(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
データ読込み部が、機種及び生産台数が示された生産計画データ、機種毎の作業工程、作業内容、使用する部品及び工具、標準作業時間が示された機種データ、及び作業者毎の各作業内容に対する熟練度及び作業可否時間が示された作業者データを読込み、
候補作成部が、前記データ読込み部により読込まれた生産計画データ、機種データ及び作業者データ及び作業者に対する作業工程の割振りに関する制約条件に基づき、作業者に対する作業工程の割振りの候補を1つ以上作成し、作業者に対する作業工程の割振りの候補を作成できない場合には、その旨を通知し、
候補提示部が、前記候補作成部により作成された作業者に対する作業工程の割振りの候補を示す候補画面を提示し、前記候補作成部により作業者に対する作業工程の割振りの候補が作成できない旨の通知を受けた場合には、生産計画データの修正を促す計画再考画面を提示する
ことを特徴とする割振り方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る作業支援システムの構成例を示す図である。
作業支援システムは、
図1に示すように、割振りシステム1、品揃えシステム2、工具管理システム3及び作業指示システム4を備えている。なお以下では、生産ライン方式がセル生産方式である場合を例に説明を行う。
【0012】
割振りシステム1は、作業者に対する作業工程の割振りを決定するシステムである。この割振りシステム1は、PC等の端末から構成される。
【0013】
品揃えシステム2は、割振りシステム1により決定された作業工程の割振りに基づいて、該当する作業工程で使用する部品(取付部品、締結部品)を指示するシステムである。この品揃えシステム2は、例えばハンディターミナル端末又はタブレット端末等の携帯端末から構成される。
【0014】
工具管理システム3は、割振りシステム1により決定された作業工程の割振りに基づいて、該当する作業工程で使用する工具7を指示するシステムである。この工具管理システム3は、PC等の端末から構成される。
【0015】
作業指示システム4は、割振りシステム1により決定された作業工程の割振りに基づいて、該当する作業工程における作業内容を指示するシステムである。この作業指示システム4は、PC等の端末から構成される。
【0016】
なお以下では、工具管理システム3及び作業指示システム4は、共通の端末(
図2に示す作業指示装置5)に搭載されるものとする。この工具管理システム3及び作業指示システム4を搭載した作業指示装置5は、例えばセル毎に配置される。
また、割振りシステム1、品揃えシステム2、工具管理システム3及び作業指示システム4は、ネットワークにより接続されており、互いに通信可能である。
【0017】
次に、割振りシステム1の構成例について、
図3を参照しながら説明する。
割振りシステム1は、
図3に示すように、データ読込み部101、データ記憶部102、候補作成部103、候補提示部104、割振り決定部105、データ作成部106、ログ取得部107及びデータ更新部108を備えている。
【0018】
データ読込み部101は、生産計画データ、機種データ及び作業者データを入力情報として読込む。
【0019】
ここで、生産計画データには、少なくとも作業当日に生産を行う機種(機種名)及び生産台数が示されている。
図4に示す生産計画データでは、機種名、生産台数、及び計画日時が示されている。この生産計画データは、通常、データ読込み部101により毎日読込まれる。
【0020】
また、機種データには、少なくとも機種毎の作業工程、作業内容、使用する部品及び工具7、標準作業時間が示されている。
図5に示す機種データでは、作業工程(作業番号又は作業名等)、作業内容、部品、工具7、部品の数量、及び標準作業時間が示されている。
【0021】
また、作業者データには、作業者毎の各作業内容に対する熟練度及び作業可否時間が示されている。
図6に示す作業者データでは、作業者名、作業内容毎の熟練度、及び1ヶ月分の作業可否時間が示されている。
図6に示す熟練度では、1を標準(標準作業時間と同じ)とし、作業が早い場合には1未満に設定され、作業が遅い場合には1より大きく設定される。なお初期値では、1より大きな値(2,3等の値)が設定される。
また、ろう付けのような作業では、資格保有者でなければ実施できない。そのため、作業者データには、作業者の資格保有有無を示す情報も含められている。
図6の例では、ろう付けの熟練度において、「−」が表示されている作業者(作業者B,E)は、資格を保有していないことを示している。また、作業者データに、作業者の残業可否及び最大残業可能時間等を示す情報を含めてもよい。
【0022】
データ記憶部102は、データ読込み部101により読込まれたデータを記憶する。なお、データ記憶部102に記憶された作業者データは、データ更新部108により更新される。このデータ記憶部102は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)等から構成される。
【0023】
候補作成部103は、データ記憶部102に記憶されたデータ及び作業工程の割振りに関する制約条件に基づいて、作業工程の割振りの候補を1つ以上作成する。この際、候補作成部103は、生産計画データ、機種データ及び作業者データから、作業者毎に作業工程毎の作業時間を算出し、作業者データに含まれる制約条件及び作業工程の割振りに関する制約条件を考慮して、上記候補を作成する。また、候補作成部103は、上記候補を作成できない場合には、その旨を候補提示部104に通知する。
