(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)情報出力システムの構成:
(2)出力制御システムの構成:
(3)情報出力処理:
(4)出力制御処理:
(5)他の実施形態:
【0013】
(1)情報出力システムの構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる情報出力システムおよび出力制御システムの構成を示すブロック図である。本実施形態において情報出力システムは、ナビゲーションシステム100によって実現される。ナビゲーションシステム100は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部200と記録媒体300とを備えており、制御部200は、記録媒体300やROMに記憶されたプログラムを実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとしてナビゲーションプログラムを実行可能である。ナビゲーションプログラムは、車両の現在地から目的地までの経路を探索し、当該経路に従って車両を走行させるための支援を行う機能を制御部200に実現させるプログラムである。本実施形態においてナビゲーションプログラムは、当該経路を探索する前に目的地となり得る位置を施設情報または指定情報から検索する機能を備えている。
【0014】
本実施形態においては、ナビゲーションプログラムによる機能を実現するため、車両に、通信部400と現在地センサ410とユーザI/F部420とが備えられている。通信部400は、サーバ10と通信する回路を備えており、制御部200は、通信部400を介して各種の情報を授受することができる。現在地センサ410は、ナビゲーションシステム100が搭載された車両の現在地を検出する装置であり、例えば、図示しないGPS受信部と車速センサとジャイロセンサ等によって構成される。制御部200は、現在地センサ410の出力情報に基づいて車両の現在地を取得することができる。
【0015】
ユーザI/F部420は、ユーザに各種の情報を提供し、また、ユーザの指示を入力するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネル式のディスプレイやスピーカーなどを備えている。制御部200は、当該ユーザI/F部420に対して制御信号を出力して任意の画像をディスプレイに表示させ、任意の音をスピーカーから出力させる。また、制御部200は、ユーザI/F部420の出力信号に基づいて入力部としてのディスプレイを介して行われた利用者の指示内容を特定する。すなわち、ユーザI/F部420は、画像および音の出力部として機能するとともに、利用者の指示等を入力する入力部として機能する。
【0016】
記録媒体300には予め地図情報300aが記憶されている。地図情報300aは、車両が走行する道路上に設定されたノードの位置等を示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士の連結等を示すリンクデータ、道路あるいは道路の周辺に存在する複数の施設を示す施設情報300bを含んでいる。施設情報300bには、各施設が存在する地点を示す情報が含まれ、各地点に施設の属性(店舗、公共施設等)、住所、名称等の情報が対応づけられることによって定義されている。本実施形態において、施設情報300bを含む地図情報300aは更新され得るが、当該更新は、利用者以外のサービス提供者によって生成された地図情報に基づいて実施される。
【0017】
利用者は、利用者が将来目的地として利用する等のために、ユーザI/F部420を操作して地点を指定し、指定された地点を含む指定情報を記録媒体に記録させることができる。本実施形態において、当該指定情報を記録媒体に記録させる指示は利用者がユーザI/F部420を操作することによって行われ、サーバ10が備える記録媒体30に指定情報が指定情報30aとして記録される(詳細は後述)。また、記録済みの指定情報には、利用者がユーザI/F部420を操作することによって情報の追加、更新等の編集を行うことができる。そして、本実施形態においては、施設情報300bが示す地点と指定情報が示す地点との双方を目的地として設定し得る。目的地は、種々の手法で選択可能であるが、その1手法として、本実施形態においては目的地を検索することができる。
【0018】
以上のような指定情報の記録や編集、検索を行うため、ナビゲーションプログラムは情報出力プログラム210を備えている。情報出力プログラム210は、記録指示受付部210aと、編集指示受付部210bと出力部210cとを備えている。記録指示受付部210aは、利用者が指定した地点を少なくとも含む指定情報を記録する指示を受け付けてサーバ10が備える記録媒体30に指定情報を記録させる機能を制御部200に実現させるプログラムモジュールである。
【0019】
すなわち、制御部200は、ユーザI/F部420に制御信号を出力し、指定情報を記録媒体に記録させる指示や、編集指示、目的地の検索指示等を行うことが可能な操作画面を表示させる。本実施形態において、指定情報を記録媒体に記録させる指示は、2種類の手法で実施可能である。すなわち、利用者は、ユーザI/F部420のディスプレイに表示された地図上の地点を選択し、当該地点を含む指定情報を記録媒体に記録させる指示を行うことができる。また、利用者は、車両の走行中にユーザI/F部420のディスプレイに表示された記録指示ボタンをタッチすることにより、車両の走行中に車両の現在地を含む指定情報を記録媒体に記録させる指示を行うことができる。
【0020】
