(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書を通して使用される場合、文脈が他のことを明確に示さない限りは、以下に示される略語は以下の意味を有する:g=グラム、mg=ミリグラム、mL=ミリリットル、L=リットル、ppm=100万あたりの部、M=モラー、℃=摂氏度、g/L=グラム/リットル、DI=脱イオン、Mw=重量平均分子量、Mn=数平均分子量、重量%=重量パーセント、T
g=ガラス転移温度、EO/PO=エチレンオキシド/プロピレンオキシド、APTES=3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ROP=真珠状の環(ring of pearls)、SROP=わずかな真珠状の環、sev−ROP=重度の真珠状の環、LG=外観良好、R=粗い、SR=わずかに粗い、VSR=非常にわずかに粗い、TETA=トリエチレンテトラミン、およびTEPA=テトラエチレンペンタミン。
【0014】
用語「モノマー」または「モノマー系」とは、同じ、類似のまたは非類似の分子の1種以上と化合することができる単一の分子または化合物を意味する。用語「コポリマー」とは、2種以上の異なるモノマーの同時の重合によって生じるポリマーを意味する。用語「ポリアミン」とは、少なくとも2つのアミン基を含む化合物を意味する。用語「アルキルアミン」には、これに限定されないが、線状および分岐、環式および非環式ポリアルキルアミンが挙げられ、例えば、これに限定されないが、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンおよびピペラジンが挙げられる。用語「部分」とは、複数の官能基の全体または複数の官能基の一部分を含むことができる分子の一部分を意味する。用語「めっき」および「析出」は本明細書を通して交換可能に使用される。用語「a」および「an」は単数および複数の両方を意味しうる。全ての量は他に示されない限りは重量パーセントである。全ての数値範囲は包括的であり、そしてその数値範囲が合計で100%になることに制約されることが論理的である場合以外は任意に組み合わせ可能である。
【0015】
コポリマーは1種以上のジグリシジルエーテル末端ポリシロキサン化合物と1種以上の非芳香族ポリアミンとの反応生成物を含む。このコポリマーは、誘電体材料の無電解金属化のための触媒を吸着させるために、誘電体材料の準備におけるコンディショナー組成物中に使用されうる。このコンディショナー組成物はプリント回路板において認められるもののようなスルーホールおよびバイアの壁を含む誘電体材料の良好な金属カバレッジを提供する。このコンディショナー組成物はスルーホールおよびバイアの壁上の望ましくない「真珠状の環」も低減させうる。この真珠状の環は無電解金属めっきプロセス中に金属が析出しなかったスルーホールまたはバイアの部分である。それはスルーホールおよびバイアの壁を塁壁で囲む空隙であり、そしてそれはこのプリント回路板を含む電子デバイスの性能を悪化させうる。
【0016】
ジグリシジルエーテル末端ポリシロキサン化合物には、これに限定されないが、以下の一般式を有する化合物が挙げられる:
【0018】
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は同じかまたは異なっていてよく、かつ水素、線状もしくは分岐の、置換もしくは非置換(C
1−C
6)アルキルから選択され、mは1〜6の整数であり、並びにnは1〜20の整数である。好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は同じかまたは異なっており、かつ線状もしくは分岐の、置換もしくは非置換(C
1−C
6)アルキルから選択される。より好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6は同じかまたは異なっており、かつ非置換線状(C
1−C
3)アルキルから選択される。好ましくは、mは1〜3の整数であり、およびnは1〜10の整数である。置換基には、これに限定されないが、ヒドロキシル、線状もしくは分岐ヒドロキシ(C
1−C
3)アルキル、および線状もしくは分岐(C
1−C
