリマー成分として以下に記載される新規なクラスのポリマーを利用することによって、有効な毛髪固定配合物のための前記要件の全てが満たされることを発見した。よって、本発明は、1又はそれ以上の選択された共重合性N−アルキル(メタ)アクリルアミドモノマーと、1又はそれ以上の選択された共重合性酸性モノマーと、以下に定義される群から選択される2又はそれ以上の共重合性モノマーとを含むモノマーから調製される膜形成コポリマーに関する。本発明はさらに、このような膜形成ポリマーを含む毛髪固定組成物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で使用される「(メタ)アクリレート」および「(メタ)アクリルアミド」という用語は、特に明記しない限り、それぞれメタクリレートとアクリレートの両方、およびメタクリルアミドとアクリルアミドの両方を包含するものとする。
【0020】
本明細書で使用されるアクリルポリマーは、1又はそれ以上のカルボキシル基を含有する少なくとも1つのα−βエチレン性不飽和酸性モノマーを含有するポリマーを含むことを意図している。本発明の毛髪固定組成物に利用される好ましいアクリル系膜形成ポリマーは、N−アルキル(メタ)アクリルアミドである少なくとも1種のモノマーと、1又はそれ以上のカルボキシル基を含有する少なくとも1種の酸性モノマーと、酸性モノマーと共重合性のモノマーの群から選択される少なくとも2種のモノマー(以下、共重合性モノマーと呼ばれる)とを含む。
【0021】
本出願で明記されている百分率は全て、特に明記しない限り重量パーセントである。
【0022】
本発明によると、毛髪固定組成物は、
(a)10〜30%のN−アルキル(メタ)アクリルアミドからなる群から選択される1又はそれ以上の共重合性コモノマーであって、そのアルキル基は2〜12個の炭素原子を含有し、前記共重合性コモノマーの少なくとも1つについて、アルキル基は5〜12個の炭素原子を含有する共重合性コモノマーと;
(b)14〜21%のアクリル酸ならびに場合によりメタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸およびマレイン酸とフマル酸の(C〜C)アルキルハーフエステル;およびスチレンスルホン酸またはこれらの塩の群の1又はそれ以上の群から選択される1又はそれ以上の酸性共重合性コモノマーと;
(c)(C〜C12)アルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される2又はそれ以上の共重合性コモノマーであって、前記2又はそれ以上の共重合性コモノマーの少なくとも1つは(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートである共重合性コモノマーと
を含むモノマーから調製される膜形成コポリマーであって、
場合によりアルカリ性試薬で中和されている膜形成ポリマーを含む。
【0023】
本発明はまた、本発明の毛髪固定コポリマーを含む毛髪固定組成物も包含する。特に重要なのは、本発明の毛髪固定組成物中のポリマーによって示される広範な溶解度および適合性の特性である。したがって、例えば、これらは、エアロゾルヘアスプレーで典型的に使用される有機溶媒ならびにウェーブセットローションで典型的に利用される水性溶媒系においてより大きな程度の溶解度を示す。さらに、これらは、エアロゾルヘアスプレーで典型的に使用される炭化水素噴霧剤との大きな適合性を示す。
【0024】
コモノマー
成分(a)
成分(a)の適用可能なN−アルキル(メタ)アクリルアミドは、アルキル基が5〜12個の炭素原子を含有する少なくとも1種のコモノマーを含む。適用可能なアクリルアミドおよびメタクリルアミドには、限定されないが、N−n−オクチルアクリルアミド、N−tert−オクチルアクリルアミド、N−デシルアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミドならびに対応するN−置換メタクリルアミドが含まれる。一実施形態では、成分(a)がN−tert−オクチルアクリルアミドを含む。
【0025】
(C〜C12)アルキル(メタ)アクリルアミドに加えて、(C〜C)アルキル(メタ)アクリルアミド、例えばN−エチルアクリルアミドおよびN−tert−ブチルアクリルアミドも存在し得る。
【0026】
一実施形態では、成分(a)が、アルキル基が5〜12個の炭素原子を含有する少なくともいくつかのコモノマーを含み;一実施形態では、成分(a)が、50重量%のアルキル基が少なくとも5〜12個の炭素原子を含有するコモノマーを含み;一実施形態では、成分(a)が、少なくとも75重量%のアルキル基が5〜12個の炭素原子を含有するコモノマーを含み;一実施形態では、成分(a)が、100%のアルキル基が5〜12個の炭素原子を含有するコモノマーを含む。一実施形態では、コモノマー(a)が100%のN−tert−オクチルアクリルアミドである。
【0027】
成分(b)
成分(b)は、少なくとも1個の利用可能なカルボン酸基を含有するモノマーを含む。一実施形態では、成分(b)がアクリル酸を含み、場合によりメタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸およびマレイン酸とフマル酸の(C〜C)アルキルハーフエステル、例えばメチル水素マレエートおよびブチル水素フマレート、スチレンスルホン酸またはこれらの塩、ならびにその使用が専門家によって望まれている特定のポリマー系と共重合することができる任意の他の酸性モノマーから選択される1又はそれ以上の追加の共重合性酸性コモノマーを含む。当業者に公知であるように、酸性モノマーは、選択されたポリマー系と容易に重合可能であるように選択されなければならない。
【0028】
一実施形態では、成分(b)の酸性コモノマーがアクリル酸を含み、一実施形態では成分(b)がアクリル酸とメタクリル酸の混合物を含む。成分(b)がアクリル酸とメタクリル酸の混合物を含む一実施形態では、アクリル酸対メタクリル酸の重量比が少なくとも0.8:1、一実施形態では少なくとも1:1、一実施形態では少なくとも1.2:1、一実施形態では少なくとも1.4:1、一実施形態では少なくとも1.6:1、一実施形態では少なくとも1.8:1、一実施形態では少なくとも2.0:1、少なくとも一実施形態では2.2:1、一実施形態では少なくとも2.4:1、一実施形態では少なくとも2.5:1である。一実施形態では、成分(b)が100%アクリル酸である。
【0029】
成分(c)
