特許第6641879号(P6641879)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6641879レジスト下層膜形成用組成物、レジスト下層膜及びパターニングされた基板の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6641879
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】レジスト下層膜形成用組成物、レジスト下層膜及びパターニングされた基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/11 20060101AFI20200127BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   G03F7/11 503
   H01L21/30 573
【請求項の数】11
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2015-207573(P2015-207573)
(22)【出願日】2015年10月21日
(65)【公開番号】特開2016-167047(P2016-167047A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2018年7月30日
(31)【優先権主張番号】特願2015-41843(P2015-41843)
(32)【優先日】2015年3月3日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004178
【氏名又は名称】JSR株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100158540
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 博生
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176876
【弁理士】
【氏名又は名称】各務 幸樹
(74)【代理人】
【識別番号】100187768
【弁理士】
【氏名又は名称】藤中 賢一
(72)【発明者】
【氏名】若松 剛史
(72)【発明者】
【氏名】野坂 直矢
(72)【発明者】
【氏名】松村 裕史
(72)【発明者】
【氏名】滝本 嘉夫
(72)【発明者】
【氏名】阿部 翼
(72)【発明者】
【氏名】木村 徹
【審査官】 外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−271654(JP,A)
【文献】 特開2013−083939(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/208324(WO,A1)
【文献】 特開2006−152295(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0160461(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素−炭素三重結合を含む基を有し、かつ芳香環を含む部分構造を有し、上記芳香環を構成するベンゼン核の上記部分構造中の合計数が4以上である化合物、及び
溶媒
を含有し、
上記部分構造として、下記式(1)で表される第1部分構造を有するレジスト下層膜形成用組成物。
【化1】
(式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素−炭素三重結合を含む1価の基又は炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。R〜Rの少なくとも1つが炭素−炭素三重結合を含む1価の基である。m1及びm2は、それぞれ独立して、0〜2の整数である。a1及びa2は、それぞれ独立して、0〜9の整数である。n1及びn2は、それぞれ独立して、0〜2の整数である。a3及びa4は、それぞれ独立して、0〜8の整数である。R〜Rがそれぞれ複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよい。p1及びp2は、それぞれ独立して、0〜9の整数である。p3及びp4は、それぞれ独立して、0〜8の整数である。p1+p2+p3+p4は1以上である。a1+p1及びa2+p2はそれぞれ9以下である。a3+p3及びa4+p4はそれぞれ8以下である。*は、上記化合物における式(1)で表される部分構造以外の部分との結合部位を示す。)
【請求項2】
上記炭素−炭素三重結合を含む1価の基がプロパルギル基である請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【請求項3】
上記部分構造として、下記式(2)で表される第2部分構造を有する請求項1又は請求項2に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【化2】
(式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立して、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、炭素−炭素三重結合を含む1価の基又は炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。b1及びb3は、それぞれ独立して、0〜2の整数である。b2及びb4は、それぞれ独立して、0〜3の整数である。R〜Rがそれぞれ複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよい。q1及びq3は、それぞれ独立して、0〜2の整数である。q2及びq4は、それぞれ独立して、0〜3の整数である。q1+q2+q3+q4は0以上である。b1+q1及びb3+q3はそれぞれ2以下である。b2+q2及びb4+q4はそれぞれ3以下である。*は、上記化合物における式(2)で表される部分構造以外の部分との結合部位を示す。)
【請求項4】
上記化合物が、上記第1部分構造と上記第2部分構造とを有する請求項3に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【請求項5】
上記式(2)におけるq1+q2+q3+q4が1以上であり、R〜Rの少なくとも1つが炭素−炭素三重結合を含む1価の基である請求項3又は請求項4に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【請求項6】
上記炭素−炭素三重結合を含む1価の基がプロパルギルオキシ基である請求項5に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【請求項7】
上記化合物が複数の上記部分構造を有し、この複数の部分構造がアルデヒドに由来する連結基を介して結合している請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【請求項8】
上記化合物の分子量が、1,000以上10,000以下である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【請求項9】
上記溶媒が、多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒を含む請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成用組成物から形成されるレジスト下層膜。
【請求項11】
基板の一方の面側にレジスト下層膜を形成する工程、
上記レジスト下層膜の基板とは反対の面側にレジストパターンを形成する工程、及び
上記レジストパターンをマスクとした複数回のエッチングにより基板にパターンを形成する工程を備え、
上記レジスト下層膜を請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成用組成物により形成するパターニングされた基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト下層膜形成用組成物、レジスト下層膜及びパターニングされた基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造にあっては、高い集積度を得るために多層レジストプロセスが用いられている。このプロセスでは、まず基板の一方の面側にレジスト下層膜形成用組成物を塗布してレジスト下層膜を形成し、このレジスト下層膜の基板とは反対の面側にレジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成する。そして、このレジスト膜をマスクパターン等を介して露光し、適当な現像液で現像することによりレジストパターンを形成する。そして、このレジストパターンをマスクとしてレジスト下層膜をドライエッチングし、得られたレジスト下層膜パターンをマスクとしてさらに基板をエッチングすることで、基板に所望のパターンを形成し、パターニングされた基板を得ることができる。かかる多層レジストプロセスに用いられるレジスト下層膜には、屈折率、吸光係数等の光学特性、溶媒耐性、エッチング耐性などの一般特性が要求される。
【0003】
近年、より集積度を高めるためパターンの微細化がさらに進んでおり、上述の多層レジストプロセスにおいても、レジスト下層膜やこれを形成するための組成物には以下のような様々な特性に優れることが要求される。この要求に対し、組成物に含有される化合物等の構造や含まれる官能基について種々の検討が行われている(特開2004−177668号公報参照)。
【0004】
上記従来のレジスト下層膜形成用組成物では、一般的に、含有する化合物がその構造等に起因して、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等の溶媒に対する溶解性が低い。そのため、基板への塗布性が悪く、結果として、均一なレジスト下層膜を形成することが困難であるという不都合がある。
【0005】
また、最近では、上記多層レジストプロセスにおいて、レジスト下層膜上に、中間層として、ハードマスクを形成する方法が検討されている。この方法では具体的には、レジスト下層膜上にCVD法で無機ハードマスクを形成するため、特に窒化物系の無機ハードマスクの場合、最低300℃、通常400℃以上の高温となり、そのため、レジスト下層膜には高い耐熱性が必要となる。しかし、上記従来のレジスト下層膜形成用組成物から形成されたレジスト下層膜は耐熱性が不十分であり、レジスト下層膜の成分が昇華し、この昇華した成分が基板へ再付着して半導体デバイスの製造歩留まりが低下する不都合がある。
【0006】
さらに、最近では、複数種のトレンチ、特に互いに異なるアスペクト比を有するトレンチを有する基板にパターンを形成する場合が増えてきており、形成されるレジスト下層膜には、これらのトレンチを十分に埋め込んだものであることが要求される。しかし、上記従来のレジスト下層膜形成用組成物では、このような埋め込み性が不十分であり、形成されるレジスト下層膜や上記ハードマスクが空洞(ボイド)を有し、不均一なものとなるため、結果として、得られるレジストパターンのリソグラフィー特性が低下する不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−177668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、溶媒としてPGMEA等を用いることができ、溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性に優れるレジスト下層膜を形成できるレジスト下層膜形成用組成物、レジスト下層膜並びにパターニングされた基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた発明は、炭素−炭素三重結合を含む基(以下、「特定基(A)」ともいう)を有し、かつ芳香環(以下、「芳香環(A)」ともいう)を含む部分構造(以下、「部分構造(A)」ともいう)を有し、上記芳香環(A)を構成するベンゼン核の上記部分構造(A)中の合計数が4以上である化合物(以下、「[A]化合物」ともいう)、及び溶媒(以下、「[B]溶媒」ともいう)を含有するレジスト下層膜形成用組成物である。