5)アルコキシが挙げられる。このようなジグリシジルエーテル末端ポリシロキサン化合物は、200〜7000のMwおよび/または200〜7000のMnを有することができる。ジグリシジルエーテル末端ポリシロキサン化合物は当該技術分野において知られている文献に開示された方法に従って製造されることができ、またはGelest,Inc.のような供給者から商業的に得られうる。
【0019】
非芳香族ポリアミンは脂肪族および脂環式ポリアミンを含む。非芳香族ポリアミンは、ジグリシジルエーテル末端ポリシロキサン化合物と反応しうる少なくとも2つのアミン部分を含む。ジグリシジルエーテル末端ポリシロキサン化合物と反応するこのアミン部分は第一級もしくは第二級アミン部分であり得る。好ましくは、このような非芳香族ポリアミンには、これに限定されないが、以下の一般式を有する化合物が挙げられる:
【0021】
式中、R
7、R
8およびR
9は独立して水素、線状もしくは分岐の、置換もしくは非置換(C
1−C
10)アルキルアミン、線状もしくは分岐の、置換もしくは非置換(C
1−C
10)アルキル、または下記一般式を有する部分から選択され
【化4】
式中、R
10およびR
11は独立して、水素、線状もしくは分岐の、置換もしくは非置換(C
1−C
10)アルキル、線状もしくは分岐の、置換もしくは非置換(C
1−C
10)アルキルアミンから選択され、ただし、化合物IIおよびIIIにおける窒素原子が第三級である場合には、R
7、R
8およびR
9の少なくとも1つは少なくとも2つの第一級窒素原子、第二級窒素原子または第一級窒素原子と第二級窒素原子との組み合わせを有する置換基を含む。R
12〜R
15は独立して、水素、線状もしくは分岐の、置換もしくは非置換(C
1−C
10)アルキル、および線状もしくは分岐の、置換もしくは非置換(C
1−C
10)アルキルアミンから選択され、並びにq、rおよびtは同じかまたは異なっていてよく、かつ1〜10の整数である。好ましくは、R
10〜R
15は水素である。置換基には、これに限定されないが、ヒドロキシル、ヒドロキシ(C
1−C
3)アルキル、(C
1−C
5)アルコキシ、および線状もしくは分岐(C
1−C
10)アルキルアミンが挙げられる。好ましくは、R
7、R
8およびR
9の少なくとも1つは式(IV)である。より好ましくは、R
7、R
8およびR
9の2つは式(IV)であり、残りは水素である。好ましくは、q、rおよびtは同じかまたは異なっており、かつ1〜5であり、より好ましくは1〜3である。このような非芳香族ポリアミンは当該技術分野において知られている文献、方法に従って製造されることができ、またはSigma Aldrichなどから商業的に入手されうる。
【0022】
この反応生成物を製造するために使用されうる方法についての制限はない。好ましくは、室温で攪拌しつつ、1種以上の非芳香族アミンが1種以上の有機溶媒中に可溶化される。このような有機溶媒は、好ましくは、水混和性であり、そしてこれに限定されないが、アセトニトリルおよび水混和性アルコール、例えば、イソプロパノール、エタノールおよびメタノールが挙げられる。次いで、この1種以上の非芳香族アミンの溶液に、この溶液の温度を室温から90℃〜110℃に上げるように加熱しつつ、1種以上のジグリシジルエーテル末端ポリシロキサン化合物が添加される。この溶液は3時間〜8時間にわたって加熱され、次いで室温で一晩攪拌し続けられる。この反応混合物中の、1種以上の非芳香族アミン:1種以上のジグリシジルエーテル末端ポリシロキサン化合物のモル比は、4:1〜1:1の範囲であり得る。
【0023】
この反応生成物は0.1g/L〜15g/L、好ましくは1g/L〜5g/Lの量でコンディショナー組成物中に含まれうる。この組成物は、界面活性剤、錯化剤、湿潤剤およびpH調節剤のような1種以上の添加剤を含んでいてもよい。界面活性剤には、これに限定されないが、非イオン性界面活性剤およびカチオン性界面活性剤が挙げられる。1種以上の界面活性剤が従来の量で含まれうる。好ましくは、それは0.1g/L〜20g/L、より好ましくは0.5g/L〜5g/Lの量で含まれる。非イオン性界面活性剤の例はポリグリコールエーテル、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびエトキシル化線状アルコールである。