これらの2種類の手法のいずれかによって指定情報を記録媒体に記録させる指示が行われると、制御部200は、記録指示受付部210aの処理によって当該指示にかかる地点を特定し、通信部400を介して当該地点を含む指定情報をサーバ10に対して送信する。なお、指定情報が走行中に利用者が指定した地点を含む場合、制御部200は、走行中であることを示す情報を指定情報に対応づけてサーバ10に対して送信する。サーバ10は、指定情報を受け付けて記録媒体30に指定情報30aとして記録する(詳細は後述)。
【0021】
編集指示受付部210bは、利用者による指定情報の編集指示を受け付けてサーバ10が備える記録媒体30に記録された指定情報30aを編集させる機能を制御部200に実現させるプログラムモジュールである。指定情報30aには少なくとも地点が含まれるため、利用者は、記録媒体30に記録された指定情報30aを利用することで、利用者自身が過去に登録した地点の情報を再利用することができる。しかし、利用者が利用を望む情報は地点のみに限られない。
【0022】
そこで、本実施形態においては、利用者が、地点に関して名称や住所の文字列、地点に存在する施設等、任意の情報を指定情報に追加し、または、既存の情報を修正することで指定情報を編集することができる。上述の操作画面によって利用者が編集指示を行うと、制御部200は、編集指示受付部210bの処理により、ユーザI/F部420を介して指定情報の編集内容、すなわち、指定情報に追加する情報や既存の指定情報に対する修正内容を示す情報を取得する。
【0023】
利用者によって編集内容の確定操作が行われると、制御部200は、通信部400を介して編集内容を示す情報をサーバ10に対して送信する。サーバ10は、指定情報の編集内容を受け付け、編集内容を反映させた修正を行うように記録媒体30の指定情報30aを更新する(詳細は後述)。
【0024】
出力部210cは、記録媒体300および記録媒体30に記録された情報の出力要求を受け付け、要求された情報を出力する機能を制御部200に実現させるプログラムモジュールである。本実施形態において、情報の出力要求は施設情報300bと指定情報30aを対象とした検索結果の出力要求である。すなわち、施設情報300bと指定情報30aとの双方は地点に関する情報であり、双方とも目的地となり得る。従って、本実施形態において目的地検索が行われる場合、指定情報30aと施設情報300bとの双方が検索対象となる。この構成であれば、施設を目的地としたい利用者と、指定した地点を目的地としたい利用者との双方のニーズに対応することができ、利用者の種々のニーズに応じた出力を行うことが可能である。
【0025】
上述の操作画面によって利用者が目的地の検索指示を行うと、制御部200は、出力部210cの処理により、ユーザI/F部420を介して目的地の検索条件を取得する。検索条件は、施設情報300bおよび指定情報30aの少なくとも一方に対応づけられた項目の内容の少なくとも一部を指定する条件である。例えば、名称の一部を指定する条件が検索条件となり得る。施設情報300bが示す施設には名称が対応づけられているため、施設情報300bを検索対象として当該名称をキーにした検索が行われる。また、指定情報30aが示す地点に名称が対応づけられている場合、当該名称が対応づけられた指定情報30aを検索対象として当該名称をキーにした検索が行われる。
【0026】
施設情報300bは記録媒体300に記録されているため、施設情報300bを検索対象とした検索が行われる場合、制御部200は記録媒体300を参照し、検索条件との一致率が高い順に、施設情報300bを抽出し、ソートする。なお、抽出の個数には上限が設けられており、地点の数が予め決められた上限の数に達するとなると検索が終了する。指定情報30aは記録媒体30に記録されているため、指定情報30aを検索対象とした検索が行われる場合、制御部200は、通信部400を介して検索条件をサーバ10に対して送信する。この場合、サーバ10は、検索条件に基づいて指定情報30aを検索し、ソートし、検索結果として返信する。なお、ここでも抽出の個数には上限が設けられており、地点の数が予め決められた上限の数に達するとなると検索が終了する。
【0027】
施設情報300bと指定情報30aに基づく検索結果が得られると、制御部200は、ユーザI/F部420に対して制御信号を出力し、検索結果をディスプレイに表示させる。すなわち、制御部200は、施設情報300bと指定情報30aについての検索結果をソート順序に従ってディスプレイに表示させる。
【0028】
本実施形態において制御部200は、編集が行われた指定情報30aおよび走行中に利用者が指定した地点を示す指定情報30aを優先的に出力させるように構成されている。すなわち、サーバ10は、検索条件に基づいて抽出された指定情報30aをソートするが、この際、編集指示受付部210bの処理によって過去に編集された指定情報30aを高い優先順位としてソートする。また、サーバ10は、記録指示受付部210aの処理によって走行中に指定情報30aの記録指示が行われ、走行中に利用者が指定した地点であることを示す情報が対応づけられた指定情報30aを高い優先順位としてソートする。
【0029】
なお、指定情報30aが、過去に編集され、かつ、走行中に利用者が指定した地点を示す情報である場合、最もソートの優先順位が高い。指定情報30aが、過去に編集され、利用者が地図上の地点を選択して指定した地点を示す情報である場合、2番目にソートの優先順位が高い。さらに、指定情報30aが、過去に編集されていないが、走行中に利用者が指定した地点を示す情報である場合、3番目にソートの優先順位が高い。サーバ10においては以上の優先順位に従ってソートが行われ、さらに、当該優先順位でソートできない順位については、検索条件との一致率が高い順位でソートされる。
【0030】
