(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
微粒子状固体と、非極性有機媒体と、少なくとも一つの縮合芳香族イミドペンダント基を有するポリマー鎖とを含む組成物であって、前記ポリマーが前記請求項1から11のいずれかに記載のポリマーによって表される、組成物。
微粒子状固体と、極性有機媒体と、少なくとも一つの縮合芳香族イミドペンダント基を有するポリマー鎖とを含む組成物であって、前記ポリマーが前記請求項1から11のいずれかに記載のポリマーによって表される、組成物。
少なくとも一つの縮合芳香族イミドペンダント基を有するポリマー鎖であって、前記ポリマーが、前記請求項1から11のいずれかによって表されるポリマー鎖と、微粒子状固体と、(i)極性有機媒体または(ii)非極性有機媒体のいずれかを含む組成物であって、前記有機媒体がプラスチック材料である、組成物。
少なくとも一つの縮合芳香族イミドペンダント基を有するポリマー鎖の使用であって、前記請求項1から11のいずれかに記載のポリマーが、前記請求項12から17のいずれかに記載の組成物中の分散剤である、使用。
【発明を実施するための形態】
【0046】
発明の詳細な説明
本発明は、本明細書の上で開示されている組成物および使用を提供する。
【0047】
ポリマー鎖(Pol)は、100〜10,000、または100〜5000、または300〜3000、または400〜2500の数平均分子量を有することができる。
【0048】
数平均分子量は、事前に調製されたポリマー鎖について、GPC分析によって決定することができる。インシチューで調製されるポリマーの数平均分子量(すなわち、イミド基から離れてポリマー鎖が成長する)は、モノマー[M]と開始剤[I](開始剤は縮合芳香族無水物である)の比に比例する重合度(DP)を決定することにより算出することができ、また式DP=[M]/[I]により計算することができる。核磁気共鳴(NMR)を使用して、重合度を決定することができ、こうして分子のポリマー基またはポリマーセグメントの数平均分子量を計算することができる。
【0049】
R
2により定義されるヒドロカルビレン基の例は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、デシレン、ドデシレン、またはそれらの分枝鎖状異性体を含むことができる。一実施形態では、R
2により定義されるヒドロカルビレン基は、(−CH
2−)
3、または−CH
2CH(CH
3)−、または−CH
2CH
2−であり得る。
【0050】
R
2は1〜3個、または1〜2個、または1個の−NH
2基を有する、アミノアルコール、アミノチオール、アミノカルボン酸、またはアミンから誘導されてもよい。アミノ基は、追加のアルキル基を含んでもよいかまたは含まなくてもよい。
【0051】
ジアミンの例には、1,2−ジアミノエタン、プロパン−1,3−ジアミン、ブタン−1,4−ジアミン、ペンタン−1,5−ジアミン、ヘキサン−1,6−ジアミン、ドデカン−1,12−ジアミン、またはそれらの混合物が含まれる。
【0052】
ポリアミンの例には、N−(2−アミノエチル)1,3−プロパンジアミン、3,3’イミノビスプロピルアミン、スペルミジン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレントリアミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、スペルミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、もしくはジエチレントリアミン、またはそれらの混合物が含まれる。
【0053】
アミノアルコールは、C
2〜20−アミノアルコールであり得、1個超のヒドロキシル基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよく、1個超のアミノ基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよい。アミノアルコールは、エタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノブタノール、2−アミノブタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、5−アミノ−2−ペンタノール、2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、2−アミノ−1−ヘキサノール、セリノール、4−アミノシクロヘキサノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス−(ヒドロキシプロピル)アミノメタン、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、またはそれらの混合物であり得る。
【0054】
アミノチオールは、C
2〜20−アミノチオールであり得、1個超のチオール基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよく、1個超のアミノ基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよい。アミノチオールは、2−アミノエタンチオール、3−アミノプロパン−1−チオール、4−アミノブタン−1−チオール、5−アミノペンタン−1−チオール、6−アミノヘキサン−1−チオール、またはそれらの混合物を含むことができる。
【0055】
本明細書で使用する場合、用語「ヒドロカルボニレン基」とは、カルボニル基を含有するヒドロカルビレン基である。通常、R
2により定義されるヒドロカルボニレン基は、−(CH
2)
5−C(O)−、−(CH
2)
4−C(O)−、−(CH
2)
3−C(O)−、または−(CH
2)
2−C(O)−を含むことができる。
【0056】
アミノカルボン酸(または、アミノ酸)は、アミノ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸であり得、1個超のカルボン酸基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよく、1個超のアミノ基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよい。アミノカルボン酸は、ヒドロキシル基またはチオール基などのヘテロ原子を含有する他の基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよい。アルキ(アルケニ)レン基は、直鎖状であってもよく、分枝鎖状であってもよい。アミノカルボン酸のアルキ(アルケニ)レン基は、12個以下の炭素原子を含有する。具体例には、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、6−アミノカプロン酸、4−アミノ酪酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アスパラギン、グルタミン、トレオニン、セリン、システイン、β−アラニン、グリシン、およびサルコシンが含まれる。アミノカルボン酸の混合物が使用されてもよい。
【0057】
本明細書で使用する場合、ヒドロカルビレン基またはヒドロカルボニレン基と言うのは、直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよく、そして、飽和であっても、不飽和であってもよい。
【0058】
4n+2のπ−電子のQ内の、定義されている技術的特徴は、ヒュッケル則として当業者に周知である。通常、nは2(すなわち、π−電子数は10である)、または3(すなわち、π−電子数は14である)に等しい場合がある。一実施形態では、nは2に等しい場合がある。
【0059】
Qは、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、またはそれらの混合物に基づくものであり得る。一実施形態では、Qは、ナフタレンに基づくものであり得る。
【0060】
Qがナフタレンに基づくものである場合、式(1)のポリマー鎖は、1,2−ナフタレンイミド基、2,3−ナフタレンイミド基、もしくは1,8−ナフタレンイミド基、またはそれらの混合物などのナフタレンイミド基を有することができる。
【0061】
Qがアントラセンに基づくものである場合、式(1)のポリマー鎖は、1,2−アントラセンイミド基、2,3−アントラセンイミド基、もしくは1,9−アントラセンイミド基、またはそれらの混合物を有することができる。
【0062】
Qがフェナントレンに基づくものである場合、式(1)のポリマー鎖は、2,3−フェナントレンイミド基、もしくは8,9−フェナントレンイミド基、またはそれらの混合物を有することができる。
【0063】
通常、Qは、1,8−ナフタレン無水物、または1,2−ナフタレン無水物、またはそれらの混合物に基づくものである。
【0064】
Qは、1,8−ナフタル酸無水物(R
1=Hの場合)、4−ニトロ−1,8−ナフタルイミド基または3−ニトロ−1,8−ナフタルイミド(一つのR
1=NO
2の場合)基、4−クロロ−1,8−ナフタルイミド(一つのR
1=Clの場合)基、4−スルホ−1,8−ナフタルイミドまたは3−スルホ−1,8−ナフタルイミド(一つのR
1=SO
3Hの場合)、またはそれらの混合物などのナフタレン無水物に基づくものであり得る。
【0065】
一実施形態では、R
1がH以外の場合、aにより定義される非−H基の数は、1または2であり得る。R
1がH以外の場合、R
1により定義される基は、電子吸引性(−NO
2基、−SO
3M基、またはハロ基(通常、−Cl))、通常、電子吸引性であり得る。R
1が、電子吸引性である場合、R
1は、イミド基またはその混合物に対して、メタ置換またはパラ置換のどちらであってもよい。一実施形態では、R
1はイミド基に対してメタ置換されていてもよい。
【0066】
一実施形態では、R
1がH以外の場合、aにより定義される非−H基の数は、0であり得る。
【0068】
R’は、アルキルであっても、直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を有する、置換されていてもよいアルキルであってもよい。
【0069】
R’により定義されるアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、またはそれらの混合物が含まれる。一実施形態では、R’は、アルカノールから誘導されてもよい。
【0070】
R
3は、H、または末端エーテル基もしくは末端エステル基を形成しているポリマー鎖の末端酸素原子に結合している置換されていてもよいC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルビル基であって、ビニル基などの重合が可能な基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよいヒドロカルビル基、または末端エステル基もしくは末端ウレタン基を形成しているポリマー鎖の酸素原子に結合しているC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基(すなわち、カルボニル基を含有するヒドロカルビル基)であって、ビニル基などの重合が可能な基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよいヒドロカルボニル基であり得、この置換基は、ハロ、エーテル、エステル、またはそれらの混合物であり得る。
【0071】
R
3は、アルコール、チオール、アミン、カルボン酸、酸ハロゲン化物などの酸誘導体、もしくはイソシアネート、またはそれらの混合物から誘導されてもよい。
【0072】
本明細書で使用する場合、用語「アルキ(アルケニ)レン(alk(en)ylene)」とは、アルキレン基およびアルケニレン基を含むことが意図されている。
【0073】
アルコールは、C
1〜20アルキ(アルケニ)レンアルコールであり得、このアルキ(アルケニ)レン基は直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよい。アルコールの具体例には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、1−メチル−プロパノール、2−メチルプロパノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、1−メチルブタノール、2−メチルブタノール、3−メチルブタノール、2,2−ジメチルプロパノール、n−ヘキサノール、1−メチルペンタノール、2−メチルペンタノール、3−メチルペンタノール、4−メチルペンタノール、1,1−ジメチルブタノール、2,2−ジメチルブタノール、3,3−ジメチル−ブタノール、1,2−ジメチルブタノール、n−ヘプタノール、1−メチル−ヘキサノール、2−メチルヘキサノール、3−メチルヘキサノール、4−メチル−ヘキサノール、1,2−ジメチルペンタノール、1,3−ジメチルペンタノール、1,1−ジメチルペンタノール、1,1,2,2−テトラメチルプロパノール、ベンジルアルコール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−ノナノール、1−メチルオクタノール、2−メチルオクタノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、1−メチルデカノール、2−メチルデカノール、n−ドデカノール、2,4−ジエチルオクタノール、およびIsofol(登録商標)(Sasol社から)アルコールという商標名で市販のもの、またはその混合物などの、いわゆるGuerbetのアルコールが含まれる。Guerbetのアルコールの具体例には、Isofol(登録商標)12、14T、16、18T、18E、20、24、28、32、32Tおよび36が含まれる。
【0074】
アミンは、C
1〜20アルキ(アルケニ)レンアミンであり得、このアルキ(アルケニ)レン基は直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよい。アミンの具体例には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン(penylamine)、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、エイコシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン(dipenylamine)、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジペンタデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジエイコシルアミン、またはそれらの混合物が含まれる。
【0075】
チオールは、C
1〜20アルキ(アルケニ)レンチオールであり得、このアルキ(アルケニ)レン基は直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよい。チオールの具体例には、エタンチオール、1−プロパンチオール、2−プロパンチオール、1−ブタンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール、1−メチル−1−プロパンチオール、1−ヘキサンチオール、1−オクタンチオール、1−ドデカンチオール、ヘキサデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、またはそれらの混合物が含まれる。
【0076】
カルボン酸は、C
1〜20アルキ(アルケニ)レンカルボン酸であり得、このアルキ(アルケニ)レン基は直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよい。カルボン酸の具体例には、酢酸、メトキシ酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、2−メチル酪酸、イソ吉草酸、吉草酸 イソカプロン酸、カプロン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸、またはそれらの混合物が含まれる。
【0077】
イソシアネートは、芳香族イソシアネートであっても、C
2〜20アルキ(アルケニ)レンイソシアネートであってもよく、このアルキ(アルケニ)レン基は直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよい。具体例には、1−イソシアナトレタン(isocyanatorethane)、1−イソシアナトプロパン、1−イソシアナトブタン、2−イソシアナトブタン、1−イソシアナトペンタン 1−イソシアナトヘキサン、1−イソシアナトヘプタン、3−(イソシアナトメチル)ヘプタン、2−イソシアナトヘプタン 2−イソシアナト−2,4,4−トリメチルペンタン 1−イソシアナトオクタン、2−イソシアナトオクタン、1−イソシアナトノナン、2−イソシアナトノナン 1−イソシアナトドデカン、1−イソシアナトテトラデカン、1−イソシアナトウンデカン、1−イソシアナトオクタデカン、1−イソシアナトペンタデカン、1−イソシアナトヘキサデカン、イソシアナトシクロヘプタン、イソシアナトシクロオクタン、(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソシアナトシクロドデカン、イソシアナトシクロペンタン、イソシアナトシクロヘキサン、1−エチル−4−(2−イソシアナトエチル)ベンゼン、1−イソシアナト−4−メチルベンゼン、1−tert−ブチル−4−イソシアナトベンゼン、4−イソシアナト−1,2−ジメチルベンゼン、1−イソシアナト−2,4−ジメチルベンゼン、2−イソシアナト−1,3,5−トリメチルベンゼン、1−エチル−4−イソシアナトベンゼン、1−イソシアナト−4−イソプロピルベンゼンまたはそれらの混合物が含まれる。
【0078】
イソシアネートは、重合体のイソシアネートであってよい(例えば、ジイソシアネートと反応するアルコキシポリアルキレングリコール)。ジイソシアネートは、トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、またはそれらの混合物を含むことができる。
