【実施例】
【0021】
以下に、本発明の実施例を説明する。
[実施例1〜8,11〜20及び比較例1〜6,11〜14]
表1に示す実施例1〜8と表2に示す比較例1〜6は、それらに記載された成分をそれぞれの割合で混合し、単層構造のフィルム本体として単層フィルムの全体の厚みが10μmとなるように押出成形した食品包装用ラップフィルムである。
表3に示す実施例11〜20と表4に示す比較例11〜14は、それらに記載された成分をそれぞれの割合で混合し、多層構造のフィルム本体として内層、中間層及び外層の三層フィルムの全体の厚みが10μmとなるように押出成形した食品包装用ラップフィルムである。
そして、実施例1〜8,11〜20及び比較例1〜6,11〜14として同じサイズの評価試料をそれぞれ作製した。
【0022】
[単層フィルムの実施例1〜8及び比較例1〜6について]
実施例1〜8では、第一の低密度ポリエチレンとしてMFRが5.0で密度が0.931g/cm
3の高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1a)か、又はMFRが
2.0で密度が
0.931cm
3の高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1b)のいずれかを主成分にしており、共通の構成にしている。第二の低密度ポリエチレンとしては、MFRが35で密度が0.924g/cm
3の高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2a)か、又はMFRが20で密度が0.919g/cm
3の高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2b)か、若しくはMFRが60で密度が0.916g/cm
3の高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2c)のいずれかを添加しており、共通の構成にしている。
さらに実施例1,3〜8では、第三の低密度ポリエチレンとしてMFRが5.0で密度が0.922g/cm
3の高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE_3)を添加しており、共通の構成にしている。
また比較例1,3〜5では、HP−LDPE_1aを主成分にしており、共通の構成にしている。比較例2〜6では、HP−LDPE_2aやHP−LDPE_3や、MFRが3.8で密度が0.918g/cm
3であるポリエチレン(LLDPE)を添加している。
これに加えて実施例1〜4,6〜8及び比較例1〜6では、粘着性成分としてアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DEHA)が1.0重量%と、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)が0.5重量%と、エポキシ化大豆油が0.5重量%を添加しており、共通の構成にしている。
実施例1,3〜8では、水素化石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂:ジグリセリンオレート)が2重量%を添加しており、共通の構成にしている。
【0023】
実施例1では、HP−LDPE_1aが81重量%と、HP−LDPE_3が10重量%と、HP−LDPE_2aが5重量%の混合樹脂になっている。
実施例2では、HP−LDPE_1aが88重量%と、HP−LDPE_2aが10重量%の混合樹脂になっている。
実施例3では、HP−LDPE_1aが66重量%と、HP−LDPE_3が20重量%と、HP−LDPE_2aが10重量%の混合樹脂になっている。
実施例4では、HP−LDPE_1aが66重量%と、HP−LDPE_3が10重量%と、HP−LDPE_2aが20重量%の混合樹脂になっている。
実施例5では、HP−LDPE_1aが81重量%と、HP−LDPE_3が10重量%と、HP−LDPE_2aが5重量%の混合樹脂になっている。さらに粘着性成分としてアセチル化モノグリセライドが1.5重量%と、水素化石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂:ジグリセリンオレート)が0.5重量%を添加している。
実施例6では、HP−LDPE_1aが76重量%と、HP−LDPE_3が5重量%と、HP−LDPE_2bが10重量%と、その他の成分(ポリエチレン)としてMFRが3.8で密度が0.918g/cm
3のLLDPEが5重量%の混合樹脂になっている。
実施例7では、HP−LDPE_1aが81重量%と、HP−LDPE_3が10重量%と、HP−LDPE_2cが5重量%の混合樹脂になっている。
実施例8では、HP−LDPE_1bが66重量%を主成分にし、HP−LDPE_3が20重量%と、HP−LDPE_2aが10重量%の混合樹脂になっている。
【0024】
一方、比較例1では、HP−LDPE_1aが98重量%を主成分にしている。
比較例2では、HP−LDPE_3が98重量%を主成分にしている。
比較例3では、HP−LDPE_1aが68重量%と、HP−LDPE_3が30重量%の混合樹脂になっている。
