特許第6642963号(P6642963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6642963
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】溶接棒乾燥機の払出装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 35/40 20060101AFI20200130BHJP
【FI】
   B23K35/40 310D
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-243919(P2014-243919)
(22)【出願日】2014年12月2日
(65)【公開番号】特開2015-116611(P2015-116611A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2017年11月20日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0158535
(32)【優先日】2013年12月18日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598026253
【氏名又は名称】斗山重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴン,ヒョン サン
(72)【発明者】
【氏名】ホ,ウン ゾン
【審査官】 橋本 憲一郎
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−065790(JP,U)
【文献】 特開昭52−135454(JP,A)
【文献】 特開2002−290083(JP,A)
【文献】 特開平10−162241(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102011009898(DE,A1)
【文献】 実開昭48−103328(JP,U)
【文献】 特開昭49−121266(JP,A)
【文献】 実開昭62−086978(JP,U)
【文献】 実開昭52−012623(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 35/00−35/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接棒乾燥機を収納し、前記溶接棒乾燥機に電源を供給するための接続部材が内部に設けられたチャンバと、前記チャンバの入口に設けられる開閉ドアと、を含むモジュール型本体が複数備えられ、前記モジュール型本体の少なくとも一面には、他のモジュール型本体と結合するための締結手段が形成される溶接棒乾燥機の払出装置であって、
前記溶接棒乾燥機は、チャンバ内の両側側面及び上面から離隔し、チャンバの入口からの正面視外形が円形となるようにチャンバ内両側側面の略中央位置に配置され、溶接棒が収納された状態で溶接棒を一定の温度で保管し、
前記接続部材は、溶接棒乾燥機の払出可否を確認するためにチャンバ内一方側の側面側の位置にチャンバの底面と垂直に形成される区画板の形態で設けられる払出カード据置台と対向するようにチャンバ内他方側の側面に取り付けられており、
前記開閉ドアと、開閉ドアと接するキャビネットの各前面には、安全のために、指定の作業者以外の使用を制限するロック部が設けられ、
前記開閉ドアの枠フレームの下端側位置前面には、チャンバに関する事項が表示され、指定の作業者のみが使用できるようにする表示部材が設けられており、
前記開閉ドアは、一側が回転可能な複数のヒンジ部とヒンジ部の反対側に開閉のための取っ手とが形成され、内側が矩形に刳り抜かれたような矩形枠状となっている枠フレームと、この枠フレームの内側に、チャンバ内部の略全域を透視可能で且つ通気が行われる網部と、を有しており、
更に、前記締結手段が形成された一面には、接続端子台と接続端子函、又は接続口と接続函でなり、噛み合って電気的な接続が行われる、他のモジュール型本体と電気的に連結するための接続手段が備えられることを特徴とする溶接棒乾燥機の払出装置。
【請求項2】
更に、前記モジュール型本体には、一面に設けられた締結手段と結合可能な支持部材を備えることを特徴とする請求項に記載の溶接棒乾燥機の払出装置。
