(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内部ケース内に固定せずに載置され、かつ前記バーナユニットから供給された燃焼ガスの潜熱を回収するための二次熱交換器をさらに備えた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の温水機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記公報に記載された給湯器では、バーナユニット(バーナブロック)は、底壁の上方において側壁に固定されている。そのため、バーナユニットおよび一次熱交換器ユニットのいずれかを交換する場合には、バーナユニットと側壁との固定を解除しなければならない。したがって、仮に、バーナユニットおよび熱交換器ユニットが一体化された状態で外装ケース内に組み込まれる前に燃焼検査が行われたとしても、バーナユニットまたは熱交換器ユニットのいずれかに不具合が見つかった際に、バーナユニットおよび熱交換器ユニットのいずれかを交換することは困難である。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、バーナユニットおよび熱交換器ユニットが外装ケースに組み込まれる前に燃焼検査を行うことができ、かつバーナユニットおよび熱交換器ユニットのいずれかを容易に交換することができる、温水機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の温水機器は、外装ケースと、内部ケースと、バーナユニットと、一次熱交換器ユニットとを備えている。内部ケースは外装ケース内に固定されている。バーナユニットは内部ケース内に固定せずに載置され、かつ燃焼ガスを供給するためのものである。一次熱交換器ユニットは内部ケース内に固定せずに載置され、かつバーナユニットから供給された燃焼ガスの顕熱を回収するためのものである。
【0008】
本発明の温水機器によれば、バーナユニットおよび一次熱交換器ユニットは内部ケース内に固定せずに載置されている。このため、バーナユニットおよび一次熱交換器ユニットが内部ケースに載置された状態で燃焼検査を行うことができる。したがって、バーナユニットおよび一次熱交換器ユニットが外装ケースに組み込まれる前に燃焼検査を行うことができる。また、バーナユニットおよび一次熱交換器ユニットは内部ケース内に固定されていないため、バーナユニットおよび一次熱交換器ユニットのいずれかを容易に交換することができる。
【0009】
上記の温水機器においては、内部ケースは、第1貫通孔を有する前面部と第2貫通孔を有する後面部とを含んでいる。一次熱交換器ユニットは、一次熱交換器伝熱管と、一次熱交換器伝熱管を収容する一次熱交換器ケースとを含んでいる。一次熱交換器伝熱管は、一次熱交換器ケースから前面部側に突出する第1突出部と、一次熱交換器ケースから後面部側に突出する第2突出部とを含んでいる。第1突出部は第1貫通孔を通って前面部から突出しており、第2突出部は第2貫通孔を通って後面部から突出している。このため、第1突出部を第1貫通孔を通って前面部から突出させ、第2突出部を第2貫通孔を通って後面部から突出させることで、内部ケースを小型化することができる。また、第1突出部を第1貫通孔を通って前面部から突出させ、第2突出部を第2貫通孔を通って後面部から突出させることで、前面部と後面部とが対向する方向に一次熱交換器ユニットを内部ケースに対して出し入れすることができる。
【0010】
上記の温水機器は、バーナユニットに燃焼用空気を供給するための送風ユニットをさらに備えている。送風ユニットは、燃焼用空気を送風するための送風ファンと、送風ファンを回転させるための送風ファン用モータとを含んでいる。送風ファン用モータは、内部ケースの外側に配置されている。このため、送風ファン用モータを冷却することができる。これにより、送風ファン用モータの寿命を向上することができる。
【0011】
上記の温水機器においては、送風ファン用モータは、前記送風ファンに接続された駆動軸を含んでいる。駆動軸はバーナユニットと一次熱交換器ユニットとが積層された方向に延びている。このため、送風ファン用モータのロータおよびステータなどの駆動機構をバーナユニットと一次熱交換器ユニットとが積層された方向と交差する方向に配置することができる。これにより、バーナユニットと一次熱交換器ユニットとが積層された方向の送風ファン用モータの寸法を小さくすることができる。