カチオン性界面活性剤の例は四級化されたポリビニルイミダゾールである。1種以上の錯化剤が従来の量で含まれうる。好ましくはそれは、0.1g/L〜5g/L、より好ましくは0.1g/L〜1.5g/Lの量で含まれる。錯化剤には、これに限定されないが、エチレンジアミン四酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”,N”−五酢酸、N−(5−(3−マレイミドプロピルアミド)−1−カルボキシ−ペンチル)イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、N−(5−アミノ−1−カルボキシペンチル)イミノ二酢酸、エチレンジアミンジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)、並びにN,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸が挙げられる。1種以上の湿潤剤が従来の量で含まれうる。好ましくは、それは0.5g/L〜8g/L、より好ましくは2g/L〜5g/Lの量で含まれる。湿潤剤には、これに限定されないが、アルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、アミノ−2−プロパノールおよびビス(2−ヒドロキシプロピル)アミンが挙げられる。pH調節剤には、これに限定されないが、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが挙げられる。pHを調節するために、無機酸および有機酸の1種以上が使用されうる。無機酸には、これに限定されないが、硫酸、塩酸、硝酸およびリン酸が挙げられる。有機酸には、これに限定されないが、モノカルボン酸、例えば、酢酸、およびポリカルボン酸、例えば、クエン酸が挙げられる。pH調節剤は7を超える、好ましくは8〜12、より好ましくは8.5〜11のpHを維持する量で含まれる。このコンディショナー組成物は水および水混和性有機溶媒の1種以上を用いてその所望の容積レベルおよび成分濃度にされることができる。好ましくは、コンディショナー組成物は、1種以上の反応生成物、1種以上の水混和性有機溶媒、1種以上の界面活性剤、1種以上の錯化剤、1種以上の湿潤剤、1種以上のpH調節剤並びに水から本質的になる。
【0024】
このコンディショナー組成物は、無電解金属めっきに使用される多くの従来の触媒、例えば、これに限定されないが、従来のスズ−パラジウムコロイド触媒およびイオン性触媒の受け入れのためのスルーホールおよびバイア壁を含む誘電体材料をコンディショニングするために使用されうる。好ましくは、イオン性触媒の受け入れのためのスルーホールおよびバイア壁を含む誘電体材料を準備するためにこのコンディショナー組成物が使用される。このようなイオン性触媒は、好ましくは、金属イオンと1種以上の錯化剤との錯体のアルカリ非コロイド水溶液である。好ましくは、水性アルカリイオン性触媒は、スズ、スズイオン、抗酸化剤およびハロゲンを含まない。このアルカリイオン性触媒水溶液のpH範囲は8.5以上、好ましくは9以上、より好ましくは9〜13、より好ましくは9〜12である。一般に、この触媒金属イオンは、この触媒がコンディショニングされた誘電体材料に適用された後までに、その金属状態に還元されない。従来の還元剤が使用されうる。このような還元剤には、これに限定されないが、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナトリウム、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、ジ亜リン酸ナトリウム、ヒドラジン水和物、ギ酸およびホルムアルデヒドが挙げられる。好ましくは、還元剤はジ亜リン酸ナトリムまたはジメチルアミンボランである。還元剤は実質的に全ての金属イオンを金属に還元する量で含まれる。このような量は、一般的には従来の量であり、かつ当業者に周知である。
【0025】