【0010】
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該レジスト下層膜形成用組成物から形成されるレジスト下層膜である。
【0011】
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、基板の一方の面側にレジスト下層膜を形成する工程、上記レジスト下層膜の基板とは反対の面側にレジストパターンを形成する工程、及び上記レジストパターンをマスクとした複数回のエッチングにより基板にパターンを形成する工程を備え、上記レジスト下層膜を当該レジスト下層膜形成用組成物により形成するパターンニングされた基板の製造方法である。
【0012】
ここで、「部分構造」とは、[A]化合物の合成に用いる前駆体化合物(後述する連結基を与える化合物を除く)に由来する構造をいう。「ベンゼン核」とは、芳香族性をもつ炭素6員環をいう。縮合環を構成する個々の6員環もベンゼン核といい、例えばナフタレン環中のベンゼン核の数は2である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のレジスト下層膜形成用組成物によれば、溶媒としてPGMEA等を用いることができ、溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性に優れるレジスト下層膜を形成することができる。本発明のレジスト下層膜は、溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性に優れている。本発明のパターニングされた基板の製造方法によれば、上記形成された優れたレジスト下層膜を用いることにより、優れたパターン形状を有するパターニングされた基板を得ることができる。従って、これらは、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造等に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<レジスト下層膜形成用組成物>
当該レジスト下層膜形成用組成物は、[A]化合物及び[B]溶媒を含有する。当該レジスト下層膜形成用組成物は、好適成分として、[C]酸発生剤を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
【0015】
<[A]化合物>
[A]化合物は、特定基(A)を有し、かつ部分構造(A)を有する化合物である。当該レジスト下層膜形成用組成物は、[A]化合物が特定基(A)を有し、かつ部分構造(A)を有することで、溶媒としてPGMEA等を用いることができ、溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性に優れるレジスト下層膜を形成することができる。[A]化合物が上記構成を有することで、当該レジスト下層膜形成用組成物が上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、[A]化合物は、炭素−炭素三重結合を含む特定基(A)を有し、かつ芳香環(A)を含む部分構造(A)を有し、部分構造(A)中のベンゼン核の合計数を一定以上とすることにより、PGMEA等の溶媒への溶解性が高くなる。当該レジスト下層膜形成用組成物がこのような溶媒を用いることができ、かつ[A]化合物の部分構造(A)が一定数以上のベンゼン核を有することで、レジスト下層膜の埋め込み性を向上させることができる。また、[A]化合物が特定基(A)を有することで、レジスト下層膜形成時に、高次の架橋構造を形成することができると考えられる。その結果、レジスト下層膜は、溶媒耐性及びエッチング耐性に優れるものとなり、加えて[A]化合物の部分構造(A)が一定数以上のベンゼン核を有することで、レジスト下層膜の耐熱性も優れたものとなる。
【0016】
[A]化合物は、部分構造(A)以外にも、部分構造(A)以外の他の部分構造を有していてもよい。また、[A]化合物が複数の上記部分構造を有する場合、この複数の部分構造が連結基(以下、「連結基(a)」ともいう)を介して結合していてもよい。以下、特定基(A)、部分構造(A)、他の部分構造及び連結基(a)について説明する。
【0017】
[特定基(A)]
特定基(A)は、炭素−炭素三重結合を含む基である。特定基(A)は[A]化合物中にあればよく、その結合位置については特定に限定されない。また、特定基(A)は、1価の基であってもよく、2価以上の基であってもよい。特定基(A)は、例えば後述する部分構造(A)中にあっても、連結基中にあってもよいが、レジスト下層膜の耐熱性及び埋め込み性をより高める観点からは、部分構造(A)中にあることが好ましく、後述する部分構造(I)及び部分構造(II)中にあることがより好ましく、部分構造(I)中にあることがさらに好ましい。
【0018】
特定基(A)としては、例えば
エチニル基、プロピン−1−イル基、プロパルギル基、ブチン−1−イル基、ブチン−3−イル基、ブチン−4−イル基等のアルキニル基;
フェニルエチニル基、フェニルプロパルギル基等の芳香環及び三重結合を含む基などが挙げられる。特定基(A)としては、[A]化合物の架橋容易性を高める観点から、アルキニル基が好ましく、プロパルギル基がより好ましい。
【0019】
特定基(A)の含有数の下限としては、[A]化合物を構成する全部分構造1モルに対して、0.1モルが好ましく、0.5モルがより好ましく、0.8モルがさらに好ましく、1.1モルが特に好ましい。上記含有数の上限としては、5モルが好ましく、4モルがより好ましく、3モルがさらに好ましく、2.5モルが特に好ましい。特定基(A)の含有数を上記範囲とすることで、レジスト下層膜形成の際の[A]化合物の架橋性をより適度なものに調整することができ、その結果、レジスト下層膜の溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性をより高めることができる。[A]化合物は特定基(A)を1種又は2種以上有することができる。
【0020】
[部分構造(A)]
部分構造(A)は、芳香環(A)を含む。芳香環(A)を構成するベンゼン核の部分構造(A)中の合計数は4以上である。
【0021】
(芳香環(A))
芳香環(A)は、芳香族性を有する炭素環である。芳香環(A)としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、テトラセン環、ペリレン環、ペンタセン環が上げられる。
【0022】
芳香環(A)の炭素数の下限としては、通常6であり、8が好ましく、10がより好ましい。上記炭素数の上限としては、30が好ましく、24がより好ましく、18がさらに好ましい。
【0023】
部分構造(A)が含む芳香環(A)の数の下限は、通常1であり、2が好ましく、3がより好ましく、4がさらに好ましい。上記数の上限としては、8が好ましく、6がより好ましい。
【0024】
芳香環(A)の炭素数の部分構造(A)中の合計数の下限としては、通常16であり、20が好ましく、24がより好ましい。上記合計数の上限としては、50が好ましく、40がより好ましく、32がさらに好ましい。
【0025】
芳香環(A)を構成するベンゼン核の部分構造(A)中の合計数の下限は4であり、5が好ましく、6がより好ましい。上記合計数の上限としては、12が好ましく、10がより好ましく、8がさらに好ましい。ベンゼン核の合計数を上記範囲とすることで、レジスト下層膜の溶媒耐性、エッチング耐性及び耐熱性をさらに高めることができる。[A]化合物は芳香環(A)を1種又は2種以上有することができる。
【0026】
芳香環(A)の環を構成する炭素原子には、例えば特定基(A)、炭素−炭素二重結合を含む基、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基等の水素原子以外の基が結合していてもよい。
【0027】
部分構造(A)としては、例えば下記式(1)で表される第1部分構造(以下、「部分構造(I)」ともいう)、下記式(2)で表される第2部分構造(以下、「部分構造(II)」ともいう)等が挙げられる。
【0028】
【化1】
【0029】
上記式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素−炭素三重結合を含む1価の基又は炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。m1及びm2は、それぞれ独立して、0〜2の整数である。a1及びa2は、それぞれ独立して、0〜9の整数である。n1及びn2は、それぞれ独立して、0〜2の整数である。a3及びa4は、それぞれ独立して、0〜8の整数である。R〜Rがそれぞれ複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよい。p1及びp2は、それぞれ独立して、0〜9の整数である。p3及びp4は、それぞれ独立して、0〜8の整数である。p1+p2+p3+p4は0以上である。a1+p1及びa2+p2はそれぞれ9以下である。a3+p3及びa4+p4はそれぞれ8以下である。*は、[A]化合物における部分構造(I)以外の部分との結合部位を示す。
【0030】
【化2】
【0031】
上記式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立して、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、炭素−炭素三重結合を含む1価の基又は炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。b1及びb3は、それぞれ独立して、0〜2の整数である。b2及びb4は、それぞれ独立して、0〜3の整数である。R〜Rがそれぞれ複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよい。q1及びq3は、それぞれ独立して、0〜2の整数である。q2及びq4は、それぞれ独立して、0〜3の整数である。q1+q2+q3+q4は0以上である。b1+q1及びb3+q3はそれぞれ2以下である。b2+q2及びb4+q4はそれぞれ3以下である。*は、[A]化合物における部分構造(II)以外の部分との結合部位を示す。
【0032】
上記式(1)のR〜Rで表される炭素−炭素三重結合を含む1価の基としては、例えば特定基(A)として例示した基のうち1価のもの等が挙げられる。これらの中で、アルキニル基が好ましく、プロパルギル基がより好ましい。
【0033】
〜Rで表される炭素−炭素二重結合を含む1価の基としては、例えば
エテニル基、プロペン−1−イル基、プロペン−2−イル基、プロペン−3−イル基、ブテン−1−イル基、ブテン−2−イル基、ブテン−3−イル基、ブテン−4−イル基等のアルケニル基;
フェニルエテニル基、フェニルプロペニル基等の芳香環及び二重結合を含む基などが挙げられる。
【0034】
〜Rの少なくとも1つが炭素−炭素三重結合を含む基であることが好ましく、R及びRが炭素−炭素三重結合を含む基であることがより好ましい。このように、部分構造(I)中に特定基(A)を含むことで、[A]化合物の架橋性がより向上し、その結果、レジスト下層膜の溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性をより向上させることができる。
【0035】
