(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
機能部が電子機器を含む場合や機能部に別途電子機器が配置される場合などには、電子機器に電気を供給するための電源ケーブルなど、電子機器に接続されたケーブルは機能部から下方に引き回される。この場合、ケーブルの接続を維持するため、機能部の高さが上下方向に変更されるのに応じて、ケーブルが上下方向に移動する必要がある。
【0007】
本発明は、機能部の上下方向の移動に応じて、機能部に接続されたケーブルを上下方向にスムーズに移動させるとともに、什器の外観の体裁を良好にすることが可能な支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、支持構造は、什器に設けられた機能部を支持する支持構造であって、前記機能部を支持する上端部と、前記什器の筐体に固定された下端部と、を有し、上下方向に伸縮可能な支持手段を備える。前記筐体の上端部には、前記支持手段が前記上下方向に挿通する挿通孔と、前記機能部に接続されたケーブルを前記筐体の内部に案内する案内孔と、が形成されている。前記筐体の内部には、前記案内孔と連通し、前記支持手段の伸縮動作に伴って前記ケーブルを前記案内孔から前記上下方向に進退可能に収納する収納部が設けられ
、前記案内孔は、前記挿通孔と隣接して設けられ、前記挿通孔と連通している。
上記の支持構造によれば、筐体の内部に支持手段の伸縮動作に伴ってケーブルを案内孔から上下方向に進退可能に収納する収納部が設けられているので、機能部の上下方向の移動に応じてケーブルを上下方向にスムーズに移動させることができる。また、ケーブルは筐体の内部に設けられた収納部に収納されるので、什器の外観の体裁を良好にすることができる。
【0009】
上記の支持構造によれば、第一筒部を第二筒部の内部に収納することができるので、支持手段の縮んだ状態における寸法を小さくすることができる。
【0010】
上記の支持構造は、内部に前記ケーブルを収納する第一ガイド部材をさらに備えてもよい。前記支持手段は、前記伸縮動作に伴って前記挿通孔から前記筐体の外部に出没する露出部を有してもよい。前記第一ガイド部材は、前記露出部に沿って前記案内孔を挿通するように配置されていてもよい。
上記の支持構造によれば、支持手段の露出部に沿って配置された第一ガイド部材の内部にケーブルが収納されているので、使用者や障害物などがケーブルに接触することを防止して什器の安全性を向上させることができるとともに、什器の外観の体裁を良好にすることができる。
【0011】
上記の支持構造は、前記収納部内に配置され、内部に前記ケーブルを収納する第二ガイド部材をさらに備えてもよい。前記第二ガイド部材は、前記第一ガイド部材の下端部に接続された第一端部と、前記筐体の内部に固定された第二端部と、前記第一端部と前記第二端部との間に設けられ、湾曲変位可能に構成された中間部と、を有してもよい。
上記の支持構造によれば、収納部内においてケーブルは第二ガイド部材の内部に収納されているので、支持手段の伸縮動作の際にケーブルが支持手段と干渉することを防止できる。
また、本発明の他の態様によれば、什器に設けられた機能部を支持する支持構造であって、前記機能部を支持する上端部と、前記什器の筐体に固定された下端部と、を有し、上下方向に伸縮可能な支持手段を備え、前記筐体の上端部には、前記支持手段が前記上下方向に挿通する挿通孔と、前記機能部に接続されたケーブルを前記筐体の内部に案内する案内孔と、が形成され、前記筐体の内部には、前記案内孔と連通し、前記支持手段の伸縮動作に伴って前記ケーブルを前記案内孔から前記上下方向に進退可能に収納する収納部が設けられ、内部に前記ケーブルを収納する第一ガイド部材と、前記収納部内に配置され、内部に前記ケーブルを収納する第二ガイド部材とをさらに備え、前記支持手段は、前記伸縮動作に伴って前記挿通孔から前記筐体の外部に出没する露出部を有し、前記第一ガイド部材は、前記露出部に沿って前記案内孔を挿通するように配置されており、前記第二ガイド部材は、前記第一ガイド部材の下端部に接続された第一端部と、前記筐体の内部に固定された第二端部と、前記第一端部と前記第二端部との間に設けられ、湾曲変位可能に構成された中間部と、を有する。
