特許第6642681号(P6642681)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6642681車両情報投影システム及び車両情報投影方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6642681
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】車両情報投影システム及び車両情報投影方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20200130BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20200130BHJP
   B60R 1/00 20060101ALI20200130BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   G08G1/16 D
   B60R11/02 C
   B60R1/00 A
   B60K35/00 A
【請求項の数】2
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-209270(P2018-209270)
(22)【出願日】2018年11月6日
(62)【分割の表示】特願2014-255525(P2014-255525)の分割
【原出願日】2014年12月17日
(65)【公開番号】特開2019-32893(P2019-32893A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2018年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】江尻 剛士
【審査官】 東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−199677(JP,A)
【文献】 特開2006−127055(JP,A)
【文献】 特開2009−116723(JP,A)
【文献】 特開2007−034684(JP,A)
【文献】 特開2008−015758(JP,A)
【文献】 特開2007−112360(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0093579(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 − 1/16
B60R 11/02 − 11/04
B60R 1/00
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のウインドシールドの一部に設定される表示範囲に車両情報を投影して、前記車両の運転者の視点で前記車両情報の虚像が実際の風景と重なるように前記車両情報を前記表示範囲に表示可能である表示機構と、
後方車両が前記車両の後方に存在することを表す後方車両情報を取得可能である後方車両情報取得部と、
前記車両が前記車両の走行車線から前記走行車線に境界線を挟んで隣接する隣接車線に変更することを表す車線変更情報を取得可能である車線変更情報取得部と、
前記後方車両情報及び前記車線変更情報に基づき前記後方車両の注意度合いを判定する処理部と、
前記車両の進行方向に関する情報を取得可能である車両進行情報取得部と、
前記車両のステアリングハンドルが操作されることを表す操舵角情報を車両進行情報として取得可能である操舵角センサと、
を備え、
前記車両情報は、前記注意度合いを含む第1の車両情報と、前記操舵角情報に応じて変化する第2の車両情報と、を有し、
前記第1の車両情報及び前記第2の車両情報が前記表示範囲に表示されるように、前記処理部は、前記第1の車両情報及び前記第2の車両情報を生成可能であり、
前記ステアリングハンドルの操作量が増加する程に前記第2の車両情報の前記虚像は前記表示範囲内で回転するように、前記処理部は、直進性を有する前記第2の車両情報を生成可能であり、
前記操作量が所定量に到達する時に、前記処理部は、前記直進性を有する前記第2の車両情報の代わりに、前記ステアリングハンドルの操作量の増加に応じて位置が変化しない表示形式の前記第2の車両情報を生成可能であることを特徴とする車両情報投影システム。
【請求項2】
表示コントローラが実行する車両情報投影方法であって、
車両の後方に存在する後方車両を検出すること、
前記車両が前記車両の走行車線から前記走行車線に隣接する隣接車線に変更する予定を検出すること、
前記車両が前記走行車線から前記隣接車線に変更し終える前に、前記後方車両の注意度合いを判定すること、
前記注意度合いに基づき車両情報を生成すること、
前記車両のウインドシールドの一部に設定される表示範囲に、前記車両のステアリングの操作量に応じて表示位置を変化する前記車両情報を投影すること、及び
前記操作量が所定量に達するときに、前記車両情報の表示形式を、前記ステアリングハンドルの操作量の増加に応じて表示位置が変化しない表示形式へ変更すること
を含むことを特徴とする車両情報投影方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する情報(車両情報)を投影するシステム(車両情報投影システム)及びその方法(車両情報投影方法)に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1は、車両情報投影システムとして、車両用表示装置を開示し、その車両用表示装置は、車両のウインドシールド(フロントガラス)に、その車両の前方の道路の注意度合いを投影することができる。具体的には、車両の前方に例えば一時停止規制が設けられた交差点が存在する時に、車両用表示装置は、高い注意度合いを有する道路として、例えば車両が走行している走行車線のうち、一時停止規制に対応する一時停止線の前方の部分(走行車線の一部)を判定することができる。また、車両用表示装置は、高い注意度合いを有する道路として、走行車線の隣の反対車線を判定することができる。更に、車両用表示装置は、高い注意度合いを有する道路として、その交差点で走行車線と交差する他の道路(交差道路)を判定することができる。次に、特許文献1の車両用表示装置は、高い注意度合いを有する道路(例えば走行車線の一部、反対車線及び交差道路)が車両の運転者の視点で例えば赤色を有するように、ウインドシールドに表示画像(車両の前方の道路の注意度合い)を投影することができる。
【0003】
ここで、ウインドシールドに投影される赤色の光の範囲、即ち、ウインドシールドに表示される赤色の表示画像の形状は、高い注意度合いを有する道路の形状と一致している。言い換えれば、風景としての高い注意度合いを有する道路又は実空間上の高い注意度合いを有する道路の形状(位置)に応じて、ウインドシールドに表示される赤色の表示画像の形状(ウインドシールドに投影される赤色の光の範囲)は、決定されて、赤色の表示画像の虚像は、運転者の視点で高い注意度合いを有する道路と重ねられている。このような注意度合いを表す車両情報のウインドシールドへの投影又は表示は、一般に、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head−Up Display)と当業者に呼ばれている。なお、特許文献1の車両用表示装置では、高い注意度合いを有する道路(走行車線の一部)として、車両の将来の走行軌跡が投影又は表示されてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−202787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の車両用表示装置では、車両のウインドシールド全体のどこかに、その車両の前方の道路の注意度合いが投影されるので、注意度合いがウインドシールドに投影される表示範囲は、ウインドシールド全体に設定されて、従って、その表示範囲は、広く又は大きくなってしまう。しかしながら、ウインドシールドでの表示範囲を広く又は大きくするためには、車両のダッシュボード(インストルメントパネル)に搭載又は設置される表示器(投影器)のスペースが大きくなってしまう。言い換えれば、そのスペースは、一般に、車両の種類によって制限されて、ウインドシールドでの表示範囲は、ウインドシールドの一部に制限されてしまう。
