(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続端子片の先端は、前記サポートタブの先端よりも外側に位置する外部端子部でハンダ付け可能な長さで、前記絶縁台座シートの先端よりも外側に飛び出している請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学デバイス。
前記リード端子が引き出される位置での前記リード端子から前記外装シートに含まれる金属シートまでの樹脂の厚みよりも、前記絶縁台座シートの上に保持される前記リード端子から前記外装シートに含まれる金属シートまでの樹脂の厚みの方が大きい請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学デバイス。
前記外装シートの先端が、前記リード端子の引出方向に沿って前記シール部よりも外側に延長してあり、前記サポートタブを兼ねている請求項1〜5のいずれかに記載の電気化学デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0017】
第1実施形態
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る電気化学デバイスとしての電気二重層キャパシタ(EDLC)2は、外装シート4を有する。外装シート4は、一枚のシートを折り返し周縁部4cで折り曲げて形成された表面シート4aおよび裏面シート4bを有している。なお、表面シート4aと裏面シート4bとは折り返さず、独立した上下のシートを貼り合わせても外装シート4を構成してもよい。
【0018】
本実施形態では、外装シート4は、X軸方向の長さL0がY軸方向の長さW0に比較して長い長方形状を有するが、これに限定されず、正方形でも、その他の多角形状、あるいは円形、楕円形、あるいはその他の形状でも良い。この実施形態では、外装シート4の表面シート4aと裏面シート4bとが重なる方向を厚み方向(Z軸方向)とし、それに相互に直交する方向をX軸およびY軸とする。
【0019】
図2Aに示すように、外装シート4の内部には、素子本体10が内蔵してある。素子本体10は、電気二重層キャパシタの素子を構成しており、本実施形態では、単一のキャパシタ素子が外装シート4の内部に収容してある。なお、本実施形態では、外装シート4の裏面シート4bのX軸方向の両側先端が、リード端子18,28の引出方向に沿ってシール部40,42よりも外側に延長してあり、リード端子18,28の先端部を保持するサポートタブ4f1,4f2を兼ねている。
【0020】
素子10では、電解質溶液が染み込んであるセパレータシート11を挟むように一対の第1内部電極16と第2内部電極26とが積層してある。第1内部電極16と第2内部電極26のうちの一方は、正極となり、他方は、負極となるが、構成は同じである。これらの第1内部電極16および第2内部電極26は、それぞれセパレータシート11の相互に反対面に接触するように積層される第1活性層12および第2活性層22を有する。また、第1内部電極16および第2内部電極26は、各活性層12,22にそれぞれ接触するように積層される第1集電体層14および第2集電体層24を有する。
【0021】
セパレータシート11は、内部電極16および18を電気的に絶縁すると共に、電解質溶液が浸透可能に構成してあり、たとえば電気絶縁性の多孔質シートで構成される。電気絶縁性の多孔質シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や、上記樹脂の混合物の延伸膜、あるいは、セルロース、ポリエステルおよびポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。セパレータシート11の厚さは、たとえば5〜50μm程度である。
【0022】
集電体層14,24としては、一般的に高い導電性を有する材料であれば特に限定されないが、低電気抵抗の金属材料が好ましく用いられ、たとえば、銅、アルミニウム、ニッケル等などのシートが用いられる。これらの集電体層14,24のそれぞれの厚みは、たとえば10〜100μm程度であるが、好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下であり、さらにまた好ましくは15〜80μmであり、特に好ましくは15〜60μmである。集電体層14,24のY軸方向幅は、好ましくは2〜10mmであり、セパレータシート11のY軸方向幅よりも小さいことが好ましい。集電体層14,24は、セパレータシート11のY軸方向の中央に配置されることが好ましい。
【0023】
活性層12,22は、活物質およびバインダを含み、好ましくは導電助剤を含む。活性層12,22は、それぞれの集電体層14,24を構成するシートの表面に積層して形成される。
【0024】
活物質としては、種々の電子伝導性を有する多孔体が挙げられ、たとえば、活性炭、天然黒鉛、人造黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、メソカーボンファイバー(MCF)、コークス類、ガラス状炭素、有機化合物焼成体等の炭素材料が挙げられる。バインダとしては、上記の活物質、好ましくは導電助剤を集電体層を構成するシートに固定することができれば特に限定されず、種々の結着剤を使用できる。バインダとしては、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂や、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)と水溶性高分子(カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、デキストリン、グルテン等)との混合物等が挙げられる。