【0012】
上記の支持構造において、前記筐体の内部には、前記収納部が配置された第一空間と、前記支持手段を挟んで前記第一空間の反対側に設けられた第二空間と、が形成されていてもよい。前記第二空間には、前記ケーブルが接続可能な接続部を有する電源供給部が設けられていてもよい。前記筐体の前記上端部には、前記第一空間と前記第二空間とを連通し、前記ケーブルを支持する第三ガイド部材が設けられていてもよい。
上記の支持構造によれば、電源供給部は収納部が配置された第一空間と支持手段を挟んで反対側の第二空間に設けられているので、第二ガイド部材の第二端部から第三ガイド部材を通って電源供給部まで延びるケーブルの曲率半径を大きくすることができ、ケーブルに掛かる負荷を低減することができる。
【0013】
上記の支持構造において、前記電源供給部は、前記接続部が前記支持手段に対して反対側を向くように配置されていてもよい。
上記の支持構造によれば、電源供給部は接続部が支持手段に対して反対側を向くように配置されているので、第二ガイド部材の第二端部から第三ガイド部材を通って電源供給部に向かうケーブルを、その湾曲の向きを変えずに接続部に接続することができる。よって、ケーブルに掛かる負荷をより低減することができる。
【発明の効果】
【0014】
上記の支持構造によれば、機能部の上下方向の移動に応じて、機能部に接続されたケーブルを上下方向にスムーズに移動させるとともに、什器の外観の体裁を良好にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る支持構造を備えた液晶モニター装置1を示す斜視図である。液晶モニター装置(什器)1は、モニター台2と、液晶モニター(機能部)100と、を備える。本実施形態では、機能部が液晶モニター100である場合を例として説明する。なお、機能部はこれに限定されるものではなく、下記に示すものであってもよい。
【0018】
機能部としては、使用者に文字や図形、記号などまたは映像などを視認させる表示機能を有するものや、周囲に光を照らす発光機能を有するもの、物体を載せる載置機能を有するもの、音を発する発音機能を有するものなどがある。具体的には、表示機能を有する機能部は、液晶モニターやホワイトボード、看板などである。また、発光機能を有する機能部は、照明器具などである。載置機能を有する機能部は、天板や棚などである。発音機能を有する機能部は、スピーカーなどである。なお、機能部は、上述した各機能を複数同時に備えていてもよい。
【0019】
図2は、液晶モニター装置1の背面図である。
図3は、液晶モニター装置1において支持手段30が伸びた状態を示す背面図である。
図4は、液晶モニター装置1を背面側から見た斜視図である。
図5は、支持手段30が伸びた状態において液晶モニター装置1を背面側から見た斜視図である。なお、
図2から
図5において、説明を容易にするため背面パネルの図示を省略している。
【0020】
モニター台2は、下部支持体10と、下部支持体10の上側に設けられた上部支持体(支持構造)20と、を備える。
【0021】
下部支持体10は、床面F上に設けられた一対のベース部材11A、11Bと、一対のベース部材11A、11Bを互いに連結する連結部材12と、を備える。
【0022】
ベース部材11Aは、前端部11Afと、後端部11Arと、前端部11Afと後端部11Arとの間に設けられ、直線状に延びた中間部11Amと、を有する。同様に、ベース部材11Bは、前端部11Bfと、後端部11Brと、前端部11Bfと後端部11Brとの間に設けられ、直線状に延びた中間部11Bmと、を有する。一対のベース部材11A、11Bは、それぞれの中間部11Am、11Bmからそれぞれの前端部11Af、11Bfに向かって互いに離間するように延びて形成されており、かつそれぞれの中間部11Am、11Bmからそれぞれの後端部11Ar、11Brに向かって互いに離間するように延びて形成されている。一対のベース部材11A、11Bの前端部11Af、11Bfおよび後端部11Ar、11Brには、下側にモニター台2を移動させるためのキャスター13がそれぞれ設けられている。なお、キャスター13は、モニター台2を床面Fに対して固定させる機構を有していてもよい。
