特許第6642302号(P6642302)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6642302生体情報測定支援装置、生体情報測定装置、生体情報測定支援方法、及び、生体情報測定支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6642302
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】生体情報測定支援装置、生体情報測定装置、生体情報測定支援方法、及び、生体情報測定支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/02 20060101AFI20200127BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20200127BHJP
【FI】
   A61B5/02 310B
   A61B5/02 310K
   A61B5/0245 F
【請求項の数】21
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-125646(P2016-125646)
(22)【出願日】2016年6月24日
(65)【公開番号】特開2017-225735(P2017-225735A)
(43)【公開日】2017年12月28日
【審査請求日】2019年5月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】特許業務法人航栄特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100115107
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100151194
【弁理士】
【氏名又は名称】尾澤 俊之
(72)【発明者】
【氏名】山下 新吾
(72)【発明者】
【氏名】前田 直輝
【審査官】 伊藤 幸仙
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−202346(JP,A)
【文献】 特開2008−237574(JP,A)
【文献】 特開2015−150023(JP,A)
【文献】 特開昭62−114533(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/221937(WO,A1)
【文献】 国際公開第2017/221938(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02 − 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体から検出された脈波に基づいて生体情報を算出する生体情報算出部による生体情報の算出結果を示す情報であって、少なくとも前記脈波に基づいて算出された生体情報を含む生体情報算出結果情報と、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の算出のために行われた脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報と、が記憶される記憶媒体の前記生体情報算出結果情報及び前記脈波検出結果情報に基づいて、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の測定効率を示す測定効率情報を生成する測定効率情報生成部によって生成された測定効率情報を取得し、前記測定効率情報を報知する処理を行う報知処理部を備える生体情報測定支援装置。
【請求項2】
請求項1記載の生体情報測定支援装置であって、
前記脈波検出結果情報は、前記脈波検出処理の行われた脈波検出期間の情報を含み、
前記生体情報算出結果情報は、前記脈波に基づいて算出された生体情報と、当該脈波の検出時刻の情報とを含む生体情報測定支援装置。
【請求項3】
請求項2記載の生体情報測定支援装置であって、
前記測定効率情報生成部は、前記生体情報算出結果情報に含まれる信頼性が閾値以上の生体情報の算出元となる脈波が検出された期間の前記脈波検出期間における分布を示す情報を、前記測定効率情報として生成する生体情報測定支援装置。
【請求項4】
請求項2記載の生体情報測定支援装置であって、
前記測定効率情報生成部は、前記脈波検出期間の長さに対する、前記生体情報算出結果情報に含まれる信頼性が閾値以上の生体情報の算出元となる脈波が検出された期間の第一の累計期間の長さの関係を示す情報、又は、前記脈波検出期間の長さに対する前記第一の累計期間以外の期間の長さの関係を示す情報を、前記測定効率情報として生成する生体情報測定支援装置。
【請求項5】
請求項2記載の生体情報測定支援装置であって、
前記測定効率情報生成部は、前記脈波検出期間を分割した各分割期間の長さに対する、前記各分割期間において前記生体情報算出結果情報に含まれる信頼性が閾値以上の生体情報の算出元となる脈波が検出された第一の累計期間の長さの関係を示す情報、又は、前記各分割期間の長さに対する前記第一の累計期間以外の期間の長さの関係を示す情報を、前記測定効率情報として生成する生体情報測定支援装置。
【請求項6】
請求項1記載の生体情報測定支援装置であって、
前記脈波検出結果情報は、前記脈波検出処理によって得られた全ての脈波の情報又は前記全ての脈波の数の情報を含む生体情報測定支援装置。
【請求項7】
請求項6記載の生体情報測定支援装置であって、
前記測定効率情報生成部は、前記全ての脈波の数に対する、前記生体情報算出結果情報に含まれる信頼性が閾値以上の生体情報の第一の数の関係を示す情報、又は、前記全ての脈波の数に対する、当該全ての脈波の数から前記第一の数を減算して得られる数の関係を示す情報を、前記測定効率情報として生成する生体情報測定支援装置。
【請求項8】
請求項6記載の生体情報測定支援装置であって、
前記脈波検出結果情報は、前記脈波検出処理の行われた脈波検出期間の情報を更に含み、
前記生体情報算出結果情報は、前記脈波に基づいて算出された生体情報と、当該脈波の検出時刻の情報とを含み、
前記測定効率情報生成部は、前記脈波検出期間を分割した各分割期間において検出された前記脈波の第一の数に対する前記各分割期間において検出された脈波に基づいて算出された信頼性が閾値以上となる生体情報の第二の数の関係を示す情報、又は、前記第一の数に対する、当該第一の数から前記第二の数を減算して得られる数の関係を示す情報を、前記測定効率情報として生成する生体情報測定支援装置。
【請求項9】
請求項1記載の生体情報測定支援装置であって、
前記脈波検出結果情報は、前記脈波検出処理によって得られた複数の脈波のうちの一部の脈波の情報と、前記脈波検出処理の行われた脈波検出期間の情報とを含む生体情報測定支援装置。
【請求項10】
請求項9記載の生体情報測定支援装置であって、
前記測定効率情報生成部は、前記一部の脈波の情報と前記脈波検出期間の情報とに基づいて、前記脈波検出期間中に検出された脈波の総数を推定し、推定した脈波の総数に対する前記生体情報算出結果情報に含まれる信頼性が閾値以上の生体情報の第一の数の関係を示す情報、又は、前記総数に対する、当該総数から前記第一の数を減算して得られる数の関係を示す情報を、前記測定効率情報として生成する生体情報測定支援装置。
【請求項11】
請求項10記載の生体情報測定支援装置であって、
前記生体情報算出結果情報は、前記脈波に基づいて算出された生体情報と、当該脈波の検出時刻の情報とを含み、
前記測定効率情報生成部は、前記脈波検出期間を分割した各分割期間において検出されたと脈波の第二の数を前記脈波の総数に基づいて推定し、前記第二の数に対する、前記生体情報算出結果情報に含まれる信頼性が閾値以上の生体情報のうちの前記各分割期間において検出された脈波に基づいて算出された生体情報の第三の数の関係を示す情報、又は、前記第二の数に対する、当該第二の数から前記第三の数を減算して得られる数の関係を示す情報を、前記測定効率情報として生成する生体情報測定支援装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項記載の生体情報測定支援装置であって、
前記生体情報算出結果情報は、信頼性が閾値以上となる生体情報の算出ができなかったことを示す情報と、前記生体情報の算出ができなかった原因を示す情報とを更に含み、
前記報知処理部は、前記測定効率情報と併せて、前記原因を示す情報を報知する生体情報測定支援装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項記載の生体情報測定支援装置であって、
前記生体情報は血圧情報である生体情報測定支援装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項記載の生体情報測定支援装置であって、
前記測定効率情報生成部を更に備える生体情報測定支援装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項記載の生体情報測定支援装置であって、