【0025】
導電助剤は、活性層12,22の電子伝導性を高めるために添加される材料である。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料および金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
【0026】
活性層12,22のそれぞれの厚さは、好ましくは、たとえば1〜100μm程度である。活性層12,22は、各集電体層14,24の表面に、セパレータシート11と同等以下の面積で、集電体層14,24の表面に形成されている。活性層12,22は、公知の方法で作製することができる。
【0027】
本実施形態において、「正極」とは、電気二重層キャパシタに電圧を印加した際に、電解質溶液中のアニオンが吸着する電極であり、「負極」とは、電気二重層キャパシタに電圧を印加した際に、電解質溶液中のカチオンが吸着する電極である。なお、電気二重層キャパシタに対して一度特定の正負の向きに電圧を印加して充電した後に再充電する際には、通常最初と同じ向きに充電を行い、逆向きに電圧を印加して充電することは少ない。
【0028】
外装シート4は、後述の電解質溶液を透過させない材料からなり、しかも、外装シート4の周縁部同士、あるいは
図6Aに示す密封用テープ40a(以下同様に、42aを含む場合あり)と熱シールにより一体化されるものであることが好ましい。この密封用テープ40aは、作業性から粘着テープなどのテープ状のものが好ましい。ただしテープに限らず塗布可能なシーラント樹脂であっても熱により溶融し接着可能なものであればどのような形態のものでも良い。
【0029】
また、外装シート4は、素子本体10を密封し、シート4の内部に、空気や水分が進入するのを防止するもので構成してある。具体的には、外装シート4は、単層シートでも良いが、
図2Aに示すように、金属シート4Aを、内側層4Bおよび外側層4Cとで挟むように積層してある多層シートであることが好ましい。
【0030】
金属シート4Aは、たとえばAl、ステンレス等で構成してあることが好ましく、内側層4Bは、電気絶縁材で構成してあり、電解質溶液とは反応しにくく熱シール可能なポリプロピレンなどと同様な材質で構成してあることが好ましい。また、外側層4Cは、特に制限されず、たとえばPET、PC、PES、PEN、PI、フッ素樹脂、PE、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などで構成してあることが好ましい。外装シート4の厚みは、好ましくは、5〜150μmである。
【0031】
本実施形態では、外装シート4の耐力は、JIS Z2241において、390〜1275N/mm
2 、好ましくは785〜980N/mm
2 である。また、外装シートの硬さは、ピッカース硬さ(Hv)(JIS 2244)において、230〜480、好ましくは280〜380である。このような観点からは、外装シート4の金属シート4Aは、JISで規定するステンレス鋼SUS304(BA)、SUS304(1/2H)、SUS304 H、SUS301 BA、SUS301(1/2H)、SUS301(3/4H)が好ましい。
【0032】
リード端子18,28は、集電体層14,24に対して電流の入出力端子の役割を果たす導電性部材であり、矩形板形状をなしている。本実施形態では、各リード端子18,28は、集電体層14,24をそれぞれ構成する導電性シートと連続して一体化されたシートにより形成してあり、集電体層14,24と同じ厚みであることが好ましい。
【0033】
図2Aに示すように、各リード端子18,28は、素子本体10のX軸方向の相互に反対側からサポートタブ4f1,4f2に沿って引き出され、素子本体10の内部は、第1シール部40および第2シール部42によりシールされている。第1シール部40および第2シール部42は、後述する
図6Aおよび
図6Bに示す密封用テープ40a,42aと、
図2Aに示す外装シート4の内側層4Bとが、熱シール時の加熱により一体化されて形成される。すなわち、
図4に示すように、外装シート4の内周面に形成してある内側層(樹脂)4Bの一部が、密封用テープ40a,42aと共に、リード端子18,28のY軸方向の両側表面に密着して熱溶着部となり、第1シール部40および第2シール部42での密封性を向上させる。
【0034】
また、
図1に示すように、リード端子18,28が引き出されていない第3シール部44では、外装シート4の折り返し周縁部4cで折り曲げられて、熱シール時の加熱により、外装シート4の内側層4Bが融着して一体化される。同様にリード端子18,28が引き出されていない第4シール部46では、
図3に示すように、外装シート4の表面シート4aおよび裏面シート4bにおけるサイド周縁部4eの内側層4Bが、熱シール時の加熱により融着して一体化される。
【0035】
図1に示すように、第1シール部40のY軸方向の両端には、それぞれ第3シール部44および第4シール部46の一端が接続するように連続して形成してあり、これらの第3シール部44および第4シール部46の他端を接続するように、第2シール部42が連続して形成してある。そのため、外装シート4の内部は、外装シート4の外部に対して良好に密封される。
【0036】
外装シート4で挟まれ、シール部40,42,44および46により素子本体10を密封するための空間には、電解質溶液(図示せず)が充填され、その一部は、
図2Aに示す活性層12,22およびセパレータシート11の内部に含浸されている。
【0037】
