(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記セラミックス原料の主成分が、β型リン酸三カルシウム(β−TCP)、α型リン酸三カルシウム(α−TCP)、ハイドロキシアパタイト(HAP)、カルシウム欠損型ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、リン酸四カルシウム、リン八酸カルシウム(OCP)、リン酸水素カルシウム無水和物、リン酸水素カルシウム二水和物、TTCP、二リン酸カルシウム、メタリン酸カルシウム、および炭酸基置換型ハイドロキシアパタイト(CHA)のうちのいずれかである請求項2に記載の医療用セラミックス中空粒子の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、バインダの乾燥によって気孔を形成している。この方法では、気孔の寸法を制御することが困難であるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、気孔の寸法を容易に制御することができる医療用セラミックス中空粒子の製造方法および医療用セラミックス多孔質体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明の一態様は、コア粒子の表面を、セラミックス原料と前記コア粒子よりも小さな粒径を有する微粒子との混合物で被覆する被覆ステップと、前記混合物で被覆されたコア粒子を加熱して該コア粒子および前記微粒子を蒸散し、前記混合物からなる中空球状の粒子を得る蒸散ステップと、前記中空球状の粒子を焼成する粒子焼成ステップとを含
み、さらに、前記被覆ステップの前に、前記セラミックス原料を、前記粒子焼成ステップにおける焼成温度よりも低い温度で加熱する仮焼ステップを含むセラミックス中空粒子の製造方法である。
【0006】
本態様によれば、被覆ステップによってセラミックス原料と微粒子との混合物で被覆されたコア粒子を、蒸散ステップによって蒸散させることによって、セラミックス原料からなる中空球状の粒子が得られる。この中空球状の粒子を粒子焼成ステップによって焼成することによって、医療用セラミックス中空粒子が製造される。
【0007】
医療用セラミックス中空粒子の内側には、コア粒子の蒸散によって球形の空洞が形成される。また、医療用セラミックス中空粒子を構成するセラミックスの層には、微粒子の蒸散によって生じた球形の微小空洞が連なることによって、セラミックスの層の内側と外側とを連通する連通孔が形成される。したがって、医療用セラミックス中空粒子の空洞に保持させた薬剤を、連通孔を介して徐放することができる。
【0008】
この場合に、コア粒子の粒径によって、空洞径を容易に制御することができる。また、微粒子の粒径によって、連通孔の孔径を容易に制御することができる。さらに、被覆ステップにおいてコア粒子上に形成するセラミックス原料の層の厚さによって、セラミックスの層の厚さを容易に制御することができる。
【0009】
上記態様においては、前記セラミックス原料の主成分が、リン酸カルシウム化合物
または炭酸カルシウムであってもよい。
このようにすることで、人工骨の材料として好適な医療用セラミックス中空粒子を製造することができる。前記セラミックス原料の主成分のリン酸カルシウム化合物は、β型リン酸三カルシウム(β−TCP)、α型リン酸三カルシウム(α−TCP)、ハイドロキシアパタイト(HAP)、フルオロアパタイト、リン酸四カルシウム、リン八酸カルシウム(OCP)
、リン酸水素カルシウム無水和物、リン酸水素カルシウム二水和物、TTCP、二リン酸カルシウム、メタリン酸カルシウム、および炭酸基置換型ハイドロキシアパタイト(CHA)のうちのいずれかであることが好ましい。
【0010】
また、上記態様においては、前記被覆ステップにおいて、10μm以上の厚さを有する前記混合物の層を形成してもよい。
このようにすることで、約10μm以上の厚さを有するセラミックスの層が形成される。これにより、加工に耐える強度を有する医療用セラミックス中空粒子を製造することができる。さらに、薬剤の徐放速度は、セラミックスの層の厚さに依存する。セラミックスの層の厚さを約10μm以上とすることによって、薬剤の徐放速度を抑制することができる。
【0011】
また、上記態様においては、前記セラミックス原料と前記微粒子との混合比が、1:10〜10:1であってもよい。
このようにすることで、医療用セラミックス中空粒子の強度と連通性とを両立することができる。
【0012】
また、上記態様においては、前記被覆ステップの前に、前記セラミックス原料を、前記粒子焼成ステップにおける焼成温度よりも低い温度で加熱する仮焼ステップを含
む。
このようにすることで、粒子焼成ステップにおけるセラミックス原料の収縮を抑制し、空洞径および連通孔の孔径をさらに正確に制御することができる。
【0013】