m1及びm2としては、0及び1が好ましい。a1及びa2としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、1がさらに好ましい。a3及びa4としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。p1及びp2としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、1がさらに好ましい。p3及びp4としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。p1+p2+p3+p4の下限としては、1が好ましい。p1+p2+p3+p4の上限としては、34が好ましく、18がより好ましく、8がさらに好ましく、4が特に好ましく、3がさらに特に好ましく、2が最も好ましい。
【0036】
上記式(2)のR〜Rで表されるアルキル基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。
【0037】
〜Rは表されるアルコキシ基としては、例えば炭素数1〜20のアルコキシ基等が挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等が挙げられる。
【0038】
〜Rで表される炭素−炭素三重結合を含む1価の基としては、例えば特定基(A)として例示したもののうちの1価の基、この基の結合手側の末端に酸素原子を有する基等が挙げられる。
【0039】
〜Rで表される炭素−炭素二重結合を含む基としては、例えば上記式(1)のR〜Rの炭素−炭素二重結合を含む基として例示した基と同様の基、この基の結合手側の末端に酸素原子を有する基等が挙げられる。
【0040】
b1及びb3としては、0及び1が好ましく、0がより好ましい。b2及びb4としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。q1及びq3としては、0及び1が好ましく、1がより好ましい。q2及びq4としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。q1+q2+q3+q4の下限としては、1が好ましい。q1+q2+q3+q4の上限としては、10が好ましく、8がより好ましく、6がさらに好ましく、4が特に好ましく、3がさらに特に好ましく、2が最も好ましい。
【0041】
〜Rとしては、アルキル基、ヒドロキシ基及び炭素−炭素三重結合を含む1価の基が好ましく、ヒドロキシ基及び炭素−炭素三重結合を含む1価の基がより好ましく、ヒドロキシ基及びアルキニルオキシ基がさらに好ましく、ヒドロキシ基及びプロパルギルオキシ基が特に好ましい。
【0042】
部分構造(I)としては、例えば下記式(1−1)〜(1−6)で表される部分構造(以下、「部分構造(I−1)〜(I−6)」ともいう)等が挙げられる。部分構造(II)としては、例えば下記式(2−1)〜(2−6)で表される部分構造(以下、「部分構造(II−1)〜(II−6)」ともいう)等が挙げられる。
【0043】
【化3】
【0044】
上記式(1−1)〜(1−6)中、Rは、1価の特定基(A)である。Rは、炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。p1〜p4は、上記式(1)と同義である。*は[A]化合物における部分構造(I−1)〜(I−6)以外の部分との結合部位を示す。
【0045】
【化4】
【0046】
上記式(2−1)〜(2−6)中、Rは、1価の特定基(A)である。Rは、炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。q1〜q4は、上記式(2)と同義である。*は[A]化合物における部分構造(II−1)〜(II−6)以外の部分との結合部位を示す。
【0047】
部分構造(I)としては、部分構造(I−1)、(I−2)及び(I−4)が好ましく、部分構造(I−1)及び(I−2)がより好ましい。部分構造(II)としては、部分構造(II−1)及び(II−2)が好ましく、部分構造(II−1)がより好ましい。
【0048】
[A]化合物は、部分構造(A)として、部分構造(I)及び部分構造(II)のうちの少なくとも一方を有することが好ましく、部分構造(I)を有することがより好ましく、部分構造(I)と部分構造(II)とを有することがさらに好ましい。[A]化合物は、上記部分構造を有することで、溶媒への溶解性がより高くなり、その結果、レジスト下層膜の埋め込み性がより向上する。
【0049】
[A]化合物が部分構造(I)を有する場合、部分構造(I)の含有割合の下限としては、[A]化合物を構成する全部分構造(A)に対して、10モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、100モル%が好ましく、95モル%がより好ましく、75モル%がさらに好ましい。部分構造(I)の含有割合を上記範囲とすることで、[A]化合物の溶媒への溶解性をより高めることができ、その結果、レジスト下層膜の耐熱性及び埋め込み性をより高いレベルで両立させることができる。
【0050】
[A]化合物が部分構造(II)を有する場合、部分構造(II)の含有割合の下限としては、[A]化合物を構成する全部分構造(A)に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、100モル%が好ましく、80モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましい。部分構造(II)の含有割合を上記範囲とすることで、[A]化合物中の多環構造の含有率を高めることができ、その結果、レジスト下層膜の耐熱性及び埋め込み性をより高いレベルで両立させることができる。[A]化合物は部分構造(A)を1種又は2種以上有していてもよい。
【0051】
[他の部分構造]
[A]化合物における部分構造(A)以外の他の部分構造としては、例えば下記式(3)〜(6)で表される部分構造、芳香環を含まない部分構造等が挙げられる。
【0052】
【化5】
【0053】
上記式(3)中、Rは、アルキル基、ヒドロキシ基、炭素−炭素三重結合を含む1価の基又は炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。c1は、0〜5の整数である。c1が2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。r1は、1〜6の整数である。c1+r1は6以下である。
上記式(4)中、R10は、アルキル基、ヒドロキシ基、炭素−炭素三重結合を含む1価の基又は炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。c2は、0〜7の整数である。c2が2以上の場合、複数のR10は同一でも異なっていてもよい。r2は、1〜8の整数である。c2+r2は8以下である。
上記式(5)中、R11は、アルキル基、ヒドロキシ基、炭素−炭素三重結合を含む1価の基又は炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。c3は、0〜9の整数である。c3が2以上の場合、複数のR11は同一でも異なっていてもよい。r3は、1〜10の整数である。c3+r3は10以下である。
上記式(6)中、R12は、アルキル基、ヒドロキシ基、炭素−炭素三重結合を含む1価の基又は炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。c4は、0〜9の整数である。c4が2以上の場合、複数のR12は同一でも異なっていてもよい。r4は、1〜10の整数である。c4+r4は10以下である。
【0054】
上記式(3)のRとしては、炭素−炭素三重結合を含む1価の基及びヒドロキシ基が好ましく、炭素−炭素三重結合を含む1価の基がより好ましく、アルキニルオキシ基がさらに好ましく、プロパルギルオキシ基が特に好ましい。c1としては、1が好ましい。r1としては、1〜3が好ましく、2がより好ましい。
【0055】
上記式(4)のR10としては、炭素−炭素三重結合を含む1価の基及びヒドロキシ基が好ましく、炭素−炭素三重結合を含む1価の基がより好ましく、アルキニルオキシ基がさらに好ましく、プロパルギルオキシ基が特に好ましい。c2としては、1が好ましい。r2としては、1〜3が好ましく、2がより好ましい。
【0056】
上記式(5)のR11としては、炭素−炭素三重結合を含む1価の基及びヒドロキシ基が好ましく、炭素−炭素三重結合を含む1価の基がより好ましく、アルキニルオキシ基がさらに好ましく、プロパルギルオキシ基が特に好ましい。c3としては0及び1が好ましく、0がより好ましい。r3としては、1〜3が好ましく、2がより好ましい。
【0057】
上記式(6)のR12としては、炭素−炭素三重結合を含む1価の基及びヒドロキシ基が好ましく、炭素−炭素三重結合を含む1価の基がより好ましく、アルキニルオキシ基がさらに好ましく、プロパルギルオキシ基が特に好ましい。c4としては0及び1が好ましく、0がより好ましい。r4としては、1〜3が好ましく、2がより好ましい。
【0058】
芳香環を含まない部分構造としては、例えば置換又は非置換の鎖状炭化水素基からなる部分構造、置換又は非置換の脂環式炭化水素基からなる部分構造等が挙げられる。
【0059】
部分構造(A)の含有割合の下限としては、[A]化合物を構成する全部分構造に対して、40モル%が好ましく、50モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましく、70モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、100モル%が好ましく、95モル%がより好ましく、90モル%がさらに好ましい。部分構造(A)の含有割合を上記範囲とすることで、レジスト下層膜の耐熱性及び埋め込み性をさらに向上させることができる。
【0060】
[A]化合物が他の部分構造を有する場合、他の部分構造の含有割合の下限としては、[A]化合物を構成する全部分構造に対して、1モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、60モル%が好ましく、50モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましく、30モル%が特に好ましい。他の部分構造の含有割合を上記範囲とすることで、レジスト下層膜の溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性をさらに向上させることができる。
【0061】
[連結基]
[A]化合物が複数の部分構造を有する場合、この部分構造は連結基(a)を介して結合していてもよい。また、[A]化合物が複数の部分構造(A)を有する場合、この複数の部分構造(A)は連結基(a)を介して結合していてもよい。
【0062】
連結基(a)としては、例えばアルデヒドに由来する連結基等が挙げられる。アルデヒドに由来する連結基は、1つのアルデヒド基を含む化合物に由来する場合、通常、−CHR−(Rは、1価の炭化水素基である)の構造を有する。Rとしては、水素原子及びアリール基が好ましく、水素原子及びピレニル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。ホルムアルデヒドに由来する連結基は、通常−CH−である。
【0063】
アルデヒドとして、
1つのアルデヒド基を含む化合物としては、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、ホルミルピレン等が挙げられる。
2つ以上のアルデヒド基を含む化合物としては、例えば1,4−フェニレンジアルデヒド、4,4’−ビフェニレンジアルデヒド等が挙げられる。
【0064】
[A]化合物が連結基(a)を有する場合、[A]化合物を構成する全部分構造1モルに対する連結基(a)の含有割合の下限としては、0.1モルが好ましく、0.3モルがより好ましく、0.5モルがさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、3モルが好ましく、2モルがより好ましく、1.5モルがさらに好ましい。連結基(a)の含有割合を上記範囲とすることで、連結基(a)による[A]化合物の架橋密度をより適度に調整することができ、その結果、レジスト下層膜の溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性をより向上させることができる。