電解質溶液としては、電解質を有機溶媒に溶解させたものが使用される。電解質としては、たとえば、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEA
+ BF
4 − )、トリエチルモノメチルアンモニウムテトラフルオロボレート(TEMA
+ BF
4 − )等の4級アンモニウム塩など、アンモニウム塩、アミン塩、或いはアミジン塩などを用いるのが好ましい。なお、これらの電解質は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】
また、有機溶媒としては、公知の溶媒を使用することができる。有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、スルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリルなどが好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。好ましくは、有機溶媒(溶剤)としては、カーボネート系の溶媒が好ましい。
【0039】
各リード端子18,28は、
図2Aに示すように、それぞれ第1シール部40および第2シール部42を通り、第1シール部40および第2シール部42の外部に引き出される。第1シール部40および第2シール部42は、各リード端子18,28が外部に引き出される部分であり、第3シール部43および第4シール部44に比較して、特に密封性が要求される。
【0040】
本実施形態のEDLC2では、素子本体10の第1リード端子18と第2リード端子28とが、EDLC2の長手(X軸方向)方向に沿って反対側に引き出されている。このため、EDLC2のY軸方向幅を小さくすることができると共に、第1シール部40および第2シール部42の厚みを必要最小限にすることができ、EDLC2全体の厚みも小さくすることができる。このため、EDLC2の小型化および薄型化を実現することができる。
【0041】
また、本実施形態のEDLC2では、たとえば第1リード端子18を正極とし、第2リード端子28を負極とし、電解質溶液で浸漬された素子本体10に接続してある。EDLCでは、単一の素子での耐電圧が最大で約2.85V程度と決まっており、用途に合わせて耐電圧を向上させるために、素子を直列に接続してもよい。本実施形態のEDLC2は、きわめて薄く、しかも十分な耐電圧を有することから、ICカードなどの薄型電子部品に内蔵するための電池として好適に用いることができる。
【0042】
特に本実施形態では、
図2Bに示すように、シール部40,42から外側に引き出されるリード端子18,28の先端部18a,28aには、リード端子18,28とは異なる金属で構成してある接続端子片50の基端部50aが接合してある。接合のための手段としては、超音波溶接、レーザ溶接、抵抗溶接、アーク溶接、ガス溶接などが例示される。接続端子片50の厚みZ6は、リード端子18,28の各厚みZ3と同等以上が好ましい。好ましくは、Z6/Z3は、好ましくは、1.2〜5倍である。
【0043】
本実施形態では、
図2Aに示すように、集電体層14,24と同じ金属で一体化して形成されるリード端子18,28は、素子内部の電解質溶液に対して耐腐食性を有する観点からアルミニウムまたはその合金で構成されていることが好ましい。本実施形態では、接続端子片50は、リード端子18,28とは異なるハンダ接続可能な異種金属で構成することができ、
図2Cに示すように、端子片50の先端部50bのハンダ70による回路基板(外部端子)80への接合が容易になる。
【0044】
接続端子50を構成する異種金属としては、ハンダ70による接合可能な金属で構成されることが好ましく、たとえば銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、錫などが例示される。ハンダ70は、錫(Sn)を主体とするもので、銅(Cu)と化合物(SnCu)を形成しやすい。一般的には、銅の表面に数マイクロメートル(1〜9ミクロン)の合金層が形成されて接合される。このため、リン青銅やコルソン銅、真鍮(CuZn)など銅合金などを接続端子片50として、アルミニウムまたはその合金製のリード端子18,28の先端部18a,28aに接合することが好ましい。
【0045】
銅合金の他にはニッケルなどもハンダ接合が可能な金属となる。また、銅は酸化しやすく、酸化銅になると錫との合金の形成が困難になることから、表面にメッキを行い、酸化を防ぐ処置をすることもある。金(Au)やパラジウム(Pd)などの貴金属メッキが多く用いられるが、半田メッキ、錫メッキをしても構わない。下地にニッケルや銅を使用する場合もある。通常、ステンレスやアルミニウム、チタンなどにはハンダが相溶しにくく接合しにくい金属となる。
【0046】
本実施形態では、
図2Bに示すように、リード端子18,28とサポートタブ4f1,4f2との間には、絶縁台座シート60が介在してある。絶縁台座シート60は、単一層で構成されてもよく、二層または三層以上の多層で構成されていてもよい。いずれにしても、絶縁台座シート60としては、プラスチックフィルム、合成紙などの絶縁材料であれば特に問わないが、印加される熱などによっても所定の厚みが維持され、結果として絶縁が保たれる材料であれば良い。
【0047】