ポリマーの一定の特性、例えば毛髪への接着性、水溶性、硬度、可撓性、帯電防止特性などを修正または増強するために、本発明のポリマーは、成分(c)の2又はそれ以上の共重合性モノマーを含む。理論によって拘束されることを望まないが、成分(c)中の2又はそれ以上の異なるモノマーの使用が、ポリマー構造に複雑性および破壊性をもたらし、ポリマーをあまり結晶性でなくし、それによってポリマーを毛髪固定配合物に使用するのに適したものにする一定の特性を予想外に改善すると考えられる。
【0030】
膜形成コポリマーの一実施形態では、成分(c)が、(C〜C12)アルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される2又はそれ以上の共重合性コモノマーである。成分(c)の共重合性モノマーの中には、1〜12個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチルおよびラウリルアルコールのアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルがある。
【0031】
膜形成コポリマーの一実施形態では、成分(c)の前記2又はそれ以上の共重合コモノマーの少なくとも1つが(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートである。
【0032】
膜形成コポリマーの一実施形態では、成分(c)の前記2又はそれ以上の共重合性コモノマーの1つが(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートであり、成分(c)の前記2又はそれ以上の共重合性コモノマーの1つが第1の(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートとは異なる(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートである。一実施形態では、(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基が分岐である。
【0033】
膜形成コポリマーの一実施形態では、成分(c)の前記2又はそれ以上の共重合性コモノマーの1つがメチルメタクリレートであり、成分(c)の前記2又はそれ以上の共重合性コモノマーの1つがイソブチルメタクリレートである。一実施形態では、イソブチルメタクリレート対メチルメタクリレートの重量比が1:1であり、一実施形態では1:1未満、一実施形態では1:1.5未満、一実施形態では1:2.0未満、一実施形態では1:2.5未満、一実施形態では1:3未満である。
【0034】
成分(d)(任意)
一実施形態では、本発明のポリマーが、成分(d)として、(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートまたは(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル(メタ)アクリルアミドから選択される1又はそれ以上のカチオン性モノマーをさらに含む。成分(d)のモノマーのアミノ基は、アルキルで一置換または二置換されていてもよい。一実施形態では、成分(d)がtert−ブチルアミノエチルメタクリレートを含む。一実施形態では、成分(d)がジメチルアミノプロピルメタクリルアミドを含む。
【0035】
コポリマー
毛髪固定組成物中で有効に機能して溶媒および噴霧剤との良好な適合性、良好な除去性ならびに良好な審美性および保持特性を提供する膜形成ポリマーを提供するために、成分の各々のコモノマーを慎重に選択することによって、および膜形成コポリマー中の成分の各々の割合を対応して調節することによって特性のバランスを達成することが必要であることが分かっている。驚くべきことに、コモノマーおよびその相対的な特性をこのように慎重に選択することによって、先行技術のポリマーよりも高価なモノマーを比例的に少なく使用する有効な膜形成コポリマーの調製も可能になり、いくつかの実施形態では、一定の高価なコモノマーの完全な回避が可能になり得る。例えば、成分(a)の相対割合を先行技術のポリマーに対して低下させると、成分(b)の相対割合を低下させ、成分(c)の相対割合を増加させて、一定の溶媒および噴霧系中のコポリマーの所望の適合性を達成することができる。
【0036】
本発明の新規な毛髪固定組成物において特に効率的に機能するポリマーを提供するために、コポリマーは、10〜30%の成分(a)のコモノマーと、14〜21%の成分(b)のコモノマーと、40〜76%の成分(c)の2又はそれ以上のコモノマーとを含有し;これらの百分率はコポリマーの総重量に基づく。
【0037】
一実施形態では、本発明のポリマーが10〜30%、一実施形態では10%〜30%未満、一実施形態では15%〜29%以下、一実施形態では15%〜28%以下、一実施形態では15%〜26%以下、一実施形態では15%〜24%以下、一実施形態では15%〜22%以下、一実施形態では15%〜20%以下の成分(a)のN−アルキル(メタ)アクリルアミドを含有する。
【0038】
一実施形態では、本発明のポリマーが14〜21%、一実施形態では16〜21%、一実施形態では18〜21%、一実施形態では19〜21%および一実施形態では20〜21%の成分(b)の少なくとも1種の酸性コモノマーを含有する。
【0039】
一実施形態では、本発明のポリマーが40〜76%、一実施形態では45〜70%、一実施形態では45〜65%、一実施形態では45〜60%の成分(c)の合わせた少なくとも2種の共重合性コモノマーを含有する。
【0040】
一実施形態では、コポリマーが0.1〜5%の任意の成分(d)、一実施形態では0.1〜4%、一実施形態では0.1〜3%、一実施形態では0.1〜2%、一実施形態では0.1〜1%、一実施形態では0.1〜0.5%を含有する。
【0041】
一実施形態では、本発明は、
(a)10〜30重量%のN−アルキル(メタ)アクリルアミドからなる群から選択される1又はそれ以上の共重合性コモノマーであって、そのアルキル基は2〜12個の炭素原子を含有し、前記共重合性コモノマーの少なくとも1つについて、アルキル基は5〜12個の炭素原子を含有する共重合性コモノマーと;
(b)14〜21重量%のアクリル酸ならびに場合によりメタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸およびマレイン酸とフマル酸の(C〜C)アルキルハーフエステルの群の1又はそれ以上の群から選択される1又はそれ以上の酸性共重合性コモノマーと;