【0023】
連結部材12は、棒状部材から構成され、一対のベース部材11A、11Bの中間部11Am、11Bmを互いに連結するように設けられている。
【0024】
上部支持体20は、筐体29と、支持手段30と、を備える。筐体29は、フレーム21と、前面パネル28Aと、図示しない背面パネルと、を有する。
【0025】
フレーム21は、一対の主フレーム22A、22Bと、下部フレーム23と、上部フレーム24と、を有する。フレーム21は、例えば金属など、剛性の高い材料で構成することができる。
【0026】
一対の主フレーム22A、22Bは、上下方向に延びる角筒状に形成されている。一対の主フレーム22A、22Bは、上下方向に垂直な一方向に互いに離間して平行に配置されている(以下、この離間する方向を幅方向と適宜称する)。一対の主フレーム22A、22Bの下端部22Ab、22Bbは、それぞれ一対のベース部材11A、11Bの中間部11Am、11Bmにボルトなどで固定されており、一対の主フレーム22A、22Bは、床面Fに対して垂直となるように設けられている。
【0027】
下部フレーム23は、幅方向に延びる角筒状に形成されている。下部フレーム23は、一対の主フレーム22A、22Bの上端部22At、22Btと下端部22Ab、22Bbとの間に設けられた中間部22Am、22Bmを互いに連結するように設けられている。
【0028】
上部フレーム24は、幅方向に延びて形成されている。本実施形態では、上部フレーム24において幅方向に垂直な断面は、下方に向かって開口する略U字形状に形成されている。上部フレーム24は、一対の主フレーム22A、22Bの上端部22At、22Btを互いに連結するように設けられている。一対の主フレーム22A、22Bの上端部22At、22Btと上部フレーム24とにより、筐体29の上端部29tが構成されている。
【0029】
上部フレーム24の幅方向の中間部位には、上部フレーム24を上下方向に貫通する挿通孔25と、上部フレーム24を上下方向に貫通する案内孔26と、が形成されている。挿通孔25は、支持手段30を挿通可能な形状に形成されている。案内孔26は、後述する配線ガイド52を挿通可能な形状に形成されている。また、本実施形態では、案内孔26は、挿通孔25の主フレーム22Bの側に挿通孔25と隣接して設けられ、挿通孔25と連通している。
【0030】
フレーム21の上部には、使用者がモニター台2を移動させる際に握る一対のハンドル部27A、27Bが設けられている。ハンドル部27Aは、主フレーム22Aの上端部22Atに取り付けられており、ハンドル部27Bは、主フレーム22Bの上端部22Btに取り付けられている。
【0031】
前面パネル28Aは、長方形板状に形成され、フレーム21の前面側において一対の主フレーム22A、22Bの間に上部フレーム24の下側からフレーム21の下端部21bにかけて配置されている。また、背面パネル(不図示)は、長方形板状に形成され、フレーム21の背面側において一対の主フレーム22A、22Bの間に上部フレーム24の下側からフレーム21の下端部21bにかけて配置されている。フレーム21、前面パネル28A、および背面パネルにより、筐体29は箱状に形成されている。
【0032】
支持手段30は、上下方向に延びて形成され、液晶モニター100を支持する上端部30tと、筐体29に固定された下端部30bと、を有する。本実施形態では、支持手段30の下端部30bは、下部フレーム23の上側に配置されて、下部フレーム23に固定されている。また、支持手段30は、挿通孔25を上下方向に挿通するように配置されている。
【0033】
支持手段30は、上下方向に伸縮可能に構成されている。具体的には、支持手段30は、下部筒状体31Aと、中間筒状体31Bと、上部筒状体31Cと、を有する。下部筒状体31A、中間筒状体31B、および上部筒状体31Cは、それぞれ上下方向に延びる四角形筒状に形成されている。下部筒状体31Aは、下部フレーム23に固定されており、筐体29の内部に配置されている。中間筒状体31Bおよび上部筒状体31Cは、下部筒状体31Aに対して上下方向に移動可能に接続されている。また、中間筒状体31Bおよび上部筒状体31Cは、内部に下部筒状体31Aを収納可能に構成されている。本実施形態では、中間筒状体31Bの内部に下部筒状体31Aが収納され、上部筒状体31Cの内部に中間筒状体31Bが収納されている。