絶縁台座シート60を工業的に使用するには、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などが安価で扱いやすいが、耐熱性があることが好ましい。ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリル(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレートなどで構成してもよい。また、PEやPPでも、延伸された延伸ポリエチレン(OPE)、延伸ポリプロピレン(OPP)は製造時に縦横方向に延伸されて結晶配向が優れ、シール材として使用されるCPP(押し出したもの、キャスティングPP)より、耐熱性が向上するため好ましい。また、絶縁台座シート60としては、ポリウレタンやエポキシ樹脂のような熱硬化性の樹脂でも構わない。あるいは、これらの複合材料からなるフィルムでもよい。
【0048】
本実施形態では、絶縁台座シート60としては、たとえば三層構造の樹脂フィルムで構成されることが好ましく、積層方向の中心部には、耐熱性に優れたPETなどの高融点樹脂が配置され、その表面と裏面にPPなどの低融点樹脂が積層されていることが好ましい。絶縁台座シート60の厚みは、好ましくは、30μm以上、さらに好ましくは40μm以上、特に好ましくは50μm以上である。
【0049】
絶縁台座シート60は、熱融着または接着などにより、裏面シート4bのX軸方向の先端部に形成してあるサポートタブ4f1,4f2の内側層4Bに接合されて一体化される。絶縁台座シート60の表面(リード端子18または28の裏面)から裏面シート4bの金属シート4Aまでの厚みZ7は、前述したシール部40または42の第2厚みZ2と同等、または、それよりも大きいことが好ましい。
【0050】
すなわち、リード端子18,28がシール部40,42から引き出される位置でのリード端子18,28から外装シート4に含まれる金属シート4Aまでの樹脂の厚みZ2よりも、絶縁台座シート60の上に保持されるリード端子18,28から金属シート4Aまでの樹脂の厚みZ7の方が大きい。このように構成することで、接続端子片50がサポートタブ4f1,4f2の先端に露出している金属に短絡するおそれが少なくなる。
【0051】
絶縁台座シート60の基端部60aは、シール部40または42と接触して一体化されていてもよいが、図示するようにX軸方向に所定距離で離れていてもよい。本実施形態では、絶縁台座シート60の先端部60bは、サポートタブ4f1,4f2の先端と実質的に同じ位置か、それよりもX軸方向に所定距離X1で飛び出しており、接続端子片50の先端部50bが、絶縁台座シート60の先端部60bよりもX軸方向の外側に所定距離X2で飛び出している。なお、接続端子片50は、Z軸方向(またはその他の方向)に湾曲していてもよく、その場合には、直線に変換した場合の所定距離X2である。
【0052】
所定距離X1としては、好ましくは、−0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上が好ましい。−0.3mmとは、「絶縁台座シート60の先端部60bは、サポートタブ4f1,4f2の先端部よりもX軸方向に0.3mm程度に多少引き込まれていてもよい」という趣旨である。また、所定距離X1は、外装シート4の厚み以下程度でもよい。
【0053】
所定距離X2は、
図2Cに示すように、接続端子片50の先端部50bが、サポートタブ4f1,4f2の先端よりも外側に位置する回路基板80の端子部でハンダ70による接合が可能となるように決定される。この所定距離X2は、好ましくは、1mm以上、さらに好ましくは、3mm以上、特に好ましくは、5mm〜10mmである。このように構成することでハンダ接続が容易になる。
【0054】
本実施形態では、
図2Cに示すように、接続端子片50が絶縁台座シート60の先端部60bに邪魔されて、サポートタブ4f1,4f2の先端に接触するおそれが少なくなる。サポートタブ4f1,4f2の先端には、その内部に埋め込んである金属シート4Aの先端が露出することがあるが、その先端が接続端子片50に短絡するおそれが少なくなる。
【0055】
なお、本実施形態では、
図2Bに示すように、リード端子18,28の先端部18a,28aが、絶縁台座シート60の先端部60bよりも内側(EDLC2の中心に近い側)に位置している。ただし、本実施形態では、
図2Dに示すように、リード端子18,28の先端部18a,28aは、絶縁台座シート60の先端部60bよりも外側に位置していてもよい。
【0056】
本実施形態では、
図2Bに示すように、リード端子18,28が引き出されるシール部40,42の位置で、リード端子18,28の表面から表面側の金属シート4Aまでのシール部40,42の第1厚みをZ1とし、リード端子18,28の裏面から裏面側の金属シート4Aまでのシール部40,42の第2厚みをZ2とし、リード端子18,28の厚みをZ3とした場合に、以下の関係が成り立つことが好ましい。
【0057】
すなわち、第1厚みZ1と第2厚みZ2とは、それぞれ10μm以上であることが好ましい。これらの第1厚みZ1と第2厚みZ2とは、本実施形態では、略同一であるが、必ずしも同一である必要はない。たとえば第1厚みZ1は、
図5に示す密封用テープ40aと内側層4Bに対応する厚みで構成され、第2厚みZ2は、
図5に示す内側層4Bに対応する厚みで構成され、その逆でもよい。
【0058】
また本実施形態では、リード端子18,28の厚みZ3が15〜80μmであり、好ましくは、15〜60μm、さらに好ましくは、15〜40μmである。厚みZ3を薄くすることで、デバイスの寿命を長くすることができる。ただし、リード端子の強度を維持するためには、リード端子の厚みZ3は、好ましくは15μm以上、さらに好ましくは20μm以上である。
【0059】
また本実施形態では、