(c)40〜76重量%の(C〜C12)アルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される2又はそれ以上の共重合性コモノマーであって、前記2又はそれ以上の共重合性コモノマーの少なくとも1つは(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートである共重合性コモノマーと
を含むモノマーから調製される膜形成ポリマーを含む毛髪固定組成物を含む。
【0042】
一実施形態では、本発明は、(a)25〜30重量%のN−tertオクチルアクリルアミドと、(b)少なくとも19重量%のアクリル酸またはアクリル酸とメタクリル酸の組み合わせと、(c)少なくとも40重量%の合わせたメチルメタクリレートおよびCアルキルアクリレートと、(d)1重量%未満の(C〜C)アルキル(C〜C)アミノアルキル(メタ)アクリレートとを含むモノマーから調製される膜形成ポリマーを含む毛髪固定組成物を含む。
【0043】
本発明の好ましい膜形成性ポリマー(カール保持、毛髪への接着性、透明度、光沢、溶液および噴霧剤との適合性、シャンプー除去性、審美性、例えばビーズ光沢、剛性、弾性およびウェビングなどの優れた特性の組み合わせのために好ましい)は、成分(a)として15〜30%のN−tert−オクチルアクリルアミドと、成分(b)として14〜21%の合わせたアクリル酸および任意のメタクリル酸と、成分(c)として45〜60%の合わせたイソブチルメタクリレートおよびメチルメタクリレートと、任意成分(d)として1%未満のtert−ブチルアミノエチルメタクリレートとを含有する。一実施形態では、好ましい膜形成コポリマーがヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含有しない。
【0044】
これらの膜形成ポリマーの実際の調製に関しては、当業者に周知であり、調製が望まれるポリマーに特に適している通常のビニル重合法のいずれかを使用することができる。したがって、ポリマーは、バルク、懸濁、溶液または乳化重合技術を利用するフリーラジカル開始法によって調製することができる。ポリマーを、所望であれば、溶液重合ポリマーを水に分散させ、その後、溶媒を追い出し、引き続いて粒子を分離および乾燥させることによって、ビーズまたはパールとして知られる比較的大きな粒子に変換することができる。
【0045】
上記および当分野の一般的な共重合技術の変形は、本発明に包含される。例えば、最初の反応器装入とその後の重合反応器への添加の両方におけるモノマーの相対比を、反応種間の反応性の差を考慮して選択することができる。コモノマーの反応器への添加速度もまた、このような異なる反応性を説明するよう選択することができる。使用されるモノマーの等級にもいくつかのバリエーションがあり得る。溶媒および/または開始剤のレベルを変えることによって、ならびに/あるいは連鎖移動剤を使用することによってポリマー分子量に影響を及ぼすことも可能である。また、経済的な目的で回収された等級の溶媒を使用することも可能である。共重合法のこのような変化は、当業者によって容易に理解されるであろう。
【0046】
中和
成分(b)の酸性コモノマーは、得られたコポリマーを、必要な水溶性を最終的に示すことができるようにするために、適当な塩基との反応によって中和することを可能にする。これらの酸性コモノマーは、コポリマーを最終的な毛髪固定配合物に組み込む前に中和することができ、よってこれらの配合物を単に水ですすぐことによって毛髪から除去することができる。しかしながら、このようなコポリマーがこのようにして事前中和(pre-neutralized)されない場合、アルカリ性水溶液、例えば石鹸および水の適用によって容易に除去することが可能である。本発明の目的のために、水溶性という用語は、その通常の意味における水溶性と水分散性の両方を含むことと意図していることに留意すべきであり、得られた膜は、水との接触によって十分に水和および軟化されて、水と石鹸またはシャンプーのいずれかを適用することによって毛髪から容易に除去される。
【0047】
アクリルポリマー樹脂は、溶媒系中で完全にまたは部分的に中和することができる。アクリルポリマーが高VOCエアロゾル毛髪固定配合物に使用される場合、中和を有機溶媒、例えばエタノール中で行うことができる。アクリルポリマーが低VOC非エアロゾル配合物に使用される場合、溶媒系中に部分的に中和されたアクリルポリマーの均質溶液が形成されるように、中和を水が主溶媒である溶媒系中で実施することができる。水が主溶媒であるという記述は、水が常に溶媒系の主成分であることを意味する。すなわち、溶媒系は、溶媒系の総重量基準で、常に50重量%超の水、好ましくは60重量%超の水、さらにより好ましくは75重量%超の水を含有する。溶媒系は、有機溶媒、例えばエタノール、イソプロパノール、アセトン、エチレングリコールジメチルエーテル(EGDME)およびメチルエチルケトンをさらに含んでもよい。
【0048】
部分的に中和されたアクリルポリマーの均質溶液を調製する方法の一実施形態では、アクリルポリマーを最初に溶媒系中で中和塩基で中和して中和されたアクリルポリマーの均質溶液を形成し、次いで、溶剤系中の部分的に中和されたアクリルポリマーの均質溶液を形成するのに有効な条件下で、酸を中和されたアクリルポリマーの溶液に添加する2段階方法を利用することができる。本明細書中で使用される中和されたアクリルポリマーは、アクリルポリマーが中和塩基で中和された後であるが、酸が中和されたアクリルポリマーの溶液に添加される前のアクリルポリマーを示すために使用される。本明細書で使用される部分的に中和されたアクリルポリマーは、塩基による中和と酸の添加が完了した後のアクリルポリマーを示すために使用される。
【0049】