金属イオンは従来の金属塩で提供されうる。典型的には、この金属塩は20ppm〜2000ppm、好ましくは25ppm〜500ppmの量で金属イオンを提供する様に触媒溶液中に含まれる。金属イオンには、これに限定されないが、銀、金、白金、パラジウム、銅、コバルトおよびニッケルイオンが挙げられる。好ましくは、金属イオンは銀およびパラジウムイオンから選択される。最も好ましくは、金属イオンはパラジウムイオンである。金属イオンは、当該技術分野において周知のおよび文献に認められうる従来の水溶性金属塩を用いて提供されうる。
【0026】
一般的には、アルカリイオン性触媒水溶液中に含まれる錯化化合物および1種以上の金属イオンの量は、錯化化合物:金属イオンのモル比が1:1〜4:1、好ましくは1:1〜2:1であるような量である。錯化剤には、これに限定されないが、ピラジン誘導体およびピリミジン誘導体が挙げられる。ピラジン誘導体には、これに限定されないが、2,6−ジメチルピラジン、2,3−ジメチルピラジン、2,5−ジメチルピラジン、2,3,5−トリメチルピラジン、2−アセチルピラジン、アミノピラジン、エチルピラジン、メトキシピラジンおよび2−(2’−ヒドロキシエチル)ピラジンが挙げられる。ピリミジン誘導体には、これに限定されないが、バルビツール酸、オロチン酸、チミン、2−アミノピリミジン、6−ヒドロキシ−2,4−ジメチルピリミジン、6−メチルウラシル、2−ヒドロキシピリミジン、4,6−ジクロロピリミジン、2,4−ジメトキシピリミジン、2−アミノ−4,6−ジメチルピリミジン、2−ヒドロキシ−4,6−ジメチルピリミジン、および6−メチルイソシトシンが挙げられる。
【0027】
コンディショナー組成物は、無電解金属めっきのための触媒受け入れのために様々な誘電体材料を準備するために使用されうる。誘電体材料は半導体、金属クラッドおよび非クラッド基体、例えば、複数のスルーホール、バイアまたはこの組み合わせを伴うプリント回路板のような様々な基体上に含まれうる。このような金属クラッドおよび非クラッドプリント回路板は熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂およびこれらの組み合わせを含むことができ、繊維、例えば、ガラス繊維を含むことができ、並びに前述のものの含浸された実施形態を含むことができる。好ましくは、基体は、複数のスルーホール、バイアもしくはこれらの組み合わせを有する金属クラッドプリント回路または配線板である。
【0028】
コンディショナー組成物は、プリント回路板製造の水平および垂直プロセスの双方において使用されうる。従来の水性アルカリ無電解金属めっき浴と共にこのコンディショナー組成物が使用されうる。このコンディショナーが、無電解めっきされうる任意の金属を無電解めっきする方法に使用されうることが企図されるが、好ましくは、この金属は銅、銅合金、ニッケルまたはニッケル合金から選択される。より好ましくは、この金属は、銅および銅合金から選択され、最も好ましくは銅がこの金属である。従来の金属無電解めっき浴が使用されうる。様々な無電解浴が当該技術分野において周知であり、かつ文献に開示されている。市販の無電解銅めっき浴の例は、CIRCUPOSIT
(商標)4500およびCIRCUPOSIT
(商標)880無電解銅浴である(マサチューセッツ州、マルボロのダウアドバンストマテリアルズから入手可能)。
【0029】
誘電体材料を有する基体を無電解金属めっきする従来の工程が、このコンディショナー組成物と共に使用されうるが、しかし、この水性アルカリイオン性触媒は、コロイドスズ−パラジウム触媒が使用される場合に、スズがはぎ取られて無電解めっきのためのパラジウム金属を露出させるアクセラレーション工程を必要としない。好ましくは、このコンディショナー組成物は誘電体材料を有する基体に室温〜90℃、好ましくは、30℃〜80℃の温度で適用される。このコンディショナーは、基体をコンディショナーに浸漬することによって基体に適用されることができ、またはこのコンディショナーは基体に噴霧されうる。基体が場合によっては水ですすがれる前に、このコンディショナーは30秒間〜180秒間にわたって基体と接触していてよい。触媒は、金属で無電解めっきされるコンディショニングされた基体に適用される。この触媒がイオン型触媒である場合には、その後に還元剤が基体に適用され、そうでなければ、スズ−パラジウム触媒の場合におけるように、触媒金属イオンは触媒適用の際にすでに金属状態に還元されている。無電解金属めっきパラメータ、例えば、温度および時間は従来のものでありうる。無電解金属めっき浴のpHは典型的にはアルカリ性である。従来の基体準備方法、例えば、基体表面を清浄化または脱脂し、この表面を粗化またはマイクロ粗化し、この表面をエッチングまたはマイクロエッチングし、膨潤溶媒適用、スルーホールをデスミアし、並びに様々なすすぎおよびさび止め(anti−tarnish)処理が使用されうる。このような方法および配合物は当該技術分野において周知であり、かつ文献に開示されている。