【0065】
[A]化合物としては、例えば下記式(A−1)〜(A−11)で表される構造を有する化合物(以下、「化合物(A1)〜(A11)」ともいう)等が挙げられる。
【0066】
【化6】
【0067】
【化7】
【0068】
上記式(A−1)〜(A−11)中、Rは、1価の特定基(A)である。
【0069】
これらの中で、[A]化合物としては、化合物(A1)〜(A5)及び(A7)〜(A11)が好ましく、化合物(A1)、(A3)〜(A5)及び(A7)〜(A11)がより好ましく、化合物(A1)及び(A7)〜(A11)がさらに好ましい。
【0070】
[A]化合物の含有量の下限としては、当該レジスト下層膜形成用組成物中の全固形分(溶媒以外の成分)に対して、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。
【0071】
<[A]化合物の合成方法>
[A]化合物は、公知の方法により合成することができる。[A]化合物が部分構造(A)を与える化合物をアルデヒドで架橋した重合体である場合、まず、例えば下記式(1−m)で表されるフェノール性水酸基含有化合物、下記式(2−m)で表される化合物等の前駆体化合物と、アルデヒドとを、酸の存在下、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の溶媒中で反応させて、フェノール性水酸基を有する重合体を得る。次に、得られた重合体と、臭化プロパルギル等の特定基(A)を形成する化合物とを、塩基存在下、N,N−ジメチルアセトアミド等の溶媒中で反応させることにより、[A]化合物を合成することができる。上記前駆体化合物は1種又は2種以上用いることができ、その使用比率は、レジスト下層膜の所望の性能等により適宜選択することができる。また、上記前駆体化合物とアルデヒドとの使用比率も、レジスト下層膜の所望の性能等により、適宜選択することができる。
【0072】
【化8】
【0073】
上記式(1−m)中、m1、m2、n1、n2及びa1〜a4は、上記式(1)と同義である。
上記式(2−m)中、R〜R及びb1〜b4は、上記式(2)と同義である。
【0074】
アルデヒドとしては、例えばホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒド)、アセトアルデヒド(パラアルデヒド)、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、ホルミルピレン等の1つのアルデヒド基を含む化合物;1,4−フェニレンジアルデヒド、4,4’−ビフェニレンジアルデヒド等の2つ以上のアルデヒド基を含む化合物などが挙げられる。これらの中で、[A]化合物がより適度な架橋構造を有することで、レジスト下層膜の溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性がより向上する観点から、1つのアルデヒド基を含む化合物が好ましく、ホルムアルデヒド及びホルミルピレンがより好ましく、ホルムアルデヒドがさらに好ましい。
【0075】
酸としては、例えばp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等のスルホン酸;硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸などが挙げられる。これらの中で、スルホン酸が好ましく、p−トルエンスルホン酸がより好ましい。
【0076】
酸の使用量の下限としては、アルデヒド1モルに対して、1モルが好ましく、5モルがより好ましい。上記使用量の上限としては、20モルが好ましく、10モルがより好ましい。
【0077】
フェノール性水酸基を有する重合体の合成反応の反応温度の下限としては、60℃が好ましく、80℃がより好ましい。上記反応温度の上限としては、150℃が好ましく、120℃がより好ましい。上記反応の反応時間の下限としては、1時間が好ましく、4時間がより好ましい。上記反応時間の上限としては、24時間が好ましく、12時間がより好ましい。
【0078】
塩基としては、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物などが挙げられる。これらの中で、アルカリ金属炭酸塩が好ましく、炭酸カリウムがより好ましい。
【0079】
塩基の使用量の下限としては、上記特定基(A)を形成する化合物1モルに対して、0.1モルが好ましく、0.5モルがより好ましく、0.8モルがさらに好ましい。上記使用量の上限としては、3モルが好ましく、2モルがより好ましく、1.5モルがさらに好ましい。
【0080】
上記特定基(A)を形成する化合物を反応させて[A]化合物を得る反応の反応温度の下限としては、50℃が好ましく、60℃がより好ましい。上記反応温度の上限としては、130℃が好ましく、100℃がより好ましい。上記反応の反応時間の下限としては、1時間が好ましく、4時間がより好ましい。上記反応時間の上限としては、24時間が好ましく、12時間がより好ましい。
【0081】
合成して得た[A]化合物は、反応液から、分液操作、再沈殿、再結晶、蒸留等により精製することができる。上記以外の[A]化合物についても、上記同様に合成することができる。
【0082】
[A]化合物の分子量の下限としては、250が好ましく、1,000がより好ましく、2,000がさらに好ましく、3,000が特に好ましい。上記分子量の上限としては、10,000が好ましく、7,000がより好ましく、6,000がさらに好ましく、5,000が特に好ましい。
【0083】
[A]化合物が重合体である場合、[A]化合物の重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、2,000がより好ましく、3,000がさらに好ましく、4,000が特に好ましい。上記Mwの上限としては、15,000が好ましく、10,000がより好ましく、8,500がさらに好ましく、7,000が特に好ましい。
【0084】
[A]化合物の分子量を上記範囲とすることで、レジスト下層膜の溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性をさらに向上させることができる。
【0085】
[A]化合物が重合体である場合、[A]化合物のMwの数平均分子量(Mn)に対する比(Mw/Mn比)の上限としては、5が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましく、1.8が特に好ましい。上記比の下限としては、通常1であり、1.2が好ましい。[A]化合物のMw/Mn比を上記範囲とすることで、レジスト下層膜の埋め込み性をより向上させることができる。
【0086】
<[B]溶媒>
当該レジスト下層膜形成用組成物は、[B]溶媒を含有する。[B]溶媒としては、[A]化合物及び必要に応じて含有する任意成分を溶解又は分散することができれば特に限定されない。
【0087】
[B]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒等が挙げられる。[B]溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0088】
上記アルコール系溶媒としては、例えば
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール等の多価アルコール系溶媒などが挙げられる。
【0089】
上記ケトン系溶媒としては、例えば
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の脂肪族ケトン系溶媒;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒;
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、メチルn−アミルケトンなどが挙げられる。
【0090】
上記アミド系溶媒としては、例えば
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン等の環状アミド系溶媒;
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒などが挙げられる。
【0091】
上記エーテル系溶媒としては、例えば
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒;
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、ジイソアミルエーテル等のジ脂肪族エーテル系溶媒;
アニソール、フェニルエチルエーテル等の脂肪族−芳香族エーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等の環状エーテル系溶媒などが挙げられる。
【0092】
上記エステル系溶媒としては、例えば
乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のカルボン酸エステル系溶媒;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭酸エステル系溶媒などが挙げられる。
【0093】
これらの中で、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒及びエステル系溶媒が好ましく、エーテル系溶媒がより好ましい。エーテル系溶媒としては、多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒及びジ脂肪族エーテル系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒がより好ましく、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートがさらに好ましく、PGMEAが特に好ましい。ケトン系溶媒としては、環状ケトン系溶媒が好ましく、シクロヘキサノン及びシクロペンタノンがより好ましい。エステル系溶媒としては、カルボン酸エステル系溶媒及びラクトン系溶媒が好ましく、カルボン酸エステル系溶媒がより好ましく、乳酸エチルがさらに好ましい。
【0094】
多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒、その中でもプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、特にPGMEAは、[B]溶媒に含まれることで、当該レジスト下層膜形成用組成物のシリコンウエハ等の基板への塗布性を向上させることができることから好ましい。当該レジスト下層膜形成用組成物に含有される[A]化合物はPGMEA等への溶解性が高くなっていることから、[B]溶媒に多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒を含めることで、当該レジスト下層膜形成用組成物は優れた塗布性を発揮させることができ、その結果、レジスト下層膜の埋め込み性をより向上させることができる。[B]溶媒中の多価アルコール部分エーテルアセテート系溶媒の含有率の下限としては、20質量%が好ましく、60質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましく、100質量%が特に好ましい。
【0095】
<[C]酸発生剤>
[C]酸発生剤は、熱や光の作用により酸を発生し、[A]化合物の架橋を促進する成分である。当該レジスト下層膜形成用組成物が[C]酸発生剤を含有することで[A]化合物の架橋反応が促進され、形成される膜の硬度をより高めることができる。[C]酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0096】
