(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641527
(24)【登録日】2020年1月7日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】尿検査装置および当該装置を備えたスマートトイレ
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20200127BHJP
G01N 33/493 20060101ALI20200127BHJP
G01N 33/52 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
G01N35/04 E
G01N33/493 B
G01N33/52 B
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-510734(P2019-510734)
(86)(22)【出願日】2016年10月25日
(65)【公表番号】特表2019-519796(P2019-519796A)
(43)【公表日】2019年7月11日
(86)【国際出願番号】CN2016103191
(87)【国際公開番号】WO2017193543
(87)【国際公開日】20171116
【審査請求日】2018年11月7日
(31)【優先権主張番号】201610305770.6
(32)【優先日】2016年5月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518376990
【氏名又は名称】シャンハイ コーラー エレクトロニクス,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】覃至誉
【審査官】
岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−091562(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第103823074(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第101887065(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第104155437(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00−37/00
G01N 33/493
G01N 33/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
ベース上に取り付けられて左から右へ線状に密集配置された紙供給モジュール、試料添加モジュールおよび検査モジュールと、を含み、
前記紙供給モジュールは、試験紙ボックス、昇降機構および押進機構を含み、
前記試験紙ボックスの底部には、自重で落下する最下層の試験紙を保持するための紙落し溝が水平に設けられており、
前記昇降機構は、前記試験紙ボックスを昇降させることにより、前記紙落し溝を露出または密閉させ、
前記押進機構は、前記紙落し溝の中から試験紙を押し出して前記試料添加モジュールおよび検査モジュールに送り込み、
前記試料添加モジュールは、検査すべき尿を前記試験紙上に滴下し、
前記検査モジュールは、試料を添加した試験紙について検査を行い、検尿結果を得ることを特徴とする、尿検査装置。
【請求項2】
前記ベースは、紙供給モジュール取り付けエリアと、試料添加モジュール取り付けエリアと、検査モジュール取り付けエリアとがそれぞれ設けられた一体型のベースであり、
前記紙供給モジュール取り付けエリアには、前記試験紙ボックスを取り付けるための収納キャビティが設けられており、
前記収納キャビティの右側に紙誘導台が設けられており、
前記紙誘導台の右側は、前記ベース上の試験紙平行移動通路となっていることを特徴とする、請求項1に記載の尿検査装置。
【請求項3】
前記収納キャビティの底部に、前記紙落し溝と嵌合するための陥没溝が設けられており、
前記陥没溝の開口部に、前記紙落とし溝を密封するための密封パッドが設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の尿検査装置。
【請求項4】
前記昇降機構は、第1電気モータおよび昇降係止台を含み、
