特許第6642639号(P6642639)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6642639カードゲーム関連装置およびカードゲーム関連装置制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6642639
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月5日
(54)【発明の名称】カードゲーム関連装置およびカードゲーム関連装置制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/95 20140101AFI20200127BHJP
   A63F 13/20 20140101ALI20200127BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20200127BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20200127BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20200127BHJP
   A63F 13/792 20140101ALI20200127BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20200127BHJP
【FI】
   A63F13/95 A
   A63F13/20 A
   A63F13/30
   A63F13/69
   A63F13/79
   A63F13/792
   A63F13/80 B
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-126635(P2018-126635)
(22)【出願日】2018年7月3日
(62)【分割の表示】特願2013-196926(P2013-196926)の分割
【原出願日】2013年9月24日
(65)【公開番号】特開2018-143889(P2018-143889A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2018年8月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松山 雄介
【審査官】 鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−087558(JP,A)
【文献】 特開2012−098822(JP,A)
【文献】 特開2002−191855(JP,A)
【文献】 特開2009−160325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対価の支払いによって、ゲームプレイとトレーディングカードが提供されるゲームにおいて、プレイヤに対してトレーディングカードを印刷して払い出す権利、前記プレイヤのプレイヤID及び、所定の店舗の情報と紐付ける対価支払済情報を記憶手段に登録する対価支払済情報付与手段と、
前記対価支払済情報に基づく印刷指示を受け付けた場合にカード画像の印刷を行ってトレーディングカードを作成可能な印刷手段と、
を有し、
前記印刷手段は、前記印刷指示が、前記対価支払済情報に紐付けられた前記所定の店舗でのみ、前記トレーディングカードの作成が可能であることを特徴とするカードゲーム関連装置。
【請求項2】
前記印刷手段は、前記トレーディングカードの購入に基づく印刷指示を受け付けた場合にも前記トレーディングカードを作成可能であり、且つ、前記トレーディングカードの購入に基づく印刷指示を受け付けた場合には、プレイヤに対して印刷対価の支払いを要求することを特徴とする請求項1に記載のカードゲーム関連装置。
【請求項3】
カードゲーム関連装置を構成するコンピュータを、
対価の支払いによって、ゲームプレイとトレーディングカードが提供されるゲームにおいて、プレイヤに対してトレーディングカードを印刷して払い出す権利、前記プレイヤのプレイヤID及び、所定の店舗の情報と紐付ける対価支払済情報を記憶手段に登録する対価支払済情報付与手段
前記対価支払済情報に基づく印刷指示を受け付けた場合にカード画像の印刷を行ってトレーディングカードを作成可能な印刷手段
として機能させ、