【0006】
また、ウインドシールドでの表示範囲を広く又は大きくする時に、その表示範囲を決定する表示器を備える車両用表示装置(車両情報投影システム)の製造コストは、増加してしまう。言い換えれば、表示器の製造コストの増加を抑制するために、ウインドシールドでの表示範囲は、ウインドシールドの一部に制限されることがある。
【0007】
ウインドシールドでの表示範囲がウインドシールドの一部に制限される時に、車両の運転者は、特許文献1の車両用表示装置での注意度合いの投影又は表示が重なる風景を認識し難い。言い換えれば、ウインドシールドでの表示範囲がウインドシールドの一部に制限される時に、特許文献1の車両用表示装置での注意度合いの投影又は表示に起因する情報量は、制限され又は少なくなるので、その注意度合いの投影又は表示は、効率的に実行する必要がある。
【0008】
加えて、特許文献1の車両用表示装置では、車両のウインドシールド全体のどこかに、その車両の前方の道路の注意度合いが投影されるので、その車両の後方の注意度合い、即ちその車両の後方の車両(後方車両)の注意度合いは、ウインドシールドに投影されない。
【0009】
本発明の1つの目的は、後方車両の例えば注意度合い、警告度合い等の車両情報を効率的に投影可能である車両情報投影システムを提供することである。本発明の他の目的は、以下に例示する態様及び最良の実施形態、並びに添付の図面を参照することによって、当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、本発明の概要を容易に理解するために、本発明に従う態様を例示する。
【0011】
第1の態様において、車両情報投影システムは、
車両のウインドシールドの一部に設定される表示範囲に車両情報を投影して、前記車両の運転者の視点で前記車両情報の虚像が実際の風景と重なるように前記車両情報を前記表示範囲に表示可能である表示機構と、
後方車両が前記車両の後方に存在することを表す後方車両情報を取得可能である後方車両情報取得部と、
前記車両が前記車両の走行車線から前記走行車線に境界線を挟んで隣接する隣接車線に変更することを表す車線変更情報を取得可能である車線変更情報取得部と、
前記後方車両情報及び前記車線変更情報に基づき前記後方車両の注意度合いを判定する処理部と、
前記車両の進行方向に関する情報を取得可能である車両進行情報取得部と、
前記車両のステアリングハンドルが操作されることを表す操舵角情報を車両進行情報として取得可能である操舵角センサと、
を備え、
前記車両情報は、前記注意度合いを含む第1の車両情報と、前記操舵角情報に応じて変化する第2の車両情報と、を有し、
前記第1の車両情報及び前記第2の車両情報が前記表示範囲に表示されるように、前記処理部は、前記第1の車両情報及び前記第2の車両情報を生成可能であり、
前記ステアリングハンドルの操作量が増加する程に前記第2の車両情報の前記虚像は前記表示範囲内で回転するように、前記処理部は、直進性を有する前記第2の車両情報を生成可能であり、
前記操作量が所定量に到達する時に、前記処理部は、前記直進性を有する前記第2の車両情報の代わりに、前記ステアリングハンドルの操作量の増加に応じて位置が変化しない表示形式の前記第2の車両情報を生成可能であることを特徴とする。
【0012】
第1の態様では、後方車両の車両情報を効率的に投影可能な車両情報投影システムを提供する。
【0013】
第3の態様において、車両情報投影方法は、
表示コントローラが実行する車両情報投影方法であって、
車両の後方に存在する後方車両を検出すること、
前記車両が前記車両の走行車線から前記走行車線に隣接する隣接車線に変更する予定を検出すること、
前記車両が前記走行車線から前記隣接車線に変更し終える前に、前記後方車両の注意度合いを判定すること、
前記注意度合いに基づき車両情報を生成すること、
前記車両のウインドシールドの一部に設定される表示範囲に、前記車両のステアリングの操作量に応じて表示位置を変化する前記車両情報を投影すること、及び
前記操作量が所定量に達するときに、前記車両情報の表示形式を、前記ステアリングハンドルの操作量の増加に応じて表示位置が変化しない表示形式へ変更すること
を含む。
【0014】
第3の態様では、後方車両の車両情報を効率的に投影可能な車両情報投影方法となる。
【0015】
当業者は、例示した本発明に従う態様が、本発明の精神を逸脱することなく、さらに変更され得ることを容易に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に従う車両情報投影システムの概略構成例を示す。
図2図1の車両情報投影システム又は表示コントローラの概略動作の1例の一部を表すフローチャート図を示す。
図3図1の車両情報投影システム又は表示コントローラの概略動作の1例の残部を表すフローチャート図を示す。
図4図4(A)は、図1のウインドシールドを介して認識される実際の風景の1例を示し、図4(B)、図4(C)、図4(D)、図4(E)、図4(F)及び図4(G)の各々は、図4(A)のウインドシールドの一部に設定される表示範囲に投影される車両情報の1例を示す。
図5】車両情報の注意度合いの表示形式を決定するためのテーブルの1例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に説明する最良の実施形態は、本発明を容易に理解するために用いられている。従って、当業者は、本発明が、以下に説明される実施形態によって不当に限定されないことを留意すべきである。
【0018】
図1は、本発明に従う車両情報投影システムの概略構成例を示す。図1に示されるように、車両情報投影システムは、例えば撮像部103及び表示機構100を備えている。撮像部103は、車両の前方に存在する道路(道路上の実際の風景)を撮像可能である。表示機構100は、車両のウインドシールド101の一部に設定される表示範囲に車両情報を投影して、車両の運転者の視点102で車両情報の虚像Vが実際の風景と重なるように車両情報を表示範囲に表示可能である。このような車両情報投影システムは、一般に、HUDシステムと呼ばれている。図1の表示機構100は、例えば表示器20及び反射器21を有している。表示機構100は、一般に、HUD又はHUD装置と呼ばれている。表示機構100は、典型的にはダッシュボードの内部に収納されているが、表示機構100の全部又は一部がダッシュボードの外部に配置されてもよい。なお、表示器20は、例えばウインドシールド101に車両情報を投影するので、投影器と呼ばれてもよい。
【0019】