【0012】
上記の温水機器は、内部ケース内に固定せずに載置され、かつバーナユニットから供給された燃焼ガスの潜熱を回収するための二次熱交換器をさらに備えている。このため、二次熱交換器が内部ケースに載置された状態で燃焼検査を行うことができる。また、二次熱交換器を容易に交換することができる。さらに、熱交換効率を向上することができる。
【0013】
上記の温水機器は、内部ケース内に固定され、かつ二次熱交換器を支持する支持部材をさらに備えている。支持部材は、二次熱交換器を載置する載置部と、載置部から一次熱交換器ユニットとは反対側に延びる仕切り部とを含んでいる。仕切り部は、内部ケースと間隔を隔てて配置されており、かつ開口を有している。このため、一次熱交換器ユニットで顕熱を回収された燃焼ガスを内部ケースと仕切り部との間の空間を経由して開口から二次熱交換器に流すことができる。したがって、二次熱交換器を支持する支持部材に集合筒としての機能を付加することができる。
【0014】
上記の温水機器においては、載置部は、二次熱交換で燃焼ガスの潜熱が回収されることにより発生したドレンを排出するための排出口を有する。このため、載置部に付着したドレンを排出口から排出することができる。したがって、載置部にドレンパンとしての機能を付加することができる。
【0015】
上記の温水機器は、外管と内管とをさらに備えている。外管は内部ケースの外面に取り付けられ、かつ第1流体が流れる。内管は外管の内部に挿入され、かつ第1流体よりも高い温度の第2流体が流れる。このため、第1流体を第2流体との熱交換により加熱することができる。また、外管および内管を内部ケースと一体化することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、バーナユニットおよび熱交換器ユニットが外装ケースに組み込まれる前に燃焼検査を行うことができ、かつバーナユニットおよび熱交換器ユニットのいずれかを容易に交換することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1における温水機器の構成について説明する。
【0019】
図1を参照して、本実施の形態の温水機器は、燃焼ガスの熱を回収可能な温水機器である。本実施の形態では、燃焼ガスの潜熱を回収可能な潜熱回収式温水機器を一例として本実施の形態の温水機器について説明する。以下では、各方向は温水機器を設置した状態を基準にしている。
【0020】
本実施の形態における温水機器は、燃焼ガスの熱を回収可能なものである。温水機器は、外装ケース1と、バーナユニット2と、送風ユニット3と、一次熱交換器ユニット4と、二次熱交換器5と、中和器6と、コントローラ7と、給湯経路8と、内部ケース10とを主に有している。
【0021】
図2では、説明の便宜のため、中和器6、コントローラ7、給湯経路8などは図示されていない。
図1および
図2を参照して、外装ケース1は、前面(正面)1a、底面(下面)1b、天面(上面)1c、一対の側面1dおよび後面(背面)1e(
図2参照)を有している。前面1aと後面1eとが対向する方向が外装ケース1の前後方向である。底面1bと天面1cとが対向する方向が外装ケース1の上下方向である。一対の側面1dが互いに対向する方向が外装ケース1の幅方向である。
【0022】
外装ケース1の前面1aの上部には燃焼ガスを排気するための排気口EPが挿入される排気孔1a1が設けられている。排気孔1a1は外装ケース1の内外を連通している。排気孔1a1は内部ケース10の排気口EPに連通している。また、外装ケース1の前面1aの中央には、空気を筐体1内に取り込むための複数の吸気口1a2が設けられている。これらの複数の吸気口1a2は外装ケース1の内外を連通している。
【0023】
外装ケース1は、前面(正面)1a、底面(下面)1b、天面(上面)1c、一対の側面1dおよび後面(背面)1eによって取り囲まれた内部空間ISを有している。この内部空間ISに、バーナユニット2、送風ユニット3、一次熱交換器ユニット4、二次熱交換器5、中和器6、コントローラ7、給湯経路8、内部ケース10が配置されている。外装ケース1内に内部ケース10が固定されている。内部ケース10は外装ケース1の後面1eの内面にネジで固定されている。
