特許第6642967号(P6642967)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6642967低粘性をもつ、オクトクリレン非含有日焼け止め組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6642967
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】低粘性をもつ、オクトクリレン非含有日焼け止め組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/35 20060101AFI20200130BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20200130BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20200130BHJP
   A61K 8/24 20060101ALI20200130BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20200130BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   A61K8/35
   A61K8/37
   A61K8/49
   A61K8/24
   A61Q17/04
   A61K8/06
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-14037(P2015-14037)
(22)【出願日】2015年1月28日
(65)【公開番号】特開2015-140349(P2015-140349A)
(43)【公開日】2015年8月3日
【審査請求日】2017年10月12日
(31)【優先権主張番号】10 2014 201 541.3
(32)【優先日】2014年1月29日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】398042277
【氏名又は名称】バイエルスドルフ・アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Beiersdorf AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】タチアナ・シヤーデ
(72)【発明者】
【氏名】ケルステイン・スクブシユ
(72)【発明者】
【氏名】シーナ・ブリンクマン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ブレツクマン
(72)【発明者】
【氏名】デイビツド・シユレンカー
【審査官】 山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−517250(JP,A)
【文献】 特開平09−175977(JP,A)
【文献】 特開2007−261977(JP,A)
【文献】 特開2010−100553(JP,A)
【文献】 特開2007−261978(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102012200074(DE,A1)
【文献】 Mintel GNPD, ID#1826191, Protect & Tan Sun Milk SPF 20 Medium ,2012年 7月,URL,https://www.gnpd.com/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン、
b)2,4,6−トリス[アニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)]−1,3,5−トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)、
c)2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(INCI:ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)、
d)2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩、
のUVフィルター組み合わせ物を含む化粧品の日焼け止め調製物であって、
3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(INCI:オキシベンゾン)およびエチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(INCI:オクトクリレン)を含まず、そして、
シリカ・ジメチルシリレートを含み、
ジブチルアジペートおよびC12−C15アルキルベンゾエートを含むことを特徴とする、前記調製物。
【請求項2】
二酸化チタンおよび酸化亜鉛を含まないことを特徴とする、請求項1に記載の調製物。
【請求項3】
O/Wエマルションの形態にあることを特徴とする、請求項1または2に記載の調製物。
【請求項4】
乳化剤としてステアロイルグルタミン酸ナトリウムを含むことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項5】