図1の車両情報投影システムは、例えば情報取得部Sを更に備え、情報取得部Sは、少なくとも後方車両情報取得部360を有している。後方車両情報取得部360は、後方車両(図示せず)が車両の後方に存在することを表す後方車両情報を取得可能である。図1の情報取得部Sは、後方車両情報取得部360だけでなく、車線変更情報取得部を有し、ここで、車線変更情報取得部は、車両が車両の走行車線から走行車線に隣接する隣接車線に変更することを表す車線変更情報を取得可能である。なお、車線変更情報は、車両が車両の走行車線から走行車線に隣接する隣接車線に変更する予定(車線変更の開始)を含む一方、車線変更情報は、車両が走行車線から隣接車線に変更し終える(車線変更の終了)を含まなくてもよい。
【0020】
図1において、車線変更情報取得部は、例えば道路情報取得部320、指示情報取得部340及び舵角情報取得部370で構成される。もちろん、車線変更情報取得部は、道路情報取得部320、指示情報取得部340、若しくは舵角情報取得部370だけであってもよく、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。また、車線変更情報取得部は、図1で示される組み合わせに限定されず、他の情報取得部が採用されてもよい。
【0021】
図1の車両情報投影システムは、例えば表示コントローラ200を更に備え、表示コントローラ200は、少なくとも処理部Pを有している。なお、表示コントローラ200は、典型的にはダッシュボードの内部に収納されているが、表示コントローラ200の全部又は一部がダッシュボードの外部に配置されてもよい。表示機構100及び表示コントローラ200の組み合わせは、HUD又はHUD装置と呼ばれてもよい。図1の処理部Pは、例えば判定部210及び生成部220で構成され、処理部P又は判定部210は、例えば指示情報取得部340等の車線変更情報取得部によって取得される車線変更情報及び後方車両情報取得部360によって取得される後方車両情報に基づき、後方車両の注意度合いを判定することができる。次に、ウインドシールド101に投影される車両情報が後方車両の注意度合いを含み且つその車両情報の虚像Vが走行車線と隣接車線との間の境界線と重なるように、処理部P又は生成部220は、その車両情報を生成可能である。
【0022】
図1において、表示機構100又は表示器20は、ウインドシールド101を介して虚像Vを表示するために、表示コントローラ200又は処理部Pによって制御され、これにより、表示器20は、車両情報に基づく表示光L(投影光)を生成又は放出することができる。反射器21は、表示器20からの表示光Lの光路をウインドシールド101に導き、運転者は、ウインドシールド101での表示光L(車両情報)を虚像Vとして認識することができる。なお、表示器20は、例えば液晶パネルを有し、図1において、1つの表示器20が示されているが、表示器20は、例えば2つの又は左右の表示器であってもよく、言い換えれば、虚像Vは、運転者の両眼用に三次元の虚像であってもよい。
【0023】
車両情報投影システムが搭載される車両(自車両)は、図1において例えば自動車であり、自動車は水平線H又は道路の上を走行可能である。運転者の視点102で、図1の虚像Vの高さ又は奥行きは、例えば距離D1から距離D3までの所定距離に設定されている。言い換えれば、運転者の視点102で、虚像Vの下端は、車両から距離D1だけ前方に存在し、虚像Vの上端は、車両から距離D3だけ前方に存在し、虚像Vの上下方向の中点は、車両から距離D2だけ前方に存在している。距離D1、距離D2及び距離D3は、それぞれ、例えば20[m]、例えば30[m]及び例えば50[m]である。
【0024】
図1において、1つの反射器21が示されているが、反射器21は、例えば2つの反射器であってもよく、言い換えれば、表示器20からウインドシールド101までの表示光Lの光路は、調整されてもよく、距離D1、距離D2及び距離D3は、理想的な運転者の視点102の高さ(理想的な運転者の座高の高さ)及び表示光Lの光路に応じて調整されてもよい。また、反射器21は、一般に、表示器20からの表示光Lを拡大し、加えて、反射器21又は表示コントローラ200(例えば処理部P)は、一般に、ウインドシールド101の一部に設定される表示範囲における歪み(例えばガラス面の歪み)を補正することができる。
【0025】
図1の表示コントローラ200は、例えば記憶部230を更に備え、記憶部230は、例えば判定部210、生成部220等の処理部Pの処理又は演算に必要な様々なデータを記憶することができる。表示コントローラ200は、典型的には例えばマイクロコンピュータで構成され、例えばCPUと、ROM、RAM等のメモリと、入出力インターフェース等を含むことができる。処理部Pは、典型的にはCPU及びRAM(ワーク領域)で構成され、記憶部230は、典型的にはROM(例えばEEPROM)で構成される。例えば、ROMは、CPUに所定の動作(車両情報投影方法)を実行させるプログラムを記憶してもよく、RAMは、CPUのワーク領域を形成することができる。また、ROMは、例えば車両情報を決定又は演算するために必要なデータを記憶することができる。図1の表示コントローラ200は、車両に配置又は搭載されるLAN300(例えばバス型のLAN)を介して、例えば情報取得部Sに接続されている。表示コントローラ200は、一般に、ECU(Electronic Control Unit)と呼ばれてもよい。
【0026】
なお、情報取得部Sが複数の情報取得部である時に、言い換えれば、情報取得部Sが例えば後方車両情報取得部360及び例えば舵角情報取得部370等を有する時に、複数の情報取得部の各々(例えば後方車両情報取得部360、舵角情報取得部370等)は、LAN300を介して例えば表示コントローラ200に接続されている。情報取得部Sを構成する各情報取得部(例えば後方車両情報取得部360、舵角情報取得部370等)は、一般に、ECU又はセンサと呼ばれてもよい。
【0027】
図1において、表示コントローラ200は、LAN300を介して画像処理部310に接続されている。図1の画像処理部310は、例えばCCD等の撮像素子を有する撮像部103から撮像画像を取り込み、撮像画像に基づき例えば複数の車線間の境界線(例えば点線の白線、実線の白線、実線の黄(オレンジ)色)を例えばリアルタイムで検出又は抽出することができる。加えて、画像処理部310は、車線又は道路を検出又は抽出してもよく、また、車両の前方に存在する前方車両(例えば先行車両、対向車両)及び/又は障害物等を検出又は抽出してもよい。撮像部103は、例えばカメラ(前方カメラ)であり、例えば図示されないインナーリアビューミラー(バックミラー)の付近に設置されている。撮像部103は、専用の撮像部であってもよく、共用の撮像部(車両情報投影システムだけでなく例えばドライブレコーダに利用される撮像部)であってもよい。
【0028】
もちろん、図1の画像処理部310は、省略されてもよく、言い換えれば、表示コントローラ200は、例えばLAN300を介して撮像部103に直接に接続されて、表示コントローラ200又は処理部Pは、それ自身で、撮像画像(実際の風景)に基づき例えば境界線等の対象物を検出又は抽出してもよい。代替的に、情報取得部Sが例えば位置情報取得部330及び道路情報取得部320を有する時に、表示コントローラ200又は処理部Pは、例えばLAN300、位置情報取得部330及び道路情報取得部320を介して、車両の位置(例えば現在位置)に基づく境界線、道路等の対象物の情報(対象物の形状)を検出又は抽出してもよい。
【0029】