前記報知処理部は、前記脈波を検出する脈波検出部と、前記生体情報算出部と、前記生体情報算出結果情報と前記脈波検出結果情報を前記記憶媒体に記憶する記憶制御部と、を備える生体情報測定装置に対して生体情報の測定終了指示がなされた場合、前記生体情報測定装置の電池残量が生体情報の測定動作に必要な残量閾値以下となった場合、又は、測定効率情報の報知指示がなされた場合に、前記測定効率情報を報知する生体情報測定支援装置。
【請求項16】
生体から1拍毎の脈波を検出する脈波検出部と、
前記脈波検出部により検出された脈波に基づいて生体情報を算出し、前記生体情報の算出結果を示す情報であって、少なくとも前記生体情報を含む生体情報算出結果情報を記憶媒体に記憶する生体情報算出部と、
前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の算出のために前記脈波検出部により行われた脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報を前記記憶媒体に記憶する記憶制御部と、
請求項1〜15のいずれか1項記載の生体情報測定支援装置と、を備える生体情報測定装置。
【請求項17】
請求項16記載の生体情報測定装置であって、
前記測定効率情報生成部は、生体情報の測定終了指示又は測定効率情報の報知指示がなされた場合に前記測定効率情報を生成するものであり、前記測定終了指示又は前記報知指示がなされた場合には、前記測定終了指示又は前記報知指示がなされた時点から所定期間前の時点まで、又は、前記生体情報測定装置を装着している被測定者が起床してから前記測定終了指示又は前記報知指示がなされた時点までに算出されて前記記憶媒体に記憶された生体情報を、前記測定効率情報の生成に用いる生体情報からは除外する生体情報測定装置。
【請求項18】
請求項16記載の生体情報測定装置であって、
前記測定効率情報生成部は、生体情報の測定開始指示がなされてから所定期間経過後の時点までに算出されて前記記憶媒体に記憶された生体情報を、前記測定効率情報の生成に用いる生体情報からは除外する生体情報測定装置。
【請求項19】
請求項16記載の生体情報測定装置であって、
被測定者の体動を検出する体動検出部を更に備え、
前記測定効率情報生成部は、生体情報の測定開始指示がなされてから前記被測定者の体動の変化量が所定範囲に納まるまでの期間に算出されて前記記憶媒体に記憶された生体情報を、前記測定効率情報の生成に用いる生体情報からは除外する生体情報測定装置。
【請求項20】
生体から検出された脈波に基づいて生体情報を算出する生体情報算出部による生体情報の算出結果を示す情報であって、少なくとも前記脈波に基づいて算出された生体情報を含む生体情報算出結果情報と、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の算出のために行われた脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報と、が記憶される記憶媒体の前記生体情報算出結果情報及び前記脈波検出結果情報に基づいて、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の測定効率を示す測定効率情報を生成する測定効率情報生成部から、前記測定効率情報を取得するステップと、
前記測定効率情報を報知する処理を行うステップと、を備える生体情報測定支援方法。
【請求項21】
生体から検出された脈波に基づいて生体情報を算出する生体情報算出部による生体情報の算出結果を示す情報であって、少なくとも前記脈波に基づいて算出された生体情報を含む生体情報算出結果情報と、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の算出のために行われた脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報と、が記憶される記憶媒体の前記生体情報算出結果情報及び前記脈波検出結果情報に基づいて、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の測定効率を示す測定効率情報を生成する測定効率情報生成部から、前記測定効率情報を取得するステップと、
前記測定効率情報を報知する処理を行うステップと、をコンピュータに実行させるための生体情報測定支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報測定支援装置、生体情報測定装置、生体情報測定支援方法、及び、生体情報測定支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
血圧情報、脈拍情報、又は、心拍情報等の生体の診断に必要な生体情報は、通常、日内変化が大きい。このため、診断等のために、被測定者から生体情報を継続的に測定し記録することが行われる。
【0003】
生体情報を継続的に測定する装置としては、1拍(心臓が1回拍動する期間)毎に脈波を検出し、検出した脈波に基づいて1拍単位での生体情報を算出して記憶するものが知られている。また、生体情報測定装置では、その使用者に測定結果を知らせたり、医師が次の行動をとるための判断を支援したりするために、測定された生体情報の概要又は信頼率を表示するものが提案されている(特許文献1、2参照)。
【0004】
特許文献1には、オシロメトリック法によって血圧情報の測定を連続して複数回行い、この複数回の血圧情報の測定終了後に、測定された各血圧情報の信頼性を表す信頼率を表示する生体情報測定装置が記載されている。医師は、表示された信頼率に基づいて、信頼率の低い血圧情報を除く残りの血圧情報に基づいて診断を行うことで、診断の精度を高めることができる。
【0005】
特許文献2には、心拍数測定機能を有する活動量計において、測定終了時に、心拍数のトレンドグラフを表示させることが記載されている。活動量計の使用者は、トレンドグラフを見ることで、自身の活動状況を確認することができ、自己の運動管理又は体調管理等に役立てることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−88576号公報
【特許文献2】特開2007−215722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
1拍単位で生体情報を測定する生体情報測定装置は、被測定者の体に長時間装着されて使用される。このため、被測定者の体動が大きいときには、脈波が正確な値からずれる場合がある。
【0008】
体動を検出し、検出した体動に基づいて生体情報を補正する技術は知られているが、体動が変化している間に測定される生体情報を補正するのは容易ではない。したがって、体動が大きく変化している期間においては、生体情報の測定が失敗又は測定不能として扱うのがコスト面等で有利である。
【0009】
このように、生体に長時間装着して使用することが想定される生体情報測定装置では、その内部において生体情報の測定成功及び測定失敗の判断を行い、測定成功とした測定結果についてのみ記憶を行うことが考えられる。
【0010】
しかし、このような判断は、装置の内部で行われており、被測定者が知ることはできない。そのため、被測定者が生体情報測定装置を装着し、生体情報の測定が常に成功していると考えて普段の生活を送ってしまうと、実際には生体情報の測定に失敗している期間が数多く発生していることもあり、長時間にわたって装置を装着して生体情報の測定を行うことの意義がなくなる可能性がある。特許文献1,2は、このような課題については考慮していない。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、生体情報の効率的な測定を支援することのできる生体情報測定支援装置、生体情報測定装置、生体情報測定支援方法、及び、生体情報測定支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の生体情報測定支援装置は、生体から検出された脈波に基づいて生体情報を算出する生体情報算出部による生体情報の算出結果を示す情報であって、少なくとも前記脈波に基づいて算出された生体情報を含む生体情報算出結果情報と、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の算出のために行われた脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報と、が記憶される記憶媒体の前記生体情報算出結果情報及び前記脈波検出結果情報に基づいて、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の測定効率を示す測定効率情報を生成する測定効率情報生成部によって生成された測定効率情報を取得し、前記測定効率情報を報知する処理を行う報知処理部を備えるものである。
【0013】
本発明の生体情報測定装置は、生体から1拍毎の脈波を検出する脈波検出部と、前記脈波検出部により検出された脈波に基づいて生体情報を算出し、前記生体情報の算出結果を示す情報であって、少なくとも前記生体情報を含む生体情報算出結果情報を記憶媒体に記憶する生体情報算出部と、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の算出のために前記脈波検出部により行われた脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報を前記記憶媒体に記憶する記憶制御部と、前記生体情報測定支援装置と、を備えるものである。
