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特許6642845通信容量管理装置、通信容量移管方法およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6642845
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】通信容量管理装置、通信容量移管方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 15/00 20060101AFI20200130BHJP
【FI】
   H04M15/00 G
【請求項の数】12
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2019-1964(P2019-1964)
(22)【出願日】2019年1月9日
(62)【分割の表示】特願2014-177550(P2014-177550)の分割
【原出願日】2014年9月1日
(65)【公開番号】特開2019-75820(P2019-75820A)
(43)【公開日】2019年5月16日
【審査請求日】2019年1月9日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 頒布日:平成26年6月25日、頒布物:報道資料No.2014−12、auの新料金「カラホとデジラ」音声通話定額と一人ひとりに合った選べる6つのデータ定額サービス〜さらに国内初!家族でデータを贈れる「データギフト」が登場!〜
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年6月25日,ウェブサイトのアドレス:http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2014/06/25/438.html、http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2014/06/25/besshi438.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年6月25日,ウェブサイトのアドレス:http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1462527702、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1462527705
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年7月1日,ウェブサイトのアドレス:http://www.au.kddi.com/mobile/charge/pr/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年7月1日,ウェブサイトのアドレス:http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k147127889、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k147127890
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年8月13日,ウェブサイトのアドレス:http://www.au.kddi.com/mobile/charge/data−option/data−charge/?bid=we−dcom−chargepr−0048、http://www.au.kddi.com/mobile/charge/data−option/data−charge/rate/、http://www.au.kddi.com/mobile/charge/data−option/data−charge/usage/
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年8月13日,ウェブサイトのアドレス:http://www.au.kddi.com/mobile/charge/data−option/data−gift/?bid=we−dcom−chargepr−0049
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:平成26年8月13日,ウェブサイトのアドレス:http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1472528310、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k147127887、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228448、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228463、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228456、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228462、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228446、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228464、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228457、http://cscnt.kddi.com/_layouts/A/QA.aspx?ID=58073789&qid=k1481228457、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228452、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1472528318、http://cscnt.kddi.com/_layouts/A/QA.aspx?ID=52773295&qid=k1472528318、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228461、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228445、http://csqa.kddi.com/posts/view/qid/k1481228465
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】松尾 周一郎
(72)【発明者】
【氏名】北原 武
(72)【発明者】
【氏名】増崎 和彦
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 星治
(72)【発明者】
【氏名】有木 博信
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0096524(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0179266(US,A1)
【文献】 特開2012−244402(JP,A)
【文献】 特開2003−348143(JP,A)
【文献】 特開2009−271769(JP,A)
【文献】 特開2001−216458(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0381826(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
19/00
G06Q 10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
H04B 7/24− 7/26
H04L 12/00−12/26
12/50−12/955
H04M 1/00
1/24− 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
15/00−15/38
99/00
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信に利用できるデータ転送量を示す通信容量に制限がある無線通信回線である第1無線通信回線及び第2無線通信回線それぞれに割り当てられた通信容量の残容量の管理を行う残容量管理部と、
前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量の移管が可能かどうかを判定する判定部と、
前記判定部の判定に基づき、前記第1無線通信回線に割り当てられた無線通信回線の通信容量の残容量の中から所望の通信容量を、前記第2無線通信回線へ期限付きで移管する通信容量移管部と、
を備える通信容量管理装置。
【請求項2】
通信容量の期限付き移管に対する料金を徴収する課金処理を行う課金処理部
をさらに備え、
前記課金処理部は、前記通信容量移管部が前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量を期限付きで移管した際に、前記第1無線通信回線を利用する第1ユーザの識別情報と、前記第2無線通信回線を利用する第2ユーザの識別情報とを取得し、取得した前記第1ユーザと前記第2ユーザの識別情報のうち少なくとも一方について課金処理を行う
請求項1に記載の通信容量管理装置。
【請求項3】
前記残容量管理部は、無線通信回線ごとに所定の期間毎に所定の量だけ付与された使用期限付きの通信容量である定期付与通信容量と、追加購入された使用期限付きの通信容量である追加購入通信容量とを区別して記憶し、
前記通信容量移管部は、前記第1無線通信回線の前記追加購入通信容量の残容量の中から、所望の通信容量を、前記第2無線通信回線へ期限付きで移管する
請求項1または請求項2に記載の通信容量管理装置。
【請求項4】
前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に期限付きで移管された通信容量に対し、前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ返却する通信容量を決定する返却通信容量決定部