【請求項3】
更に、前記チャンバ内には、溶接棒乾燥機の電源供給時間を設定するためのタイマを備えることを特徴とする請求項に記載の溶接棒乾燥機の払出装置。
【請求項4】
前記タイマは、前記モジュール型本体のチャンバに対して、単一、又は、各チャンバ別に個別に設けられることを特徴とする請求項に記載の溶接棒乾燥機の払出装置。
【請求項5】
更に、前記チャンバ内には、溶接棒乾燥機の収納可否を感知する感知センサを備えることを特徴とする請求項に記載の溶接棒乾燥機の払出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接棒乾燥機の払出装置に関し、より詳しくは、溶接棒乾燥機に溶接棒が収納された状態で、一定の温度で保管でき、多数の作業者が煩わしさや不便さを感じることなく、速かに払出できる溶接棒乾燥機の払出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被覆アーク溶接(SMAW、Shielded Metal Arc Welding)は、アーク溶接において、最初に開発された溶接であって、現在も、広く使用されている溶接方法の1つである。被覆アーク溶接は、芯線に被覆剤を塗布した電極棒と母材との間にアークを生じさせて溶接する。主に、軟鋼、低合金鋼、ステンレス鋼、鋳鉄などの溶接に広く使用されている。また、溶接構造物の肉厚や溶接姿勢にも特別な制約がないので、造船、橋梁、建築、石油精製産業などで広く使用されている。
【0003】
被覆アーク溶接に用いられる溶接棒は、アークを発生する金属棒の外周縁に被覆剤がコーティングされたものである。そのため被覆剤が剥離するか、湿気がこもっていると、使用することができず、アークの発生がスムーズに行われない。溶接棒の保管には、被覆剤が剥離しないようにし、且つ、湿気がこもることを防止しなければならない。従来においては、携帯用の溶接棒乾燥機で使い切れなかった溶接棒は、分離して別の電気施設が揃った乾燥オーブンに入れて保管し、携帯用の溶接棒乾燥機は、棚などに積載して保管していた。
【0004】
複数の箇所で溶接を行なう大規模な作業現場では、一度に多数の作業者に携帯用の溶接棒乾燥機を支給しなくてはならないが、多大な時間を要していた。即ち、携帯用の溶接棒乾燥機を予熱するには一定の予熱時間がかかり、数十分乃至数時間を待ってから支給されていたので、非常に煩わしくて不便であった。
【0005】
また、携帯用の溶接棒乾燥機の加熱が完了した後、乾燥オーブンに保管された溶接棒を携帯用の溶接棒乾燥機に移す作業も、非常に煩わしくて不便であった。このように、従来においては、多数の作業者に携帯用の溶接棒乾燥機を支給することは、時間がかかり、また支給の手間もかかるという不都合を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国登録実用新案第20−0248562号
【特許文献2】大韓民国登録実用新案第20−0218613号
【特許文献3】大韓民国公開特許第10−2013−0093282号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、溶接棒乾燥機と溶接棒を別々に保管せず、溶接棒乾燥機に溶接棒が収納された状態で、一定の温度で保管すると共に、多数の作業者が煩わしさや不便さを感じることなく、速やかに払出することができる溶接棒乾燥機の払出装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、溶接棒乾燥機の払出装置が、溶接棒乾燥機の接続端子の形態によらず、スムーズに接続できるようにすることにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、溶接棒乾燥機の払出装置が、単位ユニット形態での使用もスムーズに行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による溶接棒乾燥機の払出装置は、溶接棒乾燥機を収納し、前記溶接棒乾燥機に電源を供給するための接続部材が内部に設けられたチャンバが複数形成されるキャビネットと、前記チャンバの入口に設けられる開閉ドアと、を含んで構成されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明による他の溶接棒乾燥機の