一定の実施形態では、典型的には粉末形態のアクリルポリマーを、溶媒系および中和されたアクリルポリマーが溶媒系に可溶性である程度にアクリルポリマーを中和するのに有効な量の中和塩基と合わせ、それによって溶媒系中の中和されたアクリルポリマーの均質溶液を形成する。好ましくは、中和塩基を所定の有効量で溶媒系に添加する。次いで、中和されたアクリルポリマーの均質溶液が形成されるまで、アクリル系ポリマーを溶媒系と中和剤の混合物に撹拌しながら添加する。中和されたアクリルポリマーの溶媒系への溶解は、好ましくは系へのエネルギーの入力、例えば高せん断混合または加熱の必要なしに完了される。適用可能な中和塩基には、限定されないが、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム、アンモニア、第一級、第二級および第三級アミン、アルカノールアミンおよびヒドロキシアミン、例えば2−アミノ−2−メチルプロパノールおよび2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールがそれぞれ含まれる。利用される中和塩基の有効量は、アクリルポリマーを調製するために使用される酸性モノマーの特定のレベルおよび種類に依存する。中和塩基の有効量は、0.9:1以上、好ましくは約0.9:1〜約2:1、より好ましくは約0.9:1〜約1.5:1である、アクリルポリマーに含有される塩基対カルボキシル基のモル比であり得る。中和されたアクリルポリマーの溶液は均質でなければならず、相分離および沈殿から安定でなければならない。中和されたアクリルポリマーの溶液のpHは、一般に約7以上であるが、典型的には10未満である。本発明の一実施形態では、ポリマーが90〜100%中和されており、ポリマーの溶液のpHが8〜9の範囲にある。
【0050】
水が主溶媒である系では、中和されたアクリルポリマーの均質溶液を調製した後、水溶性酸を中和されたアクリルポリマーの溶液に添加して、中和されたアクリルポリマーの中和レベルを低下させ、それによって部分的に中和されたアクリルポリマーを形成する。溶媒系中の部分的に中和されたアクリルポリマーの均質溶液を提供するのに有効な量および条件下で酸を添加する。使用することができる水溶性酸には、有機酸と無機酸の両方が含まれる。代表的な酸としては、限定されないが、酢酸、硝酸、リン酸、硫酸、塩酸、酪酸およびプロピオン酸が挙げられる。酸の有効量は、因子、例えば使用される特定の酸性モノマー、酸モノマーが使用されるレベル、中和されたポリマーの溶液の濃度および酸の相対強度に依存する。中和塩基の有効量が、0.9:1以上のアクリルポリマーに含有される塩基対カルボキシル基のモル比であり得る場合、酸の有効量は、0.1:1以上、好ましくは約0.9:1〜約2:1、より好ましくは約1:1〜約1.5:1、さらにより好ましくは約0.2:1〜約0.8:1のアクリルポリマー中に含有される酸対カルボキシル基のモル比である。部分的に中和されたアクリルポリマーの溶液は均質でなければならず、相分離および沈殿から安定でなければならず、最も好ましくは水に再分散可能である、すなわち水および/またはシャンプーで毛髪から容易に除去可能である透明な連続膜を形成する。
【0051】
部分的に中和されたアクリルポリマーの均質溶液を提供するのに有効な条件下で、酸を中和されたアクリルポリマーの溶液に添加する。一定の実施形態では、中和されたアクリルポリマーの溶液に添加する前に、部分的に中和されたアクリルポリマーの均質溶液を提供するのに有効な濃度に酸を水に希釈すべきである。さらに、部分的に中和されたアクリルポリマーの均質溶液を提供するのに有効な時間にわたって酸を添加すべきである。酸の濃度および酸が添加される時間は、因子、例えば中和されたアクリルポリマーの濃度および酸の相対強度などに依存する。酸の濃度が高すぎる、または希釈されたもしくは希釈されていない酸があまりにも速く添加されると、ポリマーの沈殿が起こる。わずかな沈殿は追加の混合によって改善することができるが、不適当な酸の添加によって引き起こされるより高いレベルの沈殿またはより大きなポリマー粒子の形成は、さらなる混合にかかわらず補正することができない。中和されたアクリルポリマーの均質溶液と同様に、部分的に中和されたアクリルポリマーの溶媒系への溶解は、好ましくは系へのエネルギーの入力、例えば高せん断混合または加熱の必要なしに完了される。本明細書の開示の利益を有する当業者は、部分的に中和されたアクリルポリマーの均質溶液を提供するために、どのような濃度および酸添加時間の条件が必要であるかを容易に確認することができるだろう。
【0052】
部分的に中和されたアクリルポリマーの溶液のpHは、毛髪固定組成物に使用するのに十分である。好ましくは、本発明による部分的に中和されたアクリルポリマーの溶液のpHは約5.5〜約8.5、より好ましくは約6〜約8に及び、最も好ましくは約7である。部分的に中和されたアクリルポリマーの均質溶液は、溶媒系と部分的に中和されたアクリルポリマーの総重量基準で、約1〜約20重量%の部分的に中和されたアクリルポリマー、好ましくは約2〜約15重量%の部分的に中和されたアクリルポリマーを含有する。
【0053】
部分的に中和されたアクリルポリマーの溶液の粘度もまた、毛髪固定組成物に使用するのに適している。当分野で公知のように、溶液粘度はエアロゾル毛髪固定剤の重要な特性であり、エアスプレー特性(溶液粘度によって影響される)対毛髪固定剤の毛髪上での性能(水の存在によって影響される)のバランスが、低VOC毛髪固定剤の課題を提示している。相対重量パーセント67/33および25℃での水およびEGDMEからなる溶媒系中の部分的に中和されたアクリルポリマーの5%ポリマー固体溶液の粘度は、好ましくは約2〜約10cp、より好ましくは約2〜約7cpである。
【0054】
本発明による毛髪固定組成物の調製では、部分的に中和アクリルポリマーの均質溶液を追加の水および場合により噴霧剤または乳化剤と合わせ、それによって、毛髪固定組成物を形成する。成分を合わせる方法は、毛髪固定組成物を調製する当業者の知識の範囲内である。
【0055】
このようにして調製されたアクリル毛髪固定組成物は、十分な毛髪固定特性を有する毛髪固定組成物提供するのに有効な量の、好ましくは毛髪固定組成物の総重量基準で約3〜約10乾燥重量%の部分的に中和されたアクリルポリマーを含む。
【0056】
アクリルポリマーは溶媒系中で部分的にまたは完全に中和されていてもよく、溶媒系中に部分的に中和されたアクリルポリマーの均質溶液が形成されるように、有機溶媒が主溶媒である。溶媒系は、一般に、溶媒、例えばエタノール、イソプロパノール、アセトン、エチレングリコールジメチルエーテル(EGDME)およびメチルエチルケトンを含む。このような系では、任意の量の水を二次溶媒として添加することができる。水の量は、一般に配合物の5〜15%含有される。
【0057】
毛髪固定配合物
毛髪固定配合物中の溶媒(複数可)および噴霧剤(複数可)の選択は、種々の因子、例えば地理的嗜好、成分に関する入手可能性および規制、他の成分との適合性ならびに最終的に望ましい保持の種類に基づくことができる。上に論じられるように、ポリマーの特性を変更して、特定のシャーシ(すなわち、溶媒系と噴霧剤の組み合わせ)におけるその利用を最適化することも可能である。例えば、水性系は、審美的に好ましい噴霧送達を可能にするために低分子量ポリマーに依存し得るだろう。同様に、流動して、毛髪との良好な結合を提供するポリマーの能力を、その組成および/または分子量を変えることによって変化させることができる。過度の低分子量ポリマーは十分な保持を与えない可能性があるが、過度の高分子量ポリマーは正しい送達および流動の特性をもたらさない可能性があるので、利点減少をもたらし得る。