なお、作業者データに含まれる制約条件は、作業者毎の作業可否時間、資格保有有無、残業可否、最大残業可能時間等である。また、作業工程の割振りに関する制約条件としては、1人の作業者に対して割振り不可である作業工程の組合わせ等が挙げられる。例えば、1人の作業者に対し、離れた作業工程を割振ることはできない。また、連続する作業工程であっても、例えばろう付けを含む作業工程と試験室で行われる検査を含む作業工程のように、異なる部屋で実施する作業工程については1人の作業者に対し割振ることはできない。
【0024】
候補提示部104は、候補作成部103により作成された作業工程の割振りの候補を示す画面(候補画面)を、ディスプレイ等の表示装置(不図示)に表示する。また、候補提示部104は、タッチパネル、キーボード又はマウス等の入力装置(不図示)を介して現場監督者から絞込み条件を示す情報が入力された場合には、候補の絞込み表示を行う。すなわち、候補提示部104は、上記絞込み条件に基づき、候補作成部103により作成された候補のうち、該当する候補を示す画面(候補画面)を提示する。その後、現場監督者は、表示装置に表示された候補画面に基づいて、入力装置を介して所望の候補を選択する。
また、候補提示部104は、候補作成部103により候補が作成できない旨の通知を受けた場合には、生産計画データの修正を促す画面(計画再考画面)を表示装置に表示する。
【0025】
割振り決定部105は、候補提示部104により表示された候補画面に基づき選択された候補を、作業工程の割振りに決定する。
【0026】
データ作成部106は、割振り決定部105により決定された作業工程の割振りに基づいて、データ記憶部102に記憶された生産計画データ及び機種データから、作業者毎に、品揃えデータ、工具データ及び工程データを作成する。ここで、品揃えデータは、該当する作業工程で使用する部品に関するデータであり、少なくとも作業者名、該当する作業工程、使用する部品を示す情報が含まれる。また、工具データは、該当する作業工程で使用する工具7に関するデータであり、少なくとも作業者名、該当する作業工程、使用する工具7を示す情報が含まれる。また、工程データは、該当する作業工程に関するデータであり、少なくとも作業者名、該当する作業工程、作業内容、使用する部品及び工具7を示す情報が含まれる。
【0027】
ログ取得部107は、品揃えシステム2、工具管理システム3及び作業指示システム4から作業ログを取得する。なお、ログ取得部107による作業ログの取得は、例えば、各システム2〜4に対して定期的に要求することで取得してもよいし、入力装置を介した現場監督者からの要求に応じて、各システム2〜4に対して要求することで取得してもよい。
【0028】
データ更新部108は、ログ取得部107により取得された作業ログに基づいて、データ記憶部102に記憶された作業者データを更新する。この際、データ更新部108は、取得された作業ログに基づいて、作業者データに含まれる作業者の熟練度を更新する。
【0029】
次に、品揃えシステム2の構成例について、
図7を参照しながら説明する。
品揃えシステム2は、
図7に示すように、置き場情報登録部201、作業者認証部202、データ読込み部(品揃えデータ読込み部)203、データ記憶部204、部品表示部205、部品判定部206、完了受付部207、供給場所表示部208、ログ蓄積部209及びログ送信部210を備えている。
【0030】
置き場情報登録部201は、予め、各種の部品が置かれた部品群置き場6(
図8参照)に関する情報を登録する。この置き場情報登録部201に登録される情報としては、部品が置かれた棚番号、段番号又はロケーション番号等を示す情報が挙げられる。
【0031】
作業者認証部202は、品揃えシステム2を搭載した携帯端末を使用する作業者を認証する。ここで、例えば、携帯端末はバーコードリーダを搭載しており、また、作業者に対し、当該作業者を識別可能とするバーコードが貼り付けられた認証カードが付与されている。そして、作業者は、自身の認証カードにバーコードリーダをかざすことで、バーコードリーダにバーコードを読取らせる。そして、作業者認証部202は、バーコードリーダにより読取られたバーコードから、上記認証を行う。
【0032】
データ読込み部203は、割振りシステム1のデータ作成部106により作成された該当する品揃えデータを読込む。この際、データ読込み部203は、作業者認証部202により認証された作業者に該当する品揃えデータを読込む。
【0033】
データ記憶部204は、データ読込み部203により読込まれた品揃えデータを記憶する。このデータ記憶部204は、RAM、フラッシュメモリ等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等から構成される。
【0034】
部品表示部205は、置き場情報登録部201に登録された情報及びデータ記憶部204に記憶された品揃えデータに基づいて、該当する作業工程で使用する部品に関する画面(部品画面)を、ディスプレイ等の表示装置(不図示)に表示する。その後、作業者は、表示装置に表示された部品画面に基づいて、部品群置き場6から部品を必要な数量取出すことで、品揃えを行う。
また、部品表示部205は、部品判定部206により部品が誤っていると判定された場合に、当該部品が誤っていることを示す画面(エラー画面)を表示装置に表示する。また、部品表示部205は、完了受付部207からの指示に応じ、次の部品画面の表示へ移行する。
【0035】
部品判定部206は、データ記憶部204に記憶された品揃えデータに基づいて、部品群置き場6から取出される部品が正しいかを判定する。ここで、例えば
図8に示すように、部品群置き場6には、部品が収納されたケース601毎に、部品の取り間違えを防ぐため、品名等が記載されたバーコード602が貼り付けられている。そして、作業者は、部品を取出すケース601に携帯端末のバーコードリーダをかざすことで、バーコードリーダにバーコード602を読取らせる。そして、部品判定部206は、バーコードリーダにより読取られたバーコード602から、上記判定を行う。そして、部品判定部206は、部品が誤っていると判定した場合には、その旨を部品表示部205に通知する。