払出装置は、溶接棒乾燥機を収納し、前記溶接棒乾燥機に電源を供給するための接続部材が内部に設けられたチャンバと、前記チャンバの入口に設けられる開閉ドアと、を含むモジュール型本体が複数備えられ、前記モジュール型本体の少なくとも一面には、他のモジュール型本体と結合するための締結手段が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、溶接棒乾燥機と溶接棒とを別々に保管することなく、溶接棒乾燥機に溶接棒が収納された状態で、一定の温度に保管すると共に、多数の作業者が煩わしさや不便さを感じることなく、速かに払出することができ、最小限の時間内に溶接棒乾燥機を払出することができ、高い経済性を有するようにできる。
【0013】
また、払出した溶接棒乾燥機に収納された溶接棒は、最良の状態で溶接が行えることにより、溶接作業の効率性も高めることができるという効果を奏する。
【0014】
更に、溶接棒乾燥機の接続端子の形態によらず、接続ができるので、溶接棒乾燥機に設けられた接続端子に関係なく、互換性も優れるという効果を奏する。
【0015】
また、単位ユニット形態への使用もスムーズに行えるので、作業条件や設置空間によって適正な大きさに組立てることができ、空間活用度を極大化することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明を説明するための全体斜視図である。
図2】本発明の開閉ドアが閉鎖した状態のチャンバを説明するための要部拡大図である。
図3図2の開閉ドアが開放した状態のチャンバを説明するための要部拡大図である。
図4】本発明の配置状態を説明するための斜視図である。
図5】本発明の他の実施例を説明するための要部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の望ましい実施例を、添付の図面を参照して詳述する。
【0018】
図1は、本発明を説明するための全体斜視図であり、図2は、本発明の開閉ドアが閉鎖した状態のチャンバを説明するための要部拡大図であり、図3は、図2による開閉ドアが開放した状態のチャンバを説明するための要部拡大図である。
【0019】
図1には、溶接棒を収納し、被覆剤が剥離するか、湿気がこもらないように、予熱させて使用できる公知の溶接棒乾燥機(D)を、一度に多量に払出可能な払出装置1を示している。本発明は、溶接棒乾燥機(D)と溶接棒とを別に保管するものではなく、溶接棒乾燥機(D)に溶接棒が収納された状態で、一定の温度で保管すると共に、多くの作業者が煩わしさや不便さを感じることなく、速かに払出できるようにすることにある。
【0020】
本発明による払出装置1は、溶接棒乾燥機(D)を個別にそれぞれ収納し、溶接棒乾燥機(D)を予熱するために、電源を供給するための接続部材20が内部に設けられたチャンバ12が複数形成されるキャビネット10と、チャンバ12の入口に通常の開閉方式で開閉可能に設けられる開閉ドア14とを含む。キャビネット10は、溶接棒乾燥機(D)が収納されるチャンバ12が最大限に構成されるように、一定の幅及び長さを有し、上面には、運搬部材であるアイボルトが装着される。
【0021】
換言すると、キャビネット10に設けられた複数のチャンバ12に、溶接棒と溶接棒乾燥機(D)とを別に保管するのではなく、溶接棒が収納された溶接棒乾燥機(D)を個別に収納すると共に、予熱まで行えるようにする。そのため、従来のような溶接棒と溶接棒乾燥機(D)とを別々に保管する施設物が不要となるので、収納空間の活用度が向上できる。合わせて、キャビネット10に設けられた複数のチャンバ12内に溶接棒乾燥機(D)を個別に収納すると共に、予熱まで行えるようにすることで、作業者が速かに払出することができる。それにより、従来のような時間浪費はもちろん、手間を最小化することができ、高い経済性も有し、払出後にも溶接棒を直ちに使用することができるので、溶接作業の効率性も高めるというメリットを有する。
【0022】
チャンバ12には、溶接棒乾燥機(D)の給電時間を設定するため、すなわち予熱のための時間を調整するタイマ(図示せず)を含む。タイマは、キャビネット10の全てのチャンバ12に対して全体に1つを設けるか、チャンバ12に個別に設けられる。ここで、溶接棒乾燥機(D)自体にも、タイマを設けることができる。タイマは、接続部材20に設けることが望ましい。それにより、チャンバ12内に収納された溶接棒乾燥機(D)の予熱を、タイマによって必要な時間に予熱するか、払出時間に合わせて、スムーズな予熱を行なうことができる。
