特許第6642919号(P6642919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6642919流体経路及び通気経路を提供する無針コネクタ及び無針コネクタ・セット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6642919
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】流体経路及び通気経路を提供する無針コネクタ及び無針コネクタ・セット
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20200130BHJP
   A61M 39/26 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   A61M39/10 120
   A61M39/26
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-74009(P2018-74009)
(22)【出願日】2018年4月6日
(62)【分割の表示】特願2016-500366(P2016-500366)の分割
【原出願日】2014年2月24日
(65)【公開番号】特開2018-103037(P2018-103037A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2018年4月6日
(31)【優先権主張番号】13/797,688
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マンスール、ジョージ ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】パニアン、タイラー デヴィン
【審査官】 菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−512726(JP,A)
【文献】 特表2016−510656(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0172006(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0192164(US,A1)
【文献】 特表2012−522577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/26
A61M 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無針コネクタであって、
流体経路、通気経路、及び雄型フィッティングを有する本体であって、前記通気経路は、前記本体内の空所から、遠位ポートを備えた前記雄型フィッティングの外を通り過ぎて配置される本体と、
フィンガを含む弁であって、前記弁は、前記雄型フィッティング内に配置され、且つ前記流体経路が閉塞される第1の構成、及び前記流体経路が開放される第2の構成の間で動くように構成されており、前記フィンガ(124)の所定の方向への変位が、前記弁全体を同じ方向に移動させる、弁と、
前記弁の周囲に固定的に配置されたシール先端であって、前記シール先端は、前記弁と前記雄型フィッティングの間に摺動シール形成するシールを有し、前記シールは、前記雄型フィッティングの内部表面に沿って摺動するように、また前記第1の構成及び前記第2の構成において前記流体経路を前記通気経路から分離するように構成されており、前記シールは、前記弁が前記第1の構成から前記第2の構成に動くときに前記シールが前記雄型フィッティングの前記内部表面に沿って摺動する間、前記流体経路と前記通気経路との分離を維持し、また前記シール先端は、前記第1の構成において前記遠位ポートと密閉的に接触して前記流体経路を閉塞させる、シール先端
を有する、無針コネクタ。
【請求項2】
前記雄型フィッティングの一部分上に配置された摺動第2シールであって、前記第1の構成において前記通気経路を閉塞するため前記雄型フィッティングとシール接触するように、且つ前記第2の構成において前記通気経路を開くため前記雄型フィッティングとシール接触しないように構成された摺動第2シールをさらに有する、請求項1に記載の無針コネクタ。
【請求項3】
前記フィンガが、前記摺動第2シールの一部分内であって前記雄型フィッティングの一部分の外部に配置される、請求項に記載の無針コネクタ。
【請求項4】
前記摺動第2シールが、前記フィンガに近接した肩を有する、請求項に記載の無針コネクタ。
【請求項5】
前記肩を移動させることにより、前記摺動第2シールが、前記第1の構成における前記雄型フィッティングとのシール接触から、前記第2の構成における前記雄型フィッティングとのシール接触無しへと動かされ、且つ前記肩が、前記フィンガと接触して前記弁を前記第1の構成から前記第2の構成へと動かす、請求項に記載の無針コネクタ。
【請求項6】