アルファリポ酸、葉酸、フィトエン、D−ビオチン、補酵素Q10、アルファ−グルコシルルチン、カルニチン、カルノシン、天然および/または合成イソフラボノイド、フラボノイド、クレアチン、クレアチニン、タウリン、β−アラニン、トコフェリルアセテート、ジヒドロキシアセトン;8−ヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸、グリセリルグリコース、(2−ヒドロキシエチル)尿素、ビタミンEおよび/またはその誘導体、ヒアルロン酸および/またはその塩並びに/あるいはリコカルコンAの化合物群から選択される1種以上の化合物を含むことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項6】
1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオールおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールの化合物群からの1種以上のアルカンジオールを含むことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項7】
エタノール、フェノキシエタノールおよび/またはエチルヘキシルグリセロールを含むことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項8】
キサンタンガム、架橋アクリレート/C10−C30アルキルアクリレート・ポリマーおよび/またはビニルピロリドン/ヘキサデセン・コポリマーを含むことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項9】
セチルアルコール、ステアリルアルコールおよび/またはグリセリルステアレートを含むことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項10】
パラベン、メチルイソチアゾリノン、クロロメチルイソチアゾリノンおよびDMDM−ヒダントインを含まないことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の調製物。
【請求項11】
リモネン、シトラール、リナロオール、アルファ−イソメチルイオノン、ゲラニオール、シトロネロール、2−イソブチル−4−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラン、2−tert−ペンチルシクロヘキシルアセテート、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、7−アセチル−1,1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラリン、アジピン酸ジエステル、アルファ−アミルシンナムアルデヒド、アルファ−メチルイオノン、アミルCブチルフェニルメチルプロピオナールシンナマール、アミルサリチレート、アミルシンナミルアルコール、アニスアルコール、ベンゾイン、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、ベンジルシンナメート、ベンジルサリチレート、ベルガモット油、ビターオレンジ油、ブチルフェニルメチルプロピオナール、カルダモン油、セドロール、シンナマール、シンナミルアルコール、シトロネリルメチルクロトネート、かんきつ類油、クマリン、ジエチルスクシネート、エチルリナロオール、オイゲノール、エヴェルニア・フルフラセア(Evernia furfuracea)抽出物、エヴェルニア・プルナストリ(Evernia prunastri)抽出物、ファルネソール、ユソウボク油、ヘキシルシンナマール、ヘキシルサリチレート、ヒドロキシシトロネラール、ラベンダー油、レモン油、リナリルアセテート、マンダリン油、メンチルPCA、メチルヘプテノン、ナツメグ油、ローズマリー油、スウィート・オレンジ油、テルピネオール、トンカビーン油、トリエチルシトレートおよび/またはバニリンの化合物群から選択される1種以上の香料を含むことを特徴とする、請求項1から1までのいずれか1項に記載の調製物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2,4,6−トリス[アニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)]−1,3,5−トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)、2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(INCI:ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)および2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩、のUVフィルター組み合わせ物を含んでなる化粧品調製物に関する。
【背景技術】
【0002】
上品な青白さから「健康なスポーツ的褐色の皮膚」への傾向は長年破られていない。これはメラニン形成の意味の色素形成をもたらすために、これを達成するために人々は彼らの皮膚を太陽光線に露出する。しかし、日光中の紫外線はまた、皮膚に傷害効果を有する。急性傷害(日焼け)と並んで、UVB領域(波長:280〜320nm)からの光線による過剰露出時の皮膚癌を罹患する危険増加のような長期にわたる損傷が存在する。更に、過剰なUVBおよびUVA光線(波長:320〜400nm)の影響は、結合組織の弾性繊維およびコラーゲン繊維の弱体化である。これが数々の光毒性反応および光アレルギー反応に導き、皮膚の早期老化をもたらす。
【0003】