【0014】
本発明の生体情報測定支援方法は、生体から検出された脈波に基づいて生体情報を算出する生体情報算出部による生体情報の算出結果を示す情報であって、少なくとも前記脈波に基づいて算出された生体情報を含む生体情報算出結果情報と、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の算出のために行われた脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報と、が記憶される記憶媒体の前記生体情報算出結果情報及び前記脈波検出結果情報に基づいて、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の測定効率を示す測定効率情報を生成する測定効率情報生成部から、前記測定効率情報を取得するステップと、前記測定効率情報を報知する処理を行うステップと、を備えるものである。
【0015】
本発明の生体情報測定支援プログラムは、生体から検出された脈波に基づいて生体情報を算出する生体情報算出部による生体情報の算出結果を示す情報であって、少なくとも前記脈波に基づいて算出された生体情報を含む生体情報算出結果情報と、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の算出のために行われた脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報と、が記憶される記憶媒体の前記生体情報算出結果情報及び前記脈波検出結果情報に基づいて、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の測定効率を示す測定効率情報を生成する測定効率情報生成部から、前記測定効率情報を取得するステップと、前記測定効率情報を報知する処理を行うステップと、をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、生体情報の効率的な測定を支援することのできる生体情報測定支援装置、生体情報測定装置、生体情報測定支援方法、及び、生体情報測定支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態を説明するための生体情報測定装置1の内部ハードウェア構成を示す図である。
図2図1に示す生体情報測定装置1のシステム制御部11の機能ブロック図である。
図3図1に示す生体情報測定装置1の記憶媒体13に記憶される測定データのデータ構造の一例を示す図である。
図4】第一の測定効率情報生成方法によって生成された画像情報に基づく画像が表示部15に表示された状態の画面例を示す図である。
図5】第二の測定効率情報生成方法によって生成された情報に基づく画像が表示部15に表示された状態の画面例を示す図である。
図6】第二の測定効率情報生成方法によって生成された情報に基づく画像が表示部15に表示された状態の別の画面例を示す図である。
図7】第三の測定効率情報生成方法によって生成された情報に基づく画像が表示部15に表示された状態の画面例を示す図である。
図8】第四の測定効率情報生成方法によって生成された情報に基づく画像が表示部15に表示された状態の画面例を示す図である。
図9図1に示す生体情報測定装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
図10】測定効率情報と測定失敗の原因とを併せて表示する例を示す図である。
図11】測定効率情報と測定失敗の原因とを併せて表示する例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態である診断支援システム100の概略構成を示す図である。
図13図12に示す診断支援システム100の電子機器2の内部ハードウェア構成を示す図である。
図14図13に示す電子機器2のシステム制御部21の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態を説明するための生体情報測定装置1の内部ハードウェア構成を示す図である。この生体情報測定装置1は、例えば被測定者の就寝時における生体情報をモニタリングするために使用される。
【0020】
生体情報測定装置1は、血圧情報、脈拍情報、又は、心拍情報等の生体情報を測定して記憶媒体13に記憶するものである。血圧情報は、例えば収縮期血圧、拡張期血圧、又は、平均血圧等を含む。脈拍情報は例えば脈拍数等を含む。心拍情報は例えば心拍数等を含む。
【0021】
生体情報測定装置1は、脈波検出部10と、全体を統括制御するシステム制御部11と、通信インタフェース(I/F)12と、記憶媒体13と、操作部14と、表示部15と、体動検出部16と、を備える。
【0022】
脈波検出部10は、被測定者の生体部位(例えば手首等)から1拍毎に発生する脈波を検出し、検出した脈波をシステム制御部11に入力する。脈波検出部10は、例えばトノメトリ法によって脈波としての圧脈波を検出するもの等が用いられる。脈波検出部10は、脈波として容積脈波を検出するものであってもよい。脈波検出部10は、動脈に光を当てて得られる動脈からの反射光によって脈波を検出するものであってもよい。
【0023】
システム制御部11は、プロセッサを主体に構成されており、プロセッサの実行するプログラム等が記憶されるROM(Read Only Memory)、及び、ワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)等を含む。
【0024】
システム制御部11は、脈波検出部10により1拍毎に検出された脈波に基づいて生体情報を算出し、算出した生体情報を、該脈波が検出された年月日を示す日付の情報及び該脈波が検出された時刻の情報と対応付けて記憶媒体13に記憶する。
【0025】
通信I/F12は、他の電子機器(例えば病院等に設置された病院端末)と有線又は無線等で接続するためのインタフェースである。
【0026】
記憶媒体13は、システム制御部11によって算出された生体情報等の各種データを記憶する。記憶媒体13は、例えばフラッシュメモリ又はハードディスク等により構成される。記憶媒体13は、生体情報測定装置1に着脱可能な可搬型のものであってもよい。
【0027】
操作部14は、システム制御部11に対する指示信号を入力するためのインタフェースであり、生体情報の測定を含む各種動作の開始又は終了等を指示するためのボタン又はタッチパネル等により構成される。
【0028】
表示部15は、測定された生体情報等の各種情報を表示するためのものであり、例えば液晶表示装置等により構成される。
【0029】
体動検出部16は、生体情報測定装置1が装着された生体部位の動きを検出し、この動きに応じた体動情報をシステム制御部11に入力する。体動検出部16は、加速度センサ又は角速度センサ等のセンサと、このセンサから出力される信号を処理する信号処理部とから構成される。
【0030】
図2は、図1に示す生体情報測定装置1のシステム制御部11の機能ブロック図である。
【0031】
システム制御部11は、生体情報算出部11Aと、記憶制御部11Bと、測定効率情報生成部11Cと、報知処理部11Dと、を備える。システム制御部11は、生体情報測定支援装置を構成する。
【0032】
生体情報算出部11A、記憶制御部11B、測定効率情報生成部11C、及び、報知処理部11Dは、ROMに記憶されるプログラムをプロセッサが実行することによって構成される。このプログラムは、生体情報測定支援プログラムを含む。
【0033】
生体情報算出部11Aは、脈波検出部10から入力された脈波に基づいて周知の方法により生体情報を算出する。生体情報算出部11Aは、生体情報の算出対象とする脈波を、1拍毎に検出される脈波としているが、1拍おき又は複数拍おきに検出される脈波を生体情報の算出対象としてもよい。
【0034】
生体情報算出部11Aは、算出した生体情報と、この生体情報の算出に用いた脈波が検出された日付及び時刻の情報とを対応付けて記憶媒体13に記憶する。これにより、記憶媒体13には、1拍単位での生体情報が記憶されていく。
【0035】
生体情報算出部11Aは、脈波検出部10から入力された脈波に基づいて生体情報を算出するが、入力された脈波が予め決められた採用条件を満たさない場合には、この脈波に基づく生体情報の算出を行わずに、この脈波の検出された日付及び時刻の情報と、この脈波が採用条件を満たさないことを示す測定失敗情報とを対応付けて記憶媒体13に記憶する。
【0036】
また、生体情報算出部11Aは、脈波検出部10から入力された脈波が上記の採用条件を満たす場合には、この脈波に基づく生体情報の算出を行い、この脈波が検出された日付及び時刻の情報と、算出した生体情報と、この脈波が採用条件を満たすことを示す測定成功情報と、を対応付けて記憶媒体13に記憶する。
【0037】
上記の採用条件とは、体動検出部16により検出された体動情報に基づく被測定者の手首の動き量が体動閾値未満となっている体動安定期間中に検出された脈波であるという第一の条件、又は、入力された脈波の形状が生体情報を算出できる形状であるという第二の条件等の条件である。
【0038】
例えば、脈拍数を求める場合には、隣接脈波のピーク間の時間、又は、隣接脈波の立ち上がり時刻間の時間等を求める必要があるが、入力された脈波が、ピーク又は立ち上がり時刻等を特定できない形状である場合には、この脈波は上記の採用条件を満たさない。
