特許第6643073号(P6643073)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000002
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000003
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000004
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000005
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000006
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000007
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000008
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000009
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000010
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000011
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000012
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000013
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000014
  • 特許6643073-液滴分注装置 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643073
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】液滴分注装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 4/00 20060101AFI20200130BHJP
   B41J 2/14 20060101ALI20200130BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20200130BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   B01J4/00 103
   B41J2/14 307
   B41J2/14 603
   B41J2/14 611
   B05C5/00 101
   G01N1/00 101K
【請求項の数】5
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-242263(P2015-242263)
(22)【出願日】2015年12月11日
(65)【公開番号】特開2017-13042(P2017-13042A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年10月25日
(31)【優先権主張番号】特願2015-130382(P2015-130382)
(32)【優先日】2015年6月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】横山 周平
(72)【発明者】
【氏名】海宝 敏
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 郁夫
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−337096(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/133590(WO,A1)
【文献】 特開2014−046621(JP,A)
【文献】 特開2003−004609(JP,A)
【文献】 特開2007−055221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 4/00− 7/02
B01J 19/00−19/32
B01L 1/00−99/00
B05C 5/00− 5/04
B41J 2/00− 2/525
G01N 1/00− 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に溶液を受ける溶液受け口、下面に溶液出口をそれぞれ有する溶液保持容器と、
前記溶液出口に連通する圧力室と、前記圧力室に連通し、前記圧力室内の溶液を吐出するノズルを有する振動板と、前記圧力室内の圧力を変化させ、前記圧力室内の溶液を前記ノズルから吐出させる駆動素子と、を有し、前記溶液保持容器の下面に固定される液滴噴射アレイと、
上面側が前記溶液保持容器に固定され、下面側に前記駆動素子に接続された配線を有する電装基板と、を有する液滴分注装置。
【請求項2】
前記電装基板は、前記配線の一端部に、外部からの信号を入力するための信号入力端子が形成され、かつ前記配線の他端部に電極端子接続部が形成され、
前記電極端子接続部が引出し配線を介して前記駆動素子に接続される、請求項1に記載の液滴分注装置。
【請求項3】
前記溶液受け口の開口面積は前記溶液出口の開口面積より大きく、前記溶液出口の開口面積は前記溶液出口に連通する前記圧力室の開口部の開口面積より大きい請求項1または2に記載の液滴分注装置。
【請求項4】
前記液滴噴射アレイは、ノズルプレートと、圧力室構造体とが積層されて形成され、
前記圧力室構造体は、前記圧力室と、前記振動板とを備え、
前記ノズルプレートは、前記駆動素子と、保護膜と、撥液膜とを備え、
前記駆動素子は、下部電極と、圧電体と、上部電極と、を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液滴分注装置。
【請求項5】
前記撥液膜は、前記ノズルプレートの下面に配置され、前記保護膜を覆う請求項4に記載の液滴分注装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液滴分注装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学、薬学などの分野の研究開発や医療診断や検査、農業試験において、ピコリットル(pL)からマイクロリットル(μL)の液体を分注する操作を行うことがある。例えばガン細胞に対して、効果的に攻撃するのに必要な化合物の濃度を決定するステージにおいて、低容量の液体の分注は重要な作業である。
【0003】
これらは一般に用量応答実験と呼ばれ、化合物の有効濃度を決定するため、多くの異なった濃度の化合物をマイクロプレートのウエルなどの容器内に作成する。このような用途で使用されるオンデマンド型の液滴噴射装置がある。この液滴噴射装置は、例えば、溶液を保持する溶液保持容器と、溶液を吐出するノズルと、溶液保持容器とノズルとの間に配置される圧力室と、圧力室内の溶液の圧力を制御するアクチュエータとを備える。
【0004】