前記印刷手段は、前記印刷指示が、前記対価支払済情報に紐付けられた前記所定の店舗でのみ、前記トレーディングカードの作成が可能であることを特徴とするカードゲーム関連装置制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンター等の店舗に設置されるアーケード型のカードゲーム装置では、プレイヤの所有する物理的なトレーディングカードを読み込ませることで、読み込ませたトレーディングカードの内容に応じた戦い方ができるようになっている(特許文献1等を参照。)。トレーディングカードは店舗内で購入できるほか、ゲーム終了時に所定枚数がカードゲーム装置から排出されるようになっている。購入するトレーディングカードやカードゲーム装置から排出されるトレーディングカードには、所定の確率で、価値の高いレアカードが含まれている。
【0003】
従来、トレーディングカードは、予め印刷されたものを用意しておき、店舗内の販売機やカードゲーム装置に装填されるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−330641号公報
【特許文献2】特開2001−87558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のカードゲーム装置によれば、次のような問題点が指摘されていた。
【0006】
(1)各店舗では印刷されたトレーディングカードを切らさないように在庫を管理しなければならず、そのための作業が繁雑であった。また、イベントの開催等に合わせて特別なトレーディングカードを提供したい場合もあるが、印刷等の準備に時間がかかり、この場合も在庫の管理が煩雑であった。更に、店舗としてはレアカードが出現する確率を状況に応じて変化させたいところであるが、在庫に手を加えなければならず、困難であった。
【0007】
(2)ゲームの進展と取得できるトレーディングカードとの間に直接の関連性がないため、プレイヤのトレーディングカードを取得する喜びを充分に高められなかった。
【0008】
(3)在庫として店舗に保管してあるトレーディングカードの中からレアカードが抜かれる等の店員による不正が充分に防げなかった。
【0009】
(4)プレイヤによるトレーディングカードの偽造等の不正が充分に防げなかった。
【0010】
(5)ネットワークゲームで行われているカード合成(複数のカードからそれぞれの属性を加味して強化した新たなカードを生成)は現物のトレーディングカードでは実現が困難であった。
【0011】
一方、特許文献2には、ゲームにより保有した画面に表示される仮想的なカードと同様な現物のカードを印刷によりゲームプレイヤに提供する技術が開示されている。
【0012】
しかし、特許文献2は現物のカードなしでゲームプレイを行うことを前提とするものであって、印刷した現物のカードはプレイヤの所有欲を満たす限りのものであり、上述した現物のトレーディングカードを読み込んでゲームを進行させることを前提とするカードゲーム装置の問題点を解決することはできない。
【0013】
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、柔軟で適切な運用が可能な新たなカードゲームの仕組を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、本発明のカードゲーム関連装置にあっては、対価の支払いによって、ゲームプレイとトレーディングカードが提供されるゲームにおいて、プレイヤに対してトレーディングカードを印刷して払い出す権利、前記プレイヤのプレイヤID及び、所定の店舗の情報と紐付ける対価支払済情報を記憶手段に登録する対価支払済情報付与手段と、前記対価支払済情報に基づく印刷指示を受け付けた場合にカード画像の印刷を行ってトレーディングカードを作成可能な印刷手段と、を有し、前記印刷手段は、前記印刷指示が、前記対価支払済情報に紐付けられた前記所定の店舗でのみ、前記トレーディングカードの作成が可能であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明にあっては、トレーディングカードの払い出し時にブランクカードにカード画像を印刷し、管理サーバにプレイヤIDとカードIDと画像IDを対応付けて登録するようにしているため、柔軟で適切な運用が可能な新たなカードゲームの仕組を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。
図2】管理データベースのデータ構造例を示す図である。