【0079】
酸ハロゲン化物は、C
1〜20アルキ(アルケニ)レン酸塩化物であり得、このアルキ(アルケニ)レン基は直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよい。酸塩化物の具体例には、塩化メタノイル、塩化ブタノイル、塩化3,3−ジメチルブタノイル、塩化3−メチルブタノイル、塩化2−メチルブタノイル、塩化ペンタノイル、塩化ヘプタノイル、塩化ヘキサノイル、塩化2−エチルブタノイル、塩化デカノイル、塩化2−エチルヘキサノイル、塩化オクタノイル、塩化2−メチルペンタノイル、塩化3,5,5−トリメチルヘキサノイル、塩化ノナノイル、またはそれらの混合物が含まれる。
【0080】
一実施形態では、R
3は、ビニル基などの重合が可能な基を含むことがある。R
3は、(メタ)アクリレート、スチリル、ビニルエーテル、またはアリルエーテル、およびそれらの混合物などの基を含むことができる。R
3の例は、(メタ)アクリル酸およびそれらのエステル、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート、およびそれらのポリエーテル誘導体(ヒドロキシエチルアクリレートまたはポリエチレングリコールモノアクリレートなど)、イソシアナトメチル(メタ)アクリレート(例えば、イソシアナトエチルメタクリレート)、またはイソシアナトスチリル誘導体(4−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなど)、またはそれらの混合物から誘導され得る。
【0081】
Wは酸素、硫黄、窒素、>NH、または>NGであり得、Gは、水素、または1〜200個、もしくは1〜100個、もしくは1〜30個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基を表す。通常、Wは酸素、硫黄または窒素であり得る。Wが硫黄の場合、芳香環−R
2−Wによって表される構造の基は、縮合芳香環の無水物とアミノチオールとを反応させることにより形成することができる。Wが酸素の場合、芳香環−R
2−Wによって表される構造の基は、縮合芳香環の無水物とアミノアルコールまたはアミノカルボン酸のいずれかとを反応させることにより形成することができる。Wが窒素(または>NG)の場合、芳香環−R
2−Wによって表される構造の基は、縮合芳香環の無水物とジアミンまたはポリアミンのいずれかとを反応させることにより形成することができる。
【0082】
これらのすべてを混合したものも使用することができ、すなわち、芳香環−R
2−Wによって表される構造の基は、芳香環の無水物と、アミノアルコール、またはアミノカルボン酸、アミノチオール、ジアミン、またはポリアミンのうちの2種、または3種、または4種、または5種すべての混合物とを反応させることにより形成され得る。芳香環−R
2−Wは、すべての反応物の存在下で、ワンポット反応で形成され得る。あるいは、芳香環−R
2−W基のブレンドを、あらかじめ調製された個々のイミドを混合することにより形成され得る。
【0083】
陽イオンMは、一価、または二価、または三価の金属であり得る。金属は、例えばアルカリ金属、またはアルカリ土類金属、または遷移金属であり得る。金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、またはそれらの混合物を含むことができる。
【0084】
ポリマー鎖であるPolは、ホモポリマーであってもよい。ポリマー鎖であるPolは、コポリマーであってもよい。Polがコポリマーの場合、このポリマー鎖はランダム構造を有しても、ブロック構造を有してもよい。Polは、ホモポリマー鎖であっても、コポリマー鎖であってもよく、該ポリマー鎖は、ポリ(エーテル)、ポリ(エステル)、ポリ(エステルアミド)、ポリ(アミド)、ポリ(オレフィン)、およびそれらの混合物から本質的になる群から選択することができる。
【0085】
一実施形態では、ポリマー鎖(Pol)は、ポリ(エーテル)に基づくものである。ポリ(エーテル)は、ポリアルキレングリコール(通常、ポリ(C
2〜C
4−アルキレングリコールまたは、ポリアルカリーレングリコール(通常、ポリC
8−グリコール))に基づくものであり得る。ポリエーテルは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドおよびスチレンオキシド、またはそれらの混合物などのポリアルキレンオキシドに基づくものであり得る。ポリマー鎖がポリエーテルホモポリマーの場合、ポリエーテルはエチレンオキシドに基づくものではない。
【0086】
一実施形態では、ポリマー鎖(Pol)は、ポリ(エステル)に基づくものである。ポリ(エステル)は、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸モノマーまたはラクトンモノマーに基づくものであり得る。
【0087】
そのヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸の例には、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシ吉草酸、12−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシデカン酸、4−ヒドロキシデカン酸、10−ヒドロキシウンデカン酸、乳酸、グリコール酸、またはそれらの混合物が含まれる。
【0088】
ラクトンの例には、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、任意選択でアルキル置換されているε−カプロラクトン、および任意選択でアルキル置換されているδ−バレロラクトンが含まれる。ε−カプロラクトンおよびδ−バレロラクトン中のアルキル置換基は、C1〜6−アルキルまたはC1〜4−アルキルであり得、そして、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい。適切なラクトンの例は、ε−カプロラクトン、およびその7−メチル−、2−メチル−、3−メチル−、5−メチル−、6−メチル−、4−メチル−、5−tertブチル−、4,4,6−トリメチル−、および4,6,6−トリメチル−類似体、またはそれらの混合物が含まれる。
【0089】
一実施形態では、ポリマー鎖(Pol)は、ポリ(エステル)に基づくものである。ポリ(エステル)は、式(i)によって表されるジオールと式(ii)によって表される二塩基酸との反応に基づくものであり得る。
【化4】
式中、
X
1は、2〜20個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であるか、または二つのヒドロキシル基が除去されたポリアルキレングリコール残基であり、
X
2は、2〜20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状アルキ(アルケニ)レン基、またはPhである。適切なジオールの具体例には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのアルキレングリコール、ならびに、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールおよびトリエチレングリコールなどの、エーテル結合を有するジオールが含まれる。適切なポリアルキレングリコールの例には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、MWが1000未満である、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの混合ブロックコポリマーおよびランダムコポリマー(Pluronic(商標)およびreverse Pluronic(商標)、BASF社から)が含まれる。二塩基酸および無水物の具体例には、無水マレイン酸、無水コハク酸、フマル酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、無水フタル酸、シュウ酸、およびシクロヘキサンジカルボン酸無水物が含まれる。
【0090】
一実施形態では、ポリマー鎖(Pol)は、ポリ(アミド)に基づくものである。ポリ(アミド)は、式(iii)によって表されるジアミンと式(iii)によって表される二塩基酸との反応に基づくものであり得るか、
H
2N−X
1−NH
2 式(iii)
(式中、
X
1は、2〜20個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝鎖状アルキレン基であるか、または二つのアミノ基が除去されたポリアルキレングリコール残基である)
または、ポリアミドは、ラクタム、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物の反応から得られる/得ることが可能である。
【0091】
ジアミンの具体例には、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、異性体のブチレンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、ヘプタンジアミン、1,12−ジアミノドデカン、およびジアミノシクロヘキサンなどのアルキレンジアミン、および1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタンなどのエーテル結合を有するジアミンが含まれる。適切なポリエーテルジアミンの例には、D230、D400、ED600などのHuntsman社から市販されているJeffamine(商標)ジアミンが含まれる。ラクタムの具体例には、ラウロラクタムおよびカプロラクタムが含まれ、アミノカルボン酸は、グリシン、サルコシン、β−アラニン、4−アミノ酪酸、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、または12−アミノドデカン酸であり得る。
【0092】
一実施形態では、ポリマー鎖(Pol)は、ポリ(エステルアミド)に基づくものである。ポリ(エステルアミド)は、ポリエステル部分を調製するための、ジオール(式(i))、二塩基酸/無水物(式(ii))、ラクトンおよびヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸からなる群から選択される1種または複数種の化合物の反応、およびポリアミド部分を調製するための、ジアミン(式(iii))、アミノカルボン酸、ラクタム、および二塩基酸/無水物(式(ii))からなる群から選択される1種または複数種の化合物の反応に基づくものであり得る。ジオール、ポリエステルアミド、およびポリアミドを使用するポリエステル形成のための反応条件およびプロセスステップは、US5,760,257の第5〜7欄に開示されている。
【0093】
一実施形態では、ポリマー鎖(Pol)は、ポリ(アルキレン)に基づくものである。ポリマー鎖(Pol)がポリ(アルキレン)によって表される式(1)のイミドは、ポリアルケン置換アミンと、縮合芳香族二酸または無水物とを反応させるステップを含むプロセスにより得られる/得ることが可能でありうる。このポリアルケン置換アミンは、オレフィンポリマーおよびアミン(アンモニア、ジアミン、ポリアミン、またはそれらの混合物など)から得られる/得ることが可能でありうる。それらは、本明細書のこれ以降に記載されている方法などの様々な方法により調製することができる。
【0094】
一実施形態では、ポリマー鎖(Pol)は、ポリ(エーテル)に基づくものである。一実施形態では、ポリ(エーテル)ポリマー鎖は、式(2)
【化5】
(式中、各可変基は、独立して、以下の通りであり得、
R
1は、置換基への結合に利用可能なQ環上の任意の位置にある置換基であり得、R
1は、独立して、−H、または電子吸引基(−CN、−NO
2、−SO
2NR’
2、−C(O)R’、−SO
3M、−C(O)OM、ハロ(例えば、−Clまたは−Br)、−NH
2、または−OR’など)、または電子供与基(例えば−CH
3など)の一つまたは複数(通常、R
1が−H以外である場合、aによって定義される非−H基の数は、0〜2、0〜1、0、または1であり得る)によって表され、
Wは酸素であり得、
Mは、H、金属陽イオン、−NR’
4+であり得、
R’は、−Hであっても、通常1〜20個または1〜10個の炭素原子を含有する、置換されていてもよいアルキルであってもよく、これらの置換基は、ヒドロキシルもしくはハロ(通常、Cl)、またはそれらの混合物であり得、
R
2は、C
1〜C
20、もしくはC
1〜C
12、もしくはC
1〜C
6ヒドロカルビレン基、またはC
1〜C
20、もしくはC
1〜C
12、もしくはC
1〜C
6ヒドロカルボニレン基(R
2が2個を超える炭素原子を含有する場合、これらのヒドロカルビレン基またはヒドロカルボニレン基は、直鎖状であっても分枝鎖状であってもよい)、またはそれらの混合物であり得、
R
3は、H、または末端エーテル基もしくは末端エステル基を形成しているポリマー鎖の末端酸素原子に結合している置換されていてもよいC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルビル基であって、ビニル基などの重合が可能な基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよいヒドロカルビル基、または末端エステル基もしくは末端ウレタン基を形成しているポリマー鎖の酸素原子に結合しているC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基(すなわち、カルボニル基を含有するヒドロカルビル基)であって、ビニル基などの重合が可能な基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよいヒドロカルボニル基であり得、この置換基は、ハロ、エーテル、エステル、またはそれらの混合物であり得、
R
4は、Polがホモポリマーの場合、メチル、エチル、またはフェニルであり得、R
4は、Polがコポリマーの場合、H、メチル、エチル、またはフェニルの混合物であるが、但し、R
4がHの場合、R
4は、60重量%以下のエチレンオキシド基をもたらすのに十分な量で、コポリマー鎖に存在し、
uは、1〜3、または1〜2、または1であり得、
wは、1〜3、または1〜2、または1であり得るが、
但し、R
2がヒドロカルビレン基の場合、uは1であり、wは1であり、
mは、1〜110、または1〜90、または2〜90であり得る)
によって表されるイミド構造に組み込まれてもよい。
【0095】
式(2)において、整数mは、ポリマー鎖が、100〜10,000、100〜5000、または300〜3000、または400〜2500の数平均分子量を有することができる整数である。
【0096】
式(2)のイミドは、二つの異なるプロセスによって調製することができる。式(2)のポリマー鎖は、ポリエーテルとも呼ぶことができ、またこのポリマー鎖はランダム構造を有しても、ブロック構造を有してもよい。
【0097】
ポリエーテルは0〜60重量%、0〜50重量%、0〜30重量%、または0〜20重量%、または0〜15重量%のエチレンオキシドを含有することができる。ポリエーテルは、3個もしくはそれより多数の炭素原子(通常、3個、もしくは4個、または3個の炭素原子)を有するアルキレンオキシド、8個もしくはそれより多数の炭素原子(通常、8個の炭素原子)を有するアルカリーレンオキシド、またはそれらの混合物を40〜100重量%、50〜100重量%、70〜100重量%、または80〜100重量%、または85〜100重量%含有することができる。
【0098】
ポリエーテルは、例えば、プロピレングリコールもしくはブチレングリコールもしくはエチルベンゼングリコールを含有するホモポリマーであり得るか、または、通常、エチレングリコール、ブチレングリコール、およびエチルベンゼングリコールの少なくとも一つがプロピレングリコールと共重合したものを含む、ランダムコポリマーもしくはブロックコポリマーであり得る。
【0099】
ポリエーテルは、例えば、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーであり得る。ポリエーテルは、以下に由来するものであり得る。
0〜60重量%のエチレンオキシド、および40〜100重量%のプロピレンオキシド、または
0〜50重量%のエチレンオキシド、および50〜100重量%のプロピレンオキシド、または
0〜30重量%のエチレンオキシド、および70〜100重量%のプロピレンオキシド、または
0〜20重量%のエチレンオキシド、および80〜100重量%のプロピレンオキシド、または
0〜15重量%のエチレンオキシド、および85〜100重量%のプロピレンオキシド。
【0100】
例えば、ポリエーテルは、エチレンオキシド8重量%とプロピレンオキシド92重量%、またはエチレンオキシド14重量%とプロピレンオキシド86重量%を含有することができる。
【0101】
一実施形態では、ポリマー鎖は、(i)ポリプロピレンオキシドホモポリマー、または(ii)エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーのいずれかのポリ(エーテル)であり得る。
【0102】
第1のプロセスは、ポリエーテルアミン(通常、ポリアルキレンオキシドモノアルキルエーテルモノアミン)と縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて式(2)の生成物を形成するステップを含む。式(2)のイミド生成物の形成反応は、当業者に公知のイミド形成に好都合となるのに十分に高い温度(例えば少なくとも100℃、または150℃〜200℃)で行うことができる。
【0103】