【0036】
完了受付部207は、タッチパネル等の入力装置(不図示)を介して作業者から、部品画面に示された部品の品揃えが完了したことを示す通知を受付ける。そして、完了受付部207は、上記通知を受付けると、データ記憶部204に記憶された品揃えデータに基づいて、全ての部品の品揃えが完了したかを判定する。ここで、完了受付部207は、全ての部品の品揃えが完了していないと判定した場合には、部品表示部205に対し、次の部品画面の表示へ移行するよう指示する。一方、完了受付部207は、全ての部品の品揃えが完了したと判定した場合には、供給場所表示部208に対し、供給場所を示す画面(供給場所画面)を表示するよう指示する。
【0037】
供給場所表示部208は、データ記憶部204に記憶された品揃えデータに基づいて、完了受付部207からの指示に応じ、品揃えを行った部品を供給する場所を示す画面(供給場所画面)を表示装置に表示する。その後、作業者は、表示装置に表示された供給場所画面に基づいて、品揃えを行った部品を供給場所(該当する作業指示装置5の部品置き場等)に置く。
【0038】
ログ蓄積部209は、作業者による部品の品揃えに関する作業ログを蓄積する。
ログ送信部210は、割振りシステム1のログ取得部107からの要求に応じ、ログ蓄積部209に蓄積された作業ログを、割振りシステム1に送信する。
【0039】
次に、工具管理システム3の構成例について、
図9を参照しながら説明する。
工具管理システム3は、
図9に示すように、置き場情報登録部301、作業者認証部302、データ読込み部(工具データ読込み部)303、データ記憶部304、工具表示部305、工具判定部306、完了受付部307、ログ蓄積部308及びログ送信部309を備えている。
【0040】
置き場情報登録部301は、予め、各種の工具7が置かれた工具群置き場8(
図10参照)に関する情報を登録する。この置き場情報登録部301に登録される情報としては、工具7が置かれたエリアを示す情報が挙げられる。
【0041】
作業者認証部302は、工具管理システム3を搭載した端末を使用する作業者を認証する。ここで、例えば、作業者には、当該作業者を識別可能とするIDが付与されている。そして、作業者は、工具管理システム3を起動する際に、タッチパネル、キーボード又はマウス等の入力装置(不図示)を介して、自身のIDを入力する。そして、作業者認証部302は、入力されたIDから、上記認証を行う。
【0042】
データ読込み部303は、割振りシステム1のデータ作成部106により作成された該当する工具データを読込む。この際、データ読込み部303は、作業者認証部302により認証された作業者に該当する工具データを読込む。
【0043】
データ記憶部304は、データ読込み部303により読込まれた工具データを記憶する。このデータ記憶部304は、RAM、フラッシュメモリ等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等から構成される。
【0044】
工具表示部305は、置き場情報登録部301に登録された情報及びデータ記憶部304に記憶された工具データに基づいて、該当する作業工程で使用する工具7に関する画面(工具リスト画面)を、ディスプレイ等の表示装置(不図示)に表示する。その後、作業者は、表示装置に表示された工具リスト画面に基づいて、工具群置き場8から工具7を取出して、所定の供給場所(作業指示装置5の工具置き場9)に揃える。
また、工具表示部305は、工具判定部306により工具7が誤っていると判定された場合に、当該工具7が誤っていることを示す画面(エラー画面)を表示装置に表示する。
【0045】
工具判定部306は、データ記憶部304に記憶された工具データに基づいて、作業者により工具群置き場8から取出された工具7が正しいかを判定する。ここで、例えば
図10に示すように、工具7には、取り間違えを防ぐため、品名等が記載されたICタグ701が貼り付けられている。また、工具群置き場8にはICタグリーダ801が接続されている。そして、ICタグリーダ801は、工具群置き場8に置かれている工具7のICタグ701の読取りを行っている。そして、工具判定部306は、ICタグリーダ801により読取られたICタグ701から、作業者により工具群置き場8から取出された工具7を検知することで、上記判定を行う。そして、工具判定部306は、作業者により取出された工具7が誤っていると判定した場合には、その旨を工具表示部305に通知する。また、工具判定部306は、完了受付部307による通知の受付け後、必要な工具7が取り出されていないと判定した場合にも、その旨を工具表示部305に通知する。
なお、工具群置き場8のICタグリーダ801に対し、他の工具7のICタグ701を読み込まないようにするため、
図10に示すように、電波遮断材802を設置してもよい。
【0046】
完了受付部307は、入力装置を介して作業者から、工具リスト画面に示された工具7の取出しが完了したことを示す通知を受付ける。
【0047】
ログ蓄積部308は、作業者による工具7の取出しに関する作業ログを蓄積する。
ログ送信部309は、割振りシステム1のログ取得部107からの要求に応じ、ログ蓄積部308に蓄積された作業ログを、割振りシステム1に送信する。
【0048】
次に、作業指示システム4の構成例について、
図11を参照しながら説明する。
作業指示システム4は、
図11に示すように、作業者認証部401、データ読込み部(工程データ読込み部)402、データ記憶部403、作業内容表示部404、工具取出し判定部405、作業状況検出部406、作業状況表示部407、工具戻し判定部408、完了受付部409、ログ蓄積部410及びログ送信部411を備えている。
【0049】
