(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643025
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】靴下
(51)【国際特許分類】
A41B 11/04 20060101AFI20200130BHJP
A41B 11/00 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
A41B11/04
A41B11/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-195513(P2015-195513)
(22)【出願日】2015年10月1日
(65)【公開番号】特開2017-66565(P2017-66565A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】515047862
【氏名又は名称】レンフロ・ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129001
【弁理士】
【氏名又は名称】林 崇朗
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】特許業務法人JAZY国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉川 亮
【審査官】
▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】
米国意匠特許発明第00497712(US,S)
【文献】
登録実用新案第3174795(JP,U)
【文献】
[ナイキ]ランニング エリート リサイクル クッション ローカット タブ ソックス(565)レーザーパープル 27−29cm[ウェア&シューズ],日本,amazon.co.jp,2013年 6月 6日,URL,https://www.amazon.co.jp/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%82%AD-%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0-%E3%83%AA%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%AB-%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AB-27-29cm/dp/B008EWBWL2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B11/00−11/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の足に装着可能なアンクル丈の靴下であって、
前記装着者の足を挿入するための開口部を構成する口ゴム部と、
前記装着者の足の甲部に沿うように編成された足甲部と、
前記装着者の足の踵を受け入れ可能に編成された踵部と、
前記装着者の足の底部に沿うように編成された足底部と、
前記口ゴム部のうち前記足甲部側の部位から、前記装着者の足に沿うように突出した足甲補強部と、
前記口ゴム部のうち前記踵部側の部位から、前記装着者の足に沿うように突出した踵補強部と、
前記踵部の左右両側面の各中央からそれぞれ、前記足甲部において前記口ゴム部と接続する部分に向けて、前記足甲補強部と前記踵補強部との間の中間点を超えて延びた一対のゴアラインと
を備える靴下。
【請求項2】
前記足甲補強部および前記踵補強部における角部は、丸みを帯びている請求項1に記載の靴下。
【請求項3】
前記足甲補強部および前記踵補強部は、前記口ゴム部に対して編成された部位である請求項1または請求項2に記載の靴下。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばアンクル丈の靴下等に係り、特に足甲部と踵部との少なくともいずれかに上方に突出した補強部を備えた靴下及びその編成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、靴下に対しては、機能性とファッション性の双方が求められている。機能性については、例えばスポーツを行うときに、足に対するフィット感が高く、各種動作を行ってもホールド感が維持されることが求められる。一方、ファッション性については、洋服等の色彩や模様等のデザインにマッチする多様なデザインをユーザが選択可能となるように市場において提供することが求められている。
【0003】
また、今日では、スニーカーを履いたときに、ファッション性の観点からあえてスニーカーの中に納まり外部から見えないような形状の靴下も求められ、既に市場に出回っている。このような所謂アンクル丈の靴下に対しても、機能性、つまり、スニーカーを履いたり脱いだりするときに、特に踵がずり落ちない構成とすることが嘱望されている。
【0004】
このようなアンクル丈の靴下としては、例えば非弾性の表糸と裏糸とを添え編み組織として編成し、脱げ止め用の内向き凸部と外向き凸部をコース方向に並べて形成した靴下がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−148020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1により開示された靴下は、踵部に特殊な編成を加えているので、製造工程が煩雑であり、コスト高ともなる。また、機能性には着目されているが、ファッション性との両立については何ら開示も示唆もされていない。