【0039】
上記の採用条件を満たす脈波に基づいて生体情報算出部11Aにより算出される生体情報(測定成功情報が対応付けて記憶される生体情報)は、信頼性が閾値以上の生体情報となる。
【0040】
なお、採用条件として第一の条件を用いる場合には、採用条件を満たさない脈波に基づいて生体情報を算出することも可能である。このため、生体情報算出部11Aは、第一の条件を満たさない脈波については、この脈波に基づいて生体情報を算出し、算出した生体情報と、この脈波が検出された日付及び時刻の情報と、測定失敗情報とを対応づけて記憶媒体13に記憶してもよい。
【0041】
記憶制御部11Bは、脈波検出部10により検出された脈波と、この脈波が検出された日付及び時刻の情報とを対応付けて記憶媒体13に記憶する。
【0042】
また、記憶制御部11Bは、脈波検出部10により脈波検出処理が連続して行われた期間(脈波の検出開始から検出終了までの期間)の情報である脈波検出期間情報を、この期間中に検出された全ての脈波からなる脈波グループと対応付けて記憶媒体13に記憶する。
【0043】
脈波検出期間情報は、脈波検出処理が連続して行われた期間の長さを特定できる情報であればよい。例えば、脈波検出期間情報は、脈波検出処理が連続して行われた期間の検出開始時刻と検出終了時刻の情報、又は、この期間の長さの情報等である。
【0044】
図3は、図1に示す生体情報測定装置1の記憶媒体13に記憶される測定データのデータ構造の一例を示す図である。
【0045】
測定データは、特定の期間にわたって行われた脈波検出部10による脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報と、この脈波検出処理によって検出された脈波に基づいて行われた生体情報の算出処理の結果を示す生体情報算出結果情報とを含むデータである。
【0046】
特定の期間とは、例えば、生体情報の測定開始指示がなされて脈波の検出及び生体情報の算出が開始されてから、測定終了指示がなされる等して、これらの処理が終了するまでの期間である。
【0047】
被測定者が生体情報測定装置1を装着して、就寝中に生体情報の測定を行うと、図3に示すように、この測定期間中に検出された脈波の情報(図3の“脈波情報”)と、この脈波に基づいて算出された生体情報と、この脈波が採用条件を満たすか否かを示す測定フラグ(“1”か“0”かの情報)とが、脈波が検出された日付及び時刻(図3の“脈波検出日時”)と対応付けて記憶される。脈波の日付及び時刻の情報は、検出された脈波のIDとしても扱われる。
【0048】
また、記憶媒体13には、この測定期間中に検出された全ての脈波のIDに、脈波検出期間情報(以下では、脈波検出期間の長さとする)が対応付けて記憶される。
【0049】
測定フラグ“1”は、測定失敗情報を構成し、対応するIDで特定される脈波が採用条件を満たしていないことを示す情報である。
【0050】
測定フラグ“0”は、測定成功情報を構成し、対応するIDで特定される脈波が採用条件を満たしていることを示す情報(言い換えると、対応するIDで特定される脈波に基づいて算出された生体情報の信頼性が閾値以上となることを示す情報)である。
【0051】
図3に示した脈波検出日時と、脈波検出期間情報と、この脈波検出期間情報に対応する全ての脈波情報とは、それぞれ、脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報を構成する。
【0052】
図3に示した脈波検出日時、生体情報、及び、測定フラグは、それぞれ、生体情報算出部11Aによる生体情報の算出結果を示す生体情報算出結果情報を構成する。
【0053】
測定効率情報生成部11Cは、所定の判定条件が満たされた場合に、記憶媒体13に記憶された図3に示す測定データに基づいて、測定データに含まれる生体情報の測定効率を示す情報(以下、測定効率情報という)を生成する。
【0054】
上記の判定条件は、例えば、操作部14に含まれる測定終了ボタンが押される等して、生体情報の測定終了が指示されること、又は、操作部14に含まれる測定効率確認ボタンが押される等して、測定効率情報の報知指示がなされること等である。
【0055】
また、生体情報測定装置1が電池で動作するものである場合には、生体情報測定装置1の電池残量が生体情報の測定動作に必要な所定の残量閾値以下になるという判定条件を採用してもよい。
【0056】
また、生体情報測定装置1が、加速度センサ等の体動検出部と、体動検出部により検出される体動情報に基づいて生体情報測定装置1を装着する被測定者の睡眠状態を判定する睡眠判定部と、を有するものである場合には、被測定者が睡眠状態から覚醒状態(起床状態)に変化したという判定条件を採用してもよい。
【0057】
生体情報の測定効率とは、生体情報の測定開始指示がなされて測定動作(脈波の検出及びこの脈波に基づく生体情報の算出及び記憶)が開始されてから、上記の判定条件が満たされるまでの期間において、信頼性が閾値以上となる生体情報を如何に無駄なく記憶媒体13に記憶できたのかを示す指標である。測定効率情報生成部11Cによる測定効率情報の生成方法の詳細については後述する。
【0058】
報知処理部11Dは、測定効率情報生成部11Cにより生成された測定効率情報を報知する処理を行う。
【0059】
この処理は、測定効率情報を表示部15に表示させる処理、測定効率情報を生体情報測定装置1の図示しないスピーカから音声で出力させる処理、又は、測定効率情報を通信I/F12から外部の電子機器(例えば被測定者の所持するスマートフォン等)に送信させる処理等である。
【0060】
次に、測定効率情報生成部11Cによる測定効率情報の生成方法の具体例を説明する。測定効率情報生成部11Cは、以下の方法のいずれかによって測定効率情報を生成する。
【0061】
(第一の測定効率情報生成方法)
測定効率情報生成部11Cは、図3に示す測定データに基づいて、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間における、信頼性が閾値以上となる生体情報(測定フラグが“0”となっている生体情報)の算出元となる脈波が検出された期間の分布を示す画像情報を、測定効率情報として生成する。
【0062】
任意の脈波が検出された期間とは、この脈波の検出時刻から、この脈波の直前又は直後に検出された脈波の検出時刻までの期間を言う。
【0063】
なお、第一の測定効率情報生成方法が採用される場合は、図3に示す測定データにおいて脈波情報は必須ではない。
【0064】
図4は、第一の測定効率情報生成方法によって生成された画像情報に基づく画像が表示部15に表示された状態の画面例を示す図である。
【0065】
図4に示す画面には、横軸を時刻として脈波検出期間が矩形で示されている。そして、測定フラグ“0”が対応する生体情報の算出元となる脈波が検出された期間(測定成功期間)と、この期間以外の期間(測定フラグ“1”が対応する生体情報の算出元となる脈波が検出された期間:測定失敗期間)とが色分けして示されている。
【0066】
(第二の測定効率情報生成方法)
測定効率情報生成部11Cは、図3に示す測定データに基づいて、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間の長さに対する、信頼性が閾値以上となる生体情報(測定フラグが“0”となっている生体情報)の算出元となる脈波が検出された期間の累計期間の長さの関係を示す情報を、測定効率情報として生成する。この情報は、上記の2つの長さの関係が分かる情報であればよく、例えば2つの長さの比である。
【0067】
または、測定効率情報生成部11Cは、図3に示す測定データに基づいて、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間の長さに対する、この脈波検出期間のうちの信頼性が閾値以上となる生体情報(測定フラグが“0”となっている生体情報)の算出元となる脈波が検出された期間以外の期間の累計期間の長さの関係を示す情報を、測定効率情報として生成する。
【0068】
なお、第二の測定効率情報生成方法が採用される場合には、図3に示す測定データにおいて脈波情報は必須ではない。
【0069】
図5は、第二の測定効率情報生成方法によって生成された情報に基づく画像が表示部15に表示された状態の画面例を示す図である。
【0070】
図5(a)に示す画面には、測定効率情報として、脈波検出期間の長さに対する、測定フラグ“0”が対応する脈波が検出された期間の累計期間の長さの割合を示す“測定成功率75%”の文字が表示されている。
【0071】
図5(b)に示す画面には、測定効率情報として、脈波検出期間の長さ(総測定時間)に対する、測定フラグ“0”が対応する脈波が検出された期間の累計期間の長さ(測定成功時間)の比を示す“5.3/6時間”の文字が表示されている。
【0072】
図5(c)に示す画面には、測定効率情報として、脈波検出期間の長さに対する、測定フラグ“1”が対応する脈波が検出された期間の累計期間の長さの割合を示す“測定失敗率25%”の文字が表示されている。
【0073】
図5(d)に示す画面には、測定効率情報として、脈波検出期間の長さ(総測定時間)に対する、測定フラグ“1”が対応する脈波が検出された期間の累計期間の長さ(測定失敗時間)の比を示す“0.7/6時間”の文字が表示されている。