ポリエーテルアミンは、モノアルコール開始剤と、プロピレンオキシド単独、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの混合物とを反応させて、アルコール末端ポリマー鎖を形成し、次いでこのアルコール末端ポリマー鎖をアミンに変換することにより調製することができる。ポリエーテルアミンは、Huntsman Corporation社からのSurfonamine(登録商標)アミンとして市販されている場合がある。Surfonamine(登録商標)アミンの具体例は、B60(エチレンオキシドとプロピレンオキシドの比が1対9)、B100(プロピレンオキシド)、B200(エチレンオキシドとプロピレンオキシドの比が6対29)である。括弧内の数字は、それぞれ、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのおよその反復単位である。ポリエーテルアミンは、米国特許第5,879,445号(特に、第2欄の50行目から第7欄の50行目において開示されている)において記載されている、アミノアルコールのアルコキシ化により得ることができる。
【0104】
第2のプロセスは、アミノ酸と縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて酸官能化イミドを形成するステップであって、当業者に公知であるイミド形成に好都合となるのに十分に高い温度(例えば、少なくとも100℃、または150℃〜200℃)で行うことができるステップ、およびこの酸官能化イミドをポリアルキレングリコールモノ置換C
1〜20アルキ(アルケニ)レンエーテルによりエステル化するステップであって、この反応温度が、50℃〜250℃、または150℃〜200℃であってもよく、場合によりエステル化触媒の存在下でエステル化するステップを含む。
【0105】
ポリアルキレングリコールモノ置換C
1〜20アルキ(アルケニ)レンエーテルは、プロピレングリコールもしくはブチレングリコールもしくはフェニレングリコールを含有するホモポリマーであり得るか、または、通常、エチレングリコール、ブチレングリコール、およびフェニレングリコールの少なくとも一つがプロピレングリコールと共重合したものを含む、ランダムコポリマーもしくはブロックコポリマーであり得る。
【0106】
ポリアルキレングリコールモノ置換C
1〜20アルキ(アルケニ)レンエーテルは、メトキシポリプロピレングリコール、エトキシポリプロピレングリコール、プロポキシポリプロピレングリコール、ブトキシポリプロピレングリコール、アルコキシ(ポリエチレングリコールco−ポリプロピレングリコール)、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、またはそれらの混合物であり得る。
【0107】
一実施形態では、ポリマー鎖(Pol)は、ポリ(エーテル)に基づくものである。該ポリ(エーテル)は、ポリアルキレングリコール(通常、ポリ(C
2〜C
4−アルキレングリコール)に基づくものであり得る。一実施形態では、ポリ(エーテル)ポリマー鎖は、式(3a)
【化6】
(式中、各可変基は、独立して、以下の通りであり得、
R
1は、置換基への結合に利用可能なQ環上の任意の位置にある置換基であり得、R
1は、独立して、−H、または電子吸引基(−CN、−NO
2、−SO
2NR’
2、−C(O)R’、−SO
3M、−C(O)OM、ハロ(例えば、−Clまたは−Br)、−NH
2、または−OR’など)、または電子供与基(−CH
3など)の一つまたは複数(通常、R
1が−H以外の場合、aによって定義される非−H基の数は、0〜2、0〜1、0、または1であり得る)によって表され、例えば、R
1は、−H、−CH
3、−Cl、−NO
2、−SO
3M、または−C(O)OMであり得(通常、aが0でない場合、R
1は、−Cl、−SO
3Mまたは−NO
2であり得る)、
Wは、硫黄、>NG、もしくは酸素、またはそれらの混合物であり得(通常、酸素)、
Gは、1〜200個、または1〜100個、または1〜30個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり得、
Mは、H、金属陽イオン、−NR’
4+であり得、
R’は、−Hであっても、通常1〜20個または1〜10個の炭素原子を含有する、置換されていてもよいアルキルであってもよく、これらの置換基は、ヒドロキシルもしくはハロ(通常、Cl)、またはそれらの混合物であり得、
R
2は、C
1〜C
20、もしくはC
1〜C
12、もしくはC
1〜C
6ヒドロカルビレン基、またはC
1〜C
20、もしくはC
1〜C
12、もしくはC
1〜C
6ヒドロカルボニレン基、またはそれらの混合物であり得、
R
3は、H、または末端エステル基もしくは末端ウレタン基を形成しているポリマー鎖の酸素原子に結合しているC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基(すなわち、カルボニル基を含有するヒドロカルビル基)であって、ビニル基などの重合が可能な基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよいヒドロカルボニル基であり得、この置換基は、ハロ、エーテル、エステル、またはそれらの混合物であり得、
R
4は、Polがホモポリマーの場合、メチル、エチル、またはフェニルであり得、Polがコポリマーの場合、R
4は、H、メチル、エチル、またはフェニルの混合物であるが、但し、R
4がHの場合、R
4は、60重量%以下のエチレンオキシド基をもたらすのに十分な量で、コポリマー鎖に存在し、
uは、1〜3、または1〜2、または1であり得、
wは、1〜3、または1〜2、または1であり得、
mは、1〜110、または1〜90であり得る)
によって表されるイミド構造に組み込まれてもよい。
【0108】
本発明のポリマーは、基Wに結合している複数のポリマー鎖タイプを有することができる。一実施形態では、ポリマー鎖(Pol)は、ポリ(エーテル)に基づくものである。該ポリ(エーテル)は、ポリアルキレングリコール(通常、ポリ(C
2〜C
4−アルキレングリコール)に基づくものであり得る。一実施形態では、ポリ(エーテル)ポリマー鎖は、式(3b)
【化7】
(式中、
Wは、Nであり(式(1)のR
2がジアミンまたはポリアミンから誘導される場合に形成される)、
R
2は、C
1〜C
20、またはC
1〜C
12、またはC
1〜C
6ヒドロカルビレン基であり、
vは2であり、
また、他のすべての可変基は、上で定義されている)
によって表されるイミド構造に組み込まれてもよい。
【0109】
式(3a)および(3b)において、整数mは、ポリマー鎖が、100〜10,000、または100〜5000、または300〜3000、または400〜2500の数平均分子量を有することができる整数である。
【0110】
式(3a)および(3b)のイミドは、異なるプロセスによって調製してもよい。式(3a)および(3b)のポリマー鎖は、ポリ(エーテル)と呼ぶことがある。
【0111】
式(3a)(R
3は−Hである)は、アミノアルコールと縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて、ヒドロキシル官能化縮合芳香族イミドを形成するステップ、ならびに、次にこのヒドロキシル官能化縮合芳香族イミドとオキシラン(プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、またはスチレンオキシド、またはプロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、またはそれらの混合物との混合物など)またはカーボネート(エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートなど)とを反応させて式(3a)の本発明のポリマーを形成するステップを含むプロセスにより調製することができる。最初の(イミド形成)反応のステップは、当業者に公知のイミド形成に好都合となるのに十分に高い温度(例えば、少なくとも100℃、または150℃〜200℃、または少なくとも100℃、または150℃〜250℃)で行うことができる。イミドとオキシランとを反応させる反応の第2のステップは、塩基触媒の存在下、当業者に公知の十分に高い温度(例えば少なくとも100℃、または150℃〜200℃)で行われる。通常、カーボネートが使用される場合、150℃〜250℃の範囲の温度が使用されることがある。
【0112】
式(3a)(R
3が−Hの場合)はまた、上で明記されているプロセス条件を使用し、アミノ酸と縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて、酸官能化縮合芳香族イミドを形成するステップ、ならびに、次にこの酸官能化縮合芳香族イミドと、オキシラン(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、もしくはスチレンオキシド、またはそれらの混合物など)とを反応させて式(3a)の本発明のポリマーを形成するステップを含むプロセスにより調製することもできる。
【0113】
式(3a)(R
3が−Hの場合)はまた、上で明記されているプロセス条件を使用し、アミノ−チオールを反応させて、チオール官能化縮合芳香族イミドを形成するステップ、ならびに、次にこのチオール官能化縮合芳香族イミドと、オキシラン(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、もしくはスチレンオキシド、またはそれらの混合物など)またはカーボネート(エチレンカーボネート、またはプロピレンカーボネートなど)とを反応させて式(3a)の本発明のポリマーを形成するステップを含むプロセスにより調製することもできる。
【0114】
式(3a)および(3b)(R
3が−Hの場合)は、上で明記されているプロセス条件を使用し、ジアミンと縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて、アミノ官能化縮合芳香族イミドを形成するステップ、ならびに、次にこのアミノ官能化縮合芳香族イミドと、オキシラン(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、もしくはスチレンオキシド、またはそれらの混合物など)またはカーボネート(エチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートなど)とを反応させて式(3a)および(3b)の本発明のポリマーを形成するステップを含むプロセスにより調製することができる。
【0115】
上記のプロセスにおける、ヒドロキシル官能化縮合芳香族イミド、またはチオール官能化縮合芳香族イミド、または酸官能化縮合芳香族イミド、またはアミン官能化縮合芳香族イミドのいずれかと、オキシランとの反応は、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下、100℃〜200℃の温度で行うことができる。
【0116】
一実施形態では、式(3a)および(3b)(R
3は−Hである)によって表されるイミド構造のポリ(エーテル)ポリマー鎖は、C
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基(すなわち、カルボニル基を含有するヒドロカルビル基)によりキャッピングすることができる。R
3は、カルボン酸、酸ハロゲン化物などの酸誘導体、イソシアネート、またはそれらの混合物から得られる/得ることが可能でありうる。ポリマー鎖をキャッピングして、R
3がC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基(すなわち、カルボニル基を含有するヒドロカルビル基)であり得る、式(3a)および(3b)のポリマーを形成する反応条件は、当分野で公知の反応である。
【0117】
式(2)および(3)において、ポリエーテルが少なくとも50重量%〜100重量%のプロピレンオキシドを含有する場合、極性有機媒体の分散剤を形成することができる。
【0118】
式(2)および(3)において、ポリエーテルが少なくとも0重量%〜40重量%のエチレンオキシドを含有する場合、極性有機媒体の分散剤を形成することができる。しかし、エチレンオキシドの量は、非極性有機媒体または極性有機媒体の分散剤を調製する当業者によって修正されて、最大49.99重量%のエチレンオキシドを有する分散剤を製造することもできる。
【0119】
通常、式(2)および(3)のポリマー鎖(Pol)は、60重量%〜100重量%のプロピレンオキシド、または80重量%〜100重量%、または100重量%のプロピレンオキシド、および0重量%〜40重量%、または0重量%〜20重量%、または0重量%のエチレンオキシドを含有する。
【0120】
一実施形態では、本発明のポリマーは、式(4a)によって表すことができる(すなわち、このポリマーは、ポリ(エステル)、ポリ(エステルアミド)、またはポリ(アミド)であり得る)。
【化8】
式中、各可変基は、独立して、以下の通りであり得、
R
1は、置換基への結合に利用可能なQ環上の任意の位置にある置換基であり得、R
1は、独立して、−H、または電子吸引基(−CN、−NO
2、−SO
2NR’
2、−C(O)R’、−SO
3M、−C(O)OM、ハロ(例えば、−Clまたは−Br)、−NH
2、または−OR’など)、または電子供与基(−CH
3など)の一つまたは複数(通常、R
1が−H以外の場合、aによって定義される非−H基の数は、0〜2、0〜1、0、または1であり得る)によって表され、
Wは、酸素または>NGであり、
Gは、水素、または1〜200個、もしくは1〜100個、もしくは11〜30個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり得、
Mは、H、金属陽イオン、NR’
4+であり得、
R’は、−Hであっても、通常1〜20個または1〜10個の炭素原子を含有する、置換されていてもよいアルキルであってもよく、これらの置換基は、ヒドロキシルもしくはハロ(通常、Cl)、またはそれらの混合物であり得、
R
2は、C
1〜C
20、またはC
1〜C
12、またはC
1〜C
6ヒドロカルボニレン基であり得、
R
3は、H、または末端エステル基を形成しているポリマー鎖の末端酸素原子に結合している置換されていてもよいC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルビル基であって、ビニル基などの重合が可能な基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよいヒドロカルビル基であり得、この置換基は、ハロ、エーテル、エステル、またはそれらの混合物であり得、
R
5は、C
1〜19−ヒドロカルビレン基であり得、
Yは、酸素または>NGであり得、
pは、2〜120であり得、
uは、1〜3、または1〜2、または1であり得、
wは、1〜3、または1〜2、または1であり得る。
【0121】
一実施形態では、本発明のポリマーは、式(4b)によって表すことができる(すなわち、このポリマーは、ポリ(エステル)、ポリ(エステルアミド)、またはポリ(アミド)であり得る)。
【化9】
式中、各可変基は、独立して、以下の通りであり得、
R
1は、置換基への結合に利用可能なQ環上の任意の位置にある置換基であり得、R
1は、独立して、−H、または電子吸引基(−NO
2、−SO
2NR’
2、−C(O)R’、−SO
3M、−C(O)OM、ハロ(例えば、−Clまたは−Br)、−NH
2、または−OR’など)、または電子供与基(−CH
3など)の一つまたは複数(通常、R
1が−H以外の場合、aによって定義される非−H基の数は、0〜2、0〜1、0、または1であり得る)によって表され、
Wは、硫黄、>NG、または酸素(通常、酸素)であり得、
Gは、水素、または1〜200個、もしくは1〜100個、もしくは1〜30個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり得、
Mは、H、金属陽イオン、−NR’
4+、またはそれらの混合物であり得、
R’は、−Hであっても、通常1〜20個または1〜10個の炭素原子を含有する、置換されていてもよいアルキルであってもよく、これらの置換基は、ヒドロキシルもしくはハロ(通常、Cl)、またはそれらの混合物であり得、
R
2は、C
1〜C
20、またはC
1〜C
12、またはC
1〜C
6ヒドロカルビレン基であり得、
R
3は、H、または末端エステル基もしくは末端ウレタン基を形成しているポリマー鎖の酸素原子に結合しているC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基(すなわち、カルボニル基を含有するヒドロカルビル基)であって、ビニル基などの重合が可能な基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよいヒドロカルボニル基であり得、この置換基は、ハロ、エーテル、エステル、またはそれらの混合物であり得、
R
5は、C
1〜19−ヒドロカルビレン基であり得、
Yは、酸素または>NGであり得、
pは、2〜120であり得、
uは、1〜3、または1〜2、または1であり得、
wは、1〜3、または1〜2、または1であり得る。
【0122】
式(4a)または(4b)のポリマー鎖は、200〜10,000、または300〜5000、または500〜3000、または600〜2500の数平均分子量を有することができる。通常、式(4a)または(4b)のポリマー鎖は、600〜2500の数平均分子量を有することができる。
【0123】
式(4a)のイミド(R
3は−Hである)は、アミノ酸と縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて、酸官能化縮合芳香族イミドを形成するステップ、ならびに、次に酸官能化縮合芳香族イミドと、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物の一つまたは複数とを反応させるステップを含むプロセスにより調製することができる。酸官能化縮合芳香族イミドと、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物との反応は、場合により触媒の存在下で、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で実施することができる。
【0124】
一実施形態では、式(4a)によって表されるイミド(R
3は、C
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルビル基である)は、式(4a)のイミド(R
3は−Hである)とアルコール、アミン、チオール、またはそれらの混合物とを反応させることにより調製することができる。ポリマー鎖をアルコール、アミン、またはチオールによりキャッピングして本発明のポリマーを生じさせるための反応条件は、当分野で公知である。