【0007】
さらに、踵部は、補強されてはいるものの、スニーカー等の踵当接部分に対して面積が小さいことから、スニーカーを履いたり脱いだりするときには、ずり落ちる可能性は残っている。さらに、足の甲部分の補強については何ら開示されていない。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、例えばスニーカーを履いたときに、その内部に完全に収容されて外部から見えない構成としつつ、足の甲と踵へのホールド感を高め、スニーカーを履いたり脱いだりするときに、ずり落ちることを防止した靴下を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係る靴下は、装着者の足に装着可能な靴下であって、前記装着者の足を挿入するための開口部に沿った口ゴム部と、前記装着者の足の甲部に沿った足甲部と、前記装着者の足の踵を受け入れる踵部と、前記装着者の足の底部に沿った足底部と、前記口ゴム部から突出した補強部とを備え、前記補強部は、前記装着者の足の甲部に沿って突出した足甲補強部と、前記装着者の踵に沿って突出した踵補強部と、の少なくともいずれかを含んでいる。
【0010】
本発明の第2の態様に係る靴下は、装着者の足に装着可能な靴下であって、前記装着者の足を挿入するための開口部に沿った口ゴム部と、前記装着者の足の甲部に沿った足甲部と、前記装着者の足の踵を受け入れる踵部と、前記装着者の足の底部に沿った足底部と、前記口ゴム部から突出した補強部とを備え、前記補強部は、前記装着者の足の甲部に沿って突出した足甲補強部と、前記装着者の踵に沿って突出した踵補強部とを含み、前記踵部には、前記装着者の踵の略中央に接する位置から前記足甲部に向けて所定の傾斜角で上方に延びたゴアラインが左右両面に形成されている。
【0011】
第1及び第2の態様において、前記補強部は、前記装着者がスニーカーを装着したときに、当該スニーカー内に完全に収容され、外部から見えない形状となっていてよい。さらに、前記補強部は、略台形形状であり、角部は丸みを帯びていてよい。
【0012】
さらに、本発明の第3の態様に係る靴下の編成方法は、装着者の足に装着可能な靴下の編成方法であって、前記装着者の足を挿入するための開口部に沿った口ゴム部を編成する工程と、前記装着者の足の踵を受け入れる踵部を編成する工程と、前記装着者の足の甲部に沿った足甲部を編成する工程と、前記装着者の足の底部に沿った足底部を編成する工程と、前記口ゴム部から突出した補強部を編成する工程とを有し、前記補強部を編成する工程では、前記装着者の足の甲部に沿って突出した足甲補強部と前記装着者の踵に沿って突出した踵補強部とを編成し、前記踵部には、前記装着者の踵の略中央に接する位置から前記足甲部に向けて所定の傾斜角で上方に延びたゴアラインを左右両面に形成している。
【0013】
第3の態様において、前記補強部を、前記装着者がスニーカーを装着したときに、当該スニーカー内に完全に収容され、外部から見えない形状となるよう編成してよい。
本明細書に開示する一形態における靴下は、装着者の足に装着可能なアンクル丈の靴下であって、前記装着者の足を挿入するための開口部を構成する口ゴム部と;前記装着者の足の甲部に沿うように編成された足甲部と;前記装着者の足の踵を受け入れ可能に編成された踵部と;前記装着者の足の底部に沿うように編成された足底部と;前記口ゴム部のうち前記足甲部側の部位から、前記装着者の足に沿うように突出した足甲補強部と;前記口ゴム部のうち前記踵部側の部位から、前記装着者の足に沿うように突出した踵補強部と
、
前記踵部の左右両側面の各中央からそれぞれ、前記足甲部において前記口ゴム部と接続する部分に向けて、前記足甲補強部と前記踵補強部との間の中間点を超えて延びた一対のゴアラインとを備える。前記足甲補強部および前記踵補強部における角部は、丸みを帯びていてもよい。前記足甲補強部および前記踵補強部は、前記口ゴム部に対して編成された部位であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、例えばスニーカーを履いたときに、その内部に完全に収容されて外部から見えない構成としつつ、足の甲と踵へのホールド感を高め、スニーカーを履いたり脱いだりするときに、ずり落ちることを防止した靴下を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る靴下の側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る靴下を履いた状態を前方から見た様子を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る靴下を履いた状態を後方から見た様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1には本発明の一実施形態に係る靴下の構成を示し説明する。
【0018】
同図に示されるように、靴下1は、口ゴム部2、足部3、補強部4、5からなる。そして、足部3は、足甲部6、足底部7、踵部8、爪先部9によって構成されている。
【0019】