作業者認証部401は、作業指示システム4を搭載した端末を使用する作業者を認証する。ここで、例えば、作業者には、当該作業者を識別可能とするIDが付与されている。そして、作業者は、作業指示システム4を起動する際に、タッチパネル、キーボード又はマウス等の入力装置(不図示)を介して、自身のIDを入力する。そして、作業者認証部302は、入力されたIDから、上記認証を行う。なお、工具管理システム3及び作業指示システム4を共通の端末(作業指示装置5)に搭載する場合には、作業者認証部302及び作業者認証部401を共通化できる。
【0050】
データ読込み部402は、割振りシステム1のデータ作成部106により作成された該当する工程データを読込む。この際、データ読込み部402は、作業者認証部401により認証された作業者に該当する工程データを読込む。
【0051】
データ記憶部403は、データ読込み部402により読込まれた工具データを記憶する。このデータ記憶部403は、RAM、フラッシュメモリ等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等から構成される。
【0052】
作業内容表示部404は、データ記憶部403に記憶された工程データに基づいて、該当する作業工程における作業内容に関する画面(作業内容画面)を、ディスプレイ等の表示装置(不図示)に表示する。その後、作業者は、表示装置に表示された作業内容画面に基づいて、部品及び工具7を取出して作業を行う。
また、作業内容表示部404は、工具取出し判定部405により工具7が誤っていると判定された場合、又は、工具戻し判定部408により工具7が元の位置に戻されていないと判定された場合に、その旨を示す画面(エラー画面)を表示装置に表示する。また、作業内容表示部404は、完了受付部409からの指示に応じ、次の作業内容画面の表示へと移行する。
【0053】
工具取出し判定部405は、データ記憶部403に記憶された工程データに基づいて、作業者により工具置き場9から取出された工具7が正しいかを判定する。ここで、例えば
図12に示すように、工具7が置かれた工具置き場9にはICタグリーダ901が接続されている。そして、ICタグリーダ901は、工具置き場9に置かれている工具7のICタグ701の読取を行っている。そして、工具取出し判定部405は、ICタグリーダ901により読取られたICタグ701から、作業者により工具置き場9から取出された工具7を検知することで、上記判定を行う。そして、工具取出し判定部405は、作業者により取出された工具7が誤っていると判定した場合には、その旨を作業内容表示部404に通知する。
なお、工具置き場9のICタグリーダ901に対し、他の工具7のICタグ701を読み込まないようにするため、
図12に示すように、電波遮断材902を設置してもよい。
【0054】
作業状況検出部406は、工具取出し判定部405により工具7が正しいと判定された場合に、当該工具7を用いた作業状況を検出する。ここで、工具7には、当該工具7の動作を検出する動作検出部(不図示)、及び当該動作検出部により検出された動作を示す情報を送信する通信器(不図示)が取付けられている。そして、作業指示システム4は、当該工具7の通信器と通信を行うことで、当該工具7の動作を検知する。例えば、ドライバの場合、作業状況検出部406は、当該ドライバによる締め付け回数のカウント、トルク値の検出等が可能である。
【0055】
作業状況表示部407は、作業状況検出部406により検出された工具7を用いた作業状況に関する画面(作業状況画面)を表示装置に表示する。例えば、ドライバを用いた作業では、作業状況表示部407は、当該ドライバの締め付け回数、トルク値等を示す画面を表示装置に表示する。
【0056】
工具戻し判定部408は、データ記憶部102に記憶された工程データに基づいて、作業者により工具7が工具置き場9の元の位置に戻されたかを判定する。この際、工具戻し判定部408は、工具置き場9のICタグリーダ901により読取られたICタグ701から、作業者により工具置き場9に戻された工具7を検知することで、上記判定を行う。そして、工具取出し判定部405は、作業者により工具7が工具置き場9の元の位置に戻されていないと判定した場合には、その旨を作業内容表示部404に通知する。
【0057】
完了受付部409は、入力装置を介して作業者から、作業内容画面に示された作業が完了したことを示す通知を受付ける。そして、完了受付部409は、上記通知を受付けると、データ記憶部403に記憶された工程データに基づいて、全ての作業が完了したかを判定する。ここで、完了受付部409は、全ての作業が完了していないと判定した場合には、作業内容表示部404に対し、次の作業内容画面の表示へ移行するよう指示する。一方、完了受付部409は、全ての作業が完了したと判定した場合には、作業指示システム4による処理を終了する。
【0058】
ログ蓄積部410は、作業者による作業に関する作業ログを蓄積する。
ログ送信部411は、割振りシステム1のログ取得部107からの要求に応じ、ログ蓄積部410に蓄積された作業ログを、割振りシステム1に送信する。
【0059】
次に、実施の形態1に係る作業支援システムの動作例について、
図13を参照しながら説明する。
作業支援システムの動作例では、
図13に示すように、まず、割振りシステム1は、作業者に対する作業工程の割振りを決定する(ステップST1301)。
【0060】
次いで、品揃えシステム2は、割振りシステム1により決定された作業工程の割振りに基づいて、該当する作業工程で使用する部品を指示する(ステップST1302)。
また、工具管理システム3は、割振りシステム1により決定された作業工程の割振りに基づいて、該当する作業工程で使用する工具7を指示する(ステップST1303)。
なお
図13では、ステップST1302、1303の順に処理を行う場合を示しているが、逆の順序で処理を行ってもよい。
【0061】
次いで、作業指示システム4は、割振りシステム1により決定された作業工程の割振りに基づいて、該当する作業工程における作業内容を指示する(ステップST1304)。