【0030】
好ましくは、金属めっきされる基体は、誘電体材料および複数のスルーホール、バイアまたはこれらの組み合わせを有する金属クラッド基体、例えば、プリント回路板である。この板は水ですすがれ、清浄化されかつ脱脂されることができ、その後にスルーホール壁およびバイアをデスミアすることができる。典型的には、誘電体を準備しもしくは軟化させ、またはスルーホールおよびバイアをデスミアすることは膨潤溶媒の適用から始まる。典型的には基体を水ですすぐことが各工程の間に行われる。
【0031】
任意の従来の膨潤溶媒が使用されうる。その具体的なタイプは誘電体材料の種類に応じて変化しうる。どの膨潤溶媒が特定の誘電体材料に適しているかを決定するには、わずかな実験が行われるだけでよい。誘電体のT
gが、使用される膨潤溶媒の種類を決定しうる。膨潤溶媒には、これに限定されないが、グリコールエーテルおよびその関連するエーテルアセタート類が挙げられる。従来の量のグリコールエーテルおよびその関連するエーテルアセタート類が使用されうる。市販の膨潤溶媒の例はCIRCUPOSIT
(商標)MLBコンディショナー211溶液、CIRCUPOSIT
(商標)Hole Prep3303およびCIRCUPOSIT
(商標)Hole Prep4120溶液(ダウアドバンストマテリアルズから入手可能)である。
【0032】
膨潤溶媒の後で、プロモーターが適用されうる。従来のプロモーターが使用されうる。このプロモーターには、硫酸、クロム酸、過マンガン酸アルカリまたはプラズマエッチングが挙げられる。典型的には、過マンガン酸アルカリがプロモーターとして使用される。市販のプロモーターの例は、CIRCUPOSIT
(商標)プロモーター4130およびCIRCUPOSIT
(商標)MLBプロモーター3308溶液である(ダウアドバンストマテリアルズから入手可能)。場合によっては、基体は水ですすがれる。
【0033】
次いで、プロモーターによって残る何らかの残留物を中和させるために中和剤が適用されうる。従来の中和剤が使用されうる。典型的には、この中和剤は、1種以上のアミンを含む酸性水溶液、または3重量%の過酸化水素および3重量%の硫酸の溶液である。市販の中和剤の例は、CIRCUPOSIT
(商標)MLBニュートラライザー216−5溶液(ダウアドバンストマテリアルズから入手可能)である。場合によっては、基体およびスルーホールは水ですすがれて、次いで乾燥させられる。
【0034】
中和の後に、上述のような、1種以上のジグリシジルエーテル末端ポリシロキサン化合物と1種以上の非芳香族ポリアミンとの1種以上の反応生成物を含むコンディショナー組成物が基体に適用される。場合によっては、この基体は水ですすがれる。
【0035】
コンディショニングの後にマイクロエッチングが行われうる。従来のマイクロエッチング組成物が使用されうる。マイクロエッチングは、めっきされた無電解金属およびその後の電気めっき物のその後の接着性を向上させるために、露出した金属上にマイクロ粗化された金属表面(例えば、内層および表面)を提供する様にデザインされる。マイクロエッチングには、これに限定されないが、60g/L〜120g/Lの過硫酸ナトリウム、またはオキシモノ過硫酸ナトリウムもしくはカリウム、および硫酸(2%)混合物、またはジェネリックの硫酸/過酸化水素が挙げられる。市販のマイクロエッチング組成物の例は、CIRCUPOSIT
(商標)エッチ3330溶液およびPREPOSIT
(商標)748エッチ溶液であり、両方ともダウアドバンストマテリアルズから入手可能である。場合によっては基体は水ですすがれる。
【0036】
場合によっては、次いで、マイクロエッチングされた基体にプレディップが適用されうる。プレディップ成分には、これに限定されないが、有機塩、例えば、酒石酸ナトリウムカリウム、炭酸ナトリウムもしくはクエン酸ナトリウム、硝酸、硫酸、または25g/L〜75g/L硫酸ナトリウムの酸性溶液が挙げられる。