本発明の他の態様は、上記いずれかに記載のセラミックス中空粒子の製造方法によって製造されたセラミックス中空粒子とセラミックス原料とを混合して混合物を得る混合ステップと、該混合ステップによって得られた混合物を成形して成形体を得る成形ステップと、前記成形体を焼成する成形体焼成ステップとを含む医療用セラミックス多孔質体の製造方法である。
【0014】
本態様によれば、医療用セラミックス中空粒子とセラミックス原料との混合物を成形し、得られた成形体を焼成することによって、医療用セラミックス中空粒子を含む医療用セラミックス多孔質体を製造することができる。
この場合に、空洞径および連通孔の孔径が制御された医療用セラミックス中空粒子を使用することによって、医療用セラミックス多孔質体における薬剤の徐放速度を制御することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、気孔の寸法を容易に制御することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の一実施形態に係る医療用セラミックス中空粒子の製造方法について
図1および
図2を参照して説明する。
本実施形態に係る医療用セラミックス中空粒子の製造方法は、
図1に示されるように、コア粒子をセラミックス原料と微粒子との混合物で被覆する被覆ステップSA1と、加熱によってコア粒子および微粒子を蒸散させてセラミックス原料からなる中空球状の粒子を得る蒸散ステップSA2と、中空球状の粒子を焼成して医療用セラミックス中空粒子を得る粒子焼成ステップSA3とを含む。
【0018】
コア粒子は、粒子焼成ステップSA3における焼成温度よりも低い温度で燃焼する有機材料からなる。コア粒子として、例えば、ポリスチレン製のビーズが好適である。その他、コア粒子として、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリアセタールなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニルなどのビニルポリマ、ナイロンなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリサルフォン・ポリエーテルサルフォン・ポリエーテルエーテルケトン・熱可塑性ポリイミド・ポリアミドイミドなどのエンジニアリングプラスチック、イソプレンゴム・ブタジエンゴム・スチレン-ブタジエンゴム・クロロプレンゴム・ニトリルゴム・ポリイソブチレン・エチレンプロピレンゴム・アクリルゴムなどの合成ゴム、ラテックスなどの天然ゴム、セルロース、でんぷん、ゼラチン、キトサンなどの天然高分子、アクリル樹脂(PMMA)、ポリウレタン、ABS樹脂、ポリカーボネート、シリコーン樹脂など、被覆するセラミックス原料の焼結温度よりも低い温度で蒸散するものであれば、いずれも用いることができる。
【0019】
コア粒子の粒径(外径)は、医療用セラミックス中空粒子の用途に応じて適宜選択される。後述するように、医療用セラミックス中空粒子を人工骨の材料として使用する場合には、コア粒子の粒径は、骨芽細胞の医療用セラミックス中空粒子内への浸入を促進することができるように、10μm以上1000μm以下であることが好ましく、100μm以上400μm以下であることがさらに好ましい。
【0020】
セラミックス原料は、リン酸カルシウム化合物
または炭酸カルシウムを主成分として含む。リン酸カルシウム化合物は、β型リン酸三カルシウム(β−TCP)、α型リン酸三カルシウム(α−TCP)、ハイドロキシアパタイト(HAP)、カルシウム欠損型ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム(OCP)
、リン酸水素カルシウム無水和物、リン酸水素カルシウム二水和物、TTCP、二リン酸カルシウム、メタリン酸カルシウム、および炭酸基置換型ハイドロキシアパタイト(CHA)のうちのいずれかであることが好ましい。
【0021】
微粒子は、コア粒子よりも小さな粒径(例えば、数十μm)を有する。微粒子も、コア粒子と同様に、粒子焼成ステップSA3における焼成温度よりも低い温度で燃焼する有機材料からなる。微粒子として、例えば、ポリメチルメタクリレート製のビーズが好適である。微粒子として、ナイロン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、アクリル樹脂、セルロースなどの有機高分子やカーボン製のビーズを用いてもよい。
【0022】
被覆ステップSA1において、
図2(a),(b)に示されるように、コア粒子2に混合物を吹き付けて、コア粒子2の外表面上に該外表面全体を被覆する混合物層3を形成する。混合物の吹き付けは、例えば、転動流動コーティング装置を使用し、気流によって粉末状のコア粒子2を空中で撹拌しながら混合物を含むスラリーをコア粒子2に向かって噴霧することによって行われる。スラリーは、結合剤(バインダ)を含んでいてもよい。転動流動コーティング装置を使用することによって、コア粒子2同士の凝集を防止しながら個々のコア粒子2を均一に混合物で被覆することができる。