【0024】
図3および
図4を参照して、内部ケース10は、前面部(正面部)10a、底面部(下面部)10b、天面部(上面部)10c、一対の側面部10dおよび後面部(背面部)10eを有している。前面部10aは第1貫通孔H1を有している。後面部10eは第2貫通孔H2を有している。内部ケース10内にバーナユニット2、送風ユニット3の一部、一次熱交換器ユニット4、二次熱交換器5が収容されている。
【0025】
内部ケース10内に載置板11が取り付けられている。載置板11は内部ケース10の下部に配置されている。載置板11はバーナユニット2の内部に空気を導くための孔を有している。載置板11の上にバーナユニット2が載置されている。つまり、バーナユニット2は、内部ケース10内に固定せずに載置されている。具体的には、バーナユニット2はネジ止めまたは溶接などにより内部ケース10または載置板11に固定されずに載置板11の上に載置されている。
【0026】
バーナユニット2は、燃焼ガスを供給するためのものである。この燃焼ガスは、一次熱交換器ユニット4および二次熱交換器5との間で熱交換を行なうためのものである。バーナユニット2は、バーナケース2aと、複数のバーナ2bとを有している。
【0027】
バーナケース2aは底板に送風ユニット3からの空気を内部に取り込むための孔2a1を有している。この孔2a1は載置板11の孔に連通している。また、バーナケース2aは、複数のバーナ2bを支持するための仕切り部材2a2を有している。複数のバーナ2bの各々は仕切り部材2a2に支持されて、バーナケース2aに収容されている。複数のバーナ2bの各々のガス流入口は、バーナケース2aの壁面に設けられた開口部2a3に接続されている。
【0028】
内部ケース10の前面部10aにガス供給電磁弁13が設けられている。ガス供給電磁弁13はバーナケース2aの前方に配置されている。ガス供給電磁弁13は、開口部2a3から複数のバーナ2bのガス流入口にガスを供給するためのものである。
【0029】
複数のバーナ2bの上方には、点火プラグ14およびフレームロッド15が配置されている。点火プラグ14およびフレームロッド15の各々は、内部ケース10の前面部10aに取り付けられている。点火プラグ14は、バーナ2bに点火するためのものである。具体的には、点火プラグ14は、バーナ2bに設けられたターゲットとの間で点火スパークを生じさせることにより、バーナ2bから噴き出された燃料空気混合気(混合気)に火炎を生じさせるためのものである。
【0030】
フレームロッド15は、バーナ2bで生じた火炎の間に交流電圧を印加し火炎のイオン化による導電性、整流作用を利用して、フレームロッド15から火炎へ流れる直流電流(以下、炎電流という)を検知することにより火炎の有無を検出するためのものである。
【0031】
図3〜
図5を参照して、送風ユニット3は、バーナユニット2に燃焼用空気を供給するためのものである。送風ユニット3は、バーナユニット2よりも底面部10b側(下方)に配置されている。また、送風ユニット3は、一次熱交換器ユニット4および二次熱交換器5よりも底面部10b側に配置されている。
【0032】
送風ユニット3は、送風ファン用モータ3aと、送風ファン3bとを有している。送風ファン用モータ3aは送風ファン3bを回転させるためのものである。送風ファン3bは燃焼用空気を送風するためのものである。送風ファン用モータ3aは、内部ケース10の外側に配置されている。送風ファン用モータ3aには取付板3cが取り付けられている。送風ファン用モータ3aは取付板3cが内部ケース10の底面部10bの外面にネジで取り付けられることで内部ケース10の底面部10bに取り付けられている。
【0033】
送風ファン用モータ3aは、駆動軸3a1を有している。駆動軸3a1はバーナユニット2と一次熱交換器ユニット4とが積層された方向に延びている。駆動軸3a1は、結合部品3dを介して送風ファン3bに接続されている。送風ファン3bは円盤形状を有しており、円盤形状の中心に結合部品3dを介して駆動軸3a1が接続されている。
【0034】