をさらに備え、
前記返却通信容量決定部は、前記第2無線通信回線に期限付きで移管されてからの期間に応じて前記返却する通信容量を決定し、
前記通信容量移管部は、前記期限付き移管に係る期限内における前記第2無線通信回線を利用するユーザの指示操作に基づいて、前記返却通信容量決定部が決定した通信容量を前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ移管する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の通信容量管理装置。
【請求項5】
前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に期限付きで移管された通信容量に対し、前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ返却する通信容量を決定する返却通信容量決定部
をさらに備え、
前記通信容量移管部は、前記期限付き移管に係る期限が到来すると、前記返却通信容量決定部が決定した通信容量を前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ移管する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の通信容量管理装置。
【請求項6】
前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に期限付きで移管された通信容量に対し、前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ返却する通信容量を決定する返却通信容量決定部
をさらに備え、
前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量が期限付きで移管された場合であって、前記第2無線通信回線から前記返却通信容量決定部が決定した通信容量を期限内に返却できない場合、前記第2無線通信回線を利用する第2ユーザに通信容量の追加購入を促す通知を行う通知部
をさらに備える請求項1から請求項3の何れか1項に記載の通信容量管理装置。
【請求項7】
前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に期限付きで移管された通信容量に対し、前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ返却する通信容量を決定する返却通信容量決定部と、
通信容量の期限付き移管に対する料金を徴収する課金処理を行う課金処理部と、
をさらに備え、
前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量が期限付きで移管された場合であって、前記第2無線通信回線から前記返却通信容量決定部が決定した通信容量を期限内に返却できない場合、
前記課金処理部は、前記第2無線通信回線を利用する第2ユーザの識別情報について課金処理を行う
請求項1に記載の通信容量管理装置。
【請求項8】
前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に期限付きで移管された通信容量に対し、前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ返却する通信容量を決定する返却通信容量決定部、
をさらに備え、
前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量が期限付きで移管された場合であって、前記第2無線通信回線から前記返却通信容量決定部が決定した通信容量を期限内に返却できない場合、
前記残容量管理部は、前記第2無線通信回線に割り当てられた残容量を0にする
請求項1に記載の通信容量管理装置。
【請求項9】
前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量を期限付きで移管する場合に、
前記通信容量移管部は、前記第1無線通信回線を利用する第1ユーザが予め登録した1つ又は複数の期限付き移管の条件の中から、前記第2無線通信回線を利用する第2ユーザが選択した期限付き移管の条件に基づいて通信容量の期限付き移管を行う
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の通信容量管理装置。
【請求項10】
移管された通信容量の合計と期限付き移管を行った回数とを無線通信回線ごとに管理する移管通信容量管理部、
をさらに備え、
前記移管通信容量管理部が管理する前記第2無線通信回線に期限付きで移管された通信容量または期限付き移管回数が所定の閾値を超えると、前記通信容量移管部は、所定の期間、前記第2無線通信回線への通信容量の期限付きの移管を禁止する
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の通信容量管理装置。
【請求項11】
通信に利用できるデータ転送量を示す通信容量に制限がある無線通信回線である第1無線通信回線及び第2無線通信回線それぞれに割り当てられた通信容量の残容量の管理を行う通信容量管理装置が、
前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量の移管が可能かどうかを判定し、
前記判定に基づき、前記第1無線通信回線に割り当てられた無線通信回線の通信容量の残容量の中から所望の通信容量を、前記第2無線通信回線へ期限付きで移管する
通信容量移管方法。
【請求項12】
通信に利用できるデータ転送量を示す通信容量に制限がある無線通信回線である第1無線通信回線及び第2無線通信回線それぞれに割り当てられた通信容量の残容量の管理を行う通信容量管理装置のコンピュータを、
前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量の移管が可能かどうかを判定する手段、
前記判定に基づき、前記第1無線通信回線に割り当てられた無線通信回線の通信容量の残容量の中から所望の通信容量を、前記第2無線通信回線へ期限付きで移管する手段、
として機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信容量管理装置、通信容量移管方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末を利用したデータ通信の通信容量には、例えば月ごとに制限がかけられている。そして、その月に予め付与された通信容量を消費してしまうと、その月はデータ通信が使用できなくなったり、使用は可能でも通信速度が低速に抑えられることが一般的である。また、例えば特許文献1には、通信料金を前払いし、通信容量の使用に応じて課金を行い、前払い料金に対応する分の通信容量の使用を可能にするシステムについて開示がある。また、特許文献2には、複数の携帯端末をグループ化し、そのグループに対して通信容量(接続度数)を設定することで、例えば、企業の部署内のメンバで通信容量を共同利用し、料金管理も部署ごとに行う技術について開示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2001−504299号公報
【特許文献2】特開2003−18333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通信容量の使用頻度や使用タイミングには変動がある。例えば、ある家族において、家族内の誰もが月末にまとまってデータ通信を行うが、月初から月中にかけてはあまりデータ通信を利用しない傾向があるとして、親がある月に急に月初においてもデータ通信を行わなければならなくなったとする。一方、子供が契約する通信回線には、月中までの使用期限が設定された通信容量が余っており、その子供もその通信容量を期限までに使い切る予定がないとする。このような場合、子供の契約した無線通信回線に付与された通信容量の一部を、月初から月中の期間に限定して、親が契約した無線通信回線に移管することができれば便利である。また使い切る予定のない通信容量を有効に活用できるので家族内としても通信容量を経済的に活用できることになる。また、親が、自分が子供から借りた通信容量を子供がデータ通信を利用する月末前までに返却するようにすれば子供にとっても不満はない。このように、お互いが通信容量を必要とするタイミングに合わせて通信容量の貸し借りを行うことができると利便性が向上する。しかし、上述した従来の技術では、例えばあるユーザが契約した無線通信回線に割り当てられた通信容量を、他のユーザが契約した無線通信回線に期限付きで移管することはできない。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、例えばあるユーザが契約した無線通信回線に付与された通信容量を、他のユーザが契約する無線通信回線に期限付きで移管することができる、通信容量管理装置、通信容量移管方法およびコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、通信に利用できるデータ転送量を示す通信容量に制限がある無線通信回線である第1無線通信回線及び第2無線通信回線それぞれに割り当てられた通信容量の残容量の管理を行う残容量管理部と、前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量の移管が可能かどうかを判定する判定部と、前記判定部の判定に基づき、前記第1無線通信回線に割り当てられた無線通信回線の通信容量の残容量の中から所望の通信容量を、前記第2無線通信回線へ期限付きで移管する通信容量移管部と、を備える通信容量管理装置である。
【0007】
(2)本発明の一態様は、上記(1)の通信容量管理装置において、通信容量の期限付き移管に対する料金を徴収する課金処理を行う課金処理部をさらに備え、前記課金処理部は、前記通信容量移管部が前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量を期限付きで移管した際に、前記第1無線通信回線を利用する第1ユーザの識別情報と、前記第2無線通信回線を利用する第2ユーザの識別情報とを取得し、取得した前記第1ユーザと前記第2ユーザの識別情報のうち少なくとも一方について課金処理を行う。
【0008】