【0023】
接続部材20は、溶接棒乾燥機(D)の接続端子(D1)の形態により選択的に接続できるように、複数の接続部を有し、具体的には接地式接続部22とコンセント式接続部24を備える。つまり、溶接棒乾燥機(D)に設けられる接続端子(D1)は、使用する作業場の現場条件によって、通常のピン方式の接地式とプラグなどのような形態に形成されるが、接続端子によらず、1つの接続部材に選択的に使用できる接地式接続部とコンセント式接続部とを備えて、使用の便利性と優れた互換性を有することができる。
【0024】
また、接続部材20には、電気を印加するための通常のオン/オフスイッチなどのような電源スイッチ(図示せず)と、この電源スイッチの作動可否を目視で判別表示する表示灯26とを含むことにより、ユーザが、電熱可否を、表示灯により容易に確認することができる。そして、チャンバ12の個数分だけ予熱する過程で、過電圧又は過電流などのような電気的な異常時にも安全に使用できるように、キャビネット10の上面やチャンバ12の内部に漏電遮断機28を設ける。ここで、漏電遮断機28は、場合によって、複数のチャンバ12を同時に接続して使用することもできる。
【0025】
また、チャンバ12内には、収納した溶接棒乾燥機(D)の払出可否を確認するための払出カード据置台15を設け、払出カード据置台15は、チャンバ12内の一側に払出カード(図示せず)を立てて据え置きするように、チャンバ12の底面で垂直に形成される区画板15Аの形態で設けられる。それにより、チャンバ12内に保管される溶接棒乾燥機(D)の払出可否を、簡単で且つ便利に確認することができるという便利性を提供する。
【0026】
また、チャンバ12内には、更に、溶接棒乾燥機(D)の収納可否を感知する感知センサ(図示せず)を設ける。感知センサは、通常の重量センサや光センサ、接触センサなどのように、チャンバ12内に溶接棒乾燥機(D)が収納されたとき、収納可否を感知する公知のセンサを用いてもよい。ここで、感知センサは、通常の制御部と連結されて、溶接棒乾燥機(D)がチャンバ12内に収納又は未収納の状態を感知して、使用者や中央制御室などに、通知し又は表示できるように連結される。それにより、チャンバ12内に保管及び予熱しようとする溶接棒乾燥機(D)が正しく収納されているか否かを、簡単で且つ便利に確認することができる。
【0027】
また、キャビネット10又はチャンバ12には、正常と非正常の状態を確認することができるアラーム手段(図示せず)を含む。アラーム手段は、通常のスピーカなどを介して、音で報知するか、又は、表示手段であるスクリーンなどを介して、溶接棒乾燥機(D)が正しく収納されて予熱が行われているか、もしくは、給電などがスムーズに行われているかを、制御部と連結されて報知できる公知の手段であれば足りる。また、アラーム手段は、前述した接続部材や漏電遮断機、表示灯や感知センサなど、払出や予熱に関する構成要素と制御部に連結されて、報知できるように具現することが望ましい。
【0028】
一方、各開閉ドア14と、開閉ドア14と接するキャビネット10の各前面には、安全のために、使用者の他に使用を制限するロック部140を含む。すなわち、ロック部140は、開閉ドア14と、開閉ドア14が閉じたとき、接するキャビネット10の前面に錠などをかけてロックする通常のロックリングであって、使用を制限するための手段である。また、開閉ドア14は、一側が回転可能な複数のヒンジ部142を備え、ヒンジ部142の反対側に、開閉のための取っ手144を含む。合わせて、開閉ドア14は、ヒンジ部142と取っ手144とが形成される枠フレーム14Aと、枠フレーム14Aの内側に、透視可能で且つ通気が行われる網部14Bとからなる。また、開閉ドア14の前方には、チャンバ12に関する事項が表示される表示部材14Cを設ける。すなわち、チャンバ12を使用する作業者の身分などを証明するようにして、指定の作業者のみが使用できるようにする。また、キャビネット10は、必要に応じて、通常のブラケットやボルトとナットなどのような連結手段によって、上/下、又は、左/右方向に連続的に連結されるので、多数の溶接棒乾燥機(D)を保管できる。
【0029】