図3】サテライト装置の構成例を示す図である。
図4】ターミナル装置の構成例を示す図である。
図5】サテライト装置においてカードゲームを行う場合の処理例を示すフローチャートである。
図6】ターミナル装置においてトレーディングカードの払い出しを行う場合の処理例を示すフローチャートである。
図7】ターミナル装置においてトレーディングカードの合成を行う場合の処理例を示すフローチャートである。
図8】ターミナル装置においてトレーディングカードの所有者の移転を行う場合の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
【0018】
<構成>
図1は本発明の一実施形態にかかるシステムの構成例を示す図である。
【0019】
図1において、管理データベース11を備えた管理サーバ1に、インターネット等のネットワーク2を介して複数の店舗3の店舗サーバ31が接続されている。店舗サーバ31には、主たるカードゲーム実行機能を有する複数のサテライト装置32と、トレーディングカードの払い出し等の共通機能を有する単一もしくは複数のターミナル装置33とが接続されている。サテライト装置32とターミナル装置33を、カードゲーム関連装置と総称する。管理サーバ1と店舗サーバ31は一般的なコンピュータ装置である。なお、サテライト装置32とターミナル装置33とが、店舗サーバ31を経由せずに、管理サーバ1と接続されている構成としてもよい。
【0020】
図2は管理データベース11のデータ構造例を示す図である。
【0021】
図2において、管理データベース11は、プレイヤを管理するためのプレイヤ管理テーブル111と、トレーディングカードの印刷用紙となるブランクカードひいてはトレーディングカードを管理するためのカード管理テーブル112と、印刷に用いるカード画像を管理するためのカード画像管理テーブル113とを備えている。なお、本明細書中のカードは、厚みのあるトークンなどの立体的な形状のものも含む。
【0022】
プレイヤ管理テーブル111は、「プレイヤID」「所有カードID」「保有印刷権」「印刷履歴」「ゲーム履歴」「取得アイテム」等の項目(フィールド)を備えている。
【0023】
「プレイヤID」は、プレイヤを識別する情報であり、プレイヤカードのICチップに記録されているものと一致する。「所有カードID」は、当該プレイヤが所有者となっているトレーディングカード(ブランクカード)のカードIDである。「保有印刷権」は、当該プレイヤが現時点で保有している印刷権の情報である。印刷権は、ゲームプレイに対して一律に付与されるトレーディングカードの印刷権の場合と、カードゲームの進行の途中でプレイヤが取得した所定のアイテムに対応するトレーディングカードについての印刷権の場合とがある。
【0024】
「印刷履歴」は、当該プレイヤがトレーディングカードの印刷を行った履歴情報である。印刷は、対価の支払により、印刷権に基づかずに行う場合もある。「ゲーム履歴」は、当該プレイヤのカードゲームの履歴情報である。「取得アイテム」は、当該プレイヤがカードゲームの進行の途中で取得したアイテムの情報である。
【0025】
カード管理テーブル112は、「カードID」「印刷未済」「画像ID」「プレイヤID」「無効フラグ」等の項目を備えている。「カードID」は、トレーディングカードの印刷用紙となるブランクカードを識別する情報であり、ブランクカードにICチップやバーコードにより記録されているものと一致する。「印刷未済」は、当該ブランクカードに印刷が行われてトレーディングカードが払い出されているか否かを示す情報である。「画像ID」は、当該ブランクカードに印刷されたカード画像を識別する情報である。ブランクカードにカード画像が印刷されることでトレーディングカードになる。「プレイヤID」は、当該ブランクカードをベースとしたトレーディングカードを所有するプレイヤのプレイヤIDである。「無効フラグ」は、合成の元となって新たなトレーディングカードが作成された場合等において、当該カードが無効であることを示す情報である。
【0026】
カード画像管理テーブル113は、「画像ID」「属性」「画像データ」等の項目を備えている。「画像ID」は、カード画像を識別する情報である。「属性」は、当該カード画像のカードゲーム上の能力等の情報である。「画像データ」は、印刷に用いられる画像データ本体もしくは画像データの保管場所へのリファレンス情報である。
【0027】
図3はサテライト装置32の構成例を示す図である。
【0028】