【0062】
次に、ステップST1301における割振りシステム1の動作例について、
図14を参照しながら説明する。
割振りシステム1の動作例では、
図14に示すように、まず、データ読込み部101は、生産計画データ、機種データ及び作業者データを入力情報として読込む(ステップST1401)。なお、機種データ及び作業者データについては、既にデータ記憶部102に記憶されており、新たなデータの読込みが不要な場合には、データの読込みは行わない。このデータ読込み部101により読込まれたデータは、データ記憶部102に記憶される。
【0063】
次いで、候補作成部103は、データ記憶部102に記憶されたデータ及び作業工程の割振りに関する制約条件に基づいて、作業工程の割振りの候補を作成可能であるかを判定する(ステップST1402)。すなわち、候補作成部103は、生産計画データ、機種データ及び作業者データから、作業者毎に作業工程毎の作業時間を算出し、作業者データに含まれる制約条件及び作業工程の割振りに関する制約条件を考慮して、候補を作成可能であるかを判定する。この際、例えば、
図5に示す作業工程に対する標準作業時間に、
図6に示す作業者の該当する熟練度を乗算することで、当該作業者の当該作業工程に対する作業時間を算出する。
そして、例えば、候補作成部103は、上記作業時間を算出した結果、当日の生産計画を残業なしに達成可能な場合、又は、残業すれば達成可能な場合には、候補を作成可能と判定する。一方、候補作成部103は、当日の生産計画を残業しても達成できない場合には、候補を作成不可と判定する。
【0064】
このステップST1402において、候補作成部103が候補を作成不可であると判定した場合には、候補提示部104は、生産計画データの修正を促す画面(計画再考画面)を表示装置に表示する(ステップST1403)。
図15に計画再考画面の一例を示す。その後、シーケンスは終了する。
【0065】
一方、ステップST1402において、候補作成部103は、候補を作成可能であると判定した場合には、当該候補を1つ以上作成する(ステップST1404)。この際、候補作成部103は、生産計画データ、機種データ及び作業者データから、作業者毎に作業工程毎の作業時間を算出し、作業者データに含まれる制約条件及び作業工程の割振りに関する制約条件を考慮して、上記候補を作成する。候補作成部103は、例えば、全ての組合わせの中で最短時間で生産計画を達成できる割振りを第1候補とする。また、第1候補に対して、各作業工程の作業者を変更していくことで、その他の候補を作成していく。
【0066】
次いで、候補提示部104は、候補作成部103により作成された作業工程の割振りの候補を示す画面(候補画面)を表示装置に表示する(ステップST1405)。
図16に候補画面の一例を示す。その後、現場監督者は、表示装置に表示された候補画面に基づいて、入力装置を介して所望の候補を選択する。
ここで、通常、現場では多能工化を図っており、1人の作業者があらゆる作業工程で作業可能なように教育を行っている。よって、現場監督者は、最短で作業完了できる候補ではなく、敢えて残業して作業者のスキルアップを図る候補を採用する場合もある。また、
図16に示すように、候補提示部104は、候補画面において、スキルアップが必要な作業者(素人工)であるか、十分スキルの有る作業者(熟練工)であるかを識別可能なように色分けして表示してもよい。
図16の例では、作業者Cが素人工であり、作業者Aが熟練工である。このように、現場監督者は、作業者の教育計画と残業時間を勘案し、候補を決定する。
【0067】
また、候補提示部104は、入力装置を介して現場監督者から絞込み条件を示す情報が入力された場合には、当該絞込み条件に基づき、候補作成部103により作成された候補のうち、該当する候補を示す画面(候補画面)を提示する。すなわち、候補作成部103により作成される候補は多数存在することが想定されるため、残業なし候補、時間優先候補、スキルアップ候補等の絞り込み条件により、候補の絞り込みを行ってもよい。
【0068】
次いで、割振り決定部105は、候補提示部104により表示された候補画面から選択された候補を、作業工程の割振りに決定する(ステップST1406)。
【0069】
次いで、データ作成部106は、割振り決定部105により決定された作業工程の割振りに基づいて、データ記憶部102に記憶された生産計画データ及び機種データから、作業者毎に、品揃えデータ、工具データ及び工程データを作成する(ステップST1407)。
【0070】
次に、ステップST1302における品揃えシステム2の動作例について、
図17を参照しながら説明する。なお、置き場情報登録部201は、予め、部品群置き場6に関する情報を登録している。
品揃えシステム2の動作例では、
図17に示すように、まず、作業者認証部202は、品揃えシステム2を搭載した携帯端末を使用する作業者を認証する(ステップST1701)。この際、例えば、作業者は、自身の認証カードにバーコードリーダをかざすことで、バーコードリーダにバーコードを読取らせる。そして、作業者認証部202は、バーコードリーダにより読取られたバーコードから、上記認証を行う。
【0071】
次いで、データ読込み部203は、作業者認証部202による認証結果に基づいて、割振りシステム1のデータ作成部106により作成された該当する品揃えデータを読込む(ステップST1702)。このデータ読込み部203により読込まれた品揃えデータは、データ記憶部204に記憶される。
【0072】
次いで、部品表示部205は、置き場情報登録部201に登録された情報及びデータ記憶部102に記憶された品揃えデータに基づいて、該当する作業工程で使用する部品に関する画面(部品画面)を表示装置に表示する(ステップST1703)。
図18に部品画面の一例を示す。この部品画面には、