【0125】
あるいは、式(4a)のイミド(R
3はC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルビル基であり得る)は、アミノ酸と縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて、酸官能化縮合芳香族イミドを形成するステップ、ならびに、次に酸官能化縮合芳香族イミドと、ヒドロキシル官能化ポリエステル、ヒドロキシル官能化ポリエステルアミド、アミノ官能化ポリエステルアミドまたはアミノ官能化ポリアミドの一つまたは複数とを反応させるステップであって、この反応を場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で行うことができるステップを含むプロセスにより調製することができる。ヒドロキシル官能化ポリエステルは、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキレンカルボン酸、ラクトン、またはそれらの混合物の一つまたは複数と、置換されていてもよいC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルビル基との重合から得られる/得ることが可能であり、US4,861,380において開示されている通り、場合によりエステル化触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で都合よく行われる。
アミノまたはヒドロキシル官能化ポリエステルアミドは、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキレンカルボン酸、ラクトン、またはそれらの混合物の一つまたは複数と、アミノカルボン酸および置換されていてもよいC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルビル基の一つまたは複数との重合から得られる/得ることが可能であり、US5,760,257において開示されている通り、場合によりエステル化触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で都合よく行われる。
アミノ官能化ポリ(アミド)は、アミノカルボン酸の一つまたは複数と、置換されていてもよいC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルビル基との重合から得られる/得ることが可能であり、US5,760,257において開示されている通り、場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で都合よく行われる。
【0126】
式(4b)のイミド(R
3は−Hである)は、アミノアルコールと縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて、ヒドロキシル官能化縮合芳香族イミドを形成するステップ、ならびに、次にヒドロキシル官能化縮合芳香族イミドと、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物の一つまたは複数とを反応させるステップを含むプロセスにより調製することができる。ヒドロキシル官能化縮合芳香族イミドと、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物との反応は、場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で実施することができる。
【0127】
式(4b)のイミド(R
3は−Hである)は、アミノチオールと縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて、チオール官能化縮合芳香族イミドを形成するステップ、ならびに、次にチオール官能化縮合芳香族イミドと、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物の一つまたは複数とを反応させるステップを含むプロセスにより調製することができる。チオール官能化縮合芳香族イミドと、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物との反応は、場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で実施することができる。
【0128】
式(4b)のイミド(R
3は−Hである)は、ジアミンまたはポリアミンと縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて、アミノ官能化縮合芳香族イミドを形成するステップ、ならびに、次にアミノ官能化縮合芳香族イミドと、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物の一つまたは複数とを反応させるステップを含むプロセスにより調製することができる。アミノ官能化縮合芳香族イミドと、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物との反応は、場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で実施することができる。
【0129】
一実施形態では、式(4b)によって表されるイミド(R
3は、C
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基(すなわち、カルボニル基を含有するヒドロカルビル基)である)は、式(4b)のイミド(R
3は、−Hである)とカルボン酸、酸ハロゲン化物などの酸誘導体、イソシアネート、またはそれらの混合物とを反応させることにより、調製することができる。ポリマー鎖を酸、酸誘導体、またはイソシアネートによりキャッピングして本発明のポリマーを生じさせるための反応条件は、当分野で公知の反応である。
【0130】
あるいは、式(4b)のイミド(R
3は、C
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基(すなわちカルボニル基を含有するヒドロカルビル基)であり得る)は、アミノアルコール、またはアミノチオール、またはジアミンもしくはポリアミンと、縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて、ヒドロキシル官能化縮合芳香族イミド、もしくはチオール官能化縮合芳香族イミド、またはアミノ官能化縮合芳香族イミドをそれぞれ形成するステップ、ならびに、次にこれらの縮合芳香族イミドと、酸官能化ポリエステル、酸官能化ポリエステルアミド、もしくは酸官能化ポリアミド、またはそれらの混合物の一つまたは複数とを反応させるステップであって、この反応を場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で行うことができる、ステップを含むプロセスにより調製することができる。酸官能化ポリエステル、酸官能化ポリエステルアミド、または酸官能化ポリアミドは、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキレンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物の一つまたは複数と、置換されていてもよいC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基との重合により誘導可能であり、US5,760,270において開示されている通り、場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で都合よく行われる。
【0131】
そのヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レン−カルボン酸の例には、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシ吉草酸、12−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシドデカン酸、5−ヒドロキシデカン酸、4−ヒドロキシデカン酸、10−ヒドロキシウンデカン酸、乳酸、グリコール酸、またはそれらの混合物が含まれる。
【0132】
ラクトンの例には、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、任意選択でアルキル置換されているε−カプロラクトン、および任意選択でアルキル置換されているδ−バレロラクトンが含まれる。ε−カプロラクトンおよびδ−バレロラクトン中のアルキル置換基は、C1〜6−アルキルまたはC1〜4−アルキルであり得、直鎖状であっても、分枝鎖状であってもよい。適切なラクトンの例は、ε−カプロラクトン、およびその7−メチル−、2−メチル−、3−メチル−、5−メチル−、6−メチル−、4−メチル−、5−tertブチル−、4,4,6−トリメチル−、および4,6,6−トリメチル−類似体、またはそれらの混合物である。
【0133】
アミノカルボン酸の例には、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、6−アミノカプロン酸、4−アミノ酪酸、β−アラニン、グリシン、およびサルコシン、またはそれらの混合物が含まれる。
【0134】
一実施形態では、本発明のポリマーは、式(5)によって表すことができる(すなわち、このポリマーは、ポリ(エステル)co−ポリエーテル、ポリ(エステルアミド)co−ポリ(エーテル)、またはポリ(アミド)co−ポリ(エーテル)であり得る。
【化10】
式中、各可変基は、独立して、以下の通りであり得、
R
1は、置換基への結合に利用可能なQ環上の任意の位置にある置換基であり得、R
1は、独立して、−H、または電子吸引基(−CN、−NO
2、−SO
2NR’
2、−C(O)R’、−SO
3M、−C(O)OM、ハロ(例えば、−Clまたは−Br)、−NH
2、または−OR’など)、または電子供与基(−CH
3など)の一つまたは複数(通常、R
1が−H以外の場合、aによって定義される非−H基の数は、0〜2、0〜1、0、または1であり得る)によって表され、
Wは、酸素または>NGであり、
Gは、水素、または1〜200個、もしくは1〜100個、もしくは1〜30個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり得、
Mは、H、金属陽イオン、NR’
4+であり得、
R’は、−Hであっても、通常1〜20個または1〜10個の炭素原子を含有する、置換されていてもよいアルキルであってもよく、これらの置換基は、ヒドロキシルもしくはハロ(通常、Cl)、またはそれらの混合物であり得、
R
2は、C
1〜C
20、またはC
1〜C
12、またはC
1〜C
6ヒドロカルボニレン基であり得、
R
3は、末端エーテル基を形成しているポリマー鎖の末端酸素原子に結合している置換されていてもよいC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルビル基であって、ビニル基などの重合が可能な基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよいヒドロカルビル基、または末端エステル基もしくは末端ウレタン基を形成しているポリマー鎖の酸素原子に結合しているC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基(すなわち、カルボニル基を含有するヒドロカルビル基)であって、ビニル基などの重合が可能な基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよいヒドロカルボニル基であり得、この置換基は、ハロ、エーテル、エステル、またはそれらの混合物であり得、
R
4は、H、メチル、エチル、もしくはフェニルまたはそれらの混合物であり得、
R
5は、C
1〜19−ヒドロカルビレン基であり得、
Yは、酸素または>NGであり、
uは、1〜3、または1〜2、または1であり得、
wは、1〜3、または1〜2、または1であり得、
qは、1〜90であり得、
mは、1〜90であり得る。
【0135】
式(5)のポリマー鎖は、200〜10,000、または300〜5000、または500〜3000、または1000〜2500の数平均分子量を有することができる。通常、式(5)のポリマー鎖は、1000〜2500の数平均分子量を有することができる。
【0136】
式(5)のイミドは、以下のステップを含むプロセスによって調製することができる。
(i)アミノ酸と、縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて、酸官能化縮合芳香族イミドを形成して、次に、酸官能化縮合芳香族イミドと、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物の一つまたは複数とを反応させる、ステップ。酸官能化縮合芳香族イミドと、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物との反応は、場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で実施することができる。
(ii)ステップ(i)の生成物と、ポリアルキレングリコールモノ置換C
1〜20アルキ(アルケニ)レンエーテルとを、場合によりエステル化触媒の存在下で反応させるステップ。
【0137】
あるいは、式(5)のポリマーは、以下により得られる/得ることが可能でありうる。
(i)ポリアルキレングリコールモノ置換C
1〜20アルキ(アルケニ)レンエーテルと、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物の一つまたは複数とを、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で反応させて、ヒドロキシルおよび/またはアミノ末端ポリマーを形成するステップ、および
(ii)(i)の生成物と酸官能化縮合芳香族イミドとを、場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で反応させるステップ。
【0138】
一実施形態では、ポリマー鎖(Pol)は、ポリ(エーテル)co−ポリ(エステル)に基づくものである。このポリ(エーテル)co−ポリ(エステル)は、ポリアルキレングリコール(通常、ポリ(C
2〜C
4−アルキレングリコール)、およびラクトンもしくはヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、またはそれらの混合物に基づくものであり得る。
【0139】
一実施形態では、本発明のポリマーは、式(6a)によって表すことができる(すなわち、このポリマーは、ポリ(エ−テル)co−ポリ(エステル)、ポリ(エーテル)co−ポリ(エステルアミド)、またはポリ(エーテル)co−ポリ(アミド)であり得る。
【化11】
式中、各可変基は、独立して、以下の通りであり得、
R
1は、置換基への結合に利用可能なQ環上の任意の位置にある置換基であり得、R
1は、独立して、−H、または電子吸引基(−CN、−NO
2、−SO
2NR’
2、−C(O)R’、−SO
3M、−C(O)OM、ハロ(例えば、−Clまたは−Br)、−NH
2、または−OR’など)、または電子供与基(−CH
3など)の一つまたは複数(通常、R
1が−H以外の場合、aによって定義される非−H基の数は、0〜2、0〜1、0、または1であり得る)によって表され、
Wは、硫黄、>NG、または酸素(通常、酸素または>NG)であり得、
Mは、H、金属陽イオン、NR’
4+であり得、
R’は、−Hであっても、通常1〜20個または1〜10個の炭素原子を含有する、置換されていてもよいアルキルであってもよく、これらの置換基は、ヒドロキシルもしくはハロ(通常、Cl)、またはそれらの混合物であり得、
R
2は、C
1〜C
20、もしくはC
1〜C
12、もしくはC
1〜C
6ヒドロカルビレン基、またはC
1〜C
20、もしくはC
1〜C
12、もしくはC
1〜C
6ヒドロカルボニレン基、またはそれらの混合物であり得、
Gは、水素、または1〜200個、もしくは1〜100個、もしくは1〜30個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり得、
R
3は、H、または末端エステル基もしくは末端ウレタン基を形成しているポリマー鎖の酸素原子に結合しているC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基(すなわち、カルボニル基を含有するヒドロカルビル基)であって、ビニル基などの重合が可能な基を含有してもよいかまたは含有しなくてもよいヒドロカルボニル基であり得、この置換基は、ハロ、エーテル、エステル、またはそれらの混合物であり得、
R
4は、H、メチル、エチル、もしくはフェニルまたはそれらの混合物であり得、
R
5は、C
1〜19−ヒドロカルビレン基であり得、
Yは、酸素または>NGであり得、
uは、1〜3、または1〜2、または1であり得、
wは、1〜3、または1〜2、または1であり得、
qは、1〜90であり得、mは、1〜90であり得る。
【0140】
一実施形態では、本発明のポリマーは、式(6b)によって表すことができる(すなわち、このポリマーは、ポリ(エ−テル)co−ポリ(エステル)、ポリ(エーテル)co−ポリ(エステルアミド)、またはポリ(エーテル)co−ポリ(アミド)であり得る。
【化12】
式中、
Wは、Nであり(式(1)のR
2がジアミンまたはポリアミンに由来する場合に形成される)、
R
2は、C
1〜C
20、またはC
1〜C
12、またはC
1〜C
6ヒドロカルビレン基であり、
vは2であり、
他のすべての可変基は、上で定義されている。
【0141】
式(6a)または(6b)のポリマー鎖は、200〜10,000、または300〜5000、または500〜3000、または600〜2500の数平均分子量を有することができる。通常、式(6a)または(6b)のポリマー鎖は、1000〜2500の数平均分子量を有することができる。
【0142】
式(6a)は、式(3a)のイミド(R