図3において、サテライト装置32は、プレイヤカード受付部321とトレーディングカード受付部322とコイン受付部323と印刷権付与部324とカードゲーム実行部325とを備えている。各部は、所定のハードウェアとコンピュータプログラム(ソフトウェア)により実現される。
【0029】
プレイヤカード受付部321は、プレイヤの所持するプレイヤカードのICチップからプレイヤID等の情報を読み取り、管理サーバ1にアクセスして登録された正規のプレイヤであるか否かを確認する機能を有している。
【0030】
トレーディングカード受付部322は、プレイヤがセットした複数のトレーディングカードのICチップやバーコードからカードID等の情報を読み取り、管理サーバ1にアクセスして登録された正規のトレーディングカードであるか否かを確認する機能を有している。
【0031】
コイン受付部323は、プレイヤの投入するコインを対価として徴収する機能を有している。
【0032】
印刷権付与部324は、プレイヤに対してトレーディングカードを印刷して払い出す権利である印刷権を付与する機能を有している。ゲームプレイに対して一律に付与されるトレーディングカードの場合はコイン投入の後に、カードゲームの進行の途中でプレイヤが取得した所定のアイテムについての場合はアイテムの取得の後に、印刷権を付与し、管理サーバ1に登録する。
【0033】
カードゲーム実行部325は、トレーディングカード受付部322により読み込んだトレーディングカードに基づいてカードゲームを実行する機能を有している。
【0034】
図4はターミナル装置33の構成例を示す図である。
【0035】
図4において、ターミナル装置33は、プレイヤカード受付部331とトレーディングカード受付部332と指示受付部333とコイン受付部334と印刷部335とを備えている。各部は、所定のハードウェアとコンピュータプログラム(ソフトウェア)により実現される。
【0036】
プレイヤカード受付部331は、プレイヤの所持するプレイヤカードのICチップからプレイヤID等の情報を読み取り、管理サーバ1にアクセスして登録された正規のプレイヤであるか否かを確認する機能を有している。
【0037】
トレーディングカード受付部332は、プレイヤがセットしたトレーディングカードのICチップやバーコードからカードID等の情報を読み取り、管理サーバ1にアクセスして登録された正規のトレーディングカードであるか否かを確認する機能を有している。ターミナル装置33におけるトレーディングカードの読み込みは、後述するトレーディングカードの合成や移転を行う場合に行われる。
【0038】
指示受付部333は、プレイヤからターミナル装置33に対する各種の指示を受け付ける機能を有している。
【0039】
コイン受付部334は、プレイヤの投入するコインを対価として徴収する機能を有している。
【0040】
印刷部335は、装置内部に収納されているブランクカードにカード画像を印刷してトレーディングカードを作成し、払い出す機能を有している。また、印刷部335は、印刷に際しての、印刷権の確認、カード画像の取得、ブランクカードのチェック、カード情報の登録、合成、移転についての処理も行う。
【0041】
<動作>
図5はサテライト装置32においてカードゲームを行う場合の処理例を示すフローチャートである。
【0042】
図5において、カードゲームの開始に際し、プレイヤは自己の保有するプレイヤカードをサテライト装置32に提示することで、サテライト装置32はプレイヤカードの読み取りを行ない、読み取ったプレイヤIDが正規のものであるか否かを管理サーバ1に問い合わせる(ステップS101)。プレイヤIDが正規のものでない場合は、プレイヤカードが受け付けられない旨をアラートする。
【0043】
プレイヤIDが正規のものであった場合、続いて、プレイヤは自己の保有する、カードゲームに使用する複数(例えば、最大30枚)のトレーディングカードをサテライト装置32にセットすることで、サテライト装置32はトレーディングカードの読み取りを行ない、読み取ったトレーディングカードのカードIDと画像IDと、先に読み取ったプレイヤIDとを伴って、管理サーバ1に問い合わせを行う(ステップS102)。カードIDと画像IDが登録されていないトレーディングカードは無効なものとみなすとともに、プレイヤIDが所有者として登録されているプレイヤIDと異なる場合にはカードゲームにおける能力を制限する。
【0044】