図4に示すように、キャビネット10は、空間を最大に活用するため開閉ドアが互いに対向する両側と、前方又は後方のいずれか一方に配置される。出入路となる部分には配置されない。すなわち、‘コ’字状に形成して、最小限の空間で最大の溶接棒乾燥機(D)を保管するようにする。それにより、溶接棒乾燥機(D)の払出に際して、多くの作業員が集まっても、速やかに払出が行える。効率よく且つ高い空間の活用度を得ることができる。
【0030】
図5は、本発明の他の実施例を説明するための要部分解斜視図である。図5に示すように、払出装置1をキャビネット形態ではなく、モジュール型に製作して、作業現場や空間又は条件により、1つから数個乃至数十個に設置できるようにする。同一の構成に対しては、同一の符号を付けて説明する。
【0031】
本発明による他の実施例である払出装置1は、溶接棒乾燥機(D)を収納し、溶接棒乾燥機(D)に電源を供給するための接続部材が内部に設けられたチャンバ12と、チャンバ12の入口に設けられる開閉ドア14とを含むモジュール型本体10Aが複数形成され、モジュール型本体10Aの少なくとも一面には、他のモジュール型本体10Aと結合されるための通常のブラケットやボルト及びナットなどのような通常の締結手段(図示せず)が設けられる。モジュール型本体10Aは、一つの溶接棒乾燥機(D)のみを収納することができる直方体状の大きさで、従来のように、溶接棒乾燥機(D)と溶接棒とを分離して保管するものではなく、溶接棒乾燥機(D)に溶接棒を挿入した状態で、保管しながら予熱が行われるようにする。それにより、モジュール型本体10Aは、使用者が必要とする場所に備えて、使用する便宜性を提供する。
【0032】
一方、モジュール型本体10Aを複数備え、複数のモジュール型本体10Aを設置条件や現場によって、締結手段により単位ユニット化してもよい。ここで、モジュール型は、1つ1つずつの箱をいい、単位ユニットは、この箱が合わされた複合形態を意味する。言い換えると、モジュール型本体10Aを、締結手段を用いて、上、下に積層するか、又は、左、右に連結させて、設置条件や現場によって、小単位に単位ユニット化して使用するようにすることで、実用性と高い互換性を併せ持つことができる。
【0033】
そして、締結手段は、公知の様々な形態で具現することができるものであり、通常の複数のブラケットやボルトとナットなどによって、モジュール型本体10Aを横に連結する。また、締結手段は、モジュール型本体10Aの互いに対応する位置に、通常の結合突起と結合溝を形成して、互いに横に連結してもよい。
【0034】
一方、締結手段の他に、公知の方式によって、モジュール型本体10Aを上、下、左、右に連結できる手段を適用してもよい。それによって、作業現場の設置条件や現場条件に対応して、モジュール型本体10Aを、締結手段を用いて、必要とする個数分を連結させ、いずれの作業条件にも適した大きさに組立てて使用することができる。便利性が提供できる。また、締結手段が形成されたモジュール型本体10Aの一面には、他のモジュール型本体10Aと電気的に連結するための接続手段(図示せず)が設けられる。接続手段は、通常の接続端子台と接続端子函、又は接続口と接続函などのように、噛み合って電気的な接続が行われるような形態であることが望ましく、通常のコンセントとプラグを使ってもよい。
【0035】
また、モジュール型本体10Aには、一面に備えられた締結手段と結合可能なブラケットやゴムパッキング、又はキャスタなどのように、モジュール型本体10Aの積載が安全で且つ安定して行える支持部材(図示せず)を含む。それによって、締結手段と共に支持部材を用いて、モジュール型本体10Aを、現場条件や設置空間に対応して、必要とする単位ユニット形態へ組立てることが容易となる。一方、モジュール型本体10Aにも、溶接棒乾燥機(D)の電源供給時間を設定するためのタイマと、感知センサと、アラーム手段と、が備えられる。これについては前述のとおりであり、詳しい説明は省略する。
【符号の説明】
【0036】
1 払出装置
10 キャビネット
10A モジュール型本体
12 チャンバ
14 開閉ドア
14A 枠フレーム
14B 網部
14C 表示部材
15 払出カード据置台
15A 区画板
20 接続部材
22 接地式接続部
24 コンセント式接続部
26 表示灯
28 漏電遮断機
140 ロック部
142 ヒンジ部
144 取っ手
D 溶接棒乾燥機
D1 接続端子
図1
図2
図3
図4
図5