(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の電力値と前記第3の電力値、前記第1の電力値の絶対値と前記第5の電力値、前記第1の電力値の絶対値と前記第7の電力値、前記第2の電力値と前記第4の電力値、前記第2の電力値の絶対値と前記第6の電力値、および前記第2の電力値の絶対値と前記第8の電力値のうち少なくとも1組が同じ値である、請求項7に記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係るフォーカルプレーンシャッター17を備えた撮像装置1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、撮像装置1は、操作部11、撮像素子12、制御部13、記憶部14、表示部15、駆動制御部16(制御部)、およびフォーカルプレーンシャッター17(羽根駆動装置)を備える。また、フォーカルプレーンシャッター17は、先幕20A、後幕20B、先幕アクチュエータ70a、後幕アクチュエータ70b、先幕センサー60a、および後幕センサー60bを備える。なお、撮像装置1は、
図1に図示していないが、焦点距離を調整するためのレンズ、撮像素子12に入射する光量を調整する絞り等を備えている。
【0023】
撮像装置1は、例えばカメラである。撮像装置1は、利用者による操作を検出したとき、撮像素子12とフォーカルプレーンシャッター17を制御して露出動作を行う。撮像装置1は、撮像素子12が出力するデータを記憶部14に記憶させる。
【0024】
操作部11は、レリーズスイッチまたはタッチパネルセンサーである。操作部11は、利用者が操作したことを検出し、検出した操作結果を制御部13に出力する。
撮像素子12は、CMOS(Complementary MOS)センサー、またはCCD(Charge Coupled Device)センサーである。撮像素子12は、光電変換作用により被写体像を電気信号に変換し、変換した電気信号の画像データを制御部13に出力する。
【0025】
制御部13は、操作部11が出力した操作結果に応じて、駆動制御部16を制御して、先幕20Aと後幕20Bの開閉を制御することで、撮像を行う。制御部13は、撮像素子12が出力した画像データを記憶部14に記憶させる。
【0026】
記憶部14は、撮像された画像、シャッター速度に対応付けられた後述する第1の所定時間〜第13の所定時間等を記憶する。
【0027】
駆動制御部16は、制御部13の制御に応じて、フォーカルプレーンシャッター17の先幕アクチュエータ70aと後幕アクチュエータ70bそれぞれの駆動を制御する。
【0028】
フォーカルプレーンシャッター17は、駆動制御部16の制御に応じて、先幕20Aと後幕20Bそれぞれの開閉を制御する。また、フォーカルプレーンシャッター17は、先幕20Aの駆動時、先幕センサー60aにより先幕20Aの位置を検出し、検出した先幕20Aの位置を示す先幕位置情報を制御部13に出力する。フォーカルプレーンシャッター17は、後幕20Bの駆動時、後幕センサー60bにより後幕20Bの位置を検出し、検出した後幕20Bの位置を示す先幕位置情報を制御部13に出力する。
【0029】
先幕20Aは、複数枚の羽根で構成され、先幕アクチュエータ70aによって後述する開口に対して開閉が行われる。
後幕20Bは、複数枚の羽根で構成され、後幕アクチュエータ70bによって開口に対して開閉が行われる。
【0030】
先幕アクチュエータ70aは、駆動制御部16の制御に応じて先幕20Aの開閉を制御する。
後幕アクチュエータ70bは、駆動制御部16の制御に応じて後幕20Bの開閉を制御する。
【0031】
先幕センサー60aは、互いに対向するように配置された発光素子と受光素子を備える。先幕センサー60aは、フォトカプラであってもよい。先幕センサー60aは、先幕20Aの位置を検出し、検出した位置を示す値を制御部13に出力する。
後幕センサー60bは、互いに対向するように配置された発光素子と受光素子を備える。後幕センサー60bは、フォトカプラであってもよい。後幕センサー60bは、後幕20Bの位置を検出し、検出した位置を示す値を制御部13に出力する。
【0032】
次に、フォーカルプレーンシャッター17の構成例を説明する。
図2は、本実施形態に係るフォーカルプレーンシャッター17の正面図である。
図2に示す例では、先幕アクチュエータ70a、後幕アクチュエータ70bについては省略してある。フォーカルプレーンシャッター17は、基板10、先幕20A、後幕20B、アーム31a、32a、31b、32b、先幕センサー60a、後幕センサー60b等を有している。基板10には、矩形状の開口81を有している。
図2に示す例では、開口81内に撮像素子12の結像面を示している。
【0033】
先幕20Aは、3枚の羽根21a〜23aから構成される。後幕20Bは、3枚の羽根21b〜23bから構成される。なお、
図2は、先幕20A、後幕20Bが重畳状態である場合を示している。