この液滴噴射装置は、ノズルから吐出される1滴の液量がpLオーダーであり、滴下回数を制御することにより、各ウエルにpLからμLのオーダーの液体を滴下することが可能である。そのため、用量応答実験に代表される多くの異なった濃度の化合物を分注する作業やpLからナノリットル(nL)の極微少量の分注作業に適した装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/0193309号明細書
【特許文献2】米国特許第8348370号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
溶液保持容器へ溶液を供給する作業時には、ピペッター等の溶液供給具が使用される。この溶液供給具の使用による溶液保持容器への溶液の供給作業時に溶液の供給量が多すぎる場合には溶液が溶液保持容器から溢れる可能性がある。また、ピペッター等で溶液を供給する際に、溶液の供給圧力が高すぎる場合は、溶液保持容器から溶液が飛び跳ねる可能性がある。このように、溶液保持容器へ溶液を供給する作業時には、溶液が溶液保持容器からはみ出す可能性がある。
【0007】
その際、液滴噴射装置のアクチュエータに接続された電極配線が、溶液保持容器の溶液供給面側に配置されている場合、溶液保持容器からはみ出した溶液が電極配線に付着する可能性がある。このように、溶液が電極配線に付着すると電極配線が腐食する可能性がある。
【0008】
また、溶液保持容器からはみ出した溶液が隣接する電極配線に付着した場合、隣接する電極配線間はショート状態となり、制御信号をアクチュエータに印加できない可能性がある。又、隣接する電極配線間に電位差がある場合はショートによる発火が発生する可能性がある。
【0009】
本実施形態の課題は、溶液保持容器からはみ出した溶液が、アクチュエータに接続された電極配線に付着することがなく、電極配線が腐食したり、溶液が隣接する電極配線に付着してショート状態になったりすることを防止する液滴分注装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の液滴分注装置によれば、溶液保持容器と、液滴噴射アレイと、電装基板と、を有する。前記溶液保持容器は、上面に溶液を受ける溶液受け口、下面に溶液出口をそれぞれ有する前記液滴噴射アレイは、前記溶液保持容器の下面に固定される。さらに、前記液滴噴射アレイは、圧力室と、振動板と、駆動素子と、を有する。前記圧力室は、前記溶液出口に連通する。前記振動板は、前記圧力室に連通し、前記圧力室内の溶液を吐出するノズルを有する。前記駆動素子は、前記圧力室内の圧力を変化させ、前記圧力室内の溶液を前記ノズルから吐出させる。前記電装基板は、上面側が前記溶液保持容器に固定され、下面側に前記駆動素子に接続された配線を有する
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態の液滴噴射装置が搭載される溶液滴下装置の全体の概略構成を示す斜視図。
図2】第1の実施形態の液滴噴射装置を示す上面(溶液保持容器側)の平面図。
図3】第1の実施形態の液滴噴射装置を示す下面(液滴噴射側)の平面図。
図4】第1の実施形態の液滴噴射装置の図2のF4−F4線の縦断面図。
図5】第1の実施形態の液滴噴射装置の液滴噴射アレイを示す平面図である。
図6】第1の実施形態の液滴噴射装置の図5のF6−F6線の縦断面図。
図7】第1の実施形態に係る液滴噴射装置のノズルの周辺構造を示す縦断面図。
図8】第2の実施形態に係る液滴噴射装置のノズルの周辺構造を示す縦断面図。
図9】第3の実施形態に係る液滴噴射装置のノズルの周辺構造を示す縦断面図
図10】第4の実施形態に係る液滴噴射装置のノズルの周辺構造を示す縦断面図。
図11】第5の実施形態に係る液滴噴射装置を示す下面(液滴噴射側)の平面図。
図12】第5の実施形態に係る液滴噴射装置の一部を示す縦断面図。
図13】第6の実施形態に係る液滴噴射装置を示す下面(液滴噴射側)の平面図。
図14】第6の実施形態に係る液滴噴射装置の一部を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の液滴噴射装置の一例について図1乃至図7を参照して説明する。図1は、溶液の滴下装置1で使用される第1の実施形態の液滴噴射装置2の使用例を示す斜視図である。図2は、液滴噴射装置2の上面図であり、図3は液滴噴射装置2の液滴を噴射する面である下面図を示す。図4は、図2のF4−F4線断面図を示す。図5は、第1の実施形態の液滴噴射装置2の液滴噴射アレイ27を示す平面図である。図6は、図5のF6−F6線断面図である。図7は、液滴噴射装置2のノズル110の周辺構造を示す縦断面図である。
【0013】
溶液の滴下装置1は、矩形平板状の基台3と、液滴噴射装置装着モジュール5と、を有する。本実施形態では、生化学分野の分析や臨床検査などで一般的に用いられているマイクロプレートの中で、96穴のマイクロプレート4へ溶液を滴下する実施形態について説明する。
【0014】
マイクロプレート4は、基台3の中央位置に固定されている。基台3の上には、マイクロプレート4の両側に、X方向に延設された左右一対のX方向ガイドレール6a、6bを有する。各X方向ガイドレール6a、6bの両端部は、マイクロプレート4上に突設された、固定台7a、7bに固定されている。
【0015】
X方向ガイドレール6a、6b間には、Y方向に延設されたY方向ガイドレール8が架設されている。Y方向ガイドレール8の両端は、X方向ガイドレール6a、6bに沿ってX方向に摺動可能なX方向移動台9にそれぞれ固定されている。
【0016】
Y方向ガイドレール8には、液滴噴射装置装着モジュール5がY方向ガイドレール8に沿ってY方向に移動可能なY方向移動台10が設けられている。このY方向移動台10には、液滴噴射装置装着モジュール5が装着されている。この液滴噴射装置装着モジュール5には、本実施形態の液滴噴射装置2が固定されている。これにより、Y方向移動台10がY方向ガイドレール8に沿ってY方向に移動する動作と、X方向移動台9がX方向ガイドレール6a、6bに沿ってX方向に移動する動作との組み合わせにより、液滴噴射装置2は、直交するXY方向の任意の位置に移動可能に支持されている。
【0017】
第1の実施形態の液滴噴射装置2は、平板状のベース部材21を有する。図2に示すようにこのベース部材21の表面側には、複数、本実施形態では8個の溶液保持容器22がY方向に一列に並設されている。溶液保持容器22は、図4に示すように上面が開口された有底円筒形状の容器である。ベース部材21の表面側には、各溶液保持容器22と対応する位置に円筒形状の凹陥部21aが形成されている。溶液保持容器22の底部は、この凹陥部21aに接着固定されている。さらに、溶液保持容器22の底部には、中心位置に溶液出口となる開口部22aが形成されている。上面開口部22bの開口面積は、溶液出口の開口部22aの開口面積よりも大きくなっている。
【0018】
図3に示すようにベース部材21の裏面側には、溶液保持容器22と同数の電装基板23がY方向に一列に並設されている。電装基板23は、矩形状の平板部材である。ベース部材21の裏面側には、図4に示すように電装基板23の装着用の矩形状の凹陥部21bと、この凹陥部21bと連通する液滴噴射アレイ部開口21dとが形成されている。凹陥部21bの基端部は、ベース部材21の図3中で上端部位置(図4中で右端部位置)まで延設されている。凹陥部21bの先端部は、図4に示すように溶液保持容器22の一部と重なる位置まで延設されている。電装基板23は、凹陥部21bに接着固定されている。