比較例4では、HP−LDPE_1aが88重量%と、その他の成分としてポリエチレン(LLDPE)が10重量%の混合樹脂になっている。
比較例5では、HP−LDPE_1aが78重量%と、その他の成分としてポリエチレン(LLDPE)が20重量%の混合樹脂になっている。
比較例6では、HP−LDPE_1aが30重量%と、HP−LDPE_3が33重量%と、HP−LDPE_2aが35重量%の混合樹脂になっている。
【0025】
[多層(三層)フィルムの実施例11〜20及び比較例11〜14について]
実施例11〜20及び比較例11〜14における内層及び外層は、第一の低密度ポリエチレンとしてHP−LDPE_1aか、又はHP−LDPE_1bか、若しくはMFRが2.0で密度が0.928g/cm
3の高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1c)のいずれかを主成分にしており、共通の構成にしている。第二の低密度ポリエチレンとしては、HP−LDPE_2aか、又はMFRが35で密度が0.916g/cm
3の高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2d)のいずれかを添加しており、共通の構成にしている。粘着性成分としては、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DEHA)が1.0重量%と、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)が0.5重量%と、エポキシ化大豆油が0.5重量%を添加しており、共通の構成にしている。
実施例11〜20及び比較例14における中間層は、MFRが15以上のPP(ホモPP)を主成分としており、共通の構成にしている。
さらに、実施例11,13〜20及び比較例11,12では、内層と中間層と外層の層比が3:2:3であり、フィルム本体の全体厚みに対する中間層の割合を25%にしており、共通の構成にしている。
【0026】
詳しく説明すると、実施例11の内層及び外層では、HP−LDPE_1aが83重量%と、HP−LDPE_3が10重量%と、HP−LDPE_2aが5重量%の混合樹脂になっている。実施例11の中間層では、MFR15以上のPP(ホモPP)が80重量%と、オレフィン系エラストマー(ランダム共重合体)が20重量%の混合樹脂になっている。
実施例12の内層及び外層では、HP−LDPE_1aが88重量%と、HP−LDPE_2aが10重量%の混合樹脂になっている。実施例12の中間層では、MFR15以上のPP(ホモPP)が90重量%と、水素化石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂:ジグリセリンオレート)が10重量%の混合樹脂になっている。実施例12の内層と中間層と外層の層比は、3:1:3であり、フィルム本体の全体厚みに対する中間層の割合を14.3%にしている。
実施例13の内層及び外層では、HP−LDPE_1aが68重量%と、HP−LDPE_3が20重量%と、HP−LDPE_2aが10重量%の混合樹脂になっている。実施例13の中間層では、MFR15以上のPP(ホモPP)が70重量%と、オレフィン系エラストマー(ランダム共重合体)が20重量%と、水素化石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂:ジグリセリンオレート)が10重量%の混合樹脂になっている。
実施例14の内層及び外層では、HP−LDPE_1aが68重量%と、HP−LDPE_3が10重量%と、HP−LDPE_2aが20重量%の混合樹脂になっている。実施例14の中間層では、MFR15以上のPP(ホモPP)が80重量%と、オレフィン系エラストマー(ランダム共重合体)が10重量%と、HP−LDPE_2aが10重量%の混合樹脂になっている。
実施例15の内層及び外層では、主成分となるMFRが2.0で密度が0.931g/cm
3の高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1b)が68重量%と、HP−LDPE_3が20重量%と、HP−LDPE_2aが10重量%の混合樹脂になっている。実施例15の中間層では、実施例14の中間層と同じ混合樹脂になっている。
実施例16の内層及び外層では、主成分となるMFRが2.0で密度が0.928g/cm
3の高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1c)が83重量%と、HP−LDPE_3が10重量%と、HP−LDPE_2aが5重量%の混合樹脂になっている。実施例15の中間層では、実施例11の中間層と同じ混合樹脂になっている。
実施例17の内層及び外層では、HP−LDPE_1aが68重量%と、HP−LDPE_3が20重量%と、MFRが35で密度が0.916g/cm
3の高圧法低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2d)が10重量%の混合樹脂になっている。実施例17の中間層では、実施例13の中間層と同じ混合樹脂になっている。