図2は、初期状態でのフォーカルプレーンシャッター17を示している。初期状態においては先幕20A、後幕20Bは開口81から退避している。先幕20Aはアーム31a、32aに連結されている。後幕20Bは、アーム31b、32bに連結されている。これらアーム31a、32a、31b、32bは、それぞれ基板10に回転自在に支持されている。
【0034】
羽根21aは、先幕20Aを構成する複数の羽根のうちの一枚であり、アーム31a、32aの最も先端側に連結されている。また、羽根21aは、先幕20Aが走行する際に最も先に開口81に進行する。同様に、羽根21bは、後幕20Bを構成する複数の羽根のうちの一枚であり、アーム31b、32bの最も先端側に連結されている。また、羽根21bは、後幕20Bが走行する際に最も先に開口81に進行する。
【0035】
基板10には、アーム31a、31bをそれぞれ駆動するための先幕駆動レバー55a、後幕駆動レバー55bが設けられている。先幕駆動レバー55a、後幕駆動レバー55bは、それぞれ歯車50a、50bに連結されている。歯車50a、50bは、それぞれ歯車40a、40bと噛合している。先幕駆動レバー55aは、第1駆動部材であり、後幕駆動レバー55bは、第2駆動部材である。
【0036】
歯車40a、40bは、それぞれ先幕アクチュエータ70a、後幕アクチュエータ70bのロータに連結されている。先幕アクチュエータ70aが駆動することにより、歯車40a、50aが駆動し、これにより先幕駆動レバー55aが駆動する。先幕駆動レバー55aが駆動することにより、アーム31aが駆動する。これにより、先幕20Aが走行する。先幕20Aは、開口81から退避した退避位置および開口81を閉鎖する閉鎖位置間を走行可能である。先幕20Aは、先幕アクチュエータ70aにより退避位置および閉鎖位置間を走行する。歯車40b、50b、後幕駆動レバー55b、後幕20Bについても同様である。
【0037】
歯車40a、40bには、それぞれ薄板45a、45bが設けられている。薄板45a、45bはそれぞれ歯車40a、40bと共に回転する。薄板45a、45bはそれぞれ扇状である。先幕センサー60a、後幕センサー60bは、基板10上に配置されている。
また、アーム31a、31bにはそれぞれ不図示の2つのバネが連結されている。詳細には、一方のバネの一端はアーム31aに連結され他端は基板10に連結されている。他方のバネの一端はアーム31bに連結され他端は基板10に連結されている。これらのバネは、それぞれ先幕20A、後幕20Bが開口81から退避するようにアーム31a、31bを付勢している。
【0038】
また、先幕20Aおよび後幕20Bが走行する軌跡上に3つの位置A〜位置Cを示している。位置A〜位置Cは、先幕センサー60aおよび後幕センサー60bそれぞれが検出可能な先幕20Aまたは後幕20Bの通過位置を示している。位置Eは、走行開始時での先幕20Aの羽根21aの開口81側の先端部のスタート位置である。位置Sは、走行開始時での後幕20Bの羽根21bの開口81側の先端部のスタート位置である。位置Aは、撮像素子12の位置S側の端位置である。位置Bは、位置Aと位置Cとの中間位置である。位置Cは、撮像素子12の位置E側の端位置である。先幕センサー60aの出力信号の切り替わるタイミングは、先幕20Aの羽根21aの開口81側の先端部が位置A、Cをそれぞれ通過したとき(以下、先幕20Aの位置が位置A、Cに達したとき)に設定されている。同様に、後幕センサー60bの出力信号の切り替わるタイミングは、後幕20Bの羽根21bの開口81側の先端部が位置A、Cをそれぞれ通過したとき(以下、後幕20Bの位置が位置A、Cに達したとき)に設定されている。
【0039】
次に、先幕アクチュエータ70aの構成例を説明する。
図3は、本実施形態に係る先幕アクチュエータ70aの構成の一例を示す図である。なお、先幕アクチュエータ70aは、基板10に支持されている。
先幕アクチュエータ70aは、ロータ72a、ステータ74a、および先幕コイル76aを備えている。
ロータ72aは、基板10に回転可能に支持されている。ロータ72aは、周方向に異なる極性に着磁された永久磁石である。ステータ74aは、先幕コイル76aによって励磁されることによりロータ72aとの間で磁力を発生する。先幕コイル76aは、駆動制御部16からの通電によってステータ74aを励磁する。
【0040】
先幕コイル76aへの通電によりロータ72aが回転し、アーム31aが駆動することにより、先幕20Aが走行する。また、先幕コイル76aへの逆通電によりロータ72aが逆回転し、先幕20Aが前述とは逆方向に走行する。
なお、ロータ72aと先幕駆動レバー55aとの連結は、歯車40a、50aを介さずに直接連結されていてもよい。すなわち、ロータ72aの回転に連動して先幕駆動レバー55aが回転する構成であればよい。
なお、
図3には、先幕アクチュエータ70aの構成を示したが、後幕アクチュエータ70bの構成も同様である。
【0041】
図4A、4Bは、先幕センサー60aの構成例を示す図である。