次いで、プレイヤはゲームプレイの対価としてのコインを投入することで、サテライト装置32はコインを取り込む(ステップS103)。なお、プレイヤカードが電子マネーに対応している場合には、コインの投入を省略することができる。
【0045】
次いで、サテライト装置32は、ゲームプレイに対して一律に付与されるトレーディングカードの印刷権(例えば、2枚分)を付与し、管理サーバ1に印刷権の付与を登録する(ステップS104)。印刷権には、当該印刷権を付与した店舗の店舗IDを対応付けて登録することが好ましい。
【0046】
次いで、サテライト装置32はカードゲームを開始し、ステータスの変更の都度に管理サーバ1の情報を更新する(ステップS105)。
【0047】
カードゲームの進行の途中でプレイヤが所定のアイテムを取得した場合、サテライト装置32は当該アイテムに対応するトレーディングカードの印刷権を付与し、管理サーバ1に印刷権の付与を登録する(ステップS106)。アイテムについてはカード化しないとゲーム内に持ち込めないようにすることで、カード化を促すことができる。印刷権には、当該印刷権を付与した店舗の店舗IDを対応付けて登録することが好ましい。
【0048】
カードゲームが終了すると、サテライト装置32はゲーム結果等を管理サーバ1に登録する(ステップS107)。
【0049】
図6はターミナル装置33においてトレーディングカードの払い出しを行う場合の処理例を示すフローチャートである。
【0050】
図6において、プレイヤは自己の保有するプレイヤカードをターミナル装置33に提示することで、ターミナル装置33はプレイヤカードの読み取りを行ない、読み取ったプレイヤIDが正規のものであるか否かを管理サーバ1に問い合わせる(ステップS111)。プレイヤIDが正規のものでない場合は、プレイヤカードが受け付けられない旨をアラートする。
【0051】
プレイヤIDが正規のものであった場合、プレイヤはトレーディングカードの印刷指示をボタン操作等により行ない、ターミナル装置33は印刷指示を受け付ける(ステップS112)。
【0052】
印刷指示が印刷権に基づくものでなく、トレーディングカードの購入によるものである場合、プレイヤは対価としてのコインを投入することで、ターミナル装置33はコインを取り込む(ステップS113)。なお、プレイヤカードが電子マネーに対応している場合には、コインの投入を省略することができる。なお、印刷権は、対価を必要としないものであってもよい。例えば、ステップS104で、ゲームプレイに対して一律に付与される印刷権は対価を不要とし、ステップS106で、アイテムに対応して付与される印刷権は対価を必要とするなど、個別に設定してもよい。また、対価を必要とする印刷権と、対価を不要とする印刷権とが混在している場合、ターミナル装置33は、コインを取り込む前に対価が必要か否かを確認し、不要な場合には、コインの投入が不要な旨を報知し、投入されたコインは返却する。
【0053】
印刷指示が印刷権に基づくものである場合、ターミナル装置33はプレイヤIDを伴って管理サーバ1に印刷権の問い合わせを行う(ステップS114)。問い合わせにより、印刷権の有無、印刷権の内容等を取得する。なお、印刷権は、上限数や有効期限を設けてもよい。また、問い合わせに店舗IDを伴うことで、当該店舗で付与された印刷権に限ることができる。これは、トレーディングカードの印刷にはブランクカードやインク等のコストがかかり、その補填はゲームプレイの対価に求めるしかなく、他の店舗でのゲームプレイによって付与された印刷権に基づいて印刷を行うのには抵抗があるからである。
【0054】
印刷権が存在する場合、ターミナル装置33は管理サーバ1から印刷用のカード画像を取得する(ステップS115)。一律に付与される不特定のトレーディングカードの印刷権である場合、印刷に用いるカード画像の決定を所定の候補の中から抽選により行う。候補の中には価値の高いレアカードのカード画像が含まれるが、抽選の確率を変更することで、レアカード出現の頻度をコントロールすることができる。ゲーム中に取得したアイテムに対応するトレーディングカードを払い出す場合には、そのアイテムに対応するカード画像を取得する。
【0055】
次いで、ターミナル装置33は装置内部に装填されているブランクカードのうち、印刷のために取り出したブランクカードについて、カードIDを読み取り、管理サーバ1に既に印刷済として登録されているか否かを問い合わせる(ステップS116)。印刷済として登録されている場合には印刷対象から除外し、次のブランクカードについてチェックを繰り返す。印刷済のカードIDと重複するカードIDのブランクカードを排除するのは、唯一のトレーディングカードであることを保証するためである。