図4に示すように、リード端子18,28が引き出される位置でのシール部40,42を構成する樹脂の最大厚みZ5が、好ましくは40〜140μmである。なお、リード端子18,28が引き出される位置でのシール部40,42を構成する樹脂は、
図5に示す密封用テープ40aを構成する樹脂と外装シート4の内側層4Bを構成する樹脂とで構成される。
【0060】
リード端子18,28が引き出される位置でのシール部40,42を構成する樹脂の最大厚みZ5は、リード端子18,28の厚みZ3よりも大きく、第1厚みZ1と第2厚みZ2とが、それぞれ10μm以上となるように決定される。
【0061】
本実施形態では、端子18,28を導出している部分のシール部40,42の厚みZ1,Z2と、端子の厚みZ3と、シール部を構成する樹脂の最大厚みとを所定の関係に保つことで、EDLC2の寿命を長くすることができる。表面シート4aおよび裏面シート4bは、金属シート4Aをそれぞれ含んでいる。そのため、表面シート4a自体および裏面シート4b自体を電解液が外部に透過して拡散することは考えにくく、電解液は、シール部40,42を通して外部に拡散すると考えられる。
【0062】
シール部の厚みは、特に、リード端子18,28が引き出される部分で厚くなる。本実施形態では、端子18,28が引き出される部分のシール部40,42の厚みZ1,Z2と、端子の厚みZ3と、シール部を構成する樹脂の最大厚みとを、上述した所定の関係に保つことで、EDLC2の寿命を長くすることができる。
【0063】
図3に示すように、リード端子が引き出されないシール部46(シール部44も同様)の位置で、表面側の金属シート4Aから裏面側の金属シート4Aまでのシール部46の厚みZ4が、好ましくは50μm以下である。このように構成することで、リード端子が引き出されないシール部46からの電解液の拡散も抑制することが可能になり、EDLC2の寿命をさらに向上させることができる。なお、シール部46の厚みZ4は、シール性能を向上させる観点からは、好ましくは10μm以上である。
【0064】
また本実施形態では、リード端子18,28が引き出される位置でのシール部40,42を構成する樹脂は、
図5に示す密封用テープ40aを構成する樹脂と、外装シート4の内側層4Bを構成する樹脂とで構成され、好ましくは、ポリプロピレン(PP)樹脂である。シール部をポリプロピレン樹脂で構成することで、シール性が向上し、シール部を通して外部に拡散する電解液の割合を少なくすることが可能になる。
【0065】
なお、リード端子18,28が引き出される位置でのシール部40,42を構成する樹脂は、ポリプロピレン以外の樹脂であってもよく、たとえば低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレン・アクリル酸共重合樹脂(EAA)、エチレン・メタクリル酸共重合樹脂(EMAA)などが例示される。
【0066】
また、本実施形態では、
図2Aに示すように、リード端子18または28の引出方向に沿ったシール部40または42の封止距離が2mm以上が好ましい。このように封止距離を長くすることで、シール性が向上し、シール部を通して外部に拡散する電解液の割合を少なくすることが可能になる。なお、シール部40または42の封止距離とは、リード端子18または28の引出方向に沿ったシール部40または42のX軸方向の長さであり、シール部40または42を構成する樹脂でリード端子18または28が覆われているX軸方向長さである。
【0067】
次に、
図5および
図6A〜
図6Bを用いて、本実施形態のEDLC2の製造方法の一例について説明する。
【0068】
図5および
図6Aに示すように、まず、素子本体10を製造する。素子本体10を製造するために、一方の電極16を準備し、電極16とリード端子18との境界部分に、テープ40aを貼り付ける。また、他方の電極26を準備し、電極26とリード端子28との境界部分に、テープ42aを貼り付ける。そして、電極16と電極26との間にセパレータ11を配置する。
【0069】
各リード端子18,28には、前述した第1シール部40および第2シール部42となるX軸方向位置に、それぞれ密封用テープ40aおよび42aが、各端子18,28の片側表面または両側に接着してある。テープ40aおよび42aのY軸方向の幅は、リード端子18,28のY軸方向幅よりも長い。なお、リード端子18,28の先端部18a,28aには、それぞれ接続端子片50の基端部50aが接合してある。本実施形態では、接続端子片50のY軸方向幅は、リード端子18,28のY軸方向幅と略同一であるが、幅広に構成してあってもよく、幅狭に構成してあってもよい。
【0070】
次に、素子本体10の全体を覆うように、外装シート4を折り返し周縁部4cで折り曲げて、シート4の表面シート4aおよび裏面シート4bで素子本体10を覆う。なお、外装シート4は、Y軸方向に予め長く形成してある。外装シート4の表面シート4aにおけるX軸方向の幅は、表面シート4aのX軸方向の先端部4d1,4d2がそれぞれテープ40a,42aのX軸方向の内側に位置するように調整されている。なお、表面シート4aと裏面シート4bとは折り返さず、独立した上下のシートを貼り合わせても外装シート4を構成してもよい。
【0071】
本実施形態では、裏面シート4bのX軸方向の幅が表面シート4aのX軸方向の幅よりも大きい。すなわち、裏面シート4bのX軸方向の両側先端が、リード端子18,28の引出方向に沿ってテープ40a,42aよりもX軸方向の外側に延長してあり、リード端子18,28の先端部18a,28aを保持するサポートタブ4f1,4f2を兼ねている。また、リード端子18,28とサポートタブ4f1,4f2との間には、絶縁台座シート60が介在してある。
【0072】
次に、