【0058】
毛髪固定組成物は、エアロゾルまたは非エアロゾルスプレー、ムース、ゲル、ワックス、ポマードまたはヘアセットローションの形態であり得る。組成物は、最大40重量%まで、いくつかの実施形態では最大35重量%までの噴霧剤を含有することができる。種々の種類のエアロゾル噴霧剤が当業者に周知である。典型的な噴霧剤には、エーテル、圧縮ガス、ハロゲン化炭化水素および炭化水素が含まれる。代表的な噴霧剤は、ジメチルエーテル、圧縮窒素、空気または二酸化炭素、プロパン、イソブタン、ヘプタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタンおよび1,1−ジフルオロエタン、例えばDymel(登録商標)152a(DuPontから入手可能)ならびに後者の噴霧剤の混合物である。これらの噴霧剤は、本発明で利用されるポリマー−溶媒溶液と容易に適合性である。毛髪固定組成物は他の材料または添加剤、例えば芳香剤、保存剤、着色剤、可塑剤、乳化剤、コンディショナー、中和剤、光沢剤(glossifier)などをさらに含むことができる。このような噴霧剤、有機溶媒および材料または添加剤は、これまで公知の毛髪固定組成物に一般に使用されている。
【0059】
本発明によるムースは、約0.25〜6重量%、好ましくは0.25〜3重量%の乳化剤をさらに含む。乳化剤は非イオン性、カチオン性、アニオン性または両性であり得る。代表的な非イオン性乳化剤には、Tergitol(登録商標)NP 15(INCI名−ノノキシノール15)およびBrij 97(INCI名−オレス10)が含まれる。ムースはまた、約2.5〜25重量%、好ましくは5〜15重量%の上に論じられる噴霧剤を含む。ムースは、水を含むムースの残りと共に、上に論じられる追加の成分を含むことができる。任意の添加剤を本発明の毛髪固定組成物に組み込んで、その一定の特性を修正することができる。これらの添加剤の中には、可塑剤、例えばグリコール、フタレートエステルおよびグリセリン;シリコーン;皮膚軟化薬、潤滑剤および浸透剤、例えばラノリン化合物、タンパク質加水分解物および他のタンパク質誘導体、エチレンオキシド付加物ならびにポリオキシエチレンコレステロール;UV吸収剤;染料および他の着色剤;ならびに香料が含まれ得る。
【0060】
本発明の得られた毛髪固定組成物は、毛髪固定剤に要求される特性の全てを示す。その膜は透明で、光沢があり連続的である。これらは良好な帯電防止特性を有し、石鹸水またはシャンプーによって容易に除去され、毛髪を容易に再度櫛でとかすのを可能にし、高湿度条件下で優れたカール保持を有し、以下の実施例で示される他の望ましい特性を有する。
【0061】
一般に、本発明のヘアスプレー配合物を調製する方法は、ポリマーを選択された溶媒に溶解または希釈し、その存在が所望され得る任意の改質剤を添加し、その上得られた溶液を選択されたエアロゾル噴霧剤と組み合わせることを含むだけである。
【0062】
したがって、本発明の新規なエアロゾルヘアスプレー配合物は、全ての場合で、少なくとも3つの必須成分を含有することに留意されたい。後者の成分の最初のものは、配合物のための膜形成剤として働く、上記ポリマーの1又はそれ以上を含む有効成分と呼ばれ得るものである。第2に、ポリマーのためのビヒクルとして働く1又はそれ以上の溶媒が存在する。最後に、配合物が包装されている容器からの上記ポリマーおよびビヒクルの排出に影響を及ぼすのに役立つ噴霧剤が存在する。水は、通常、エアロゾル配合物中の主溶媒として存在しないが、いくつかの配合物に含まれ得る。
【0063】
比率に関して、最終的なヘアスプレー配合物は、典型的には、約0.25〜7重量%に及ぶ濃度の本発明のポリマーと、約8〜90重量%に及ぶ濃度の溶媒と、10〜45重量%に及ぶ濃度の噴霧剤とを含有する。しかしながら、同様に上に示唆される範囲外の成分の濃度を有する使用可能な配合物を調製することが十分に可能であり得るので、後者の割合は単なる例示であるとみなされるべきである。
【0064】
さらに、本発明の特有の膜形成ポリマーは、通常、水と合わせた適当な有機溶媒、例えばアルコール中のポリマーの溶液(または分散液)からなる毛髪セットローションに利用される場合に等しく有効であることに留意すべきである。このようなローションは、毛髪に直接適用することができる、または従来のスプレーノズルを利用してその上にスプレーすることができる。このようなローションの適用は、所望のヘアスタイルが達成される前、最中またはされた後に行われてもよい。
【0065】
後者の毛髪ローションは、単に膜形成ポリマーを選択された溶媒と混和することによって調製され、このような溶媒は通常、水またはアルコール、例えばエタノールまたはイソプロパノールとの混合物を含む。比率に関して、ローションは、典型的には、約0.5〜7重量%の本発明のポリマーを含有するが、溶媒系中のアルコール対水の任意の所望の比をそこで利用することができる。いくつかの場合、全てのアルコール系を使用することもできる。
【0066】
任意の添加剤を本発明の毛髪固定配合物に組み込んで、その一定の特性を修正することができる。これらの添加剤の中には、可塑剤、例えばグリコール、フタレートエステルおよびグリセリン;シリコーン;皮膚軟化薬、潤滑剤および浸透剤、例えばラノリン化合物、タンパク質加水分解物および他のタンパク質誘導体、エチレンオキシド付加物ならびにポリオキシエチレンコレステロール;UV吸収剤;染料および他の着色剤;ならびに香料が含まれ得る。先に述べられるように、本発明のポリマーは、このような添加剤と化学的に相互作用する傾向をほとんどまたは全く示さない。
【0067】
本発明はさらに、有効量の本明細書に開示される毛髪固定組成物を毛髪に適用する工程を含む、毛髪を固定する方法を含む。例えば、組成物がムース、ゲルまたはヘアセットローションの形態である場合、固定組成物を、スタイリング前またはスタイリング中に適用することができ;組成物がエアロゾルヘアスプレーの形態である場合、固定組成物を、ヘアスタイリング後に適用してスタイルを保持することができる。
【0068】