【0074】
図6は、第二の測定効率情報生成方法によって生成された情報に基づく画像が表示部15に表示された状態の別の画面例を示す図である。
【0075】
図6(a)及び図6(b)に示す画面には、測定効率情報として、脈波検出期間の長さに対する、測定フラグ“0”が対応する脈波が検出された期間の累計期間の長さの割合を示す円グラフ又は棒グラフが示されている。
【0076】
(第三の測定効率情報生成方法)
測定効率情報生成部11Cは、図3に示す測定データに基づいて、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間を複数に分割し、分割して得られた各分割期間の長さに対する、この各分割期間に対応する信頼性が閾値以上となる生体情報の算出元となる脈波が検出された期間の累計期間の長さの関係を示す情報を、測定効率情報として生成する。
【0077】
または、測定効率情報生成部11Cは、図3に示す測定データに基づいて、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間を複数に分割し、分割して得られた各分割期間の長さに対する、この各分割期間に対応する信頼性が閾値以上となる生体情報の算出元となる脈波が検出された期間の累計期間以外の期間の長さの関係を示す情報を、測定効率情報として生成する。
【0078】
なお、第三の測定効率情報生成方法が採用される場合には、図3に示す測定データにおいて脈波情報は必須ではない。
【0079】
図7は、第三の測定効率情報生成方法によって生成された情報に基づく画像が表示部15に表示された状態の画面例を示す図である。図7は、脈波検出期間が例えば午前0時〜午前8時であり、この脈波検出期間が1時間単位で8つに分割されたときの画面表示例を示している。
【0080】
図7(a)に示す画面には、横軸を時刻として各分割期間が矩形で示されている。そして、各分割期間を示す矩形において、測定フラグ“0”が対応する生体情報の算出元となる脈波が検出された期間の長さ(測定成功期間)と、この期間以外の期間の長さ(測定失敗期間)とが色分けして示されている。
【0081】
図7(b)に示す画面には、分割期間毎に測定成功率(総測定時間に対する測定フラグ“0”が対応する脈波が検出された期間の累計時間の割合)が示されている。図7(c)に示す画面には、分割期間毎に測定失敗率(総測定時間に対する測定フラグ“1”が対応する脈波が検出された期間の累計時間の割合)が示されている。
【0082】
(第四の測定効率情報生成方法)
測定効率情報生成部11Cは、図3に示す測定データに基づいて、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間中に検出された脈波の総数と、測定データに含まれる信頼性が閾値以上となる生体情報の総数(測定フラグ“0”の総数)とをそれぞれ算出する。そして、測定効率情報生成部11Cは、この脈波の総数に対する測定フラグ“0”の総数の割合(測定成功率)を、測定効率情報として生成する。なお、脈波検出期間中に検出された脈波の隣接脈波の間隔の数を、脈波検出期間中に検出された脈波の総数として扱ってもよい。
【0083】
または、測定効率情報生成部11Cは、図3に示す測定データに基づいて、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間中に検出された脈波の総数と、脈波検出期間中に検出された脈波のうちの信頼性が閾値以上となる生体情報の算出元となった脈波以外の脈波の総数(測定フラグ“1”の総数)とをそれぞれ算出する。測定効率情報生成部11Cは、この脈波の総数に対する測定フラグ“1”の総数の割合(測定失敗率)を、測定効率情報として生成する。
【0084】
なお、第四の測定効率情報生成方法が採用される場合には、図3に示す測定データのうちの全ての脈波情報の代わりに、脈波検出期間中に検出された脈波の総数の情報が記憶されていてもよい。
【0085】
図8は、第四の測定効率情報生成方法によって生成された情報に基づく画像が表示部15に表示された状態の画面例を示す図である。
【0086】
図8(a)に示す画面には、測定効率情報として、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間中に検出された脈波の総数に対する測定フラグ“0”の総数の割合を示す“測定成功率80%”の文字が表示されている。
【0087】
図8(b)に示す画面には、測定効率情報として、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間中に検出された脈波の総数(総データ数)に対する測定フラグ“0”の総数(有効データ数)の比を示す“24,000/30,000”の文字が表示されている。
【0088】
図8(c)に示す画面には、測定効率情報として、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間中に検出された脈波の総数に対する測定フラグ“1”の総数の割合を示す“測定失敗率20%”の文字が表示されている。
【0089】
図8(d)に示す画面には、測定効率情報として、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間中に検出された脈波の総数(総データ数)に対する測定フラグ“1”の総数(無効データ数)の比を示す“6,000/30,000”の文字が表示されている。
【0090】
なお、図6に示すように、測定効率情報がグラフによって表示されてもよい。
【0091】
(第五の測定効率情報生成方法)
測定効率情報生成部11Cは、図3に示す測定データに基づいて、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間を複数に分割し、分割して得られた各分割期間で検出された脈波の総数と、各分割期間に対応する信頼性が閾値以上の生体情報の総数(測定フラグ“0”の総数)とをそれぞれ算出する。測定効率情報生成部11Cは、各分割期間の脈波の総数に対する当該各分割期間の測定フラグ“0”の総数の割合(測定成功率)を測定効率情報として生成する。
【0092】
または、測定効率情報生成部11Cは、図3に示す測定データに基づいて、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間を複数に分割し、分割して得られた各分割期間で検出された脈波の総数と、各分割期間に対応する信頼性が閾値以上の生体情報の総数を上記の各分割期間の脈波の総数から減算した値(各分割期間に対応する測定フラグ“1”の総数)とをそれぞれ算出する。測定効率情報生成部11Cは、各分割期間の脈波の総数に対する当該各分割期間の測定フラグ“1”の総数の割合(測定失敗率)を測定効率情報として生成する。
【0093】
なお、第五の測定効率情報生成方法が採用される場合には、図3に示す測定データにおいて脈波情報は必須ではない。また、図3に示す測定データのうちの脈波情報の代わりに、この脈波情報の分割期間毎の総数の情報が記憶されていてもよい。
【0094】
第五の測定効率情報生成方法によって生成された情報に基づく画像の表示例は、図7(b)及び図7(c)に示したようなものとなる。
【0095】
(第六の測定効率情報生成方法)
測定効率情報生成部11Cは、図3に示す測定データに含まれる全ての脈波情報の一部の脈波情報(例えば1分間分の脈波情報)と、図3に示す測定データに含まれる脈波検出期間情報とに基づいて、脈波検出期間情報に基づく脈波検出期間において検出された脈波の総数を推定する。
【0096】
測定効率情報生成部11Cは、単位期間で検出された脈波の数から、脈波検出期間情報に基づく脈波検出期間で検出される脈波の数を演算する。
【0097】
例えば、測定データに含まれる1分間で検出された脈波情報の数が“50”であり、測定データに含まれる脈波検出期間情報に基づく脈波検出期間が420分であれば、50×420=21000の演算によって、この脈波検出期間における脈波の総数を推定することができる。
【0098】
更に、測定効率情報生成部11Cは、測定データに含まれる信頼性が閾値以上となる生体情報の総数(測定フラグ“0”の数)を算出する。そして、測定効率情報生成部11Cは、推定した脈波の総数に対する、算出した測定フラグ“0”の総数の割合(測定成功率)を、測定効率情報として生成する。または、測定効率情報生成部11Cは、推定した脈波の総数に対する測定フラグ“1”の総数の割合(測定失敗率)を、測定効率情報として生成する。
【0099】
なお、第六の測定効率情報生成方法が採用される場合には、図3に示す測定データにおいて、脈波情報は予め決められた単位期間分のデータのみ記憶されていれば十分である。または、脈波情報の代わりに、単位期間で検出された脈波の総数の情報が記憶されていてもよい。
【0100】
(第七の測定効率情報生成方法)
測定効率情報生成部11Cは、第六の測定効率情報生成方法と同様の方法で、脈波検出期間に検出された脈波の総数を推定する。
【0101】
更に、測定効率情報生成部11Cは、脈波検出期間情報で示される脈波検出期間を複数に分割し、分割して得られた各分割期間で検出されたと推定される脈波の総数と、各分割期間に対応する信頼性が閾値以上の生体情報の総数(測定フラグ“0”の総数)とをそれぞれ算出する。