[C]酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物等が挙げられる。
【0097】
上記オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。
【0098】
スルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、4−メタンスルホニルフェニルジフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。
【0099】
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、例えば1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(6−n−ブトキシナフタレン−2−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。
【0100】
ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ−n−オクタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート等が挙げられる。
【0101】
N−スルホニルオキシイミド化合物としては、例えばN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(パーフルオロ−n−オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等が挙げられる。
【0102】
これらの中で、[C]酸発生剤としては、オニウム塩化合物が好ましく、ヨードニウム塩がより好ましく、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートがさらに好ましい。
【0103】
当該レジスト下層膜形成用組成物が[C]酸発生剤を含有する場合、[C]酸発生剤の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、
1質量部がより好ましく、3質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。[C]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、[A]化合物の架橋反応をより効果的に促進させることができる。
【0104】
<その他の任意成分>
当該レジスト下層膜形成用組成物は、その他の任意成分として、例えば架橋剤、界面活性剤、密着助剤等が挙げられる。
【0105】
[架橋剤]
架橋剤は、熱や酸の作用により、当該レジスト下層膜形成用組成物中の[A]化合物等の成分同士の架橋結合を形成する成分である。当該レジスト下層膜形成用組成物が架橋剤を含有することで、形成される膜の硬度を高めることができる。架橋剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0106】
架橋剤としては、例えば多官能(メタ)アクリレート化合物、エポキシ化合物、ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物、下記式(7−P)で表されるアセナフチレンとヒドロキシメチルアセナフチレンとのランダム共重合体、下記式(7−1)〜(7−12)で表される化合物等が挙げられる。
【0107】
上記多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0108】
上記エポキシ化合物としては、例えばノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0109】
上記ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物としては、例えば2−ヒドロキシメチル−4,6−ジメチルフェノール、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、3,5−ジヒドロキシメチル−4−メトキシトルエン[2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール]等が挙げられる。
【0110】
上記アルコキシアルキル基含有フェノール化合物としては、例えばメトキシメチル基含有フェノール化合物、エトキシメチル基含有フェノール化合物等が挙げられる。
【0111】
上記アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物としては、例えば(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレア等の一分子内に複数個の活性メチロール基を有する含窒素化合物であって、そのメチロール基の水酸基の水素原子の少なくとも一つが、メチル基やブチル基等のアルキル基によって置換された化合物等が挙げられる。なお、アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物は、複数の置換化合物を混合した混合物でもよく、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含むものであってもよい。
【0112】
【化9】
【0113】
【化10】
【0114】
上記式(7−6)、(7−8)、(7−11)及び(7−12)中、Acは、アセチル基を示す。
【0115】
なお、上記式(7−1)〜(7−12)で表される化合物は、それぞれ、以下の文献を参考に合成することができる。
式(7−1)で表される化合物:
Guo,Qun−Sheng;Lu,Yong−Na;Liu,Bing;Xiao,Jian;Li,Jin−Shan Journal of Organometallic Chemistry,2006,vol.691,#6 p.1282−1287
式(7−2)で表される化合物:
Badar,Y.et al. Journal of the Chemical Society,1965,p.1412−1418
式(7−3)で表される化合物:
Hsieh,Jen−Chieh;Cheng,Chien−Hong Chemical Communications(Cambridge,United Kingdom),2008,#26 p.2992−2994
式(7−4)で表される化合物:
特開平5−238990号公報
式(7−5)で表される化合物:
Bacon,R.G.R.;Bankhead,R. Journal of the Chemical Society,1963,p.839−845
式(7−6)、(7−8)、(7−11)及び(7−12)で表される化合物:
Macromolecules 2010,vol43,p2832−2839
式(7−7)、(7−9)及び(7−10)で表される化合物:
Polymer Journal 2008,vol.40,No.7,p645−650、及びJournal of Polymer Science:Part A,Polymer Chemistry,Vol 46,p4949−4968
【0116】
これらの架橋剤の中で、メトキシメチル基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物及びアセナフチレンとヒドロキシメチルアセナフチレンとのランダム共重合体が好ましく、アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物がより好ましく、1,3,4,6−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリルがさらに好ましい。
【0117】
当該レジスト下層膜形成用組成物が架橋剤を含有する場合、架橋剤の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、3質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、100質量部が好ましく、50質量部がより好ましく、30質量部がさらに好ましく、20質量部が特に好ましい。架橋剤の含有量を上記範囲とすることで、[A]化合物の架橋反応をより効果的に起こさせることができる。
【0118】
[界面活性剤]
当該レジスト下層膜形成用組成物は、界面活性剤を含有することで塗布性を向上させることができ、その結果、形成される膜の塗布面均一性が向上し、かつ塗布斑の発生を抑制することができる。界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0119】
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン−n−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−n−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤等が挙げられる。また、市販品としては、KP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社油脂化学工業社)、エフトップEF101、同EF204、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F172、同F173(以上、DIC社)、フロラードFC430、同FC431、同FC135、同FC93(以上、住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS382、同SC101、同SC102、同SC103、同SC104、同SC105、同SC106(以上、旭硝子社)等が挙げられる。
【0120】
当該レジスト下層膜形成用組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して、0.01質量部が好ましく、0.05質量部がより好ましく、0.1質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、10質量部が好ましく、5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。界面活性剤の含有量を上記範囲とすることで、当該レジスト下層膜形成用組成物の塗布性をより向上させることができる。
【0121】
[密着助剤]
密着助剤は、下地との密着性を向上させる成分である。当該レジスト下層膜形成用組成物が密着助剤を含有することで、形成されるレジスト下層膜と、下地としての基板等との密着性を向上させることができる。密着助剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0122】
密着助剤としては、例えば公知の密着助剤を用いることができる。
【0123】
当該レジスト下層膜形成用組成物が密着助剤を含有する場合、密着助剤の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して、0.01質量部が好ましく、0.05質量部がより好ましく、0.1質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、10質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、5質量部がさらに好ましい。
【0124】
<レジスト下層膜形成用組成物の調製方法>
当該レジスト下層膜形成用組成物は、[A]化合物、[B]溶媒、必要に応じて、[C]酸発生剤及びその他の任意成分を所定の割合で混合し、好ましくは得られた混合物を0.1μm程度のメンブランフィルター等でろ過することにより調製できる。当該レジスト下層膜形成用組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、1質量%がより好ましく、2質量%がさらに好ましく、4質量%が特に好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、15質量%がさらに好ましく、8質量%が特に好ましい。