3は、−Hである)とヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物の一つまたは複数とを反応させるステップを含むプロセスにより、調製することができる。式(3a)のイミド(R
3は、−Hである)と、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物との反応は、場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で実施することができる。
【0143】
式(6b)は、式(3b)のイミド(R
3は、−Hである)とヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物の一つまたは複数とを反応させるステップを含むプロセスにより、調製することができる。式(3a)のイミド(R
3は、−Hである)と、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキ(アルケニ)レンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物との反応は、場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で実施することができる。
【0144】
一実施形態では、式(6a)または(6b)によって表されるイミド(R
3は、C
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基(すなわち、カルボニル基を含有するヒドロカルビル基)である)は、式(6a)または(6b)のイミド(R
3は、それぞれ−Hである)とカルボン酸、酸ハロゲン化物などの酸誘導体、イソシアネート、またはそれらの混合物とを反応させることにより、調製することができる。ポリマー鎖を酸、酸誘導体、またはイソシアネートによりキャッピングして本発明のポリマーを生じさせるための反応条件は、当分野で公知の反応である。
【0145】
あるいは、式(6a)または(6b)のイミド(R
3は、C
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基(すなわち、カルボニル基を含有するヒドロカルビル基)であり得る)は、式(3a)または(3b)のイミド(R
3は、それぞれ−Hである)と酸官能化ポリエステル、酸官能化ポリエステルアミド、もしくは酸官能化ポリアミド、またはそれらの混合物の一つまたは複数とを反応させることにより、調製することができ、この反応は、場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で行うことができる。酸官能化ポリエステル、酸官能化ポリエステルアミド、または酸官能化ポリアミドは、ヒドロキシ−C
2〜20−アルキレンカルボン酸、ラクトン、アミノカルボン酸、またはそれらの混合物の一つまたは複数と、置換されていてもよいC
1〜50(またはC
1〜20)−ヒドロカルボニル基との重合により誘導可能であり、US5,760,270において開示されている通り、場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で都合よく行われる。
【0146】
一実施形態では、ポリマー鎖(Pol)は、ポリ(アルキレン)に基づくものである。一実施形態では、ポリ(アルキレン)ポリマー鎖は、式(7)
【化13】
(式中、各可変基は、独立して、以下の通りであり得、
R
1は、置換基への結合に利用可能なQ環上の任意の位置にある置換基であり得、R
1は、独立して、−H、または電子吸引基(−CN、−NO
2、−SO
2NR’
2、−C(O)R’、−SO
3M、−C(O)OM、ハロ(例えば、−Clまたは−Br)、−NH
2、または−OR’など)、または電子供与基(−CH
3など)の一つまたは複数(通常、R
1が−H以外の場合、aによって定義される非−H基の数は、0〜2、0〜1、0、または1であり得る)によって表され、
Wは、硫黄、窒素、>NH、もしくは>NG、または酸素(通常、酸素、窒素、または>NG)であり得、
Mは、H、金属陽イオン、NR’
4+、またはそれらの混合物であり得、
R’は、−Hであっても、通常1〜20個または1〜10個の炭素原子を含有する、置換されていてもよいアルキルであってもよく、これらの置換基は、ヒドロキシルもしくはハロ(通常、Cl)、またはそれらの混合物であり得、
R
2は、C
1〜C
20、もしくはC
1〜C
12、もしくはC
1〜C
6ヒドロカルビレン基、またはC
1〜C
20、もしくはC
1〜C
12、もしくはC
1〜C
6ヒドロカルボニレン基、またはそれらの混合物であり得、
Gは、水素、または1〜200個、もしくは1〜100個、もしくは1〜30個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基であり得、
R
3は、Hであり、
uは、1であり、
wは、1〜3であり、
Polは、Wが>NGの場合、ポリイソブチレン鎖であり、またはWがNの場合、Wに結合しているポリイソブチレンコハク酸無水物はイミドを形成し、またWが>NGまたは酸素の場合、アミドまたはエステルをそれぞれ形成する)
によって表されるイミド構造に組み込まれてもよい。
【0147】
式(7)のポリマー鎖(Pol)は、200〜10,000、または300〜5000、または500〜3000、または600〜2500の数平均分子量を有することができる。通常、式(7)のポリマー鎖は、1000〜2500の数平均分子量を有することができる。
【0148】
一実施形態では、式(7)によって表されるイミドは、以下のステップを含むプロセスによって調製することができる。
(i)アミノ酸と縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて、酸官能化縮合芳香族イミドを形成するステップ、および
(ii)次に、酸官能化縮合芳香族イミドと、ポリイソブチレンアミン(オレフィンポリマーおよびアミンから得られた/得ることができる)またはその混合物とを反応させる、ステップ。
最初の(イミド形成)反応のステップは、当業者に公知のイミド形成に好都合となるのに十分に高い温度(例えば少なくとも100℃、または150℃〜200℃)で行うことができる。酸官能化縮合芳香族イミドと、ポリイソブチレンアミンまたはその混合物との反応は、場合により触媒の存在下、50℃〜250℃、または150℃〜200℃の温度で実施することができる。
【0149】
一実施形態では、式(7)によって表されるイミド(Wは酸素である)は、アミノアルコールと縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて、ヒドロキシル官能化縮合芳香族イミドを形成するステップ、ならびに、次にこのヒドロキシル官能化縮合芳香族イミドとポリイソブチレンコハク酸無水物(PIBSA)とを反応させるステップを含むプロセスにより調製することができる。最初の(イミド形成)反応のステップは、当業者に公知のイミド形成に好都合となるのに十分に高い温度(例えば少なくとも100℃、または150℃〜200℃、または少なくとも100℃、または150℃〜250℃)で行うことができる。このイミドとPIBSAとを反応させる反応の第2のステップは、場合により触媒の存在下、当業者に公知の十分に高い温度(例えば少なくとも100℃、または150℃〜200℃)で行われる。
【0150】
式(7)はまた、上で明記されているプロセス条件を使用し、アミノチオールを反応させて、チオール官能化縮合芳香族イミドを形成するステップ、ならびに、次にこのチオール官能化縮合芳香族イミドとPIBSAとを反応させるステップを含むプロセスにより調製することもできる。
【0151】
式(7)(Wは窒素または>NGである)はまた、上で明記されているプロセス条件を使用し、ジアミンと縮合芳香族二酸または無水物とを反応させて、アミノ官能化縮合芳香族イミドを形成するステップ、ならびに、次にこのアミノ官能化縮合芳香族イミドとPIBSAとを反応させて式(7)の本発明のポリマーを形成するステップを含むプロセスにより調製することもできる。
【0152】
本発明はまた、少なくとも一つの縮合芳香族イミドペンダント基を有するポリマー鎖を含むポリマーであって、該鎖が、縮合芳香族二酸または無水物と、ポリアルキレンアミン(オレフィンポリマーおよびアミンから得られた/得ることができる)の一つまたは複数とを反応させることにより直接調製することができる、ポリマーも提供する。縮合芳香族二酸または無水物とポリアルキレンアミンの一つまたは複数との反応は、当業者に公知のイミド形成に好都合となるのに十分に高い温度(例えば少なくとも100℃、または150℃〜200℃、または少なくとも100℃、または150℃〜250℃)で行うことができる。ポリアルキレンアミンの例には、BASF社から入手可能な、FD−100(商標)およびKerocom(商標)Piba03として市販されているポリイソブチレンアミンが含まれる。
【0153】
ポリアルケン置換アミンの調製法の一つは、米国特許第3,275,554号、同第3,438,757号、同第3,454,555号、同第3,565,804号、同第3,755,433号、および同第3,822,289号に開示されている通り、ハロゲン化オレフィンポリマーとアミンとを反応させるステップを含む。
【0154】
ポリアルケン置換アミンの別の調製法は、米国特許第5,567,845号および同第5,496,383号に開示されている通り、ヒドロホルミル化したオレフィンとポリアミンとの反応、およびこの反応生成物の水素化を含む。
【0155】
ポリアルケン置換アミンの別の調製法は、米国特許第5,350,429号に開示されている通り、触媒を使用してまたは使用せずに、従来のエポキシ化試薬によりポリアルケンを対応するエポキシドに変換するステップ、およびこのエポキシドを還元アミノ化条件下で、アンモニアまたはアミンと反応させることによりポリアルケン置換アミンへ変換するステップを含む。
【0156】
ポリアルケン置換アミンを調製する別の方法には、米国特許第5,492,641号に開示されている通り、アミンとニトリルとを反応させることにより作製される、β−アミノニトリルの水素化が含まれる。
【0157】
ポリアルケン置換アミンを調製するさらに別の方法は、米国特許第4,832,702号に開示されている通り、ロジウムまたはコバルトなどの触媒を使用し、COおよびH
2の存在下、高圧および高温で、ポリブテンまたはポリイソブチレンをヒドロホルミル化するステップを含む。
【0158】
ポリアルケン置換アミンの上記調製法は、例示目的に過ぎず、包括的な列挙であることを意図するものではない。本発明のポリアルケン置換アミンは、上記に開示されているそれらの調製法の範囲に限定されるものではない。
【0159】
一実施形態では、本発明のポリアルケン置換アミンを作製するために使用されるオレフィンポリマーは、オレフィンポリマーから誘導される。該オレフィンポリマーには、2〜16個の炭素原子、一実施形態では2〜6個の炭素原子、そして一実施形態では2〜4個の炭素原子の重合可能なオレフィンモノマーのホモポリマーおよびインターポリマーが含まれる。インターポリマーとは、2種もしくは2種超のオレフィンモノマーが、周知の従来的手順に従ってインター重合し、ポリアルケンの構造内に、前記2種もしくは2種超のオレフィンモノマーの各々に由来する単位を有するポリアルケンを形成したものである。したがって「インターポリマー」とは、本明細書で使用する場合、コポリマー、ターポリマー、およびテトラポリマーが含まれる。当業者には明白であるように、ポリアルケン(このポリアルケンから上記ポリアルケン置換アミン(a)が誘導される)は、慣習的に「ポリオレフィン」と呼ばれることが多い。
【0160】
オレフィンモノマー(このオレフィンモノマーから上記オレフィンポリマーが誘導される)には、一つまたは複数のエチレン性不飽和基(すなわち、>C=C<)の存在を特徴とする、重合可能なオレフィンモノマーが含まれる。すなわち、それらは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン(2−メチル−1−ブテン)、1−オクテンなどのモノオレフィン性モノマー、または1,3−ブタジエンおよびイソプレンなどのポリオレフィン性モノマー(通常、ジオレフィン性モノマー)である。
【0161】
オレフィンモノマーは、通常、重合可能な末端オレフィンである。すなわち、それらの構造中の、基>C=CH
2の存在を特徴とするオレフィンである。しかし、それらの構造内の、基
【化14】
の存在を特徴とする、重合可能な内部オレフィンモノマーを使用して、ポリアルケンを形成することもできる。
【0162】
慣習的な周知の重合技法に従ってポリアルケンを調製するために使用することができる、末端および内部オレフィンモノマーの具体例には、エチレン;プロピレン;1−ブテン、2−ブテン、およびイソブテンを含むブテン(ブチレン);1−ペンテン;1−ヘキセン;1−ヘプテン;1−オクテン;1−ノネン;1−デセン;2−ペンテン;プロピレン四量体;ジイソブチレン;イソブチレン三量体;1,2−ブタジエン;1,3−ブタジエン;1,2−ペンタジエン;1,3−ペンタジエン;1,4−ペンタジエン;イソプレン;1,5−ヘキサジエン;2−メチル−5−プロピル−1−ヘキセン;3−ペンテン;4−オクテン;および3,3−ジメチル−1−ペンテンが含まれる。
【0163】
一実施形態では、オレフィンポリマーは、三塩化アルミニウムまたは三フッ化ホウ素などのルイス酸触媒の存在下で、ブテン含有量35〜75重量パーセントとイソブテン含有量30〜60重量パーセントを有するC
4精製所流(refinery stream)の重合により得られる。これらのポリブテンは、通常、主に(総反復単位の80%超)、配置
【化15】
のイソブテン反復単位を含む。
【0164】
使用することができるアミンには、アンモニア、ジアミン、ポリアミン、またはそれらの混合物(様々なジアミンの混合物、様々なポリアミンの混合物、およびジアミンとポリアミンの混合物を含む)が含まれる。これらのアミンには、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、および炭素環式アミンが含まれる。
【0165】
ジアミンおよびポリアミンは、それらの構造内に少なくとも二つの第一級アミン(例えば、H
2N−)基の存在を特徴としている。これらのアミンは、脂肪族、脂環式、芳香族、または複素環式であり得る。
【0166】
アミンはまた、ポリアミンであり得る。これらのポリアミンは、脂肪族であっても、脂環式であっても、複素環式であっても、芳香族であってもよい。ポリアミンの例には、アルキレンポリアミン、ヒドロキシ含有ポリアミン、アリーレンポリアミン、および複素環式ポリアミンが含まれる。
【0167】
アルキレンポリアミンには、式
【化16】
によって表されるものが含まれ、式中、nは1〜10、一実施形態では2〜7、そして一実施形態では2〜5の範囲であり、「アルキレン」基は1〜10個の炭素原子、一実施形態では2〜6個、そして一実施形態では2〜4個の炭素原子を有する。R
5は、独立して、水素、脂肪族、最大30個の炭素原子のヒドロキシ置換またはアミン置換脂肪族基である。通常、R
6はHまたは低級アルキル(1〜5個の炭素原子のアルキル基)であり、最も一般には、Hである。そのようなアルキレンポリアミンには、エチレンポリアミン、ブチレンポリアミン、プロピレンポリアミン、ペンチレンポリアミン、ヘキシレンポリアミン、およびヘプチレンポリアミンが含まれる。そのようなアミンの高級同族体および関連するアミノアルキル置換ピペラジンも含まれる。
【0168】
本発明のポリアルケン置換アミンの調製において有用な具体的なアルキレンジアミンおよびポリアミンには、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ジ(ヘプタメチレン)トリアミン、トリプロピレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジ(トリメチレントリアミン)、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、および1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジンが含まれる。
【0169】
上記のものなどのエチレンポリアミンは、コストおよび有効性の理由からとりわけ有用である。こうしたポリアミンは、Encyclopedia of Chemical Technology、第2版、KirkおよびOthmer、第7巻、27〜39頁、Interscience Publishers, Division of John Wiley and Sons、1965年中の表題「Diamines and Higher Amines」で詳述されている。こうした化合物は、塩化アルキレンとアンモニアとを反応させることにより、またはエチレンイミンとアンモニアなどの開環試薬との反応により、最も都合よく調製される。これらの反応が、ピペラジンなどの環式縮合生成物を含む、やや複雑なアルキレンポリアミン混合物が生じさせる。
【0170】
他の有用なタイプのポリアミン混合物には、上記ポリアミン混合物をストリッピングした結果、しばしば「ポリアミンボトム(polyamine bottom)」と呼ばれるものを残留物として残すものがある。一般に、アルキレンポリアミンボトムは、200℃未満で沸騰する物質を、2重量%未満、通常、1重量%未満有するものと特徴づけることができる。Dow Chemical Company社(Freeport、Texas)から得られるこうしたエチレンポリアミンボトムの典型的な試料(「E−100」と称される)は、15.6℃で比重1.0168、窒素比率33.15重量%、および40℃で121センチストークスの粘度を有する。このような試料のガスクロマトグラフィー分析は、0.93重量%の「ライトエンド(Light End)」(ほとんどは、おそらくDETA)、0.72重量%のTETA、21.74重量%のテトラエチレンペンタミン、および76.61重量%もしくは76.61重量%超のペンタエチレンヘキサミンを含有する。これらのアルキレンポリアミンボトムには、ピペラジンなどの環式縮合生成物、およびジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミンなどの高級類似体が含まれる。
【0171】