図4A、4Bに示すように、先幕センサー60aは、基板10上に配置されている。先幕センサー60aは、互いに対向するように配置された発光素子62、受光素子63を備えている。発光素子62から照射された光は、受光素子63で受光される。
図4A、4Bに示すように、ロータ72aに連結されている歯車40aの回転に応じて、薄板45aは、発光素子62、受光素子63間に移動する。薄板45aが発光素子62、受光素子63間に位置すると、発光素子62から照射された光は遮断される。この際に受光素子63の出力信号に基づいて、薄板45aが発光素子62と受光素子63との間に位置しているか否かが検出され、これにより歯車40a、50aを介して先幕駆動レバー55aの位置を検出することができる。この結果、先幕20Aが所定の位置を通過したか否かを検出できる。なお、後幕センサー60b、薄板45bについても同様である。
【0042】
このように、本実施形態の先幕センサー60aおよび後幕センサー60bは、ロータの回転に応じて移動する薄板と、発光素子及び受光素子を備える。そして、発光素子から受光素子に向けて照射された光を薄板が発光素子及び受光素子に非接触で遮断したか否かに応じて先幕20Aおよび後幕20B、詳細には、先幕20Aの羽根21aおよび後幕20Bの羽根21bの通過を検知する。
【0043】
なお、センサー(先幕センサー60a、後幕センサー60b)は上記のような構成に限定されない。例えば、先幕センサー60aは、発光素子と、発光素子の光を反射するミラーと、ミラーにより反射された光を受光する受光素子と、を含む構成であってもよい。薄板45aが、発光素子とミラーとの間、または、受光素子とミラーとの間に位置することにより、薄板45aの位置を検出できる。また、センサーは、フォトカプラや近接センサーであってもよい。
【0044】
また、上記構成において、薄板45a、45bが、それぞれ歯車40a、40bに設けられている構成に限定されない。薄板45a、45bが、それぞれ歯車50a、50bに連結されていてもよく、先幕駆動レバー55a、後幕駆動レバー55bに設けられていてもよい。すなわち、薄板45a、45bは、ロータの回転に応じて移動する薄板であればよい。
【0045】
次に、フォーカルプレーンシャッター17の動作タイミングの一例を説明する。
図5は、本実施形態に係るフォーカルプレーンシャッター17のタイミングチャートである。
図5において、横軸は時刻、波形g1と波形g2と波形g5と波形g6において縦軸は各波形のレベルを表す。波形g1は、先幕アクチュエータ70aに入力される駆動信号の波形を示している。波形g2は、後幕アクチュエータ70bに入力される駆動信号の波形を示している。波形g3は、先幕20Aの位置を表している。波形g4は、後幕20Bの位置を表している。波形g5は、先幕センサー60aの検出値を示している。波形g6は、後幕センサー60bの検出値を示している。波形g7は、撮像素子12の動作状態を説明するためのイメージである。
【0046】
なお、
図5に示す例は、先幕アクチュエータ70aと後幕アクチュエータ70bそれぞれに電流を供給する例である。また、
図5に示す例では、先幕センサー60a、後幕センサー60bそれぞれが先幕20Aの羽根21a、後幕20Bの羽根21bが位置Cを通過したことを検出できる構成となっている例である。
また、
図5において、電流値I2が第1の電力値または第5の電力値であり、電流値I1が第2の電力値または第6の電力値である。また、電流値−I2が第1の電力値であり、電流値−I1が第2の電力値である。また、電流値−I12が第1の電力値または第3の電力値であり、電流値−I11が第2の電力値または第4の電力値である。また、電流値I12が第1の電力値または第7の電力値であり、電流値I11が第2の電力値または第8の電力値である。なお、電流値I2と|−I2|の大きさは等しくてもよく、異なっていてもよい。なお、|−I2|は、絶対値を表す。電流値I1と|−I1|の大きさは等しくてもよく、異なっていてもよい。電流値I12と|−I12|の大きさは等しくてもよく、異なっていてもよい。電流値I11と|−I11|の大きさは等しくてもよく、異なっていてもよい。
【0047】
時刻t1までの先幕アクチュエータ70aと後幕アクチュエータ70bそれぞれに電流が供給されていない、後述する画枠開放の期間においては、先幕20Aと後幕20Bが開いている状態である。このため、撮像素子12に光が照射されている。時刻t1までの期間、制御部13は、撮像素子12が出力する画像データを表示部15に表示する。
【0048】
時刻t1のとき、操作部11は利用者によってレリーズスイッチが押されてオン状態になったことを検出する。時刻t1のとき、駆動制御部16は、電流値がI2の電力を先幕アクチュエータ70aに出力する。これにより、先幕20Aは、先幕チャージ動作(画枠を閉じる動作)を開始する。時刻t1のとき、駆動制御部16は、電流値が−I12の電力を後幕アクチュエータ70bに出力することで後幕20Bの位置のリセット動作を開始する。時刻t1のとき、先幕20Aは位置Eに位置し、後幕20Bは位置Sに位置している。時刻t1のとき、先幕センサー60aの検出値はL(ロー)レベルであり、後幕センサー60bの検出値はLレベルである。