【0125】
<パターニングされた基板の製造方法>
本発明のパターニングされた基板の製造方法は、
基板の一方の面側にレジスト下層膜を形成する工程(以下、「レジスト下層膜形成工程」ともいう)、
上記レジスト下層膜の基板とは反対の面側にレジストパターンを形成する工程(以下、「レジストパターン形成工程」ともいう)、及び
上記レジストパターンをマスクとした複数回のエッチングにより基板にパターンを形成する工程(以下、「基板パターン形成工程」ともいう)を備える。当該パターニングされた基板の製造方法においては、上記レジスト下層膜を上述の当該レジスト下層膜形成用組成物により形成する。
【0126】
当該パターニングされた基板の製造方法によれば、上述の当該レジスト下層膜形成用組成物を用いるので、溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性に優れるレジスト下層膜を形成することができ、この優れたレジスト下層膜を用いることにより、優れたパターン形状を有するパターニングされた基板を得ることができる。
【0127】
[レジスト下層膜形成工程]
本工程では、基板の一方の面側に当該レジスト下層膜形成用組成物によりレジスト下層膜を形成する。このレジスト下層膜の形成は、通常、当該レジスト下層膜形成用組成物を基板の一方の面側に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を加熱することにより行われる。
【0128】
上記基板としては、例えばシリコンウエハ、アルミニウムで被覆したウエハ等が挙げられる。また、基板等への当該レジスト下層膜形成用組成物の塗布方法は特に限定されず、例えば、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の方法で実施することができる。
【0129】
上記塗膜の加熱は、通常、大気下で行われる。加熱温度の下限としては、150℃が好ましく、180℃がより好ましく、200℃がさらに好ましい。加熱温度の上限としては、500℃が好ましく、380℃がより好ましく、300℃がさらに好ましい。加熱温度が150℃未満の場合、酸化架橋が十分に進行せず、レジスト下層膜として必要な特性が発現しないおそれがある。加熱時間の下限としては、15秒が好ましく、30秒がより好ましく、45秒がさらに好ましい。加熱時間の上限としては、1,200秒が好ましく、600秒がより好ましく、300秒がさらに好ましい。
【0130】
加熱時の酸素濃度の下限としては、5容量%が好ましい。加熱時の酸素濃度が低い場合、レジスト下層膜の酸化架橋が十分に進行せず、レジスト下層膜として必要な特性が発現できないおそれがある。
【0131】
上記塗膜を150℃以上500℃以下の温度で加熱する前に、60℃以上250℃以下の温度で予備加熱しておいてもよい。予備加熱における加熱時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記加熱時間の上限としては、300秒が好ましく、180秒がより好ましい。この予備加熱を行うことにより、溶媒を予め気化させて膜を緻密にしておくことで、脱水素反応を効率良く進めることができる。
【0132】
なお、当該レジスト下層膜形成方法においては、通常、上記塗膜を加熱してレジスト下層膜を形成するが、当該レジスト下層膜形成用組成物が感放射線性酸発生剤を含有する場合にあっては、露光と加熱とを組み合わせることにより塗膜を硬化させてレジスト下層膜を形成することもできる。この露光に用いられる放射線としては、感放射線性酸発生剤の種類に応じ、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、γ線等の電磁波;電子線、分子線、イオンビーム等の粒子線から適宜選択される。
【0133】
形成されるレジスト下層膜の平均厚みとの下限としては、0.05μmが好ましく、0.1μmがより好ましく、0.5μmがさらに好ましい。上記平均厚みの上限としては、5μmが好ましく、3μmがより好ましく、2μmがさらに好ましい。
【0134】
このレジスト下層膜形成工程の後に、必要に応じて、上記レジスト下層膜の基板とは反対の面側に中間層(中間膜)を形成する工程をさらに有していてもよい。この中間層は、レジストパターン形成において、レジスト下層膜及び/又はレジスト膜が有する機能をさらに補ったり、これらが有していない機能を与えたりするために上記機能が付与された層のことである。例えば、反射防止膜を中間層として形成した場合、レジスト下層膜の反射防止機能をさらに補うことができる。
【0135】
この中間層は、有機化合物や無機酸化物により形成することができる。上記有機化合物としては、市販品として、例えば「DUV−42」、「DUV−44」、「ARC−28」、「ARC−29」(以上、Brewer Science社);「AR−3」、「AR−19」(以上、ローム アンド ハース社)等が挙げられる。上記無機酸化物としては、市販品として、例えば「NFC SOG01」、「NFC SOG04」、「NFC SOG080」(以上、JSR社)等が挙げられる。また、CVD法により形成されるポリシロキサン、酸化チタン、酸化アルミナ、酸化タングステン等を用いることができる。
【0136】
中間層の形成方法は特に限定されないが、例えば塗布法やCVD法等を用いることができる。これらの中でも、塗布法が好ましい。塗布法を用いた場合、レジスト下層膜を形成後、中間層を連続して形成することができる。また、中間層の平均厚みは、中間層に求められる機能に応じて適宜選択されるが、中間層の平均厚みの下限としては、10nmが好ましく、20nmがより好ましい。上記平均厚みの上限としては、3,000nmが好ましく、300nmがより好ましい。
【0137】
[レジストパターン形成工程]
本工程では上記レジスト下層膜の基板とは反対の面側にレジストパターンを形成する。この工程を行う方法としては、例えばレジスト組成物を用いる方法等が挙げられる。
【0138】
上記レジスト組成物を用いる方法では、具体的には、得られるレジスト膜が所定の厚みとなるようにレジスト組成物を塗布した後、プレベークすることによって塗膜中の溶媒を揮発させることにより、レジスト膜を形成する。
【0139】
上記レジスト組成物としては、例えば感放射線性酸発生剤を含有するポジ型又はネガ型の化学増幅型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とからなるポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤とからなるネガ型レジスト組成物等が挙げられる。
【0140】
上記レジスト組成物の固形分濃度の下限としては、0.3質量%が好ましく、1質量%がより好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましい。また、上記レジスト組成物は、一般に、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過して、レジスト膜の形成に供される。なお、この工程では、市販のレジスト組成物をそのまま使用することもできる。
【0141】
レジスト組成物の塗布方法としては特に限定されず、例えばスピンコート法等が挙げられる。また、プレベークの温度としては、使用されるレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、上記温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。プレベークの時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
【0142】
次に、選択的な放射線照射により上記形成されたレジスト膜を露光する。露光に用いられる放射線としては、レジスト組成物に使用される感放射線性酸発生剤の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、γ線等の電磁波;電子線、分子線、イオンビーム等の粒子線から適切に選択される。これらの中で、遠紫外線が好ましく、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)、Fエキシマレーザー光(波長157nm)、Krエキシマレーザー光(波長147nm)、ArKrエキシマレーザー光(波長134nm)及び極端紫外線(波長13.5nm等、EUV)がより好ましく、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光及びEUVがさらに好ましい。
【0143】
上記露光後、解像度、パターンプロファイル、現像性等を向上させるためポストベークを行うことができる。このポストベークの温度としては、使用されるレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、上記温度の下限としては、50℃が好ましく、70℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。ポストベークの時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
【0144】
次に、上記露光されたレジスト膜を現像液で現像してレジストパターンを形成する。この現像は、アルカリ現像であっても有機溶媒現像であってもよい。現像液としては、アルカリ現像の場合、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性水溶液が挙げられる。これらのアルカリ性水溶液には、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類などの水溶性有機溶媒、界面活性剤等を適量添加することもできる。また、有機溶媒現像の場合、現像液としては、例えば上述の[B]溶媒として例示した種々の有機溶媒等が挙げられる。
【0145】
上記現像液での現像後、洗浄し、乾燥することによって、所定のレジストパターンが形成される。
【0146】
本レジストパターン形成工程を行う方法として、上述のレジスト組成物を用いる方法以外にも、ナノインプリント法を用いる方法、自己組織化組成物を用いる方法等も用いることができる。
【0147】
[基板パターン形成工程]
本工程では、レジストパターンをマスクとした複数回のエッチングにより基板にパターンを形成する。上記中間層を有さない場合はレジスト下層膜、基板の順に順次エッチングし、上記中間層を有する場合は中間層、レジスト下層膜、基板の順に順次エッチングを行う。このエッチングの方法としては、ドライエッチング、ウエットエッチング等が挙げられる。これらの中で、基板パターンの形状をより優れたものとする観点から、ドライエッチングが好ましい。このドライエッチングには、例えば酸素プラズマ等のガスプラズマ等が用いられる。上記エッチングの後、所定のパターンを有する基板が得られる。
【0148】
<レジスト下層膜>
本発明のレジスト下層膜は、当該レジスト下層膜形成用組成物から形成される。当該レジスト下層膜は、上述の当該レジスト下層膜形成用組成物から形成されるので、溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性に優れている。
【実施例】
【0149】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0150】
[Mw及びMn]
[A]化合物のMw及びMnは、東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、及び「G3000HXL」1本)を用い、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフ(検出器:示差屈折計)により測定した。
【0151】
[膜の平均厚み]
膜の平均厚みは、分光エリプソメータ(J.A.WOOLLAM社の「M2000D」)を用いて測定した。