(3)本発明の一態様は、上記(1)又は(2)のいずれかの通信容量管理装置において、前記残容量管理部は、無線通信回線ごとに所定の期間毎に所定の量だけ付与された使用期限付きの通信容量である定期付与通信容量と、追加購入された使用期限付きの通信容量である追加購入通信容量とを区別して記憶し、前記通信容量移管部は、前記第1無線通信回線の前記追加購入通信容量の残容量の中から、所望の通信容量を、前記第2無線通信回線へ期限付きで移管する。
【0009】
(4)本発明の一態様は、上記(1)から(3)のいずれかの通信容量管理装置において、前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に期限付きで移管された通信容量に対し、前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ返却する通信容量を決定する返却通信容量決定部をさらに備え、前記返却通信容量決定部は、前記第2無線通信回線に期限付きで移管されてからの期間に応じて前記返却する通信容量を決定し、前記通信容量移管部は、前記期限付き移管に係る期限内における前記第2無線通信回線を利用するユーザの指示操作に基づいて、前記返却通信容量決定部が決定した通信容量を前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ移管する。
【0010】
(5)本発明の一態様は、上記(1)から(3)のいずれかの通信容量管理装置において、前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に期限付きで移管された通信容量に対し、前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ返却する通信容量を決定する返却通信容量決定部をさらに備え、前記通信容量移管部は、前記期限付き移管に係る期限が到来すると、前記返却通信容量決定部が決定した通信容量を前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ移管する。
【0011】
(6)本発明の一態様は、上記(1)から(3)のいずれかの通信容量管理装置において、前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に期限付きで移管された通信容量に対し、前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ返却する通信容量を決定する返却通信容量決定部をさらに備え、前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量が期限付きで移管された場合であって、前記第2無線通信回線から前記通信容量移管部が決定した通信容量を期限内に返却できない場合、前記第2無線通信回線を利用する第2ユーザに通信容量の追加購入を促す通知を行う通知部をさらに備える。
【0012】
(7)本発明の一態様は、上記(1)の通信容量管理装置において、前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に期限付きで移管された通信容量に対し、前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ返却する通信容量を決定する返却通信容量決定部と、通信容量の期限付き移管に対する料金を徴収する課金処理を行う課金処理部とをさらに備え、前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量が期限付きで移管された場合であって、前記第2無線通信回線から前記返却通信容量決定部が決定した通信容量を期限内に返却できない場合、前記課金処理部は、前記第2無線通信回線を利用する第2ユーザの識別情報について課金処理を行う。
【0013】
(8)本発明の一態様は、上記(1)の通信容量管理装置において、前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に期限付きで移管された通信容量に対し、前記第2無線通信回線から前記第1無線通信回線へ返却する通信容量を決定する返却通信容量決定部をさらに備え、前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量が期限付きで移管された場合であって、前記第2無線通信回線から前記返却通信容量決定部が決定した通信容量を期限内に返却できない場合、前記残容量管理部は、前記第2無線通信回線に割り当てられた残容量を0にする。
【0014】
(9)本発明の一態様は、上記(1)から(8)のいずれかの通信容量管理装置において、前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量を期限付きで移管する場合に、前記通信容量移管部は、前記第1無線通信回線を利用する第1ユーザが予め登録した1つ又は複数の期限付き移管の条件の中から、前記第2無線通信回線を利用する第2ユーザが選択した期限付き移管の条件に基づいて通信容量の期限付き移管を行う。
【0015】
(10)本発明の一態様は、上記(1)から(9)のいずれかの通信容量管理装置において、移管された通信容量の合計と期限付き移管を行った回数とを無線通信回線ごとに管理する移管通信容量管理部、をさらに備え、前記移管通信容量管理部が管理する前記第2無線通信回線に期限付きで移管された通信容量または期限付き移管回数が所定の閾値を超えると、前記通信容量移管部は、所定の期間、前記第2無線通信回線への通信容量の期限付きの移管を禁止する。
【0016】
(11)本発明の一態様は、通信に利用できるデータ転送量を示す通信容量に制限がある無線通信回線である第1無線通信回線及び第2無線通信回線それぞれに割り当てられた通信容量の残容量の管理を行う通信容量管理装置が、前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量の移管が可能かどうかを判定し、前記判定に基づき、前記第1無線通信回線に割り当てられた無線通信回線の通信容量の残容量の中から所望の通信容量を、前記第2無線通信回線へ期限付きで移管する通信容量移管方法である。
【0017】
(12)本発明の一態様は、通信に利用できるデータ転送量を示す通信容量に制限がある無線通信回線である第1無線通信回線及び第2無線通信回線それぞれに割り当てられた通信容量の残容量の管理を行う通信容量管理装置のコンピュータを、前記第1無線通信回線から前記第2無線通信回線に通信容量の移管が可能かどうかを判定する手段、前記判定に基づき、前記第1無線通信回線に割り当てられた無線通信回線の通信容量の残容量の中から所望の通信容量を、前記第2無線通信回線へ期限付きで移管する手段、として機能させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、通信容量に制限のある無線通信回線の間で通信容量の移管を返却期限付きで行うことにより、ユーザの利便性が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る通信容量管理装置1の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る通信容量管理装置1を実現するハードウェアの構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る通信容量管理装置1を使用した無線通信システムの構成例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る通信容量の管理に用いるデータテーブルの一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る追加購入通信容量管理データの構成例の一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る通信容量の期限付き移管に用いる画面の一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る通信容量の期限付き移管の可否の判定に用いるデータテーブルの一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る通信容量の期限付き移管処理のフローチャートの一例である。
図9】本発明の一実施形態に係る移管返却履歴データテーブルの一例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る期限付きで移管された通信容量の返却処理のフローチャートの一例である。
図11】本発明の一実施形態に係る期限付きで移管された通信容量の返却に用いる画面の一例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る移管実績管理データテーブルの一例を示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係る期限付き移管プランに基づく移管処理に用いる画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る通信容量管理装置1の構成を示すブロック図である。
図1において、通信容量管理装置1は、残容量管理部11と、判定部12と、通信容量移管部13と、課金処理部14と、移管要求受付部15と、移管通信容量管理部16と、通知部17と、通信部18と、管理データ記憶部19と、返却通信容量決定部20、返却処理管理部21とを備える。
【0021】
残容量管理部11は、通信容量に制限がある無線通信回線である第1無線通信回線及び第2無線通信回線それぞれにおける通信容量の残容量の管理を行う。さらに残容量管理部11は、通信容量の残容量を、定期付与通信容量と追加購入通信容量とに区別して管理する。定期付与通信容量とは、所定の期間毎に所定の量だけ与えられる使用期限付きの通信容量である。また、追加購入通信容量とは、追加購入された使用期限付きの通信容量であって、定期付与通信容量だけでは通信容量が足りない場合などにユーザが購入することによって追加される通信容量である。管理とは、無線通信回線ごとにその無線通信回線で使用することができる定期付与通信容量と追加購入通信容量とを記憶し、当該無線通信回線での通信容量の使用に応じて定期付与通信容量又は追加購入通信容量から使用した分だけ通信容量を減算することをいう。また、管理とは、定期付与通信容量については通信容量が付与されたときに付与分だけ定期付与通信容量を加算して記憶し、追加購入通信容量については通信容量が購入されたときに購入分だけ追加購入通信容量を加算して記憶することをいう。