図6Bに示すように、第1シール部40と第2シール部42とを形成するために、テープ40a,42aを表面シート4aと裏面シート4bとで挟み込む位置で、これらのシート4a,4bのZ軸方向の外側から熱融着治具で加熱加圧する。その際に、密封用テープ40a,42aは、加圧および加熱により流動する接着用樹脂として、外装シート4の内側層4Bと密着して一体化され、固化後にシール部40および42となる。テープ40a,42aの融着時に、テープ40a,42aを構成する樹脂がはみだし、表面シート4aのX軸方向の先端部4d1,4d2に位置する金属シート4Aの露出面を覆うことが好ましい。ショート不良などを防止するためである。
【0073】
なお、その前後に、外装シート4の折り返し周縁部4cを加圧加熱し、第3シール部44を形成する。次に、第4シール部46が形成されていない外装シート4の開口端52から電解質溶液を注入し、その後に、最後の第4シール部46を、第3シール部44を形成するための治具と同様な治具を用いて熱シールにより形成する。その後に、第4シール部46の外側の切断線54に沿って外装シート4を切断し、余分な外装シート4’を除去することで、本実施形態のEDLC2が得られる。
【0074】
本実施形態では、第1シール部40は、第1リード端子18に貼着してある密封用テープ40aが、外装シート4の内側層4Bと熱シール(加熱圧着)されて形成される。また、同様に、第2シール部42は、第2リード端子28に貼着してある密封用テープ42aが、外装シート4の内側層4Bと熱シール(加熱圧着)されて形成される。
【0075】
本実施形態では、たとえばEDLC2の最大厚みを1mm以下、好ましくは0.9mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下にすることができる。
【0076】
なお、絶縁台座シート60は、外装シート4の内部に素子本体10を密封する前に、外装シート4の所定位置に接合してあるが、密封後に、リード端子18,28とサポートタブ4f1,4f2との間に具備してもよい。
【0077】
第2実施形態
図7および
図8に示すように、本実施形態のEDLC2aでは、外装シート4の内部に、Y軸方向に並んで2つの素子本体10a,10bが内蔵してある。その他は、第1実施形態と同様なので、図面では共通する部材には共通する符号を付し、以下の説明では、共通する部分の説明は一部省略し、相違する部分について詳細に説明する。
【0078】
本実施形態では、外装シート4が、表面シート4a1と裏面シート4b1とから成り、
図1に示す外装シート4に比較して、Y軸方向に略2倍の大きさを有する。外装シート4の内部には、
図8に示すように、2つの素子本体10a,10bが内蔵してあり、それぞれの素子本体10a,10bは、それぞれ第1実施形態の素子本体10と同様な構造を有している。
【0079】
本実施形態では、各素子本体10a,10bの第2リード端子28,28は、別々に形成してあるが、各素子本体10a,10bの各第1リード端子18Aは、連結部18Bに一体成形してあり、相互に連続している。すなわち、各素子本体10a,10bは、
図7に示すように、第1リード端子18Aおよび連結部18Bを介して、直列に接続してある。
【0080】
外装シート4のY軸方向の中央部には、第3シール部44aがX軸方向に沿って形成してあり、素子本体10a,10b間で、電解質溶液の流通が遮断されるようになっている。素子本体10aが収容される空間は、外装シート4に連続して形成される第1シール部40、第2シール部42、第3シール部44aおよび第4シール部46aにより密封され、電解質溶液が貯留される。同様に、素子本体10bが収容される空間は、外装シート4に連続して形成される第1シール部40、第2シール部42、第3シール部44aおよび第4シール部46bにより密封され、電解質溶液が貯留される。
【0081】
本実施形態では、X軸方向の同じ側に引き出されるリード端子相互を、接続片などで直列または並列に接続することで、電池の容量を増やしたり、耐電圧を高めることが可能である。また、本実施形態においても、
図1に示すようなサポートタブ4f1および4f2を具備させているため、リード端子28,18Aおよび連結部18Bの折れ曲りなどを有効に防止することができる。
【0082】
本実施形態では、リード端子18A,18Aおよび連結部18Bとサポートタブ4f1との間には、絶縁台座シート60が介在せず、リード端子28,28と一方のサポートタブ4f2との間にのみ、絶縁台座シート60が介在してある。また、シール部40から外側に引き出されるリード端子18A,18Aには、リード端子28,28とは異なる金属で構成してある接続端子片50は接合されない。そして、シール部42から外側に引き出されるリード端子28,28の各先端部28a,28aのみに、リード端子28とは異なる金属で構成してある接続端子片50の基端部50aがそれぞれ接合してある。
【0083】
なお、シール部40から外側に引き出されるリード端子18A,18A を、連結部18Bで接続させない場合には、リード端子28,28と同様に、リード端子18A,18Aとサポートタブ4f1との間に、絶縁台座シート60を介在させてもよい。また、リード端子28,28と同様に、接続端子片50,50を、各リード端子18A,18Aに接続させてもよい。本実施形態のその他の構造および作用効果は、前述した実施形態と同様である。
【0084】
第3実施形態
図2Eに示すように、本実施形態のEDLC2bでは、いずれか一方のリード端子18,28が引き出される位置で、外装シート4の表面シート4aの先端部4d1,4d2が、リード端子18,28の引出方向であるX軸に沿ってリード端子18,28から離れる方向に外側に開いている。それ以外は、本実施形態のEDLC2bは、第1実施形態のEDLC2と同様である。図面では共通する部材には共通する符号を付し、共通する部分の説明は省略する。