以上のような本実施形態においては、利用者が指定した地点に関する指定情報30aのうち、過去に編集が行われた指定情報を出力部において優先的に出力させる。過去に編集が行われた指定情報については利用者の関心が高く、編集が行われていない指定情報については利用者の関心が相対的に低いと推定されるため、以上の構成においては、利用者の関心が高い地点が早期に検索される可能性を高めることが可能である。
【0031】
さらに、車両の走行は利用者が主体的に意志を持って実施される。従って、車両の走行過程であえて利用者が地点を指定した場合、その地点は、特別な地点である可能性が高い。すなわち、車両の走行という利用者に付加を与える作業中に、あえて現在地を指定した指定情報30aを記録媒体30に記録する指示を行った場合、後に忘れることなく当該地点を利用するなどの意志があることが想定される。このような場合、当該地点に対する利用者の関心は高いため、本実施形態のように、走行中に利用者が指定した地点の優先順位が高い構成であれば、利用者の関心が高い地点が早期に検索される可能性を高めることが可能である。
【0032】
(2)出力制御システムの構成:
本実施形態において出力制御力システムは、サーバ10によって実現される。サーバ10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20と記録媒体30とを備えており、制御部20は、記録媒体300やROMに記憶されたプログラムを実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとして出力制御プログラム21を実行可能である。出力制御プログラム21は、ナビゲーションシステム100からの要求により、指定情報30aの記録や、指定情報30aの編集、検索結果の出力等のための処理を制御部20に実行させる。出力制御プログラム21は、これらの処理を制御部20に実行させるために、指定情報記録部21aと指定情報編集部21bと出力制御部21cとを備えている。
【0033】
指定情報記録部21aは、利用者が指定した地点を少なくとも含む指定情報を記録媒体30に記録する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、ナビゲーションシステム100の利用者が、ユーザI/F部420を操作して地点を含む指定情報を生成した場合、ナビゲーションシステム100から指定情報が送信される。制御部20は、指定情報記録部21aの処理により、通信部40を介して指定情報を取得し、記録媒体30に指定情報30aとして記録する。指定情報30aは、少なくとも利用者が指定した地点を含んでおり、当該地点が走行中に利用者が指定した地点であった場合、走行中に利用者が指定した地点であることを示す情報が指定情報30aに対応づけられている。
【0034】
指定情報編集部21bは、指定情報30aの編集指示に応じて記録媒体30に記録された指定情報30aを編集する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、ナビゲーションシステム100の利用者が、ユーザI/F部420を操作して指定情報の編集を行った場合、ナビゲーションシステム100から編集内容を示す情報がサーバ10に送信される。
【0035】
制御部20は、指定情報編集部21bの処理により、通信部40を介して編集内容を示す情報を取得し、編集内容に基づいて編集対象の指定情報30aを特定し、編集内容を指定情報30aに反映させる。例えば、編集内容が情報の追加であれば、制御部20は、編集対象の指定情報30aに対して情報を追加し、編集内容が情報の修正であれば、制御部20は、編集対象の指定情報30aの情報を修正する。指定情報30aが編集された場合、編集された指定情報30aには、編集済であることを示す情報(例えば、フラグ等)が対応づけられる。
【0036】
出力制御部21cは、記録媒体30に記録された情報の出力要求が行われた場合に、要求された情報を出力させ、かつ、編集が行われた指定情報30aを出力部に優先的に出力させる機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、ナビゲーションシステム100の利用者が、ユーザI/F部420を操作して目的地の検索を行った場合、ナビゲーションシステム100から検索条件を示す情報がサーバ10に送信される。
【0037】
制御部20は、出力制御部21cの処理により、通信部40を介して検索条件を示す情報を取得し、検索条件に基づいて指定情報30aを検索し、ソートする。すなわち、制御部20は、記録媒体30を参照し、検索条件との一致率が高い指定情報30aを予め決められた上限の地点数となるまで抽出する。さらに、制御部20は、抽出された指定情報30aを参照し、各指定情報30aに対して、編集済であることを示す情報と、走行中に利用者が指定した地点であることを示す情報との少なくとも一方が対応づけられているか否かを判定する。
【0038】
そして、制御部20は、編集済であることを示す情報と、走行中に利用者が指定した地点を示す情報とが対応づけられた指定情報30aのソート順位を最も高い順位とする。また、制御部20は、編集済であることを示す情報が対応づけられ、走行中に利用者が指定した地点を示す情報が対応づけられていない指定情報30aのソート順位を2番目のソート順位とする。さらに、制御部20は、編集済であることを示す情報が対応づけられておらず、走行中に利用者が指定した地点を示す情報が対応づけられた指定情報30aのソート順位を3番目のソート順位とする。
【0039】