図1の後方車両情報取得部360は、例えばカメラ(後方カメラ)及び例えば画像処理部(後方カメラ用画像処理部)で構成され、車両の後方に存在する後方車両(例えば自動車又は四輪車、オートバイ又は二輪車)を検出又は抽出することができる。もちろん、後方車両情報取得部360は、例えばレーダ装置、ソナー装置等であってもよく、後方車両情報取得部360は、対象物を後方車両として検出又は抽出することができる。代替的に、後方車両情報取得部360は、例えば車車間通信装置、路車間通信機器等であってもよく、後方車両の位置(例えば絶対位置)を検出又は受信してもよい。
【0030】
後方車両情報取得部360は、好ましくは、それ自身が走行車線の隣の隣接車線を走行する後方車両を検出可能であるように、配置又は設定されている。隣接車線を走行する後方車両は、車両(自車両)に対して例えば左後方又は右方向に位置する後方車両である。また、その後方車両には、例えば自車両に対して自車両を追い越していない例えば左隣又は右隣に位置する後方車両であって、後方車両の一部が自車両の方向に存在する後方車両が含まれている。
【0031】
図1の後方車両情報取得部360は、後方車両を検出し、好ましくは、車両(自車両)と後方車両との間の相対距離を検出する。図1の後方車両情報取得部360は、更に好ましくは、相対距離だけでなく、車両(自車両)と後方車両との間の相対速度も検出する。もちろん、後方車両情報取得部360は、後方車両の存在だけを検出してもよく、代替的に、後方車両の絶対位置だけを検出してもよく、代替的に、相対速度又は相対距離の何れか一方だけを検出してもよい。後方車両情報取得部360が後方車両の存在(存在検出情報)だけを検出する時に、その後に、表示コントローラ200又は処理部Pは、それ自身で、後方車両の存在検出情報に基づき例えば相対距離及び/又は相対速度を検出又は抽出してもよい。
【0032】
後方車両情報取得部360が後方車両の例えば絶対速度を検出又は取得する時に、後方車両情報取得部360又は例えば表示コントローラ200(処理部P)は、例えば車速情報取得部350(例えばメータ、車輪速センサなど)で取得される車両(自車両)の絶対速度を考慮して、相対速度を検出又は演算してもよい。
【0033】
図1の舵角情報取得部370は、車両(自車両)の舵角情報を検出又は取得することができる。舵角情報の中には、自車両のステアリングハンドルが例えば運転者によって操作されることを表す操舵角情報、自車両の転舵輪(例えば前輪)が例えばモータ(図示せず)によって駆動されることを表す転舵角情報等が含まれている。言い換えれば、舵角情報取得部370は、ステアリングハンドル又はステアリングコラムの回転を取得可能である例えば操舵角センサを含み、或いは、例えばモータの軸又は転舵輪の回転を取得可能である例えば転舵角センサを含むことができる。なお、舵角情報取得部370は、LAN300を介して舵角情報を例えば表示コントローラ200(処理部P)に送信可能である例えばパワーステアリング用のECU、横滑り防止用のECU等であってもよい。
【0034】
次に、図1の指示情報取得部350は、車両(自車両)への指示情報を検出又は取得することができる。指示情報の中には、自車両のウインカ(方向指示器)が例えば運転者によって操作されることを表す方向指示情報等が含まれている。言い換えれば、指示情報取得部350は、ウインカへの操作を出力可能である例えばウインカであってもよい。なお、指示情報取得部350は、LAN300を介して方向指示情報を例えば表示コントローラ200(処理部P)に送信可能である例えばメータ用のECU等であってもよい。
【0035】
次に、図1の道路情報取得部320は、車両(自車両)の周辺又は例えば前方の道路情報(例えば進行方向の道路情報)を検出又は取得することができる。道路情報の中には、自車両のターン(旋回)が道路に反映されることを表すターン画像道路情報等が含まれている。言い換えれば、道路情報取得部320は、自車両の走行又は進行に応じて変化する画像を解析する例えば画像解析器であってもよい。この画像は、例えば専用カメラで撮像される撮像画像であってもよく、或いは、以下に説明する前方カメラ又は後方カメラで撮像される撮像画像であってもよい。
【0036】
道路情報取得部320の代わりに、車両進行情報取得部として例えば画像処理部310が採用されてもよい。言い換えれば、画像処理部310(撮像画像解析器)は、例えば撮像部103(前方カメラ)からの撮像画像(前方の道路を表す前方道路撮像画像)に基づき自車両の車線変更(車線変更の度合い)を検出又は抽出してもよい。
【0037】
代替的に、道路情報取得部320の代わりに、車両進行情報取得部として例えば後方車両情報取得部360が採用されてもよい。言い換えれば、後方車両情報取得部360(撮像画像解析器)は、例えば後方カメラからの撮像画像(後方の道路を表す後方道路撮像画像)に基づき自車両の車線変更(車線変更の度合い)を検出又は抽出してもよい。
【0038】
ところで、道路情報取得部320は、交通道路情報を検出又は取得してもよい。交通道路情報の中には、自車両が走行している道路が複数の車線を有しているか否か、言い換えれば、その道路で自車両が車線変更できるか否かを表す車線変更道路情報が含まれてもよい。例えば表示コントローラ200の処理部P又は判定部210は、自車両の位置(例えば現在位置)に応じて車線変更道路情報を取得又は更新して、その車線変更道路情報に基づき自車両が車線変更できるか否かを判定してもよい。車線変更道路情報に基づき自車両が車線変更できないことが判定される時に、表示コントローラ200は、例えば画像処理部310の動作を停止させてもよい。道路情報取得部320は、例えばナビゲーション装置であってもよく、位置情報取得部330は、例えばGPSセンサであってもよい。
【0039】
図2及び図3は、図1の車両情報投影システム又は表示コントローラ200の概略動作の1例を表すフローチャート図を示す。また、図4(A)は、図1のウインドシールド101を介して認識される実際の風景の1例を示し、図4(B)、図4(C)、図4(D)、図4(E)、図4(F)及び図4(G)の各々は、図4(A)のウインドシールド101の一部に設定される表示範囲ARに投影される車両情報の1例を示す。なお、例えば図4(B)等において、表示範囲ARは、ウインドシールド101を構成するガラス面上に設定されているが、表示範囲ARは、ウインドシールド101の近くの例えばダッシュボード又は例えば室内の天井に配置されるコンバイナで形成されてもよい。言い換えれば、運転者の視点102で、ウインドシールド101の一部に表示範囲ARが設定されるように、コンバイナが配置されてもよい。
【0040】
図1の表示コントローラ200は、例えば後方車両情報取得部360を介して、後方車両が検出されたか否かを判定することができる(図2のステップST01参照)。後方車両情報取得部360が例えば後方カメラを有する時に、後方車両情報取得部360は、後方カメラで撮像される撮像画像の中に例えば自動車、オートバイ等の後方車両が含まれているか否かを判定又は解析することができる。ここで、後方カメラは、例えばステレオカメラであり、後方車両情報取得部360は、好ましくは、車両(自車両)と後方車両との相対距離を算出又は解析することができる。後方車両情報取得部360は、更に好ましくは、相対距離に基づき、具体的には、例えば相対距離の時間差分に基づき、自車両と後方車両との相対速度を算出又は解析することができる。
【0041】
なお、後方車両情報取得部360は、後方車両の例えば進行方向、進行軌跡等の後方車両情報を取得又は解析してもよい。もちろん、後方車両が自車両の後方に存在することを表す後方車両情報を取得可能である後方車両情報取得部360は、例えばレーダ装置であってもよく、或いは、例えば後方カメラ及びレーダ装置の組み合わせであってもよい。
【0042】