【0102】
測定効率情報生成部11Cは、分割期間で検出されたと推定される脈波の総数については、上記の方法で推定した脈波検出期間における脈波の総数を分割期間の数で除算することで求める。
【0103】
測定効率情報生成部11Cは、各分割期間の脈波の推定総数に対する各分割期間に対応する測定フラグ“0”の総数の割合(測定成功率)を測定効率情報として生成する。または、測定効率情報生成部11Cは、各分割期間の脈波の推定総数に対する各分割期間に対応する測定フラグ“1”の総数の割合(測定失敗率)を測定効率情報として生成する。
【0104】
第七の測定効率情報生成方法によって生成された情報に基づく画像の表示例は、図7(b)及び図7(c)に示したものと同じである。
【0105】
なお、第七の測定効率情報生成方法が採用される場合には、図3に示す測定データにおいて、脈波情報は予め決められた単位期間分のデータのみ記憶されていれば十分である。または、脈波情報の代わりに、単位期間で検出された脈波の総数の情報が記憶されていてもよい。
【0106】
図9は、図1に示す生体情報測定装置1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0107】
操作部14が操作されて生体情報の測定開始指示がなされると、脈波検出部10により脈波検出処理が開始される。この脈波検出処理によって検出された脈波は、日付及び時刻の情報と対応付けて記憶媒体13に記憶される。脈波検出処理が開始されると、システム制御部11は、脈波検出部10により検出された脈波に基づいて生体情報を算出し記憶する処理を行う(ステップS1)。
【0108】
生体情報の算出処理を開始した後、システム制御部11は、生体情報の測定終了の指示がなされたか否かを判定し(ステップS2)、測定終了の指示がなされていない場合(ステップS2:NO)にはステップS1に処理を戻す。
【0109】
一方、測定終了の指示がなされた場合(ステップS2:YES)には、システム制御部11は、脈波検出部10を停止させ、生体情報の算出処理を終了し、測定開始指示がなされてから現時点までに記憶媒体13に記憶された生体情報算出結果情報と脈波検出結果情報とに基づいて、この生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の測定効率を示す測定効率情報を生成する(ステップS3)。測定効率情報の生成は、上記の第一〜第七のいずれかの方法で行われる。
【0110】
そして、システム制御部11は、生成した測定効率情報を表示部15に表示させることで、生体情報測定装置1の利用者に報知する(ステップS4)。
【0111】
ここでは、測定終了指示がなされたことを契機にしてステップS3以降の処理が行われるものとしたが、生体情報の測定中又は生体情報の測定がなされていないときに、測定効率情報の報知指示がなされると、システム制御部11が、記憶媒体13に記憶されている最新の測定データ人に基づいて測定効率情報を生成し、生成した測定効率情報を報知してもよい。
【0112】
また、システム制御部11が電池で動作するものである場合には、システム制御部11が、生体情報測定装置1の電池残量が生体情報の測定動作に必要な残量閾値以下となった場合に、ステップS3以降の処理を行った後、装置の電源をオフにする。
【0113】
以上のように生体情報測定装置1によれば、生体情報測定装置1の利用者は、生体情報の測定終了時等のタイミングで、測定された生体情報の測定効率を認識することができる。このため、測定効率が低い場合には、例えば、体動が少なくなるよう心掛ける等の対応をとることが可能となり、生体情報を効率的に測定することができる。この結果、医師が診断のために必要な生体情報を効率的に得ることができ、医師と患者の双方にとってメリットのある装置を提供することができる。
【0114】
また、生体情報測定装置1では、例えば、生体情報の測定終了指示がなされた場合に測定効率情報の報知が行われる。このため、被測定者が例えば就寝中に測定された生体情報の測定効率情報を、起床後すぐに確認することができる。これにより、記憶が新しいうちに、測定効率を改善するための行動計画を立てることができる。
【0115】
また、生体情報測定装置1では、測定効率情報の報知指示がなされた場合に測定効率情報の報知が行われる。このため、被測定者が任意のタイミングで測定報知情報を確認可能となり、利便性を向上させることができる。
【0116】
また、第一の測定効率情報生成方法によれば、図4に示すように、どの時刻に測定が失敗しているのかを直感的に把握することができる。このため、測定効率が低下する原因の究明が容易となり、測定効率を上げるための対応が容易となる。
【0117】
また、第一の測定効率情報生成方法及び第二の測定効率情報生成方法によれば、脈波情報を用いずに測定効率情報を生成可能である。このため、脈波情報の記憶に要する電力の削減及び記憶媒体13の容量増大を防ぐことができ、省エネ及びコスト削減を実現することができる。
【0118】
また、第三の測定効率情報生成方法によれば、分割期間毎の測定効率を把握することができる。このため、測定効率が低下する原因の究明が容易となり、測定効率を上げるための対応が容易となる。また、第三の測定効率情報生成方法によれば、脈波情報を用いずに測定効率情報を生成可能である。このため、脈波情報の記憶に要する電力の削減及び脈波情報の記憶に要する記憶媒体13の容量の増大を防ぐことができ、省エネ及びコスト削減を実現することができる。
【0119】
また、第四の測定効率情報生成方法によれば、脈波情報を用いずに測定効率情報を生成可能である。このため、脈波情報の記憶に要する電力の削減及び脈波情報の記憶に要する記憶媒体13の容量の増大を防ぐことができ、省エネ及びコスト削減を実現することができる。
【0120】
また、第五の測定効率情報生成方法によれば、分割期間毎の測定効率を把握することができる。このため、測定効率が低下する原因の究明が容易となり、測定効率を上げるための対応が容易となる。また、第五の測定効率情報生成方法によれば、脈波情報を用いずに測定効率情報を生成可能である。このため、脈波情報の記憶に要する電力の削減及び脈波情報の記憶に要する記憶媒体13の容量の増大を防ぐことができ、省エネ及びコスト削減を実現することができる。
【0121】
また、第六の測定効率情報生成方法によれば、脈波情報として単位期間分の脈波情報又は単位期間で検出された脈波の総数の情報を用いることで測定効率情報を生成可能である。このため、脈波情報の記憶に要する電力の削減及び脈波情報の記憶に要する記憶媒体13の容量の増大を防ぐことができ、省エネ及びコスト削減を実現することができる。
【0122】
また、第七の測定効率情報生成方法によれば、分割期間毎の測定効率を把握することができる。このため、測定効率が低下する原因の究明が容易となり、測定効率を上げるための対応が容易となる。また、第七の測定効率情報生成方法によれば、単位期間分の脈波情報又は単位期間で検出された脈波の総数の情報を用いて測定効率情報を生成可能である。このため、脈波情報の記憶に要する電力の削減及び脈波情報の記憶に要する記憶媒体13の容量の増大を防ぐことができ、省エネ及びコスト削減を実現することができる。
【0123】
なお、測定効率情報生成部11Cは、測定終了指示又は報知指示がなされた時点でステップS3以降の処理を行う場合には、測定データに含まれる生体情報のうち、この時点から所定期間前の時点までに算出されて記憶媒体13に記憶された生体情報を、測定効率情報の生成に用いる生体情報からは除外することが好ましい。
【0124】
測定終了指示又は報知指示は、操作部14を操作することでシステム制御部11に入力される。例えば生体情報測定装置1が手首に装着されるものである場合には、操作部14を操作するための手の動作によって、体動によるノイズが脈波に重畳される可能性が高い。このノイズが重畳した脈波を含めて測定効率情報を生成すると、測定効率が実際の値より低下する可能性がある。
【0125】
このため、このような操作部14の操作期間等のノイズが発生しやすい期間で検出された脈波とこの脈波に基づいて算出される生体情報については、測定データから除外することで、より正確な測定効率情報を得ることができる。
【0126】
同様に、測定効率情報生成部11Cは、測定データに含まれる生体情報のうち、測定開始指示がなされた時点から所定期間経過後の時点までに算出されて記憶媒体13に記憶された生体情報を、測定効率情報の生成に用いる生体情報からは除外することが好ましい。
【0127】
生体情報測定装置1が睡眠時に利用されることを想定すると、ここでの所定時間は、測定開始指示がなされてから生体情報測定装置1を装着する被測定者の体動の変化量が所定範囲に納まるまでの時間とすればよい。つまり、測定効率情報生成部11Cは、測定データに含まれる生体情報のうち、測定開始指示がなされた時点から被測定者の体動の変化量が予め決められた所定範囲に納まるまでの期間に算出されて記憶媒体13に記憶された生体情報を、測定効率情報の生成に用いる生体情報からは除外することが好ましい。このように、就寝時における被測定者の動きによって生じた脈波とこの脈波に基づいて算出される生体情報については、測定データから除外することで、より正確な測定効率情報を得ることができる。
【0128】