【0037】
次いで、触媒が基体に適用される。適用は当該技術分野において使用されている従来の方法によって、例えば、基体を触媒の溶液中に浸漬することによって、または従来の装置を用いて噴霧することによって行われうる。触媒滞留時間は垂直装置については1分〜10分、典型的には2分〜8分、および水平装置については25秒〜120秒の範囲であり得る。触媒は室温〜80℃、典型的には30℃〜60℃の温度で適用されうる。基体は、場合によっては、触媒の適用後に水ですすがれうる。
【0038】
触媒がイオン性触媒である(この場合、触媒金属イオンはその金属状態に還元されていない)場合には、次いで、触媒の金属イオンを金属に還元するために還元性溶液が基体に適用される。この還元性溶液は基体をこの還元性溶液中に浸漬することにより、または還元性溶液を基体上に噴霧することにより適用されうる。溶液の温度は室温〜65℃、典型的には30℃〜55℃の範囲であり得る。還元性溶液と触媒化基体との間の接触時間は、無電解金属めっき浴の適用前で、30秒〜5分間の範囲であることができる。
【0039】
次いで、無電解浴を用いて、基体は金属、例えば、銅、銅合金、ニッケルもしくはニッケル合金で無電解めっきされる。好ましくは、基体のスルーホールおよびバイアの壁上に銅がめっきされる。めっき時間および温度は従来のものでありうる。典型的には、金属析出は室温〜80℃、より典型的には30℃〜60℃で行われる。基体は無電解めっき浴中に浸漬されうるか、または無電解浴が基体上に噴霧されうる。典型的には、無電解めっきは5秒〜30分にわたって行われることができるが、めっき時間は望まれる金属の厚さに応じて変化しうる。めっきは好ましくは、基体上での何らかの金属クラッディングの望まれない腐食を妨げるために、アルカリ環境で行われる。典型的には、めっき液のpHは8以上であり、好ましくはこのpHは8.5以上であり、より好ましくはこのpHは9〜13であり、最も好ましくはこのpHは9〜12である。
【0040】
場合によっては、さび止め剤(anti−tarnish)が金属に適用されうる。従来のさび止め組成物が使用されうる。さび止め剤の例はANTITARNISH
(商標)7130溶液(ダウアドバンストマテリアルズから入手可能)である。この基体は場合によっては水ですすがれることができ、次いで乾燥させられうる。
【0041】
さらなる処理はフォトイメージング、および基体上へのさらなる金属析出、例えば、銅、銅合金、スズおよびスズ合金の電解金属析出などによる従来の処理を含んでいてよい。
【0042】
このコンディショナー組成物および方法は誘電体材料並びにスルーホール壁およびバイアの良好な金属カバレッジを提供する。このコポリマーおよび方法は不完全に金属めっきされたスルーホールの壁上に典型的に認められ、この基体が使用される電子デバイスに欠陥を生じさせうる、望ましくない真珠状の環を低減することもできる。
【0043】
以下の実施例は本発明の範囲を限定することを意図しておらず、本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0044】
実施例1
凝縮器、温度計および攪拌棒を備えた100mL三ツ口丸底フラスコ中で、室温で、20mLのイソプロパノールに工業グレードのテトラエチレンペンタミン(11.86g、0.062mol)を溶解することによりコポリマー2が準備された。この溶液に、ジグリシジルエーテル末端ポリ(ジメチルシロキサン)(Mn〜800、25.04g、0.031mol)が滴下添加され、そしてこのジグリシジルエーテル末端ポリ(ジメチルシロキサン)を収容しているバイアルが2mLのイソプロパノールですすがれた。加熱浴温度が96℃に上げられた。得られた混合物は4時間にわたって加熱され、次いでこの反応系は室温で一晩攪拌し続けられた。貯蔵のために、反応混合物は水でポリエチレンボトルにすすぎ込まれた。テトラエチレンペンタミン:ジグリシジルエーテル末端ポリ(ジメチルシロキサン)のモル比はモノマーモル比を基準にして2:1であると決定された。
【0045】