後方車両が検出される時に、表示コントローラ200は、例えば指示情報取得部340を介して、自車両の車線変更が検出されたか否かを判定することができる。指示情報取得部340が例えばウインカである時に、ウインカは、運転者によるウインカの操作情報(指示情報)を表示コントローラ200に出力可能である。従って、表示コントローラ200は、運転者によるウインカの操作が検出されたか否かを判定することができる(図2のステップST02参照)。
【0043】
ウインカの操作が検出されない時に、言い換えれば、表示コントローラ200がウインカを介して自車両が走行車線から隣接車線に変更する予定を検出しない時に、表示コントローラ200は、例えば舵角情報取得部370からの舵角情報に基づき、自車両の車線変更が検出されたか否かを判定することができる(図2のステップST03参照)。舵角情報取得部370が自車両のステアリングハンドルが操作されることを表す操舵角情報を取得可能である操舵角センサを含む時に、操舵角センサによって取得される操舵角情報の応答性は、早くなる。言い換えれば、舵角情報が操舵角情報である時に、表示コントローラ200は、自車両の車線変更をより一層判断し易い。
【0044】
図2のステップST02でウインカの操作が検出されない時に、表示コントローラ200は、例えば画像処理部310(撮像画像解析器)からの解析情報(例えば前方の道路を表す前方道路撮像画像の解析結果)に基づき、自車両の車線変更が検出されたか否かを判定することができる(図2のステップST04参照)。
【0045】
次に、図2のステップST03及び/又はステップST04で車線変更が検出される時に、表示コントローラ200は、ステップST05を実行することができる。代替的に、図2のステップST03及びステップST04で車線変更が検出されない時に、表示コントローラ200は、ステップST01を再び実行することができる(図3のRETURN参照)。
【0046】
なお、図2のステップST05が実行される時に、表示コントローラ200は、例えばウインカ、操舵角センサ及び撮像画像解析器の何れかを介して、言い換えれば、車線変更情報取得部を介して、自車両が走行車線から隣接車線に変更する予定を検出している。同時に、表示コントローラ200は、例えば後方カメラを介して、言い換えれば、後方車両情報取得部360を介して、後方車両も検出している。図2のステップST05では、表示コントローラ200は、車線情報(第1の車線情報)として後方車両の注意度合い(例えば逸脱警告ライン)の投影又は表示を採用することを前提に(図2のステップST06参照)、車線情報(第2の車線情報)として車線変更の注意度合い(例えば予測軌跡ライン)の投影又は表示を採用し、その表示に必要な情報(例えば表示角度)を決定している。
【0047】
図2のステップST05において、表示コントローラ200は、例えば操舵角センサを介して、予測軌跡ラインの表示角度を決定することができる。予測軌跡ラインは、好ましくは直線であり、例えば図4(B)において例えば直線である例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2で示されている。運転者がステアリングハンドルを例えば左回転させる時に、図4(B)の2本の予測軌跡ラインTR1,TR2は、自車両の進行方向又は進行軌跡が左側に向かうことを表すことができる。図4(B)の左側の予測軌跡ラインTR1は、例えば、自車両の左側の前輪に対応し、左側の予測軌跡ラインTR1の表示角度は、好ましくは、運転者の視点102で実際の左側の前輪が道路上を将来に進む方向である。同様に、図4(B)の右側の予測軌跡ラインTR2は、例えば、自車両の右側の前輪に対応し、右側の予測軌跡ラインTR2の表示角度は、好ましくは、運転者の視点102で実際の右側の前輪が道路上を将来に進む方向である。もちろん、例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2の代わりに、運転者の視点102で実際の自車両の中点(例えば左右の前輪の中点)が道路上を将来に進む方向である表示角度を有する例えば1本の予測軌跡ラインが採用されてもよい。
【0048】
次に、表示コントローラ200は、例えば操舵角センサからの操舵角情報に応じて決定される表示角度を有する予測軌跡ライン(例えば図4(B)の例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2)を第2の車両情報として生成することができる。同様に、表示コントローラ200は、撮像部103(前方カメラ)からの撮像画像(前方の道路を表す前方道路撮像画像)に基づき例えば画像処理部310によって検出される複数の車線間の境界線に応じて例えば逸脱警告ラインの表示角度を決定することができる。次に、表示コントローラ200は、その表示角度を有する逸脱警告ライン(例えば図4(B)の例えば1本の逸脱警告ラインWR)を第1の車両情報として生成することができる。
【0049】
次に、表示コントローラ200は、例えば第1の車両情報及び第2の車線情報からなる表示画像(投影画像)を生成し、その表示画像を表示器20に送ることができる。言い換えれば、表示コントローラ200は、例えば表示器20又は表示機構100を介して、例えば予測軌跡ライン及び例えば逸脱警告ラインを表示範囲ARに表示させることができる(図2のステップST06参照)。
【0050】
ところで、例えば図4(B)の例えば1本の逸脱警告ラインWR(第1の車両情報)の虚像は、運転者の視点102で、図4(A)の自車両の走行車線L2と左側の隣接車線L1との間の例えば点線の白線WL2(実際の風景)と重なっている。言い換えれば、表示コントローラ200は、例えば画像処理部310によって検出される点線の白線WL2の形状に基づき例えば1本の逸脱警告ラインWR(第1の車両情報)の形状を決定している。
【0051】
例えば図4(B)を参照するに、後方車両の例えば警告度合いを表す逸脱警告ラインWRの虚像の下の点線の白線WL2が運転者にとって認識され難くなるが、その点線の白線WL2の範囲又は面積は、相対的に狭く又は小さい。言い換えれば、走行車線L2、隣接車線L1等の車線の上に逸脱警告ラインWRの虚像が配置されないので、車線L1〜L3に起因する情報量は、逸脱警告ラインWRによって制限されない又は少なくならない。これにより、運転者は、より一層安全に自車両を運転し続けることができる。他方、逸脱警告ラインWRに起因する情報量は、点線の白線WL2の範囲又は面積によって制限され又は小さくなるが、その情報量で車線変更の判断には、運転者にとって十分である。このように、車両情報投影システム又は車両情報投影方法によれば、逸脱警告ラインWR等の車両情報を効率的に投影可能である。
【0052】
加えて、車両情報として、逸脱警告ラインWR(第1の車両情報)だけでなく、例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2(第2の車両情報)も生成される。逸脱警告ラインWRだけがウインドシールド101に投影されるよりも、逸脱警告ラインWRだけでなく、例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2もウインドシールド101に投影される方が、運転者は、実際に走行車線L2から隣接車線L1に変更してもよいか否かをより一層判断し易い。言い換えれば、自車両が逸脱警告ラインWRの下の境界線(例えば点線の白線WL2)に進行して走行車線L2から隣接車線L1に変更する時に、運転者は、このような車線変更の注意度合い(第2の車両情報に起因する注意度合い)と第1の車両情報(後方車両の注意度合い、警告度合い等)とを瞬時に関連付けることができる。