【0152】
<[A]化合物の合成>
[合成例1]
温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン37.16g(0.11mol)及びパラホルムアルデヒド2.84g(0.095mol)を仕込んだ。次に、p−トルエンスルホン酸一水和物0.153g(0.80mmol)を58gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させた後、この溶液を3口フラスコ中に投入し、95℃で6時間攪拌して重合した。その後、重合反応液を多量のヘキサン中に投入し、沈殿した重合体をろ過して、化合物(PA−1)を得た。
【0153】
次に、温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で上記得られた化合物(PA−1)20g、N,N−ジメチルアセトアミド80g及び炭酸カリウム16.68g(0.12mol)を仕込んだ。次に80℃に加温し、臭化プロパルギル14.36g(0.12mol)を添加した後、6時間攪拌して反応を行った。その後、反応溶液にメチルイソブチルケトン40g及び水80gを添加して分液操作を行った後、有機相を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過することで化合物(A−1)を得た。得られた化合物(A−1)のMwは4,500であった。
【0154】
[合成例2]
温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン37.75g(0.084mol)及びパラホルムアルデヒド2.25g(0.075mol)を仕込んだ。次に、p−トルエンスルホン酸一水和物0.121g(0.63mmol)を58gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させた後、この溶液を3口フラスコに投入し、95℃で6時間攪拌して重合した。その後、重合反応液を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過して、化合物(PA−2)を得た。
【0155】
次に、温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で上記得られた重合体(PA−2)20g、N,N’−ジメチルアセトアミド80g及び炭酸カリウム13.09g(0.095mol)を仕込んだ。次に80℃に加温し、臭化プロパルギル11.27g(0.095mol)を添加した後、6時間攪拌して反応を行った。その後、反応溶液にメチルイソブチルケトン40g及び水80gを添加して分液操作を行った後、有機相を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過することで化合物(A−2)を得た。得られた化合物(A−2)のMwは4,500であった。
【0156】
[合成例3]
温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で1−ヒドロキシピレン35.16g(0.16mol)及びパラホルムアルデヒド4.84g(0.16mol)を仕込んだ。次に、p−トルエンスルホン酸一水和物0.245g(1.29mmol)を58gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させた後、この溶液を3口フラスコに投入し、95℃で6時間攪拌して重合した。その後、反応溶液を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過して、化合物(PA−3)を得た。
【0157】
次に、温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で上記得られた化合物(PA−3)20g、N,N−ジメチルアセトアミド80g及び炭酸カリウム13.09g(0.095mol)を仕込んだ。次に80℃に加温し、臭化プロパルギル11.27g(0.095mol)を添加した後、6時間攪拌して反応を行った。その後、反応溶液にメチルイソブチルケトン40g及び水80gを添加して分液操作を行った後、有機相を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過することで化合物(A−3)を得た。得られた化合物(A−3)のMwは5,400であった。
【0158】
[合成例4]
温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン26.42g(0.075mol)、ピレン10.19g(0.050mol)及びパラホルムアルデヒド3.40g(0.113mol)を仕込んだ。次に、p−トルエンスルホン酸一水和物0.182g(0.96mmol)を58gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させた後、この溶液を3口フラスコに投入し、95℃で6時間攪拌して重合した。その後、反応溶液を多量のヘキサン中に投入し、沈殿した重合体をろ過して、化合物(PA−4)を得た。
【0159】
次に、温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で上記得られた化合物(PA−4)20g、N,N−ジメチルアセトアミド80g及び炭酸カリウム11.96g(0.087mol)を仕込んだ。次に80℃に加温し、臭化プロパルギル10.29g(0.087mol)を添加した後、6時間攪拌して反応を行った。その後、反応溶液にメチルイソブチルケトン40g及び水80gを添加して分液操作を行った後、有機相を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過することで化合物(A−4)を得た。得られた化合物(A−4)のMwは3,500であった。
【0160】
[合成例5]
温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン19.26g(0.055mol)、1−ヒドロキシピレン8.0g(0.037mol)、フェノール8.62g(0.092mol)及びパラホルムアルデヒド4.13g(0.137mol)を仕込んだ。次に、p−トルエンスルホン酸一水和物0.30g(1.58mmol)を58gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させた後、この溶液を3口フラスコに投入し、95℃で6時間攪拌して重合した。その後、反応溶液を多量のメタノール/水(70/30(質量比))混合溶液中に投入し、沈殿した重合体をろ過して、化合物(PA−5)を得た。
【0161】
次に、温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で上記得られた化合物(PA−5)20g、N,N−ジメチルアセトアミド80g及び炭酸カリウム18.92g(0.137mol)を仕込んだ。次に80℃に加温し、臭化プロパルギル16.29g(0.137mol)を添加した後、6時間攪拌して反応を行った。その後、反応溶液にメチルイソブチルケトン40g及び水80gを添加して分液操作を行った後、有機相を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過することで化合物(A−5)を得た。得られた化合物(A−5)のMwは7,600であった。
【0162】
[合成例6]
温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン16.15g(0.046mol)、1−ヒドロキシピレン6.7g(0.031mol)、アントラセン13.69g(0.077mol)及びパラホルムアルデヒド3.46g(0.115mol)を仕込んだ。次に、p−トルエンスルホン酸一水和物0.182g(0.96mmol)を58gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させた後、この溶液を3口フラスコに投入し、95℃で6時間攪拌して重合した。その後、反応溶液を多量のメタノール/水(70/30(質量比))混合溶液中に投入し、沈殿した重合体をろ過して、化合物(PA−6)を得た。
【0163】
次に、温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で上記得られた化合物(PA−6)20g、N,N−ジメチルアセトアミド80g及び炭酸カリウム18.92g(0.137mol)を仕込んだ。次に80℃に加温し、臭化プロパルギル16.29g(0.137mol)を添加した後、6時間攪拌して反応を行った。その後、反応溶液にメチルイソブチルケトン40g及び水80gを添加して分液操作を行った後、有機相を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過することで化合物(A−6)を得た。得られた化合物(A−6)のMwは3,200であった。
【0164】
[合成例7]
温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン17.07g(0.049mol)、1−ヒドロキシピレン7.09g(0.032mol)、1−ナフトール11.71g(0.081mol)及びパラホルムアルデヒド4.14g(0.138mol)を仕込んだ。次に、p−トルエンスルホン酸一水和物0.266g(1.4mmol)を58gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させた後、この溶液を3口フラスコに投入し、95℃で6時間攪拌して重合した。その後、反応溶液を多量のメタノール/水(70/30(質量比))混合溶液中に投入し、沈殿した重合体をろ過して、化合物(PA−7)を得た。
【0165】
次に、温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で上記得られた化合物(PA−7)20g、N,N−ジメチルアセトアミド80g及び炭酸カリウム16.90g(0.122mol)を仕込んだ。次に80℃に加温し、臭化プロパルギル14.55g(0.122mol)を添加した後、6時間攪拌して反応を行った。その後、反応溶液にメチルイソブチルケトン40g及び水80gを添加して分液操作を行った後、有機相を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過することで化合物(A−7)を得た。得られた化合物(A−7)のMwは3,900であった。
【0166】
[合成例8]
温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン21.49g(0.061mol)、ピレン12.41g(0.061mol)、フェノール2.89g(0.031mol)及びパラホルムアルデヒド3.22g(0.107mol)を仕込んだ。次に、p−トルエンスルホン酸一水和物0.251g(1.32mmol)を58gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させた後、この溶液を3口フラスコに投入し、95℃で6時間攪拌して重合した。その後、反応溶液を多量のメタノール/水(70/30(質量比))混合溶液中に投入し、沈殿した重合体をろ過して、化合物(PA−8)を得た。
【0167】
次に、温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で上記得られた化合物(PA−8)20g、N,N−ジメチルアセトアミド80g及び炭酸カリウム11.99g(0.087mol)を仕込んだ。次に80℃に加温し、臭化プロパルギル10.32g(0.087mol)を添加した後、6時間攪拌して反応を行った。その後、反応溶液にメチルイソブチルケトン40g及び水80gを添加して分液操作を行った後、有機相を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過することで化合物(A−8)を得た。得られた化合物(A−8)のMwは5,600であった。