【0023】
混合物層3の厚さは、コア粒子2への混合物の吹き付け量に応じて決まり、10μm以上であることが好ましい。混合物層3の厚さを10μm以上とすることによって、医療用セラミックス多孔質体の製造工程での加工に耐える高い強度を医療用セラミックス中空粒子に付与することができる。さらに、混合物層3の厚さを10μm以上とすることによって、欠損の無い医療用セラミックス中空粒子1を製造することができる。混合物層3の厚さが10μm未満である場合には、医療用セラミックス中空粒子1の一部に欠損が生じやすい。
【0024】
混合物内のセラミックス原料と微粒子との混合比(セラミックス原料の重量:微粒子の重量)は、1:10〜10:1であることが好ましい。
このようにすることで、医療用セラミックス中空粒子の強度と連通孔5の形成とを両立することができる。セラミックス原料の重量が微粒子の重量の1割未満である場合、医療用セラミックス中空粒子の強度が低下する。一方、微粒子の重量がセラミックス原料の重量の1割未満である場合、連通孔5が形成され難くなる。
被覆ステップSA1においては、他の方法を使用してセラミックスを被覆してもよい。例えば、流動式混合型複合装置や表面改質装置により、粒子の表面に他の粒子を取り込みながらセラミックスを被覆してもよい。
【0025】
次に、蒸散ステップSA2において、混合物層3が形成されたコア粒子2を、粒子焼成ステップSA3における焼成温度よりも低く、かつ、コア粒子2および微粒子4を構成する有機材料が燃焼する温度まで加熱する。これにより、
図2(c)に示されるように、コア粒子2が蒸散によって除去され、混合物層3の内側に空洞(気孔)が形成される。この空洞の直径は、コア粒子2の粒径と等しくなる。さらに、混合物層3において微粒子4が蒸散によって除去され、混合物層3内に微小空洞(気孔)が形成される。この微小空洞の孔径は、微粒子4の粒径と等しくなる。
【0026】
次に、粒子焼成ステップSA3において、中空球状の混合物層3をセラミックス原料の焼成温度まで加熱して混合物層3を焼成する。これにより、
図2(d)に示されるように、セラミックスからなる中空球状の医療用セラミックス中空粒子1が製造される。医療用セラミックス中空粒子1を構成するセラミックスの層には、微粒子4の粒径と略等しい直径を有する球形の微小空洞が連なって構成された連通孔5が形成される。このとき、最高焼成温度は500℃〜1500℃であることが望ましいが、中空粒子の保形性、組成の安定性のためには800℃〜1300℃であることがより好適である。なお、中空化のための蒸散ステップSA2と連通孔5の形成のための粒子焼成ステップSA3は、単一のステップで同時に行ってもよい。
【0027】
医療用セラミックス中空粒子1の空洞内に薬剤を保持させると、薬剤は連通孔5を介して医療用セラミックス中空粒子1の内側から外側へ徐放される。このときの薬剤の徐放速度は、セラミックスの層の厚さおよび連通孔5の孔径に依存する。
【0028】
本実施形態によれば、セラミックスの層の厚さは、被覆ステップSA1においてコア粒子2に吹き付ける混合物の量に応じて決まる。したがって、混合物の吹き付け量を調整することによって、セラミックスの層の厚さを正確にかつ容易に制御することができる。さらに、連通孔5の孔径は微粒子4の粒径に応じて決まる。したがって、使用する微粒子4の粒径によって、連通孔5の孔径を正確にかつ容易に制御することができる。これにより、薬剤の所望の徐放速度を発揮する医療用セラミックス中空粒子1を容易に製造することができるという利点がある。
【0029】
さらに、医療用セラミックス中空粒子1の空洞径は、コア粒子2の粒径と略等しくなる。したがって、使用するコア粒子2の粒径によって、医療用セラミックス中空粒子1に形成される空洞径を容易に制御することができ、任意の空洞径を有する医療用セラミックス中空粒子1を製造することができるという利点がある。さらに、医療用セラミックス中空粒子1が保持可能な薬剤の量は空洞径に応じて決まる。したがって、医療用セラミックス中空粒子1が保持する薬剤の量を制御することができるという利点がある。
【0030】
本実施形態においては、被覆ステップSA1の前に、セラミックス原料を、粒子焼成ステップSA3における焼成(本焼)の温度よりも低い温度で焼成(仮焼)する仮焼ステップをさらに含むことが好ましい。
混合物層3に含まれるセラミックス原料には焼成の過程で縮みが生じる。仮焼されたセラミックス原料を使用することによって、本焼における混合物層3の縮みが低減される。これにより、医療用セラミックス中空粒子1の空洞径、連通孔径、厚さおよび粒径をさらに正確に制御することができる。
【0031】
次に、医療用セラミックス中空粒子1を使用した本実施形態に係る医療用セラミックス多孔質体の製造方法について
図3を参照して説明する。