ヒドロキシ含有ポリアミンには、窒素原子上に、一つまたは複数のヒドロキシアルキル置換基を有するヒドロキシアルキルアルキレンポリアミンが含まれる。そのようなポリアミンは、上記のアルキレンポリアミンと、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびブチレンオキシド)の一つまたは複数とを反応させることにより作製することができる。第一級、第二級または第三級アルカノールアミンと、エチレン、プロピレンまたはそれよりも高級のエポキシドとを1:1〜1:2のモル比で反応させることにより作製される生成物などの、類似のアルキレンオキシド−アルカノールアミン反応生成物も使用することができる。こうした反応を実施するための反応物の比および温度は、当業者に公知である。
【0172】
一実施形態では、ヒドロキシアルキル置換アルキレンポリアミンは、ヒドロキシアルキル基が、低級ヒドロキシアルキル基(すなわち8個未満の炭素原子を有する)であるものであり得る。こうしたヒドロキシアルキル置換ポリアミンの例には、モノヒドロキシプロピル置換ジエチレントリアミン、ジヒドロキシプロピル置換テトラエチレンペンタミン、およびN−(3−ヒドロキシブチル)テトラメチレンジアミンが含まれる。
【0173】
アリーレンポリアミンの例には、ビス−(パラ−アミノフェニル)メタンが含まれる。
【0174】
ポリアルケン置換アミンの数平均分子量は、500〜5000、または500〜3000、そして一実施形態では、1000〜2500の範囲であり得る。
【0175】
一実施形態では、ポリマー鎖(Pol)は、ポリ(アルキレン)に基づくものである。ポリ(アルキレン)ポリマー鎖は、ヒドロカルビル置換アシル化剤に基づくものであり得、いくつかの実施形態では、数平均分子量が、300〜5000、450〜4000、500〜3000、または550〜2500の範囲のヒドロカルビル基を通常有する。いくつかの実施形態では、ヒドロカルビル基は、約550、または約750、または950〜1000、または約1600または約2300の数平均分子量を有する。
【0176】
一実施形態では、ヒドロカルビル基はポリマーを含む。適切なポリマーの例には、ポリオレフィンが含まれる。
【0177】
一実施形態では、このポリマーは、少なくとも1種のオレフィン、またはオレフィンのその組合せから得られる/得ることが可能でありうる。
【0178】
いくつかの実施形態では、このポリマーは、2〜8個の炭素原子、または3〜6個の炭素原子を含有するオレフィンから得られる/得ることが可能である。適切なオレフィンの例には、プロピレン、イソブチレン、ペンテンまたはヘキサン(hexane)が含まれる。通常、このポリマーはイソブチレンから誘導されて、ポリイソブチレンを形成する。
【0179】
一実施形態では、このポリマーは末端C=C二重結合基、すなわちビニリデン基を有する。通常、存在するビニリデン基の量は、ポリマー(特に、ポリイソブチレン)がBF
3またはAlCl
3によって調製することができるので、重要ではない。
【0180】
存在するビニリデン基の量は、通常、ポリマー分子の少なくとも2重量%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%である。多くの場合、ビニリデン基の量は、分子の約75%、約80%、または約85%で存在する。
【0181】
ポリマーは、Glissopal(登録商標)1000またはGlissopal(登録商標)2300(BASF社から市販)、TPC(登録商標)555、TPC(登録商標)575、またはTPC(登録商標)595(Texas Petroleum Chemicals社から市販)の商標名で商業的に得ることができる。
【0182】
ヒドロカルビルアシル化剤のアシル化剤は、そのカルボン酸または無水物などの一つまたは複数の酸官能基を有する化合物であり得る。アシル化剤の例には、アルファ、ベータ不飽和モノまたはポリカルボン酸、その無水物 エステルまたは誘導体が含まれる。アシル化剤の例には、マロン酸、コハク酸およびフタル酸、グルタル酸無水物、無水コハク酸および無水フタル酸、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、マレイン酸もしくは無水物、フマル酸、イタコン酸もしくは無水物、またはそれらの混合物が含まれる。
産業応用
【0183】
組成物中に存在している微粒子状固体は、任意の無機または有機固体物質であり得、この物質は、関係する温度において、有機媒体に実質的に不溶であり、また、該組成物中で、微粉形態で安定であることが望ましい。微粒子状固体は、粒状物質、ファイバー、プレートレットの形態、または粉末形態、多くの場合、ブローン粉末(blown powder)の形態であり得る。一実施形態では、この微粒子状固体は顔料である。
【0184】
微粒子状固体(通常、顔料またはフィラー)は、光散乱法測定によって測定される平均粒子サイズが、10ナノメートル〜10ミクロン、または10ナノメートル〜1、2、3もしくは5ミクロン、または20ナノメートル〜1、2、3もしくは5ミクロンの直径を有することができる。
【0185】
適切な固体の例は、ソルベントインク用の顔料;塗料およびプラスチック材料用の顔料、増量剤、フィラー、発泡剤、および難燃剤;染料、とりわけ分散性染料;溶媒染色浴用の蛍光増白剤(optical brightening agent)および織物助剤;インク、トナー、および他の溶媒利用系のための顔料;オイルベースおよび逆エマルション掘削泥水用の固体;ドライクリーニング液中のほこりおよび固体粒子;金属;セラミックス、ピエゾセラミック印刷、難燃物質(refactory)、研磨材、鋳物、コンデンサ、燃料電池、強磁性流体、導電性インク、磁気記録用媒体、水処理、および炭化水素土壌修復のための粒状セラミック材料および磁性材料;有機および無機ナノ分散固体;バッテリー中の電極用金属、金属酸化物、および炭素、コンポジット材料用の木材、紙、ガラス、鋼、炭素およびホウ素などのファイバー;ならびに有機媒体中の分散物として利用される殺生物剤、農業化学品および医薬品である。
【0186】
一実施形態では、これらの固体は、例えばColour Index、(1971年)の第3版およびそれに続く改訂版ならびにそれに対する付録における章題「Pigments」に記載されている、承認されている分類の顔料のいずれかからの有機顔料である。有機顔料の例は、アゾ、ジスアゾ、トリスアゾ、縮合アゾ、アゾレーキ、ナフトール顔料、アンタントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、ベンゾイミダゾロン、カルバゾール、ジケトピロロピロール、フラバントロン、インジゴイド顔料、インダントロン、イソジベンゾアントロン、イソインダントロン、イソインドリノン、イソインドリン、イソビオラントロン、金属錯体顔料、オキサジン、ペリレン、ペリノン、ピラントロン、ピラゾロキナゾロン、キナクリドン、キノフタロン、チオインジゴ、トリアリールカルボニウム顔料、トリフェンジオキサジン、キサンテンおよびフタロシアニン系、とりわけ銅フタロシアニンおよびその核ハロゲン化誘導体に由来するものであり、また酸性染料、塩基性染料および媒染染料のレーキに由来するものである。カーボンブラックは、厳密には無機であるが、その分散特性においてむしろ有機顔料のように振る舞う。一実施態様では、有機顔料は、フタロシアニン、とりわけ銅フタロシアニン、モノアゾ、ジスアゾ、インダントロン、アントラントロン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ペリレンおよびカーボンブラックである。
【0187】
無機顔料の例には、二酸化チタン、ルチル型二酸化チタンおよび表面被覆二酸化チタン、黄色および黒色などの様々な色の酸化チタン、黄色、赤色、褐色および黒色などの様々な色の酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウムなどの金属酸化物、バナジン酸ビスマス、アルミン酸コバルト、スズ酸コバルト、亜鉛酸コバルト、クロム酸亜鉛などのオキシ金属化合物、ならびにマンガン、ニッケル、チタン、クロム、アンチモン、マグネシウム、コバルト、鉄、またはアルミニウムの2種もしくは2種超の混合金属酸化物、プルシアンブルー、朱、群青、リン酸亜鉛、硫化亜鉛、カルシウムおよび亜鉛のモリブデン酸塩およびクロム酸塩、アルミニウムフレーク、銅、および銅/亜鉛合金などの金属効果顔料、炭酸鉛およびオキシ塩化ビスマスなどの真珠光沢フレークが含まれる。
【0188】
無機固体には、重質および沈降炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、ホスホン酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、天然水酸化マグネシウムまたはブルーサイト、沈降水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三水酸化アルミニウム、アルミニウムヒドロペルオキシドまたはベーマイト、ケイ酸カルシウムおよびケイ酸マグネシウム、ナノクレイ、カオリンを含むアルミノシリケート、ベントナイト、ヘクトライトおよびサポナイトを含むモンモリロナイト、天然、合成、および膨張性のものを含むボールクレー、雲母、白雲母、金雲母、鱗雲母および緑泥石を含むタルク、チョーク、合成および沈降シリカ、ヒュームドシリカ、金属ファイバーおよび粉末、亜鉛、アルミニウム、ガラスファイバー、耐熱ファイバー、単層および多層カーボンナノチューブを含むカーボンブラック、強化性および非強化性カーボンブラック、グラファイト、バックミンスターフラーレン、アスファルテン、グラフェン、ダイヤモンド、アルミナ、石英、パーライト、ペグマタイト、シリカゲル、木粉、軟質木材および硬質木材を含む木材フレーク、おがくず、粉末化紙/ファイバー、セルロースファイバー(ケナフ、麻、シサル麻、アマ、綿、コットンリンター、黄麻、カラムシ、イネ殻すなわちもみ殻、ラフィア、ガマの葦、ヤシの実ファイバー、コイア、アブラヤシファイバー、カポック、バナナの葉、カロ(caro)、クラワ、ヘネケ麻の葉、ハラケケ(harakeke)の葉、マニラ麻、サトウキビの絞りかす、ワラ、竹片、小麦粉、およびMDFなど)、バーミキュライト、ゼオライト、ハイドロタルサイト、発電所からのフライアッシュ、下水汚泥焼却灰(icinerated sewage sludge ash)、ポゾラン、高炉スラグ、アスベスト、クリソタイル、アンソフィライト、クロシドライト、ウォラストナイト、およびアタパルジャイトなど、粒状セラミック材料(アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化セリウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、シリコン−アルミニウム混合窒化物および金属チタン酸塩など);粒状磁性材料(遷移金属、多くの場合、鉄およびクロムの磁性酸化物(例えばガンマ−Fe
2O
3、Fe
3O
4、およびコバルトドープ酸化鉄、フェライト(例えば、バリウムフェライト))など);および金属粒子(例えば、金属アルミニウム、鉄、ニッケル、コバルト、銅、銀、金、パラジウム、および白金、ならびにそれらの合金)などの増量剤およびフィラーが含まれる。
【0189】
他の有用な固体材料には、難燃剤(ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロドデカン、ポリリン酸アンモニウム、メラミン、メラミンシアヌレート、酸化アンチモン、およびボレートなど);殺生物剤または工業用微生物剤(Kirk−Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology、13巻、1981年、第3版における「Industrial Microbial Agents」と題する章の表2、3、4、5、6、7、8および9において言及されているものなど)、および殺真菌剤(フルトリアフェン、カルベンダジム、クロロタロニル、およびマンコゼブ)など農業化学品が含まれる。
【0190】
本発明の組成物中に存在している有機媒体は、一実施形態では、プラスチック材料であり、別の実施形態では、有機液体である。有機液体は、非極性有機液体であってもよく、極性有機液体であってもよい。この有機液体に関連する「極性」という用語とは、有機液体が、Crowleyらによる「A Three Dimensional Approach to Solubility」(Journal of Paint Technology、38巻、1966年、269頁)と題する論文中に記載されているように、中程度から強力な結合を形成することができることを意味する。そのような有機液体は、一般に上記の論文中で定義されている、5もしくは5より多くの水素結合数を有するものである。
【0191】
適切な極性有機液体の例は、アミン、エーテル、とりわけ、低級アルキルエーテル、有機酸、エステル、ケトン、グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステル、アルコールおよびアミドである。こうした中程度の強力な水素結合性液体の多くの具体例は、Ibert Mellanによる「Compatibility and Solubility」(Noyes Development Corporation社により1968年に出版)と題する本の39〜40頁の表2.14において与えられており、これらの液体はすべて、本明細書で使用する極性有機液体という用語の範囲内にある。
【0192】
一実施形態では、極性有機液体は、ジアルキルケトン、アルカンカルボン酸とアルカノールのアルキルエステルであり、とりわけこうした液体は、合計で最大6個(6個を含む)の炭素原子を含有する。極性有機液体の例には、ジアルキルおよびシクロアルキルケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルn−アミルケトンおよびシクロヘキサノンなど);アルキルエステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ギ酸エチル、プロピオン酸メチル、酢酸メトキシプロピル、および酪酸エチルなど);グリコール、グリコールエステル、およびグリコールエーテル(エチレングリコール、2−エトキシエタノール、3−メトキシプロピルプロパノール、3−エトキシプロピルプロパノール、酢酸2−ブトキシエチル、酢酸3−メトキシプロピル、酢酸3−エトキシプロピル、および酢酸2−エトキシエチルなど);アルカノール(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、およびイソブタノール(2−メチルプロパノールとしても知られている)、テルピネオールなど)、ならびにジアルキルおよび環式エーテル(ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランなど)が含まれる。一実施形態では、溶媒は、アルカノール、アルカンカルボン酸、およびアルカンカルボン酸のエステルである。一実施形態では、本発明は、水性媒体において実質的に不溶である有機液体に適している。さらに、当業者であれば、有機液体全体が水性媒体に実質的に不溶であるとしても、少量の水性媒体(グリコール、グリコールエーテル、グリコールエステルおよびアルコールなど)が、有機液体中に存在していることがあることを認識する。
【0193】
極性有機液体として使用することができる、有機液体の例は、塗料およびインクなどの様々な用途における使用のための、インク、塗料、およびチップの調製に適切なフィルム形成性樹脂である。そのような樹脂の例には、Versamid(商標)およびWolfamid(商標)などのポリアミド、ならびにエチルセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロースエーテル、それらの混合物を含めたニトロセルロースおよびセルロースアセテートブチレート樹脂が含まれる。塗料用樹脂の例には、短油アルキド/メラミン−ホルムアルデヒド、ポリエステル/メラミン−ホルムアルデヒド、熱硬化性アクリル/メラミン−ホルムアルデヒド、長油アルキド、中油アルキド、短油アルキド、ポリエーテルポリオール、ならびにアクリルおよび尿素/アルデヒドなどの多媒体樹脂が含まれる。
【0194】
有機液体は、ポリオール、すなわちヒドロキシ基を2個もしくは2個より多く有する有機液体であってもよい。一実施形態では、ポリオールには、α−ωジオール、またはα−ωジオールエトキシレートが含まれる。
【0195】
一実施形態では、非極性有機液体は、脂肪族基、芳香族基、またはそれらの混合物を含有する化合物である。非極性有機液体には、非ハロゲン化芳香族炭化水素(例えば、トルエンおよびキシレン)、ハロゲン化芳香族炭化水素(例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン)、非ハロゲン化脂肪族炭化水素(例えば、完全飽和および部分飽和の両方の炭素原子を6個もしくは6個より多く含有する直鎖状および分枝鎖状脂肪族炭化水素)、ハロゲン化脂肪族炭化水素(例えば、ジクロロメタン、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエタン)、および天然の非極性有機物(例えば、植物性油、ヒマワリ油、ナタネ油、アマニ油、テルペンおよびグリセリド)が含まれる。
【0196】
一実施形態では、有機液体は、有機液体の合計を基準として、少なくとも0.1重量%、または1重量%もしくは1重量%超の極性有機液体を含む。有機液体は、場合により水をさらに含む。一実施形態では、有機液体は、水を含まない。
【0197】