従って、皮膚を防護するために、化粧品調製物中に使用することができる一連の光線防護フィルター物質が開発されてきた。大部分の工業国においては、これらのUVAおよびUVBフィルターは「ドイツ化粧品条例の付属書類7」のような明確なリストの形態にまとめられている。
【0004】
しかし、多数の市販の日焼け止め組成物は、これらの先行調製物が一連の欠点をもつ事実を忘れるべきではない。
【0005】
それらのUVフィルター含量を含むファクターのために、化粧品の日焼け止め組成物は通常、特に、海浜における使用時に、砂がクリームを塗った皮膚の部分に付着する羽目になることを意味する特定の粘性をもつ。調製物のUVフィルター含量が大きいほど、この問題は大きい。これまでも砂をはじく日焼け止め組成物を開発する試みがなかったわけではないが、この問題は今日まで、特に高い日焼け止めファクターを特徴とする調製物の場合には、最終的な満足に到達するまでに解決されてはいない。
【0006】
従って、本発明の目的は、砂をはじく日焼け止め組成物を開発することであった。その意図は、より具体的には、砂の、特に低い付着性を示す、高い日焼け止めファクター(SPF 50以上)を有する日焼け止め組成物を開発することであった。
【0007】
更に、粘性/砂の付着性に加えて、化粧品の日焼け止め組成物の問題は、非常に多数のUVフィルターが調製物中で特に良好な溶解度をもたないことである。特に、高い日焼け防護ファクターおよび高いUVフィルター含量をもつ調製物が開発される場合、開発者はトリアジン誘導体および4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンの溶解度の問題に直面する。これまでは、この課題を解決するために液体のUV−BフィルターのオクトクリレンがUVフィルターおよび溶媒として使用されてきた。
【0008】
先行技術の更なる欠点は、日焼け止め組成物中の一連の更なる成分が光線に不安定でありそして/または熱に暴露されると破壊されるかまたは揮発する状況にある。これに関連
しては、UV−Aフィルターおよび4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンの光不安定性が具体的なチャレンジを突き付ける。オクトクリレンは好適には、4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンの光安定化のために先行技術に従って同様に使用されている。
【0009】
次に、先行技術の欠点は、認可当局によるその認可にもかかわらず、オクトクリレンの使用が全く議論の余地がないわけではなく、そして特定の消費者向け雑誌(例えば、ドイツ商品試験(German Oeko−test)において評価が実施される時に、製品の評価の「降下(markdowns)」をもたらす状況にある。この否定的評価に与えられる理由は、特定の科学者が、このUVフィルターがホルモン活性をもつ可能性があるという疑いをもつためである。日焼け止め組成物中への世界中でのこのUVフィルターの何十年にもわたる使用にも拘わらず、使用者に否定的効果が明白にならなかった場合ですら、消費者の間にはこのような成分を含む調製物を避けたいという希望がまだ存在する。
【0010】
従って、先行技術の欠点を克服し、そしてそこでUVフィルターが安定に溶解され、そして4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンの光化学分解が抑制される、高い光防護ファクターをもつ砂反撥日焼け止め組成物を開発することが本発明の目的であった。理想的には、溶媒および安定剤としてオクトクリレンを使用せずに、本目的を達成することが可能でなければならない。
【発明の概要】
【0011】
驚くべきことには、その目的は、
a) 4−(tert−ブチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン、
b) 2,4,6−トリス[アニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)]−1,3,5−トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)、
c) 2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(INCI:ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン)、
d) 2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸塩、
のUVフィルター組み合わせ物を含んでなる化粧品の日焼け止め組成物により解決される。
【0012】
調製物が3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(INCI:オキシベンゾン)およびエチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(INCI:オクトクリレン)を含まず、従ってこれらの成分を含まない場合に、それは本発明に従って好ましい。
【0013】
本発明の調製物が二酸化チタンおよび酸化亜鉛を含まない場合に、それは本発明に従って好都合である。
【0014】
本発明の調製物は驚くほど少ない総量のUVフィルターを使用することができる。
【0015】