コポリマー2が調製された上記方法に実質的に従って、コポリマー1および3〜8が調製された。TETAおよびTEPA DOWアミン混合物がそのまま使用され、分子量はそれぞれトリエチレンテトラミンおよびテトラエチレンペンタミンのものであると推定された。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
実施例2
複数のスルーホールを有する4層または8層銅クラッド試験パネル上での無電解銅カバレッジの比較が、3つの異なるコンディショナーを用いて行われた。これらパネルはTUC−662、SY−1141、SY−1000−2、IT−158、IT−180およびNPG−150積層物から構築された。TUC−662はTaiwan Union Technologyから得られ、SY−1141およびSY−1000−2はShengyiから得られた。IT−158およびIT−180はITEQ Corp.からのものであり、並びにNPG−150はNanYa.からのものである。各パネルは5cm×12cmであった。
【0050】
1g/Lのコンディショニング剤、4g/Lのエトキシル化線状アルコール非イオン性界面活性剤を含み、および必要に応じてpHを調節するために水酸化ナトリウムもしくは硫酸を含む様にコンディショナー水溶液が調製された。
【0051】
1.各銅クラッドパネルがCIRCUPOSIT
(商標)MLBコンディショナー211膨潤溶媒溶液に75℃で2分間にわたって浸漬され、次いで、流れている水道水で2分間にわたってすすがれた。
2.これらパネルはCIRCUPOSIT
(商標)MLBプロモーター3308過マンガン酸塩溶液に80℃で3分間にわたって浸漬され、次いで、流れている水道水で2分間にわたってすすがれた。
3.各パネルは3%硫酸および3%過酸化水素の中和剤水溶液に室温で1分間にわたって浸漬され、その後、流れている水道水で2分間にわたってすすがれた。
4.次いで、これらパネルは2種類のコンディショナー溶液:APTES、60℃、および実施例1の表におけるコポリマー2、60℃、のうちの一方に90秒間にわたって浸漬され、その後、流れている水道水で2分間にわたってすすがれた。
5.次いで、これらパネルは1%硫酸および75g/Lの過硫酸ナトリウムの溶液で、室温で40秒間にわたってエッチングされ、その後、DI水で1分間にわたってすすがれた。
6.各パネルは、1%硝酸の酸性プレディップ中に、または1g/Lの炭酸カリウム塩基性プレディップ中に室温で30秒間にわたって浸漬された。
7.200ppmのパラジウムイオン、208ppmの2,6−ジメチルピラジンおよび1g/Lの炭酸カリウムの水性イオン性触媒(硝酸を用いてpHが9.5に調節された)をこれらパネルに40℃で2分間にわたって適用して、その後、DI水で30秒間にわたってこれらパネルをすすいだ。
8.次いで、各パネルは0.25Mジ亜リン酸ナトリウム還元剤溶液中に50℃で90秒間にわたって浸漬され、その後、DI水で20秒間にわたってすすがれた。
9.これらパネルはCIRCUPOSIT
(商標)4500無電解銅浴中に52℃で5分間にわたって浸漬されて、これらパネルのスルーホールの壁上に銅をめっきした。
10.銅めっき後、これらパネルは流れている水道水で4分間にわたってすすがれた。
【0052】
銅めっきされた壁を露出させることが可能なように、各パネルはスルーホールの中央付近で切断された。スルーホール壁カバレッジを決定するために、このスルーホールの中央から、3mm厚さを超えない切断物が各パネルから採取された。ヨーロピアンバックライトグレーディングスケール(European Backlight Grading Scale)が使用された。各パネルからの切断物が50倍の倍率の従来の光学顕微鏡下に置かれ、このサンプルの後ろに光源が置かれた。銅析出物の品質は、このサンプルを透過した顕微鏡下で目に見える光の量によって決定された。透過光は、不完全な無電解カバレッジが存在していためっきされたスルーホールの領域においてのみ目に見えた。光が透過せず、そのセクションが完全に黒色に見えた場合には、それはバックライトスケールで5と評価され、スルーホール壁の完全な銅カバレッジを示す。何ら暗い領域なしにセクション全体に光が透過した場合には、これは、壁上に非常にわずかしか〜まったく銅金属析出がなかったことを示し、そのセクションは0と評価された。セクションが幾分かの暗い領域と明るい領域とを有していた場合には、それは0〜5の間で評価された。各板について、最低でも10個のスルーホールが検査されそして評価された。