前記昇降係止台は、前記収納キャビティ内に取り付けられており、
前記試験紙ボックスは、前記昇降係止台に係合されており、
前記第1電気モータは、前記昇降係止台に連結されていると共に前記昇降係止台を駆動することにより、前記試験紙ボックスの昇降を駆動することを特徴とする、請求項2に記載の尿検査装置。
【請求項5】
前記押進機構は、第2電気モータと、第2電気モータに連結されたシフトロッドと、第3電気モータと、第3電気モータに連結されたスクリューロッドとを含み、
前記第2電気モータは、平台上に固設されており、
前記平台は、スクリューロッド上に着装されており、且つ、スクリューロッドに対応する雌ネジ山が内部に設けられており、
スクリューロッドが前記第3電気モータに駆動されて回転するとき、前記平台がスクリューロッドに沿って平行に移動することにより、シフトロッドが前記平台に追随して平行に移動し、
前記第2電気モータは、前記シフトロッドを初期位置または動作位置となるように駆動し、
前記シフトロッドの動作位置は、前記紙落し溝の位置に整合することを特徴とする、請求項1に記載の尿検査装置。
【請求項6】
前記試料添加モジュールは、第4電気モータおよび試料添加針を含み、
前記試料添加針は、試料フィーダと連結され、
前記第4電気モータは、前記試料添加針と連結されていると共に、前記試料添加針を駆動して試料添加位置または洗浄位置まで移動させることを特徴とする、請求項1に記載の尿検査装置。
【請求項7】
前記試料フィーダは、前記試料添加針に連結された液体注入チューブと、尿収集管路および洗浄管路のそれぞれに連結されたプランジャーポンプと、を含み、
検査時には、前記試料添加針が試料添加位置まで移動し、前記プランジャーポンプが尿収集管路からの検査すべき尿を、液体注入チューブを介して試料添加針にポンピングし、
検査完了時には、前記試料添加針が洗浄位置まで移動し、前記プランジャーポンプが洗浄管路からの洗浄液を、液体注入チューブを介して試料添加針にポンピングすることを特徴とする、請求項6に記載の尿検査装置。
【請求項8】
前記検査モジュールは、光電プローブ型検査器を含み、
前記光電プローブ型検査器は、ベース上に取り付けられた支持体と、支持体上に並列に設置された複数の光電プローブグループと、を含み、
各々の光電プローブグループは、検査すべき試験紙上の対応する検査ゾーンごとに、当該検査ゾーンを検査することを特徴とする、請求項1に記載の尿検査装置。
【請求項9】
前記検査モジュールは、さらに第5電気モータを含み、
前記第5電気モータは、前記光電プローブ型検査器に連結されていると共に、前記光電プローブ型検査器を駆動してキャリブレーション位置、検査位置または試験紙回収位置まで移動させ、
前記ベース上において、前記光電プローブ型検査器の試験紙回収位置の下方に、分離可能な試験紙回収ボックスが設置されていることを特徴とする、請求項8に記載の尿検査装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載の尿検査装置を備えたことを特徴とするスマートトイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用健康器具または医療器具の分野に関し、特に尿検査装置および当該装置を備えたスマートトイレに関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活への要望が高まるに伴い、スマートトイレが益々消費者に好まれている。現在のスマートトイレは、一般的に洗浄、加熱、殺菌等の機能を備えているが、尿検査機能を備えるものが少ない。また、現在の尿検査装置のほとんどが大型の医療機器であるため、検査時、検査紙は通常、機械による押進方向に垂直であり、機械装置によって試料添加針の下方まで押し出され、試料添加針が試験紙に対して平行に移動しサンプルを滴下する。その後、試験査紙は再び機械装置によって光電検査位置まで押し出され、続いて光電プローブが試験紙に対して平行に移動し結果を読み取る。それから、試験紙は、再び機械装置によって紙廃棄ボックスまで押し出される。しかし、このように設計されたシステムは、検査速度が非常に速いものの、構造的にコンパクト化が不十分なため、空間的に体積が大きい。したがって、高速な検査が要求されず、コンパクト化や高湿度環境下での使用が要求されるようなスマートトイレには好適でない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一つの目的は、体積が小さく、コンパクトな構造を有し、実装が容易で、動作が信頼でき、より好適にスマートトイレに実装して使用することができる尿検査装置を提供することにある。
