特許第6642106号(P6642106)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6642106
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/00 20200101AFI20200127BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
   B60Q1/00 C
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-35589(P2016-35589)
(22)【出願日】2016年2月26日
(65)【公開番号】特開2017-152304(P2017-152304A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2019年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】谷村 朋邦
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−18780(JP,A)
【文献】 特開2015−95328(JP,A)
【文献】 特開2013−161591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
B60Q 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光回路と、
前記発光回路とは接続可能に構成される制御回路と
を備え、
前記制御回路は、
互いに並列に接続された複数のスイッチング素子を含み、前記複数のスイッチング素子のそれぞれに対応して、第1の素子が実装可能な第1の実装領域が形成され、
前記発光回路は、
前記複数のスイッチング素子のそれぞれと直列に接続可能な発光素子を含み、前記第1の実装領域のそれぞれと直列に第2の素子が実装可能な第2の実装領域が形成され、
前記第1の素子は、
前記発光素子の光束の区分に対応したものが、少なくとも前記第1の実装領域の何れか1つに実装され、
前記第2の素子は、
前記発光素子の光束の区分に対応したものが、少なくとも前記第2の実装領域の何れか1つに実装され、
前記スイッチング素子は、
前記制御回路と、前記発光回路とが接続された場合、前記第1の素子と、前記第2の素子との接続の組み合わせに基づいて、前記発光素子を点灯させるか否かが決定され、
前記発光回路は、
前記制御回路との接続関係が、前記発光素子の光束のランクに対応する場合、前記スイッチング素子により前記発光素子が点灯される
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記発光素子は、
当該発光素子の光束のランクに対応して、複数直列接続されて実装される
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記スイッチング素子は、
前記第1の素子及び前記第2の素子の抵抗値と、前記第1の素子及び前記第2の素子に印加される印加電圧とにより、当該スイッチング素子の駆動電圧が満たされた場合、駆動する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記スイッチング素子は、
前記制御回路と、前記発光回路とが接続された際、
前記第1の素子と、前記第2の素子との接続の組み合わせが前記光束のランクに対応しない場合、前記発光素子を点灯させず、
前記第1の素子と、前記第2の素子との接続の組み合わせが前記光束のランクに対応する場合、前記発光素子を点灯させる
ことを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LEDのような発光素子を用いた車両用灯具には、光束のランクに応じて、配光に必要な光束が出力できるように、光束の区分ごとに電流が設定されているものがある。このような車両用灯具は、必要な光束を出力するために、抵抗素子、定電流、又はDC−DC方式が一般に用いられている。
【0003】
例えば、光束のランクに応じた適正な電流が発光素子群に供給されるように、抵抗素子が設けられているものがある(例えば、特許文献1参照)。また、抵抗素子のオープン、抵抗素子のショート、及びトリミング抵抗の乗数調整等を混在させることにより、出力電流を所定の設定電流値に設定するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
このように、車両用灯具には、光束のランクごとに抵抗の乗数を変更することにより、出力電流が設定されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−154910号公報