【0049】
時刻t2のとき、後幕20Bは、リセット処理の影響で、位置Sと位置Aの間の位置に移動する。
また、先幕20Aが位置Cに達したとき(
図5に示す例では略時刻t2)、先幕センサー60aの検出値がLレベルからH(ハイ)レベルに変化する。
【0050】
時刻t3のとき、駆動制御部16は、電流値を−I12からI12に変化させ、電流値がI12の電力を後幕アクチュエータ70bに出力する。なお、時刻t1〜t3の期間は、記憶部14が記憶する第1の所定時間である。
【0051】
時刻t4のとき、駆動制御部16は、電流値をI2からI1に変化させ、電流値がI1の電力を先幕アクチュエータ70aに出力する。なお、電流値I1は、電流値I2より小さい。また、時刻t1〜t4の期間は、記憶部14が記憶する第2の所定時間である。
【0052】
時刻t5のとき、先幕20Aは、位置Aを越えた露出動作開始位置に達する。すなわち、先幕20Aが、画枠(開口81)を閉じた状態である。
また、先幕20Aが位置Aに達したとき(
図5に示す例では略時刻t5)、先幕センサー60aの検出値がHレベルからLレベルに変化する。
時刻t6のとき、駆動制御部16は、電流値をI1から0にし、先幕アクチュエータ70aへの電力の供給を停止する。時刻t6のとき、駆動制御部16は、電流値I12を0にし、後幕アクチュエータ70bへの電力の供給を停止する。なお、時刻t3〜t4の期間は、記憶部14が記憶する第3の所定時間である。また、時刻t3〜t6の期間は、記憶部14が記憶する第4の所定時間である。
【0053】
時刻t5〜t7の期間、先幕20Aは、位置Aを越えた露出動作開始位置で停止した状態であり、後幕20Bは、位置Sに停止したままの状態であり、画枠(開口81)を閉じた状態である。
なお、時刻t1〜時刻t7の期間T2は、先幕20Aをチャージしている期間と後幕20Bの位置をリセットしている撮影準備期間である。また、時刻t6〜時刻t7の期間は、先幕20Aが安定するために予め設定されていて、記憶部14が記憶する第5の所定時間である。
【0054】
時刻t7のとき、駆動制御部16は、電流値が−I2の電力を先幕アクチュエータ70aに出力する。これにより、先幕20Aは、画枠(開口81)を開く動作を開始する。
時刻t9のとき、駆動制御部16は、電流値を−I2から−I1に変化させ、電流値が−I1の電力を先幕アクチュエータ70aに出力する。なお、電流値−I1の絶対値|−I1|は、電流値−I2の絶対値|−I2|より小さい。また、時刻t7〜t9の時間は、記憶部14が記憶する第6の所定時間である。
時刻t11のとき、駆動制御部16は、電流値が−I12の電力を後幕アクチュエータ70bに出力する。これにより、後幕20Bは、画枠(開口81)を閉じる動作を開始する。
【0055】
時刻t13から所定時間後の時刻t17までの期間に、駆動制御部16は、順次、先幕アクチュエータ70aへの電力の供給を停止するとともに、後幕アクチュエータ70bへの電力の供給を停止する。時刻t7から所定時間後の時刻t17までの期間において、フォーカルプレーンシャッター17では、先幕20Aが閉位置から開位置に走行し、また、先幕20Aの走行に追従して後幕20Bが開位置から閉位置に走行することで露出動作が行われる。この時刻t7から所定時間後の時刻t17までの期間が、撮像素子12における画像蓄積期間に対応する。この期間に、撮像素子12は露出動作、すなわち画像データの蓄積を行う。なお、時刻t8〜時刻t14の期間T31は、シャッター速度に応じた露出時間である。
なお、時刻t7〜t11の期間は、シャッター速度に応じた時間であり、記憶部14が記憶する時間である。
【0056】
先幕20Aが開口81を開く動作を開始した後、先幕20Aが位置Aに達したとき(
図5に示す例では略時刻t7)、先幕センサー60aの検出値がLレベルからHレベルに変化する。また、その後、先幕20Aが位置Cに達したとき(
図5に示す例では時刻t9と時刻t10との間)、先幕センサー60aの検出値がHレベルからLレベルに変化する。
時刻t13のとき、駆動制御部16は、電流値を−I1から0にし、先幕アクチュエータ70aへの電力の供給を停止する。なお、時刻t9〜t13は、記憶部14が記憶する第7の所定時間である。
なお、時刻t8〜時刻t14の期間T31は、シャッター速度に応じた露出時間である。
【0057】
時刻t15のとき、駆動制御部16は、電流値を−I12から−I11に変化させ、電流値が−I11の電力を後幕アクチュエータ70bに出力する。また、時刻t11〜t15の時間は、記憶部14が記憶する第8の所定時間である。
【0058】
後幕20Bが開口81を閉じる動作を開始した後、後幕20Bが位置Aに達したとき(
図5に示す例では略時刻t12)、後幕センサー60bの検出値がLレベルからHレベルに変化する。また、その後、後幕20Bが位置Cに達したとき(