【0034】
支持手段30が有する図示しない駆動機構により、下部筒状体31Aに対して中間筒状体31Bおよび上部筒状体31Cをそれぞれ上下方向に移動させることで、支持手段30を上下方向に伸縮させることができる。これにより、支持手段30の上端部30tに支持された液晶モニター100の高さを上下方向に変更することができる。
【0035】
また、支持手段30は、支持手段30の伸縮動作に伴って挿通孔25から筐体29の外部に出没する露出部37を有する。本実施形態では、上部筒状体31Cが支持手段30の伸縮動作に伴って挿通孔25から筐体29の外部に出没するため、上部筒状体31Cが露出部37となる。
【0036】
支持手段30は、上述した伸縮動作を制御する制御ユニット32と、制御ユニット32に伸縮動作信号を入力するための操作部33と、をさらに有する。制御ユニット32は、一対の主フレーム22A、22Bの下端部22Ab、22Bbの間に設けられた支持板35に取り付けられている。制御ユニット32は、図示しないケーブルにより下部筒状体31Aと電気的に接続されている。操作部33は、主フレーム22Aにおいて例えばハンドル部27Aの下側に設けられている。操作部33は、図示しないケーブルにより制御ユニット32と電気的に接続されている。
【0037】
制御ユニット32には、図示しない電源ケーブルが接続されている。この電源ケーブルのうち余長となる部分は、上部支持体20の後方に隣接して設けられた配線ボックス36の内部に収納することができる。配線ボックス36は、下部支持体10の連結部材12にボルトなどで固定されている。
【0038】
上部筒状体31Cの上端部31Ctには、液晶モニター100を取り付けるための取付部34が設けられている。取付部34は、取付支柱34Aと、第一補助部材34Bと、第二補助部材34Cと、支柱カバー34Dと、を有する。取付支柱34Aは、上下方向に延びて設けられている。取付支柱34Aの下端部34Abは、上部筒状体31Cの上端部31Ctにボルトなどで固定されている。第一補助部材34Bおよび第二補助部材34Cは、幅方向に延びて設けられ、上下方向に互いに離間して取付支柱34Aにボルトなどで固定されている。第一補助部材34Bおよび第二補助部材34Cは、取付金具34Eを介して液晶モニター100に固定されている。支柱カバー34Dは、取付支柱34Aを後方から覆うように取付支柱34Aに取り付けられている。
【0039】
筐体29の上端部29tには、支持手段30を支持する支持部40が設けられている。具体的には、支持部40は、上部フレーム24に形成された挿通孔25の内部に設けられている。支持部40は、挿通孔25を挿通する支持手段30のうち上部筒状体31Cを上下方向に摺動可能に支持している。このため、上部筒状体31Cは、支持手段30の伸縮動作にかかわらず、少なくとも一部が挿通孔25の内部に常に配置されるように、上下方向の移動範囲が調整されている。
【0040】
図6は、
図2のA−A線における断面図である。
図7は、
図6のB−B線における断面図である。なお、
図6および
図7では、上部支持体20の構成を一部簡略化して示している。本実施形態では、支持部40は、弾性材料から構成された摺動部材41を有している。弾性材料として、例えばナイロンやポリアセタールなどの樹脂が挙げられる。摺動部材41は、幅方向に延びる長板状に形成されている。挿通孔25の内部において前面側の面25fに二つの摺動部材41が幅方向に並べて配置され、挿通孔25の内部において背面側の面25rに他の二つの摺動部材41が幅方向に並べて配置されている。よって、摺動部材41は、上部筒状体31Cを前後方向に挟むように配置されている。摺動部材41は、上部筒状体31Cの外周面31Caを摺動可能に支持している。
【0041】