【0053】
なお、図1を参照するに、例えば図4(B)の逸脱警告ラインWR(第1の車両情報)の虚像は、運転車の視点201で、自車両から少なくとも距離D1(例えば例えば20[m])だけ前方に存在しているので、例えば逸脱警告ラインWRだけの投影又は表示では、後方車両の注意度合い、警告度合い等の車両情報(第1の車線情報だけ)の内容は、運転者によっては、認識され難いこともある。代替的に、運転者によっては、警告度合い等の車両情報(第1の車線情報だけ)の内容を認識するには、十分である。
【0054】
例えば図4(B)において、逸脱警告ラインWR(第1の車両情報)の形状は、点線の白線WL2の形状に基づく例えば実線の直線である。逸脱警告ラインWRを表す実線の直線は、表示範囲ARの端又は例えば下端から例えば水平線Hまで伸びている。言い換えれば、逸脱警告ラインWRを表す実線の直線は、道路上の点線の白線WL2が表示範囲AR内において最大限の長さで示されている。これにより、運転者は、逸脱警告ラインWR(第1の車両情報)をより一層認識し易い。但し、逸脱警告ラインWR(第1の車両情報)の形状は、例えば点線の白線WL2の形状と同じ例えば点線の直線であってもよい。逸脱警告ラインWRの形状が例えば点線の直線である時に、逸脱警告ラインWRに関する点線の間隔は、白線WL2に関する点線の間隔と一致してもよく、或いは一致しなくてもよく、言い換えれば、逸脱警告ラインWRに関する点線の間隔の種別は、任意である。更に、逸脱警告ラインWRの形状は、例えば破線の直線であってもよい。言い換えれば、逸脱警告ラインWRが例えば直線である時に、その直線の種類は、任意である。加えて、逸脱警告ラインWR(第1の車両情報)の形状は、表示範囲ARの端又は例えば下端から始まらなくてもよく、また、水平線Hで終わらなくてもよい。
【0055】
例えば図4(B)において、例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2(第2の車両情報)の形状は、自車両の進行方向、進行軌跡等に基づく例えば実線の直線である。例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2を表す2本の実線の直線の各々は、表示範囲ARの端又は例えば下端から例えば逸脱警告ラインWRまで伸びている。言い換えれば、2本の予測軌跡ラインTR1,TR2を表す2本の実線の直線の各々は、道路上の自車両の進行方向、進行軌跡が表示範囲AR内において最大限の長さで示されないで、逸脱警告ラインWRで留まっている。これにより、運転者は、逸脱警告ラインWRよりも先の2本の予測軌跡ラインTR1,TR2の延長線上に存在する情報量は、逸脱警告ラインWRで留まる2本の予測軌跡ラインTR1,TR2によって制限されない又は少なくならない。加えて、運転者は、2本の予測軌跡ラインTR1,TR2と逸脱警告ラインWRとをより一層強く関連付けることができる。なお、例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2(第2の車両情報)の形状は、例えば点線の実線であってもよく、或いは例えば破線の実線であってもよい。例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2が例えば直線である時に、その直線の種類は、任意である。
【0056】
次に、例えば操舵角センサからの操舵角情報に応じて決定される表示角度をリアルタイムで更新するために、図2のステップST07において、表示コントローラ200は、ステップST05で用いられた操舵角情報に変化が生じているか否かを判定することができる。具体的には、運転者がステアリングハンドルの例えば左回転を元に戻す時に、表示コントローラ200は、例えば操舵角の増加が検出されないこと、言い換えれば、操舵角の減少が検出されることを判定することができる。操舵角の増加が検出されない時に、言い換えれば、操舵角の減少が検出される時に、表示コントローラ200は、操舵角がゼロ(初期値)に戻ったか否かを判定することができる(図3のステップST08参照)。
【0057】
なお、操舵角の減少が検出される時に、例えば図4(B)の2本の予測軌跡ラインTR1,TR2は、例えば図4(C)の2本の予測軌跡ラインTR1',TR2'に変更される。その後、操舵角の減少が検出され続けて、操舵角のゼロ(初期値)が検出される時に、例えば図4(C)の2本の予測軌跡ラインTR1',TR2'は、例えば図4(D)の2本の予測軌跡ラインTRS1,TRS2に変更される。
【0058】
操舵角がゼロ(初期値)に戻る時に、表示コントローラ200は、予測軌跡ラインの表示色を変更することができる(図3のステップST09参照)。1例として、例えば図4(C)の2本の予測軌跡ラインTR1',TR2'の表示色は、例えば黄(オレンジ)色であり、例えば図4(D)の2本の予測軌跡ラインTRS1,TRS2の表示色は、例えば緑色である。これにより、運転者は、自車両をそのまま進行させても安全であることを認識することができる。言い換えれば、例えば緑色は、例えば信号機の例えば3つの表示色のうちの1つである自車両の進行の許可を表す色である。また、黄(オレンジ)色は、例えば信号機の例えば3つの表示色のうちのもう1つである自車両の進行の注意を表す色である。なお、例えば図4(C)の逸脱警告ラインWRの表示色は、例えば赤色であり、言い換えれば、例えば信号機の例えば3つの表示色のうちの残りである自車両の進行の禁止を表す色である。
【0059】
操舵角がゼロ(初期値)に戻る時に、自車両の車線変更は、中止されているので、例えば図4(C)の2本の予測軌跡ラインTR1',TR2'の投影又は表示は、即座に停止されてもよい。しかしながら、図3のステップST09で予測軌跡ラインの表示色が変更されることで、運転者は、車両情報投影システム又は車両情報投影方法の正常な動作を認識することができる。従って、表示コントローラ200は、例えば図4(D)の2本の予測軌跡ラインTRS1,TRS2の表示を一定時間だけ継続し、その後に、例えば図4(D)の2本の予測軌跡ラインTRS1,TRS2の表示だけでなく、例えば図4(D)の逸脱警告ラインWRの表示も停止することができる(図3のステップST10及びステップST11参照)。
【0060】
他方、操舵角がゼロ(初期値)に戻らない時に、表示コントローラ200は、後方車両が検出され続けている否か、言い換えれば、後方車両の検出が終了しているか否かを判定することができる(図3のステップST12参照)。後方車両の検出が終了する時に、表示コントローラ200は、例えば図4(C)の逸脱警告ラインWRの表示を即座に停止することができる(図3のステップST13及び図4(E)参照)。次に、表示コントローラ200は、例えば図4(C)の本の予測軌跡ラインTR1',TR2'の表示を他の表示形式で一定時間だけ継続することができる(図3のステップST14及びステップST15並びに及び図4(E)参照)。1例として、例えば図4(C)の2本の予測軌跡ラインTR1',TR2'の表示色は、例えば黄(オレンジ)色であり、例えば図4(E)の2本の予測軌跡ラインTRS1',TRS2'の表示色は、例えば緑色である。
【0061】
例えば図4(E)において、2本の予測軌跡ラインTRS1',TRS2'を表す2本の実線の直線の各々は、表示範囲ARの端又は例えば下端から例えば水平線Hまで伸びている。言い換えれば、逸脱警告ラインWRの表示の停止に応じて、2本の予測軌跡ラインTRS1',TRS2'を表す2本の実線の直線の各々は、例えば水平線Hまで延長される。これにより、運転者は、自車両の進行方向、進行軌跡等をより一層認識し易い。但し、2本の予測軌跡ラインTRS1',TRS2'は、水平線Hまで延長されないで、例えば点線の白線WL2(境界線)で留まってもよい。