本発明の実施形態をさらに例示する以下の実施例では、特に指示がない限り、示される全ての部は重量による。以下の実施例は、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【実施例】
【0069】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するために提供され、決して本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0070】
実施例1−ポリマーの調製
以下の実施例は、本発明の組成物に使用するのに適した典型的なポリマーの代表的な重合方法を示す。
【0071】
冷却器および機械的撹拌手段を備えた反応容器に、ジベンゾイルペルオキシド0.6g、エタノール10.15g、イソプロピルアセテート37.15gならびにt−オクチルアクリルアミド(「t−OA」)55.8g、アクリル酸(「AA」)23.3g、メタクリル酸(「MAA」)14.0g、イソブチルメタクリレート(「iBMA」)46.5gおよびメチルメタクリレート(「MMA」)46.5gを含有するモノマー混合物18%を装入した。系を還流温度に加熱し、15分後にモノマー混合物の残りを4時間にわたって添加した。2時間後に、2時間にわたるエタノール37.39g中のジベンゾイルペルオキシド0.3gの添加も開始した。モノマー添加の最後に、イソプロピルアセテート23.32g中の0ジベンゾイルペルオキシド0.39gとエタノール19.2gの混合物を3時間にわたって添加した。系を4時間15分間さらに還流で保持した。次いで、ポリマーを回収し、下記表1のポリマー試料1として乾燥させた。
【0072】
この重合手順に従って調製された他のポリマー試料には、表1に列挙されるポリマー試料が含まれ、表中の値はポリマー中の各モノマーの重量パーセントである。tert−ブチルアミノエチルメタクリレート(「t−BAEMA」)を使用した場合、これを他のモノマーと同時に添加した。
【0073】
【表1】
【0074】
実施例2−ポリマー−溶媒−噴霧剤配合物の調製
選択されたポリマー試料をエタノール溶媒中で中和し、以下の手順に従って噴霧剤とブレンドして、さらなる評価のための配合物を得た:
【0075】
配合物調製手順:
1.主混合容器に、配合物に含有される全てのエタノールを装入する。
2.プロペラ撹拌による混合(混合シャフトの下の2/3までボルテックスが引かれるまで混合の速度の速度を調整する)を開始する。
3.アミノメチルプロパノール(中和剤)を添加する。
4.ポリマー粉末をボルテックスの側面に入れることによってゆっくり添加する。ポリマーを完全に分散させる。
5.ポリマーが完全に溶解し、溶液が透明になるまで混合を維持する。
6.噴霧剤を添加する。以下の試料では、特に指示がない限り、噴霧剤は全配合物の40%のヘプタンである。
【0076】
本明細書中に報告される各試料配合物では、特に明記しない限り、配合は3重量%のポリマー、適量〜60重量%のエタノール、100%中和を達成するのに十分な中和剤、および40重量%の噴霧剤であった。
【0077】
実施例3−濁度
試料配合物の濁度を測定するために、ポリマー試料2〜5を含有する配合物の試料を試験した。中和されたポリマー/溶媒濃縮物(噴霧剤は存在しない)をHACH管(特定の装置用に設計されたガラス管)に入れた。次いで、試料をHACH濁度計(モデル番号2100N)で測定し、NTUで報告した。濁度は室温(約23℃)で測定した。結果を表2に報告する。
【0078】
実施例4−主観評価のための毛髪見本試料調製
ビーディング、損失、剛性、弾性、ウェビング、乾いた手触り、フレーク、ドライコーミングおよび帯電防止の評価のために、ヨーロッパ人のバージンブラウン毛髪の長さ10インチ×4.5g見本から試験見本を調製した。各見本に、評価される試料配合物を6インチの距離から両側に噴霧した;具体的には、各見本に最初、根元から先端まで1秒間片側に、次いで、先端から根元まで1秒間スプレーした。次いで、見本を裏返し、この工程を繰り返した。評価の前に試料を23℃で1時間乾燥させた。
【0079】
シャンプー除去性を評価するために、ヨーロッパ人のバージンブラウン毛髪の長さ10インチ×2g見本から試験見本を調製した。各見本に、上記と同じ手順で評価すべき試料を6インチの距離から噴霧し、23℃で1時間乾燥させた。次いで、以下の追加の工程を続けた:
1)温水道水で毛髪見本を濡らし、過剰の水を優しく除去し、見本の長さに沿って3滴のシャンプーを塗布する。
2)シャンプーを毛髪見本に入れて、30秒間泡立てる。
3)流れる温水道水の下で30秒間毛髪見本をすすぐ。
4)過剰の水を優しく除去し、トレイに置き、120°Fで1時間乾燥させる。
5)見本を4組(「試験」配合物および「対照」配合物)に配置し、下記のように、剛性、フレークおよび手触りの正確な順序で、以下の領域の各々において、評価のためにパネリストに提示する。
【0080】
使用したシャンプーは、40.00部のナトリウムラウレスサルフェート(Rhone−Poulenc)、27.59重量部のナトリウムラウリルサルフェート(Henkel Corporation)、0.50重量部のコカミドDEA(Mona Industries,Inc.)、0.10重量部のメチルクロロイソチアゾリノン(および)メチルイソチアゾリノン(Rohm and Haas Company,Inc.)および31.81重量部の脱イオン水であった;シャンプー組成物を50%クエン酸でpH6.5〜6.7に調整した。
【0081】
実施例5−シャンプー除去性の評価;および主観的試験
主観的特性を評価するために、各試験に4名のパネリストを用いた。各パネリストに2つの試料セットを提示し、1つの試験につき合計8つの試料セットとした。各セットは2つの試料を含んでいた;各セットの一方の見本は、Akzo Nobel Surface Chemistry、LLCから入手可能な先行技術のAMPHOMER(登録商標)ポリマーを含むヘアスプレー組成物で処理した対照サンプルであり、各セットの他方の見本は、本明細書で同定される新規なポリマーを含むヘアスプレー組成物で処理した試験試料であった。「試験見本」(実験製品で処理したもの)および「対照見本」(合計8セットの比較)について「盲検」評価を行う。各セットで、対照ヘアスプレー配合物および試験ヘアスプレー配合物は、同じ溶媒および噴霧剤を含んでいた。したがって、各試験基準について、8セットの試料を、対照試料に対する各新規なポリマーについて試料の「盲検」比較で評価した。各性能領域で、パネリストは、示される属性の種類について、他の見本よりも優れた1つの見本を選択しなければならない。
【0082】