上述のように、支持部40は、筐体29の上端部29tにおいて、支持手段30の上端部30tに近い上部筒状体31Cを支持しているため、支持手段30の上端部30tで支持している液晶モニター100の支持安定性を向上させることができる。よって、例えば液晶モニター100により支持手段30に偏荷重が加えられた場合でも、支持手段30のたわみを軽減することができる。また、支持部40は、弾性材料から構成された摺動部材41により、上部筒状体31Cの外周面31Caを摺動可能に支持しているため、支持手段30の伸縮動作をスムーズに行うことができる。
【0042】
図2から
図6に示すように、上部フレーム24に形成された案内孔26には、液晶モニター100に接続されたケーブル101が挿通されている。すなわち、案内孔26は、ケーブル101を筐体29の内部に案内している。ケーブル101は、例えば液晶モニター100に電源を供給するための電源ケーブルである。
【0043】
筐体29の内部において、下部フレーム23と上部フレーム24との間の空間は、支持手段30により幅方向に第一空間50Aと第二空間50Bとに分けられている。第一空間50Aは、案内孔26の下側に設けられている。第二空間50Bは、支持手段30を挟んで第一空間50Aの反対側に設けられている。
【0044】
筐体29の内部には、収納部51が設けられている。収納部51は、第一空間50Aに配置されている。収納部51は、案内孔26と連通し、支持手段30の伸縮動作に伴ってケーブル101を案内孔26から上下方向に進退可能に収納している。すなわち、収納部51には、支持手段30が最も縮んだ状態から最も伸びた状態に移行する際に、案内孔26から外部に進出するケーブル101の部分を収納可能な空間が形成されている。
【0045】
上部支持体20は、内部にケーブル101を収納する配線ガイド52をさらに備える。配線ガイド52は、上部筒状体31Cに沿って案内孔26を挿通するように配置された第一ガイド部材53と、収納部51内に配置された第二ガイド部材54と、を有する。
【0046】
第一ガイド部材53は、一面に開口が形成された略C字形状の断面を有し、上下方向に延びて形成されている。第一ガイド部材53は、開口部53Aが上部筒状体31Cの反対側を向くように配置されている。このため、開口部53Aから第一ガイド部材53の内部にケーブル101を配置することができる。第一ガイド部材53の上端部53tは、取付支柱34Aの下端部34Abに固定されている。第一ガイド部材53の下端部53bは、上部筒状体31Cの下端部31Cbの近傍に配置されている。
【0047】
第二ガイド部材54は、第一端部54Aと、第二端部54Bと、第一端部54Aと第二端部54Bとの間に設けられた中間部54Cと、を有する。第一端部54Aは、第一ガイド部材53の下端部53bに接続されている。第二端部54Bは、筐体29の内部において主フレーム22Bの上部にボルトなどで固定されている。中間部54Cは、湾曲変位可能に構成されている。
【0048】
中間部54Cは、略U字形状の断面を有する複数のチェーンコマ54Caをリングピン54Cbで順次回動可能に連結したチェーン状部材である。中間部54Cは、各チェーンコマ54Caの開口54Ccを通してその内部にケーブル101を収納することができる。また、中間部54Cは、支持手段30が伸縮する長さに対応した余長を有している。よって、中間部54Cは、支持手段30が最も伸びた状態では、第一端部54Aから第二端部54BにかけてJ字形状に湾曲して垂れ下がっており、支持手段30が最も縮んだ状態では、第二端部54Bから第一端部54AにかけてJ字形状に湾曲して垂れ下がっている。このように、中間部54Cは、支持手段30の伸縮動作に応じて湾曲変位可能に構成されている。
【0049】
第二空間50Bには、電源タップ(電源供給部)55が設けられている。電源タップ55は、ケーブル101が接続可能な接続部55Aを有する。電源タップ55は、図示しない電源ケーブルによりモニター台2の外部に設けられた商用電源に接続されており、ケーブル101を介して液晶モニター100に電力を供給することができる。電源タップ55は、第二空間50Bにおいて下部フレーム23と上部フレーム24との間に支持手段30に沿って設けられた補助フレーム56にボルトなどで固定されている。また、電源タップ55は、接続部55Aが支持手段30に対して反対側を向くように配置されている。