【0022】
判定部12は、第1無線通信回線から第2無線通信回線に通信容量の期限付き移管が可能かどうかを判定する。ここで移管とは、第1無線通信回線で使用できる通信容量の一部または全部を、第2無線通信回線で使用できる通信容量として付け替えることである。このとき、第1無線通信回線(移管元)と対応付けて記憶された通信容量から移管分の通信容量が減算され、第2無線通信回線(移管先)と対応付けて記憶された通信容量に移管分の通信容量が加算される。また、期限付きとは、移管先の無線通信回線は、期限が到来すると移管された通信容量を移管元に返却しなければならないことを意味している。返却とは、第2無線通信回線に対応付けて記憶された無通信容量から所定の通信容量を減算し、第1無線通信回線に対応付けて記憶された無通信容量にその通信容量を加算することをいう。以下、期限付き移管をレンタルと称する場合がある。
例えば、判定部12は、第1無線通信回線を利用する第1ユーザの属性情報と第2無線通信回線を利用する第2ユーザの属性情報とが示す第1ユーザと前記第2ユーザの関係に基づいて、第1無線通信回線から第2無線通信回線への移管が可能かどうかを判定する。また、例えば、判定部12は、第1ユーザと第2ユーザの請求グループ情報が同一である場合に、第1無線通信回線から第2無線通信回線への通信容量の移管が可能であると判定する。なお、無線通信回線を利用するユーザとは、そのユーザが当該無線通信回線の契約を行っていることを示している。
【0023】
通信容量移管部13は、判定部12の判定に基づき、第1無線通信回線における無線通信回線の通信容量の残容量の中から所望の通信容量を、第2無線通信回線へ期限付きで移管する。
課金処理部14は、通信容量の期限付き移管に対する移管手数料を徴収する処理を行う。
移管要求受付部15は、第1無線通信回線から第2無線通信回線へ通信容量を期限付きで移管する場合に、その期限付き移管の要求を受け付ける。
移管通信容量管理部16は、期限付きで移管された通信容量の合計と移管を行った回数とを無線通信回線ごとに管理する。
【0024】
通知部17は、期限付きの移管処理を行う際に、移管先となるユーザの使用する端末に期限付きの移管処理に係る条件を記載したメッセージを送信する。また、通知部17は、ある無線通信回線について期限付きで移管された通信容量または移管回数が所定の閾値を超えると、その無線通信回線を利用するユーザが使用する端末に対して通信容量の追加購入を促す通知を行う。
通信部18は、後述するユーザ契約情報管理装置114、決済装置116、通信制御装置112などと通信を行う。
管理データ記憶部19は、無線通信回線ごとの通信容量の残容量、期限付き移管が行われた記録等を記憶する。
返却通信容量決定部20は、第1無線通信回線から第2無線通信回線に期限付きで移管された通信容量に対し、第2無線通信回線から第1無線通信回線へ返却する通信容量を決定する。
返却処理管理部21は、期限付き移管処理に対する通信容量の返却処理を実行させる。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態に係る通信容量管理装置1を実現するハードウェアの構成例を示すブロック図である。図2において、通信容量管理装置1は、CPU部23と通信部18と記憶部24を備える。これら各部はデータを交換できるように構成されている。CPU部23は通信容量管理装置1の制御を行う。この制御機能は、CPU部23がコンピュータプログラムを実行することにより実現される。通信部18は他の装置と通信する。記憶部24は、CPU部23で実行されるコンピュータプログラムや各種のデータを記憶する。記憶部24は、通信容量管理プログラム26を記憶している。
【0026】
図1に示される残容量管理部11、判定部12、通信容量移管部13、課金処理部14、移管要求受付部15、移管通信容量管理部16、通知部17、返却通信容量決定部20、返却処理管理部21の各機能は、図2に示されるCPU部23が記憶部24に記憶される通信容量管理プログラム26を実行することにより実現される。また、図1に示される管理データ記憶部19は、図2に示される記憶部24内に設けられる。
【0027】
図3は、本発明の一実施形態に係る通信容量管理装置1を使用した無線通信システムの構成例を示す図である。図3において、端末102は、無線通信回線106で基地局104と接続されている。無線通信回線106には通信容量に制限がある。端末102から無線通信回線106を使用して基地局104へ送信されたユーザデータは、基地局104からゲートウェイ108へ転送される。ゲートウェイ108は、無線通信回線106を使用する端末102の通信が許可されていれば、基地局104から転送された端末102のユーザデータをインターネット110へ出力する。同様に、ゲートウェイ108は、インターネット110から入力された端末102宛てのユーザデータを、無線通信回線106を使用する端末102の通信が許可されていれば、基地局104を介して端末102へ転送する。
【0028】
無線通信回線106の通信容量の制限内である場合には、無線通信回線106を使用する端末102の通信が許可される。一方、無線通信回線106の通信容量の制限外である場合には、無線通信回線106を使用する端末102の通信が許可されない。又は、通信が許可されたとしても通信速度が低下する。これにより、端末102は、無線通信回線106の通信容量の制限内であれば、当該無線通信回線106を使用して、インターネット110に接続される他の通信装置との間で通信を行うことができる。一方、端末102は、無線通信回線106の通信容量の制限外である場合には、当該無線通信回線106を使用して、インターネット110に接続される他の通信装置との間で通信を行うことができない。又は、通信できたとしても通信速度が低下する。
【0029】
通信制御装置112は、ゲートウェイ108に対して、無線通信回線106を使用する端末102の通信を許可するか否(非許可)か、あるいは通信速度を指示する。この無線通信回線106を使用する端末102の通信の許可又は非許可や通信速度は、通信容量管理装置1からの無線通信回線106の通信許可情報に基づいている。また、通信制御装置112は、ゲートウェイ108から、無線通信回線106を使用する端末102の通信でゲートウェイ108により転送されたユーザデータの転送量を示す転送データ量情報を取得する。この転送データ量情報は、通信制御装置112から通信容量管理装置1へ送信される。
【0030】
通信容量管理装置1は、通信制御装置112から受信した転送データ量情報に基づいて、無線通信回線106についての通信容量の残量を更新する。また、通信容量管理装置1は、無線通信回線106についての通信容量の残量に基づいて、無線通信回線106の通信許可情報を通信制御装置112へ送信する。この通信許可情報は、無線通信回線106を使用する端末102の通信の許可又は非許可や通信速度の制限の情報である。
【0031】
ユーザ契約情報管理装置114は、無線通信回線106を契約しているユーザの情報(ユーザ契約情報)を管理している。ユーザ契約情報として、ユーザ識別子(ユーザID)、無線通信回線106の識別番号(回線番号)、通信容量等についての契約内容などを示す情報がある。通信容量管理装置1は、必要に応じて、ユーザ契約情報管理装置114へ、ユーザ契約情報を問い合わせる。
【0032】
決済装置116は、ユーザによる代金支払いの決済処理を行う。通信容量管理装置1は、必要に応じて、決済装置116へ、ユーザによる代金支払いの決済状況を問い合わせる。
【0033】
端末102は、通信により、通信容量管理装置1へアクセスすることができる。端末102と通信容量管理装置1の間の通信は、無線通信回線106を介した通信であってもよく、又は、無線通信回線106を介さない通信であってもよい。通信容量管理装置1は、端末102からの要求に応じて該当する処理を行う。
【0034】
本実施形態において、ユーザがデータ通信に利用できる通信容量は、ユーザが契約した無線通信回線106ごとに割り当てられているものとする。通信容量の種類には、上述した定期付与通信容量と追加購入通信容量とが存在する。一例として、本実施形態では、定期付与通信容量は、定期的に通信容量を付与する契約を行った無線通信回線106対して毎月7GBずつ付与され、その使用期限は1カ月であるとする。また、追加購入通信容量は、500MBまたは1GB単位で購入することができ、その使用期限は例えば購入した日から62日であるとする。また、これら2種類の通信容量のうち、優先的に追加購入通信容量から使用されると決められているとする。なお、ユーザは複数の無線通信回線106を契約して使用することができる。
【0035】
図4は、本発明の一実施形態に係る通信容量の管理に用いるデータテーブルの一例を示す図である。
図4で例示したデータテーブルは、残容量管理部11が無線通信回線ごとの通信容量の残容量を管理するために用いるデータテーブルの一例である。図4で例示したデータテーブルの1行目は、ユーザ「001」は、無線通信回線「090−1234−5678」を契約して利用しており、無線通信回線「090−1234−5678」に割り当てられた通信容量の残容量のうち、定期付与通信容量の残容量は7GB、追加購入通信容量の残容量は500MBであることを示している。また、2行目は、ユーザ「001」は、2つ目の無線通信回線「080−1234−5678」を契約して利用しており、無線通信回線「080−1234−5678」に割り当てられた通信容量の残容量のうち、定期付与通信容量の残容量は5GB、追加購入通信容量の残容量は200MBであることを示している。また、3行目は、ユーザ「002」は、無線通信回線「090−1234−5679」を契約して利用しており、この無線通信回線に割り当てられた通信容量の残容量のうち、定期付与通信容量の残容量は1GB、追加購入通信容量の残容量は1GBであることを示している。
【0036】
残容量管理部11は、例えば、無線通信回線「090−1234−5679」(3行目)について100MB分のデータ通信が行われたことを示す情報を、通信制御装置112から受信すると、図4で例示したデータテーブルを参照し、無線通信回線「090−1234−5679」の追加購入通信容量の残容量である1GBを読み出し、読み出した1GBから100MBを減じた値(0.9GB)で追加購入通信容量の値を上書きして更新する。追加購入通信容量の値を更新するのは、上述したように優先的に追加購入通信容量から使用されるからである。また、翌月を迎えると、残容量管理部11は、ユーザ契約情報管理装置114から、無線通信回線「090−1234−5679」の契約情報を取得し、例えばこの無線通信回線が、定期付与通信容量を付与する契約であるとすると、この契約に基づいて、定期付与通信容量の値1GBを翌月分の7GBで上書きして更新する。