【0053】
各めっきされたパネルについてイオン性触媒を用いたコンディショナーのバックライト性能を示すバックライト評価分布グラフが表1に示される。グラフ中のプロットは、各板について切断された10個のスルーホールのバックライト評価についての95%信頼区間を示す。各プロットの中央を通る水平線は、測定された10個のスルーホール切断物の各群の平均バックライト値を示す。コポリマー2を含んでいたコンディショナーは全体で最も良い、スルーホール壁カバレッジ、ROP性能および銅形状の組み合わせを有していた。
【0054】
実施例3
NP−175、370HR、TUC−752、TUC−662、SY−1141、SY−1000−2、IT−158、NPG−150およびIT−180積層材料から構築された、複数のスルーホールを有する4層または8層銅クラッド試験パネル上での無電解銅カバレッジの比較が、実施例1の表からのコポリマー1〜8のコンディショナーを使用して行われた。コンディショナー溶液は実施例2に記載される様に調製された。各パネルは5cm×12cmであり、以下のように処理された。
【0055】
各銅クラッドパネルがCIRCUPOSIT
(商標)MLBコンディショナー211膨潤溶媒溶液に75℃で2分間にわたって浸漬され、次いで、流れている水道水で2分間にわたってすすがれた。
1.これらパネルはCIRCUPOSIT
(商標)MLBプロモーター3308過マンガン酸塩溶液に80℃で3分間にわたって浸漬され、次いで、流れている水道水で2分間にわたってすすがれた。
2.各パネルは3%硫酸および3%過酸化水素の中和剤水溶液に室温で1分間にわたって浸漬され、その後、流れている水道水で2分間にわたってすすがれた。
3.次いで、これらパネルは8種類のコポリマーコンディショナー溶液に60℃で90秒間にわたって浸漬され、その後、流れている水道水で2分間にわたってすすがれた。
4.次いで、これらパネルは1%硫酸および75g/Lの過硫酸ナトリウムの溶液で、室温で40秒間にわたってエッチングされ、その後、DI水で1分間にわたってすすがれた。
5.各パネルは、1g/Lの炭酸カリウム塩基性プレディップ中に室温で30秒間にわたって浸漬された。
6.200ppmのパラジウムイオン、225ppmの6−ヒドロキシ−2,4−ジメチルピリミジンおよび1g/Lの炭酸カリウムの水性イオン性触媒(硝酸を用いてpHが9.5に調節された)をこれらパネルに40℃で2分間にわたって適用して、その後、DI水で30秒間にわたってこれらパネルをすすいだ。
7.次いで、各パネルは0.25Mジ亜リン酸ナトリウム還元剤溶液中に50℃で90秒間にわたって浸漬され、その後、DI水で20秒間にわたってすすがれた。
8.これらパネルはCIRCUPOSIT
(商標)4500無電解銅浴中に52℃で5分間にわたって浸漬されて、これらパネルのスルーホールの壁上に銅をめっきした。
9.銅めっき後、これらパネルは流れている水道水で4分間にわたってすすがれた。
【0056】
各パネルの形状が
図2に示される。良好〜非常にわずかに粗い形状が全てのめっきされた積層物にわたって観察された。これらパネルは50倍の倍率の従来の光学顕微鏡を用いてROPについて試験された。
【0057】
実施例2に記載される様に銅めっきされた壁を露出させることが可能なように、各パネルはスルーホールの中央付近で切断された。ヨーロピアンバックライトグレーディングスケールが使用された。各パネルからの切断物が50倍の倍率の従来の光学顕微鏡下に置かれ、このサンプルの後ろに光源が置かれた。実施例2において上述される様に、銅析出物の品質は、このサンプルを透過した顕微鏡下で目に見える光の量によって決定された。
図2は各めっきされたパネルについてイオン性触媒を用いたコンディショナーのバックライト性能を示す、バックライト評価分布グラフである。グラフ中のプロットは、各板について切断された10個のスルーホールのバックライト評価についての95%信頼区間を示す。これらコポリマーの全ては全体的に良好なスルーホール壁カバレッジ、ROP性能および銅形状を有していたが、コポリマー2を含んでいたコンディショナーが全体的に最も良い性能を有していた。