【0019】
電装基板23には、凹陥部21bとの接着固定面とは反対側の面に電装基板配線24がパターニング形成されている。この電装基板配線24には、後述する下部電極131の端子部131c及び上部電極133の2つの端子部133cとそれぞれ接続される3つの配線パターン24a、24b、24cが形成されている。
【0020】
電装基板配線24の一端部には、外部からの制御信号を入力するための制御信号入力端子25が形成されている。電装基板配線24の他端部には、電極端子接続部26を備える。電極端子接続部26は、図5に示す後述する液滴噴射アレイ27に形成された下部電極端子部131c及び2つの上側電極端子部133cと接続するための接続部である。
【0021】
また、ベース部材21には、液滴噴射アレイ部開口21dの貫通穴が設けられている。液滴噴射アレイ部開口21dは、図3に示すように矩形状の開口部で、ベース部材21の裏面側に凹陥部21aと重なる位置に形成されている。
【0022】
溶液保持容器22の下面には、溶液保持容器22の開口部22aを覆う状態で図5に示す液滴噴射アレイ27が接着固定されている。この液滴噴射アレイ27は、ベース部材21の液滴噴射アレイ部開口21dと対応する位置に配置されている。
【0023】
図6に示すように液滴噴射アレイ27は、ノズルプレート100と、圧力室構造体200とが積層されて形成されている。ノズルプレート100には、溶液を吐出する複数のノズル110が配設されている。本実施形態では、図5に示すように複数のノズル110は、ノズルプレート100に例えば3×3列に配列される。ノズルプレート100の隣接するノズル110の中心間距離は250μmとする。
【0024】
ノズルプレート100は、振動板120上に、駆動部である駆動素子130と、保護層である保護膜150と、撥液膜160とを備える。振動板120は、例えば圧力室構造体200と一体に形成される。圧力室構造体200を製造するためのシリコンウエハ201を酸素雰囲気で加熱処理すると、シリコンウエハ201の表面にSiO(酸化シリコン)膜が形成される。振動板120は、酸素雰囲気で加熱処理して形成されるシリコンウエハ201の表面の厚さ4μmのSiO(酸化シリコン)膜を用いる。振動板120は、シリコンウエハ201の表面にCVD法(化学的気相成膜法)でSiO(酸化シリコン)膜を成膜して形成しても良い。
【0025】
振動板120の膜厚は、1〜50μmの範囲が好ましい。振動板120は、SiO(酸化シリコン)膜に代えて、SiN(窒化シリコン)等の半導体材料、或いは、Al(酸化アルミニウム)等を用いることもできる。
【0026】
駆動素子130は、各ノズル110毎に形成されている。駆動素子130は、ノズル110を囲む円環状の形状である。駆動素子130の形状は限定されず、例えば円環の一部を切り欠いたC字状でも良い。
【0027】
図7に示すように駆動素子130は、圧電体である圧電体膜132を挟んで下部電極131の電極部131aと、上部電極133の電極部133aとを備える。電極部131aと、圧電体膜132及び電極部133aは、ノズル110と同軸であり、同じ大きさの円形パターンである。
【0028】
下部電極131は、円形の複数のノズル110と同軸の円形の複数の電極部131aをそれぞれ備える。例えば、ノズル110の直径を20μmとし、電極部131aの外径を133μm、内径を42μmとする。図5に示すように下部電極131は、複数の電極部131aを接続する配線部131bを備え、配線部131bの端部に端子部131cを備える。
【0029】
駆動素子130は、下部電極131の電極部131a上に例えば厚さ2μmの圧電材料である圧電体膜132を備える。圧電体膜132は、PZT(Pb(Zr,Ti)O:チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。圧電体膜132は、例えばノズル110と同軸であって、電極部131aと同一形状の外径が133μm、内径が42μmの円環状の形状である。圧電体膜132の膜厚は、概ね1〜5μmの範囲となる。圧電体膜132は、例えばPTO(PbTiO:チタン酸鉛)、PMNT(Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO)、PZNT(Pb(Zn1/3Nb2/3)O−PbTiO)、ZnO、AlN等の圧電材料を用いることもできる。
【0030】
圧電体膜132は、厚み方向に分極を発生する。分極と同じ方向の電界を圧電体膜132に印加すると、圧電体膜132は、電界方向と直交する方向に伸縮する。言い換えると、圧電体膜132は、膜厚に対して直交する方向に収縮し、或いは伸長する。
【0031】
駆動素子130の上部電極133は、圧電体膜132上にノズル110と同軸であって、圧電体膜132と同一形状の外径が133μm、内径が42μmの円環状の形状である。図5に示すように上部電極133は、複数の電極部133aを接続する配線部133bを備え、配線部133bの端部に二つの端子部133cを備える。上部電極133を一定電圧に接続した場合は、下部電極131へ電圧制御信号を印加する。
【0032】
下部電極131は、例えばスパッタリング法によりTi(チタン)とPt(白金)を積層して厚さ0.5μmに形成する。下部電極131の膜厚は、概ね0.01〜1μmの範囲となる。下部電極131は、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Au(金)、SrRuO(ストロンチウムルテニウム酸化物)等の他の材料を使用できる。下部電極131は、各種金属を積層して使用することもできる。
【0033】
上部電極133は、Pt薄膜で形成した。薄膜の成膜はスパッタリング法を用い、膜厚0.5μmとした。上部電極133の他の電極材料として、Ni、Cu、Al、Ti、W、Mo、Au、SrRuOなどを利用することも可能である。他の成膜法として、蒸着、鍍金を用いることも可能である。上部電極133は、各種金属を積層して使用することもできる。上部電極133の望ましい膜厚は0.01から1μmである。
【0034】
ノズルプレート100は、下部電極131と、上部電極133とを絶縁する絶縁膜140を備える。絶縁膜140は、例えば、厚さ0.5μmのSiO(酸化シリコン)を用いる。絶縁膜140は、駆動素子130の領域にあっては、電極部131aと、圧電体膜132及び電極部133aの周縁を覆う。絶縁膜140は、下部電極131の配線部131bを覆う。絶縁膜140は、上部電極133の配線部133bの領域で振動板120を覆う。絶縁膜140は、上部電極133の電極部133aと配線部133bを電気的に接続するコンタクト部140aを備える。
【0035】
ノズルプレート100は、駆動素子130を保護する例えばポリイミドの保護膜150を備える。保護膜150は、振動板120のノズル110に連通する円筒状の溶液通過部141を備える。溶液通過部141は、振動板120のノズル110の直径と同じ直径20μmである。
【0036】
保護膜150は、他の樹脂またはセラミックス等の他の絶縁性の材料を利用することもできる。他の樹脂として、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、オイルエーテルサルフォン等がある。セラミックスとして、例えばジルコニア、炭化シリコン、窒化シリコン等がある。保護膜150の膜厚は、概ね2〜50μmの範囲にある。