【特許文献2】特開2004−34742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のような従来技術は、発光素子と、抵抗素子とが同一基板上に実装されることが必須条件となっている。しかし、意匠の自由度を増やすためには、車両用灯具は、特許文献2に記載のように、制御回路と、発光素子を含む発光回路とが基板別体で部品実装されることがある。本来、基板別体の場合には、発光素子の光束のランクごとに発生する電流の組合せ差異がなくなるように、基板に直付けのコネクタを使用し、実装メーカー発送後、分離できない構造にすることが多い。
【0007】
しかし、梱包等の便宜上、制御回路と、発光回路とを接続するハーネスアッシーも別体の構造にしなければならない場合がある。よって、制御回路と、発光回路とがどのような組合せであっても、法規を満たすような構成とすることにより、法規を満たさない構成を流出させない工程を検討する必要があるが、設備導入等により、製品コストが大幅に上がる恐れがある。
【0008】
したがって、従来技術においては、製品コストを上げることなく、制御回路と、発光回路との組合せ間違い品の流出を確実に防止することができない恐れがある。
【0009】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、製品コストを上げることなく、制御回路と、発光回路との組合せ間違い品の流出を確実に防止する車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用灯具は、発光回路と、前記発光回路とは接続可能に構成される制御回路とを備え、前記制御回路は、互いに並列に接続された複数のスイッチング素子を含み、前記複数のスイッチング素子のそれぞれに対応して、第1の素子が実装可能な第1の実装領域が形成され、前記発光回路は、前記複数のスイッチング素子のそれぞれと直列に接続可能な発光素子を含み、前記第1の実装領域のそれぞれと直列に第2の素子が実装可能な第2の実装領域が形成され、前記第1の素子は、前記発光素子の光束の区分に対応したものが、少なくとも前記第1の実装領域の何れか1つに実装され、前記第2の素子は、前記発光素子の光束の区分に対応したものが、少なくとも前記第2の実装領域の何れか1つに実装され、前記スイッチング素子は、前記制御回路と、前記発光回路とが接続された場合、前記第1の素子と、前記第2の素子との接続の組み合わせに基づいて、前記発光素子を点灯させるか否かが決定され、前記発光回路は、前記制御回路との接続関係が、前記発光素子の光束のランクに対応する場合、前記スイッチング素子により前記発光素子が点灯されることを特徴とするものである。
【0011】
この車両用灯具によれば、製品コストを上げることなく、制御回路と、発光回路との組合せ間違い品の流出を確実に防止することができる。
【0012】
また、本発明に係る車両用灯具において、前記発光素子は、当該発光素子の光束のランクに対応して、複数直列接続されて実装されることが好ましい。
【0013】
この車両用灯具によれば、第1の素子と、第2の素子との接続関係が、発光素子の光束のランクと同一であれば、制御回路と、発光回路との接続関係の当否判定に発光素子を用いることができる。
【0014】
また、本発明に係る車両用灯具において、前記スイッチング素子は、前記第1の素子及び前記第2の素子の抵抗値と、前記第1の素子及び前記第2の素子に印加される印加電圧とにより、当該スイッチング素子の駆動電圧が満たされた場合、駆動することが好ましい。
【0015】
この車両用灯具によれば、接続の組合せが正しいか否かを低コストな構成で簡易に報知することができる。
【0016】
また、本発明に係る車両用灯具において、前記スイッチング素子は、前記制御回路と、前記発光回路とが接続された際、前記第1の素子と、前記第2の素子との接続の組み合わせが前記光束のランクに対応しない場合、前記発光素子を点灯させず、前記第1の素子と、前記第2の素子との接続の組み合わせが前記光束のランクに対応する場合、前記発光素子を点灯させることが好ましい。
【0017】
この車両用灯具によれば、製品コストを大幅に削減することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、製品コストを上げることなく、制御回路と、発光回路との組合せ間違い品の流出を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係る車両用灯具1の全体の回路構成の一例を示す図である。
図2】光束の区分ごとに、制御回路3に実装されうる第1の素子R_1と、発光回路5に実装されうる第2の素子R_2との組合せの一例を示す図である。
図3】直付けコネクタ71による制御回路3と発光回路5との接続例を示す図である。
図4】ハーネスアッシー73による制御回路3と発光回路5との接続例を示す図である。
図5】光束のランクが2つの場合における制御回路3に実装されうる第1の素子R_1と、発光回路5に実装されうる第2の素子R_2との組合せの一例を示す図である。