図5に示す例では時刻t16)、後幕センサー60bの検出値がHレベルからLレベルに変化する。
時刻t17のとき、駆動制御部16は、電流値を−I11から0にし、後幕アクチュエータ70bへの電力の供給を停止する。なお、時刻t15〜t17は、記憶部14が記憶する第9の所定時間である。
【0059】
また、時刻t7〜時刻t17の期間T3は露出動作期間、換言すれば、画像蓄積期間である。この期間、撮像素子12は露出動作、すなわち画像データの蓄積を行う。
時刻t17から第10の所定時間後の時刻t18までの期間T4は、画像転送期間である。この期間、撮像素子12は、蓄積した画像データを制御部13に掃き出す。
【0060】
時刻t18から通電ディレイ期間T24後の時刻t19のとき、駆動制御部16は、電流値がI12の電力を後幕アクチュエータ70bに出力する。これにより、後幕20Bは、後幕20Bの初期位置である位置Sに向かって走行し始める。また、後幕20Bが位置Cに達したとき(
図5に示す例では時刻t19を越えたとき)、後幕センサー60bの検出値がLレベルからHレベルに変化する。また、その後、後幕20Bが位置Aに達したとき(
図5に示す例では時刻t21)、後幕センサー60bの検出値がHレベルからLレベルに変化する。
【0061】
時刻t20のとき、駆動制御部16は、電流値をI12からI11に変化させ、電流値がI11の電力を後幕アクチュエータ70bに出力する。なお、電流値I11は、電流値I12より小さい。また、時刻t19〜t20の時間は、記憶部14が記憶する第11の所定時間である。
【0062】
時刻t22のとき、駆動制御部16は、電流値をI11から0にし、後幕アクチュエータ70bへの電力の供給を停止する。なお、時刻t20〜t22の時間は、記憶部14が記憶する第12の所定時間である。
また、時刻t18〜時刻t22の期間T5は、後幕20Bをチャージするリセット期間である。
また、時刻t22から第13の所定時間後の時刻t23までの期間T6は、画枠を開放状態に維持するライブビュー期間である。
また、時刻t1〜時刻t23の期間T1は、1つの画像を撮像する期間である。
【0063】
このように、駆動制御部16は、先幕アクチュエータ70aに出力する電流値を、先幕20Aをチャージする期間において、第5の電流値I2から、第5の電流値I2より小さい第6の電流値I1に変化するように制御する。また、駆動制御部16は、先幕アクチュエータ70aに出力する電流値を、先幕20Aの露出動作の期間において、第1の電流値−I2から、第1の電流値−I2の絶対値|−I2|より絶対値が小さい第2の電流値−I1に変化するように制御する。
また、駆動制御部16は、後幕アクチュエータ70bに出力する電流値を、後幕20Bの露出動作期間において、第3の電流値−I12から、第3の電流値−I12の絶対値|−I12|より絶対値が小さい第4の電流値−I11に変化するように制御する。また、駆動制御部16は、後幕アクチュエータ70bに出力する電流値を、後幕20Bをチャージする期間において、第7の電流値I12から、第7の電流値I12より小さい第8の電流値I11に変化するように制御する。
【0064】
これにより、本実施形態によれば、時刻t1〜t6の期間、先幕アクチュエータ70aに出力する電流値をI2からI2より小さいI1へ変化させるように制御するため、電流値I2で駆動し続ける場合と比較して、先幕チャージ動作時における先幕20Aが位置Aを越えた露出動作開始位置に達したときの衝撃を低減することができる。また、本実施形態によれば、時刻t1〜t6の期間、電流値I2で駆動し続ける場合と比較して、消費電力を低減することができる。
また、本実施形態によれば、時刻t7〜t13の期間、先幕アクチュエータ70aに出力する電流値を−I2から−I2より小さい−I1へ変化させるように制御するため、電流値−I2で駆動し続ける場合と比較して、先幕20Aの露出動作時における先幕20Aが位置Cを越えた露出動作終了位置に達したときの衝撃を低減することができる。また、本実施形態によれば、時刻t7〜t13の期間、電流値−I2で駆動し続ける場合と比較して、消費電力を低減することができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、時刻t11〜t17の期間、後幕アクチュエータ70bに出力する電流値を−I12から−I12より小さい−I11へ変化させるように制御するため、電流値−I12で駆動し続ける場合と比較して、後幕20Bの露出動作時における後幕20Bが位置Cを越えた露出動作終了位置に達したときの衝撃を低減することができる。また、本実施形態によれば、時刻t11〜t17の期間、電流値−I12で駆動し続ける場合と比較して、消費電力を低減することができる。
また、本実施形態によれば、時刻t19〜t22の期間、後幕アクチュエータ70bに出力する電流値をI12からI12より小さいI11へ変化させるように制御するため、電流値I12で駆動し続ける場合と比較して、後幕チャージ動作時における後幕20Bが位置Aを越えた露出動作開始位置に達したときの衝撃を低減することができる。また、本実施形態によれば、時刻t19〜t22の期間、電流値I12で駆動し続ける場合と比較して、消費電力を低減することができる。