前記摺動第2シールが、前記本体に固定的にシールされた部分を有する、請求項に記載の無針コネクタ。
【請求項7】
請求項1に記載の無針コネクタを有する無針コネクタ・セットであって、前記無針コネクタは雄型コネクタ及び雌型コネクタを有し、
前記雌型コネクタは、
本体と、
前記本体内に配置される折り畳み式弁であって、前記が前記第1の構成から前記第2の構成に動くときに移動されるように構成された折り畳み式弁と
を有し、
前記雄型コネクタは、嵌合されていないとき前記第1の構成であり、また嵌合されたとき前記第2の構成である、無針コネクタ・セット。
【請求項8】
前記雄型コネクタが、前記雄型フィッティングの一部分上に配置された摺動第2シールであって、前記第1の構成において前記通気経路を閉塞するために前記雄型フィッティングとシール接触するように、且つ前記第2の構成において前記通気経路を開くため前記雄型フィッティングとシール接触しないように構成された摺動第2シールを有する、請求項に記載の無針コネクタ・セット。
【請求項9】
前記フィンガが、前記摺動第2シールの一部分内であって前記雄型フィッティングの一部分の外部に配置され、
前記摺動第2シールが、前記フィンガに近接した肩を有し、
前記肩を移動させることにより、前記摺動第2シールが、前記第1の構成における前記雄型フィッティングとのシール接触から、前記第2の構成における前記雄型フィッティングとのシール接触無しへと動かされ、且つ前記肩が、前記フィンガと接触して前記弁を前記第1の構成から前記第2の構成へと動かす、請求項に記載の無針コネクタ・セット。
【請求項10】
前記雌コネクタの前記本体が、前記肩を移動させるように構成されている、請求項に記載の無針コネクタ・セット。
【請求項11】
前記摺動第2シールが、前記第1の構成において閉塞される前記通気経路をシールし、また前記第2の構成において前記通気経路をシールしない、請求項に記載の無針コネクタ・セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に無針コネクタ(ニードルレス・コネクタ)に関し、より詳細には、自己シール式雄型無針コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
医療は、静脈(intravenous、IV)内カテーテルを使用して、例えば生理食塩水又は液剤といった医療用流体を患者に注入することを含むことが多く、静脈内カテーテルは、一般に「IVセット」と呼ばれる柔軟なチューブ及びフィッティング(結合具)の構成を通じて、例えばIVバッグといった流体供給源に接続される。無針フィッティングは一般に、雄型及び雌型の無針コネクタを含み、これらコネクタは国際標準化機構(ISO)標準に従う「ルアーテーパ」を有し、ルアーフィッティングの嵌合により液密の接続が形成される。
【0003】
ある種のコネクタは、コネクタが相手側コネクタから分離されるときに、取付けられたチューブからの流体の漏れを防ぐための自己シール機能を有する。典型的な自己シール式無針コネクタは流体経路しか提供せず、したがって流体経路に対してのみ自己シール機能を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8,182,452号明細書
【発明の概要】
【0005】
本明細書において開示される無針雄型コネクタは、流体経路及び通気経路の両方を提供し、これらの経路はそれぞれが自己シール機能を有し、開示された雄型コネクタが適合する雌型コネクタに接続することにより流体経路及び通気経路の両方が開かれ、雄型コネクタが適合する雌型コネクタから分離することにより両方の経路が閉じられる。
【0006】
いくつかの実施例では、雄型無針コネクタが開示され、これは、遠位ポートを備えた雄型フィッティングを有する本体と、本体内に配置され、ポートをシールする第1の位置及びポートをシールしない第2の位置を有する弁と、雄型フィッティングの一部分上に配置される摺動シールであって、その第1の部分が雄型フィッティングとシール接触する第1の構成、及び第1の部分が雄型フィッティングとシール接触しない第2の構成を有する摺動シールとを含む。摺動シールを第2の構成に移動させることにより、摺動シールと雄型フィッティングとの間のシールが開かれ、また弁が第2の位置に移動されて、弁とポートとの間のシールが開かれる。
【0007】