図6】制御回路3に実装される第1の素子R_1と、発光回路5に実装される第2の素子R_2との第1の組合せを示す図である。
図7】制御回路3に実装される第1の素子R_1と、発光回路5に実装される第2の素子R_2との第2の組合せを示す図である。
図8】制御回路3に実装される第1の素子R_1と、発光回路5に実装される第2の素子R_2との第3の組合せを示す図である。
図9】制御回路3に実装される第1の素子R_1と、発光回路5に実装される第2の素子R_2との第4の組合せを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限られるものではない。
【0021】
図1は、本実施形態に係る車両用灯具1の全体の回路構成の一例を示す図である。図1に示すように、車両用灯具1は、制御回路3と、発光回路5とを備え、制御回路3と、発光回路5とが接続されることにより、発光回路5の点灯及び消灯が制御回路3により制御される。
【0022】
制御回路3は、発光回路5とは接続可能に構成されるものである。制御回路3は、複数のスイッチング素子Tr1〜Tr26を含む。複数のスイッチング素子Tr1〜Tr26のそれぞれは、互いに並列に接続され、バイポーラトランジスタからなる。制御回路3には、複数のスイッチング素子Tr1〜Tr26のそれぞれに対応して、第1の素子R1〜R26が実装可能な第1の実装領域32が形成されている。例えば、スイッチング素子Tr1に対応した第1の実装領域32には、第1の素子R1が実装可能となっている。制御回路3は、パワーモジュール31を備える。パワーモジュール31は、スイッチング素子Trに出力電流を供給するものであり、例えば、IGBT等から構成される。
【0023】
なお、スイッチング素子Tr1〜Tr26の何れかを特に区別しない場合、スイッチング素子Trと称する。
【0024】
発光回路5は、複数のスイッチング素子Tr1〜Tr26のそれぞれと直列に接続可能な発光素子55を含む。発光回路5は、第1の実装領域32のそれぞれと直列に第2の素子R27〜R52が実装可能な第2の実装領域52が形成されている。例えば、第1の素子R1が実装される第1の実装領域32と直列な第2の実装領域52には、第2の素子R27が実装可能となっている。
【0025】
なお、第1の素子R1〜R26の何れかを特に区別しない場合、第1の素子R_1と称する。また、第2の素子R27〜R52の何れかを特に区別しない場合、第2の素子R_2と称する。
【0026】
次に、発光素子55について説明する。発光素子55は、発光素子55の光束のランクに対応して、複数直列に接続されて実装される。このように、同一ランク内にある発光素子55を直列に接続することにより、複数の発光素子55のそれぞれの明るさのばらつきが防止されつつ、ランクの小さな発光素子55に過電流が流れて劣化が促進されるのが回避されている。
【0027】
具体的には、第1の素子R_1は、発光素子55の光束の区分に対応したものが、少なくとも第1の実装領域32の何れか1つに実装される。第2の素子R_2は、発光素子55の光束の区分に対応したものが、少なくとも第2の実装領域52の何れか1つに実装される。
【0028】
次に、スイッチング素子Trについて説明する。スイッチング素子Trは、制御回路3と、発光回路5とが接続された場合、第1の素子R_1と、第2の素子R_2との接続の組み合わせに基づいて、発光素子55を点灯させるか否かが決定される。つまり、スイッチング素子Trは、制御回路3と、発光回路5との組み合わせにおいて、誤組が発生した際、出力遮断用素子として、パワーモジュール31からの出力電流を遮断させるように設定されている。これにより、制御回路3と、発光回路5との組み合わせにおいて、誤組が発生した場合、発光素子55が点灯しないため、誤組が発生していることが容易に確認され、法規NG品の製品の流出が防止される。
【0029】
具体的には、スイッチング素子Trは、第1の素子R_1及び第2の素子R_2の抵抗値と、第1の素子R_1及び第2の素子R_2に印加される印加電圧Vinとにより、スイッチング素子Trの駆動電圧が満たされた場合、駆動するものである。スイッチング素子Trは、制御回路3と、発光回路5とが接続された場合、第1の素子R_1と、第2の素子R_2との接続の組み合わせが発光素子55の光束のランクに対応しない場合、発光素子55を点灯させない。一方、スイッチング素子Trは、制御回路3と、発光回路5との接続の組み合わせが発光素子55の光束のランクに対応する場合、発光素子55を点灯させる。
【0030】
次に、第1の素子R_1と、第2の素子R_2との接続関係について説明する。図2は、光束の区分ごとに、制御回路3に実装されうる第1の素子R_1と、発光回路5に実装されうる第2の素子R_2との組合せの一例を示す図である。図2に示すように、例えば、発光素子55の光束の区分がAの場合、設定電流は200mA、制御回路3の回路番号はA、発光回路5の回路番号はBとなっており、第1の素子R1が実装され、第2の素子R27が実装される。