【0066】
なお、上述した例では、第1の電流値から第2の電流値へ切り替えるタイミングが、記憶部14が記憶する所定時間の例を説明したが、これに限られない。第1の電流値から第2の電流値へ切り替えるタイミングは、センサー(先幕センサー60a、後幕センサー60b)の出力に基づくタイミングであってもよい。この場合、記憶部14は、以下に説明する、第1実施形態の変形例における第14の所定時間〜第17の所定時間を予め記憶する。また、制御部13は、先幕センサー60aの出力に基づいて駆動制御部16を介して先幕20Aの駆動電力を制御し、後幕センサー60bの出力に基づいて駆動制御部16を介して後幕20Bの駆動電力を制御する。
【0067】
<変形例>
ここで、第1実施形態の変形例を説明する。
図6は、第1実施形態の変形例に係るセンサー出力に基づくフォーカルプレーンシャッター17のタイミングチャートである。
図6において、縦軸、横軸、各波形(g1〜g7)、各期間(T1〜T6、T24)、各電流値の大小関係は、第1実施形態の
図5と同じである。なお、
図6に示す例では、先幕20Aの羽根21a、後幕20Bの羽根21bが位置Bを通過したことを検出できる構成となっている例である。
【0068】
時刻t1〜t3のときの動作は、
図5と同様である。
時刻t31のとき、先幕20Aが位置Bに達するため、先幕センサー60aの検出値がLレベルからHレベルに変化する。制御部13は、先幕センサー60aの検出値がLレベルからHレベルへの変化に応じて、時刻t31から第14の所定時間後の時刻t32のとき電流値をI2からI1に変化させ、電流値がI1の電力を先幕アクチュエータ70aに出力するように駆動制御部16を制御する。
このように、時刻t32のとき、駆動制御部16は、電流値をI2からI1に変化させ、電流値がI1の電力を先幕アクチュエータ70aに出力する。
なお、制御部13は、先幕センサー60aが検出する位置、シャッタースピード等に基づいて、第14の所定時間を調整して電流値をI2からI1に変化させるタイミングを調整するようにしてもよい。
【0069】
時刻t6〜t7のときの動作は、
図5と同様である。
時刻t8のとき、先幕20Aが位置Bに達するため、先幕センサー60aの検出値がHレベルからLレベルに変化する。制御部13は、先幕センサー60aの検出値がHレベルからLレベルへの変化に応じて、時刻t8から第15の所定時間後の時刻t33のとき電流値を−I2から−I1に変化させ、電流値が−I1の電力を先幕アクチュエータ70aに出力するように駆動制御部16を制御する。
このように、時刻t33のとき、駆動制御部16は、電流値を−I2から−I1に変化させ、電流値が−I1の電力を先幕アクチュエータ70aに出力する。
なお、制御部13は、先幕センサー60aが検出する位置、シャッタースピード等に基づいて、第15の所定時間を調整して電流値を−I2から−I1に変化させるタイミングを調整するようにしてもよい。
【0070】
時刻t10〜t13のときの動作は、
図5と同様である。
時刻t14のとき、後幕20Bが位置Bに達するため、後幕センサー60bの検出値がLレベルからHレベルに変化する。制御部13は、後幕センサー60bの検出値がLレベルからHレベルへの変化に応じて、時刻t14から第16の所定時間後の時刻t34のとき電流値を−I12から−I11に変化させ、電流値が−I11の電力を後幕アクチュエータ70bに出力するように駆動制御部16を制御する。
このように、時刻t34のとき、駆動制御部16は、電流値を−I12から−I11に変化させ、電流値が−I11の電力を後幕アクチュエータ70bに出力する。
なお、制御部13は、後幕センサー60bが検出する位置、シャッタースピード等に基づいて、第16の所定時間を調整して電流値を−I12から−I11に変化させるタイミングを調整するようにしてもよい。
【0071】
時刻t16〜t19のときの動作は、
図5と同様である。
時刻t35のとき、後幕20Bが位置Bに達するため、後幕センサー60bの検出値がHレベルからLレベルに変化する。制御部13は、後幕センサー60bの検出値がHレベルからLレベルへの変化に応じて、時刻t35から第17の所定時間後の時刻t36のとき電流値をI12からI11に変化させ、電流値がI11の電力を後幕アクチュエータ70bに出力するように駆動制御部16を制御する。
このように、時刻t36のとき、駆動制御部16は、電流値をI12からI11に変化させ、電流値がI11の電力を後幕アクチュエータ70bに出力する。
なお、制御部13は、後幕センサー60bが検出する位置、シャッタースピード等に基づいて、第17の所定時間を調整して電流値をI12からI11に変化させるタイミングを調整するようにしてもよい。
【0072】
このように、
図6に示した例では、先幕チャージ動作の期間、先幕20Aの露出動作の期間において、先幕センサー60aの検出値が変化するタイミングのとき、先幕アクチュエータ70aに供給する電流値を、第1の電流値から第2の電流値へ変化させる。