【0004】
本発明のもう一つの目的は、上記尿検査装置を備えたスマートトイレを提供することにある。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は次の技術的構成を用いる。
【0006】
尿検査装置は、ベースと、ベース上に取り付けられて左から右へ線状に密集配置された紙供給モジュール、試料添加モジュールおよび検査モジュールと、を含み、前記紙供給モジュールは、試験紙ボックス、昇降機構および押進機構を含み、前記試験紙ボックスの底部には、自重で落下する最下層の試験紙を保持するための紙落し溝が水平に設けられており、前記昇降機構は、前記試験紙ボックスを昇降させることにより前記紙落し溝を露出または密閉させ、前記押進機構は、前記紙落し溝の中から試験紙を押し出して前記試料添加モジュールおよび検査モジュールに送り込み、前記試料添加モジュールは、検査すべき尿を前記試験紙上に滴下し、前記検査モジュールは、試料を添加した試験紙について検査を行い、検尿結果を得る。
【0007】
好ましい改良として、前記ベースは、紙供給モジュール取り付けエリアと、試料添加モジュール取り付けエリアと、検査モジュール取り付けエリアとがそれぞれ設けられた一体型のベースであり、前記紙供給モジュール取り付けエリアには、前記試験紙ボックスを取り付けるための収納キャビティが設けられており、前記収納キャビティの右側に紙誘導台が設けられており、前記紙誘導台の右側は前記ベース上の試験紙平行移動通路となっている。
【0008】
また、前記収納キャビティの底部に、前記紙落し溝と嵌合するための陥没溝が設けられており、前記陥没溝の開口部に、前記紙落とし溝を密封するための密封パッドが設けられている。
【0009】
また、前記昇降機構は、第1電気モータおよび昇降係止台を含み、前記昇降係止台は前記収納キャビティ内に取り付けられており、前記試験紙ボックスは前記昇降係止台に係合されており、前記第1電気モータは、前記昇降係止台に連結されていると共に前記昇降係止台を駆動することにより、前記試験紙ボックスの昇降を駆動する。
【0010】
また、前記押進機構は、第2電気モータと、第2電気モータに連結されたシフトロッドと、第3電気モータと、第3電気モータに連結されたスクリューロッドとを含み、前記第2電気モータは平台上に固設されており、前記平台は、スクリューロッド上に着装されており、且つ、スクリューロッドに対応する雌ネジ山が内部に設けられており、スクリューロッドが前記第3電気モータに駆動されて回転するとき、前記平台がスクリューロッドに沿って平行に移動することにより、シフトロッドが前記平台に追随して平行に移動し、前記第2電気モータは、前記シフトロッドを初期位置または動作位置となるように駆動し、前記シフトロッドの動作位置は、前記紙落し溝の位置に整合する。
【0011】
また、前記試料添加モジュールは第4電気モータおよび試料添加針を含み、前記試料添加針は試料フィーダに連結され、前記第4電気モータは、前記試料添加針に連結されていると共に、前記試料添加針を駆動して試料添加位置または洗浄位置まで移動させる。
【0012】
また、前記試料フィーダは、前記試料添加針に連結された液体注入チューブと、尿収集管路および洗浄管路のそれぞれに連結されたプランジャーポンプと、を含み、検査時には、前記試料添加針が試料添加位置まで移動し、前記プランジャーポンプが尿収集管路からの検査すべき尿を、液体注入チューブを介して試料添加針にポンピングし、検査完了時には、前記試料添加針が洗浄位置まで移動し、前記プランジャーポンプが洗浄管路からの洗浄液を、液体注入チューブを介して試料添加針にポンピングする。
【0013】
また、前記検査モジュールは光電プローブ型検査器を含み、前記光電プローブ型検査器は、ベース上に取り付けられた支持体と、支持体上に並列に設置された複数の光電プローブグループと、を含み、各々の光電プローブグループは、検査すべき試験紙上の対応する検査ゾーンごとに、当該検査ゾーンを検査する。
【0014】