実施例18の内層及び外層では、HP−LDPE_1aが67重量%と、HP−LDPE_3が20重量%と、HP−LDPE_2aが10重量%と、水素化石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂:ジグリセリンオレート)が1重量%の混合樹脂になっている。実施例18の中間層では、実施例13の中間層と同じ混合樹脂になっている。
実施例19の内層及び外層では、HP−LDPE_1aが65重量%と、HP−LDPE_3が20重量%と、HP−LDPE_2aが10重量%と、水素化石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂:ジグリセリンオレート)が3重量%の混合樹脂になっている。実施例19の中間層では、実施例13の中間層と同じ混合樹脂になっている。
実施例20の内層及び外層では、HP−LDPE_1aが61重量%と、HP−LDPE_3が20重量%と、HP−LDPE_2aが10重量%と、水素化石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂:ジグリセリンオレート)が7重量%の混合樹脂になっている。実施例20の中間層では、実施例13の中間層と同じ混合樹脂になっている。
【0027】
一方、比較例11〜14の内層及び外層では、実施例11の内層及び外層と同じ混合樹脂になっている。比較例11の中間層では、MFR15未満のPP(ランダムPP)が80重量%と、オレフィン系エラストマー(ランダム共重合体)が20重量%の混合樹脂になっている。
比較例12の中間層では、MFR15未満のPP(ホモPP)が80重量%と、オレフィン系エラストマー(ランダム共重合体)が20重量%の混合樹脂になっている。
比較例13の中間層では、MFR15未満のPP(ホモPP)が90重量%と、水素化石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂:ジグリセリンオレート)が10重量%の混合樹脂になっている。比較例13の内層と中間層と外層の層比は、フィルム本体の全体厚みに対する中間層の割合を14.3%にしている。
比較例14の中間層では、実施例11の中間層と同じ混合樹脂になっている。比較例14の内層と中間層と外層の層比は、3:4:3であり、フィルム本体の全体厚みに対する中間層の割合を40%にしている。
【0028】
[実施例及び比較例で使用した材料について]
MFRが5.0で密度が0.931g/cm
3である第一の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1a)の具体例としては、住友化学社製のCE3506が該当する。
MFRが
2.0で密度が
0.931g/cm
3である第一の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1b)の具体例としては、NUC社製のNUC8230が該当する。
MFRが2.0で密度が0.928g/cm
3である第一の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1c)の具体例としては、住友化学社製のF238−1が該当する。
MFRが35で密度が0.924g/cm
3である第二の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2a)の具体例としては、宇部丸善ポリエチレン社製のJ3524が該当する。
MFRが20で密度が0.919g/cm
3である第二の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2b)の具体例としては、宇部丸善ポリエチレン社製のJ2522が該当する。
MFRが60で密度が0.916g/cm
3である第二の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2c)の具体例としては、宇部丸善ポリエチレン社製のJ6016が該当する。
MFRが35で密度が0.916g/cm
3である第二の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2d)の具体例としては、宇部丸善ポリエチレン社製のJ3519が該当する。
MFRが5.0で密度が0.922g/cm
3である第三の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_3)の具体例としては、宇部丸善ポリエチレン社製のF522Nが該当する。
DEHAの具体例としては、ジェイ・プラス社製のDEHAが該当する。
ATBCの具体例としては、ジェイ・プラス社製のATBCが該当する。
エポキシ化亜麻仁油の具体例としては、ADEKA社製のO−180Aが該当する。
MFRが15以上のホモPPの具体例としては、プライムポリマー社製の「プライムポリプロ(登録商標)」Y−2000GV(MFRが20)が該当する。
MFRが15未満のホモPPの具体例としては、日本ポリプロ社製の「ノバテック(登録商標)PP」FY6(MFRが2.5)が該当する。