主観的特性説明:
ビーディング:
乾燥したポリマービーズの見本を目視検査する。より多くのビーディングを持つ見本を選択する。
【0083】
光沢:
膜を壊さないように見本を優しく手に取る。見本を目視検査してどれがより多くの輝き/光沢があるかを判定する。
【0084】
剛性:
見本を優しく手に取り、剛性の違いを感じる。2本の指を使用して、見本の中央を水平位置に保つ−一方が他方よりも曲がるか?より硬いものを選択する。
【0085】
弾性:
見本を片手で持ちながら、他方の手で端を3回だけ優しく引っ張る。はね返りおよび弾力を探す。弾力が大きいほど、弾性が優れている。
【0086】
ウェビング:
見本を両手で持ちながら、端を約4インチ優しく外側に引っ張る。(結び目への損傷を避けるために3回だけこれを行う。結び目が破壊された場合は、乾燥コーミングがコーミングより容易であるように見えるかもしれない)。網状になるほど、ウェビングが優れている。
【0087】
フレーク:
両方の見本を目視検査する。縛られた端で見本を持ち、房の長さに沿って指のつめを下に動かし、次いで点検する。より多くのフレークを持つものを選択する。
【0088】
乾いた手触り:
見本を手に取り、好みを決定する。より絹のように/きれいに感じるものを選択する。
【0089】
帯電防止:
縛られた端で見本を持ち、10回激しく櫛に通し、次いで、生じたはね(fly away)の程度を評価する。より多くはねているものを選択する。
ドライコーミング:
【0090】
各見本を5回櫛に通し、櫛通りの容易さを評価する。より容易に櫛通りするものを選択する。
0/8〜1/8:統計学的に劣っている2/8〜6/8:統計学的に差異がない
7/8〜8/8:統計学的に優れている
【0091】
表2に列挙される選択されたポリマーを、炭化水素型噴霧剤を代表するヘプタン中での適合性について評価した。したがって、以下の表2において、「+」記号は試験した試料が8つの試験セットのうちの少なくとも7つについて対照よりも好ましかったことを示し、「−」記号は対照が8つの試験セットのうちの少なくとも7つについて試験試料よりも好ましかったことを示し、「=」記号は、試料と対照との間に統計的差異がなかったことを示し、空白は評価を行わなかったことを示す。
【0092】
【表2A】
【0093】
【表2B】
【0094】
全体的な保持を測定する3つの特性は、剛性、弾性およびウェビングである。剛性は、パネリストが、より硬い手触りであるまたはより硬直している見本を選択することによって測定する。弾性およびウェビングは、毛髪とポリマーによるポリマーの粘着性および接着性の尺度である。主観的試験では、パネリストは、より多くのウェビングを有する見本および最も速く、元の形状に最も近くはね返る見本を選択するよう求められる。
【0095】
予期せぬことに、30部未満の含量のtOA(t−オクチルアクリルアミド)モノマーを含むいくつかのポリマーが、炭化水素適合性、シャンプー除去性、および主観的分析における対照に対する優れた性能をもたらすことを表2から認めることができる。例7は、例えば、対照に対する優れた光沢、剛性、および弾性、耐久性(自然な手触り)の尺度をもたらす。
【0096】
実施例6−高湿度カール保持
ポリマーヘアスプレー樹脂のカール保持特性を、以下の手順に従って、70°F/90%相対湿度で24時間にわたって、ヨーロッパ人のバージンブラウン毛髪(1試料当たり9連の見本)の長さ6インチ×3.75〜4.0gで測定した。
1.毛髪見本を濡らし、櫛でとかしてもつれを取り除き、過剰の水を絞る(親指と人差し指との間に見本を通す)。
2.試料を見本に適用し、見本に優しく「入れて」、櫛でとかす。
3.見本を直径1/2インチのTeflon(登録商標)マンドレルに巻く。巻かれた見本をマンドレルから慎重に取り外し、2本のヘアクリップで固定する。毛髪をカールさせる間、必ずカールを間隙なく、マンドレルに沿ってしっかりと連続させて保持する。カールの各端に1つ、プラスチックTygon(プレカット)クリップを用いて毛髪をマンドレルに固定する。必ずカールが、露出したほつれ毛がなくマンドレルのまわりにぴったりしているようにする。
4.カールをトレイに置き、110°Fオーブンで一晩乾燥させる。
5.乾燥したカールをオーブンから取り出し、30分間冷ます。マンドレルからクリップとカールを慎重に取り外す。
6.見本の縛られた端からカールをつるす。制御された量のヘアスプレーをカールに適用する。エアロゾルヘアスプレーを評価する際、2秒連射を、6インチの距離から各カールの前後に均一に適用する。カールに噴霧する際、第1の製品の5つのカールに噴霧し、次いで、第2の製品の5つのカールに噴霧するなどし、使用する全ての配合物について噴霧する。次いで、各セットの最後の4つが完了するまで、順序を逆にし、後向きに作業する。
7.新しく噴霧したカールをきれいなトレイ(箔で覆われた)に置き、1時間風乾する。
8.乾燥カールをガイドボード上につるし、各見本の縛られた端にだけ触れるよう注意する。
9.ボードとカールを環境チャンバー(70°F、相対湿度90%)に入れる前に、初期カール長さの読みをとる。
10.15、30、60、90、2、3、4、5および24時間の時間間隔でカール長さを記録する。
11.カール保持%および試料の比較を計算する。
【0097】
エタノール溶媒および40%ヘプタン噴霧剤を用いて試料配合物を調製した。
【0098】
ポリマー試料3、6、8、12、33および39〜41を全て評価すると、対照の先行技術ポリマーAMPHOMER(登録商標)と同等のHHCR性能を有することが分かった。
【0099】
実施例7−ヒドロフルオロカーボン噴霧剤を用いて調製した配合物の評価
表3に列挙されるポリマーを、ヒドロフルオロカーボン噴霧剤を代表する1,1−ジフルオロエタン中での適合性について評価した。
【0100】
表3の評価は毛髪見本の代わりにマネキン頭で行い、一方の面に実験製品を噴霧し、他方に先行技術のAMPHOMER(登録商標)ポリマー対照配合物を噴霧した。各側に配合物10連射を噴霧し、頭部の乾燥後に評価を行った。前のように、8つの評価のうち7または8の好みを示す主観評価結果は、統計的に有意な差を示す。
【0101】
【表3】
【0102】
表3はまた、異なる噴霧剤系のヒドロフルオロカーボン中の実施例6および7よりも優れた利点を示している。
【0103】
実施例8−炭化水素噴霧剤を用いて調製した配合物の評価
表4に列挙されるポリマーを、試料27bおよび27c示される異なる溶媒中で実行したことを除いて、炭化水素噴霧剤を代表するイソブタンとプロパンの市販の混合物であるA46中での適合性について毛髪見本で評価した。