上記の採用条件が第一の条件である場合、生体情報算出部11Aは、任意の脈波のIDで特定される脈波が採用条件を満たさなかった場合には、このIDに対して、測定フラグ“1”と、脈波が採用条件を満たさなかった原因を示す情報(体動による測定失敗であることを示す情報)と、を対応付けて記憶するのが好ましい。
【0129】
生体情報算出部11Aは、測定フラグ“1”が記憶された脈波が連続して複数個検出されている場合に、この連続して検出された脈波の個数が第一の閾値以上第二の閾値未満であれば、この複数個の脈波が採用条件を満たさない原因を寝返り等の“無意識な体動”によるものと判定する。そして、生体情報算出部11Aは、この複数個の脈波に対し、“無意識な体動”によって採用条件が満たさないことを示す情報を対応付けて記憶する。
【0130】
生体情報算出部11Aは、連続して検出された脈波の個数が第二の閾値以上であれば、この複数個の脈波が採用条件を満たさない原因を、夜間のトイレへの移動等の“意識的な移動”によるものと判定する。そして、生体情報算出部11Aは、この複数個の脈波に対して、“意識的な移動”によって採用条件が満たさないことを示す情報を対応付けて記憶する。
【0131】
寝返り等の無意識な体動は短い時間で起こると考えられ、トイレへの移動等の意識的な移動は寝返りよりも長い期間継続すると考えられる。このため、上記のように測定フラグ“1”が記憶された脈波が連続する際の脈波の連続数の多さによって、体動の原因を判定することができる。
【0132】
そして、測定効率情報生成部11Cは、測定効率情報を報知する際に、脈波が採用条件を満たさなかった原因を示す情報を併せて報知する。
【0133】
例えば図6に示す画像を表示部15に表示させる場合には、図10に示すように、測定失敗の原因を、無意識体動と意識的移動の2つに分けて表示させる。具体的には、測定失敗の原因毎に、採用条件を満たさなかった脈波の全脈波の数に対する割合、又は、採用条件を満たさなかった脈波の検出された期間の累計期間の長さの脈波検出期間に対する割合を求めて、これらの割合を測定効率情報と併せて表示させる。
【0134】
図4図5(c)、図5(d)、図8(c)、又は、図8(d)の画面例に対しても、同様に、測定失敗となった原因を図11に例示したように表示させることができる。
【0135】
このように、生体情報の測定が失敗した原因が報知されることで、生体情報測定装置1の利用者は、測定効率を上げるために必要な行動を容易に把握することができる。
【0136】
図12は、本発明の一実施形態である診断支援システム100の概略構成を示す図である。診断支援システム100は、生体情報測定装置1Aと、電子機器2と、を備える。
【0137】
生体情報測定装置1Aの内部ハードウェア構成は、生体情報測定装置1と同じであるため説明を省略する。生体情報測定装置1Aのシステム制御部11の機能ブロック図は、図2において、測定効率情報生成部11C及び報知処理部11Dを削除した構成である。
【0138】
電子機器2は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、又は、タブレット端末等の電子機器である。
【0139】
電子機器2は、生体情報測定装置1Aと有線又は無線等で接続可能であり、生体情報測定装置1Aの記憶媒体13のデータを読み込み可能である。なお、生体情報測定装置1Aの記憶媒体13が可搬型である場合には、電子機器2がこの記憶媒体からデータを読み取り可能な手段を有し、装着された記憶媒体からデータを読み取る構成としてもよい。
【0140】
図13は、図12に示す診断支援システム100の電子機器2の内部ハードウェア構成を示す図である。
【0141】
電子機器2は、全体を統括制御するシステム制御部21と、通信インタフェース(I/F)22と、記憶媒体23と、操作部24と、表示部25と、を備える。
【0142】
システム制御部21は、プロセッサを主体に構成されており、プロセッサの実行するプログラム等が記憶されるROM及びワークメモリとしてのRAM等を含む。
【0143】
通信I/F22は、生体情報測定装置1Aを含む電子機器と有線又は無線で接続するためのインタフェースである。
【0144】
記憶媒体23は、生体情報測定装置1Aから読み出したデータを記憶する。記憶媒体23は、例えばフラッシュメモリ等により構成される。
【0145】
操作部24は、システム制御部21に対する指示信号を入力するためのインタフェースであり、キーボード、マウス、ボタン、又は、タッチパネル等により構成される。
【0146】
表示部25は、各種情報を表示するためのものであり、例えば液晶表示装置等により構成される。
【0147】
図14は、図13に示す電子機器2のシステム制御部21の機能ブロック図である。
【0148】
システム制御部21は、測定データ取得部21Aと、測定効率情報生成部21Cと、報知処理部21Dと、を備える。
【0149】
測定データ取得部21A、測定効率情報生成部21C、及び、報知処理部21Dは、ROMに記憶されるプログラムをプロセッサが実行することによって構成される。このプログラムは、生体情報測定支援プログラムを含む。システム制御部21は生体情報測定支援装置を構成する。
【0150】
測定データ取得部21Aは、生体情報測定装置1Aの記憶媒体13から、この記憶媒体13に記憶された上記の測定データを取得して、記憶媒体23に記憶する。
【0151】
測定効率情報生成部21Cは、測定効率情報生成部11Cと同様の機能を有し、電子機器2の操作部24が操作されて測定効率情報の報知指示がなされた場合、又は、記憶媒体13の測定データの記憶媒体23へのコピーが完了した場合等のタイミングで、記憶媒体23に記憶された最新の測定データに基づいて測定効率情報を生成する。
【0152】
報知処理部21Dは、報知処理部11Dと同様の機能を有し、測定効率情報生成部21Cにより生成された測定効率情報を報知する処理を行う。報知処理部21Dは、表示部25に情報を表示させたり、図示しないスピーカから音声を出力させたりすることで報知を行う。
【0153】
以上のように、電子機器2において、測定効率情報を生成して報知する構成とすることもできる。この構成によれば、生体情報測定装置1Aでの処理量を削減して、装置の電池寿命を延ばすことができる。また、生体情報測定装置1Aに表示部又はスピーカ等が設けられない場合でも、測定効率情報を被測定者に報知することができ、生体情報測定装置1Aの小型化及び低コスト化にも対応可能となる。
【0154】
なお、診断支援システム100において、測定効率情報生成部21Cの機能は生体情報測定装置1Aが有する構成であってもよい。この場合は、電子機器2のシステム制御部21が、生体情報測定装置1Aから測定効率情報を取得し、取得した測定効率情報を報知する処理を行う。
【0155】
また、診断支援システム100において、報知処理部21Dの機能は生体情報測定装置1Aが有する構成であってもよい。この場合は、電子機器2のシステム制御部21が、生成した測定効率情報を生体情報測定装置1Aに送信する。生体情報測定装置1Aの報知処理部21Dは、この測定効率情報を取得して、報知処理を行う。
【0156】
上記の報知処理部11D及び報知処理部21Dは、基本的には、生体情報測定装置1及び生体情報測定装置1Aの被測定者に対して測定効率情報を報知するものであるが、測定効率情報を被測定者の通院する病院の端末にインターネット等を介して送信し、病院関係者に対して測定効率情報を報知する構成としてもよい。
【0157】
この構成によれば、病院側において患者の測定状況を把握することができ、患者に対して効率的な測定方法のアドバイスを行う等の対応が可能となる。
【0158】
上述してきた各種プログラムは、当該プログラムをコンピュータが読取可能な一時的でない(non−transitory)記憶媒体に記憶される。
【0159】
このような「コンピュータ読取可能な記憶媒体」は、たとえば、ROM、CD−ROM(Compact Disc−ROM)等の光学媒体、又は、メモリカード等の磁気記憶媒体等を含む。また、このようなプログラムを、ネットワークを介したダウンロードによって提供することもできる。
【0160】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0161】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0162】
開示された生体情報測定支援装置は、生体から検出された脈波に基づいて生体情報を算出する生体情報算出部による生体情報の算出結果を示す情報であって、少なくとも前記脈波に基づいて算出された生体情報を含む生体情報算出結果情報と、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の算出のために行われた脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報と、が記憶される記憶媒体の前記生体情報算出結果情報及び前記脈波検出結果情報に基づいて、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の測定効率を示す測定効率情報を生成する測定効率情報生成部によって生成された測定効率情報を取得し、前記測定効率情報を報知する処理を行う報知処理部を備えるものである。
【0163】