また、前記検査モジュールはさらに第5電気モータを含み、前記第5電気モータは、前記光電プローブ型検査器と連結していると共に、前記光電プローブ型検査器を駆動してキャリブレーション位置、検査位置または試験紙回収位置まで移動させ、前記ベース上において、前記光電プローブ型検査器の試験紙回収位置の下方に、分離可能な試験紙回収ボックスが設置されている。
【0015】
スマートトイレは、前記尿検査装置を備える。
【0016】
上記の技術的構成を用いているため、本発明は少なくとも下記優れた点を有する。
【0017】
(1)底部に水平の紙落し溝を備え、昇降機構および押進機構に適合する試験紙ボックスを用いるため、水平に置かれた試験紙が自重によって自動的に排出され、試験紙を水平方向に移動させて押し出すことが容易となる。これは、後の試料添加モジュールおよび検査モジュールのレイアウトおよび動作形態の基盤となる。
【0018】
(2)試験紙が押進方向に平行なため、ベース上に紙供給モジュール、試料添加モジュール、検査モジュールを線状に密集配置することが実現され、レイアウトが合理的で空間利用率が高いモジュール配置が実現される。また、尿検査プロセスが前記ベース上で左から右へと一回で完了するため、各モジュールによる検査時の動作幅が小さく、占用空間が小さい。
【0019】
(3)陥没溝および密封パッドが設置されているため、昇降機構が試験紙ボックスを降下させたときの密封性が確保され、格納中の試験紙が湿気を受けて効果を失うことが少ない。したがって、スマートトイレに適用される場合、トイレの湿気環境からの影響を回避できる。
【0020】
(4)試料添加モジュールに試料添加針の動作位置および洗浄位置が設定されているため、尿の検査が完了した後に速やかに洗浄することができ、前後の検査の相互影響を回避できる。
【0021】
(5)並列に配置された複数の光電プローブグループが光電プローブ型検査器内に含まれているため、試験紙が検査プローブの下方まで水平に移動したとき、複数のプローブグループが同時に動作することにより、試験紙上の複数の検査ゾーンに対する検査動作が一回で完了する。したがって、単一のプローブを用いる従来の移動式走査に比べ、検査効率が向上し、検査器の動作形態が簡略化され、占用空間が節約される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
上記の内容は本発明の技術的構成の概略に過ぎない。以下に本発明の技術的手段が更に明確に理解されるよう、図面および具体的な実施形態を挙げつつ本発明を更に詳しく説明する。
【0023】
【
図1】本発明に係る尿検査装置の構造を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係る尿検査装置の構造を示す別角度の斜視図である。
【
図6】昇降係止台と試験紙ボックスとが係合している様子を示す模式図である。
【
図7】本発明に係る尿検査装置の一部の構造を示す模式図(部分断面図を含む)である。
【
図9】試料フィーダと試料添加モジュールとが連結している様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、尿検査装置および当該装置を備えたスマートトイレを提供する。前記尿検査装置は、体積が小さく、コンパクトな構造を有し、実装が容易で、動作が信頼できる。当該装置を備えたスマートトイレは、収集された尿サンプルについて健康データ分析を行うことができ、ヘルスケア機器として尿分析機能を実現している。
【0025】
本発明の前記尿検査装置は、ベースと、ベース上に取り付けられて左から右へ線状に密集配置された紙供給モジュール、試料添加モジュール、および検査モジュールと、を含む。前記紙供給モジュールは、試験紙ボックス、昇降機構および押進機構を含む。前記試験紙ボックスの底部には、自重で落下する最下層の試験紙を保持するための紙落し溝が水平に設けられている。前記昇降機構は、前記試験紙ボックスを上昇または降下させることにより、前記紙落し溝を露出または密閉させる。前記押進機構は、前記紙落し溝から試験紙を押し出して前記試料添加モジュールおよび検査モジュールへ送り込む。前記試料添加モジュールは、検査すべき尿を前記試験紙上に滴下する。前記検査モジュールは、試料を添加した試験紙について検査を行い、検尿結果を得る。
【0026】
具体的には