そして、制御部20は、以上の順位で順位が確定しない指定情報30aを、検索条件との一致率が高い順位等でソートする。ソートが行われると、制御部20は、ソートされた順位で指定情報30aが並ぶリストを生成し、検索結果を示す情報として、通信部40を介してナビゲーションシステム100に対して送信する。この結果、ナビゲーションシステム100においては、サーバ10で抽出、ソートされた指定情報30aのリストと、ナビゲーションシステム100で抽出、ソートされた施設情報300bのリストをユーザI/F部420のディスプレイに表示する。
【0040】
(3)情報出力処理:
次に、本実施形態にかかる情報出力処理を詳細に説明する。
図2Aは、情報出力処理を示すフローチャートである。情報出力処理は、ナビゲーションシステム100において利用者が目的地の検索を行った場合に実行される。なお、目的地の検索は、任意のタイミングで実行可能であるが、指定情報30aが検索結果として得られるためには、指定情報30aが記録媒体30に記録されていることが必要である。また、編集内容に応じて指定情報の出力結果を変化させるためには、指定情報30aの編集が行われていることが必要である。
【0041】
情報出力処理において、制御部200は、出力部210cの処理により、ユーザI/F部420の出力内容に基づいて、検索条件を取得する(ステップS100)。次に、制御部200は、出力部210cの処理により、通信部400を介して、検索条件をサーバ10に対して送信する(ステップS105)。次に、制御部20は、出力部210cの処理により、施設情報を検索する(ステップS110)。すなわち、制御部200は、ステップS100で取得した検索条件をキーにして施設情報300bを検索し、検索条件に一致する施設情報300bを抽出する。検索条件に一致する施設情報300bを抽出した結果、抽出された数が上限の数に達していない場合、制御部200は、抽出数が上限の数となるまで一部が検索条件と一致する施設情報300bを抽出する。
【0042】
次に、制御部200は、出力部210cの処理により、施設情報300bの検索結果リストを生成する(ステップS115)。すなわち、制御部200は、ステップS110で検索された施設情報300bを参照し、検索条件との一致率が高い順にソートする。例えば、検索条件が名称「AAAAA」であった場合、制御部200は、施設の名称の中で一致している文字数を名称の全文字数で除した値が大きい順に検索結果をソートする。名称が「AAAAB」である施設1と名称が「AAABB」である施設2の施設情報300bが記録媒体300に記録されており、名称の一致率がより高い施設が存在しない場合、施設1、施設2の順位で検索結果としての施設情報300bがソートされる。なお、一致率が同一である場合、制御部200は、他の条件、例えば、車両の現在地から近い順位等に基づいてソート順位を決定する。
【0043】
次に、制御部200は、出力部210cの処理により、指定情報の検索結果リストを受信する(ステップS120)。すなわち、ステップS105で検索条件がサーバ10に送信されると、サーバ10において指定情報30aが検索され、指定情報30aの検索結果リストが生成されてナビゲーションシステム100に対して送信される。そこで、制御部20は、ステップS120において、通信部400を介して当該指定情報30aの検索結果リストを受信する。
【0044】
次に、制御部200は、出力部210cの処理により、表示領域を決定する(ステップS125)。本実施形態において、制御部200は、ステップS120で生成された検索結果リストを指定情報30aの表示領域に表示し、ステップS115で生成された検索結果リストを施設情報300bの表示領域に表示する。より具体的には、本実施形態においては、ユーザI/F部420のディスプレイに検索結果を表示するための表示領域が仮想的に定義される。当該表示領域の全体の大きさは、ユーザI/F部420のディスプレイ上の一画面よりもスクロール方向に長く、スクロールが行われることによって表示対象の部分を切り替える事が可能である。
【0045】
また、本実施形態においては、当該表示領域において指定情報30aの表示領域と施設情報300bの表示領域がスクロール方向に交互に並べられる。指定情報30aの表示領域と施設情報300bの表示領域は、ユーザI/F部420のディスプレイに検索結果が表示される際に少なくとも、指定情報30aの表示領域と施設情報300bの表示領域の双方が表示されるように設計されている。
図3Aは、当該表示領域を示す模式図であり、同
図3Aにおいては、表示領域の全体を実線の矩形で示している。また、同
図3Aにおいて、指定情報30aの表示領域は符号Z
1a,Z
2a,Z
3a,Z
4aであり、施設情報300bの表示領域は符号Z
1b,Z
2b,Z
3b,Z
4bである。
【0046】
表示領域は最も上方の領域Z
1が初期に表示され、利用者がスクロールさせることにより領域Z
1から領域Z
4まで表示させることが可能である。従って、ソートされた情報は、表示領域Z
1a等のそれぞれにおいて、
図3Aの上方から下方に向けてソートされた順位で並べて表示される。さらに、本実施形態においては、
図3Aに示すように表示領域の全体の先頭(
図3Aの最上部)に指定情報30aの表示領域Z
1aが配置され、表示領域の全体の先頭から1/4,2/4,3/4の位置に表示領域Z
2a,Z
3a,Z
4aが配置される。
【0047】
本実施形態においては、指定情報30aのソート順位を決定する要素として、検索条件以外に4個の場合が存在し、各場合の優先順位が規定されている。すなわち、編集済であることを示す情報と、走行中に利用者が指定した地点を示す情報とが対応づけられた指定情報30aのソート順位が最も高い。また、編集済であることを示す情報が対応づけられ、走行中に利用者が指定した地点を示す情報が対応づけられていない指定情報30aのソート順位が2番目、編集済であることを示す情報が対応づけられておらず、走行中に利用者が指定した地点を示す情報が対応づけられた指定情報30aのソート順位が3番目である。このため、編集済であることを示す情報と、走行中に利用者が指定した地点を示す情報との双方が対応づけられていない指定情報30aのソート順位が4番目である。