図18に示すように、品揃えを行う部品の名称、置き場(場所、棚番)、品揃え数量、部品の画像等が含まれる。その後、作業者は、表示装置に表示された部品画面に基づいて、部品群置き場6から部品を必要な数量取出すことで、品揃えを行う。
【0073】
次いで、部品判定部206は、データ記憶部204に記憶された品揃えデータに基づいて、部品群置き場6から取出される部品が正しいかを判定する(ステップST1704)。この際、例えば、作業者は、部品を取出すケース601に携帯端末のバーコードリーダにかざすことで、バーコードリーダにバーコード602を読取らせる。そして、部品判定部206は、バーコードリーダにより読取られたバーコード602から、上記判定を行う。
【0074】
このステップST1704において、部品判定部206が部品が誤っていると判定した場合には、部品表示部205は、その旨を示す画面(エラー画面)を表示装置に表示する(ステップST1705)。その後、シーケンスはステップST1704に戻る。
【0075】
一方、ステップST1704において、部品判定部206が部品は正しいと判定した場合には、完了受付部207は、入力装置を介して作業者から、部品画面に示された部品の品揃えが完了したことを示す通知を受付けたかを判定する(ステップST1706)。
図18の例では、作業者は、部品画面上の「次へ」ボタンをタップすることで上記通知を行う。
このステップST1706において、完了受付部207が上記通知を受付けていないと判定した場合には、シーケンスはステップST1706に戻り、待機状態となる。
【0076】
一方、ステップST1706において、完了受付部207は、上記通知を受付けたと判定した場合、データ記憶部204に記憶された品揃えデータに基づいて、全ての部品の品揃えが完了したかを判定する(ステップST1707)。
【0077】
このステップST1707において、完了受付部207が全ての部品の品揃えが完了していないと判定した場合には、シーケンスはステップST1703に戻り、部品表示部205は、次の部品に関する画面(部品画面)を表示装置に表示する。
【0078】
一方、ステップST1707において、完了受付部207が全ての部品の品揃えが完了したと判定した場合には、供給場所表示部208は、データ記憶部204に記憶された品揃えデータに基づいて、品揃えを行った部品を供給する場所を示す画面(供給場所画面)を表示装置に表示する(ステップST1708)。その後、作業者は、表示装置に表示された供給場所画面に基づいて、品揃えを行った部品を供給場所に置く。
【0079】
次に、ステップST1303における工具管理システム3の動作例について、
図19を参照しながら説明する。なお、置き場情報登録部301は、予め、工具群置き場8に関する情報を登録している。
工具管理システム3の動作例では、
図19に示すように、まず、作業者認証部302は、工具管理システム3を搭載した端末を使用する作業者を認証する(ステップST1901)。この際、例えば、作業者は、工具管理システム3を起動する際に、入力装置を介して、自身のIDを入力する。そして、作業者認証部302は、入力されたIDから、上記認証を行う。
【0080】
次いで、データ読込み部303は、作業者認証部302による認証結果に基づいて、割振りシステム1のデータ作成部106により作成された該当する工具データを読込む(ステップST1902)。このデータ読込み部303により読込まれた工具データは、データ記憶部304に記憶される。
【0081】
次いで、工具表示部305は、置き場情報登録部301に登録された情報及びデータ記憶部304に記憶された工具データに基づいて、該当する作業工程で使用する工具7に関する画面(工具リスト画面)を表示装置に表示する(ステップST1903)。
図20に工具リスト画面の一例を示す。
図20に示すように、工具リスト画面では、工具群置き場8における工具エリアと、工具名が表示されている。その後、作業者は、表示装置に表示された工具リスト画面に基づいて、工具群置き場8から工具7を取出して、所定の供給場所に揃える。
【0082】
次いで、工具判定部306は、データ記憶部304に記憶された工具データに基づいて、作業者により工具群置き場8から取出された工具7が正しいかを判定する(ステップST1904)。この際、工具判定部306は、例えば
図10に示すように、ICタグリーダ801により読取られたICタグ701から、作業者により工具群置き場8から取出された工具7を検知することで、上記判定を行う。
【0083】
このステップST1904において、工具判定部306が工具7が誤っていると判定した場合には、工具表示部305は、その旨を示す画面(エラー画面)を表示装置に表示する(ステップST1905)。その後、シーケンスはステップST1904に戻る。
【0084】
一方、ステップST1904において、工具判定部306が工具7が正しいと判定した場合には、完了受付部307は、入力装置を介して作業者から、工具リスト画面に示された工具7の取出しが完了したことを示す通知を受付けたかを判定する(ステップST1906)。
このステップST1906において、完了受付部307が上記通知を受付けていないと判定した場合には、シーケンスはステップST1906に戻り、待機状態となる。
【0085】
一方、ステップST1906において、完了受付部307が上記通知を受付けたと判定した場合、工具判定部306は、データ記憶部304に記憶された工具データに基づいて、必要な工具7が全て取出されたかを判定する(ステップST1907)。
【0086】
このステップST1907において、工具判定部306が工具7が不足していると判定した場合には、工具表示部305は、その旨を示す画面(エラー画面)を表示装置に表示する(ステップST1908)。
図21にエラー画面の一例を示す。その後、シーケンスはステップST1904に戻る。
【0087】
次に、ステップST1304における作業指示システム4の動作例について、