MFRが15未満のランダムPPの具体例としては、住友化学社製の「ノーブレン(登録商標)」FH331(MFRが3.0で融点が143℃)が該当する。
オレフィン系エラストマー(ランダム共重合体)の具体例としては、住友化学製の「タフセレン(登録商標)」T3732(非結晶性ポリプロピレンを主とする特殊ポリプロピレン系エラストマー)が該当する。
水素化石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂:ジグリセリンオレート)の具体例としては、荒川化学工業社製のアルコンP−125が該当する。
【0029】
[評価基準]
表1〜表4に示される評価結果(容器との粘着性1、容器との粘着性2、フィルム本体のカット性、フィルム本体の解反性、フィルム本体の加工性、フィルム本体の耐熱温度、総合評価)は、以下の指標に基づくものである。
「容器との粘着性1」は、ガラスや陶器からなる容器などに対するフィルム本体の少なくとも表面(単層フィルムの場合は表裏両面、多層フィルムの場合には内層の表面及び外層の表面)の粘着力を確認するための試験である。実施例1〜8,11〜20及び比較例1〜6,11〜14の各評価試料を、容器を構成するガラス製や陶器製の平滑面に接触するように貼り付けて圧着させ、貼り付け直後から所定時間内に剥がす試験を行った。その試験結果を四段階で評価した。
この「容器との粘着性1」の評価結果において、◎:粘着力が非常に強い、○:粘着力が強い、△:粘着力がやや弱い、×:粘着力が弱い、のように評価した。
「容器との粘着性2」は、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる容器などに対するフィルム本体の少なくとも表面(単層フィルムの場合は表裏両面、多層フィルムの場合には内層の表面及び外層の表面)の粘着力を確認するための試験である。実施例1〜8,11〜20及び比較例1〜6,11〜14の各評価試料を、容器を構成するポリカーボネート製の平滑面に接触するように貼り付けて圧着させ、貼り付け直後から所定時間内に剥がす試験を行った。その試験結果を五段階で評価した。
この「容器との粘着性2」の評価結果において、◎:粘着力が非常に強い、○:粘着力が強い、○△:粘着力が強くないものの許容範囲内、△:粘着力がやや弱い、×:粘着力が弱い、のように評価した。
「フィルム本体のカット性」は、カット刃によるフィルム本体の切れ味を確認するための試験であり、実施例1〜8,11〜20及び比較例1〜6,11〜14の各評価試料を、巻芯にロール状に巻き付けてカット刃で切断する試験を行った。その試験結果を三段階で評価した。
この「フィルム本体のカット性」の評価結果において、○:カットし易い、△:ややカットし難い、×:カットし難い、のように評価した。
「フィルム本体の解反性」は、巻物からフィルム本体を引き出す時の剥離状況を確認するための試験であり、実施例1〜8,11〜20及び比較例1〜6,11〜14の各評価試料を、巻芯にロール状に巻き付け、巻芯から引き出して剥がす試験を行った。その試験結果を三段階で評価した。
この「フィルム本体の解反性」の評価結果において、○:スムーズに剥がれる、×:スムーズに剥がれない、△:どちらとも言えない、のように評価したと評価した。
「フィルム本体の加工性」は、T−ダイ成形やインフレーション成形の押出しによるフィルム成形に適しているか否かを確認するための試験であり、実施例1〜7,11〜14,17〜20及び比較例1〜6,11〜14の各評価試料を、T−ダイを用いた押出機でT−ダイ成形する試験を行った。実施例8,15,16の評価試料は、サークルダイを用いた押出機でインフレーション成形する試験を行った。その試験結果を三段階で評価した。
この「フィルム本体の加工性」の評価結果において、◎:フィルム成形に優れている、○:フィルム成形に適している、×:フィルム成形に適していない、のように評価した。
「フィルム本体の耐熱温度」は、東京都消費生活条例ラップ(食品包装用ラップフィルム)品質表示実施要領に準じて測定した。
「総合評価」とは、前述した「容器との粘着性1」「容器との粘着性2」「フィルム本体のカット性」「フィルム本体の解反性」「フィルム本体の加工性」「フィルム本体の耐熱温度」の評価結果に基づいて総合的に四段階で評価した。
この「総合評価」の評価結果において、◎:最良、○:良、△:やや不向き、×:不向き、のように評価した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
[評価結果]
単層フィルムの実施例1〜8及び比較例1〜6、並びに多層(三層)フィルムの実施例11〜20及び比較例11〜14をそれぞれ比較すると、単層フィルムの実施例1〜8と多層(三層)フィルムの実施例11〜20は、容器との粘着性1、容器との粘着性2、フィルム本体のカット性、フィルム本体の解反性、フィルム本体の加工性、フィルム本体の耐熱温度、総合評価の全てにおいて良好な評価結果が得られている。
この評価結果から明らかなように、単層フィルムの実施例1〜8と多層(三層)フィルムの実施例11〜20は、優れた密着性及びカット性と加工性を併せ持った食品包装用ラップフィルムであることが実証できた。