図1、2、3を参照する。図示のように、前記ベース3は、紙供給モジュール取り付けエリアと、試料添加モジュール取り付けエリアと、検査モジュール取り付けエリアとがそれぞれ設けられた一体型のベースである。前記紙供給モジュール取り付けエリアには、前記試験紙ボックス1を取り付けるための収納キャビティ31が設けられており、前記収納キャビティ31の右側に紙誘導台32が設けられており、前記紙誘導台32の右はベース3上の試験紙平行移動通路となっている。
【0027】
図3、4を参照する。図示のように、前記試験紙ボックス1内には検査用試験紙が格納される。検査用試験紙は、長手形状となっており、尿のそれぞれの指標パラメータを検査するための複数の検査ゾーンが設けられている。複数枚の長手形状の試験紙が上下に重なって前記試験紙ボックス1内に格納され、連続的検査へ供される。前記試験紙ボックス1の底部には紙落し溝29が水平に設けられている。前記紙落し溝29は、試験紙ボックス1内に格納される試験紙の形状に対応する細長い形状となっており、最下層の試験紙が重力によって紙落し溝29内へ落下する。紙落し溝29の右端は試験紙の排出口28となっている。前記収納キャビティ31の底部には前記紙落し溝と嵌合するための陥没溝が設けられており、前記陥没溝の開口近傍には密封パッド4が設けられている。密封パッド4上面は、以降の動作時に押進機構のシフトロッドの押進が妨げられないように、陥没溝の開口部の高さに一致、または開口部から若干沈んでいることが好ましい。前記試験紙ボックス1の底部には、紙落し溝29の外周の突起部となる密封平台30が設けられている。非検査時は、前記密封平台30が前記密封パッド4に突合せて前記紙落し溝29を密閉状態にすることにより、試験紙ボックス1内の試験紙が湿気を受けて効果を失うことを防止する。
【0028】
図4、5を参照する。図示のように、前記試験紙ボックス1の本体の両サイドには、上陥没溝27と下陥没溝26とを含む陥没溝がそれぞれ設けられている。前記昇降機構は第1電気モータ5および昇降係止台2を含み、前記昇降係止台2は前記収納キャビティ31内に取り付けられている。前記試験紙ボックス1は、上陥没溝27および下陥没溝26を介して前記昇降係止台2と係合する。具体的には、
図6に示すように、昇降係止台2の左右両サイドに2つの突起台23が設けられており、試験紙ボックス1底部の下陥没溝26が突起台23によって支持される。また、昇降係止台2の左右両サイドに2つの係合爪22が設けられており、係合爪22は試験紙ボックス1の左右両サイドの陥没溝27へ押圧される。これにより、試験紙ボックス1は昇降係止台2内で係合される。
図5に示すように、昇降係止台2の反対側には、第1電気モータ5の主軸上の歯車と噛み合わせて伝動機構を構成するラック構造が設けられている。これにより、第1電気モータ5は、昇降係止台2を駆動して昇降係止台2を収納キャビティ31内で昇降させることができる。昇降台2のゼロ点は光結合器24によって決定される。非検査時は、昇降台2がゼロ点に位置し、試験紙ボックス1が密封パッド4の上面に圧着しているため、試験紙ボックス1の内部が密封状態となっている。検査開始時は、電気モータ5が昇降係止台2を駆動して上へ運動させることにより、試験紙ボックス1が上へ運動する。試験紙ボックス1の底面が収納キャビティ31の底部の陥没溝の上面を超え、且つ、試験紙ボックス1の紙落し溝内の最下層の1枚の試験紙が露出すると、昇降機構の動作が停止し、押進機構による押進を待つ。
【0029】
図7、8を参照する。図示のように、前記押進機構は、第2電気モータ7と、第2電気モータ7と連結していると共に第2電気モータ7に駆動されるシフトロッド6と、第3電気モータ10と、第3電気モータ10に連結していると共に第3電気モータ10に駆動されるスクリューロッド9とを含む。前記第2電気モータ7は平台8上に固設されている。前記平台8は、前記スクリューロッド9上に着装されており、平台8の内部には、前記スクリューロッド9の雄ネジ山に対応する雌ネジ山が設けられている。第3電気モータ10は、歯車伝動によりスクリューロッド9を駆動して回転させる。スクリューロッド9が回転すると、前記平台8がスクリューロッド9に沿って平行に移動する。これにより、シフトロッド6が、平台8上に設置された第2電気モータ7の移動に追随して平行に移動する。前記シフトロッド6は、第2電気モータ7の主軸と連結していると共に第2電気モータ7に駆動され、押進位置と初期位置との間で切り替えられる。非検査時は、シフトロッド6が初期位置に位置する。検査開始時は、昇降機構が試験紙ボックス1を持ち上げ、紙落し溝29の高さがシフトロッド6の上面に一致すると、持ち上げを停止させ、試験紙がシフトロッド6に押されて前進するのを待つ。前記シフトロッド6は、押進位置(動作位置)に切り替えられると、平台8の移動に追随して試験紙を紙落し溝29の排出口28から押し出す。試験紙は、紙誘導台32に引き継がれた後、ベース3上の平行移動通路に沿って移動し、試料添加モジュールの下方まで押し出されると停止し、試料添加モジュールによる試料添加を待つ。