【0037】
図5は、本発明の一実施形態に係る追加購入通信容量管理データの構成例の一例を示す図である。
追加購入通信容量管理データは、追加購入毎に、追加購入を識別する購入番号と、該追加購入された分の残容量を示す情報と、追加購入された分の使用期限を示す情報を有する。あるユーザが追加購入を行うと、残容量管理部11は、図4で例示したテーブルを更新するとともに図5で例示した追加購入通信容量管理データを更新する。例えば、ユーザ「001」が、無線通信回線「090−1234−5678」について、500MBの追加購入を行うと、残容量管理部11は、購入番号と、残容量として当該新規の追加購入分の500MBと使用期限を示す情報とを追加購入通信容量管理データに追加する。これにより、図5における2行目のデータが追加される。
図4図5で例示したデータテーブルは、管理データ記憶部19が記憶しており、残容量管理部11は、これらのデータテーブルを用いて無線通信回線ごとに定期付与通信容量及び追加購入通信容量通信容量の残容量を区別して管理する。
【0038】
図6は、本発明の一実施形態に係る通信容量の期限付き移管に用いる画面の一例を示す図である。図6に例示した画面は、ユーザが自分が契約している無線通信回線における通信容量からその一部を、他の無線通信回線に期限付きで移管する設定を行う画面の一例である。この画面は、例えばユーザが自分が契約する無線通信回線の契約情報を確認したり、その無線通信回線に割り当てられた通信容量の使用状況を確認するために用いる、通信サービス事業体が提供するユーザ専用のポータルサイトなどに設けられている。
符号41は、ユーザが契約している無線通信回線の一覧が表示された領域である。領域41には、移管元となる無線通信回線ごとに、残容量が、定期付与通信容量と追加購入通信容量とに分けて表示されている。ユーザは、これらの中から移管元の無線通信回線を選択する。符号42は、期限付きで移管する通信容量について、定期付与通信容量から通信容量を移管するか、追加購入通信容量から通信容量を移管するかを選択する選択欄である。符号43は、通信容量の移管先となる無線通信回線の識別番号の入力欄である。移管元ユーザは、例えば自分の家族の誰かが契約している無線通信回線の識別番号「090−XXXX−XXXX」を入力欄43に入力する。
【0039】
符号44は、入力欄43に入力した無線通信回線を契約しているユーザの名称やIDを入力する入力欄である。入力欄44に入力された値は、例えば、入力欄43に入力された無線通信回線が、入力欄44に入力されたユーザが契約している無線通信回線であるか否かのチェックに用いる。また、移管先が同一請求グループに限定されている場合には、入力欄43には、同一請求グループに属する無線通信回線の識別番号がプルダウンで一覧表示されその中から選択できるようにし、同様に、入力欄44には、同一請求グループに属するユーザの名称等がプルダウンで表示されその中から選択できるようにしてもよい。また、入力欄43で既に無線通信回線が選択されている場合、入力欄44には、その無線通信回線を契約しているユーザの名称等が自動で表示されるようにしてもよい。なお、請求グループについては後述する。また、入力欄44にユーザ名を入力すると、過去の返却履歴に基づいて、入力したユーザが期限内に通信容量を返却している確率を表示するようにしてもよい。例えば、常に返却期限内に通信容量の返却ができているユーザであれば「100%」と表示され、レンタルした回数のうち、半分しか期限内に返却できなかったユーザの場合は「50%」と表示される。これにより、移管元ユーザは、移管先ユーザに通信容量のレンタルを行う場合のリスクを把握できるようになる。符号45は、期限付きで移管する通信容量を入力する入力欄である。符号46は、移管する通信容量の返却期限を入力する入力欄である。ユーザは、例えば1週間だけ通信容量を貸し出すのであれば「7」と入力する。符号47は、通信容量の返却時に加える利子率を入力する入力欄である。ユーザが、返却期限時に10%の利子を付けることを要求するのであれば「10」と入力する。符号48は、返却された通信容量の使用期限に対する条件である。これは、例えば、利子率分だけ追加されて返却された通信容量の使用期限が、返却された当日だとしたら移管元のユーザにとってメリットが無いため、使用期限の最低条件を設定する項目である。例えば、返却された通信容量に最低限10日以上の使用期限を要求する場合、入力欄48に「10」と入力する。
【0040】
ユーザが、これらの項目を入力して登録ボタン49を押下すると、入力した情報が管理データ記憶部19に書き込まれ、通信容量の移管処理が実行される。具体的には移管要求受付部15が、この期限付き移管の要求を受け付け、判定部12が期限付き移管の可否の判定を行い、移管可能と判定された場合、通信容量移管部13が移管処理を行う。期限付き移管処理の詳細については後述する。
この画面には、これらの項目以外にも、当月における期限付き移管回数、移管した通信容量や移管された通信容量の累積を表示させたり、移管の履歴を表示させてもよい。また、これら期限付き移管に係る回数、通信容量の合計、履歴などについては、別途管理画面を設け、その管理画面にて表示させるようにしてもよい。
【0041】
次にどのような条件を満たす場合に通信容量の期限付き移管処理が可能であるかの一例について図7を用いて説明する。
図7は、本発明の一実施形態に係る通信容量の期限付き移管の可否の判定に用いるデータテーブルの一例を示す図である。
図7で例示した移管可否判定データテーブルにおいて、「期限付き移管サービス契約」欄は、その無線通信回線が通信容量の期限付き移管サービスの契約を行っているかどうかを示している。本実施形態では、通信容量の期限付き移管を行うためには、移管元の無線通信回線と移管先の無線通信回線とが、共にこの契約を行っていなければならないものとする。「家族ID」は、ある無線通信回線を契約しているユーザが所属する家族を示す属性情報である。例えばユーザ「001」とユーザ「002」が親子である場合、この家族IDには同じ値が設定されている。「請求グループID」は、無線通信回線にかかる通信料等の料金の支払いを行う単位を示すIDである。例えばある家族において、父親が支払いを行う場合、その家族の契約する無線通信回線については、請求グループIDに同じ値が設定されている。「移管グループID」は、ある無線通信回線を契約しているユーザが所属する移管グループを示す属性情報である。移管グループとは、ユーザが契約する無線通信回線同士が互いに通信容量の移管を行うことができるグループである。例えば友人同士で1つのグループを形成し、通信容量の残量が足りなくなったときにはその友人同士で通信容量の移管を行いたい場合に、そのグループを1つの移管グループとして登録すると、そのグループのメンバが契約する無線通信回線の移管グループIDに同じ値が設定され、そのグループのメンバ間で通信容量の移管が可能になる。
【0042】
この移管可否判定データテーブルは、例えば、ユーザ契約情報管理装置114の備える記憶部に記憶されている。通信容量管理装置1の判定部12は、ユーザ契約情報管理装置114から移管元の無線通信回線と移管先の無線通信回線について移管可否判定データテーブルに設定された情報を取得し、移管が可能か否かの判定を行う。例えば、移管元と移管先の何れかの無線通信回線の「期限付き移管サービス契約」の値が「無し」であれば、判定部12は、移管処理は不可と判定する。また、移管元及び移管先の無線通信回線の家族ID、請求グループID、移管グループIDの何れについても値が同じでなければ、判定部12は、移管処理は不可と判定する。これら家族ID、請求グループID、移管グループIDによる判定は、これらのうちどれか一つのみに基づいて行ってもよいし、これらのうち少なくとも一つのIDについて同一の値を持つ場合、判定部12は、それらの移管元の無線通信回線と移管先の無線通信回線との間での通信容量の期限付き移管が可能であると判定してもよい。
【0043】
また、これら家族ID、請求グループID、移管グループID以外にも、移管可否判定データテーブルに、他の無線通信回線に対して移管することができるかどうかを示す「譲渡フラグ」、他の無線通信回線からの移管を受けられるかどうかを示す「受領フラグ」の項目を設け、ユーザ単位又は無線通信回線単位にこれらのフラグをユーザが設定できるようにしてもよい。例えば、同じ家族内でも中学生の子供には、「譲渡フラグ」及び「受領フラグ」に「禁止」を設定し、大学生の子供には「譲渡フラグ」に「禁止」を設定し「受領フラグ」に「許可」を設定することができる。すると、例えば親から大学生の子供に期限付き移管を行う場合、判定部12は、家族IDなどの判定に加え、大学生が利用する無線通信回線の「受領フラグ」が「許可」であることに基づき、移管可能と判定する。また、親から中学生の子供に期限付き移管を行う場合、判定部12は、家族IDなどの判定に加え、中学生が利用する無線通信回線の「受領フラグ」が「禁止」であることに基づき、移管不可と判定する。また、例えばこの大学生と中学生との間で期限付き移管を行おうとすると、判定部12は、家族IDなどの判定に加え、大学生や中学生が利用する無線通信回線の「譲渡フラグ」が「禁止」であることに基づき、移管不可と判定する。なお、この「譲渡フラグ」や「受領フラグ」は、家族ID、請求グループID、移管グループIDの何れとも組み合わせて用いることが可能である。これにより、家族、請求グループ、移管グループという単位よりもさらに細かい単位で移管可否の制御を行うことができる。
【0044】
次に通信容量の期限付き移管処理について図8を用いて説明する。
図8は、本発明の一実施形態に係る通信容量の期限付き移管処理のフローチャートの一例である。
まず、移管要求受付部15が、移管元ユーザによる期限付き移管処理の要求を受け付ける(ステップS1)。具体的には、移管元ユーザが、図6で例示した画面にて、移管元及び移管先の通信回線、移管する通信容量など期限付き移管に必要な情報(移管要求情報)を入力し登録ボタン49を押下する。すると移管要求受付部15は、入力された情報を受け付け、管理データ記憶部19に書き込んで記憶させ、通信容量移管部13に期限付き移管処理の実行を指示する。
【0045】