【0062】
図3のステップST12で後方車両の検出が終了しない時に、表示コントローラ200は、操舵角の減少に応じて、例えば図4(B)の2本の予測軌跡ラインTR1,TR2の表示角度を例えば図4(C)の2本の予測軌跡ラインTR1',TR2'の表示角度に更新することができる(図2のステップST19参照)。操舵角の変化に応じて予測軌跡ラインの表示角度が更新されるので、運転者は、例えば図4(C)の2本の予測軌跡ラインTR1',TR2'(車線変更の注意度合い)と例えば図4(C)の逸脱警告ラインWR(後方車両の注意度合い)とをより一層瞬時に関連付けることができる。
【0063】
図2のステップST07で操舵角の増加が検出される時に、表示コントローラ200は、操舵角の増加に応じて、例えば図4(B)の2本の予測軌跡ラインTR1,TR2の表示角度を更新することができる(図2のステップST19参照)。但し、予測軌跡ラインの表示角度が限界角度に到達する時に、表示コントローラ200は、予測軌跡ラインの表示角度の更新を停止することができる(図2のステップST17及びステップST18参照)。例えば図4(F)において、例えば1本の予測軌跡ラインTRS2''だけが表示範囲AR内に表示されている。言い換えれば、例えば図4(B)の例えば1本の予測軌跡ラインTR1は、操舵角の増加に応じて、表示範囲AR外に移動してしまう。
【0064】
ステアリングハンドルの操作量が増加する程に例えば図4(B)の2本の予測軌跡ラインTR1,TR2の虚像と点線の白線WL2とのなす角度が増加するように、表示コントローラ200は、例えば直線である2本の予測軌跡ラインTR1,TR2を生成可能である。従って、ステアリングハンドルの操作量が多い時に、その2本の予測軌跡ラインTR1,TR2は、表示範囲AR外に移動してしまう可能性がある。そこで、ステアリングハンドルの操作量が所定量に到達する時に、表示コントローラ200は、操舵角の増加に応じて変化しない例えば図4(F)で示されるような例えば1本の予測軌跡ラインTRS2''(固定の第2の車両情報)を生成可能である。これにより、ステアリングハンドルの操作量が多い時に、表示コントローラ200は、第2の車両情報を表示範囲AR内に残すことができる。
【0065】
図2のステップST17で予測軌跡ラインの表示角度が限界角度に到達する時に、表示コントローラ200は、固定の第2の車両情報として、例えば図4(F)での例えば1本の予測軌跡ラインTRS2''の代わりに、例えば図4(G)での逸脱警告ラインWRの隣に配置される図形TRS2''を表示してもよい。図4(G)において、例えば三角形である図形TRS2''(固定の第2の車両情報)は、走行車線L2側である逸脱警告ラインWRの右隣であって、表示範囲ARの端又は例えば下端の隣に配置されている。これにより、運転者は、後方車両の存在を認識し続けることができる。なお、例えば図4(G)での図形TRS2''は、三角形に限定されず、任意の図形であってもよく、その図形(固定の第2の車両情報)には、例えば矢印が選択されてもよい。
【0066】
なお、図2図3及び図4(A)〜図4(G)は、自車両の走行車線(図4(A)のL2)又は自車両が走行している道路は、直線であることを前提として示されている。しかしながら、自車両の走行車線は、直線でなくてもよく、例えば曲線であってもよい。例えば自車両が走行している道路が曲がっている時に、例えば図4(B)の例えば直線である例えば1本の逸脱警告ラインWRは、例えば、その道路の曲率又は曲率半径に応じて曲げられるような曲線であってもよい。言い換えれば、運転者の視点102で、曲線の境界線(実際の風景)の上に例えば1本の逸脱警告ラインWRの虚像Vが配置されることが好ましい。同様に、運転者の視点102で、例えば図4(B)の例えば直線である例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2は、自車両の例えば左右の前輪が将来に進む実際の進行軌跡と一致するような例えば曲線であることが好ましい。
【0067】
例えば図4(B)において、例えば1本の逸脱警告ラインWR(第1の車両情報)及び例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2(第2の車両情報)は、直線である。しかしながら、これらの車両情報は、一部だけが直線である又は部分的に直線であってもよく、又は複数の直線部分の組み合わせであってもよい。例えば直線である逸脱警告ラインWRにおいて、その直線の両端又は一端に曲線部分又は図形等が付加されてもよい。また、例えば直線である2本の予測軌跡ラインTR1,TR2の各々は、その直線の途中で組み合された複数の直線部分であってもよい。言い換えれば、自車両が走行している道路が直線である時に、第1の車両情報及び/又は第2の車両情報は、完全な直線ではなく、直進性を有するだけであってもよい。例えば図4(B)において、例えば1本の逸脱警告ラインWRの形状は、直進性を有しているので、運転者は、その逸脱警告ラインWRと境界線(例えば図4(A)の点線の白線WL2)とをより一層関連付け易い。また、例えば図4(B)において、例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2の形状は、直進性を有しているので、運転者は、自車両が境界線に向かう方向、或いは、車両が境界線を通過する位置をより一層認識し易い。
【0068】
自車両が走行している道路が曲線である時に、例えば1本の逸脱警告ラインWR(第1の車両情報)は、その道路の曲率又は曲率半径と完全に等しい曲率又は曲率半径を有する完全な曲線ではなく、曲線性を有するだけであってもよい。言い換えれば、例えば1本の逸脱警告ラインWRは、一部だけが曲線である又は部分的に曲線であってもよく、又は複数の曲線部分の組み合わせであってもよい。また、自車両が走行している道路が曲線である時に、例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2(第2の車両情報)は、自車両の例えば左右の前輪が将来に進む実際の進行軌跡と完全に一致する完全な曲線ではなく、曲線性を有するだけであってもよい。言い換えれば、例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2の各々は、一部だけが曲線である又は部分的に曲線であってもよく、又は複数の曲線部分の組み合わせであってもよい。
【0069】
加えて、図3のステップST08での操舵角の初期値は、ゼロの代わりに、曲がっている道路の曲率又は曲率半径に応じて設定又は更新されていることが好ましい。ここで、曲がっている道路の曲率又は曲率半径は1例として、撮像部103又は例えば前方カメラに基づき例えば画像処理部310で検出又は抽出されてもよく、代替的に、例えば地図道路情報に基づき例えば道路情報取得部320又は例えばナビゲーション装置で検出又は取得されてもよい。
【0070】
図5は、車両情報の注意度合いの表示形式を決定するためのテーブルの1例を示す。例えば図5に示されるように、図1の表示コントローラ200は、自車両と後方車両との間の相対速度及び相対距離に基づき、車両情報(例えば図4(B)の例えば1本の逸脱警告ラインWR)の注意度合いの表示形式を判定することができる。例えば図5において、例えば3つの表示強度が示されている。具体的には、相対速度は、低速、中速及び高速で分類され、相対距離は、遠距離、中距離及び短距離で分類されている。