【0085】
本実施形態では、表面シート4aの先端部4d1,4d2において、金属シート4Aの先端が露出していたとしても、リード端子18,28の接続端子片50と金属シート4Aの露出先端4Aaとの先端隙間距離Z8を、大きくすることが可能になる。そのため、接続端子片50と金属シート4Aの露出先端4Aaとの間でのショート不良を効果的に防止することができる。なお、表面シート4aの先端部4d1,4d2は、リード端子18,28の引出方向に沿ってリード端子18,28の先端部18a,28aよりもX軸方向の内側に位置する。
【0086】
本実施形態では、シール部40,42に対応する位置でのリード端子18,28と金属シート4Aとの間の最小隙間距離Z0(第1実施形態のZ1またはZ2に対応する)に比較して、シール部40よりもX軸方向外側に飛び出しているリード端子18,28の接続端子片50と金属シート4Aの露出先端4Aaとの先端隙間距離Z8が大きい。
【0087】
また本実施形態では、リード端子18,28に対する外装シート4の先端部4d1,4d2の開き角度θが、好ましくは5度以上で70度以下、さらに好ましくは5〜60度である。このように構成することで、ショート不良をさらに効果的に防止することができると共に、クラックが抑制され、EDLC2bの繰り返し曲げ耐性が向上する。
【0088】
本実施形態では、リード端子18,28がそれぞれ引き出される位置で、
図2Eに示すように、表面シート4aの先端部4d1,4d2がリード端子18,28の引出方向に沿ってリード端子18,28から離れる方向に外側に開いている開き部分4d11,4d22の長さL1が、好ましくは、100μm以上2000μm以下である。このように構成することで、ショート不良を効果的に防止することができる。
【0089】
特に本実施形態に係るEDLC2bでは、その製造に際して、表面シート4aの先端部4d1,4d2からのシール部40,42のはみ出し量を制御する必要がなくなる。したがって、本実施形態に係るEDLC2bの製造が容易である。なお、表面シート4aの先端部4d1,4d2からシール部40,42が多少はみ出してもよい。
【0090】
また、本実施形態では、シール部40,42を構成する接着用樹脂の一部は、表面シート4aの先端部4d1,4d2とリード端子18,28との間の隙間の少なくとも一部を埋めるように広がっていてもよい。あるいはシール部40,42を構成する接着用樹脂とは別の接着剤または樹脂が、表面シート4aの先端部4d1,4d2とリード端子18,28との間の隙間の少なくとも一部を埋めていてもよい。
【0091】
本実施形態でも、リード端子18,28とサポートタブ4f1,4f2との間には、絶縁台座シート60が介在してある。また、シール部40,42から外側に引き出されるリード端子18,28には、リード端子18,28とは異なる金属で構成してある接続端子片50がそれぞれ接合してある。本実施形態のその他の構造および作用効果は、前述した実施形態と同様である。
【0092】
第4実施形態
上述した実施形態のEDLCでは、素子本体10の第1リード端子18と第2リード端子28とが、EDLC2,2a,2bの長手(X軸方向)方向に沿って反対側に引き出されているが、
図9に示すように、本実施形態のEDLC2cでは、X軸方向の一方のみに全ての第1〜第4リード端子18,28,38a,38bが引き出されている。
【0093】
本実施形態のEDLC2cの外装シート4には、一枚のシート4を第2シール部42で折り曲げて表面シート4a2および裏面シート4b2が形成してある。本実施形態では、リード端子18,28,38a,38bがX軸方向の外側に引き出される外装シート4の周縁部を密封する部分を第1シール部40とする。また、リード端子18,28,38a,38bがX軸方向の外側に引き出される外装シート4の周縁部と反対側のシート折り返し部分が第2シール部42となる。さらに、Y軸方向の相互に反対側に位置する外装シート4の両サイド周縁部を密封している部分を第3シール部44および第4シール部46とする。
【0094】
本実施形態では、第1シール部40を形成するための単一または複数の密封用テープ40aを、前述した実施形態と同様にして、外装シート4の内面に対して部分的に熱融着してから、第1シール部40が形成してある。本実施形態でも、リード端子18,28,38a,38bとサポートタブ4f1との間には、絶縁台座シート60が介在してある。また、シール部40から外側に引き出されるリード端子18,28,38a,38bには、リード端子18,28,38a,38bとは異なる金属で構成してある接続端子片50がそれぞれ接合してある。本実施形態のその他の構成および作用効果は、第1〜第3実施形態と同様なので、図面では共通する部材には共通する符号を付し、共通する部分の説明は省略する。
【0095】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0096】
たとえば、
図6Aなどに示す密封用テープ40a,42aは、単一層の樹脂テープに限らず多層構造の樹脂テープであってもよい。たとえば積層方向の中心部に高融点樹脂(たとえばPP)層があり、その両面に低融点樹脂(たとえばPP)層がある三層積層構造のテープを用いてもよい。このような構成のテープ40a,42aを用いることにより、シール部40,42でのシール性がさらに向上すると共に、リード端子18,28にバリが生じていたとしても、そのバリが高融点樹脂層により突抜が防止される。したがって、シール部40,42での短絡不良を防止できると共に、熱圧着時でのリード端子の破断などを有効に防止することができる。