また、
図6に示した例では、後幕20Bの露出動作の期間、後幕チャージの期間において、後幕アクチュエータ70bに供給する電流値を、第1の電流値から第2の電流値へ変化させる。
上述したように、先幕センサー60a及び後幕センサー60bは、先幕20A及び後幕20Bが第1の電流値にて駆動される作動領域(第1領域)と、引き続き第1の電力値より小さい第2の電流値で駆動される領域(第2領域)を画定している。
これにより、
図6に示した例においても、
図5に示した動作と同様の効果が得られる。
【0073】
なお、
図6に示した例では、センサーの出力が変化したとき所定時間後に、第1の電流値から第2の電流値へ変化させる例を示したが、これに限られない。変化させるタイミングは、センサーの出力が変化したときであってもよい。例えば、時刻t31と時刻t32は同じ時刻であってもよい。
【0074】
なお、
図5および
図6を用いて説明した第1の所定時間〜第17の所定時間を、例えば製造または出荷時にフォーカルプレーンシャッター17を各シャッタースピードで動作させ、動作させた結果に応じて設定して、記憶部14に記憶させるようにしてもよい。
【0075】
以上のように、本実施形態によれば、各幕の走行終端部においては、駆動電流値を下げても各幕の駆動部材及び各幕の慣性力により、各幕はシャッタースピードに関連する幕速特性を変化させることなく露出動作開始及び終了位置に向けて作動する。本実施形態によれば、各幕の走行終端で駆動電流値を下げることにより各幕の駆動力を抑制して露出動作開始及び終了位置での衝撃、特に各幕の駆動部材の停止位置での衝撃を、走行開始時の駆動電流値で駆動させる場合より低減でき、駆動機構の負荷を低下しシャッターの耐久性を向上させることが可能になる。さらには、本実施形態によれば、消費電力も低減でき、電磁駆動源の発熱による秒時変化も低減可能となるため、連続撮影時の消費電力が低減される。ここで、先幕駆動レバー55a、後幕駆動レバー55b、アーム31a、31bは駆動機構の一例である。
【0076】
なお、
図5に示した例では、先幕チャージ動作の期間(時刻t1〜t6)、先幕20Aの露出動作の期間(時刻t7〜t13)、後幕20Bの露出動作の期間(時刻t11〜t17)、後幕チャージ動作の期間(時刻t19〜t22)それぞれにおいて、電流値を変化させる例を示したが、この期間のうちの少なくとも1つの期間において、電流値を変化させるようにしてもよい。また、実施形態では、電流値を変化させる例を説明したが、アクチュエータ(先幕アクチュエータ70a、後幕アクチュエータ70b)に供給する電圧値を変化させるようにしてもよい。
【0077】
[第2実施形態]
第2実施形態では、電子先幕シャッターに適用する例を説明する。
なお、撮像装置1の構成は、
図1と同様である。フォーカルプレーンシャッター17の構成は、
図2と同様である。
制御部13は、撮像時、撮像素子12を制御して先幕20Aの動作を代用するように制御する。
【0078】
電子先幕シャッターでは、先幕の動作を撮像素子で電気的に代用して行うことで露出動作を行う。そして、電子先幕シャッターでは、メカニカルな先幕を動作させずに、撮像素子を制御して電気的に露光を開始し、後幕を閉じて露光を終了させる。より具体的には、撮像素子12の蓄積電荷を画素ライン毎に所定方向に順次リセットすることにより電子先幕を擬似的に走行させる。
【0079】
このような電子先幕シャッターに第1実施形態の手法を適用する例を説明する。
図7は、本実施形態に係る先幕電子シャッターのタイミングチャートである。
図7において、縦軸、横軸、各波形(g2、g4、g6)、各期間(T1〜T6、T24)は、第1実施形態の
図5と同じである。なお、
図7に示す例では、後幕センサー60bが後幕20Bの羽根21bが位置Cを通過したことを検出できる構成となっている例である。
また、
図7において、電流値−I12が第1の電力値であり、電流値−I11が第2の電力値である。また、電流値I12が第1の電力値であり、電流値I11が第2の電力値である。
【0080】
先幕20Aは、波形g3のように初期位置のままである。このため、駆動制御部16は、波形g1のように先幕アクチュエータ70aに電力を供給しない。
時刻t1のとき、操作部11は利用者によってレリーズスイッチが押されてオン状態になったことを検出する。時刻t1のとき、駆動制御部16は、駆動制御部16は、電流値が−I12の電力を後幕アクチュエータ70bに出力することで後幕20Bの位置のリセット動作を開始する。時刻t1のとき、先幕センサー60aの検出値はLレベルであり、後幕センサー60bの検出値はLレベルである。
【0081】
時刻t2、t3、t6のときの動作は、第1実施形態で示した
図5と同様である。
時刻t7のとき、制御部13は撮像素子12を制御して露出動作を開始する。時刻t7〜t41の期間が撮像素子12による先幕20Aの代わりの露出動作期間である。
【0082】