【0071】
1例として、相対速度が例えば10[km/h]以下である時に、その相対速度は、低速に設定される。次に、相対速度が例えば10[km/h]よりも大きく、且つ例えば30[km/h]よりも小さい時に、その相対速度は、中速に設定される。次に、相対速度が例えば30[km/h]以上である時に、その相対速度は、高速に設定される。
【0072】
具体的には、相対速度が例えば自車両に対する後方車両の相対速度であり、且つ自車両の絶対速度が例えば40[km/h]である時に、その自車両に対する例えば10[km/h]、20[km/h]、30[km/h]、40[km/h]、50[km/h]、60[km/h]及び70[km/h]の絶対速度を有する後方車両の相対速度は、それぞれ、例えば低速(−30[km/h]=10[km/h]−40[km/h])、低速(−30[km/h]=10[km/h]−40[km/h])、低速(−20[km/h]=20[km/h]−40[km/h])、低速(−10[km/h]=30[km/h]−40[km/h]、低速(0[km/h]=40[km/h]−40[km/h])、低速(10[km/h]=50[km/h]−40[km/h])、中速(20[km/h]=60[km/h]−40[km/h])及び高速(30[km/h]=70[km/h]−40[km/h])に設定される。
【0073】
同様に、1例として、相対距離が例えば10[m]以下である時に、その相対距離は、短距離に設定される。次に、相対距離が例えば10[m]よりも大きく、且つ例えば30[m]よりも小さい時に、その相対距離は、中距離に設定される。次に、相対距離が例えば30[m]以上である時に、その相対距離は、遠距離に設定される。また、相対距離は、例えば自車両に対する後方車両の相対距離(後方車両から自車両までの距離)である。
【0074】
例えば自車両に対する後方車両の相対速度が高速である時に、後方車両の絶対速度は、自車両の絶対速度よりも高く、言い換えれば、後方車両は、自車両に迫って来ているとも言える。従って、例えば自車両に対する後方車両の相対速度が高速である時の注意度合いは、高い方が好ましい。代替的に、例えば自車両に対する後方車両の相対速度が低速である時に、後方車両の絶対速度は、自車両の絶対速度と同程度である、又は自車両の絶対速度よりも遅いとも言え、このような相対速度が低速である時の注意度合いは、低くてもよい。
【0075】
次に、例えば自車両に対する後方車両の相対距離が短距離である時に、自車両の車線変更後の後方車両との衝突の虞が存在するとも言え、このような相対距離が短距離である時の注意度合いは、高い方が好ましい。代替的に、例えば自車両に対する後方車両の相対距離が遠距離である時に、自車両の車線変更後の後方車両との衝突の可能性は低いとも言え、このような相対距離が遠距離である時の注意度合いは、低くてもよい。図5において、表示強度Iは、例えば低い注意度合いに対応し、表示強度IIIは、例えば高い注意度合い(例えば警告度合い)に対応し、表示強度IIは、例えば中間の注意度合いに対応する。
【0076】
例えば図4(B)において、例えば1本の逸脱警告ラインWRは、表示強度IIIに対応し、その表示色は、例えば赤色である。その後、例えば後方車両の絶対速度が減少して、相対速度が中速である時に、例えば表示強度IIに対応する逸脱警告ラインWRの表示色は、例えば赤色から例えば赤褐(アンバー)色に変化してもよい。その後、例えば後方車両の絶対速度が更に減少して、相対速度が高速である時に、例えば表示強度Iに対応する逸脱警告ラインWRの表示色は、例えばアンバー色から例えば黄色に変化してもよい。このように、注意度合いが高い程に、例えば1本の逸脱警告ラインWRの表示形式は、例えば赤色成分をより多く有する表示色に設定することができる。
【0077】
例えば1本の逸脱警告ラインWRの表示形式は、表示色の変化又は分類に代えて、或いは、それに加えて、表示輝度(階調)の変化又は分類を含んでもよい。注意度合いが高い程に、例えば1本の逸脱警告ラインWRの表示形式は、例えばより高い表示輝度に設定することができる。同様に、例えば1本の逸脱警告ラインWRの表示形式は、表示範囲(太さ)の変化又は分類を含んでもよい。注意度合いが高い程に、例えば1本の逸脱警告ラインWRの表示形式は、例えばより広い表示範囲(太いライン)に設定することができる。同様に、例えば1本の逸脱警告ラインWRの表示形式は、点滅速度の変化又は分類を含んでもよい。注意度合いが高い程に、例えば1本の逸脱警告ラインWRの表示形式は、例えばより早い点滅速度に設定することができる。
【0078】
例えば図5で示される表示形式は、例えば図4(B)の2本の予測軌跡ラインTR1,TR2に適用されてもよい。図4(B)において、例えば図4(B)の2本の予測軌跡ラインTR1,TR2の表示色は、例えば黄(オレンジ)色であるが、その表示色は、注意度合いに(自車両と後方車両との間の相対速度及び相対距離)に応じて変化してもよい。もちろん、例えば図4(B)の2本の予測軌跡ラインTR1,TR2の表示色(表示形式)は、例えば赤色が設定されて、言い換えれば、例えば図4(B)の1本の逸脱警告ラインWRの表示色(表示形式)と同一に設定されてもよい。
【0079】
図5に示される表示形式は、1例に過ぎず、従って、例えば図4(B)の1本の逸脱警告ラインWR(第1の車両情報)及び/又は例えば図4(B)の2本の予測軌跡ラインTR1,TR2(第2の車両情報)は、相対速度だけに基づいてもよく、或いは、相対距離だけに基づいてもよい。なお、例えば図4(E)において、例えば1本の逸脱警告ラインWRの表示形式は、ゼロ又は表示強度Iよりも低く設定されて、逸脱警告ラインWRの表示は、停止されている。同様に、例えば図4(D)の2本の予測軌跡ラインTRS1,TRS2の表示色は、例えば緑色であり、その注意度合い(表示強度)は、ゼロ又は表示強度Iよりも低く設定されている。
【0080】
加えて、例えば図4(B)の2本の予測軌跡ラインTR1,TR2(第2の車両情報)の表示形式は、他の情報に応じて変化してもよい。他の情報は、例えば操舵角情報の変化率である。具体的には、例えば操舵角の増加率が高い程に、言い換えれば、自車両が逸脱警告ラインWRに向かう確率が高い程に、例えば2本の予測軌跡ラインTR1,TR2(第2の車両情報)の注意度合い(表示強度)を高く設定することができる。
【0081】
本発明は、上述の例示的な実施形態に限定されず、また、当業者は、上述の例示的な実施形態を特許請求の範囲に含まれる範囲まで、容易に変更することができるであろう。
【符号の説明】
【0082】
20・・・表示器、21・・・反射器、100・・・表示機構、101・・・ウインドシールド、102・・・運転者の視点、103・・・撮像部、200・・・表示コントローラ、210・・・判定部、220・・・生成部、230・・・記憶部、300・・・LAN、310・・・画像処理部、320・・・道路情報取得部、330・・・位置情報取得部、340・・・指示情報取得部、350・・・車速情報取得部、360・・・後方車両情報取得部、370・・・舵角情報取得部、AR・・・表示範囲、L・・・表示光、L1,L2,L3・・・車線、H・・・水平線、P・・・処理部、S・・・情報取得部、TR1,TR2,TR1',TR2',TR2'',TRS1,TRS2,TSR1',TSR2'・・・第2の車線情報、V・・・虚像、WL1,WL2,WL3,WL4・・・境界線、WR・・・第1の車線情報。
図1
図2
図3
図4
図5