【0168】
[合成例9]
温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン9.57g(0.027mol)、1−ヒドロキシピレン3.97g(0.018mol)、1−ナフトール6.56g(0.046mol)及び1−ホルミルピレン19.9g(0.086mol)を仕込んだ。次に、p−トルエンスルホン酸一水和物5.19g(27.3mmol)を58gのγ−ブチロラクトンに溶解させた後、この溶液を3口フラスコに投入し、130℃で9時間攪拌して重合した。その後、反応溶液を多量のメタノール/水(70/30(質量比))混合溶液中に投入し、沈殿した重合体をろ過して、化合物(PA−9)を得た。
【0169】
次に、温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で上記得られた化合物(PA−9)20g、N,N−ジメチルアセトアミド80g及び炭酸カリウム18.92g(0.137mol)を仕込んだ。次に80℃に加温し、臭化プロパルギル16.29g(0.137mol)を添加した後、6時間攪拌して反応を行った。その後、反応溶液にメチルイソブチルケトン40g及び水80gを添加して分液操作を行った後、有機相を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過することで化合物(A−9)を得た。得られた化合物(A−9)のMwは1,500であった。
【0170】
[合成例10]
温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン26.42g(0.075mol)、ピレン10.19g(0.050mol)及びパラホルムアルデヒド3.40g(0.113mol)を仕込んだ。次に、p−トルエンスルホン酸一水和物0.182g(0.96mmol)を58gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させた後、この溶液を3口フラスコに投入し、95℃で6時間攪拌して重合した。その後、重合反応液を多量のヘキサン中に投入し、沈殿した化合物をろ過して、化合物(Pa−1)を得た。
【0171】
次に、温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で化合物(Pa−1)20g、N,N−ジメチルアセトアミド80g及び炭酸カリウム11.96g(0.087mol)を仕込んだ。次に80℃に加温し、4−ブロモ−1−ブテン11.68g(0.087mol)を添加した後、6時間攪拌して反応を行った。その後、反応溶液にメチルイソブチルケトン40g及び水80gを添加して分液操作を行った後、有機相を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過して、化合物(a−1)を得た。得られた化合物(a−1)のMwは4,000であった。
【0172】
[合成例11]
温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン25.83g(0.074mol)、ピレン9.96g(0.049mol)及びパラホルムアルデヒド4.21g(0.14mol)を仕込んだ。次に、p−トルエンスルホン酸一水和物0.20g(1.05mmol)を58gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させた後、この溶液を3口フラスコに投入し、95℃で6時間攪拌して重合した。その後、重合反応液を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過して、化合物(CA−1)を得た。得られた化合物(CA−1)のMwは11,000であった。
【0173】
[合成例12]
温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で1−ヒドロキシピレン18.18g(0.083mol)、1−ナフトール12.85g(0.089mol)、フェノール3.35g(0.036mol)及びパラホルムアルデヒド5.62g(0.19mol)を仕込んだ。次に、p−トルエンスルホン酸一水和物0.30g(1.58mmol)を58gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させた後、この溶液を3口フラスコに投入し、95℃で6時間攪拌して重合した。その後、重合反応液を多量のメタノール/水(90/10(質量比))混合溶液中に投入し、沈殿した化合物をろ過して、化合物(CA−2)を得た。得られた化合物(CA−2)のMwは5,800であった。
【0174】
[合成例13]
温度計、コンデンサー及び機械式攪拌機を備えた3口フラスコに、窒素下で9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン49.54g(0.11mol)及びパラホルムアルデヒド2.84g(0.095mol)を仕込んだ。次に、p−トルエンスルホン酸一水和物0.153g(0.80mmol)を58gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させた後、この溶液を3口フラスコに投入し、95℃で6時間攪拌して重合した。その後、重合反応液を多量のメタノール中に投入し、沈殿した化合物をろ過して、化合物(CA−3)を得た。得られた化合物(CA−3)のMwは5,200であった。
【0175】
<レジスト下層膜形成用組成物の調製>
レジスト下層膜形成用組成物の調製に用いた[A]重合体以外の成分について以下に示す。
【0176】
[[B]溶媒)
B−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
B−2:シクロヘキサノン
【0177】
([C]酸発生剤)
C−1:ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート(下記式(C−1)で表される化合物)
【0178】
【化11】
【0179】
[実施例1]
[A]重合体としての(A−1)5質量部を[B]溶媒としての(B−1)95質量部に溶解した。得られた溶液を孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過して、レジスト下層膜形成用組成物(J−1)を調製した。
【0180】
[実施例2〜13、参考例1及び比較例1〜3]
表1に示す種類及び量の各成分を使用した以外は実施例1と同様に操作して、各レジスト下層膜形成用組成物を調製した。表1中、「−」は該当する成分を使用しなかったことを示す。
【0181】
【表1】
【0182】
[実施例14〜31、参考例2及び比較例4〜9]
(レジスト下層膜の形成)
上記調製した各レジスト下層膜形成用組成物を、シリコンウエハ基板上に、スピンコート法により塗布した。その後、大気雰囲気下にて、220℃で60秒間加熱(焼成)し、厚み200nmのレジスト下層膜を形成して、基板上にレジスト下層膜が形成されたレジスト下層膜付き基板をそれぞれ得た(実施例14〜26及び比較例4〜6)。[A]化合物が炭素−炭素三重結合を含む基を有さず、炭素−炭素二重結合を含む基を有するものである参考例1で調製したレジスト下層膜形成用組成物(j−1)を用いた場合は、参考例2とした。また、実施例9〜13及び比較例1〜3で調製したレジスト下層膜形成用組成物(J−9)〜(J−13)及び(CJ−1)〜(CJ−3)については、400℃で90秒間加熱(焼成)を行ったレジスト下層膜付き基板も得た(実施例27〜31及び比較例7〜9)。
【0183】
(段差基板上でのレジスト下層膜の形成)
上記調製した各レジスト下層膜形成用組成物を、70nmCH、500nmdepthのシリコンウエハ段差基板(被加工基板)上に、スピンコート法により塗布した。その後、大気雰囲気下にて、220℃で60秒間加熱(焼成)し、厚み200nmのレジスト下層膜を形成して、基板上にレジスト下層膜が形成されたレジスト下層膜付き段差基板をそれぞれ得た(実施例14〜26及び比較例4〜6)。また、実施例9〜13及び比較例1〜3で調製したレジスト下層膜形成用組成物(J−9)〜(J−13)及び(CJ−1)〜(CJ−3)については、400℃で90秒間加熱(焼成)を行ったレジスト下層膜付き段差基板も得た(実施例27〜31及び比較例7〜9)。
【0184】
<評価>
上記得られたレジスト下層膜付き基板及びレジスト下層膜付き段差基板について以下の手順で各種評価を行った。評価結果を表2に示す。表2中の「−」は、レジスト下層膜の性能が低く、評価することが困難であったため、評価を行わなかったことを示す。
【0185】
[溶媒耐性]
上記得られたレジスト下層膜付き基板をシクロヘキサノン(室温)に1分間浸漬した。浸漬前後の平均膜厚を測定し、浸漬前の平均膜厚をX0、浸漬後の平均膜厚をXとして、(X−X0)×100/X0で求められる数値の絶対値を算出し、膜厚変化率(%)とした。溶媒耐性は、膜厚変化率が1%未満の場合は「A」(良好)と、1%以上5%未満の場合は「B」(やや良好)と、5%以上の場合は「C」(不良)と評価した。
【0186】
[エッチング耐性]
上記得られたレジスト下層膜付き基板について、エッチング装置(東京エレクトロン社の「TACTRAS」)を用いて、CF/Ar=110/440sccm、PRESS.=30MT、HF RF=500W、LF RF=3000W、DCS=−150V、RDC=50%、30sec条件にて処理し、処理前後の平均膜厚から(nm/分)を算出し、比較例4に対する比率を算出した。エッチング耐性は、上記比率が0.95以上0.98未満の場合は「A」(極めて良好)と、0.98以上1.00未満の場合は「B」(良好)と、1.0以上の場合は「C」(不良)と評価した。
【0187】
[耐熱性]
上記調製したレジスト下層膜形成用組成物を、直径8インチのシリコンウエハ上にスピンコートしてレジスト下層膜を形成し、次に、このレジスト下層膜を400℃で150秒間加熱した。その基板より粉体を回収した後、TG−DTA装置を用いて、窒素雰囲気下で10℃/分の昇温速度にて加熱した際の質量減少(%)を耐熱性とした。耐熱性の値が小さいほど、レジスト下層膜の加熱時に発生する昇華物やレジスト下層膜の分解物が少なく、良好(高い耐熱性)であることを示す。耐熱性は、上記質量減少率が、0%以上5%未満の場合は「A」(極めて良好)と、5%以上10%未満の場合は「B」(良好)と、10%以上の場合は「C」(不良)と評価した。
【0188】
[埋め込み性]
上記得られたレジスト下層膜付き段差基板について、ボイドの有無を評価した。ボイドが認められないものを「A」(良好)と、ボイドが認められるものを「B」(不良)と評価した。
【0189】
【表2】
【0190】
表2の結果から分かるように、実施例のレジスト下層膜形成用組成物によれば、PGMEA等を溶媒として用いることができ、溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性に優れるレジスト下層膜を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0191】
本発明のレジスト下層膜形成用組成物によれば、溶媒としてPGMEA等を用いることができ、溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性に優れるレジスト下層膜を形成することができる。本発明のレジスト下層膜は、溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び埋め込み性に優れている。本発明のパターニングされた基板の製造方法によれば、上記形成された優れたレジスト下層膜を用いることにより、優れたパターン形状を有するパターニングされた基板を得ることができる。従って、これらは、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造等に好適に用いることができる。