【0056】
次いで、ターミナル装置33は印刷済として登録されていないブランクカードにつき、既に取得したカード画像の印刷を実行する(ステップS117)。
【0057】
次いで、ターミナル装置33は印刷の完了したトレーディングカードにつき、プレイヤIDとカードIDと画像IDとの対応付けを管理サーバ1に登録する(ステップS118)。そして、印刷済のトレーディングカードを排出する(ステップS119)。
【0058】
なお、ターミナル装置33においてトレーディングカードの払い出しを行う場合について説明したが、サテライト装置32に印刷機能を設けることで、サテライト装置32でトレーディングカードの払い出しを行うようにしてもよい。
【0059】
図7はターミナル装置33においてトレーディングカードの合成を行う場合の処理例を示すフローチャートである。なお、従来技術の項でも説明したが、合成とは、トレーディングカードの「属性」を反映させて新たなトレーディングカードを生成することである。
【0060】
図7において、プレイヤは自己の保有するプレイヤカードをターミナル装置33に提示することで、ターミナル装置33はプレイヤカードの読み取りを行ない、読み取ったプレイヤIDが正規のものであるか否かを管理サーバ1に問い合わせる(ステップS121)。プレイヤIDが正規のものでない場合は、プレイヤカードが受け付けられない旨をアラートする。
【0061】
プレイヤIDが正規のものであった場合、プレイヤはトレーディングカードの合成指示をボタン操作等により行ない、ターミナル装置33は合成指示を受け付ける(ステップS122)。
【0062】
次いで、プレイヤは合成を行う元となる複数(例えば、2枚)のトレーディングカードをターミナル装置33にセットすることで、ターミナル装置33はトレーディングカードの読み取りを行ない、読み取ったトレーディングカードのカードIDと画像IDと、先に読み取ったプレイヤIDとを伴って、管理サーバ1に問い合わせを行う(ステップS123)。カードIDと画像IDが登録されていないトレーディングカードは無効なものとみなし、読み込みのやり直しを要求する。
【0063】
次いで、合成に対価を求める場合には、プレイヤは対価としてのコインを投入することで、ターミナル装置33はコインを取り込む(ステップS124)。なお、プレイヤカードが電子マネーに対応している場合には、コインの投入を省略することができる。
【0064】
次いで、ターミナル装置33は管理サーバ1から合成後の印刷用のカード画像を取得する(ステップS125)。合成後のカード画像は、合成の元になるトレーディングカードから所定のルールで決定される。
【0065】
次いで、ターミナル装置33は装置内部に装填されているブランクカードのうち、印刷のために取り出したブランクカードについて、カードIDを読み取り、管理サーバ1に既に印刷済として登録されているか否かを問い合わせる(ステップS126)。印刷済として登録されている場合には印刷対象から除外し、次のブランクカードについてチェックを繰り返す。
【0066】
次いで、ターミナル装置33は印刷済として登録されていないブランクカードにつき、既に取得したカード画像の印刷を実行する(ステップS127)。
【0067】
次いで、ターミナル装置33は合成の元となったトレーディングカードのカードIDを伴って管理サーバ1に無効化の登録を行う(ステップS128)。
【0068】
次いで、ターミナル装置33は印刷の完了したトレーディングカードにつき、プレイヤIDとカードIDと画像IDとの対応付けを管理サーバ1に登録する(ステップS129)。そして、印刷済のトレーディングカードを排出する(ステップS130)。
【0069】
なお、ターミナル装置33においてトレーディングカードの合成を行う場合について説明したが、サテライト装置32に印刷機能を設けることで、サテライト装置32でトレーディングカードの合成を行うようにしてもよい。
【0070】
図8はターミナル装置33においてトレーディングカードの所有者の移転を行う場合の処理例を示すフローチャートである。
【0071】
図8において、プレイヤは自己の保有するプレイヤカードをターミナル装置33に提示することで、ターミナル装置33はプレイヤカードの読み取りを行ない、読み取ったプレイヤIDが正規のものであるか否かを管理サーバ1に問い合わせる(ステップS131)。プレイヤIDが正規のものでない場合は、プレイヤカードが受け付けられない旨をアラートする。