【0050】
筐体29の上端部29tには、第一空間50Aと第二空間50Bとを連通し、ケーブル101を支持する第三ガイド部材57が設けられている。第三ガイド部材57は、一対の主フレーム22A、22Bの間を幅方向に延びて形成され、上部フレーム24の下側に配置されている。第三ガイド部材57の両端は、一対の主フレーム22A、22Bにそれぞれボルトなどで固定されている。第三ガイド部材57には、上方に向かって突出する鉤状のケーブル支持部57Aが設けられている。ケーブル支持部57Aは、第一空間50Aから第二空間50Bまで幅方向に延びて形成されている。第三ガイド部材57は、ケーブル支持部57Aの内側にケーブル101を配置することで、ケーブル101を支持することができる。
【0051】
上述した構成により、液晶モニター100に接続されたケーブル101は、第一ガイド部材53、第二ガイド部材54、および第三ガイド部材57を通り、電源タップ55の接続部55Aに接続されている。筐体29の内部において、ケーブル101は、第一ガイド部材53、第二ガイド部材54、および第三ガイド部材57に案内されているため、支持手段30の伸縮動作の際に支持手段30と干渉することを防止できる。また、第二ガイド部材54により、支持手段30の伸縮する長さに対応したケーブル101の余長が保持されているため、液晶モニター100の高さを変更する際の支持手段30の伸縮動作にケーブル101をスムーズに追従させることができる。
【0052】
また、ケーブル101は、第二ガイド部材54の第二端部54Bから第三ガイド部材57のケーブル支持部57Aに掛けられて第二空間50Bに案内され、主フレーム22Aの側から電源タップ55の接続部55Aに接続されている。このため、第二ガイド部材54の第二端部54Bから電源タップ55の接続部55Aまでの間のケーブル101の曲率半径を大きくすることができ、ケーブルに掛かる負荷を低減することができる。よって、ケーブル101の配線を良好にすることができる。
【0053】
本実施形態に係る上部支持体20は、液晶モニター100を支持する上端部30tと、液晶モニター装置1の筐体29に固定された下端部30bと、を有し、上下方向に伸縮可能な支持手段30を備える。筐体29の上端部29tには、支持手段30が上下方向に挿通する挿通孔25と、液晶モニター100に接続されたケーブル101を筐体29の内部に案内する案内孔26と、が形成されている。筐体29の内部には、案内孔26と連通し、支持手段30の伸縮動作に伴ってケーブル101を案内孔26から上下方向に進退可能に収納する収納部51が設けられている。
【0054】
上述した構成によれば、筐体29の内部に支持手段30の伸縮動作に伴ってケーブル101を案内孔26から上下方向に進退可能に収納する収納部51が設けられているので、液晶モニター100の上下方向の移動に応じてケーブル101を上下方向にスムーズに移動させることができる。また、ケーブル101は筐体29の内部に設けられた収納部51に収納されるので、液晶モニター装置1の外観の体裁を良好にすることができる。
【0055】
また、案内孔26は、挿通孔25と隣接して設けられ、挿通孔25と連通している。これにより、液晶モニター装置1の外観の体裁をより良好にすることができる。
【0056】
また、上部支持体20は、内部にケーブル101を収納する第一ガイド部材53をさらに備える。支持手段30は、伸縮動作に伴って挿通孔25から筐体29の外部に出没する露出部37を有する。第一ガイド部材53は、露出部37に沿って案内孔26を挿通するように配置されている。
【0057】
上述した構成によれば、支持手段30の露出部37に沿って配置された第一ガイド部材53の内部にケーブルが収納されているので、使用者や障害物などがケーブル101に接触することを防止して液晶モニター装置1の安全性を向上させることができるとともに、液晶モニター装置1の外観の体裁を良好にすることができる。
【0058】