【0048】
そこで、本実施形態においては、最も高いソート順位が割り当てられる指定情報30aを表示領域Z
1aに表示し、2番目のソート順位が割り当てられる指定情報30aを表示領域Z
2aに表示する。さらに、3番目のソート順位が割り当てられる指定情報30aを表示領域Z
3aに表示し、4番目のソート順位が割り当てられる指定情報30aを表示領域Z
4aに表示する。
【0049】
なお、本実施形態においては、各表示領域に表示可能な地点の数に上限が設定されており、各領域に1個以上、上限の数以下の地点についての情報が表示され得る。当該上限の数は、上限の数の地点を各領域に表示した場合の高さがディスプレイの画面の高さより小さくなるように設定されている。従って、本実施形態においては、指定情報30aの表示領域と施設情報300bの表示領域とのいずれか一方が画面を占めることはない。このため、本実施形態においては、少なくとも2個の表示領域のそれぞれに指定情報30aと施設情報300bとのそれぞれが優先順位に従って表示される。
【0050】
以上のように、表示領域の高さは可変であるため、制御部200は、指定情報30aの検索結果リストに基づいて表示領域の高さを決定する。すなわち、制御部200は、指定情報30aの検索結果リストを参照し、最も高いソート順位の指定情報30aの数(1地点について1個と数える)を特定する。また、制御部200は、当該数が表示領域Z
1aの上限の数以下である場合、最も高いソート順位の指定情報30aの数を表示可能な最小の高さに表示領域Z
1aの高さを設定する。最も高いソート順位の指定情報30aの数が表示領域Z
1aに表示可能な上限の数より大きい場合、制御部200は、表示領域Z
1aの高さを上限の高さに設定する。
【0051】
さらに、制御部200は、より下位の指定情報30aを表示する表示領域の高さを決定する。この際、制御部200は指定情報30aの検索結果リストを参照し、2番目のソート順位の指定情報30aの数を特定する。また、制御部200は、当該数(上位の表示領域に表示しきれなかった指定情報30aが存在する場合その数を加えた数)が表示領域Z
2aの上限の数以下である場合、当該数の指定情報30aを表示可能な最小の高さに表示領域Z
2aの高さを設定する。2番目のソート順位の指定情報30aの数が表示領域Z
2aに表示可能な上限の数より大きい場合、制御部200は、表示領域Z
2aの高さを上限の高さに設定する。制御部200は、3番目、4番目のソート順位についても同様に表示領域Z
3a,Z
4aの高さを決定する。
【0052】
以上のようにして表示領域が決定されると、制御部200は、施設情報300bと指定情報30aの表示領域にそれぞれの検索結果リストを表示する(ステップS130)。すなわち、制御部20は、全体の表示領域から指定情報30aの表示領域を特定し、各表示領域に対してソートされた順位に従って上方から指定情報30aを並べて表示するための画像を生成する。
【0053】
図3Bは、指定情報30aの表示領域Z
1a,Z
2a,Z
3a,Z
4aと施設情報300bの表示領域Z
1b,Z
2b,Z
3b,Z
4bに検索結果が並べられた状態を示す模式図である。同
図3Bに示すように、表示領域はZ
1,Z
2,Z
3,Z
4から構成されている。制御部200は、表示領域の全体の先頭、先頭から1/4,2/4,3/4の位置を特定し、ステップS125で決定された高さの領域を指定情報30aの表示領域Z
1a,Z
2a,Z
3a,Z
4aとして確保する。そして、制御部200は、ステップS120で受信した指定情報30aの検索結果リストをソートされた順位に従って各表示領域Z
1a,Z
2a,Z
3a,Z
4aに表示する画像を描画する。
【0054】
さらに、制御部200は、具体的には、制御部20は、全体の表示領域から施設情報300bの表示領域を特定し、ソートされた順位に従って上方から各表示領域に対して施設情報300bを並べて表示するための画像を生成し、指定情報30aが並べられた画像に重畳する。
図3Bに示す例であれば、制御部200は、指定情報30aの表示領域Z
1a,Z
2a,Z
3a,Z
4aの下端を表示領域Z
1b,Z
2b,Z
3b,Z
4bの上端とみなし、ステップS115で受信した施設情報300bの検索結果リストをソートされた順位に従って各表示領域Z
1b,Z
2b,Z
3b,Z
4bに表示する画像を描画する。
【0055】
そして、制御部200は、各情報が全体の表示領域に並べられた後の画像をユーザI/F部420に対して出力し、当該画像の最上部をユーザI/F部420のディスプレイに表示させ、かつ、スクロール可能な状態でディスプレイに表示させる。この結果、ユーザI/F部420のディスプレイには領域Z
1のようなリストが表示される。この状態において、利用者は、リストのスクロールや目的地の選択等を行うことが可能であり、制御部200は、ユーザI/F部420の出力信号に基づいてリストのスクロールや目的地の選択等を受け付ける。
【0056】
以上の構成によれば、目的地が指定情報30aと施設情報300bから検索された場合に、各情報から検索された結果をユーザI/F部420のディスプレイに表示することができる。従って、指定情報30aと施設情報300bのいずれか一方のみが表示されるという状況が発生することを防止することができる。このため、利用者が、指定情報30a、施設情報300bのいずれを意図して検索を行っていたとしても、どちらの意図にも合致した検索結果を出力することができる。さらに、利用者は、スクロール操作によって所望の情報を見つけるための操作を行うことが可能である。そして、利用者は、スクロールで表示中の領域を切り替える過程で、指定情報30aと施設情報300bとを交互に視認することができる。従って、利用者所望の情報が指定情報30a、施設情報300bのいずれであっても、利用者はスクロールの過程で所望の情報を探すことができる。