【0030】
図1、7、9を参照する。図示のように、前記試料添加モジュールは、第4電気モータ12および試料添加針11を含む。前記試料添加針11は、第4電気モータ12の主軸と連結していると共に第4電気モータ12に駆動され、試料添加位置(動作位置)と洗浄位置との間で切り替えられる。スマートトイレへ適用される場合、前記試料添加針11は、該試料添加針11と連結する液体注入チューブと、尿収集管路および洗浄管路のそれぞれに連結するプランジャーポンプと、を含む試料フィーダに連結している。具体例としては、
図9に示すように、前記試料フィーダ装置はプランジャーポンプ15と、三方電磁弁20と、電磁弁16と、チューブ17とを含む。三方電磁弁の3つの弁口は、チューブ17を介してプランジャーポンプ15、試料添加針11および尿収集管路(図示せず)とそれぞれ連結する。さらに、プランジャーポンプ15は、チューブ17を介して洗浄管路と連結する。洗浄管路には電磁弁16が設けられている。非検査時は、試料添加針11が洗浄位置に位置する。検査開始時は、前記試料添加針11が動作位置まで移動し、前記プランジャーポンプ15が尿収集管路からの検査すべき尿を、チューブ17を介して試料添加針11にポンピングし、試験紙が試料添加針11の下方に到達すると、試料添加針11が液体を吐出し始める。そして、試験紙への試料の滴下が完了すると、試料添加針11が洗浄位置に戻り、前記プランジャーポンプ15が洗浄管路からの洗浄液を、チューブ17を介して試料添加針11にポンピングする。洗浄完了後、電磁弁16が閉まる。なお、チューブ17はゴムチューブを用いてもよく、洗浄液は上水道水をそのまま用いてもよい。
【0031】
図1、2、9を参照する。図示のように、前記検査モジュールは、ベース3上に取り付けられた光電プローブ型検査器13と、前記光電プローブ型検査器13と連結していると共にその移動を駆動する第5電気モータ14と、を含む。前記光電プローブ型検査器13は、支持体19と、支持体19上に取り付けられた検査回路18とを含む。検査回路18は、並列に設置された複数の光電プローブグループを含む。各々の光電プローブグループは、検査すべき試験紙上の対応する検査ゾーンごとに、当該検査ゾーンを検査する。前記第5電気モータ14は、前記支持体19と連結していると共にその移動を駆動することにより、光電プローブ型検査器13を検査位置と、試験紙回収位置と、キャリブレーション位置との間で切り替える。非検査時は、光電プローブ型検査器13が試験紙回収位置に位置する。検査開示時は、光電プローブ型検査器13がキャリブレーション位置に入ってセンサキャリブレーションを行う。センサキャリブレーションが完了すると、光電プローブ型検査器13が検査位置に入る。その後、シフトロッド6が試験紙を平行に移動させて光電プローブ型検査器13の光電プローブの下方まで到達させたとき、複数の光電プローブグループが結果の読み取りを開始する。前記ベース3上において、前記光電プローブ型検査器13の試験紙回収位置の下方に、分離可能な試験紙回収ボックスが設置されている。結果の読み取りが完了すると、光電プローブ型検査器13が試験紙回収位置に戻り、試験紙が下方の試験紙回収ボックスに落とされる。
【0032】
本発明に係る尿検査装置は、検尿を行う際、紙を押し出すと共に試料添加を行い、試験紙への試料の滴下が完了すると、試験紙を光電プローブの下方まで押し出し;試験紙が光電プローブの下方まで押進された後、シフトロッド6を初期位置に戻し、平台8をベース3の最も左側に戻し、試料添加針11を洗浄位置に戻すと共に、電磁弁16を開いてプランジャーポンプ15、試料添加針11およびチューブ17を上水道水で洗浄し始め;洗浄完了後、電磁弁16を閉める。
【0033】
以上は単に本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明に対するいかなる限定でもない。当業者が以上に開示された技術的内容を利用して若干に行う簡単な変形、均等的改変、または修飾も本発明の保護範囲に含まれる。