いくつかの実施例では、雄型コネクタを有する無針コネクタ・セットが開示され、雄型コネクタは、遠位ポートを備えた雄型フィッティングを有する本体と、本体内に配置され、ポートをシールする第1の位置及びポートをシールしない第2の位置を有する弁と、雄型フィッティングの一部分上に配置される摺動シールであって、その第1の部分が雄型フィッティングとシール接触する第1の構成、及び第1の部分が雄型フィッティングとシール接触しない第2の構成を有する摺動シールとを含む。摺動シールを第2の構成に移動させることにより、摺動シールと雄型フィッティングとの間のシールが開かれ、また弁が第2の位置に移動されて、弁とポートとの間のシールが開かれる。このセットはまた、遠位表面を有する本体と、第1の直径を有する遠位表面上の開口部と、開口部から延在する第1の内部通路と、第1の内部通路の近位端部から延在する空所とを含む雌型コネクタを有する。空所は、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する。雌型コネクタはまた、本体内に配置され、第1及び第2の位置を有する折り畳み式弁を含む。折り畳み式弁は、第1の直径よりも大きく第2の直径よりも小さい直径を持つ遠位端部と、第2の内部通路と、遠位端部から第2の内部通路に通じるスリットとを有する。折り畳み式弁が第1の位置にあるとき、折り畳み式弁の遠位端部は本体の遠位表面とおおよそ同一平面になり、スリットは閉じられる。折り畳み式弁が第2の位置にあるとき、折り畳み式弁の遠位端部は空所内に配置され、スリットは開かれる。雄型コネクタ及び雌型コネクタは、嵌合されていないときにはそれぞれの第1の位置に配置され、嵌合されたときにはそれぞれの第2の位置に配置される。
【0008】
添付図面は、さらなる理解を提供するために含まれるものであり、本明細書に組み込まれその一部を構成するものであるが、これらの図面は、開示された実施例を例示し、説明と共に、開示された実施例の原理を説明する機能を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】従来の無針雄型コネクタの断面図である。
図1B】従来の無針雄型コネクタの断面図である。
図1C】従来の無針雄型コネクタの断面図である。
図2A】本開示のいくつかの観点による、例示的な雄型無針コネクタ断面図である。
図2B図2Aの雄型無針コネクタと適合する雌型コネクタの断面図である。
図3】本開示のいくつかの観点による、係合した構成における図2A及び2Bの雄型コネクタ及び雌型コネクタを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において開示される無針雄型コネクタは、流体経路及び通気経路の両方を提供し、これらの経路はそれぞれが自己シール機能を有し、開示された雄型コネクタが、適合する雌型コネクタに接続することにより、流体経路及び通気経路の両方が開かれ、雄型コネクタが、適合する雌型コネクタから分離することにより、両方の経路が閉じられる。
【0011】
以下の詳細な説明では、本開示の十分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が提示される。しかし、本開示の実施例は具体的な詳細のうちの一部を含まずに実施されうることが、当業者には明らかになるであろう。他の例では、本開示を不明瞭にしないように、よく知られた構造及び技法は、詳細には示されていない。参照される図面では、同様に番号付けされた要素は、同一であるか又は本質的に類似したものである。添え字のない同じ番号により総称的に言及されているときに、共通の要素の別々の例を示すために、参照番号に添え字が付される場合がある。
【0012】
図1A〜1Cは、米国特許第8,182,452号で開示されているような従来の無針雄型コネクタ4の断面図である。図1Aは、嵌合する前の雄型コネクタ4と適合する雌型コネクタ2とを示す。コネクタ4は、先端にポート7を持つ雄型フィッティング5を有する。内部弁6が、フィッティング5に対して摺動し、雄型コネクタ4が雌型コネクタ2と嵌合されていないときに弁6の先端がポート7をシールするように、近位方向に付勢される。
【0013】
図1B及び1Cは、嵌合したコネクタ2及び4を貫く垂直平面での断面図である。この構成では、雌型コネクタ2の面3は、弁6に接続されたポスト8と接触して、ポスト8を、したがって弁6を、遠位方向に移動させている。この運動は、弁6の先端をポート7から移動させ、それにより、流体が流路9に沿って嵌合したコネクタ2及び4を流れることを可能にする。
【0014】
コネクタ2及び4を通る気体流路が存在せず、雄型コネクタ4の任意の気体充填部分の周囲大気への閉塞可能な通気経路も存在しないことが、図1A〜1Cから分かる。従来の流体無針コネクタは、例えば医療用静脈注射(IV)セットの流体ラインといった流体ラインを接続するように一般に意図されているので、上記のことは従来の流体無針コネクタに典型的なことである。
【0015】
図2A〜2Bは、本開示のいくつかの観点による、例示的な雄型無針コネクタ100及び適合する雌型コネクタ20の断面図である。図2Aに示される雄型無針コネクタ100は、その近位端部にポート114を持つ雄型ルアーフィッティング112を含む本体110を有する。いくつかの実施例では、雄型フィッティング112は、ルアーテーパを有さない。弁120が、本体110内に、部分的には雄型フィッティング112内に、摺動可能に配置される。シール先端140が、弁120の近位先端124上に配置される。弁120は、シール先端140が雄型フィッティング112のポート114に密閉的に(sealingly)接触するように、弁120より遠位の空所104内に配置されたアコーディオン蛇腹130の動作により、近位方向に付勢される。この構成では、シール先端140の外部表面142は、ポート114を囲む雄型フィッティング112の外部表面とおおよそ同一平面になる。シール先端140は、弁120と雄型フィッティング112との間に摺動シールを形成する第2のシール144を含む。