図22を参照しながら説明する。
作業指示システム4の動作例では、
図22に示すように、まず、作業者認証部401は、作業指示システム4を搭載した端末を使用する作業者を認証する(ステップST2201)。この際、例えば、作業者は、作業指示システム4を起動する際に、入力装置を介して、自身のIDを入力する。そして、作業者認証部401は、入力されたIDから、上記認証を行う。
【0088】
次いで、データ読込み部402は、作業者認証部401による認証結果に基づいて、割振りシステム1のデータ作成部106により作成された該当する工程データを読込む(ステップST2202)。このデータ読込み部402により読込まれた工具データは、データ記憶部403に記憶される。
【0089】
次いで、作業内容表示部404は、データ記憶部403に記憶された工程データに基づいて、該当する作業工程における作業内容に関する画面(作業内容画面)を表示装置に表示する(ステップST2203)。
図23に作業内容画面の一例を示す。その後、作業者は、表示装置に表示された作業内容画面に基づいて、工具7及び部品を取出して作業を行う。
【0090】
次いで、工具取出し判定部405は、データ記憶部403に記憶された工程データに基づいて、作業者により工具置き場9から取出された工具7が正しいかを判定する(ステップST2204)。この際、工具取出し判定部405は、例えば
図12に示すように、工具置き場9に接続されたICタグリーダ901により読取られたICタグ701から、作業者により工具置き場9から取出された工具7を検知することで、上記判定を行う。
【0091】
このステップST2204において、工具取出し判定部405が工具7が誤っていると判定した場合には、作業内容表示部404は、その旨を示す画面(エラー画面)を表示装置に表示する(ステップST2205)。その後、シーケンスはステップST2204に戻る。
【0092】
一方、ステップST2204において、工具取出し判定部405が工具7が正しいと判定した場合には、作業状況検出部406は、当該工具7を用いた作業状況を検出する(ステップST2206)。
【0093】
次いで、作業状況表示部407は、作業状況検出部406により検出された工具7を用いた作業状況に関する画面(作業状況画面)を表示装置に表示する(ステップST2207)。例えば、ドライバを用いた作業では、作業状況表示部407は、当該ドライバの締め付け回数、トルク値等を示す画面を表示装置に表示する。
図23の例では、作業内容画面上のトルク値の欄に、トルク値を示す作業状況画面が表示される。
【0094】
次いで、工具取出し判定部405は、データ記憶部403に記憶された工程データに基づいて、作業者により工具7が工具置き場9の元の位置に戻されたかを判定する(ステップST2208)。この際、工具戻し判定部408は、工具置き場9のICタグリーダ901により読取られたICタグ701から、作業者により工具置き場9に戻された工具7を検知することで、上記判定を行う。
【0095】
このステップST2208において、工具戻し判定部408が工具7が工具置き場9の元に位置に戻されていないと判定した場合には、作業内容表示部404は、その旨を示す画面(エラー画面)を表示装置に表示する(ステップST2209)。その後、シーケンスはステップST2208に戻る。
【0096】
一方、ステップST2208において、工具戻し判定部408が工具7が工具置き場9の元の位置に戻されたと判定した場合には、完了受付部409は、入力装置を介して作業者から、作業内容画面に示された作業が完了したことを示す通知を受付けたかを判定する(ステップST2210)。
図23の例では、作業者は、キーボードの「Enter」ボタンを押すことで、上記入力を行う。
【0097】
このステップST2210において、完了受付部409は、上記入力を受付けたと判定した場合には、データ記憶部403に記憶された工程データに基づいて、全ての作業が完了したかを判定する(ステップST2211)。
【0098】
このステップST2211において、完了受付部409が全ての作業が完了していないと判定した場合には、シーケンスはステップST2205に戻り、作業内容表示部404は、次の作業を指示する画面(作業内容画面)を表示装置に表示する。
【0099】
一方、ステップST2211において、完了受付部409が全ての作業が完了したと判定した場合には、シーケンスは終了する。
【0100】
このように、生産計画データ、機種データ及び作業者データを用い、作業工程の割振りの候補を1つ以上作成することで、生産計画及び人員構成に対応して、柔軟に人員配置を行うことができる。
【0101】
また、品揃えシステム2、工具管理システム3及び作業指示システム4では、それぞれ作業者の作業ログを蓄積している。これらの作業ログから、作業者毎に、品揃えにかかった時間、工具取出しにかかった時間、作業にかかった時間を把握でき、また、作業工程間での手持ち時間、一つの機種の組立てにかかった総組立時間も把握できる。そして、これらの作業ログは割振りシステム1にフィードバックされ、割振りシステム1のデータ更新部108は、作業者毎の熟練度に反映させる。この際、データ更新部108は、ログ取得部107により取得された作業ログのトレンドに基づき、例えば直近1ヶ月のデータから熟練度の更新を行う。これにより、候補作成部103で作成される候補の精度が向上する。
【0102】
以上のように、この実施の形態1によれば、割振りシステム1は、生産計画データ、機種データ及び作業者データを読込むデータ読込み部101と、データ読込み部101により読込まれたデータ及び割振りに関する制約条件に基づき、割振りの候補を1つ以上作成する候補作成部103と、候補作成部103により作成された候補を示す画面を提示する候補提示部104とを有するので、日々変動する生産計画及び人員構成に対応した人員配置を行うことができ、作業ロスを低減できる。
【0103】
実施の形態2.