【0037】
保護膜150の材料選択においては、ヤング率、耐熱性、絶縁性(導電率の高い溶液を使用した状態で駆動素子130を駆動時に、上部電極133と接触することによる溶液変質の影響を考慮)、熱膨張係数、平滑性、溶液に対する濡れ性も考慮する。
【0038】
ノズルプレート100は、保護膜150を覆う撥液膜160を備える。撥液膜160は、溶液をはじく特性のある例えばシリコーン系樹脂をスピンコーティングして形成される。撥液膜160は、フッ素含有樹脂等の溶液をはじく特性を有する材料で形成することもできる。撥液膜160の厚さは、例えば0.5μmである。
【0039】
圧力室構造体200は、例えば厚さ525μmのシリコンウエハ201を用いて形成される。圧力室構造体200は、振動板120と反対側の面に、反り低減層である反り低減膜220を備える。圧力室構造体200は、反り低減膜220を貫通して振動板120の位置に達し、ノズル110と連通する圧力室210を備える。圧力室210は、例えばノズル110と同軸上に位置する直径190μmの円形に形成される。圧力室210の形状、及びサイズは限定されない。
【0040】
但し第1の実施形態のように、圧力室210は溶液保持容器22の開口部22aに連通する開口部を備えている。圧力室210の開口部の幅方向のサイズDより、深さ方向のサイズLを大きくすることが好ましい。深さ方向のサイズL>幅方向のサイズDとすることにより、ノズルプレート100の振動板120の振動により、圧力室210内の溶液にかかる圧力が、溶液保持容器22へ逃げるのを遅らせる。
【0041】
圧力室210の振動板120が配置される側を第1の面とし、反り低減膜220が配置される側を第2の面とする。圧力室構造体200の反り低減膜220側には例えばエポキシ系接着剤により溶液保持容器22が接着される。圧力室構造体200の圧力室210は、反り低減膜220側の開口部で、溶液保持容器22の開口部22aに連通する。溶液保持容器22の開口部22aの開口面積は、圧力室210の溶液保持容器22の開口部22aに連通する開口部の開口面積より大きくなっている。
【0042】
反り低減膜220は、例えば圧力室構造体200を製造するためのシリコンウエハ201を酸素雰囲気で加熱処理して、シリコンウエハ201の表面に形成される厚さ4μmのSiO(酸化シリコン)膜を用いる。反り低減膜220は、シリコンウエハ201の表面にCVD法(化学的気相成膜法)でSiO(酸化シリコン)膜を成膜して形成しても良い。反り低減膜220は、液滴噴射アレイ27に生じる反りを低減する。
【0043】
反り低減膜220は、シリコンウエハ201の振動板120側と対向する側にあって、シリコンウエハ201の反りを低減する。反り低減膜220は、圧力室構造体200と振動板120との膜応力の違い、更には、駆動素子130の各種構成膜の膜応力の違い等によるシリコンウエハ201の反りを低減する。反り低減膜220は、成膜プロセスを用いて液滴噴射アレイ27の構成部材を作成する場合に、液滴噴射アレイ27が反るのを低減する。
【0044】
反り低減膜220の材料及び膜厚等は振動板120と異なるものであっても良い。但し、反り低減膜220を振動板120と同じ材料で同じ膜厚とすれば、シリコンウエハ201の両面にての振動板120との膜応力の違いと反り低減膜220との膜応力の違いは同じになる。反り低減膜220を振動板120と同じ材料で同じ膜厚とすれば、液滴噴射アレイ27に生じる反りをより効果的に低減する。
【0045】
振動板120は、面状の駆動素子130の動作により厚み方向に変形する。液滴噴射装置は、振動板120の変形により圧力室構造体200の圧力室210内に発生する圧力変化によって、ノズル110に供給された溶液を吐出する。
【0046】
液滴噴射アレイ27の製造方法の一例について述べる。液滴噴射アレイ27は、先ず圧力室構造体200を形成するためのシリコンウエハ201の両面の全面に、SiO(酸化シリコン)膜を成膜する。シリコンウエハ201の一方の面に形成したSiO(酸化シリコン)膜を振動板120として用いる。シリコンウエハ201の他方の面に形成したSiO(酸化シリコン)膜を反り低減膜220として用いる。
【0047】
例えばバッチ式の反応炉を用いて、酸素雰囲気で加熱処理する熱酸化法によって、例えば円板状のシリコンウエハ201の両面にSiO(酸化シリコン)膜を形成する。次に、成膜プロセスにより、円板状のシリコンウエハ201に複数個のノズルプレート100及び圧力室210を形成する。ノズルプレート100及び圧力室210を形成後、円板状のシリコンウエハ201を切って、ノズルプレート100と一体の、複数の圧力室構造体200に分離する。円板状のシリコンウエハ201を用いて、複数個の液滴噴射アレイ27を一度に量産できる。シリコンウエハ201は円板状でなくても良い。1枚の矩形のシリコンウエハ201を用いて、一体のノズルプレート100と圧力室構造体200とを個別に形成しても良い。
【0048】
シリコンウエハ201に形成される振動板120を、エッチングマスクを用いてパターニングしてノズル110を形成する。パターニングは、エッチングマスクの材料として、感光性レジストを用いる。振動板120の表面に感光性レジストを塗布後、露光及び現像して、ノズル110に相当する開口部をパターニングしたエッチングマスクを形成する。エッチングマスク上から振動板120を圧力室構造体200に達するまでドライエッチングして、ノズル110を形成する。振動板にノズル110を形成後、例えば剥離液を用いてエッチングマスクを除去する。
【0049】
次にノズル110が形成された振動板120の表面に、駆動素子130、絶縁膜140、保護膜150および撥液膜160を形成する。駆動素子130、絶縁膜140、保護膜150および撥液膜160の形成は、成膜工程と、パターニングする工程を繰り返す。成膜工程は、スパッタリング法或いはCVD法、スピンコーティング法等により行う。パターニングは、例えば感光性レジストを用いて膜上にエッチングマスクを形成し、膜材料をエッチングした後、エッチングマスクを除去することで行う。
【0050】
振動板120の上に、下部電極131、圧電体膜132及び上部電極133の材料を積層成膜する。下部電極131の材料として、膜厚0.05μmのTi(チタン)膜と膜厚0.45μmのPt(白金)膜をスパッタリング法により順に成膜する。Ti(チタン)及びPt(白金)膜は、蒸着法或いは鍍金により形成しても良い。
【0051】
下部電極131の上に、圧電体膜132の材料として、膜厚2μmのPZT(Pb(Zr,Ti)O:チタン酸ジルコン酸鉛)を基板温度350℃にてRFマグネトロンスパッタリング法により成膜する。PZTを成膜後、500℃で3時間熱処理することによりPZTは、良好な圧電性能を得る。PZT膜は、CVD(化学的気相成膜法)、ゾルゲル法、AD(エアロゾルデポジション)法、水熱合成法により形成しても良い。
【0052】
圧電体膜132の上に、上部電極133の材料として、膜厚0.5μmのPt(白金)膜をスパッタリング法により成膜する。成膜したPt(白金)膜上に、下部電極131の材料膜を残して、上部電極133の電極部133aと圧電体膜132を残すエッチングマスクを作る。エッチングマスク上からエッチングをして、Pt(白金)とPZT(Pb(Zr,Ti)O:チタン酸ジルコン酸鉛)の膜を除去し、上部電極の電極部133aと圧電体膜132を形成する。
【0053】