送風ファン3bは内部ケース10の底面部10b上に設けられたファンケース3eに収容されている。送風ファン3bは内部ケース10内に配置されている。ファンケース3eは送風ファン3bを円盤形状の周方向に取り囲む壁を有しており、壁の一部に吹出口3e1が設けられている。本実施の形態では吹出口3e1は1つ設けられているが、吹出口3e1は複数設けられていてもよい。
【0035】
図1、
図3および
図4を参照して、一次熱交換器ユニット4および二次熱交換器5の各々は、バーナユニット2から供給された加熱用気体によって熱交換を行うためのものである。バーナユニット2の上に一次熱交換器ユニット4が載置されている。つまり、一次熱交換器ユニット4は、内部ケース10内に固定せずに載置されている。具体的には、一次熱交換器ユニット4はネジ止めまたは溶接などにより内部ケース10に固定されずにバーナユニット2の上に載置されている。一次熱交換器ユニット4よりも天面部10c側(上方)に二次熱交換器5が配置されている。
【0036】
一次熱交換器ユニット4と二次熱交換器5とは配管PPで接続されている。二次熱交換器5には、二次熱交換器5に水を供給するための給水配管8aが接続されている。一次熱交換器ユニット4には、一次熱交換器ユニット4から湯を送り出すための給湯配管8bが接続されている。
【0037】
一次熱交換器ユニット4は、バーナユニット2から供給された燃焼ガスの顕熱を回収するためのものである。一次熱交換器ユニット4は、一次熱交換器伝熱管4aと、一次熱交換器伝熱管4aを内部に収容する一次熱交換器ケース4bとを有している。一次熱交換器伝熱管4aの内部には被加熱流体が流される。一次熱交換器ケース4bの内部には、バーナユニット2で加熱された加熱用気体が導入される。
【0038】
一次熱交換器伝熱管4aは、一方端にて配管PPに接続されており、かつ他方端にて給湯配管8bに接続されている。これにより、一次熱交換器伝熱管4aの内部に湯水が流通される。
【0039】
一次熱交換器伝熱管4aは、一次熱交換器ケース4bの内部に位置する部分を有する複数の直線部(ケース内配管)4a1と、一次熱交換器ケース4bの外部において複数の直線部(ケース内配管)4a1を互いに接続する複数の曲げ部(接続管)4a2とを含んでいる。
【0040】
複数の直線部4a1は互いに間隔を隔てて配置されている。複数の曲げ部4a2は複数の直線部4a1のいずれかの一方端同士および複数の直線部4a1のいずれかの他方端同士を接続している。一次熱交換器伝熱管4aは、複数の直線部4a1と複数の曲げ部4a2とが1本につながれて蛇行するように構成されている。
【0041】
一次熱交換器伝熱管4aは、一次熱交換器ケース4bから前面部10a側に突出する第1突出部P1と、一次熱交換器ケース4bから後面部10e側に突出する第2突出部P2とを含んでいる。つまり、曲げ部4a2が第1突出部P1および第2突出部P2を構成している。第1突出部P1は第1貫通孔H1を通って前面部10aから突出している。第2突出部P2は第2貫通孔H2を通って後面部10eから突出している。
【0042】
前面部10aと、バーナケース2aおよび一次熱交換器ケース4bの各々との間にはフロントパッキン16が配置されている。フロントパッキン16は、前面部10aと、バーナケース2aおよび一次熱交換器ケース4bの各々との間の隙間を埋めるように構成されている。
【0043】
二次熱交換器5は、バーナユニット2から供給された燃焼ガスの潜熱を回収するためのものである。二次熱交換器5は、複数の二次熱交換器伝熱管5aと、複数の二次熱交換器伝熱管5aの一方端および他方端に設けられた2つのヘッダ部5b(
図8参照)とを有している。複数の二次熱交換器伝熱管5aは、らせん状に設けられた部分を有している。複数の二次熱交換器伝熱管5aは互いに積層されている。2つのヘッダ部5bの各々は、複数の二次熱交換器伝熱管5aの一方端同士および他方端同士をつなぐように構成されている。二次熱交換器伝熱管5aは、一方端にてヘッダ部5bを介して給水配管8aに接続されており、かつ他方端にてヘッダ部5bを介して配管PPに接続されている。
【0044】