時刻t11のとき、駆動制御部16は、電流値が−I12の電力を後幕アクチュエータ70bに出力する。これにより、後幕20Bは、画枠(開口81)を閉じる動作を開始する。
時刻t15のとき、駆動制御部16は、電流値を−I12から−I11に変化させ、電流値が−I11の電力を後幕アクチュエータ70bに出力する。なお、電流値−I11の絶対値|−I11|は、電流値−I12の絶対値|−I12|より小さい。
【0083】
後幕20Bが位置Cに達したとき(
図7に示す例では時刻t16)、後幕センサー60bの検出値がLレベルからHレベルに変化する。
時刻t17のとき、駆動制御部16は、電流値を−I11から0にし、後幕アクチュエータ70bへの電力の供給を停止する。
【0084】
時刻t18から通電ディレイ期間T24後の時刻t15のとき、駆動制御部16は、電流値がI12の電力を後幕アクチュエータ70bに出力する。これにより、後幕20Bは、後幕20Bの露出動作開始位置である位置Sに向かって走行し始める。また、後幕20Bが位置Cに達したとき(
図6に示す例では時刻t19を越えたとき)、後幕センサー60bの検出値がHレベルからLレベルに変化する。
【0085】
時刻t20のとき、駆動制御部16は、電流値をI12からI11に変化させ、電流値がI11の電力を後幕アクチュエータ70bに出力する。なお、電流値I11は、電流値I12より小さい。
時刻t22のとき、駆動制御部16は、電流値をI11から0にし、後幕アクチュエータ70bへの電力の供給を停止する。
【0086】
以上のように、電子先幕シャッターである、第2実施形態では、後幕20Bの露出動作の期間(時刻t11〜t17)、後幕チャージの期間(時刻t19〜t22)の電流値を変化するように制御する。
これにより、本実施形態においても、後幕20Bの露出動作の期間、および後幕チャージのときの衝撃を低減することができる。また、本実施形態においても、消費電力を低減することができる。
【0087】
なお、本実施形態においても、後幕20Bの露出動作の期間(時刻t11〜t17)、後幕チャージの期間(時刻t19〜t22)のうち少なくとも1つの期間において、電流値を変化させるようにしてもよい。
【0088】
なお、本実施形態においても、第1の電流値から第2の電流値へ切り替えるタイミングが、記憶部14が記憶する所定時間の例を説明したが、第1の電流値から第2の電流値へ切り替えるタイミングは、センサー(後幕センサー60b)の出力に基づくタイミングであってもよい。また、制御部13は、後幕センサー60bが検出する位置、シャッタースピード等に基づいて、後幕アクチュエータ70bに出力する電流値を−I12から−I11に又はI12からI11に変化させるタイミングを調整するようにしてもよい。
【0089】
本実施形態において、先幕20A、先幕アクチュエータ70a、先幕センサー60aは、なくてもよい。
【0090】
このように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、後幕の走行終端部においては、駆動電流値を下げても後幕駆動部材及び後幕の慣性力により、後幕はシャッタースピードに関連する幕速特性を変化させることなく露出動作開始及び終了位置に向けて作動する。本実施形態によれば、作動時の走行終端で駆動電流値を下げることにより後幕の駆動力を抑制して露出動作開始及び終了位置での衝撃、特に後幕駆動部材の停止位置での衝撃を、走行開始時の駆動電流値で駆動させる場合より低減でき、駆動機構の負荷を低下させシャッターの耐久性を向上させることが可能になる。さらには、本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、消費電力も低減でき、電磁駆動源の発熱による秒時変化も低減可能となるため、連続撮影時の消費電力が低減される。
【0091】
なお、第1実施形態、第2実施形態では、電流値を変化させる例を説明したが、これに限られず、構成や用途に応じて電圧値であってもよい。
【0092】
また、本発明における実施形態において、ロータの回転に応じて移動する薄板により、先幕及び後幕の位置を検出する例を挙げたが、先幕駆動レバー55a及び後幕駆動レバー55bの位置を検出してもよい。この場合は、ロータの回転に応じて移動する薄幕を廃止し、先幕駆動レバー55a及び後幕駆動レバー55bの位置を直接検知する構成でもよい。
【0093】
なお、上記実施形態では、開口81は基板10に形成されている場合について説明したが、この構成に限られない。開口81が基板10とは別の部材に設けられていてもよい。
【0094】
なお、本発明における制御部13、駆動制御部16の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより制御部13、駆動制御部16を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0095】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。