【0031】
第1の素子R_1及び第2の素子R_2は、スイッチング素子Trの駆動に用いるものであり、発光素子55の順方向電圧特性Vfのランクに対応している。例えば、第1のランクの場合、回路番号がAのものであり、スイッチング素子Tr1に対応した第1の素子R1と第2の素子R27とが実装される。また、例えば、第2のランクの場合、回路番号がBのものであり、スイッチング素子Tr2に対応した第1の素子R2と第2の素子R28とが実装される。また、例えば、第4のランクの場合、回路番号が不図示のDのものであり、スイッチング素子Tr4に対応した第1の素子R4と第2の素子R30とが実装される。
【0032】
つまり、発光回路5に実装されている発光素子55の光束と同一の区分に対応するものが、第1の実装領域32と、第2の実装領域52とにそれぞれ実装されていれば、発光回路5と、制御回路3との接続の組み合わせは、発光素子55の光束の同一のランクに対応する。これにより、スイッチング素子Trは、発光素子55を点灯する。
【0033】
なお、印加電圧Vinは、安定供給可能なものであればよいため、不図示の車両のバッテリーライン又は各種ICの内部電源等を利用すればよい。また、回路番号がAの場合、第1の素子R_1及び第2の素子R_2による抵抗の乗数は、次式(1)のように表される。
【0034】
【数1】
【0035】
式(1)において、出力電圧は、直列に接続された発光素子55全体の順方向電圧を意味するものとする。よって、スイッチング素子Trの許容電流は、発光素子55に流れる電流を満足するものが選定されればよい。
【0036】
次に、制御回路3と、発光回路5との接続構成について図3,4を用いて説明する。図3は、直付けコネクタ71による制御回路3と発光回路5との接続例を示す図である。図4は、ハーネスアッシー73による制御回路3と発光回路5との接続例を示す図である。
【0037】
図3に示すように、制御回路3と、発光回路5とは、直付けコネクタ71により分離できない構造となっている。よって、制御回路3と、発光回路5との組み合わせの良否判定がされたものが実装されれば、発光素子55の光束のランクごとに発生する電流の組み合わせ差異が発生することはない。
【0038】
一方、図4に示すように、第1のコネクタ33を有する制御回路3と、第2のコネクタ53を有する発光回路5とが別体であって、複数本のケーブルと端部にコネクタを有するハーネスアッシー73も別体の場合、発光素子55の光束のランクごとに発生する電流の組み合わせ差異が発生する恐れがある。
【0039】
そこで、制御回路3と、発光回路5との組み合わせの良否判定を行う必要が生じる。図5は、光束のランクが2つの場合における制御回路3に実装されうる第1の素子R_1と、発光回路5に実装されうる第2の素子R_2との組合せの一例を示す図である。図5の場合、制御回路3と、発光回路5との接続関係として、第1〜第4の組み合わせが想定されている。
【0040】
次に、第1〜第4のそれぞれの組み合わせについて図6〜9を用いて説明する。図6は、制御回路3に実装される第1の素子R_1と、発光回路5に実装される第2の素子R_2との第1の組合せを示す図である。図6の場合、図5に示すように、制御回路3の回路番号はAであり、発光回路5の回路番号はAである。制御回路3において、回路番号がAの第1の実装領域32には、第1の素子R1が実装されている。発光回路5において、回路番号がAの第2の実装領域52には、第2の素子R27が実装されている。
【0041】
よって、制御回路3と、発光回路5とが、ハーネスアッシー73を介して接続された場合、第1の素子R1と、第2の素子R27とが直列に接続される。これにより、スイッチング素子Tr1が駆動するため、パワーモジュール31から供給される出力電流が発光素子55に流れ、発光素子55は点灯する。
【0042】
図7は、制御回路3に実装される第1の素子R_1と、発光回路5に実装される第2の素子R_2との第2の組合せを示す図である。図7の場合、図5に示すように、制御回路3の回路番号はBであり、発光回路5の回路番号はBである。制御回路3において、回路番号がBの第1の実装領域32には、第1の素子R2が実装されている。発光回路5において、回路番号がBの第2の実装領域52には、第2の素子R28が実装されている。
【0043】
よって、制御回路3と、発光回路5とが、ハーネスアッシー73を介して接続された場合、第1の素子R2と、第2の素子R28とが直列に接続される。これにより、スイッチング素子Tr2が駆動するため、パワーモジュール31から供給される出力電流が発光素子55に流れ、発光素子55は点灯する。
【0044】