一次熱交換器ユニット4の上方に支持部材12が配置されている。支持部材12は内部ケース10内に固定されている。支持部材12は、二次熱交換器5を支持するものである。二次熱交換器5は支持部材12に載置されている。つまり、二次熱交換器5は、内部ケース10内に固定せずに載置されている。具体的には、二次熱交換器5はネジ止めまたは溶接などにより内部ケース10または支持部材12に固定されずに支持部材12の上に載置されている。なお、二次熱交換器5は、図示しない保持部材を介して支持部材12上に載置されている。この保持部材は、積層された二次熱交換器伝熱管5aの間に挿入されて二次熱交換器伝熱管5aを保持した状態で支持部材12に載置されている。
【0045】
図6を参照して、支持部材12は、二次熱交換器5を載置する載置部12aと、載置部12aから一次熱交換器ユニット4とは反対側に延びる仕切り部12bとを含んでいる。仕切り部12bは、内部ケース10の後面部10eと間隔を隔てて配置されている。仕切り部12bは開口12b1を有している。開口12b1は内部ケース10の後面部10eと対向して配置されている。開口12b1は載置部12aよりも上方に配置されている。なお、支持部材12の両側にはサイドパッキン20がそれぞれ設けられている。
【0046】
図3および
図4を参照して、図中矢印で示すように、バーナユニット2から供給され、一次熱交換器ユニット4で熱交換した後の燃焼ガスは、内部ケース10の後面部10eと仕切り部12bとの間を通って開口12b1から二次熱交換器5へ流れる。燃焼ガスは二次熱交換器5を通った後に排気口EPから内部ケース10の外部に排気される。なお、
図2および
図3に示すように、排気口EPは排気孔1a1に連通しているため、内部ケース10の外部に排気された燃焼ガスは外装ケース1からも排気される。
【0047】
一次熱交換器ユニット4で熱交換した後の燃焼ガスが二次熱交換器5へ通されることで二次熱交換器5内の水(被加熱流体)が予熱される。この過程で燃焼ガスの温度が60℃程度まで下がることで、燃焼ガス中に含まれる水分が凝縮して潜熱が回収される。そして、燃焼ガスの潜熱が回収されることによってドレンが発生する。このドレンは、排気ガス中の窒素酸化物などが溶け込んでいるため酸性となる。
【0048】
二次熱交換器5の下方に配置された載置部12aは、二次熱交換器5で生じたドレンを受けるように構成されている。載置部12aは、二次熱交換器で燃焼ガスの潜熱が回収されることにより発生したドレンを排出するための排出口12a1を有している。排出口12a1は排出管17に接続されている。排出管17は、
図1に示すドレン配管6aに接続されている。
【0049】
再び、
図1を参照して、載置部12aはドレン配管6aにより中和器6と接続されている。そのため、ドレンは、載置部12aからドレン配管6aを通って中和器6に送られる。
【0050】
中和器6は、二次熱交換器5で燃焼ガスの潜熱を回収することによって発生したドレンを中和するためのものである。中和器6の内部には中和剤が充填されており、この中和剤によって酸性のドレンを中和することができる。中和器6には排水管6bが接続されており、中和器6で中和されたドレンは排水管6bを通って外装ケース1外に排出される。
【0051】
コントローラ7は、バーナユニット2、送風ユニット3などを制御するためのものである。コントローラ7は、バーナユニット2、送風ユニット3などに電気的に接続されている。コントローラ7は、たとえばマイクロコンピュータ(図示せず)などを有している。
【0052】
給湯経路8は、一次熱交換器ユニット4および二次熱交換器5で燃焼ガスと熱交換された湯水を温水機器外に供給するためのものである。給湯経路8は、給水配管8aと、給湯配管8bと、入水口IWと、出湯口OWとを有している。給水配管8aは、二次熱交換器5と入水口IWとを接続している。給湯配管8bは、一次熱交換器ユニット4と出湯口OWとを接続している。
【0053】
入水口IWから給水配管8aを通って二次熱交換器5に被加熱流体である水が給水される。二次熱交換器5から一次熱交換器ユニット4に配管PPを通って水が流れる。そして、一次熱交換器ユニット4から給湯配管8bを通って出湯口OWから一次熱交換器ユニット4および二次熱交換器5で温められた温水が給湯される。つまり、入水口IWから給水配管8aを通って給水された水は、二次熱交換器5および一次熱交換器ユニット4を通過する際に燃焼ガスによって加熱されて給湯配管8bを通って出湯口OWから給湯される。
【0054】
続いて、
図7〜
図10を参照して、内部ユニットの製造方法について説明する。ここで、内部ユニットは、
図3および