特許請求されるUVフィルター組み合わせ物に加えて、本発明の調製物は更なるUVフィルターを含んでなることができる。これらは、フェニレン−1,4−ビス(2−ベンズイミダジル)−3,3’,5,5’−テトラスルホン酸塩;1,4−ジ(2−オキソ−10−スルホ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンおよびその塩;4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸塩;2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)スルホン酸塩;2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール);2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−[2−メチル−3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]フェノール;3−ベンジリデンカンファー;テレフタリデンジカンファースルホン酸;2−エチルヘキシル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート;アミル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート;ジ(2−エチルヘキシル)4−メトキシベンザルマロネート;イソアミル4−メトキシシンナモエート;ヘキシル2−(4’−ジエチルアミノ−2’−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、エチルヘキシルサリチレート、ホモメンチルサリチレート、2−エチルヘキシル2−ヒドロキシベンゾエート;ジメチコジエチルベンザルマロネート;3−(4−(2,2−ビス−エトキシカルボニルビニル)−フェノキシ)プロペニル)メトキシシロキサン/ジメチルシロキサン・コポリマー;ジオクチルブチルアミドトリアゾン(INCI:ジエチルヘキシル−ブタミドトリアゾン);2,4,6−トリビフェニル−4−イル−1,3,5−トリアジン、の化合物群から、本発明に従って好都合に選択されることができる。
【0016】
本発明の調製物がエマルションまたは分散物の形態、好適にはエマルションの形態、そしてより好適にはO/Wエマルションの形態にある場合に、それは本発明に従って好都合である。
【0017】
本発明の調製物がO/Wエマルションの形態にある場合、それは本発明に従って好都合に、調製物がグリセリルステアレートシトレート、グリセリルステアレート(自己乳化性)、ステアリン酸、ステアリン酸塩、ポリグリセリル−3−メチルグリコースジステアレート、ナトリウムセテアリルスルフェート、カリウムセチルホスフェート、ポリグリセリル−10ステアレートおよびナトリウムステアリルグルタメートの化合物群から選択される1種以上のO/W乳化剤を含んでなることを特徴とする。
【0018】
本発明に従って好都合には、本発明のこれらのO/W乳化剤は調製物の総重量に基づいて0.001〜10重量%、そして好適には0.1〜7重量%の濃度で調製物中に含まれることができる。
【0019】
調製物が乳化剤としてナトリウムステアリルグルタメートを含んでなる場合に、それは本発明に従って好適である。
【0020】
更に、調製物がセチルアルコール、ステアリルアルコールおよび/またはグリセリルステアレートを含んでなる場合に、それは発明に従って好都合である。
【0021】
本発明の調製物がポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールエーテルおよびポリエチレングリコールエステル(いわゆるPEG誘導体)を含まない場合に、それは本発明に従って好都合である。
【0022】
本発明の調製物は好都合には保湿剤を含んでなることができる。保湿剤は皮膚表面上への適用または分散後に、化粧品調製物に、角質層の水分喪失(経皮的水分喪失(TEWL)とも呼ばれる)を低下させ、そして/または角質層の水和に積極的に影響を与える品質を与える化合物または化合物の混合物である。
【0023】
本発明の意味における好都合な保湿剤は例えば、グリセロール、乳酸および/またはラクテート、特に乳酸ナトリウム、ブチレングリコール、プロピレングリコール、生体糖質ガム−1、大豆グリシン、エチルヘキシルオキシグリセロール、ピロリドンカルボン酸および尿素である。とりわけ、水溶性そして/または水中で膨潤性そして/または水の補助によりゲル化可能な多糖類の群からのポリマーの保湿剤の使用が更に好都合である。例えば、ヒアルロン酸、キトサンおよび/または、登録番号178463−23−5としてChemical Abstracts(化学要覧)に登録され、そして例えば、会社SO
LABIA S.AからFucogel(登録商標)1000の名称で市販されているフコース濃度の高い多糖類は特に好都合である。保湿剤はまた、例えば皮膚老化に起こる種類の皮膚に対する変化からの防護のための有効な抗皺成分として好都合に使用することができる。
【0024】
本発明の化粧品調製物は更に、好都合には、必須ではないが、例えば配合物の感覚的および美容的特性を更に改善し、そして例えば、ベルベットまたは絹のように滑らかな皮膚感覚を惹起または強化する効果をもつ充填剤を含んでなることができる。本発明の意味における好都合な充填剤は、デンプンおよびデンプン誘導体(例えば、タピオカデンプン、二デンプンホスフェート、アルミニウムもしくはナトリウムデンプンオクテニルスクシネート、等)、主としてUVフィルター効果も着色効果ももたない顔料(例えば、窒化ホウ素、等のような)および/またはAerosils(登録商標)(CAS No.7631−86−9)および/またはタルクおよび/またはポリエチレン、ナイロンおよびシリカジメチルシリレートである。