図8は、制御回路3に実装される第1の素子R_1と、発光回路5に実装される第2の素子R_2との第3の組合せを示す図である。図8の場合、図5に示すように、制御回路3の回路番号はAであり、発光回路5の回路番号はBである。制御回路3において、回路番号がAの第1の実装領域32には、第1の素子R1が実装されている。制御回路3において、回路番号がBの第1の実装領域32には、第1の素子R2は実装されていない。発光回路5において、回路番号がBの第2の実装領域52には、第2の素子R28が実装されている。発光回路5において、回路番号がAの第2の実装領域52には、第2の素子R27は実装されていない。
【0045】
よって、制御回路3と、発光回路5とが、ハーネスアッシー73を介して接続された場合、第1の素子R1と接続する第2の素子R_2は存在せず、第2の素子R28と接続する第1の素子R_1も存在しない。これにより、スイッチング素子Tr1及びスイッチング素子Tr2は共に駆動しない。よって、パワーモジュール31から供給される出力電流が発光素子55に流れる前に遮断され、発光素子55は消灯したままとなる。
【0046】
図9は、制御回路3に実装される第1の素子R_1と、発光回路5に実装される第2の素子R_2との第4の組合せを示す図である。図9の場合、図5に示すように、制御回路3の回路番号はBであり、発光回路5の回路番号はAである。制御回路3において、回路番号がAの第1の実装領域32には、第1の素子R1が実装されていない。制御回路3において、回路番号がBの第1の実装領域32には、第1の素子R2は実装されている。発光回路5において、回路番号がBの第2の実装領域52には、第2の素子R28が実装されていない。発光回路5において、回路番号がAの第2の実装領域52には、第2の素子R27は実装されている。
【0047】
よって、制御回路3と、発光回路5とが、ハーネスアッシー73を介して接続された場合、第1の素子R2と接続する第2の素子R_2は存在せず、第2の素子R27と接続する第1の素子R_1も存在しない。これにより、スイッチング素子Tr1及びスイッチング素子Tr2は共に駆動しない。よって、パワーモジュール31から供給される出力電流が発光素子55に流れる前に遮断され、発光素子55は消灯したままとなる。
【0048】
このように、発光回路5は、制御回路3との接続関係が、発光素子55の光束のランクに対応する場合、スイッチング素子Trにより発光素子55が点灯される。一方、発光回路5は、制御回路3との接続関係が、発光素子55の光束のランクに対応しない場合、スイッチング素子Trにより発光素子55が点灯されることはなく、発光素子55は消灯したままとなる。
【0049】
以上、車両用灯具1は、制御回路3と、発光回路5とが接続された場合、制御回路3及び発光回路5のそれぞれに、発光素子55の光束の区分に対応した素子が実装されている場合、発光素子55が点灯する。これにより、接続の組合せの当否が報知される。
【0050】
具体的には、制御回路3は、複数のスイッチング素子Trのそれぞれに対応して、第1の素子R_1が実装可能な第1の実装領域32が形成され、少なくとも第1の実装領域32の何れか1つには第1の素子R_1が実装されている。
【0051】
発光回路5は、第1の実装領域32のそれぞれと直列に第2の素子R_2が実装可能な第2の実装領域52が形成され、少なくとも第2の実装領域52の何れか1つには第2の素子R_2が実装されている。
【0052】
よって、第1の素子R_1と、第2の素子R_2とが、発光素子55の同一の光束の区分に対応したものであれば、制御回路3と、発光回路5が接続されることにより、第1の素子R_1と、第2の素子R_2とが直列接続される。
【0053】
発光回路5は、制御回路3との接続関係が、発光素子55の同一のランクの区分に対応する場合、スイッチング素子Trにより発光素子55が点灯されるため、発光素子55が点灯されていれば、発光素子55の同一の光束の区分に対応する素子が、制御回路3及び発光回路5に実装されていることとなる。これにより、制御回路3と、発光回路5との組合せ間違い品が判定される。
【0054】
換言すれば、車両用灯具1は、制御回路3と発光回路5との接続関係が発光素子55の光束のランクに対応する場合、発光素子55が点灯することにより、接続の組合せが正しいか否かを低コストな構成で簡易に報知するため、製品コストを上げることなく、制御回路3と、発光回路5との組合せ間違い品の流出を確実に防止することができる。
【0055】
また、車両用灯具1において、発光素子55は、その発光素子55の光束のランクに対応して、複数直列に接続されて実装されている。これにより、第1の素子R_1と、第2の素子R_2との接続関係が、発光素子55の光束のランクと同一であれば、制御回路3と、発光回路5との接続関係の当否判定に発光素子55を用いることができる。
【0056】
また、車両用灯具1において、スイッチング素子Trは、第1の素子R_1及び第2の素子R_2の抵抗値と、第1の素子R_1及び第2の素子R_2に印加される印加電圧Vinとにより、スイッチング素子Trの駆動電圧が満たされた場合、駆動するものであるため、制御回路3と、発光回路5との接続関係が正しければ、出力電流が流れる。これにより、発光素子55が点灯するため、接続の組合せが正しいか否かを低コストな構成で簡易に報知することができる。