【0057】
なお、検索結果として表示される画像には、検索条件によって検索された結果を示す情報が含まれる。例えば、名称が検索条件となる場合、各地点の名称を表示するための画像が生成される。ただし、指定情報30aが編集されていなければ名称が指定情報30aに対応づけられていない場合もあるが、本実施形態においては、検索条件に一致する指定情報30aが存在しなければ検索条件との一致率が高い順に指定情報30aも抽出される。従って、編集によって名称が特定された指定情報30aが少なければ、名称が特定されていない指定情報30aも検索結果となり得る。
【0058】
図3Bにおいては、指定情報30aの検索結果をID(地点A等)と名称(「AAAAA」等)によって示し、施設情報300bの検索結果をID(施設1等)と名称(「AAAAB」等)によって示している。この例において、表示領域Z
1aには、編集され、かつ、走行中に地点が指定された指定情報30aである地点A,地点B,地点Cが名称の一致率が高い順に表示される。表示領域Z
2aには、編集され、かつ、走行中に地点が指定されなかった指定情報30aである地点D,Eが名称の一致率が高い順に表示される。
【0059】
表示領域Z
3aには、編集されておらず、かつ、走行中に地点が指定された指定情報30aである地点F,Gが表示される。これらの地点は編集されていないため名称は対応づけられず、地点が他の指標(現在地からの距離等)によってソートされた状態で表示される。表示領域Z
4aには、編集されておらず、かつ、走行中に地点が指定されなかった指定情報30aである地点H,I,J,Kが表示される。これらの地点も編集されていないため名称は対応づけられず、地点が他の指標(現在地からの距離等)によってソートされた状態で表示される。表示領域Z
1a,Z
2a,Z
3a,Z
4aには、施設情報300bが上方から順にソートされた順位で表示される。
【0060】
(4)出力制御処理:
次に、本実施形態にかかる出力制御処理を詳細に説明する。
図2Bは、出力制御処理を示すフローチャートである。出力制御処理は、ナビゲーションシステム100から検索条件が送信された場合にサーバ10の制御部20によって実行される。出力制御処理が実行されると、制御部20は、出力制御部21cの処理により、通信部40を介して、検索条件をナビゲーションシステム100から取得する(ステップS200)。
【0061】
次に、制御部20は、出力制御部21cの処理により、指定情報を検索する(ステップS205)。すなわち、制御部20は、ステップS200で取得した検索条件をキーにして指定情報30aを検索し、検索条件に一致する指定情報30aを抽出する。検索条件に一致する指定情報30aを抽出した結果、抽出された数が上限の数に達していない場合、制御部20は、抽出数が上限の数となるまで一部が検索条件と一致する指定情報30aを抽出する。指定情報30aとして記録された地点が少なく、上限の数となるまで検索結果が抽出されない場合、制御部20は、指定情報30aの全体を検索した後に検索を終了する。
【0062】
次に、制御部20は、出力制御部21cの処理により、指定情報が検索されたか否かを判定する(ステップS210)。制御部20は、ステップS205において検索結果として1カ所以上の地点についての指定情報30aが検索された場合、指定情報が検索されたと判定する。ステップS210において、指定情報が検索されたと判定されない場合、制御部20は、ステップS215,S220をスキップする。そして、制御部20は、ステップS225において、指定情報の検索結果リストを送信する(ステップS225)。この場合、制御部20は、通信部40を介して検索結果が得られなかったことを示す空のリストをナビゲーションシステム100に対して送信する。
【0063】
ステップS210において、指定情報が検索されたと判定された場合、制御部20は、出力制御部21cの処理により、指定情報の編集履歴および地点の指定方法を取得する(ステップS215)。すなわち、制御部20は、ステップS205で検索された指定情報30aを参照し、編集済であることを示す情報が対応づけられた指定情報30aを特定する。また、制御部20は、ステップS205で検索された指定情報30aを参照し、走行中に利用者が指定した地点を示す情報が対応づけられた指定情報30aを特定する。
【0064】
次に、制御部20は、出力制御部21cの処理により、指定情報の検索結果リストを生成する(ステップS220)。すなわち、制御部20は、ステップS205で検索された指定情報30aを参照し、編集済であることを示す情報と走行中に利用者が指定した地点を示す情報とのいずれかが対応づけられた指定情報30aを特定する。
【0065】
そして、制御部20は、これらの情報に基づいて、編集済であることを示す情報と、走行中に利用者が指定した地点を示す情報とが対応づけられた指定情報30aに最も高いソート順位を対応づける。また、制御部20は、編集済であることを示す情報が対応づけられ、走行中に利用者が指定した地点を示す情報が対応づけられていない指定情報30aに2番目、編集済であることを示す情報が対応づけられておらず、走行中に利用者が指定した地点を示す情報が対応づけられた指定情報30aに3番目、編集済であることを示す情報と、走行中に利用者が指定した地点を示す情報との双方が対応づけられていない指定情報30aに4番目のソート順位を対応づける。
【0066】