また、上部支持体20は、収納部51内に配置され、内部にケーブル101を収納する第二ガイド部材54をさらに備える。第二ガイド部材54は、第一ガイド部材53の下端部53bに接続された第一端部54Aと、筐体29の内部に固定された第二端部54Bと、第一端部54Aと第二端部54Bとの間に設けられ、湾曲変位可能に構成された中間部54Cと、を有する。
【0059】
上記した構成によれば、収納部51内においてケーブル101は第二ガイド部材54の内部に収納されているので、支持手段30の伸縮動作の際にケーブル101が支持手段30と干渉することを防止できる。
【0060】
また、筐体29の内部には、収納部51が配置された第一空間50Aと、支持手段30を挟んで第一空間50Aの反対側に設けられた第二空間50Bと、が形成されている。第二空間50Bには、ケーブル101が接続可能な接続部55Aを有する電源タップ55が設けられている。筐体29の上端部29tには、第一空間50Aと第二空間50Bとを連通し、ケーブル101を支持する第三ガイド部材57が設けられている。
【0061】
上述した構成によれば、電源タップ55は収納部51が配置された第一空間50Aと支持手段30を挟んで反対側の第二空間50Bに設けられているので、第二ガイド部材54の第二端部54Bから第三ガイド部材57を通って電源タップ55まで延びるケーブル101の曲率半径を大きくすることができ、ケーブル101に掛かる負荷を低減することができる。加えて、第一空間50Aにおいてケーブル101を収納する収納部51の範囲をより広くすることができるとともに、支持手段30の伸縮動作の際にケーブル101が電源タップ55と干渉することを防止できる。
【0062】
また、電源タップ55は、接続部55Aが支持手段30に対して反対側を向くように配置されている。このため、第二ガイド部材54の第二端部54Bから第三ガイド部材57を通って電源タップ55に向かうケーブル101を、その湾曲の向きを変えずに接続部55Aに接続することができる。よって、ケーブル101に掛かる負荷をより低減することができる。
【0063】
なお、本実施形態では、案内孔26は、挿通孔25と隣接して設けられ、挿通孔25と連通しているが、案内孔26は、挿通孔25と離間して設けられていてもよく、挿通孔25と連通していなくてもよい。また、挿通孔25と支持手段30との隙間を塞ぐカバー部材や案内孔26と配線ガイド52との隙間を塞ぐカバー部材が設けられていてもよい。
【0064】
また、本実施形態では、下部筒状体31A、中間筒状体31B、および上部筒状体31Cは、四角形筒状に形成されているが、円筒状などに形成されていてもよく、任意の水平断面形状を有する筒状に形成することができる。
【0065】
本実施形態では、下部筒状体31A、中間筒状体31B、および上部筒状体31Cを上下方向に移動可能に設けられているが、液晶モニター100の高さを上下方向に変更するためには支持手段30は少なくとも下部筒状体31Aと上部筒状体31Cとを有していればよい。また、支持手段30が複数の中間筒状体31Bを有し、複数の中間筒状体31Bが互いに上下方向に移動可能に接続されていてもよい。
【0066】
本実施形態では、中間筒状体31Bの内部に下部筒状体31Aが収納され、上部筒状体31Cの内部に中間筒状体31Bが収納されるように構成されているが、下部筒状体31Aの内部に中間筒状体31Bが収納され、中間筒状体31Bの内部に上部筒状体31Cが収納されるように構成されていてもよい。
【0067】
本実施形態では、支持部40は、摺動部材41により支持手段30の上部筒状体31Cを上下方向に摺動可能に支持しているが、挿通孔25の内面や周縁部により上部筒状体31Cを支持するように構成されていてもよい。
【0068】
なお、本説明において、機能部(例えば液晶モニター100)に接続されたケーブル(例えばケーブル101)は、電子機器を含む機能部において当該電子機器に接続されたケーブルだけでなく、機能部に別途電子機器が配置された場合において当該電子機器に接続されたケーブルも含むものとする。
【0069】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。