次に通信容量移管部13は、判定部12に移管が可能か否かの判定を要求する。判定部12は、管理データ記憶部19から移管要求受付部15が受け付けた移管要求情報を読み出して、期限付き移管処理の可否を判定する(ステップS2)。まず判定部12は、図7で説明した判定基準に基づいて移管処理の可否を判定する。例えば、移管元または移管先の無線通信回線が期限付き移管サービスの契約を行っていない場合は、判定部12は、移管は不可と判定する。また、移管元及び移管先の無線通信回線が移管サービスの契約を行っており、さらに家族IDや移管グループIDなどが一致する場合、契約上は移管が可能であると判定する。さらに移管先及び移管元の「譲渡フラグ」や「受領フラグ」に基づいた判定を加えてもよい。その場合、図6で例示した期限付き移管指示画面において、移管先ユーザの入力を行うと、例えば入力欄44の右側に、入力した移管先ユーザについて設定された「譲渡フラグ」、「受領フラグ」の値が表示され、移管元ユーザが事前に移管の可否を確認できるようにする。また、判定部12は、ユーザが指定した移管条件について判定する。例えば、移管しようとする通信容量が移管元の無線通信回線における残容量を超えている場合、判定部12は、期限付き移管は不可と判定する。判定部12が移管処理が不可と判定した場合(ステップS2;不可)、本処理フローは終了する。一方、判定部12が、期限付き移管が可能と判定した場合(ステップS2;可能)、通知部17に期限付き移管処理を承諾するかどうかの確認を要求するメッセージの送信指示を行い、通知部17は、移管先ユーザが使用する端末にそのメッセージをメールやSMS(Short Message Service)等の手段によって送信する。
【0046】
なお、このステップS2の判定において次のような条件を加えてもよい。例えば、判定部12は、ユーザ契約情報管理装置114から移管先及び移管元の契約情報を取得し、移管先ユーザと移管元ユーザのうち一方又は両方が、無線通信回線の契約を開始してから所定の期間以上経過している場合のみ移管が可能と判定する。また、判定部12は、取得した契約情報に基づき、移管先ユーザと移管元ユーザのうち一方又は両方が、当該移管に係る無線通信回線について複数の端末を契約している場合のみ移管が可能と判定する。また、後述するように、判定部12は、移管先の無線通信回線と移管元の無線通信回線のうち一方又は両方について、直近の所定期間中(例えば、その月)の期限付き移管回数と移管した通信容量や移管された通信容量が所定回数以内・所定容量未満であれば移管可能と判定する。また、移管先のユーザについて過去の返却履歴に基づいて、返却期限内に通信容量を返却していれば移管可能と判定し、過去の所定の期間において返却できなかったことがあるユーザに対しては移管不可と判定する。また、移管元が既に期限付きの移管を他の無線通信回線に対して行っており、その移管に対する返却が完了していない場合は、移管不可と判定するようにしてもよい。また、移管先が既に他の無線通信回線から期限付き移管を受けており、その移管に対して返却を行っていない場合は、移管不可と判定するようにしてもよい。また、移管元が既に他の無線通信回線から期限付き移管を受けており、その移管に対して返却を行っていない場合は、移管不可(再レンタル禁止)と判定するようにしてもよい。なお、図6で例示した期限付き移管指示画面において、「移管先の無線通信回線が既に通信容量のレンタル中であれば移管を行わない」という選択欄(選択欄A)や「当該期限付き移管に係る通信容量について移管先が再レンタルすることを禁止する」という選択欄(選択欄B)を設けておき、移管元のユーザが、選択欄A(例えばチェックボックス)を選択すると、移管先が既に他の無線通信回線から期限付き移管を受けており、その移管に対して返却を行っていない場合には、移管不可と判定し、移管元のユーザが、選択欄Bを選択すると、例えば、移管先のユーザの譲渡フラグを返却が済むまでの間「禁止」にして、移管先のユーザが再レンタルできないように制御するようにしてもよい。
【0047】
通知部17が送信したメッセージには、移管される通信容量、返却期限、利子率、返却する通信容量に要求される使用期限等の情報などが含まれており、そのメッセージを受信した、移管先ユーザの使用する端末が備える専用のアプリケーションプログラムが、これらの情報と、それらの条件が課された今回の期限付き移管に対する承諾ボタンを表示画面に表示する。メッセージの表示は公知の技術を用いて行えばよく、他にも移管の条件を記載やWebページのURL(Uniform Resource Locator)が記載されたメールを送信し、このURLのWebページに、移管を承諾するかどうかを入力する「承諾」ボタンが設けられているような方式でもよい。
移管先のユーザが、この承諾ボタンを押下すると、アプリケーションプログラムが、承諾ボタンが押下されたことを示す情報を通信容量管理装置1へ送信し、通信容量管理装置1では、移管要求受付部15がその情報を取得する。移管要求受付部15は、受け取った情報を通信容量移管部13へ出力する。
【0048】
移管要求受付部15がメッセージの送信から所定期間内に「承諾」ボタンを押下されたことを示す情報を取得しない場合、又は、例えばWebページ等に設けられた「承諾しない」ボタンが押下されたことを示す情報を取得した場合(ステップS3;承諾しない)、本処理フローは終了する。
また、期限付き移管には手数料がかかり、手数料の徴収に際しては、その都度、ユーザの同意を得るようにしてもよい。その場合、例えば、手数料を徴収するユーザが使用する端末の表示画面に先行付与手数料の負担を承諾するか否かを選択できるような画面を表示し、そのユーザが承諾した場合のみ期限付き移管処理を行うようにする。
【0049】
通信容量移管部13が移管を承諾することを示す情報を取得した場合(ステップS3;承諾)、通信容量移管部13は、期限付き移管処理を行う(ステップS4)。具体的には、通信容量移管部13は、移管要求受付部15が受け付けた移管元及び移管先の無線通信回線、移管する通信容量、定期付与通信容量と追加購入通信容量のうち何れかから通信容量を移管するかの情報を管理データ記憶部19から取得する。そして、通信容量移管部13は、取得したこれらの情報に基づいて、図4で例示したデータテーブルの移管元の無線通信回線のレコードの定期付与通信容量と追加購入通信容量のうち、移管元ユーザによって選択された通信容量の方から移管する通信容量を減算する。次に、通信容量移管部13は、移管先の無線通信回線のレコードの定期付与通信容量と追加購入通信容量のうち、移管元によって選択された通信容量と同じ種類の残容量に移管する通信容量を加算する。つまり、移管元にて定期付与通信容量から移管する場合は、移管先でも定期付与通信容量に移管する通信容量を加算し、追加購入通信容量から移管する場合は、移管先でも追加購入通信容量に移管する通信容量を加算する。なお、ここでの例では、移管元の追加購入通信容量は移管先でも追加購入通信容量に移管するとしているが、移管された通信容量を移管先では定期付与通信容量及び追加購入通信容量以外の通信容量として別管理するようにしてもよい。また、定期付与通信容量から期限付きで移管を行う場合、移管元の定期付与通信容量を移管先の追加購入通信容量に移管するようにしてもよい。なお、期限付きで移管された通信容量の使用期限については、例えば、追加購入通信容量から追加購入通信容量に移管された場合、移管元の追加購入通信容量について設定された使用期限が移管先においてもそのまま引き継がれ、追加購入通信容量から定期付与通信容量に移管された場合は、移管先の定期付与通信容量の使用期限(移管された月の末日)に設定されるようする。
また、通信容量移管部13は、管理データ記憶部19からさらに返却期限、利子率、移管する通信容量などの情報を取得し、当該期限付き移管処理の内容を後述する移管返却履歴データテーブルへ記録する。
【0050】
次に課金処理部14は、移管手数料を徴収する課金処理を実行する(ステップS5)。具体的には、通信容量移管部13は、移管処理が成功すると、移管先及び移管元の無線通信回線と契約しているユーザのID(識別情報)や移管する通信容量の情報などを課金処理部14に出力し、課金処理部14に課金処理の実行を指示する。課金処理部14は、管理データ記憶部19が記憶する手数料を読み込んで、ユーザIDと課金すべき手数料とを決済装置116へ送信し、課金処理を依頼する。なお、手数料については、管理データ記憶部19が、期限付き移管処理1回あたりの手数料、または移管する通信容量や回数に応じて設定された手数料を記憶しているものとする。また、課金処理部14は、移管先の無線通信回線を利用するユーザのIDと移管元の無線通信回線を利用するユーザのIDとのうち少なくとも一方について、決済装置116へ課金処理を依頼する。移管先と移管元の両方のユーザから手数料を徴収するか、どちらか一方からのみ手数料を徴収するかは、予め定められ管理データ記憶部19に記憶されているものとする。また、移管元、移管先のいずれのユーザから手数料を徴収するかどうかは、ユーザが決定することができる。例えば図6で例示した画面に手数料を負担する側を選択することができる項目を設けてもよい。また、移管手数料の徴収は、金銭だけでなく、手数料を負担する側の無線通信回線の残容量から一定容量を徴収することでも代替可能である。例えば、移管対象となる通信容量に対して一定の割合の容量を徴収するようにしてもよい。また、移管手数料は、追加購入通信容量を購入するのに要する金額よりも安価であることが望ましい。それによって、追加購入する余裕がないユーザでも通信容量をレンタルすることができるようになり、ユーザのデータ通信の利用促進を図ることができる。
【0051】
なお、ここでは、移管元のユーザから移管先のユーザにレンタル条件を提示して、移管先のユーザがその条件を承諾したときに期限付き移管処理が実行される場合を例に説明を行ったが、移管先のユーザが所定のレンタル条件に基づくレンタル要求を移管元のユーザに対して行って、移管元ユーザがその条件を承諾したときに期限付き移管処理が実行されるようにしてもよい。
【0052】
図9は、本発明の一実施形態に係る移管返却履歴データテーブルの一例を示す図である。通信容量移管部13は、移管処理時に、移管処理を行った日時をこのデータテーブルの「移管日時」欄、移管元の無線通信回線の識別番号を「移管元無線通信回線」欄、移管先の無線通信回線の識別番号を「移管先無線通信回線」欄、移管した通信容量が定期付与通信容量か追加購入通信容量かを「通信容量種類」欄、移管した通信容量を「通信容量」欄、利子率を「利子率」欄、返却期限を「返却期限」欄、「未」を「返却状況」欄に書き出す。なお、通信容量移管部13は、期限付き移管処理に対する返却処理を行ったときに「返却状況」欄を更新する。