制御部20は、以上のソート順位で指定情報30aをソートした後、さらに、以上のソート順位で順位が確定しない指定情報30aを、検索条件との一致率が高い順位等でソートする。ソートが行われると、制御部20は、ソートされた順位で指定情報30aが並ぶリストを生成し、検索結果リストを示す情報として、通信部40を介してナビゲーションシステム100に対して送信する。この結果、ナビゲーションシステム100においては、サーバ10で抽出、ソートされた指定情報30aのリストと、ナビゲーションシステム100で抽出、ソートされた施設情報300bのリストをユーザI/F部420のディスプレイに表示する。
【0067】
(5)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、編集が行われた指定情報が利用者の関心が高い情報であるとみなす限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、ナビゲーションシステム100とともに移動する移動体は任意であり、車両であっても良いし、歩行者であっても良く、種々の例が想定される。また、出力制御システムや情報出力システムは、車両等に搭載された装置であっても良いし、可搬型の端末によって実現される装置であっても良い。
【0068】
さらに、各システムを構成する指定情報記録部21a、指定情報編集部21b、出力制御部21c、記録指示受付部210a、編集指示受付部210b、出力部210cが上述の
図1に示すようにナビゲーションシステム(クライアント)とサーバに分かれて存在してもよいし、少なくとも一部が
図1と異なる装置に存在していても良い。例えば、サーバ10の記録媒体30に施設情報300bが記録されており、情報の出力要求に応じてサーバ10が出力結果のリストを生成し、ナビゲーションシステム100で表示される構成であってもよい。
【0069】
むろん、任意の情報、プログラムモジュールがナビゲーションシステム100、サーバ10のいずれに存在してもよいし、一方のみに存在してもよい(この場合、他方は省略可能)。さらに、上述の実施形態の一部の構成の省略や構成の追加が行われてもよいし、処理の順序の変動または省略が行われてもよい。例えば、上述の実施形態において、指定情報30aの表示領域がサーバ10で決定される構成や、指定情報30aの検索結果がナビゲーションシステム100に送信され、指定情報30aの検索リストがナビゲーションシステム100で生成される構成等が採用されていてもよい。
【0070】
ここで、指定情報記録部は、利用者が指定した地点を少なくとも含む指定情報を記録媒体に記録することができればよい。すなわち、利用者は地点を指定可能であり、指定情報記録部は、指定された地点に関する指定情報を取得して記録媒体に記録する。記録媒体は、任意の情報を記録することができればよく、任意の場所に設置されてよい。地点の指定は、種々の態様で行われてよく、地図上の一地点をユーザI/F部等で指定する態様であってもよいし、利用者が指示を行った場合に利用者が存在する現在地が、指定された地点であると見なされる態様であってもよく、種々の構成を採用可能である。
【0071】
さらに、指定情報は、少なくとも利用者が指定した地点を含んでいればよく、他の情報、例えば、名称など、種々の項目の情報を含んでいてよい。指定情報に対応づけられる任意の情報は、編集対象となり得る。すなわち、指定情報に含まれる情報は、指定情報が生成された際に指定情報に対応づけられてもよいし、編集によって指定情報に対応づけられてもよい。
【0072】
指定情報編集部は、指定情報の編集指示に応じて記録媒体に記録された指定情報を編集することができればよい。すなわち、指定情報には少なくとも地点が含まれるため、利用者は、記録媒体に記録された指定情報を利用することで、利用者自身が過去に記録媒体に記録させた地点の情報を再利用することができる。しかし、利用者が利用を望む情報は地点のみに限られない。そこで、指定情報編集部により、利用者は、地点に関して名称や住所の文字列、地点に存在する施設等、任意の情報を指定情報に追加し、または、既存の情報を修正することで指定情報を編集することができる。
【0073】
出力制御部は、記録媒体に記録された情報の出力要求が行われた場合に、編集が行われた指定情報を出力部に優先的に出力させることができればよい。すなわち、利用者が記録媒体に記録された情報の出力要求を行った場合、出力制御部は、出力要求に適合した情報を収集して出力部に出力させる。そして、出力対象の情報に指定情報が含まれる場合、出力制御部は、編集が行われた指定情報を優先的に出力させる。ここでは、編集が行われた指定情報を編集が行われていない指定情報よりも優先的に出力することができればよく、編集の有無は種々の手法で特定可能である。例えば、指定情報に編集済であることを示す情報や編集履歴が記録されてもよいし、指定情報に最低限含められるべき地点以外の情報が指定情報に対応づけられていることにより、出力の優先度を高める構成等が採用可能である。なお、複数地点についての指定情報が編集されている場合、各指定情報について、編集の度合いや編集の内容、編集以外の要素(検索キーとの一致率等)等に応じて優先順位に優劣が設けられてもよい。優劣の態様も種々の態様が想定可能であり、上述のような順位による優劣であってもよいし、強調の有無による優劣であってもよい。
【0074】
出力要求は種々の態様で行うことが可能であり、例えば、記録媒体に記録された情報に対応づけられた任意の項目(地点、名称等)をキーにした検索結果の出力要求であってもよいし、指定情報に対応づけられた情報を利用した解析結果の出力要求であってもよい。後者としては、例えば、現在地からの距離が所定範囲内の地点が対応づけられた情報の出力要求等が挙げられる。
【0075】