【0025】
本発明の調製物は、シリカジメチルシリレートを含んでなる場合が好適である。
【0026】
本発明の、発明として好都合な実施態様は、調製物がブチレングリコールジカプリレート/ジカプレート、フェネチルベンゾエート、C12−15アルキルベンゾエート、ジブチルアジペート;ジイソプロピルセバケート、ジカプリリルカルボネート、ジ−C12−13アルキルタルトレート、ブチルオクチルサリチレート、ジエチルヘキシルシリンギリデンマロネート、水素化ヒマシ油ダイマレート(dimerates)、トリヘプタノイン、C12−13アルキルラクテート、C16−17アルキルベンゾエート、プロピルヘプチルカプリレート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ジエチルヘキシル2,6−ナフタレート、オクチルドデカノールおよびエチルヘキシルココエートの化合物群から選択される1種以上の油を含んでなるものである。
【0027】
調製物がジブチルアジペート、ジカプリリルカルボネートおよび/またはC12−C15アルキルベンゾエートを含んでなる場合は、それは本発明に従って好適である。
【0028】
本発明の調製物の水相は好都合には、例えば、それぞれの場合に個別の、または組み合わせた、アルコール、特には、低C数のもの、好適には、エタノールおよび/またはイソプロパノール、あるいは低C数のポリオールおよび更にそれらのエーテル、好適にはプロピレングリコール、グリセロール、電解質、自動褐色化剤並びに更に、とりわけ、好都合には、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、多糖類および/またはそれらの誘導体、例えば、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの群から、特に好都合には、ポリアクリレート、好適にはその例がタイプ980、981、1382、2984および5984のカーボポールであるカーボポール(Carbopol)と呼ばれる群からのポリアクリレート、の群から選択することができる1種以上の増粘剤、のような通常の化粧品補助剤を含んでなることができる。本発明に従って好都合な更なる増粘剤は、INCI命名法のAcrylates/C10−30アルキルアクリレートクロスポリマー(Crosspolymer)(例えば、NOVEONからのPemulen TR 1、Pemulen TR 2、Carbopol 1328)および更に、Aristoflex AVC(INCI:アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VPコポリマー)を含むものである。
【0029】
ここで、調製物がキサンタンガム、架橋アクリレート/C10−C30アルキルアクリレート・ポリマーおよび/またはビニルピロリドン/ヘキサデセン・コポリマーを含んでなる場合は、本発明に従って好適である。
【0030】
調製物の総重量に基づいて少なくとも5重量%のグリセロールの量は、発明に従って特に好都合である。
【0031】
好適な本発明の実施態様は、調製物が、アルファ−リポ酸、葉酸、フィトエン、D−ビオチン、補酵素Q10、アルファ−グルコシルルチン、カルニチン、カルノシン、天然および/または合成イソフラボノイド、フラボノイド、クレアチン、クレアチニン、タウリン、β−アラニン、トコフェリルアセテート、ジヒドロキシアセトン;8−ヘキサデセン−1,16−ジカルボン酸、グリセリルグリコース、(2−ヒドロキシエチル)尿素、ビタミンEおよび/またはその誘導体、ヒアルロン酸および/またはその塩並びに/あるいはリコカルコンAの化合物群から選択される1種以上の化合物を含んでなるものである。
【0032】
調製物が1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオールおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールの化合物群からの1種以上のアルカンジオールを含んでなる場合は、本発明に従って好都合である。
【0033】
調製物がエタノール、フェノキシエタノールおよび/またはエチルヘキシルグリセロールを含んでなる場合は、本発明に従って好都合である。
【0034】
好適な本発明の実施態様は、調製物がパラベン、メチルイソチアゾリノン、クロロメチルイソチアゾリノンおよびDMDM−ヒダントインを含まないものである。
【0035】
調製物が、リモネン、シトラール、リナロオール、アルファ−イソメチルイオノン、ゲラニオール、シトロネロール、2−イソブチル−4−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピラン、2−tert−ペンチルシクロヘキシルアセテート、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、7−アセチル−1,1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラリン、アジピン酸ジエステル、アルファ−アミルシンナムアルデヒド、アルファ−メチルイオノン、アミルCブチルフェニルメチルプロピオナールシンナマール、アミルサリチレート、アミルシンナミルアルコール、アニスアルコール、ベンゾイン、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、ベンジルシンナメート、ベンジルサリチレート、ベルガモット油、ビターオレンジ油、ブチルフェニルメチルプロピオナール、カルダモン油、セドロール、シンナマール、シンナミルアルコール、シトロネリルメチルクロトネート、かんきつ類油、クマリン、ジエチルスクシネート、エチルリナロオール、オイゲノール、エヴェルニア・フルフラセア(Evernia furfuracea)抽出物、エヴェルニア・プルナストリ(Evernia prunastri)抽出物、ファルネソール、ユソウボク油、ヘキシルシンナマール、ヘキシルサリチレート、ヒドロキシシトロネラール、ラベンダー油、レモン油、リナリルアセテート、マンダリン油、メンチルPCA、メチルヘプテノン、ナツメグ油、ローズマリー油、スウィート・オレンジ油、テルピネオール、トンカビーン油、トリエチルシトレートおよび/またはバニリンの化合物群から選択される1種以上の香料を含んでなる場合は、更に好適である。