図4に示すように、内部ケース10内にバーナユニット2、送風ユニット3の送風ファン3b、一次熱交換器ユニット4、二次熱交換器5が収容され、内部ケース10の外部に送風ユニット3の送風ファン用モータ3aが取り付けられたものである。内部ユニットは、送風ファンユニットの吸気口および排気口EPを除いて気密に封止されている。このため、内部ユニット内に燃焼ガスを流して、給排気を含めた燃焼検査を行うことができる。
【0055】
図7を参照して、内部ケース10の天面部10c、一対の側面部10d、後面部10eを有する枠体が準備される。この枠体の内部の下部に載置板11が固定され、上部に支持部材12が固定される。たとえば、載置板11および支持部材12はそれぞれスポット溶接により枠体に固定される。
【0056】
内部ケース10の底面部10bに送風ユニット3が取り付けられる。送風ファン3bは底面部10bの内側に配置され、送風ファン用モータ3aは底面部10bの外側に配置される。送風ユニット3が取り付けられた底面部10bが内部ケース構成部材に取り付けられる。これにより、内部ケース10が形成される。
【0057】
図8および
図9を参照して、内部ケース10に前面部10a側からバーナユニット2、一次熱交換器ユニット4、二次熱交換器5がそれぞれ組み付けられる。バーナユニット2は載置板11上に載置される。バーナユニット2はネジ止めまたは溶接などにより内部ケース10または載置板11に固定されない。一次熱交換器ユニット4はバーナユニット2上に載置される。一次熱交換器ユニット4はネジ止めまたは溶接などにより内部ケース10に固定されない。この際、後面部10eの第2貫通孔H2に一次熱交換器ユニット4の後面部10e側の曲げ部4a2が挿入される。二次熱交換器5は支持部材12に載置される。二次熱交換器5はネジ止めまたは溶接などにより内部ケース10または支持部材12に固定されない。
【0058】
内部ケース1内にバーナユニット2、一次熱交換器ユニット4、二次熱交換器5がそれぞれ組み付けられた状態で、フロントパッキン16が前面部10a側から組み付けられる。フロントパッキン16は、排気口EPに連通する第1孔16aと、第1貫通孔H1に連通する第2孔16bと、排出管17を通す第3孔16cと、点火プラグ14およびフレームロッド15を通す第4孔16dを有している。フロントパッキン16は、第1孔16aと排気口EPとを連通させ、第2孔16bと第1貫通孔H1とを連通させ、第3孔16cに排出管17を通し、第4孔16dに点火プラグ14およびフレームロッド15を通すように組み付けられる。
【0059】
続いて、
図9および
図10を参照して、内部ケース10の前面部10aが取り付けられる。前面部10aは、排出管17を通す第1挿通孔10a1と、点火プラグ14およびフレームロッド15を通す第2挿通孔10a2とを有している。前面部10aの第1貫通孔H1に一次熱交換器ユニット4の前面部10a側の曲げ部4a2が挿通される。第1挿通孔10a1に排出管17が挿入される。第2挿通孔10a2に点火プラグ14およびフレームロッド15が挿通される。前面部10aが組み付けられることにより、フロントパッキン16が前面部10aによってバーナユニット2、一次熱交換器ユニット4に押し付けられる。このようにして、
図10に示すように、内部ユニットが製造される。
【0060】
なお、上記では、二次熱交換器5が内部ケース10内に固定せずに載置されている場合について説明したが、二次熱交換器5は内部ケース10内に固定されていてもよい。具体的には、内部ケース10内に配置されたヘッダ部5bと、
図8に示す内部ケース10外に固定された外側ヘッダ部HPとが、互いの間にパッキンを挟み込んでネジで固定されてもよい。この場合、ヘッダ部5bが外側ヘッダ部HPに固定されることで、二次熱交換器5が内部ケース10内に固定される。
【0061】
また、二次熱交換器5を内部ケース10内に固定せずに載置する方法として、ヘッダ部5bと外部ヘッダ部HPとを溶接した状態で、外部ヘッダ部HPを内部ケース10に設けられた挿入口に挿入してもよい。この場合、二次熱交換器5が支持部材12に載置されるとともに、外部ヘッダ部HPが内部ケース10の挿入口に挿入されることで、二次熱交換器5を内部ケース10内に固定せずに載置することが可能である。
【0062】
次に本発明の実施の形態1の温水機器の作用効果について説明する。