【0016】
通路122が、弁120及びシール先端140を貫通し、この実例では、蛇腹130の開放内部空所102から雄型フィッティング112の内部に開いている横方向流体通路122Aに通じる、長手方向流体通路122Bを含む。内部空所102は、取り付けられた流体ライン又はフィッティング(図2Aには示されていない)の流体通路に接続する。
【0017】
弁120は、弁120の近位端部に向かって延在する複数のフィンガ124を有する。この実例では、4つのフィンガ124が存在するが、他の実施例では、4つよりも少ない又は多いフィンガ124が存在しうる。
【0018】
摺動シール150が、その先端152を雄型フィッティング112にある凹部113とシール接触するように、雄型フィッティング112の一部分及びフィンガ124上に配置される。この実例では、摺動シール150の遠位端部が、本体110を形成する2つの構成要素間に捕捉されている。摺動シール150はまた、フィンガ124の近位先端より近位に配置された肩154を有する。いくつかの実施例では、摺動シールは弾性材料を含む。いくつかの実施例では、摺動シールは可撓性材料を含む。
【0019】
図2Bは、適合する雌型フィッティング20のいくつかの構成を示し、雌型フィッティング20は、この実例では、図2Aの例示的な雄型ルアーフィッティングに適合する雌型ルアーフィッティングである。幾つかの実施例では、コネクタ20は、ルアーテーパを有さない。コネクタ20は、遠位表面32と開口部34とを持つ本体30を有する。折り畳み式弁40が、本体30内に配置され、遠位端部42を有し、遠位端部42は、この構成では、遠位面46が本体30の遠位表面32とおおよそ同一平面になるように、開口部34内に配置される。先端42はスリット44を備え、スリット44は、先端42が図2Bに示されるように位置決めされたときには強制的に閉じられ、先端42が本体30の広い空所24内に移動されるように折り畳み式弁40が近位方向に移動されたときには、自動的に開く。スリット44は、遠位面46から、取り付けられた流体ライン又はフィッティング(図2Bには示されていない)の流体通路に接続する内部通路22内に通じる。
【0020】
図3は、本開示のいくつかの態様による、係合した構成での図2A〜2Bの雄型及び雌型のコネクタ100、20を示す断面図である。雌型コネクタ20の本体30は、コネクタ100、20が係合した構成に保持されるように、雄型フィッティング112の本体110に螺入されている。本体30が本体110に螺入されたので、本体30の遠位表面32が摺動シール150の肩154に当接しており、本体30が本体110内に進められたので、肩154及び隣接するフィンガ124が遠位方向に移動されている。摺動シール150の遠位端部が本体110に捕捉されているので、肩154が移動することにより、摺動シール150が図3に実例として示されるように全体的につぶされる。肩154の移動はまた、摺動シール150の先端152を凹部113から離れる方向に引っ張り、それにより、「160」と標識された破線により図3に示された通気経路160が、摺動シール150と雄型フィッティング114との間の空所104から内部空所24内まで開かれる。
【0021】
フィンガ124が遠位に移動することにより、弁120全体が遠位方向に移動され、それにより、雄型フィッティング112内の第2のシール144、及びシール先端140が、ポート114から遠位に移動される。それと同時に、スリット44が自動的に開くように、雄型フィッティング112が折り畳み式弁40を移動させる。第2のシール144が弁120と雄型フィッティング112との間のシールを維持するので、ここで、「170」と標識された実線で示されるように、流体経路170が、内部空所102から、嵌合したコネクタ100、20を通って内部通路22まで設けられる。流体経路170及び通気経路160は、雄型フィッティング112と折り畳み式弁40との間のシール、シール先端140の第2のシール144と雄型フィッティング112との間のシール、及びアコーディオン蛇腹130と弁120との間のシールによって分離されることが分かる。いくつかの実施例では、通気経路160は、流体経路170より先に開くことができる。他の実施例では、流体経路170は、通気経路160より先に開くことができる。他の実施例では、流体経路170及び通気経路160は、ほぼ同時に開くことができる。
【0022】
いくつかの実施例では、摺動シール150は、先端152以外の場所で雄型フィッティング112とシール接触を形成することができる。いくつかの実施例では、凹部113は存在せず、先端152が雄型フィッティング112の平滑な外部表面に当たってシールしうる。いくつかの実施例では、雄型フィッティング112は、外部フィーチャ即ち構造物(図示せず)、例えば遠位〜近位方向に延びる隆起部を有することができ、この隆起部は、移動されていない構成ではフィッティング112に密閉的に接触する摺動シール150の一部分を、摺動シールが移動されたときに拡張する。