利用者が地点の指定や、指定情報の編集、指定情報等の出力要求を行うユーザI/F部は、任意の場所に設置されてよい。また、利用者が地点の指定や、指定情報の編集、指定情報等の出力要求を行うユーザI/F部は任意の態様であってよい。また、出力部は、利用者が出力を認識可能な限りにおいて任意の場所に設置されてよく、出力の態様は画像や音声など、任意の態様であってよい。
【0076】
さらに、出力要求は、指定情報以外の情報を含めた要求であってもよい。例えば、名称や地点をキーにした検索において、指定情報と他の情報とを検索対象とした検索が行われ、検索結果が出力される構成であってもよい。このような構成の例としては、例えば、施設の地点を少なくとも含む施設情報が記録媒体に記録されており、出力要求が指定情報と施設情報とを出力させる要求であり、出力部に指定情報と施設情報とが表示される構成が挙げられる。
【0077】
すなわち、施設の地点を含む施設情報が予め記録媒体に記録されている場合、地点を含む指定情報は既存の地点と同等であり、同時に出力されることが好ましい場合がある。例えば、ナビゲーションシステムにおいて、利用者自身が施設の地点や目的地となり得る地点を特定し、指定情報として記録媒体に記録させた場合、指定情報と施設情報とのいずれかに含まれ得る地点を知るために出力要求を行いたい場合がある(近接地点の検索等)。
【0078】
そこで、指定情報と施設情報とのいずれもが出力結果となり得る出力要求が行われ、出力要求に応じた指定情報と施設情報とが存在する場合に出力される構成であれば、利用者の種々のニーズに応じた出力を行うことが可能である。この場合であっても、編集が行われた指定情報の優先順位が高いことにより、利用者の関心が高いと推定される指定情報を早期に利用者に対して伝達することができる。
【0079】
むろん、施設情報の出力においても、優先順位が定義されてもよい。例えば、検索キーとの一致率等に基づいて施設情報に優先順位が対応づけられてもよい。なお、施設情報は、指定情報と同一の記録媒体に記録されていてもよいし、異なる記録媒体に記録されていてもよい。記録媒体に記録された施設情報や指定情報の参照を行う処理を行う制御部等の主体は、記録媒体と同一の装置に搭載されていてもよいし、異なる装置に搭載されていてもよい。
【0080】
さらに、出力制御部が、出力部としてのディスプレイに設けられた少なくとも2個の表示領域のそれぞれに指定情報と施設情報とをそれぞれの情報の優先順位に従って表示させる構成であってもよい。すなわち、出力の要求がなされた情報が指定情報と施設情報である場合に、それぞれを表示する表示領域が存在すれば、いずれか一方のみが表示されるという状況が発生することを防止することができる。従って、利用者が、指定情報、施設情報のいずれを意図して出力要求を行っていたとしても、どちらの意図にも合致した出力を行うことができる。優先順位は、指定情報についての編集の有無の他、上述のような検索キーとの一致率など、種々の要素によって特定されてよい。
【0081】
指定情報の表示領域と施設情報の表示領域とは、1以上の地点に関する情報を表示可能な領域であれば良く、固定的な領域であってもよいし、動的に変化する領域であってもよい。後者としては、表示領域の大きさが変化する構成であってもよいし、既定の大きさの領域が仮想的に定義され、スクロール等によって表示される領域が変化する構成であってもよい。また、スクロールが行われる場合、指定情報の表示領域と施設情報の表示領域が、指定情報および施設情報をスクロールさせる場合のスクロール方向に交互に並んでいる構成であってもよい。この構成によれば、利用者は、所望の情報を見つけるためにスクロールで表示中の領域を切り替える過程で、指定情報と施設情報とを交互に視認することができる。従って、利用者所望の情報が指定情報、施設情報のいずれであっても、利用者はスクロールの過程で所望の情報を探すことができる。
【0082】
さらに、指定情報の優先順位が編集以外の要素に依存する例として、指定情報記録部が、移動中に利用者が指定した地点を少なくとも含む指定情報を記録媒体に記録可能であり、出力制御部が、移動中に利用者が指定した地点を含む指定情報を、出力部において優先的に出力させる構成であってもよい。すなわち、利用者が主体的に移動している過程であえて利用者が地点を指定した場合、その地点は、特別な地点である可能性が高い。例えば、移動の過程では移動を優先すべきであるが後に忘れることなく当該地点を利用したいなどの状況が発生している場合に、このような移動中の地点の指定が行われる可能性が高い。従って、移動中に利用者が指定した地点の優先順位を高くすれば、利用者の関心が高い地点が早期に検索される可能性を高めることが可能である。
【0083】
さらに、本発明のように、編集が行われた指定情報が利用者の関心が高い情報であるとみなす手法は、この処理を行う方法やプログラムとしても適用可能である。また、以上のような出力制御システム、方法、プログラムは、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置として実現される場合もある。また、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあれば、車両に搭載されない各部と連携して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、出力制御システムを制御するプログラムの記憶媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記憶媒体は、磁気記憶媒体であってもよいし光磁気記憶媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記憶媒体においても全く同様に考えることができる。