【0072】
プレイヤIDが正規のものであった場合、プレイヤはトレーディングカードの移転指示をボタン操作等により行ない、ターミナル装置33は移転指示を受け付ける(ステップS132)。
【0073】
次いで、プレイヤは移転の対象となるトレーディングカードをターミナル装置33にセットすることで、ターミナル装置33はトレーディングカードの読み取りを行ない、読み取ったトレーディングカードのカードIDと画像IDと、先に読み取ったプレイヤIDとを伴って、管理サーバ1に問い合わせを行う(ステップS133)。カードIDと画像IDが登録されていないトレーディングカードは無効なものとみなし、読み込みのやり直しを要求する。
【0074】
次いで、プレイヤは移転先のプレイヤの指定を行ない、ターミナル装置33は移転先のプレイヤの指定を受け付ける(ステップS134)。移転先のプレイヤの指定は、管理サーバ1から取得した、プレイヤのリストから選んでもよいし、同伴するプレイヤが自己のプレイヤカードをターミナル装置33にかざして指定してもよい。
【0075】
そして、ターミナル装置33は当該トレーディングカードの現在のプレイヤIDとカードIDと画像IDの対応付けから、新たなプレイヤIDへの対応付けへの変更を管理サーバ1に登録する(ステップS135)。
【0076】
なお、ターミナル装置33においてトレーディングカードの移転を行う場合について説明したが、プレイヤが所有するスマートフォン等の携帯端末から管理サーバ1にアクセスすることで、トレーディングカードの移転を行うこともできる。
【0077】
<総括>
以上説明したように、本実施形態によれば次のような利点がある。
【0078】
(1)トレーディングカードの払い出し時にブランクカードにカード画像を印刷するため、各店舗ではブランクカードだけを保有していればよく、在庫の管理が大幅に軽減される。また、印刷対象のカード画像を変更するだけで、イベントの開催等に合わせて特別なトレーディングカードを提供することが可能になる。更に、不特定のトレーディングカードを払い出す場合に、印刷に用いるカード画像を決定する抽選の確率を変更することで、レアカードが出現する確率を状況に応じて容易に変化させることができる。
【0079】
(2)ゲーム中に取得したアイテムに対応するトレーディングカードを払い出すことにより、プレイヤは自分で獲得したトレーディングカードであるという意識を強く持つことができ、トレーディングカードを取得する喜びを高めることができる。
【0080】
(3)在庫として店舗に保管してあるのは価値の低いブランクカードだけであるため、レアカードが抜かれる等の店員による不正を有効に防止することができる。
【0081】
(4)印刷されて発行されたトレーディングカードはプレイヤIDとカードIDと画像IDとが対応付けられて管理サーバで管理されているため、プレイヤによるトレーディングカードの偽造等の不正を有効に防止することができる。また、プレイヤIDがログインしているプレイヤのプレイヤIDと異なる場合には、トレーディングカードの貸し借りが行われているとして、効力の制限等をかけることができる。
【0082】
(5)トレーディングカードの払い出し時にブランクカードにカード画像を印刷するため、ネットワークゲームで行われているカード合成を容易に実現することができる。
【0083】
(6)管理サーバで管理されるプレイヤIDとカードIDと画像IDとの対応付けに対し、プレイヤIDを変更することで所有者の移転を容易に行うことができる。
【0084】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
【符号の説明】
【0085】
1 管理サーバ
11 管理データベース
111 プレイヤ管理テーブル
112 カード管理テーブル
113 カード画像管理テーブル
2 ネットワーク
3 店舗
31 店舗サーバ
32 サテライト装置
321 プレイヤカード受付部
322 トレーディングカード受付部
323 コイン受付部
324 印刷権付与部
325 カードゲーム実行部
33 ターミナル装置
331 プレイヤカード受付部
332 トレーディングカード受付部
333 指示受付部
334 コイン受付部
335 印刷部
図1
図2
図3
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図6
図7
図8