この移管返却履歴データテーブルは、管理データ記憶部19が記憶している。例えば、図6で例示した画面等で、このデータテーブルに記録された情報に基づいて、そのユーザが契約している無線通信回線ごとのレンタルの実績を表示させてもよい。
【0053】
[返却処理]
返却処理には返却期限になると自動的に返却する処理と、移管されたユーザが返却期限内に自主的に返却処理を行う場合がある。まず、自動的に返却を行う処理について図10を用いて説明する。
図10は、本発明の一実施形態に係る期限付きで移管された通信容量の返却処理のフローチャートの一例である。
まず、返却処理管理部21が、例えば毎日24時に移管返却履歴データテーブルを検索し、返却期限が前日のレコードを抽出する(ステップS11)。次に、返却処理管理部21は、抽出したレコードの情報を1件ごとに返却通信容量決定部20へ出力する。返却通信容量決定部20は、取得したレコードに含まれる「通信容量」と「利子率」を乗算して得られた値に「通信容量」を加算して返却通信容量を決定する。例えば「通信容量」が「1.0GB」で、「利子率」が「10%」の場合、返却通信容量決定部20は、以下の演算を行い、返却通信容量=1.1GBを決定する(ステップS12)。
1.0(GB)×10(%)/100+1.0(GB)=1.1(GB)
返却通信容量決定部20は、返却期限を迎えたレコード1件ずつについて返却通信容量を算出してその結果を返却処理管理部21に出力する。
【0054】
次に返却処理管理部21は、抽出したレコードの「移管先無線通信回線」における「通信容量種類」が示す通信容量の残容量や使用期限を残容量管理部11に問い合わせ、残容量及び使用期限を取得する。使用期限は、定期付与通信容量であれば、その月の末日であり、追加購入通信容量であれば、図5で例示した追加購入通信容量管理データから取得する。そして、返却処理管理部21は、返却可否判定を行う(ステップS13)。具体的には、返却処理管理部21は、取得した残容量と返却通信容量とを比較して、残容量が返却通信容量を下回れば返却が不可と判定する。残容量が返却通信容量以上であれば、次に使用期限について判定を行う。つまり、残容量の使用期限が、返却当日から移管元ユーザが要求した使用期限を経過した日以降であれば、返却は可能と判定し、そうでなければ返却は不可と判定する。なお、このとき、移管元ユーザが追加購入通信容量から移管したとしても、移管先ユーザの無線通信回線の残容量のうち返却条件を満たす通信容量が定期付与通信容量であれば、定期付与通信容量から通信容量の返却を行う。
【0055】
返却が可能と判定した場合(ステップS13;可能)、返却処理管理部21は、抽出したレコードとステップS12で計算した返却通信容量の情報とステップS13で返却通信容量の返却が可能と判定した通信容量種類とを通信容量移管部13に出力し、移管先(返却元)の無線通信回線から移管元(返却先)の無線通信回線への返却通信容量分の移管処理(返却処理)を指示する。通信容量移管部13は、返却処理を実行する(ステップS14)。具体的には、通信容量移管部13は、図4で例示したデータテーブルの移管先の無線通信回線について、返却処理管理部21から取得した通信容量種類が示す通信容量の残容量から返却通信容量を減算し、移管元の無線通信回線における返却処理管理部21から取得した通信容量種類が示す通信容量に返却通信容量を加算する。なお、定期付与通信容量から返却を行う場合、移管先(返却元)の定期付与通信容量を移管元(返却先)の追加購入通信容量に移管するようにしてもよい。
また、返却処理が完了すると通信容量移管部13は、移管返却履歴データテーブルの「返却状況」欄の値を「済」で更新する。
【0056】
返却が不可と判定した場合(ステップS13;不可)、返却処理管理部21は、通知部17に通信容量の追加購入を促す通知を行うよう指示を行う。通知部17は、移管先のユーザが使用する端末宛てに、残容量が足りない為に通信容量の返却ができないこと及び通信容量の追加購入を促すメッセージを送信する(ステップS15)。通知部17がメッセージを送信すると、返却処理管理部21は、所定の期間(例えば、1日)にわたり所定の間隔で残容量管理部11に対して移管先の無線通信回線の残容量の問い合わせを行う。残容量管理部11が応答した残容量が返却通信容量以上となると(ステップS16;Yes)、返却処理管理部21は、通信容量移管部13に返却処理を指示し、通信容量移管部13は、返却処理を実行する。この場合、期限内に返却できなかったペナルティとして、移管先の無線通信回線から減算する通信容量を、返却通信容量よりも多くしてもよい。
【0057】
所定の期間経過しても、移管先の残容量が返却通信容量に満たないときは(ステップS16;No)、返却処理管理部21は、課金処理部14に課金処理の実行を指示する。課金処理部14は、移管先のユーザIDについて違約金を徴収する課金処理を行う(ステップS17)。違約金の徴収に際しては移管先(返却元)ユーザの同意を得る。また、返却処理管理部21は、移管返却履歴データテーブルの「返却状況」欄の値を「滞納」で更新する。このとき、さらに返却処理管理部21は、移管先の無線通信回線の残容量を0にするよう残容量管理部11に指示を行い、残容量管理部11が、図4で例示したデータテーブルの移管先の無線通信回線の残容量(定期付与分と追加購入分の両方、又は一方)を0で更新するようにしてもよい。
また、移管先の無線通信回線から通信容量の返却ができない場合、移管元の無線通信回線については、通信容量が一切返却されないままとしてもよいし、例えば50%だけ返却されるようにしてもよい。また、期限付き移管時に設定した利子率に応じて、返却通信容量を決定してもよい。
以上の処理により、返却期限が到来すると自動的に通信容量の移管処理が行われる。
【0058】
なお、返却処理の他にも、返却処理管理部21が、例えば毎日24時に移管返却履歴データテーブルを検索する際に、返却期限が近付いたレコードを抽出し通知部17を介して返却期限が近付いたことを通知するメール等を当該無線通信回線を使用するユーザに送信してもよい。さらに返却処理管理部21は、それら返却期限が近付いた移管先の無線通信回線について残容量管理部11を介してそれぞれの残容量を取得し、残容量が返却通信容量に満たない無線通信回線については、通信容量の追加購入を促すメッセージを送信してもよい。
【0059】
次に移管されたユーザが返却期限内に自主的に返却処理を行う場合について説明する。
図11は、本発明の一実施形態に係る期限付きで移管された通信容量の返却に用いる画面の一例を示す図である。
この画面は、通信容量の期限付きの移管を受けたユーザが、その通信容量の返却を行うときに返却指示を行う画面である。
符号31の領域には、他のユーザが契約する無線通信回線から移管を受けたユーザが契約する無線通信回線に対して行われた移管処理の履歴のうち返却が行われていない期限付きの移管処理の履歴が表示されている。この画面は、図9で例示した移管返却履歴データテーブルに基づいている。この例では、無線通信回線「090−1234−5678」から、3回移管処理が行われており、上の行から順に、その返却期限がそれぞれ「YY/MM/DD−1」、「YY/MM/DD−2」、「YY/MM/DD−3」であり、返却しなければならない通信容量が「530MB」、「1.1GB」、「550MB」であることを示している。なお、「返却通信容量」欄の下段の括弧内の数値は、実際に移管された通信容量(実移管通信容量)であり、利子分を含まない値である。1行目についてみると、返却通信容量は530MBで、移管通信容量は500MBである。これは、図6で例示した画面において入力欄45に入力した値が「500」(MB)で、期限付きの移管を行った日から入力欄47(利子率)に入力した利子率と移管されてからの期間とに基づいて返却通信容量決定部20が算出した利子分の通信容量が30MBであることを示している。利子率に基づく移管されてからの期間に応じた返却通信容量の計算には、例えば日割り計算を用いる。
また、所定の期間内に返却期限が到来する移管については、背景色を通常時とは異なる色で表示して移管先ユーザに返却期限が近付いていることを通知する。さらに、所定の期間内に返却期限を迎える移管のうち、現在、移管先の無線通信回線に返却通信容量分以上の残容量が残っていない場合は、赤字等で表示して移管先ユーザに残容量が足りないことを通知する。また、返却期限を過ぎた移管については、更に目立つように点滅表示や警告メッセージの表示を行う。
【0060】
この画面を見て、通信容量をレンタルしたユーザは、どの移管に対する返却期限が迫っていて、返却すべき通信容量がどれぐらいかを把握することができる。ユーザは、通信容量の返却を行う移管履歴情報の左端にチェック印を付け選択する。そして、ユーザが返却ボタン32を押下すると、移管要求受付部15が、チェック印が付された行の移管元無線通信回線、移管先無線通信回線、通信容量種類(定期付与通信容量か追加購入通信容量)、返却通信容量の情報を取得する。移管要求受付部15は、取得した移管先無線通信回線を移管元に指定し、取得した移管元無線通信回線を移管先に指定して、取得した通信容量種類を通信容量種類に指定し、取得した返却通信容量を移管する通信容量に指定して、返却処理管理部21に返却処理を指示する。返却処理管理部21は、返却の可否を判定し、返却可能な場合、通信容量移管部13が返却処理を行う。
【0061】
本実施形態により、第一無線通信回線における通信容量のうち当分使用する予定のない容量を、通信容量を必要とする第二無線通信回線に期限付きで移管することができ、ユーザの利便性が向上する。例えば、第二無線通信回線のユーザが、緊急に通信容量を必要とし、追加で通信容量を購入する余裕がないような場合でも通信容量を得てデータ通信を利用することができる。
また、第一無線通信回線のユーザにおいても、そのままであれば使用期限を迎えて無駄になっていたかもしれない通信容量を、第二無線通信回線にレンタルすることで、後に十分な使用期限を伴い利子分だけ増加した通信容量として得ることができる。また、通信サービス事業体にとっても、ユーザのデータ通信の利用の促進、返却分の通信容量の購入、期限付き移管にかかる手数料などによって収入の増加が見込める。
なお、図6で例示した画面において設定した利子率を、返却する通信容量に用いる例を説明したが、返却する通信容量は、レンタルした通信容量と同量とし、返却後の通信容量の使用期限を利子率の分だけ延長するようにしてもよい。この場合、残容量管理部11が、図5で例示した追加購入通信容量管理データに返却された通信容量のレコードを追加し、そのレコードの使用期限に、利子率の分だけ延長した使用期限を設定する。