【0023】
要するに、無針コネクタの開示された実施例は、雄型及び雌型のコネクタが嵌合されていないときにはそれぞれがシールされ、コネクタが嵌合されたときにはそれぞれが自動的に開かれる流体経路及び通気経路を提供することが分かる。
【0024】
これまでの説明は、いかなる当業者にも本明細書において開示された様々な観点を実施可能とするために提供された。上記では、最良の形態及び/又は他の実例と考えられるものが説明されたが、これらの観点に対する様々な修正が当業者には容易に明らかになるであろうこと、及び本明細書において定義された総括的な原理が他の観点にも適用されうることが、理解される。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示された観点に限定されるものではなく、言語で記載した請求項と整合する最大限の範囲に一致すべきものであり、ここで、或る要素に対する単数形での言及は、特にそのように述べられていない限り、「唯一」であることを意味するのではなく、「1つ又は複数」であることを意味するように意図されている。特に述べられていない限り、用語「一セット(a set)」及び「いくつかの(some)」は、1つ又は複数を意味する。男性の代名詞(例えば、彼の(his))は、女性又は中性(例えば、彼女の(her)及びその(its))を含み、逆もまた同様である。見出し及び小見出しは、たとえあるとしても、便宜上使用されるものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0025】
開示された工程における特定の順序又は階層は、例示的な手法の例示であることが理解される。工程における特定の順序又は階層は設計嗜好に基づき再配列されうることが、理解される。ステップのうちのいくつかは、同時に行われる場合もある。添付の方法の請求項は、様々なステップの要素を見本の順序で提示するものであり、提示された特定の順序又は階層に限定されるものではない。
【0026】
本開示において、「上部(top)」、「底部(bottom)」、「前部(front)」、「後部(rear)」などの用語は、通常の重力座標系ではなく、任意の座標系を言及するものとして理解されるべきである。したがって、上部表面、底部表面、前部表面、及び後部表面は、重力座標系において上方、下方、斜め方向、又は水平方向に延在していてもよい。
【0027】
「観点(aspect)」などの表現は、そのような観点が対象技術に必須であること、又はそのような観点が対象技術のあらゆる構成に適用されることを意味するのではない。一観点に関する開示が、あらゆる構成又は1つ若しくは複数の構成に適用されうる。一観点などの表現が、1つ又は複数の観点に言及する場合があり、逆もまた同様である。「実施例」などの表現は、そのような実施例が対象技術に必須であること、又はそのような実施例が対象技術のあらゆる構成に適用されることを意味するのではない。一実施例に関する開示が、あらゆる実施例又は1つ又は複数の実施例に適用されうる。一実施例などの表現が、1つ又は複数の実施例に言及する場合があり、逆もまた同様である。
【0028】
本明細書において、用語「例示的(exemplary)」は、「実例又は例示として機能すること」を意味する。本明細書において「例示的」として説明されるあらゆる観点又は設計は、必ずしも他の観点若しくは設計よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0029】
用語「含む(include)」、「有する(have)」、「備える(with)」などは、用語「有する(comprise)」が特許請求の範囲において転換語(transitional word)として用いられる場合の解釈と同様に、包括を意図したものである。
【0030】
請求項の構成要素は、構成要素が「〜のための手段(means for)」という表現を使用して明確に記載されていない限り、又は、方法の請求項の場合においては構成要素が「〜のためのステップ(step for)」という表現を使用して記載されていない限り、米国特許法第112条第6段落の規定の下で解釈されるべきではない。
【0031】
当業者に知られている又は将来知られるようになる、本開示全体にわたって説明される様々な観点の要素の全ての構造的及び機能的な均等物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されることが意図されている。さらに、本明細書において開示されたものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかに関わらず、公共にささげられることを意図したものではない。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3