次に、上部電極の電極部133aと圧電体膜132を形成した下部電極131材料の上に、下部電極131の電極部131a、配線部131b及び端子部131cを残すエッチングマスクを作る。エッチングマスク上からエッチングをして、Ti(チタン)及びPt(白金)の膜を除去し、下部電極131を形成する。
【0054】
下部電極131、上部電極の電極部133aと圧電体膜132を形成した振動板120上に、絶縁膜140の材料として、膜厚0.5μmのSiO(酸化シリコン)膜を成膜する。SiO(酸化シリコン)膜は、例えばCVD法により低温成膜して良好な絶縁性を得る。成膜したSiO(酸化シリコン)膜をパターニングして絶縁膜140を形成する。
【0055】
絶縁膜140を形成した振動板120上に、上部電極133の配線部133b及び端子部133cの材料として、膜厚0.5μmのAu(金)をスパッタリング法により成膜する。Au(金)膜は、蒸着法或いはCVD法、又は鍍金により形成しても良い。成膜したAu(金)膜上に上部電極133の電極配線部133b及び端子部133cを残すエッチングマスクを作る。エッチングマスク上からエッチングをして、Au(金)の膜を除去し、上部電極133の電極配線部133b及び端子部133cを形成する。
【0056】
上部電極133を形成した振動板120上に、膜厚4μmの保護膜150の材料であるポリイミド膜を成膜する。ポリイミド膜は、振動板120上にポリイミド前駆体を含む溶液をスピンコーティング法により塗布し、ベークによる熱重合及び溶剤を除去して成膜する。成膜したポリイミド膜をパターニングして、溶液通過部141、下部電極131の端子部131c及び上部電極133の端子部133cを露出する保護膜150を形成する。
【0057】
保護膜150上に撥液膜160の材料であるシリコーン系樹脂膜を膜厚0.5μmにスピンコーティング法により塗布し、ベークによる熱重合及び溶剤を除去して成膜する。成膜したシリコーン系樹脂膜をパターニングして、ノズル110、溶液通過部141、下部電極131の端子部131c及び上部電極133の端子部133cを露出する撥液膜160を形成する。
【0058】
撥液膜160上に、例えばシリコンウエハ201のCMP(化学機械研磨)用の裏面保護テープを、カバーテープとして貼り付けて撥液膜160を保護し、圧力室構造体200をパターニングする。シリコンウエハ201の反り低減膜220上に、圧力室210の直径190μmを露出するエッチングマスクを形成し、まず、反り低減膜220をCF(4フッ化カーボン)とO(酸素)の混合ガスによってドライエッチングする。次に、例えばSF(6フッ化硫黄)とOの混合ガスで、シリコンウエハ専用の垂直深堀ドライエッチングをする。ドライエッチングは、振動板120に当接する位置で止め、圧力室構造体200に圧力室210を形成する。
【0059】
圧力室210を形成するエッチングは、薬液を用いるウェットエッチング法、プラズマを用いてのドライエッチング法等で行っても良い。エッチング終了後、エッチングマスクを除去する。撥液膜160上に貼り付けたカバーテープに紫外線を照射して接着性を弱めてから、カバーテープを撥液膜160から剥がし、円板状のシリコンウエハ201を切断することにより、複数個の液滴噴射アレイ27が分離形成される。
【0060】
次に、液滴噴射装置2の製造方法について説明する。液滴噴射アレイ27と溶液保持容器22を接着させる。このとき、液滴噴射アレイ27における圧力室構造体200の反り低減膜220側に、溶液保持容器22の底面(開口部22a側の面)を接着する。
【0061】
その後、液滴噴射アレイ27と接着した溶液保持容器22をベース部材21の凹陥部21aに接着する。続いて、ベース部材21の裏面側の凹陥部21bに電装基板23を接着する。このとき、電装基板23は、電装基板配線24を図4図6中で下面側(ノズルプレート100が圧力室210と接触する面と反対側の面)に配置させる状態で、ベース部材21の凹陥部21bに電装基板23を接着する。
【0062】
続いて、電装基板配線24の電極端子接続部26と、液滴噴射アレイ27の下部電極131の端子部131c及び上部電極133の2つの端子部133cとを、ワイヤ配線12で接続する。他の接続方法として、フレキシブルケーブルを用いた方法等がある。これは、フレキシブルケーブルの電極パッドと電極端子接続部26、又は端子部131c、端子部133cを異方性導電フィルムにて熱圧着して電気的接続する方法である。
【0063】
電装基板配線24のもう一方の端子は、制御信号入力端子25であり、例えば、図示しない制御回路から出力される制御信号を入力する板バネコネクタと接触できる形状となっている。これにより液滴噴射装置2が形成される。
【0064】
次に、上記構成の作用について説明する。本実施形態の液滴噴射装置2は、溶液の滴下装置1の液滴噴射装置装着モジュール5に固定して使用される。液滴噴射装置2の使用時には、まず、溶液保持容器22の上面開口部22bから図示しないピペッターなどにより、溶液を所定量、溶液保持容器22に供給する。溶液は、溶液保持容器22の内面で保持される。溶液保持容器22の底部の開口部22aは、液滴噴射アレイ27と連通している。溶液保持容器22に保持された溶液は、溶液保持容器22の底面の開口部22aを介して液滴噴射アレイ27の各圧力室210へ充填される。
【0065】
この状態で、電装基板配線24の制御信号入力端子25に入力された電圧制御信号は、電装基板配線24の電極端子接続部26から下部電極131の端子部131c及び上部電極133の端子部133cへ送られる。このとき、駆動素子130への電圧制御信号の印加に対応して、振動板120が変形して圧力室210の容積を変化させることにより、液滴噴射アレイ27のノズル110から溶液が溶液滴として吐出される。そして、ノズル110から、マイクロプレート4の各ウエル4bに所定量の液体を滴下する。
【0066】
ノズル110から吐出される1滴の液量は、2から5ピコリットルである。そのため、滴下回数を制御することにより、各ウエル4bにpLからμLのオーダーの液体を滴下制御することが可能となる。
【0067】
第1の実施形態の液滴噴射装置2においては、液滴噴射アレイ27のノズルプレート100が圧力室210と接触する面と反対側の面(下面側)に液滴噴射アレイ27の駆動素子130に接続される各配線(下部電極131の配線部131bと、端子部131cと、上部電極133の配線部133bと、端子部133cと、ワイヤ配線12と、電装基板23の電装基板配線24)が配置されている。そのため、ピペッター等で溶液保持容器22の上面開口部22bから溶液を溶液保持容器22の内部に供給する際、溶液保持容器22から溶液がはみ出しても、はみ出した溶液が液滴噴射アレイ27の下面側の上記各配線に付着することがない。そのため、溶液の供給量が多すぎて溶液が溶液保持容器22から溢れたり、溶液の供給圧力が高すぎて溶液保持容器22から飛び跳ねたりすることにより、溶液が電装基板23の電装基板配線24に付着することを防止できる。その結果、電装基板配線24の腐食や、溶液が隣接する電装基板配線24に付着してショート状態になることを防ぐ安全性の高い液滴噴射装置2を提供することができる。
【0068】