本発明の実施の形態1の温水機器によれば、バーナユニット2および一次熱交換器ユニット4は内部ケース10内に固定せずに載置されている。このため、バーナユニット2および一次熱交換器ユニット4は内部ケース10内に載置されているので、バーナユニット2および一次熱交換器ユニット4が内部ケース10に載置された状態で燃焼検査を行うことができる。したがって、バーナユニット2および一次熱交換器ユニット4が外装ケース1に組み込まれる前に燃焼検査を行うことができる。また、バーナユニット2および一次熱交換器ユニット4は内部ケース10内に固定されていないため、バーナユニット2および一次熱交換器ユニット4のいずれかを容易に交換することができる。よって、たとえば燃焼検査で不具合が見つかった際に、バーナユニット2および一次熱交換器ユニット4のいずれかを容易に交換することができる。
【0063】
さらに、バーナユニット2および一次熱交換器ユニット4を別個に内部ケース10に組み付けるので組み付けが容易である。また、バーナユニット2および一次熱交換器ユニット4を別個に製造できるので生産性を向上することができる。
【0064】
また、本発明の実施の形態1の温水機器においては、第1突出部P1を第1貫通孔H1を通って前面部10aから突出させ、第2突出部P2を第2貫通孔H2を通って後面部10eから突出させることで、第1突出部P1および第2突出部P2の分だけ内部ケース10を小型化することができる。また、第1突出部P1を第1貫通孔H1を通って前面部10aから突出させ、第2突出部P2を第2貫通孔H2を通って後面部10eから突出させることで、前面部10aと後面部10eとが対向する方向に一次熱交換器ユニット4を内部ケース10に対して出し入れすることができる。
【0065】
また、本発明の実施の形態1の温水機器においては、送風ファン用モータ3aは、内部ケース10の外側に配置されている。このため、内部ケース10内に配置されている場合に比べて、送風ファン用モータ3aを冷却することができる。これにより、送風ファン用モータ3aが熱により故障することを抑制できるため、送風ファン用モータ3aの寿命を向上することができる。
【0066】
また、本発明の実施の形態1の温水機器においては、送風ファン用モータ3aの駆動軸3a1はバーナユニット2と一次熱交換器ユニット4とが積層された方向に延びている。このため、送風ファン用モータ3aのロータおよびステータなどの駆動機構をバーナユニット2と一次熱交換器ユニット4とが積層された方向と交差する方向に配置することができる。つまり、送風ファン用モータ3aを横型にすることができる。これにより、バーナユニット2と一次熱交換器ユニット4とが積層された方向の送風ファン用モータ3aの寸法を小さくすることができる。また、送風ファン用モータ3aを横型にすることにより、ファンケース3eの吹出口3e1の配置の自由度を向上することができる。
【0067】
また、本実施の形態1の温水機器においては、二次熱交換器5が内部ケース10内に固定せずに載置されている。このため、二次熱交換器5が内部ケース10に載置された状態で燃焼検査を行うことができる。したがって、二次熱交換器5が外装ケース1に組み込まれる前に燃焼検査を行うことができる。また、二次熱交換器5を容易に交換することができる。さらに、熱交換効率を向上することができる。
【0068】
また、本実施の形態1の温水機器においては、一次熱交換器ユニット4で顕熱を回収された燃焼ガスを内部ケース10と仕切り部12bとの間の空間を経由して開口12b1から二次熱交換器5に流すことができる。したがって、二次熱交換器5を支持する支持部材12に集合筒としての機能を付加することができる。
【0069】
また、本実施の形態1の温水機器においては、載置部12aは、二次熱交換器5で燃焼ガスの潜熱が回収されることにより発生したドレンを排出するための排出口12a1を有する。このため、載置部12aに付着したドレンを排出口12a1から排出することができる。したがって、載置部12aにドレンパンとしての機能を付加することができる。
【0070】
(実施の形態2)
図11〜
図13を参照して、本発明の実施の形態2の温水機器について説明する。以下、特に説明しない限り、上記の実施の形態1と同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。なお、これについては、下記の実施の形態3についても同様である。