このプラスチック材料は、熱硬化性樹脂あってもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。本発明において有用な熱硬化性樹脂には、加熱された場合、触媒作用を受けた場合、または紫外線、レーザー光、赤外線、カチオン、電子線、もしくはマイクロ波放射線に曝された場合、化学反応を経て、比較的不溶融性となる樹脂が含まれる。熱硬化性樹脂における典型的な反応には、不飽和二重結合の酸化、エポキシ/アミン、エポキシ/カルボニル、エポキシ/ヒドロキシル、エポキシとルイス酸またはルイス塩基との反応、ポリイソシアネート/ヒドロキシ、アミノ樹脂/ヒドロキシ部位、フリーラジカル反応、またはポリアクリレートが関与する反応、エポキシ樹脂とビニルエーテルのカチオン重合、およびシラノールの縮合が含まれる。不飽和樹脂の例には、一つまたは複数の二酸または無水物と一つまたは複数のジオールとの反応によって作製されるポリエステル樹脂が含まれる。こうした樹脂は、スチレンまたはビニルトルエンなどの反応性モノマーとの混合物として一般に供給されており、オルトフタル酸樹脂およびイソフタル酸樹脂と称されることが多い。さらなる例には、ポリエステル鎖中の共反応物としてジシクロペンタジエン(DCPD)を用いる樹脂が含まれる。さらなる例には、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと不飽和カルボン酸(メタクリル酸など)との反応生成物であって、その後にスチレン中の溶液として供給されてビニルエステル樹脂と一般的に称される、反応生成物も含まれる。
【0198】
一実施形態では、熱硬化性コンポジットまたは熱硬化性プラスチックは、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、スチレン中のポリエステル樹脂、ポリスチレン、またはそれらの混合物であってもよい。
【0199】
ヒドロキシ官能性を有するポリマー(多くの場合、ポリオール)は、アミノ樹脂またはポリイソシアネートと架橋するための熱硬化系において広く使用されている。これらのポリオールには、アクリルポリオール、アルキドポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびポリウレタンポリオールが含まれる。典型的なアミノ樹脂には、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、およびグリコールウリルホルムアルデヒド樹脂が含まれる。ポリイソシアネートは、モノマー性脂肪族ジイソシアネート、モノマー性芳香族ジイソシアネートとそれらのポリマーの両方を含む、イソシアネート基を2個もしくは2個より多く有する樹脂である。典型的な脂肪族ジイソシアネートには、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、および水素化ジフェニルメタンジイソシアネートが含まれる。典型的な芳香族イソシアネートには、トルエンジイソシアネートおよびジフェニルメタンジイソシアネートが含まれる。
【0200】
一実施形態では、熱可塑性樹脂には、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリスチレン類(polystyrenics)、ポリ(メタ)アクリレート、セルロースおよびセルロース誘導体が含まれる。前記組成物は、いくつかの方法で調製することができるが、溶融混合法および乾式固体ブレンド法が一般的な方法である。適切な熱可塑性プラスチックの例には、(低密度、または直鎖状低密度もしくは高密度)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ナイロン6、ナイロン6/6、ナイロン4/6、ナイロン6/12、ナイロン11およびナイロン12、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、熱可塑性ポリウレタン、エチレンビニルアセテート(EVA)、Victrex PEEK(商標)ポリマー(オキシ−1,4−フェニレンオキシ(phenylenoeoxy)−1,4−フェニレン−カルボニル−1,4−フェニレンポリマー)およびアクリロニトリルブタジエンスチレンポリマー(ABS);ならびに様々な他のポリマーブレンドまたはアロイが含まれる。
【0201】
所望の場合、本発明の組成物は、他の成分、例えば、樹脂(これらは、有機媒体を依然として構成していない)、結合剤、共溶媒、架橋剤、流動化剤、湿潤剤、沈殿防止剤、可塑剤、界面活性剤、本発明の化合物以外の分散剤、保湿剤、消泡剤、へこみ防止剤、レオロジー改質剤、熱安定剤、光安定剤、UV吸収剤、抗酸化剤、平滑剤、光沢改質剤、殺生物剤、および保存剤を含有することができる。
【0202】
所望の場合、プラスチック材料を含有する組成物は、他の成分、例えば、本発明の化合物以外の分散剤、かぶり防止剤、核剤、発泡剤、難燃剤、加工助剤、界面活性剤、可塑剤、熱安定剤、UV吸収剤、抗酸化剤、香料、離型助剤、帯電防止剤、抗微生物剤、殺生物剤、カップリング剤、潤滑剤(外部および内部)、衝撃改質剤、スリップ剤、脱気泡剤および粘度降下剤を含有していてもよい。
【0203】
本組成物は、通常1〜95重量%の微粒子状固体を含有しており、正確な量は該固体の性質に依存し、またその量は、該固体の性質、および該固体と極性有機液体の相対密度に依存する。例えば、固体が有機顔料などの有機材料である組成物は、一実施形態では、組成物の総重量を基準として、15〜60重量%の固体を含有する一方、固体が、無機顔料、フィラーまたは増量剤などの無機材料である組成物は、一実施形態では、40〜90重量%の固体を含有する。
【0204】
有機液体を含有する組成物は、分散液を調製するのに、公知の従来法のいずれによっても調製され得る。したがって、固体、有機媒体および分散剤は、いずれの順序で混合されてもよく、次に、該混合物は機械的処理が施され、分散液が形成されるまで、例えば、高速混合、ボールミル粉砕、バスケットミル粉砕、ビーズミル粉砕、砂利粉砕、砂磨砕、アトリター磨砕、2本ロールまたは3本ロール粉砕、プラスチック粉砕により、固体の粒子を適切なサイズに小さくする。あるいは、これらの固体を、独立して、または有機媒体か分散剤のいずれかとの混合物中で処理して、その粒子サイズを低下させることができ、次いで、他の成分(複数可)を添加し、この混合物を撹拌すると組成物が提供され得る。本組成物はまた、乾燥固体を分散剤と一緒に磨砕または粉砕し、次に液状媒体を加えるか、または顔料フラッシングプロセスで、液状媒体中、該固体と分散剤とを混合することにより作製することもできる。
【0205】
プラスチック材料を含有する組成物は、熱可塑性化合物の調製に公知の従来法のいずれによっても調製することができる。したがって、固体、熱可塑性ポリマー、および分散剤を任意の順で混合してもよく、次にこの混合物に機械的処理を施し、例えば、バンバリー混合、リボンブレンド、2軸押出し成形、2本ロール粉砕、バスコニーダーでのコンパウンディング、または類似機器により、固体の粒子を適切なサイズに小さくする。
【0206】
本発明の組成物は、特に液分散に好適である。一実施形態では、こうした分散液の組成物は、以下の
(a)微粒子状固体を0.5〜80部、
(b)式(1)のポリマーを0.1〜79.6部、および
(c)有機液体および/または水を19.9〜99.4部
を含む(相対部はすべて、重量基準であり、その量は、(a)+(b)+(c)=100である)。
【0207】
一実施形態では、構成要素a)は、顔料を0.5〜30部含み、こうした分散液は、(液状)インク、塗料、およびミルベースとして有用である。
【0208】
微粒子状固体および式(1)の分散剤を乾燥形態で含む組成物が必要な場合、有機液体は、通常、揮発性があり、その結果、有機液体は、蒸発などの単純な分離手段により微粒子状固体から容易に除去され得る。一実施形態では、本組成物は有機液体を含む。
【0209】
乾燥組成物が式(1)の分散剤、および微粒子状固体から本質的になる場合、通常、この組成物は、微粒子状固体の重量を基準として、式(1)の分散剤を少なくとも0.2%、少なくとも0.5%、または少なくとも1.0%含有する。一実施形態では、この乾燥組成物は、微粒子状固体の重量を基準として、式(1)の分散剤を100重量%以下、50重量%以下、20重量%以下、または10重量%以下で含有する。
【0210】
上で開示されている通り、本発明の組成物は、ミルベースを調製するのに適しており、この場合、微粒子状固体は、式(1)の化合物の存在下、有機液体中で粉砕される。
【0211】
こうして、本発明のさらなる態様によれば、微粒子状固体、有機液体、および式(1)のポリマーを含むミルベースが提供される。
【0212】
通常、ミルベースは、ミルベースの全重量を基準として、20〜70重量%の微粒子状固体を含有する。一実施形態では、この微粒子状固体は、ミルベースの10重量%以上、または20重量%以上である。こうしたミルベースは、場合により、粉砕前またはその後のいずれかで添加される結合剤を含有してもよい。
【0213】
一実施形態では、この結合剤は、有機液体の揮発の際に、組成物を結合することができるポリマー物質である。
【0214】
結合剤は、天然および合成物質を含むポリマー物質である。一実施形態では、結合剤には、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン類(polystyrenics)、ポリエステル、ポリウレタン、アルキド、多糖類(セルロース、ニトロセルロースなど)、およびカゼインなどの天然タンパク質が含まれる。結合剤は、ニトロセルロースであってもよい。一実施形態では、この結合剤は、微粒子状固体の量を基準にして、100%超、200%超、300%超、または400%超で、本組成物中に存在している。
【0215】
ミルベース中の任意選択の結合剤の量は、広い範囲にわたって変わり得るが、通常、ミルベースの連続相/液相の10重量%以上であり、多くの場合20重量%以上である。一実施形態では、結合剤の量は、ミルベースの連続相/液相の50重量%以下、または40重量%以下である。
【0216】
ミルベース中の分散剤の量は、微粒子状固体の量に依存するが、通常、ミルベースの0.5〜5重量%である。
【0217】
本発明の組成物から作製される分散液およびミルベースは、非水性および溶媒不含配合物において使用するのに特に好適であり、この場合、エネルギー硬化系(紫外線、レーザー光、赤外線、カチオン、電子線、マイクロ波)が、配合物中に存在しているモノマー、オリゴマーなど、または組み合わせ物と使用される。これらは、塗料、ワニス、インク、他のコーティング材料およびプラスチックなどのコーティング剤に使用するのに、特に好適である。適切な例には、低級、中級および高級固体塗料(low, medium and high solids paints)、一般の工業用塗料(焼付塗料、二成分塗料および金属コーティング塗料(コイルおよび缶コーティング剤など)、粉末コーティング剤、UV硬化性コーティング剤、ウッドワニスを含む);インク(フレキソ印刷用インク、グラビア印刷用インク、オフセット印刷用インク、リソグラフィ用インク、活版印刷または凸版印刷用インク、スクリーン印刷用インク、およびパッケージ印刷用印刷インク、ノンインパクトインク(インクジェットインク(熱式、圧電式、および静電式を含めた、連続インクジェットおよびドロップオンディマンドインクジェットを含む)など)、相変化インクおよびホットメルトワックスインク、インクジェットプリンタ用インク、および印刷用ワニス(オーバープリントワニスなど);ポリオールおよびプラスチゾル分散液;非水性セラミック加工、とりわけテープキャスティング、ゲルキャスティング、ドクターブレード、押出成形および射出成形型加工におけるその使用が含まれ、さらなる例は、静水圧圧縮成形用の乾燥セラミック粉末;コンポジット(シート成形およびバルク成形コンパウンドなど)、樹脂トランスファ成形品、引抜成形品、ハンドレイアップおよびスプレーレイアップ加工品(process)、マッチドダイ成形品;キャスティング樹脂のような構造材料、化粧品、ネイルコーティング剤のようなパーソナルケア、日焼け止め剤、接着剤、トナー(液体トナーなど)、プラスチック材料および電子材料(有機発光ダイオード(OLED)素子、液晶ディスプレイおよび電気泳動式ディスプレイを含めたディスプレイにおけるカラーフィルタシステムのためのコーティング用配合物など)、光学繊維コーティング剤、反射コーティング剤または反射防止コーティング剤を含むガラス用コーティング剤、導電性および磁性インクならびにコーティング剤の調製におけるその使用である。これらは、上記用途において使用される乾燥粉末の分散性を改善するための、顔料およびフィラーの表面改質に有用である。コーティング材料のさらなる例は、Bodo Muller、Ulrich Poth、Lackformulierung und Lackrezeptur、Lehrbuch fr Ausbildung und Praxis、Vincentz Verlag、Hanover(2003年)およびP. G. Garrat、Strahlenhartung, Vincentz Verlag, Hanover(1996年)において与えられている。印刷用インク配合物の例は、E. W. Flick、Printing Ink and Overprint Varnish Formulations−Recent Developments、Noyes Publications、Park Ridge NJ(1990年)およびその後の版において与えられている。
【0218】
一実施形態では、本発明の組成物は、1種または複数種の公知の追加の分散剤をさらに含む。
【0219】
以下の実施例は、本発明の例示を提供する。これらの実施例は、網羅的なものではなく、本発明の範囲を制限する意図はない。
【実施例】
【0220】
比較例1(CE1):1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物(17.03部)を撹拌したポリエーテルアミン(C12〜15アルコールをプロピレンオキシド(MW1800)と反応させ、次いで、得られたポリエーテルアルコールを塩基触媒によりアクリロニトリルに付加させ、その後、水素化して得られたアミン(85%活性)からなる)(200部)に加える。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物は、26.97mgKOH/gの酸価を有する。生成物は、国際公開WO2008/028954中のPREP2に従って調製される分散剤と類似している。
【0221】
比較例2(CE2):1,8−ナフタル酸無水物(14.46部)を撹拌器のポリエーテルアミン(150部、Surfonamine L207、Huntsman社から)に加える。この反応を窒素下、100℃で8時間、次いで150℃で12時間撹拌する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物は、5.46mgKOH/gの酸価を有する。生成物は、米国特許第6,440,207号中の開示に従って調製される分散剤と類似している。
【0222】
(実施例1)
3−ニトロ−1,8−ナフタル酸無水物(2.91部)を撹拌したポリエーテルアミン(27.09部、Surfonamine B200、Huntsman社から)に加える。この反応を、窒素下、170℃で5時間撹拌する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物は、1.19mgKOH/gの酸価を有する。
【0223】
(実施例2)
4−ニトロ−1,8−ナフタル酸無水物(4.82部)を撹拌したポリエーテルアミン(44.80部、Surfonamine B200、Huntsman社から)に加える。この反応を、窒素下、170℃で5時間撹拌する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物は、0.75mgKOH/gの酸価を有する。
【0224】
(実施例3)
4−クロロ−1,8−ナフタル酸無水物(4.17部)を撹拌したポリエーテルアミン(35.83部、Surfonamine B200、Huntsman社から)に加える。この反応を、窒素下、170℃で25時間撹拌する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物は、1.24mgKOH/gの酸価を有する。
【0225】
(実施例4)
1,8−ナフタル酸無水物(17.75部)を撹拌したポリエーテルアミン(C12〜15アルコールをプロピレンオキシド(MW1800)と反応させ、次いで、得られたポリエーテルアルコールを塩基触媒によりアクリロニトリルに付加させ、その後、水素化して得られたアミン(85%活性)からなる)(200部)に加える。この反応を、窒素下、170℃で5時間撹拌する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物は、4.12mgKOH/gの酸価を有する。
【0226】
(実施例5)
1,2−ナフタル酸無水物(1.98部)を撹拌したポリエーテルアミン(C12〜15アルコールをプロピレンオキシド(MW1800)と反応させ、次いで、得られたポリエーテルアルコールを塩基触媒によりアクリロニトリルに付加させ、その後、水素化して得られたアミン(85%活性)からなる)(23.0部)に加える。この反応を窒素下、100℃で1時間撹拌し、次いで175℃で2時間撹拌する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物の酸価は、2.10mgKOH/gである。
【0227】
分散液試験1
分散液は、エタノール/酢酸エチル(6.0部、5:1w/w)に実施例1〜5、ならびにCE1およびCE2(0.5部)を溶解させることにより調製した。次に、ニトロセルロース樹脂(1.0部、NC−DLX3/5(Nobel NC社から)、エタノール/酢酸エチル5:1中、20%の固体)を加え、続いて3mmのガラス製ビーズ(25部)、および黒色顔料(Printex(登録商標)35、Degussa社から、2.5部)を加える。内容物を水平型シェーカーで16時間粉砕した。この分散液を黒色および白色カードにコーティングし、溶媒の蒸発後、Rhopoint instruments社からのNovoglossメータを使用して光沢を測定した。通常、より高い60℃光沢度を有する試料について、より良好な結果が得られている。各分散液について得られた結果は以下の通りである:
【表1】
【0228】
中間体A:2−(2−アミノエトキシ)エタノール(15.92部)を1,8ナフタル酸無水物(30.00部)に加え、窒素下、160℃で9時間撹拌する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物の酸価は、4.83mgKOH/gである。
【0229】
中間体B:2−(2−アミノエトキシ)エタノール(30.27部)を3−ニトロ1,8ナフタル酸無水物(70.00部)に加え、窒素下、180℃で6時間撹拌する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物の酸価は、2.07mgKOH/gである。