図4図6に示すように、溶液と接触する溶液保持容器22の内面と圧力室210の内面、及びノズル110の内面が外部に露出している。すなわち、溶液保持容器22から圧力室210内を経てノズル110から液体を吐出させる液体流路全体を光照射可能になっている。そのため、溶液保持容器22の上面開口部22bから底部側に向けて紫外線を照射することにより、溶液と接触する溶液保持容器22の内面と圧力室210の内面、及びノズル110の内面を紫外線照射洗浄することができる。紫外線照射洗浄では、溶液保持容器22の内面に紫外線を照射させることで、溶液保持容器22の内面に付着している有機物を二酸化炭素等の揮発性物質へ化学変化させて揮発除去することができる。
【0069】
したがって、洗浄液を用いた洗浄液洗浄のように洗浄液充填洗浄工程、精製水等による洗浄液除去洗浄工程、それに続く乾燥工程の3つの工程が必要な場合に比べて、紫外線照射洗浄は、洗浄時間が短くなる。
【0070】
上記構成の第1の実施形態の液滴噴射装置2においては、溶液保持容器22からはみ出した溶液が、駆動素子130に接続された電装基板配線24に付着することがなく、電装基板配線24が腐食したり、溶液が隣接する電装基板配線24に付着してショート状態になったりすることを防止する液滴噴射装置を提供することができる。
【0071】
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態(図1乃至図7参照)の液滴噴射装置2の構成を次の通り変更した変形例である。第1の実施形態では、ノズルプレート100の保護膜150に振動板120のノズル110に連通する溶液通過部141を形成する構成を示した。これに替えて第2の実施形態では、保護膜150に直径d1のノズル230を形成する。なお、第2の実施形態にあって、前述の第1の実施形態と同一部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0072】
図8に示すように、液滴噴射装置2のノズルプレート100の振動板120は、直径d1のノズル230と同軸位置に開口である直径d2の周孔231を備える。周孔231の直径d2は、ノズル230の直径d1より大きい。本実施形態のノズルプレート100の保護膜150は、振動板120の周孔231の直径d2よりも直径d1が小径な例えば直径20μmのノズル230を有する。これにより、保護膜150のノズル230の周壁部が振動板120の周孔231の内周面を覆い、圧力室210に連通する。
【0073】
液滴噴射装置2の製造時、圧力室構造体200を製造するためのシリコンウエハ201と一体の振動板120を、エッチングマスクを用いてパターニングして周孔231を形成する。振動板120に駆動素子130を形成した上に保護膜150であるポリイミド膜を成膜する。ポリイミド膜をパターニングして、ノズル230を備える保護膜150を形成する。保護膜150は、下部電極131の端子部131c及び上部電極133の端子部133cを露出する。
【0074】
例えば、第1の実施形態では、同軸且つ同径のノズル110と溶液通過部141とを夫々にパターニングしていることから、振動板120のノズル110と、保護膜150の溶液通過部141の形状が不均一になる恐れがある。ノズル110と溶液通過部141とが不均一である場合、ノズル110から吐出する溶液滴の滴下位置がずれる恐れがある。
【0075】
これに対して、第2の実施形態のノズル230は、保護膜150に施す1回のパターニングにより形成する。したがって、ノズル230の内周面を均一に形成出来るので、ノズル230から吐出した溶液滴の滴下位置がずれる恐れがなく、液滴噴射装置2を用いた溶液滴下時に、高い滴下位置精度を得る。
【0076】
第2の実施形態によれば、液滴噴射装置は、第1の実施形態と同様、液滴噴射アレイ27のノズルプレート100が圧力室210と接触する面と反対側の面(下面側)に液滴噴射アレイ27の駆動素子130に接続される各配線(下部電極131の配線部131bと、端子部131cと、上部電極133の配線部133bと、端子部133cと、ワイヤ配線12と、電装基板23の電装基板配線24)が配置されている。そのため、溶液が、溶液保持容器22からはみ出しても電装基板23の電装基板配線24に付着することがないので、溶液が電装基板23の電装基板配線24に付着することによる、配線の腐食や、溶液が隣接する電装基板配線24に付着してショート状態になることを防ぐ安全性の高い液滴噴射装置を提供することが可能である。
【0077】
更に、液滴噴射装置2は、振動板120の周孔231の内周面を覆う保護膜150に、1回のパターニングによりノズル230を形成する。これにより、圧力室210に連通するノズル230の内周面を均一に出来、ノズル230から吐出する溶液滴の滴下位置精度を良好に保持することができる。
【0078】
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態を示す。本実施形態は第1の実施形態(図1乃至図7参照)の液滴噴射装置2のさらなる変形例である。なお、第3の実施形態にあって、前述の第1の実施形態と同一部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0079】
本実施形態では、液滴噴射装置のノズルプレート100の振動板120上に、直径d3のノズル241を形成している。保護膜150には、振動板120のノズル241と同軸であってノズル241の直径d3より大きい直径d4の溶液通過部242を形成している。例えば、ノズル241の直径d3を20μmとし、溶液通過部242の直径d4を30μmとする。
【0080】
ノズルプレート100は、保護膜150上に撥液膜160を備える。撥液膜160は、保護膜150の溶液通過部242の表面を覆う被覆部243を有する。これにより、溶液通過部242は、撥液膜160の被覆部243を介してノズル241と連通する。
【0081】
液滴噴射装置2の製造時には、ノズル241を有する振動板120の駆動素子130を形成した上にポリイミド膜である保護膜150を成膜する。このとき、ポリイミド膜をパターニングして溶液通過部242を備える保護膜150を形成する。保護膜150は、下部電極131の端子部131c及び上部電極133の端子部133cを露出する。
【0082】
続いて、保護膜150上に撥液膜160の材料であるシリコーン系樹脂膜を成膜する。成膜したシリコーン系樹脂膜をパターニングして、撥液膜160を形成する。撥液膜160は、ノズル241の内周面に付着することなく、保護膜150の表面を覆う。下部電極131の端子部131c及び上部電極133の端子部133cは露出される。
【0083】
例えば第1の実施形態では、同軸且つ同径のノズル110と溶液通過部141のパターニングが不均一である場合に、ノズル110から吐出した溶液滴の滴下位置がずれる恐れがある。これに対して、第3の実施形態では、保護膜150の溶液通過部242の直径d4が振動板120のノズル241の直径d3より大きい。そのため、振動板120のノズル241と、保護膜150の溶液通過部242のパターニングの中心位置が多少ずれた場合でも、溶液滴の滴下位置がずれる恐れがない。
【0084】
第3の実施形態によれば、液滴噴射装置2は、第1の実施形態と同様、液滴噴射アレイ27のノズルプレート100が圧力室210と接触する面と反対側の面(下面側)に液滴噴射アレイ27の駆動素子130に接続される各配線(下部電極131の配線部131bと、端子部131cと、上部電極133の配線部133bと、端子部133cと、ワイヤ配線12と、電装基板23の電装基板配線24)が配置されている。そのため、溶液が、溶液保持容器22からはみ出しても電装基板23の電装基板配線24に付着することがない。したがって、溶液が電装基板23の電装基板配線24に付着することによる、電装基板23の電装基板配線24の腐食や、溶液が隣接する電装基板23の電装基板配線24に付着してショート状態になることを防ぐ安全性の高い液滴噴射装置を提供することが可能である。