【0071】
図11および
図12に示すように、本発明の実施の形態2の温水機器は、第1の二次熱交換器51と第2の二次熱交換器52とを備えている点で実施の形態1の温水機器と主に異なっている。第1の二次熱交換器51は、二次熱交換器伝熱管51aと、ヘッダ部51bとを有している。第2の二次熱交換器52は、二次熱交換器伝熱管52aと、ヘッダ部52bとを有している。たとえば、第1の二次熱交換器51は給湯用に用いられ、第2の二次熱交換器52は暖房用に用いられてもよい。
【0072】
図12および
図13を参照して、支持部材12は、載置部12aと、仕切り部12bと、仕切り板12cと、複数の支持板12dとを有している。仕切り板12cは載置部12a上に固定されている。仕切り板12cによって、第1の二次熱交換器51が配置された空間と、第2の二次熱交換器52が配置された空間とが仕切られている。複数の支持板12dはそれぞれ仕切り板12cを挟んで両側に突出している。複数の支持板12dはそれぞれ仕切り板12cに交差する方向に延在している。複数の支持板12dによって、第1の二次熱交換器51の二次熱交換器伝熱管51aおよび第2の二次熱交換器52の二次熱交換器伝熱管52aの各々が支持されている。
【0073】
本発明の実施の形態2の温水器は、第1の二次熱交換器51および第2の二次熱交換器52を備えているため、たとえば、給湯用および暖房用の両方で、燃焼ガスの潜熱を回収して熱交換効率を向上することができる。
【0074】
なお、本実施の形態の温水機器は、第1の二次熱交換器51および第2の二次熱交換器52のそれぞれに接続される複数の一次熱交換器ユニット4を備えていてもよい。
【0075】
(実施の形態3)
図14および
図15を参照して、本発明の実施の形態3の温水機器について説明する。本発明の実施の形態3の温水機器は、外管31および内管32とを有する熱交換部をさらに備えている点で実施の形態1の温水機器と主に異なっている。この熱交換部は、たとえば、風呂の湯水を追焚きするためのバスヒータである。
【0076】
外管31は内部ケース10の外面に取り付けられている。本実施の形態では、外管31は内部ケース10の後面部10eの外面に取り付けられている。外管31は入口31aと出口31bとを有している。外管31の内部に第1の流体が流れる。第1の流体は、たとえば、風呂の湯水である。この場合には、風呂から湯水が外管31の入口31aに流入し、外管31の内部を通って出口31bから再び風呂に戻る。
【0077】
内管32は外管31の内部に挿入されている。内管32は入口32aと出口32bとを有している。内管32の内部に第1の流体を熱交換により加熱するための第2の流体が流れる。第2流体は、たとえば、温水機器から供給される暖房用の高温水である。温水機器から高温水が内管32の入口32aに流入し、内管32の内部を通って出口32bから再び温水機器に戻る。
【0078】
つまり、外管31および内管32を有する熱交換部は、液液熱交換器であり、内管32で構成される内側の流路には熱媒体が通され、外管31で構成される外側の流路には加熱される水が通される。したがって、外管31を流れる第1の流体としての風呂の湯水が内管32を流れる第2の流体としての高温水により加熱される。外管31の流体の流れと内管32の流体の流れとは、同じ方向であってもよく、対向する方向(対向流)であってもよい。対向流にすることで熱交換効率を向上することができる。
【0079】
内管32の材質は銅であり、外管31の材質はたとえば樹脂などの銅よりも放熱しにくいものであってもよい。
【0080】
本発明の実施の形態3の温水器では、外管31は内部ケース10の外面に取り付けられ、内管32は外管の32内部に挿入されている。このため、外管31を流れる第1流体を内管32を流れる第2流体との熱交換により加熱することができる。また、外管31および内管32を内部ケース10と一体化することができる。これにより、外管31および内管32を備えた内部ケース10を小型化することができる。
【0081】
上記の各実施の形態は適宜組み合わせられ得る。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。