【0036】
好適には、本発明の調製物は、皮膜形成剤を含んでなる。本発明の意味の皮膜形成剤は様々な成分の物質であり、以下の特性により特徴付けられる:皮膜形成剤が水または他の適当な溶媒に溶解され、そして次に、溶液が皮膚に適用されると、溶媒の蒸発後に、皮膜形成剤が本質的に、皮膚上に光線フィルターを固定し、そして該製品の水抵抗を増加する役目をもつ皮膜を形成する。
【0037】
皮膜形成剤を、ポリビニルピロリドン(PVP)
【0038】
【化1】
【0039】
に基づくポリマーの群から選択することは特に好都合である。例えば、GAF Chemicals Corporationから商品名Antaron V216およびAntaron V220として市販されている、PVPヘキサデセン・コポリマーおよびPVPエイコセン・コポリマーのようなポリビニルピロリドンのコポリマーが特に好適である。
【0040】
更に、例えば、National Starch and Chemical Corp.から商品名Flexan 130として市販されているナトリウムポリスチレンスルフォネート、および/またはRewoから商品名Rewopal PIB1000として市販されているポリイソブテンのような更なるポリマーの皮膜形成剤が同様に好都合である。更なる適切なポリマーの例は、ポリアクリルアミド(Seppigel 305)、ポリビニルアルコール、PVP、PVP/VAコポリマー、ポリグリコール、アクリレート/オクチルアクリルアミド・コポリマー(Dermacryl 79)である。Risocast DA−Hの名称でKokyu Alcohol Kogyoから入手可能な水素化ヒマシ油二量体ジリノレエート(CAS 646054−62−8,INCI水素化ヒマシ油二量体ジリノレエート)、あるいはCroda Chemicalsから商品名Crodamol STSとして入手可能なPPG−3ベンジルエーテルミリステート(CAS 403517−45−3)の使用も同様に好適である。
【0041】
皮膚の老化からの防護のための(特にUV−誘発皮膚老化からの防護のための)そして更に、日光防護組成物としての本発明の調製物の使用は、本発明に包含される。
【0042】
化粧品調製物(特に日焼け止め組成物)中への、砂の付着を低下するための本発明のUVフィルター組み合わせ物の使用もまた本発明に包含される。この場合はとりわけ、化粧品調製物(特に日焼け止め組成物)中への、砂の付着を低下させるための、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸の使用および更に、2,4,6−トリス[アニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)]−1,3,5−トリアジン(INCI:エチルヘキシルトリアゾン)の使用が本発明に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】スライド装置の側面図である。
【実施例】
【0044】
比較実験/実施例の配合物
以下の配合物が形成され、砂の付着を以下の方法を使用して測定した。ここで配合物1は本発明の実施態様である。
【0045】
【表1】
【0046】
インヴィトロの砂の付着
50mgの試験エマルションをPMMA Schoenberg プラック(5.0×5.0cm)に塗り、そして指サックを使用してプラック上に均一に広げた。次に適用された実施例の配合物を室温で15分間乾燥させる。この時間後、乾燥プラックの重量を化学天びんを使用して測定する。次に、プラックを過剰な、微細な海洋の砂(Merck KGaAからの1.07711.1000 Seesand reinst)を使用して振りかける。プラックをその目的のために意図されたスライド装置上に1回滑らせることにより、再現可能な単位的力を使用して緩く付着した砂を落とした(下記を参照されたい)。
【0047】
その後にプラック上に残留する付着した砂を、再秤量により測定した。砂の付着量は以下の等式を使用して決定することができる:

Δ(付着量)[mg]=m(砂の付いたプラック)[mg]−m(クリームを適用したプラック)[mg]
【0048】
スライド装置はそのスライドの幅が5cmである三角形の形態の構造物である。スライド装置の構成は図面からより詳細に認められる。
【0049】
実験を一配合物につき10回反復し、対応する平均値(mean)が形成された。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
要約:本発明のUVフィルター組み合わせ物(配合物1)は、2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸またはエチルヘキシルトリアゾンを含まない調製物よりも有意に少量の砂の付着量を示す。
図1