【0085】
更に第3の実施形態の液滴噴射装置2では、保護膜150に形成する溶液通過部242の直径d4を振動板120のノズル241の直径d3より大きく形成する。ノズル241と溶液通過部242のパターニングの中心位置がずれたとしても、ノズル241から吐出する溶液滴は、溶液通過部242の影響を受けない。したがって、ノズル241からの溶液滴は、滴下位置精度を良好に保持することができる。
【0086】
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態を示す。本実施形態は第3の実施形態(図9参照)の液滴噴射装置2の変形例である。なお、第4の実施形態にあって、第3の実施形態と同一部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0087】
第3の実施形態では、保護膜150に形成する溶液通過部242の内周面の直径d4を軸方向に同径の円筒形状に形成した構成を示した。これに替えて第4の実施形態の液滴噴射装置2では、保護膜150に形成する溶液通過部242の内周面に外側(液滴の噴射方向)に向かうにしたがって直径が大きくなる状態に傾斜させたテーパー面242aを形成する。
【0088】
図10に示すように、液滴噴射装置2のノズルプレート100は、振動板120上に、直径d3のノズル241及び駆動素子130を備え、更に保護膜150及び撥液膜160を備える。保護膜150の材料はネガ型感光性ポリイミドとする。保護膜150は、ノズル241と同軸であって、振動板120側の端面部分の開口部がノズル241の直径d3より大きい直径d5の溶液通過部242を備える。この溶液通過部242の断面形状は、台形状になっている。
【0089】
例えば、ノズル241の直径d3を20μmとし、溶液通過部242の振動板120側の端面部分の開口部の直径d5を30μmとする。溶液通過部242は、撥液膜160側に向かって広くなる断面が台形状に形成される。撥液膜160は、保護膜150の溶液通過部242のテーパー面242aの表面を覆い、ノズル241に連通する被覆部243aを有する。溶液通過部242は、撥液膜160の被覆部243aを介してノズル241と連通する。
【0090】
液滴噴射装置2の製造時、ノズル241を有する振動板120の駆動素子130を形成した上にネガ型感光性ポリイミド膜を、例えば膜厚4μmに成膜する。ネガ型感光性ポリイミド膜をパターニングして溶液通過部242を備える保護膜150を形成する。保護膜150は、下部電極131の端子部131c及び上部電極133の端子部133cを露出する。
【0091】
保護膜150上に撥液膜160の材料であるシリコーン系樹脂膜を成膜する。成膜したシリコーン系樹脂膜をパターニングして、撥液膜160を形成する。撥液膜160は、ノズル241の内周面に付着することなく、保護膜150の表面を覆う。下部電極131の端子部131c及び上部電極133の端子部133cは露出される。
【0092】
一般にネガ型感光性ポリイミド膜のパターニング時、露光する光は、エッチングマスクに対して極力垂直方向に照射される。しかしながら、エッチングマスクを通過後、露光する光はネガ型感光性ポリイミド膜内で平面方向に広がる。露光する光がネガ型感光性ポリイミド膜内で平面方向に広がると、ネガ型感光性ポリイミド膜の膜厚が厚い場合は、エッチング面が傾斜する恐れがある。
【0093】
溶液通過部242の断面形状を、撥液膜160側に広くなる断面が台形状とし、更に溶液通過部242の振動板120側の直径d5をノズル241の直径d3より大きくする。溶液通過部242のパターニング時にエッチング面が傾斜した場合でも、溶液通過部242の開口を広くして、ノズル241から吐出した溶液滴の滴下位置が溶液通過部242の影響によりずれるのを防止する。
【0094】
第4の実施形態によれば、液滴噴射装置2は、第3の実施形態と同様、液滴噴射アレイ27のノズルプレート100が圧力室210と接触する面と反対側の面(下面側)に液滴噴射アレイ27の駆動素子130に接続される各配線(下部電極131の配線部131bと、端子部131cと、上部電極133の配線部133bと、端子部133cと、ワイヤ配線12と、電装基板23の電装基板配線24)が配置されている。そのため、溶液が、溶液保持容器22からはみ出しても電装基板23の電装基板配線24に付着することがないので、溶液が電装基板23の電装基板配線24に付着することによる、電装基板23の電装基板配線24の腐食や、溶液が隣接する電装基板23の電装基板配線24に付着してショート状態になることを防ぐ安全性の高い液滴噴射装置を提供することが可能である。
【0095】
更に第4の実施形態の液滴噴射装置2は、保護膜150に形成する溶液通過部242を、断面形状が、撥液膜160側に広くなる台形状に形成する。溶液通過部242の振動板120側の直径d5をノズル241の直径d3より大きく形成する。パターニング時に、ノズル241と溶液通過部242のパターニングの中心位置が多少ずれた場合でも、ノズル241から吐出する溶液滴は、溶液通過部242の影響を受けない。ノズル241からの溶液滴は、滴下位置精度を良好に保持することができる。
【0096】
(第5の実施形態)
図11および図12は、第5の実施形態を示す。本実施形態は、第1の実施形態(図1乃至図7参照)の液滴噴射装置2のさらなる変形例である。なお、第5の実施形態にあって、前述の第1の実施形態と同一部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0097】
第1の実施形態では、ベース部材21に、溶液保持容器22と電装基板23を接着固定して、液滴噴射装置2の溶液保持容器22の支持体としている。これに替えて第5の実施形態では、液滴噴射装置2の溶液保持容器22の支持体となる電装基板301を設け、この電装基板301に溶液保持容器22を接着固定したものである。これにより、第1の実施形態のベース部材21が無い構成となっている。
【0098】
図11および図12に示すように電装基板301は、溶液をノズル110から吐出する側の第1の面301aと圧力室210へ溶液を供給する側の第2の面301bとを有する。さらに、電装基板301には、溶液保持容器22の溶液出口の開口部22aよりも大径な貫通孔である矩形状の開口部301cが形成されている。溶液保持容器22の下面に固定された液滴噴射アレイ27は、この開口部301cに挿入される状態で配置されている。
【0099】
図11に示すように電装基板301の裏面(第1の面301a)には、液滴噴射アレイ27の駆動素子130に接続される各電装基板配線324がパターニング形成されている。電装基板配線324の一端部には、外部からの制御信号を入力するための制御信号入力端子325が形成されている。電装基板配線324の他端部には、電極端子接続部326を備える。
【0100】
この電装基板配線324には、液滴噴射アレイ27の駆動素子130に接続される各配線(下部電極131の配線部131bと、端子部131cと、上部電極133の配線部133bと、端子部133cと)が配置されている。そして、電装基板配線324の電極端子接続部326と、液滴噴射アレイ27の下部電極131の端子部131c及び上部電極133の2つの端子部133cとを、ワイヤ配線312で接続している。