開示された生体情報測定支援装置は、前記脈波検出結果情報は、前記脈波検出処理の行われた脈波検出期間の情報を含み、前記生体情報算出結果情報は、前記脈波に基づいて算出された生体情報と、当該脈波の検出時刻の情報とを含むものである。
【0164】
開示された生体情報測定支援装置は、前記測定効率情報生成部は、前記生体情報算出結果情報に含まれる信頼性が閾値以上の生体情報の算出元となる脈波が検出された期間の前記脈波検出期間における分布を示す情報を、前記測定効率情報として生成するものである。
【0165】
開示された生体情報測定支援装置は、前記測定効率情報生成部は、前記脈波検出期間の長さに対する、前記生体情報算出結果情報に含まれる信頼性が閾値以上の生体情報の算出元となる脈波が検出された期間の第一の累計期間の長さの関係を示す情報、又は、前記脈波検出期間の長さに対する前記第一の累計期間以外の期間の長さの関係を示す情報を、前記測定効率情報として生成するものである。
【0166】
開示された生体情報測定支援装置は、前記測定効率情報生成部は、前記脈波検出期間を分割した各分割期間の長さに対する、前記各分割期間において前記生体情報算出結果情報に含まれる信頼性が閾値以上の生体情報の算出元となる脈波が検出された第一の累計期間の長さの関係を示す情報、又は、前記各分割期間の長さに対する前記第一の累計期間以外の期間の長さの関係を示す情報を、前記測定効率情報として生成するものである。
【0167】
開示された生体情報測定支援装置は、前記脈波検出結果情報は、前記脈波検出処理によって得られた全ての脈波の情報又は前記全ての脈波の数の情報を含むものである。
【0168】
開示された生体情報測定支援装置は、前記測定効率情報生成部は、前記全ての脈波の数に対する、前記生体情報算出結果情報に含まれる信頼性が閾値以上の生体情報の第一の数の関係を示す情報、又は、前記全ての脈波の数に対する、当該全ての脈波の数から前記第一の数を減算して得られる数の関係を示す情報を、前記測定効率情報として生成するものである。
【0169】
開示された生体情報測定支援装置は、前記脈波検出結果情報は、前記脈波検出処理の行われた脈波検出期間の情報を更に含み、前記生体情報算出結果情報は、前記脈波に基づいて算出された生体情報と、当該脈波の検出時刻の情報とを含み、前記測定効率情報生成部は、前記脈波検出期間を分割した各分割期間において検出された前記脈波の第一の数に対する前記各分割期間において検出された脈波に基づいて算出された信頼性が閾値以上となる生体情報の第二の数の関係を示す情報、又は、前記第一の数に対する、当該第一の数から前記第二の数を減算して得られる数の関係を示す情報を、前記測定効率情報として生成するものである。
【0170】
開示された生体情報測定支援装置は、前記脈波検出結果情報は、前記脈波検出処理によって得られた複数の脈波のうちの一部の脈波の情報と、前記脈波検出処理の行われた脈波検出期間の情報とを含むものである。
【0171】
開示された生体情報測定支援装置は、前記測定効率情報生成部は、前記一部の脈波の情報と前記脈波検出期間の情報とに基づいて、前記脈波検出期間中に検出された脈波の総数を推定し、推定した脈波の総数に対する前記生体情報算出結果情報に含まれる信頼性が閾値以上の生体情報の第一の数の関係を示す情報、又は、前記総数に対する、当該総数から前記第一の数を減算して得られる数の関係を示す情報を、前記測定効率情報として生成するものである。
【0172】
開示された生体情報測定支援装置は、前記生体情報算出結果情報は、前記脈波に基づいて算出された生体情報と、当該脈波の検出時刻の情報とを含み、前記測定効率情報生成部は、前記脈波検出期間を分割した各分割期間において検出されたと脈波の第二の数を前記脈波の総数に基づいて推定し、前記第二の数に対する、前記生体情報算出結果情報に含まれる信頼性が閾値以上の生体情報のうちの前記各分割期間において検出された脈波に基づいて算出された生体情報の第三の数の関係を示す情報、又は、前記第二の数に対する、当該第二の数から前記第三の数を減算して得られる数の関係を示す情報を、前記測定効率情報として生成するものである。
【0173】
開示された生体情報測定支援装置は、前記生体情報算出結果情報は、信頼性が閾値以上となる生体情報の算出ができなかったことを示す情報と、前記生体情報の算出ができなかった原因を示す情報とを更に含み、前記報知処理部は、前記測定効率情報と併せて、前記原因を示す情報を報知するものである。
【0174】
開示された生体情報測定支援装置は、前記生体情報は血圧情報であるものを含む。
【0175】
開示された生体情報測定支援装置は、前記測定効率情報生成部を更に備えるものである。
【0176】
開示された生体情報測定支援装置は、前記報知処理部は、前記脈波を検出する脈波検出部と、前記生体情報算出部と、前記生体情報算出結果情報と前記脈波検出結果情報を前記記憶媒体に記憶する記憶制御部と、を備える生体情報測定装置に対して生体情報の測定終了指示がなされた場合、前記生体情報測定装置の電池残量が生体情報の測定動作に必要な残量閾値以下となった場合、又は、測定効率情報の報知指示がなされた場合に、前記測定効率情報を報知するものである。
【0177】
開示された生体情報測定装置は、生体から脈波を検出する脈波検出部と、前記脈波検出部により検出された脈波に基づいて生体情報を算出し、前記生体情報の算出結果を示す情報であって、少なくとも前記生体情報を含む生体情報算出結果情報を記憶媒体に記憶する生体情報算出部と、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の算出のために前記脈波検出部により行われた脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報を前記記憶媒体に記憶する記憶制御部と、前記生体情報測定支援装置と、を備えるものである。
【0178】
開示された生体情報測定装置は、生体情報の測定終了指示又は測定効率情報の報知指示がなされた場合に前記測定効率情報を生成するものであり、前記測定終了指示又は前記報知指示がなされた場合には、前記測定終了指示又は前記報知指示がなされた時点から所定期間前の時点まで、又は、前記生体情報測定装置を装着している被測定者が起床してから前記測定終了指示又は前記報知指示がなされた時点までに算出されて前記記憶媒体に記憶された生体情報を、前記測定効率情報の生成に用いる生体情報からは除外するものである。
【0179】
開示された生体情報測定装置は、前記測定効率情報生成部は、生体情報の測定開始指示がなされてから所定期間経過後の時点までに算出されて前記記憶媒体に記憶された生体情報を、前記測定効率情報の生成に用いる生体情報からは除外するものである。
【0180】
開示された生体情報測定装置は、被測定者の体動を検出する体動検出部を更に備え、前記測定効率情報生成部は、生体情報の測定開始指示がなされてから前記被測定者の体動の変化量が所定範囲に納まるまでの期間に算出されて前記記憶媒体に記憶された生体情報を、前記測定効率情報の生成に用いる生体情報からは除外するものである。
【0181】
開示された生体情報測定支援方法は、生体から検出された脈波に基づいて生体情報を算出する生体情報算出部による生体情報の算出結果を示す情報であって、少なくとも前記脈波に基づいて算出された生体情報を含む生体情報算出結果情報と、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の算出のために行われた脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報と、が記憶される記憶媒体の前記生体情報算出結果情報及び前記脈波検出結果情報に基づいて、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の測定効率を示す測定効率情報を生成する測定効率情報生成部から、前記測定効率情報を取得するステップと、前記測定効率情報を報知する処理を行うステップと、を備えるものである。
【0182】
開示された生体情報測定支援プログラムは、生体から検出された脈波に基づいて生体情報を算出する生体情報算出部による生体情報の算出結果を示す情報であって、少なくとも前記脈波に基づいて算出された生体情報を含む生体情報算出結果情報と、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の算出のために行われた脈波検出処理の結果を示す脈波検出結果情報と、が記憶される記憶媒体の前記生体情報算出結果情報及び前記脈波検出結果情報に基づいて、前記生体情報算出結果情報に含まれる生体情報の測定効率を示す測定効率情報を生成する測定効率情報生成部から、前記測定効率情報を取得するステップと、前記測定効率情報を報知する処理を行うステップと、をコンピュータに実行させるためのものである。
【産業上の利用可能性】
【0183】
本発明は、特に血圧計等に適用して利便性が高く、有効である。
【符号の説明】
【0184】
1,1A 生体情報測定装置
10 脈波検出部
11,21 システム制御部
12,22 通信I/F
13,23 記憶媒体
14,24 操作部
15,25 表示部
16 体動検出部
11A 生体情報算出部
11B 記憶制御部
11C,21C 測定効率情報生成部
11D,21D 報知処理部
100 診断支援システム
2 電子機器
21A 測定データ取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14