【0230】
中間体C:中間体A(99.35部)および水酸化カリウム(1.0部)にエチレンオキシド(122.72部)を加え、窒素下、155℃で4時間撹拌する。得られた生成物は、褐色液体であり、分子量は、GPC(溶離液THF、PEG標準)により測定したところ、Mn=414およびMw=519である。
【0231】
中間体D:エチレンジアミン(20部)を水(80部)に溶解させ、水(60部)中の1,8ナフタル酸無水物(10部)の懸濁液を20分かけて加える。この混合物を45分間、70℃に加熱し、次にろ過して不純物を除去する。得られた溶液を5℃に冷却すると、生成物が黄色固体として沈殿し、このIRは、イミド形成に一致している。
【0232】
中間体E:1,8ナフタル酸無水物(10部)を、硫酸(遊離SO
3として30%のもの30部、および遊離SO
3として20%のもの30部)に0℃で25分かけて加える。この混合物を1時間95℃に加熱し、次に氷水(70部)に注ぎ入れる。得られた沈殿物をろ過し、氷酢酸(40部)、ヘキサン(40部)、および塩酸(40部)で洗浄し、次に乾燥する。得られた生成物は10.3%の硫黄を含み、そのNMRは、スルホン化に一致している。
【0233】
中間体F:ナフタル酸無水物を3−ニトロナフタル酸無水物(30.6部)に置きかえる以外、米国特許第6,403,797号の調製2に概略されているものと同じ手順および量を使用する。ベージュの固体(35.4部)が得られ、そのNMRは必要とされる生成物に一致し、最終生成物の酸価は、18.9mgKOH/gである。
【0234】
(実施例6)
3−ニトロ−1,8−ナフタル酸無水物(21.56部)を撹拌したポリエーテルアミン(C12〜15アルコールをプロピレンオキシド(MW1800)と反応させ、次いで、得られたポリエーテルアルコールを塩基触媒によりアクリロニトリルに付加させ、その後、水素化して得られたアミン(85%活性)からなる)(200部)に加える。この反応を、窒素下、160℃で4時間撹拌する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物の酸価は、4.93mgKOH/gである。
【0235】
(実施例7)
1,8ナフタル酸無水物(18.22部)を撹拌したポリエーテルアミン(46.02部、Surfonamine B200、Huntsman社から)に加える。この反応を、窒素下、175℃で4時間撹拌する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物の酸価は、4.47mgKOH/gである。
【0236】
(実施例8)
1,2ナフタル酸無水物(3.98部)を撹拌したポリエーテルアミン(46.02部、Surfonamine B200、Huntsman社から)に加える。この反応を窒素下、100℃で1時間撹拌し、次いで窒素下、5時間175℃に加熱する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物の酸価は、4.31mgKOH/gである。
【0237】
(実施例9)
2,3ナフタル酸無水物(7.96部)を撹拌したポリエーテルアミン(92.05部、Surfonamine B200、Huntsman社から)に加える。この反応を窒素下、100℃で1時間撹拌し、次いで窒素下、5時間175℃に加熱する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物の酸価は、1.39mgKOH/gである。
【0238】
(実施例10)
中間体C(98.15部)および水酸化カリウム(0.7部)にプロピレンオキシド(214.54部)を加え、窒素下、155℃で24時間撹拌する。得られた生成物は、褐色液体であり、分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(溶離液テトラヒドロフラン(THF)、ポリエチレングリコール(PEG)標準)により測定したところ、Mn=1390およびMw=1956である。
【0239】
(実施例11)
3−ニトロ1,8ナフタル酸無水物(38.69部)を撹拌したポリエーテルアミン(161.32部、Surfonamine B100、Huntsman社から)に加える。この反応を窒素下、100℃で1時間撹拌し、次いで窒素下、2時間175℃に加熱する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物の酸価は、1.0mgKOH/g未満である。
【0240】
(実施例12)
3−ニトロ1,8ナフタル酸無水物(26.74部)を撹拌したポリエーテルアミン(73.26部、Surfonamine B60、Huntsman社から)に加える。この反応を窒素下、100℃で1時間撹拌し、次いで窒素下、4時間175℃に加熱する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物の酸価は、2.46mgKOH/gである。
【0241】
(実施例13)
トリエチルアミン(1.09部)を、アセトン(50部)に溶解させた中間体E(2.93部)の撹拌溶液に加える。この反応混合物を窒素下、室温で30分間撹拌し、次にポリエーテルアミン(C12〜15アルコールをプロピレンオキシド(MW1800)と反応させ、次いで、得られたポリエーテルアルコールを塩基触媒によりアクリロニトリルに付加させ、その後、水素化して得られたアミン(85%活性)からなる)(25.97部)を加える。この反応混合物を70℃で1時間撹拌し、蒸留によりアセトンを除去する。次に、この混合物を1時間100℃に、および5時間175℃に加熱する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物の酸価は、23.9mgKOH/gである。
【0242】
(実施例14)
中間体A(10.00部)、ε−カプロラクトン(31.30g)、およびδ−バレロラクトン(35.70g)を窒素下90℃で撹拌し、ジルコニウム(IV)ブトキシド(0.23g)を加え、この混合物を6時間180℃に加熱する。得られた生成物は、暗褐色液体であり、分子量は、GPC(溶離液THF、ポリスチレン標準)により測定したところ、Mn=1300およびMw=1800である。
【0243】
(実施例15)
中間体B(3.28部)、ε−カプロラクトン(9.61部)、およびδ−バレロラクトン(10.96部)を窒素下90℃で撹拌し、ジルコニウム(IV)ブトキシド(0.07部)を加え、この混合物を6時間180℃に加熱する。得られた生成物は、暗褐色液体であり、分子量は、GPC(溶離液THF、ポリスチレン標準)により測定したところ、Mn=1320およびMw=1800である。
【0244】
(実施例16)
中間体A(5.6部)、ε−カプロラクトン(84.11部)を窒素下90℃で撹拌し、ジルコニウム(IV)ブトキシド(0.24部)を加え、この混合物を6時間180℃に加熱する。得られた生成物は、暗褐色液体であり、分子量は、GPC(溶離液THF、ポリスチレン標準)により測定したところ、Mn=1800およびMw=2200である。
【0245】
(実施例17)
中間体B(2.0部)、ε−カプロラクトン(11.72部)を窒素下90℃で撹拌し、ジルコニウム(IV)ブトキシド(0.04部)を加え、この混合物を6時間180℃に加熱する。得られた生成物は、暗褐色液体であり、分子量は、GPC(溶離液THF、ポリスチレン標準)により測定したところ、Mn=1300およびMw=1700である。
【0246】
(実施例18)
中間体C(10.86部)およびεカプロラクトン(20部)を、窒素下90℃で撹拌する。オルトリン酸(0.1g)を加え、この反応混合物を6時間120℃に加熱する。得られた生成物は、GPC(溶離液THF、ポリカプロラクトン標準)により測定した分子量が、Mn=1183およびMw=1586を有する、ワックス状固体である。
【0247】
(実施例19)
中間体A(5.02部)、リシノール酸(10.49部)、εカプロラクトン(9.25部)、およびδバレロラクトン(5.98部)を窒素下120℃で撹拌し、ジルコニウム(IV)ブトキシド(0.08部)を加え、この混合物を48時間180℃に加熱する。得られた生成物は、GPC(溶離液THF、ポリスチレン標準)により測定した分子量が、Mn=1268およびMw=1826を有する、ワックス状固体である。
【0248】
(実施例20)
中間体A(4.74部)、12−ヒドロキシステアリン酸(hydroxysteric acid)(25.03部)を窒素下120℃で撹拌し、ジルコニウム(IV)ブトキシド(0.09部)を加え、この混合物を48時間180℃に加熱する。得られた生成物は、GPC(溶離液THF、ポリスチレン標準)により測定した分子量が、Mn=1791およびMw=2149を有する、ワックス状固体である。
【0249】
(実施例21)
中間体A(5.16部)、12−ヒドロキシステアリン酸(16.32部)、およびεカプロラクトン(6.19部)を窒素下120℃で撹拌し、ジルコニウム(IV)ブトキシド(0.08部)を加え、この混合物を26時間180℃に加熱する。得られた生成物は、GPC(溶離液THF、ポリスチレン標準)により測定した分子量が、Mn=1429およびMw=1766を有する、ワックス状固体である。
【0250】
(実施例22)
1,8ナフタル酸無水物(18.57部)を撹拌したポリ(イソブチレン)アミン(152.99部、Mn=1100、鉱油中65%)に加える。この反応を窒素下、100℃で2時間撹拌し、6時間170℃に加熱する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物の酸価は、0.5mgKOH/gである。
【0251】
(実施例23)
3−ニトロ−1,8ナフタル酸無水物(25.99部)を撹拌したポリ(イソブチレン)アミン(174.45部、Mn=1100、鉱油中65%)に加える。この反応を窒素下、100℃で2時間撹拌し、次に、13時間170℃に加熱する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物の酸価は、0.9mgKOH/gである。
【0252】
(実施例24)
中間体D(5.0部)を撹拌したポリ(イソブチレン)コハク酸無水物(16.61部、Mn750)に加える。この反応を窒素下、120℃で1時間撹拌し、次に、33時間180℃に加熱する。IRは、イミド形成に一致し、最終生成物の酸価は、6.0mgKOH/gである。
【0253】
(実施例25)
中間体F(4.0部)を撹拌したカプロラクトン(19.77部)に加える。この反応を窒素下、120℃で撹拌し、次にジルコニウムブトキシド(1−ブタノール中、80%)(0.2部)を加える。この反応混合物を8時間180℃に加熱する。最終生成物の酸価は32.4mgKOH/gである。
【0254】
(実施例26)
撹拌した12−アミノドデカン酸(35.4部)に、窒素下190℃で、3−ニトロナフタル酸無水物(10.0部)を1時間かけて小分けにして加える。IRは、イミド形成に一致している。この混合物に、カプロラクトン(32.86部)を滴下漏斗によりゆっくりと加え、最後にメタンスルホン酸(0.2部)を加え、次にこの混合物を180℃で16時間加熱する。最終生成物の酸価は31.9mgKOH/gである。
【0255】
分散液試験2
実施例4、6、および7、ならびにCE1(0.5部)およびポリアミド樹脂(0.5部、Unirez(商標)138、Arizona Chemicals社から)をイソプロピルアルコール/酢酸ブチル(7.0部、7:3w/w)に溶解させる。3mmのガラス製ビーズ(25部)および黒色顔料(Printex(登録商標)35、Degussa社から、2.0部)を加え、この内容物を水平型シェーカーで16時間粉砕する。次に、得られたミルベース(0.5部)をポリアミド樹脂(0.5部、Unirez138(商標)138、Arizona Chemicals社から)に加え、ナンバー2−Kバーにより黒色および白色カードに塗布する。溶媒の蒸発後、Rhopoint instruments社からのNovoglossメータを用いて光沢を測定する。得られた結果は以下の通りである。
【表2】
【0256】
分散液試験3
実施例7〜12、およびCE1(0.6部)、ならびにポリウレタン樹脂(1.0部、Neorez(商標)U−471、DSM Neoresins社から、エタノール:酢酸エチル2/1(w/w)中、51%活性)をイソプロピルアルコール/酢酸ブチル(7.4部、7:3w/w)中に溶解させる。3mmのガラス製ビーズ(17部)および黒色顔料(Printex35、Degussa社から、1.0部)を加え、この内容物を水平型シェーカーで16時間粉砕する。次に、得られた流動性ミルベース(0.5部)をポリウレタン樹脂(1.0部、Neorez U−471、DSM Neoresins社から、エタノール:酢酸エチル2/1w/w中、34%活発)に加え、ナンバー3−Kバーにより黒色および白色カードに塗布する。溶媒の蒸発後、Rhopoint instruments社からのNovoglossメータを用いて光沢を測定する。得られた結果は以下の通りである。
【表3】
【0257】
分散液試験4
酢酸メトキシプロピル(1.6部)および酢酸ブチル(4.8部)の混合物中に、実施例13〜16(0.6部)を溶解させることにより、分散液を調製する。次に、アクリル樹脂(2.0部、Doresco(登録商標)TA96−6、Lubrizol社から)、続いて3mmのガラス製ビーズ(17部)、および黒色顔料(1.0部、FW200、Degussa社から)を加え、この内容物を水平型シェーカーで16時間粉砕する。得られた分散液のすべてが、完全に流体である。これらの分散液(0.5部)をアクリル樹脂(1.5部、Doresco TA96−9、Lubrizol社から)に入れ、No.3Kバーを用いて黒色および白色カードに塗布する。衝撃シーディング(shock seeding)の程度を決定するため、このコーティング剤を目視で評価する。
【表4】
【0258】
分散液試験5
実施例19、20、21、22、およびCE1(1.0部を基準とする、100%活性)を溶媒(7.0部)に溶解させることにより、分散液を調製し、次に、3mmのガラス製ビーズ(17部)、および赤色顔料(2.0部、Cromophtal(登録商標)red A2B、Ciba社から)を加え、この内容物を水平型シェーカーで16時間粉砕する。ミルベース全体を動くガラス製ビーズの自由度を決定することにより、粘性を評価した。CE1以外のすべての場合において、顔料は湿り、均一な分散液が形成される。分散液試験5からの結果は、以下の通りである。
【表5】
【0259】
全体として、上に示した結果により、本発明のポリマーが、有機媒体中の、色強度の改善、微粒子状固体充てん量の増加、改善された分散液の形成、明るさの改善の保持、および粘度が低下した組成物の生成の少なくとも一つを提供することが示されている。
【0260】
用語「ヒドロカルビル」または「ヒドロカルビレン」とは、本発明の文脈内では、分子の残部に直接結合している炭素原子を有する基であって、かつ炭化水素、または主として炭化水素特性を有する基を意味する。こうした基には、以下が含まれる。(1)純粋な炭化水素基;すなわち、脂肪族(例えば、アルキルまたはアルケニル)、脂環式(例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル)、芳香族、脂肪族および脂環式置換芳香族、芳香族置換脂肪族および脂環式基など、および環式基(この場合、この環は、分子の別の部分を介して完結している(すなわち、いかなる二つの指示置換基も一緒になって脂環式基を形成することができる))。こうした基は、当業者に公知である。例には、メチル、エチル、オクチル、デシル、オクタデシル、シクロヘキシル、フェニルなどが含まれる。(2)置換炭化水素基;すなわち、その基の主な炭化水素特性を変えない非炭化水素置換基を含有する基。当業者であれば、適切な置換基を認識する。例には、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ、アシルなどが含まれる。(3)ヘテロ基;すなわち、特性という点で主に炭化水素ではあるが、その他は炭素原子から構成される鎖または環中に、炭素以外の原子を含有する基。適切なヘテロ原子は、当業者には明白であり、例えば、窒素、酸素および硫黄が含まれる。
【0261】
本明細書のこれ以降に記載されている通り、本発明のポリマーの数平均分子量は、エチレンオキシドを含有するものを除き、ポリマー鎖すべてについて、ポリスチレン標準を使用するGPC分析などの公知の方法を使用して決定した。エチレンオキシドを含有するポリマー鎖の数平均分子量は、GPC(溶離液THF、PEG標準)により決定される。
【0262】
上で言及されている文献の各々は、参考として本明細書に援用されている。実施例におけるものおよび他で明示的に示したものを除き、物質量、反応条件、分子量、炭素原子数などを明記している本記載中の数量はすべて、「約」という語により修飾されているものと理解されたい。特に示さない限り、本明細書で言及されている化学品または組成物はそれぞれ、異性体、副生成物、誘導体、および商業グレード中に存在しているものと、通常、理解される、他のこうした物質を含有し得る、商業グレードの物質であると解釈すべきである。しかし、各化学成分の量は、いかなる溶媒も希釈油も除外して示されており、これらは、特に示さない限り、商業用物質中に慣用的に存在し得る。本明細書で説明されている、上限量および下限量、範囲、ならびに比の範囲は、独立して組み合わせることができることを理解されたい。同様に、本発明の各要素の範囲および量は、他のいかなる要素に関する範囲または量と一緒に使用されてもよい。
【0263】
本明細書で使用する場合、用語「ヒドロカルビレン」は、本用語の通常の意味で使用され、炭化水素から2個の水素原子を除くことにより形成される任意の二価ラジカルを含むことが意図されている。
【0264】
本明細書で使用する場合、用語「アルキ(アルケニ)レン」は、本用語の通常の意味で使用され、アルキレン基および/またはアルケニレン基を含むものと意図される。
【0265】
本発明は、その好ましい実施形態と関連して説明されているが、本明細書を一読すれば、その様々な変形が当業者に明らかになることを理解されたい。したがって、本明細書に開示されている本発明は、添付の特許請求の範囲内にあるような変形を包含することが意図されていることを理解されたい。