図24はこの発明の実施の形態2に係る割振りシステム1の構成例を示す図であり、
図25はこの発明の実施の形態2に係る作業指示システム4の構成例を示す図である。この
図24に示す実施の形態2に係る割振りシステム1では、
図3に示す実施の形態1に係る割振りシステム1のデータ作成部106をデータ作成部106bに変更している。また、
図25に示す実施の形態2に係る作業指示システム4では、
図11に示す実施の形態1に係る作業指示システム4に対し、工具位置検知部412を追加し、作業状況検出部406を作業状況検出部406bに変更している。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。また、実施の形態2では、生産現場で用いられる複数の作業指示システム4は、ネットワークにより接続され、互いに通信可能である。
【0104】
データ作成部106bは、実施の形態1におけるデータ作成部106が有する機能に加え、データ記憶部102に記憶された作業者データに基づいて、熟練工に対し、当該熟練工に割振られた作業工程に隣接する作業工程で使用する工具7を示す情報を工具データに含める機能を有する。
【0105】
工具位置検知部412は、工具7が位置する作業エリアを検知する。ここで、作業現場では、例えばセル毎にエリアセンサ(受信機)が設置されている。そして、工具位置検知部412は、エリアセンサによる検知結果から、工具7が位置する作業エリアを検知する。また、工具7にGPS等の位置情報を送信する機能を設け、工具位置検知部412は受信した位置情報から工具7が位置する作業エリアを検知してもよい。
【0106】
作業状況検出部406bは、工具位置検知部412により他の作業指示システム4に該当する作業エリア内に工具7が位置すると判定された場合に、検出した当該工具7を用いた作業状況を示す情報を当該他の作業指示システム4に通知する。また、作業状況検出部406bは、他の作業状況検出部406bから作業状況を示す情報が通知された場合に、当該作業状況を自身が検出した作業状況に加える。
【0107】
例えば、素人工に対し、9箇所のネジの締め付けを行う第1工程が割振られ、熟練工に対し、第1工程に隣接する第2工程が割振られたとする。そして、素人工による作業が遅れた場合には、熟練工は、自身に割振られた第2工程の作業を行った後、第1工程の作業を手伝うことになる。
そこで、割振りシステム1では、事前に、熟練工に対し、第2工程で使用する工具7の割振りに加え、第1工程で使用する工具7の割振りも行う。なお、第1工程で使用する工具7が、第2工程で使用する工具7に含まれる場合には、新たな割振りは不要である。そして、熟練工が用いる作業指示システム4では、第2工程の作業が完了した後、工具7の位置から、熟練工が第1工程の作業を手伝っていることを検知する。そして、熟練工が用いる作業指示システム4は、熟練工による工具7を用いた作業状況を、素人工が用いる作業指示システム4に通知する。そして、素人工が用いる作業指示システム4では、上記通知を受けて、素人工の作業状況に熟練工の作業状況を付加する。ここでは、素人工と熟練工のネジの締め付け回数を合算する。
また、作業指示システム4のログ蓄積部410は、作業状況検出部406bによる検出結果から、熟練工が素人工の作業を手伝ったことも作業ログとして蓄積できる。
【0108】
なお実施の形態1,2では、生産ライン方式がセル生産方式である場合を例に説明を行った。しかしながら、これに限らず、生産ライン方式がライン生産方式である場合にも同様に実施の形態1,2に係る構成の適用が可能である。
また、ライン生産方式の場合、工具位置検知部412は、工具7を用いて作業が行われた時間から、工具7が位置する作業エリアを検知可能である。すなわち、ライン生産方式では、製品がコンベアで流れるため、各作業工程が実施される時間帯を事前に把握できる。よって、工具7を用いて作業が行われた時間から、当該工具7がどの作業工程の作業を行っているかを検知可能となる。
【0109】
また上記では、工具管理システム3及び作業指示システム4が作業指示装置5に搭載された場合を示した。しかしながら、これに限らず、例えば、工具管理システム3を工具群置き場8に設けたPC等の端末に搭載してもよい。
【0110】
最後に、
図26を参照して、実施の形態1,2に係る作業支援システムのハードウェア構成例を説明する。なお以下では、実施の形態1,2に係る作業支援システムのうち、実施の形態1における割振りシステム1についてのみ説明を行うが、他のシステム2〜4についても同様である。
割振りシステム1におけるデータ読込み部101、候補作成部103、候補提示部104、割振り決定部105、データ作成部106、ログ取得部107及びデータ更新部108の各機能は、処理回路51により実現される。処理回路51は、
図26Aに示すように、専用のハードウェアであっても、
図26Bに示すように、メモリ53に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)52であってもよい。
【0111】
処理回路51が専用のハードウェアである場合、処理回路51は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。データ読込み部101、候補作成部103、候補提示部104、割振り決定部105、データ作成部106、ログ取得部107及びデータ更新部108の各部の機能それぞれを処理回路51で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路51で実現してもよい。
【0112】
処理回路51がCPU52の場合、データ読込み部101、候補作成部103、候補提示部104、割振り決定部105、データ作成部106、ログ取得部107及びデータ更新部108の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ53に格納される。処理回路51は、メモリ53に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、割振りシステム1は、処理回路51により実行されるときに、例えば
図14に示した各ステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ53を備える。また、これらのプログラムは、データ読込み部101、候補作成部103、候補提示部104、割振り決定部105、データ作成部106、ログ取得部107及びデータ更新部108の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ53とは、例えば、RAM、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等が該当する。
【0113】
なお、データ読込み部101、候補作成部103、候補提示部104、割振り決定部105、データ作成部106、ログ取得部107及びデータ更新部108の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、データ読込み部101については専用のハードウェアとしての処理回路51でその機能を実現し、候補作成部103、候補提示部104、割振り決定部105、データ作成部106、ログ取得部107及びデータ更新部108については処理回路51がメモリ53に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
【0114】
このように、処理回路51は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0115】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。