本実施形態に係る医療用セラミックス多孔質体の製造方法は、
図3に示されるように、ステップSA1〜SA3によって製造された医療用セラミックス中空粒子1を主原料と混合して混合物を得る混合ステップSB1と、混合ステップSB1によって得られた混合物を加圧成形して成形体を得る成形ステップSB2と、成形体を焼成する成形体焼成ステップSB3とを含む。
【0032】
主原料は、セラミックス原料を含む粉末である。主原料中のセラミックス原料は、医療用セラミックス中空粒子1のセラミックス原料と同一の種類であってもよく、異なる種類であってもよい。主原料のセラミックス原料として、医療用セラミックス中空粒子1のセラミックス原料よりも高い強度を有する材料を使用した場合には、医療用セラミックス多孔質体の強度を向上することができる。
【0033】
混合ステップSB1において、医療用セラミックス中空粒子1と主原料とを混合する。
次に、成形ステップSB2において、混合物を鋳型内に充填し、一軸加圧成形する。この後に、得られた成形体を冷間静水圧プレス(CIP)によってさらに加圧してもよい。
次に、成形体焼成ステップSB3において成形体を焼成することにより、医療用セラミックス多孔質体が製造される。
【0034】
セラミックス多孔質体には、医療用セラミックス中空粒子1が分散して含まれている。したがって、医療用セラミックス多孔質体には、医療用セラミックス中空粒子1の空洞からなる気孔が形成される。このような医療用セラミックス多孔質体を体内に移植すると、気孔内に骨芽細胞が浸入し、医療用セラミックス多孔質体を足場として骨形成を行う。これにより、骨を再生することができる。
【0035】
この場合に、空洞径、連通孔径、粒径および厚さが正確に制御された医療用セラミックス中空粒子1を使用することによって、医療用セラミックス多孔質体の気孔径、気孔率、強度および人工骨としての機能を正確に制御することができるという利点がある。
また、医療用セラミックス中空粒子1を構成するβ−TCPまたはHAPは、破骨細胞および骨芽細胞の働きによって骨置換される特性を有するが、力学的強度は小さい。そこで、主原料として、β−TCPまたはHAPよりも高い強度を有する材料を使用することによって、高い強度および高い骨形成能を有する医療用セラミックス多孔質体を製造することができる。
【実施例】
【0036】
次に、医療用セラミックス中空粒子の製造方法の実施例について説明する。
図4は、本実施例において使用したシステムを示している。本システムは、
図4に示されるように、HAPのスラリー10を収容する容器20と、該容器20の重量を測定する重量計30と、転動流動コーティング装置(株式会社パウレック製、MP−01)40と、容器20から転動流動コーティング装置40にスラリー10を送るポンプ50とを備えている。重量計30は、転動流動コーティング装置40へのスラリー10の供給量を測定するためのものである。
【0037】
微粒子として、粒径20μmのポリメチルメタクリレート(PMMA)ビーズを使用した。
図5は、PMMAビーズの走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示している。
コア粒子として、粒径100μm〜400μmのポリスチレン(PS)ビーズを使用した。
図6は、PSビーズのSEM写真を示している。
【0038】
スラリーは、HAP粉末とPSビーズとを重量比で1:1で混合した混合物を、精製水およびHPC−L(8%水溶液)と混合して調製した。HPC−L(ヒドロキシプロピルセルロース)は、バインダである。HAPは、880℃で予め仮焼したものを使用した。
【0039】
(被覆ステップ)
PSビーズを転動流動コーティング装置内に投入した。次に、スラリーを転動流動コーティング装置内に供給し、80℃でPSビーズにスラリーを吹き付けた。
図7は、混合物で被覆されたPSビーズの走査型顕微鏡(SEM)写真を示している。
【0040】
(蒸散ステップ・粒子焼成ステップ)
次に、混合物によって被覆されたPSビーズを高温で加熱することによって、PSビーズおよびPMMAビーズの蒸散、ならびに、HAP層の焼成を行った。具体的には、
図8に示されるように、室温から250℃、300℃、450℃と温度を上昇させながら合計42時間加熱することによってPSビーズおよびPMMAビーズを蒸散させ、中空球状のHAP層を生成した。次に、生成されたHAP層を室温まで冷却し、その後、室温から1150℃まで昇温し、HAP層を1150℃で1時間焼成した。これにより、HAP中空粒子を得た。
【0041】
図9は、得られたHAP中空粒子のSEM写真を示している。
図9に示されるように、HAP中空粒子の表面に多数の微小孔が確認された。
図10は、
図9のHAP中空粒子を破壊して撮影したHAP中空粒子の断面を示している。
図10から分かるように、HAP中空粒子におけるHAP層には、PMMAビーズの粒径と略等しい孔径を有する微小空洞が連なって形成された連通孔が確認された。