口ゴム部2は、装着者の足を挿入するための開口部に沿う形状となるように編成されている。口ゴム部2は、ゴム編みやゴム糸を挿入することで伸縮性を持たせており、靴下のずれ落ちを防止する役割を担っている。足甲部6は、装着者の足の甲部に沿う形状となるように編成されている。踵部8は、装着者の足の踵を受け入れる形状となるように編成されている。踵部8は、ゴアライン10を中心として足先側と足首側に分かれており、足先側と足首側は、通常目減らしと目増やしを行うことで編成されている。足底部7は、装着者の足の底部に沿う形状となるように編成されている。
【0020】
そして、補強部4,5は、口ゴム部2から突出するように編成されている。より詳細には、補強部4、5は、装着者の足の甲部の上部に沿って突出した足甲補強部4と、装着者の踵の上部に沿って突出した踵補強部5とを含む。足甲補強部4、踵補強部5は、装着者がスニーカーを装着したときに、当該スニーカー内に完全に収容され、外部から見えない形状となっている。つまり、スニーカーの装着時には、補強部4,5を含め、靴下1全体が外部に見えない大きさ、形状となっている点は特徴点の1つである。
【0021】
さらに、踵部8には、装着者の踵の略中央に接する位置から足甲部に向けて所定の傾斜角で上方に延びたゴアライン10が左右両面に形成されている。ゴアライン10は、一般的な靴下と比べて、足先側に向けて深く編成されている。
【0022】
このように、ゴアライン10を踵から足先側に向けて長く編成することで、靴下の着用時には踵部8の内側は足の形状に近いものとなり、踵部8の内側が踵にフィットするだけでなく、過分に引き伸ばされることもなく、踵部8の過分な引き伸ばしによる収縮力が原因で生じる踵部のずれを効果的に防止することが可能となる。
【0023】
ここで、
図2には本発明の一実施形態に係る靴下を履いた状態を前方から見た様子を示し、
図3には本発明の一実施形態に係る靴下を履いた状態を後方から見た様子を示し、足甲補強部4、踵補強部5の特徴について更に言及する。
【0024】
図2に示されるように、足甲補強部4は、口ゴム部2から突出しており、装着者が靴下1を装着したときには、足甲に沿って突出するように編成されている。この例では、略台形形状で、上部2か所の角部は丸みを帯びている。このほか、足甲補強部4は、三角形、四角形、半円形、それらの任意の組み合わせとしてもよい。
【0025】
図3に示されるように、踵補強部5は、口ゴム部2から突出しており、装着者が靴下1を装着したときには、踵に沿って突出するように編成されている。この例では、略台形形状で、上部2か所の角部は丸みを帯びている。このほか、踵補強部5は、三角形、四角形、半円形、それらの任意の組み合わせとしてもよい。
【0026】
次に、本発明の一実施形態に係る靴下の編成方法について説明する。
【0027】
靴下1は、丸編み機により、口ゴム部2、踵部8、足甲部6、足底部7、爪先部9の順に編成される。編成工程において、踵部の8両側面に踵の位置からくるぶしの位置へと向かうゴアライン10が形成される。足甲補強部4は、口ゴム部2の足甲側に踵部を編む編み方を応用して編成している。踵補強部5は、口ゴム部2の踵側に踵部を編む編み方を応用して編成している。靴下1は、スニーカーを履いた際に、「靴下を履いていることが外部から見えにくい」という視点と、「靴の中では限りなく直接肌に靴が触れることがない」という視点の双方を実現すべく、スニーカーと同じような形状に着用時になることを目指して設計されている。
【0028】
より詳細には、この実施形態に係る靴下の編成方法は、装着者の足に装着可能な靴下の編成方法であって、装着者の足を挿入するための開口部に沿った口ゴム部2を編成する工程と、装着者の足の踵を受け入れる踵部8を編成する工程と、装着者の足の甲部に沿った足甲部6を編成する工程と、装着者の足の底部に沿った足底部7を編成する工程と、口ゴム部1から突出した補強部4,5を編成する工程とを有する。
【0029】
補強部4,5を編成する工程では、装着者の足の甲部に沿って突出した足甲補強部4と装着者の踵に沿って突出した踵補強部5とを編成する。そして、踵部8には、装着者の踵の略中央に接する位置から足甲部6に向けて所定の傾斜角で上方に延びたゴアライン10を左右両面に形成する。補強部4,5は、装着者がスニーカーを装着したときに、当該スニーカー内に完全に収容され、外部から見えない形状となるように編成する。
【0030】
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る靴下よれば、足甲補強部4は、口ゴム部2の足甲側に踵部を編む編み方を応用して編成しているので、スニーカーと肌が直接触れる面積を減らすことで、多くの人々が不満に感じていた足甲の靴ずれを軽減させることができる。また、踵補強部5は、口ゴム部2の踵側に踵部を編む編み方を応用して編成しているので、踵の靴ズレを軽減させると共に、歩くたびに踵が下がり脱げやすかった既存のフットカバーよりも踵部分が高くなることでより脱げにくくなる。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【0032】
例えば、足甲補強部と踵補強部の形状は、前述したものには限定されず、種々の形状とすることが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0033】
1 靴下
2 口ゴム部
3 足部
4 足甲補強部
5 踵補強部
6 足甲部
7 足底部
8 踵部
9 爪先部
10 ゴアライン