【0097】
また、本発明が適用されるラミネート型の電気化学デバイスとしては、EDLCに限らず、リチウム電池やリチウム電池キャパシタなどにも適用することができる。また、電気化学デバイスの具体的な形状や構造は、図示する例に限定されない。
【0098】
さらに、上述した実施形態では、接続端子片50は、X軸方向の外側に向けて、絶縁台座シート60の先端部60bより所定距離X2で飛び出しているが、絶縁台座シート60のY軸方向の先端部からY軸方向の外側に向けて飛び出させてもよい。なお、上述した実施形態も含めて、特に本実施形態では、絶縁台座シート60のY軸方向の先端部は、サポートタブ4f1,4f2のY軸方向の先端と実質的に同じ位置か、それよりも飛び出していることが好ましい。
【0099】
また、上述した実施形態では、リード端子18,28の双方に接続端子片50を接合してあるが、本発明では、いずれか一方のリード端子18,28のみに接続端子片50を接合してもよい。
【実施例】
【0100】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0101】
実施例1
図1に示すEDLC2の試料を製造した。EDLC2における外装シート4における金属シート4Aの材質は、SUS304であった。
図2Bに示すリード端子18,28としては、その厚みZ3が30μmのアルミニウム箔を用いた。シール部40,42の厚みZ1(Z2も同じ)は、25μmであり、
図4に示す樹脂最大厚みZ5は、80μmであった。また、
図3に示すシール部46の厚みZ4は、30μm以下であった。また、接続端子片50としては、その厚みZ6が100μmのリン青銅製金属箔を用いた。リン青銅製金属箔の表面には、パラジウムがメッキしてあった。
【0102】
絶縁台座シート60としては、25μm厚のPETの表裏面にそれぞれ14μm厚のPPが積層してある三層積層フィルムを用いた。絶縁台座シート60の先端部60bがサポートタブ4f1,4f2の先端からX軸の外側に飛び出している距離X1は0mmであった。また、接続端子片50の先端部50bが絶縁台座シート60の先端部60bから飛び出している距離X2は、3mmであった。
【0103】
同じ試料を100個で作製し、
図2Cに示すように、リード端子18,28の接続端子片50の先端部50bを、FPC基板などの回路基板80の端子部分にハンダ付けした。その後、サポートタブ4f1,4f2の金属シート4Aとリード端子18,28または接続端子片50との短絡がないかを調べた結果を表1に示す。表1において、ショート数とは、100個の試料の内で短絡が観察された試料の数を示す。なお、100個の試料において、距離X1,X2の製造誤差は、±0.2mmであった。
【0104】
実施例2
絶縁台座シート60の先端部60bがサポートタブ4f1,4f2の先端からX軸の外側に飛び出している距離X1を0.5mmとした以外は、実施例1と同様にして、EDLC2の試料を製造し、実施例1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【0105】
実施例3
絶縁台座シート60として、12μm厚のPETの表裏面にそれぞれ14μm厚のPPが積層してある三層積層フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、EDLC2の試料を製造し、実施例1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【0106】
実施例4
絶縁台座シート60として、6μm厚のPETの表裏面にそれぞれ14μm厚のPPが積層してある三層積層フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、EDLC2の試料を製造し、実施例1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【0107】
実施例5
絶縁台座シート60の先端部60bがサポートタブ4f1,4f2の先端からX軸の外側に飛び出している距離X1を0.5mmとした以外は、実施例4と同様にして、EDLC2の試料を製造し、実施例1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【0108】
比較例1
絶縁台座シート60を、サポートタブ4f1,4f2の表面に取り付けなかった以外は、実施例1と同様にして、EDLC2の試料を製造し、実施例1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【0109】
比較例2
絶縁台座シート60の先端部60bがサポートタブ4f1,4f2の先端からX軸の外側に飛び出している距離X1を−0.5mm(0.5mm引っ込んでいる)とした以外は、実施例1と同様にして、EDLC2の試料を製造し、実施例1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【0110】
評価
表1に示すように、実施例1〜5によれば、比較例1および2に比較して、大幅にショート発生数を低減できることが確認できた。また、表1に示す結果から、絶縁台座シート60の厚みは、好ましくは、34μm以上、さらに好ましくは40μm以上、特に好ましくは53μm以上である場合に、ショート数が少なくなることが確認できた。また、距離X1は、好ましくは0(±0.2mm)以上、さらに好ましくは0.5mm(±0.2mm)以上である場合に、ショート数が少なくなることが確認できた。
【0111】
【表1】