実施例26および33は対照に対して優れた性能を示した。実施例26と同じ組成の実施例27が対照に対して優れた性能を示さないことは驚くべきことに思われる。この差異は分子量の違いに起因すると考えられる:試料27の重量平均分子量は約160000であるが、試料26については重量平均分子量は約130000で低い。理論に拘束されないが、実施例27の流動特性は、毛髪の適切な被覆に貢献しない可能性があり、主観的属性における性能低下をもたらす。また、実施例26および33は、酸性度のレベルおよび種類(それぞれ20および19.2部)の差異で同様の組成を有するが、より高レベルの酸性度、すなわち20%超の同様の組成の例は、炭化水素型噴霧剤中の適合性を示さない。
【0104】
【表4】
【0105】
少量のt−オクチルアクリルアミドモノマーtOA(例えば、約22%)は炭化水素噴霧剤中での乏しい適合性をもたらし得るが、このモノマーは、実施例26および33のように30%未満のレベルで使用すると優れた性能をもたらすことができることが分かった。
【0106】
本発明の詳細な説明に引用される全ての文献は、関連する部分において、参照により本明細書に組み込まれる;いかなる文書の引用も、本発明に関する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0107】
本発明の特定の実施形態が本明細書に例示および記載されてきたが、本発明は、示される詳細に限定されることを意図していない。むしろ、本発明の精神および適用範囲から逸脱することなく、特許請求の範囲の同等物の範囲および適用範囲内の詳細に種々の修正を行うことができる。
本願発明には以下の態様が含まれる。
[1]
(a)10〜30重量%の、N−アルキル(メタ)アクリルアミドからなる群から選択される1又はそれ以上の共重合性コモノマーであって、そのアルキル基は2〜12個の炭素原子を含有し、前記共重合性コモノマーの少なくとも1つについて、アルキル基は5〜12個の炭素原子を含有する、共重合性コモノマーと;
(b)14〜21重量%の、アクリル酸ならびに場合によりメタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸およびマレイン酸とフマル酸の(C〜C)アルキルハーフエステルの群からの1又はそれ以上の群から選択される、酸性共重合性コモノマーと;
(c)40〜76重量%の、(C〜C12)アルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される2又はそれ以上の共重合性コモノマーであって、前記2又はそれ以上の共重合性コモノマーの少なくとも1つは(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートである、共重合性コモノマーと
を含むモノマーから調製される膜形成ポリマーを含む毛髪固定組成物であって、
前記膜形成ポリマーは場合により塩基性試薬で中和されている組成物。
[2]
前記ポリマーの利用可能なカルボキシル基の50〜100%が中和されている、上記[1]に記載の毛髪固定組成物。
[3]
成分(a)が少なくとも50重量%のコモノマーを含み、そのアルキル基が5〜12個の炭素原子を含有する、上記[1]または[2]に記載の毛髪固定組成物。
[4]
成分(a)が100重量%のコモノマーを含み、そのアルキル基が5〜12個の炭素原子を含有する、上記[1]から[3]のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
[5]
成分(a)がN−tertオクチルアクリルアミドである、上記[1]から[4]のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
[6]
成分(b)がアクリル酸とメタクリル酸の混合物を含む、上記[1]から[5]のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
[7]
アクリル酸対メタクリル酸の重量比が少なくとも0.8:1である、上記[6]に記載の毛髪固定組成物。
[8]
アクリル酸対メタクリル酸の重量比が少なくとも1.4:1である、上記[7]に記載の毛髪固定組成物。
[9]
成分(c)中、前記(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートがメチルメタクリレートである、上記[1]から[8]のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
[10]
成分(c)の前記共重合性コモノマーの1つがイソブチルメタクリレートである、上記[1]から[9]のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
[11]
前記(C〜C)アルキル(メタ)アクリレートがメチルメタクリレートであり、イソブチルメタクリレート対メチルメタクリレートの重量比が1:3未満である、上記[10]に記載の毛髪固定組成物。
[12]
前記膜形成ポリマーが、さらに0.1重量%〜5重量%未満の、(C〜C)アルキル(C〜C)アミノアルキル(メタ)アクリレートおよび(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル(メタ)アクリルアミドから選択される1又はそれ以上の共重合性コモノマーを含む成分(d)を含む、上記[1]から[11]のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
[13]
前記膜形成ポリマーが、(a)25〜30重量%のN−tertオクチルアクリルアミドと、(b)少なくとも19重量%のアクリル酸またはアクリル酸とメタクリル酸の組み合わせと、(c)少なくとも40重量%の合わせたメチルメタクリレートおよびCアルキルアクリレートと、(d)1重量%未満の(C〜C)アルキル(C〜C)アミノアルキル(メタ)アクリレートとから重合される、上記[1]から[12]のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
[14]
エアロゾルスプレー中にあり、そのための溶媒およびエアロゾル噴霧剤をさらに含む、上記[1]から[13]のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物。
[15]
上記[1]から[14]のいずれか一項に記載の毛髪固定組成物を毛髪に適用する工程を含む、毛髪を固定する方法。