耐熱温度の評価結果では、単層フィルムの実施例1〜8の耐熱温度が、すべて110℃であり、市販のポリエチレン(PE)製ラップフィルムと同等であった。これに比べて多層(三層)フィルムの実施例11〜20の耐熱温度は、すべて130℃であり、市販のPE製ラップフィルムの耐熱温度(110℃)よりも高くなった。
しかし、これに対して、単層フィルムの比較例1〜6と多層(三層)フィルムの比較例11〜14は、容器との粘着性1、容器との粘着性2、フィルム本体のカット性、フィルム本体の解反性、フィルム本体の加工性のいずれかで不良な評価結果になっている。
【0035】
詳しく説明すると、単層フィルムの比較例1は、第一の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1a)の添加量が96.5重量%を越えるものの、第一の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1a)に対する第二の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2a)の添加量が絶対的に不足するため、容器との粘着性2(ポリカーボネート製の容器)で不良な評価結果になった。
比較例2は、第一の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1a)に代えて第三の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_3)を添加しても、第三の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_3)に対する第二の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2a)の添加量が絶対的に不足するため、フィルム本体のカット性で不良な評価結果になった。
比較例3は、第一の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1a)に対する第二の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2a)の添加量が絶対的に不足するため、容器との粘着性2とフィルム本体のカット性で不良な評価結果になった。
比較例4は、第二の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2a)に代えてポリエチレン(LLDPE)を添加しても、第一の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1a)に対する第二の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2a)の添加量が絶対的に不足するため、容器との粘着性2とフィルム本体のカット性で不良な評価結果になった。
比較例5は、第二の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2a)に代えてポリエチレン(LLDPE)の添加量を増やしても、第一の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1a)に対する第二の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2a)の添加量が絶対的に不足するため、フィルム本体のカット性で不良な評価結果になった。
比較例6は、第一の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_1a)に対して第二の低密度ポリエチレン(HP−LDPE_2a)の添加量が相対的に過剰となるため、フィルム本体の加工性(T−ダイ成形)で不良な評価結果になった。
なお、前述した比較例1〜6では示さなかったが、フィルム本体(単層フィルムの全体)が、ポリオレフィン(PO)を主成分とした比較例についても、同様に評価を行った。
その試験結果として、ポリオレフィン(PO)を主成分とした比較例は、容器との粘着性1や粘着性2で不良な評価結果になり、容器との密着性に劣ることが分かった。
【0036】
また多層(三層)フィルムの比較例11は、中間層の主成分となるPP(ランダムPP)のMFRが3.0であり、目標とするMFR10〜30よりも大幅に低いため、多層(三層)フィルムが全体的に硬くなり、フィルム本体のカット性で不良な評価結果になった。さらに比較例11は、耐熱温度が120℃で他に比べて低かった。
比較例12は、中間層の主成分となるPP(ホモPP)のMFRが2.5であり、目標とするMFR10〜30よりも大幅に低くて硬くなり過ぎるため、比較例11に比べて多層(三層)フィルムが全体的により硬くなり、フィルム本体のカット性で更に不良な評価結果になった。
比較例13は、中間層の主成分となるMFR2.5のPP(ホモPP)を比較例12より多く含むものの、多層(三層)フィルムの全体厚みに対する中間層の割合が14.3%と薄いため、比較例11と同様にフィルム本体のカット性で不良な評価結果になった。
比較例14は、多層(三層)フィルムの全体厚みに対する中間層の割合が40%であり、35%を越えて厚くなり過ぎるため、柔軟性に劣って容器との粘着性1や粘着性2とフィルム本体のカット性とで不良な評価結果になった。