【0057】
また、車両用灯具1において、スイッチング素子Trは、第1の素子R_1と、第2の素子R_2との接続の組み合わせが発光素子55の光束のランクに対応していれば、発光素子55を点灯させるものであるため、制御回路3と、発光回路5との組み合わせが正常か否かを容易に判定することができる。よって、QRコード(登録商標)等を設定することで法規NG品を検出する必要がなくなり、製品コストを大幅に削減することができる。
【0058】
このようにして、本実施形態に係る車両用灯具1によれば、発光回路5と、発光回路5とは接続可能に構成される制御回路3とを備え、制御回路3は、互いに並列に接続された複数のスイッチング素子Trを含み、複数のスイッチング素子Trのそれぞれに対応して、第1の素子R_1が実装可能な第1の実装領域32が形成され、発光回路5は、複数のスイッチング素子Trのそれぞれと直列に接続可能な発光素子55を含み、第1の実装領域32のそれぞれと直列に第2の素子R_2が実装可能な第2の実装領域52が形成され、第1の素子R_1は、発光素子55の光束の区分に対応したものが、少なくとも第1の実装領域32の何れか1つに実装され、第2の素子R_2は、発光素子55の光束の区分に対応したものが、少なくとも第2の実装領域52の何れか1つに実装され、スイッチング素子Trは、制御回路3と、発光回路5とが接続された場合、第1の素子R_1と、第2の素子R_2との接続の組み合わせに基づいて、発光素子55を点灯させるか否かが決定され、発光回路5は、制御回路3との接続関係が、発光素子55の光束のランクに対応する場合、スイッチング素子Trにより発光素子55が点灯されるものである。
【0059】
これにより、車両用灯具1は、製品コストを上げることなく、制御回路3と、発光回路5との組合せ間違い品の流出を確実に防止することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る車両用灯具1によれば、発光素子55は、当該発光素子55の光束のランクに対応して、複数直列接続されて実装されるものである。
【0061】
これにより、車両用灯具1は、第1の素子R_1と、第2の素子R_2との接続関係が、発光素子55の光束の区分と同一であれば、制御回路3と、発光回路5との接続関係の当否判定に発光素子55を用いることができる。
【0062】
また、本実施形態に係る車両用灯具1によれば、スイッチング素子Trは、第1の素子R_1及び第2の素子R_2の抵抗値と、第1の素子R_1及び第2の素子R_2に印加される印加電圧Vinとにより、当該スイッチング素子Trの駆動電圧が満たされた場合、駆動するものである。
【0063】
これにより、車両用灯具1は、接続の組合せが正しいか否かを低コストな構成で簡易に報知することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る車両用灯具1によれば、スイッチング素子Trは、制御回路3と、発光回路5とが接続された際、第1の素子R_1と、第2の素子R_2との接続の組み合わせが光束のランクに対応しない場合、発光素子55を点灯させず、第1の素子R_1と、第2の素子R_2との接続の組み合わせが光束のランクに対応する場合、発光素子55を点灯させるものである。
【0065】
これにより、車両用灯具1は、製品コストを大幅に削減することができる。
【0066】
以上、本発明に係る車両用灯具1を実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【0067】
例えば、スイッチング素子Tr1〜Tr26が実装され、第1の素子R1〜R26及び第2の素子R27〜R52が実装されうる回路構成例について説明したが、これに限らず、異なる個数の素子が実装されていてもよい。要するに、制御回路3に実装される第1の素子R_1と、発光回路5に実装される第2の素子R_2とが対応関係にあればよく、それに合わせた分のスイッチング素子Trが実装されたものであればよい。
【0068】
また、スイッチング素子Trとしてバイポーラトランジスタが実装された回路構成の一例について説明したが、これに限らず、パワーモジュール31から供給される出力電流の通電状態を制御できる回路構成であればよい。例えば、MOSFET、IGBT、フォトカプラ、又はフォトインタラプタ等のようなものであってもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 車両用灯具
3 制御回路
31 パワーモジュール
32 第1の実装領域
33 第1のコネクタ
5 発光回路
52 第2の実装領域
53 第2のコネクタ
55 発光素子
71 直付けコネクタ
73 ハーネスアッシー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9