また、上記の例では、定期付与通信容量と追加購入通信容量のどちらからでも期限付き移管が可能な場合を用いて説明を行ったが、期限付きの移管は、追加購入通信容量からのみ実行することができるようにしてもよい。
【0062】
[移管処理の制限]
次に期限付き移管の回数や移管した通信容量の実績に基づいて、期限付き移管処理を制限する機能について説明する。
【0063】
移管通信容量管理部16は、図8の移管返却履歴データテーブルに基づいて、移管された通信容量の合計と移管を行った回数とを無線通信回線ごとに管理する。
図12は、本発明の一実施形態に係る移管実績管理データテーブルの一例を示す図である。移管通信容量管理部16は、図9で例示した移管返却履歴データテーブルに書き出された移管処理の履歴から、各無線通信回線ごと、所定の期間ごと(例えば1ヶ月)に期限付きで移管した及び移管された回数、移管した及び移管された通信容量のそれぞれを集計した値、期限付きで移管された場合に返却期限内に通信容量の返却ができたかどうかをこの移管実績管理データテーブルに書き込んで記憶させる。なお、移管実績管理データテーブルは管理データ記憶部19が記憶しているものとする。
【0064】
移管通信容量管理部16は、ユーザが移管処理の要求を行うと、この移管実績管理データテーブルを管理データ記憶部19から読み込んで移管先に指定された無線通信回線について、所定期間内において通信容量が移管された回数、移管された通信容量の合計値の情報を取得する。そして、移管通信容量管理部16は、移管された回数または移管された通信容量合計値のうち少なくとも一方を、それぞれについての所定の閾値と比較し、回数または通信容量合計値がその閾値を上回っていれば、例えばその月内は、移管先に指定された無線通信回線が、通信容量の期限付き移管を受けられないように制御する。具体的には、移管要求受付部15が期限付き移管の要求を受け付けた場合に、移管通信容量管理部16が、判定部12へ移管不可の判定を行うよう指示情報を出力し、指示情報を取得した判定部12は、当該移管処理について移管不可の判定を行う。なお移管回数や移管された通信容量の閾値は、管理データ記憶部19が記憶しているものとする。
また、移管された回数や移管された通信容量合計値が所定の閾値を超えている場合、期限付き移管の制限を行うのではなく、移管通信容量管理部16が、課金処理部14に課金処理の実行を指示してもよい。
【0065】
また、期限付き移管回数等が閾値以上となる場合、移管通信容量管理部16は、移管先の無線通信回線を利用する端末のメールアドレスや電話番号などのメッセージ送信先情報をユーザ契約情報管理装置114から取得し、通知部17に通信容量の追加購入を促す通知を行うよう指示を行ってもよい。通知部17は、「当月内に通信容量の移管を受けられる回数(通信容量)の上限を超えました。通信容量が必要な場合は、通信容量の追加購入を行ってください。」など追加購入通信容量の購入を促すメッセージを、ユーザ契約情報管理装置114から取得したメッセージ送信先宛てに通知する。
【0066】
また、移管通信容量管理部16は、ユーザが移管処理の要求を行うと、この移管実績管理データテーブルから、移管先に指定された無線通信回線について所定の期間における(例えば最近3か月)の返却実績の情報を取得する。取得した値に「滞納」が含まれていれば、判定部12へ移管不可の判定を行うよう指示し、取得した値が全て「済」であれば、判定部12へ移管可能の判定を行うよう指示する。
【0067】
また、移管通信容量管理部16は、移管元の無線通信回線についても期限付き移管処理に制限を加える制御を行ってもよい。具体的には、ユーザが期限付き移管処理の要求を行うと、移管通信容量管理部16が、移管実績管理データテーブルを読み込んで移管元に指定された無線通信回線について、所定期間内において期限付き移管を行った回数や通信容量の合計値の情報を取得する。そして、移管通信容量管理部16は、期限付き移管を行った回数または移管した通信容量合計値のうち少なくとも一方を、それぞれについて定められた所定の閾値と比較し、回数または通信容量合計値がその閾値を上回っていれば、例えばその月内は、移管元に指定された無線通信回線から通信容量の移管を禁止する。具体的には、移管要求受付部15が移管の要求を受け付けた場合に、移管通信容量管理部16は、判定部12へ移管不可の判定を行うよう指示情報を出力し、指示情報を取得した判定部12は、当該移管処理について移管不可の判定を行う。
【0068】
これにより、無制限に期限付き移管が行われることを防ぎ、より多くの通信容量を必要とするユーザに対する通信容量の追加購入を促すことによって、ユーザの利便性を保ちつつ、通信サービス事業体は収入を確保することができる。
【0069】
[期限付き移管プランに基づく移管処理]
次に期限付き移管プランに基づく移管処理について説明する。この処理は、予め利子率や期限を移管先のユーザに提示しておいて、通信容量を移管される側のユーザは必要に応じて、条件に合った期限付き移管プランを選択して通信容量のレンタルを行うサービスである。
図13は、本発明の一実施形態に係る期限付き移管プランに基づく移管処理に用いる画面の一例を示す図である。
図13(a)は、移管元のユーザが期限付き移管プランの移管条件を入力する画面である。この画面は、例えば、ユーザ専用のポータルサイトに設けられる。入力欄51には、移管元となる無線通信回線を入力する。選択欄52には、定期付加通信容量と追加購入通信容量とのうちどちらから通信容量を移管するか、あるいは特に指定しないかを選択する項目である。入力欄53には、移管先の無線通信回線を入力する。入力欄54には、移管先の回線と契約しているユーザ名などを入力する。なお、移管先が同一請求グループに限定されている場合には、入力欄53、入力欄54には、それぞれ同一請求グループに属する無線通信回線の識別番号、ユーザ名をプルダウンで一覧表示し、その中から選択できるようにしてもよい。入力欄55には、返却期限を入力する。入力欄56には、利子率を入力する。入力欄57には、返却される通信容量に対して要求する使用期限を入力する。入力欄58には、移管できる最大の通信容量を入力する。移管元ユーザは例えば、利子率等の条件に応じて、この最大移管通信容量を設定する。例えば、大きな利子率を設定する場合は、入力欄58にも大きな通信容量を入力する。移管元のユーザが上記の項目を入力し、登録ボタン59を押下すると、移管要求受付部15は、この画面で入力された情報(期限付き移管プラン)を管理データ記憶部19に書き込んで記憶させる。
【0070】
図13(b)は、図13(a)において入力欄53(移管先回線)で指定された無線通信回線を契約している移管先ユーザが通信容量のレンタルを申し込むときに使用する画面の一例である。この画面は、例えば、移管先ユーザが使用する端末が備える専用のアプリケーションプログラムによって表示される。
符号61は、この移管先ユーザ向けに図13(a)の画面で登録された期限付き移管プランの一覧を表示する領域である。また、1行目に表示されている「期限付き移管プラン001」を押下すると、図13(a)で設定された内容が表示され、移管先ユーザは各プランのレンタル条件を確認することができる。移管先のユーザは、領域61の期限付き移管プランの中から、無理なく返却できそうで且つレンタルする通信容量をレンタルできるプランを選択する。移管先のユーザは、入力欄62に必要な通信容量を入力する。入力欄62に入力する通信容量は、領域61で選択した期限付き移管プランで設定された最大移管通信容量よりも小さな値でなければならない。なお、移管先ユーザが必要な通信容量を把握できるように、例えば「XX動画を1時間閲覧するのにXXMBが必要」などの目安を表示してもよい。移管先のユーザが上記の項目を入力し、申請ボタン63を押下すると、移管先ユーザの端末がこれらの情報を通信容量管理装置1へ送信し、通信容量管理装置1では、移管要求受付部15がその情報を取得する。移管要求受付部15は、通知部17を介して、移管先ユーザの選択した移管プランとレンタルする通信容量とこの申請を承諾するかどうかの確認を要求するメッセージを、移管元ユーザが使用する端末に送信する。次に、移管元ユーザが、例えば、移管申請を承認する操作を行うためのWebページで承諾ボタンを押下するなどの操作を行うと、移管要求受付部15が、承諾があったことを示す情報を取得し、通信容量移管部13に期限付き移管処理の実行を指示する。以降の処理は、図8で説明したのと同様に実行される。
【0071】
なお、移管元の無線通信回線に十分な残容量がなく移管プランで設定した通信容量を移管することができない場合、通知部17は移管元のユーザに対して通信容量の追加購入を促す通知を行う。この場合、移管元のユーザが、通信容量の追加購入を行って移管プランで設定された通信容量を移管することができるようになると、期限付き移管処理が行われる。
【0072】
これにより、移管元ユーザは期限付き移管処理の設定の手間を省くことができ、また、移管先ユーザは、複数の期限付き移管プランの中から、その時々の状況に応じた適切な条件のプランを選択して通信容量のレンタルを行うことができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0074】
また、上述した通信容量管理装置1の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0075】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の無線通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の無線通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0076】
1…通信容量管理装置、11…残容量管理部、12…判定部、13…通信容量移管部、14…課金処理部、15…移管要求受付部、16…移管通信容量管理部、17…通知部、18…通信部、19…管理データ記憶部、20…返却通信容量決定部、21…返却処理管理部、23…CPU部、24…記憶部、25…通信容量管理プログラム、102…端末、104…基地局、106…無線通信回線、108…ゲートウェイ、112…通信制御装置、114…ユーザ契約情報管理装置、116…決済装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13