【0101】
第5の実施形態の液滴噴射装置2によれば、第1の実施形態と同様、液滴噴射アレイ27のノズルプレート100が圧力室210と接触する面(第2の面301b)と反対側(下面側)の面(第1の面301a)に液滴噴射アレイ27の駆動素子130に接続される各配線が配置されている。各配線は、下部電極131の配線部131bと、端子部131cと、上部電極133の配線部133bと、端子部133cと、ワイヤ配線312と、電装基板301の電装基板配線324である。
【0102】
そのため、溶液が、溶液保持容器22からはみ出しても電装基板301の電装基板配線324に付着することがない。これにより、溶液が電装基板301の電装基板配線324に付着することによる、配線の腐食や、溶液が隣接する電装基板配線324に付着してショート状態になることを防ぐことができる。その結果、安全性の高い液滴噴射装置を提供することが可能である。
【0103】
更に、第5の実施形態の液滴噴射装置2は、電装基板301が液滴噴射装置2の溶液保持容器22の支持体となり、第1の実施形態のベース部材21が無い構成となっている。そのため、本実施形態では、液滴噴射アレイ27と溶液保持容器22との接着部分と、溶液保持容器22と電装基板301の接着部分の2箇所のみで接着固定することができる。したがって、第1の実施形態の装置で必要になっているベース部材21と他の部材との接着固定部分を省略することができるので、第1の実施形態の装置に比べて、接着固定の作業がより簡便な構成となっている。また、第1の実施形態のベース部材21が削除されたことにより、部材数が低減し、より低コストで作成することができる可能性がある。
【0104】
(第6の実施形態)
図13および図14は、第6の実施形態を示す。本実施形態は第5の実施形態(図11および12参照)の液滴噴射装置2の変形例である。なお、第6の実施形態にあって、第5の実施形態と同一部分については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0105】
第6の実施形態の液滴噴射装置2では、制御信号入力端子325と電極端子接続部326を除く電装基板配線324の上に、絶縁膜328が形成されている。絶縁膜328の材料は、例えばソルダレジストであり、フォトレジストによってパターニング形成される。
【0106】
第6の実施形態によれば、液滴噴射装置2は、第1の実施形態と同様、液滴噴射アレイ27のノズルプレート100が圧力室210と接触する面(第2の面301b)と反対側(下面側)の面(第1の面301a)に液滴噴射アレイ27の駆動素子130に接続される各配線が配置されている。各配線は、下部電極131の配線部131bと、端子部131cと、上部電極133の配線部133bと、端子部133cと、ワイヤ配線312と、電装基板301の電装基板配線324である。
【0107】
そのため、溶液が、溶液保持容器22からはみ出しても電装基板301の制御信号入力端子325と電極端子接続部326に付着することがない。これにより、溶液が電装基板301の制御信号入力端子325に付着することによる、配線の腐食を防ぐことができる。その結果、安全性の高い液滴噴射装置を提供することが可能である。
【0108】
更に、第6の実施形態の液滴噴射装置2は、制御信号入力端子325と電極端子接続部326を除く電装基板配線324の上に、絶縁膜328が形成されている。そのため、第1の実施形態と比べて、電装基板配線324の酸化が抑制される。また、隣接する配線間の絶縁性が向上する。
【0109】
以上説明した実施形態では、駆動部である駆動素子130を円形としたが、駆動部の形状は限定されない。駆動部の形状は、例えばひし形或いは楕円等であっても良い。また圧力室210の形状も円形に限らず、ひし形或いは楕円形、更には矩形等であっても良い。
【0110】
また、実施形態では、駆動素子130の中心にノズル110を配置したが、圧力室210の溶液を吐出可能であれば、ノズル110の位置は限定されない。例えばノズル110を、駆動素子130の領域内ではなく、駆動素子130の外側に形成しても良い。ノズル110を駆動素子130の外側に配置した場合には、駆動素子130の複数の膜材料を貫通してノズル110或いはノズル110に連通する溶液通過部141等をパターニングする必要がない。駆動素子130の複数の膜材料は、ノズル110に対応する位置の開口パターニングが不要であり、ノズルプレート100の振動板120、更には保護膜150をパターニングするのみで、ノズル110及び溶液通過部141等を形成でき、パターニングが容易となる。
【0111】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、溶液保持容器22からはみ出した溶液が、アクチュエータである駆動素子130に接続された電装基板配線24、324に付着することがなく、電装基板配線24、324が腐食したり、溶液が隣接する電装基板配線24、324に付着してショート状態になったりすることを防止する液滴噴射装置を提供することができる。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]溶液を吐出するノズルに連通し、内部に溶液が充填される圧力室が形成され、前記溶液を前記ノズルから吐出する側の第1の面と前記圧力室へ溶液を供給する側の第2の面を有する基板と、前記圧力室内の圧力を変化させ、前記圧力室内の溶液を前記ノズルから吐出させるアクチュエータと、溶液を受ける溶液受け口と、前記圧力室内に連通する溶液出口を有し、前記第2の面に配置される溶液保持容器と、前記第1の面に設けられ、前記アクチュエータに接続された配線と、を有する液滴噴射装置。
[2]前記配線に接続し外部から信号を入力する信号端子が、前記第1の面に設けられた[1]に記載の液滴噴射装置。
[3]前記溶液受け口は前記溶液出口より大きく、前記溶液出口は前記圧力室の開口より大きい[1]または[2]に記載の液滴噴射装置。
[4]前記信号端子に、電気的に接続された電装基板を有し、前記電装基板は、前記信号端子に接続される引出し配線を有する第3の面と、前記溶液保持容器に接している第4の面を有する、[2]または[3]に記載の液滴噴射装置。
[5]前記アクチュエータは、振動板と、前記振動板の前記圧力室と反対側に形成される下部電極と、前記下部電極に接して形成される圧電部材と、前記圧電部材に接して形成される上部電極と、前記上部電極の前記圧力室と反対側に形成される保護膜とを有する[1]乃至[4]のいずれか1項に記載の液滴噴射装置。
【符号の説明】
【0113】
1…滴下装置、2…液滴噴射装置、3…基台、4…マイクロプレート、4b…ウエル、5…液滴噴射装置装着モジュール、6a…X方向ガイドレール、6b…X方向ガイドレール、7a…固定台、7b…固定台、8…Y方向ガイドレール、9…X方向移動台、10…Y方向移動台、12…ワイヤ配線、21…ベース部材、21a…凹陥部、21b…凹陥部、21d…液滴噴射アレイ部開口、22…溶液保持容器、22a…開口部、22b…上面開口部、23…電装基板、24…電装基板配線、24a…配線パターン、24b…配線パターン、24c…配線パターン、25…制御信号入力端子、26…電極端子接続部、27…液滴噴射アレイ、100…ノズルプレート、110…ノズル、120…振動板、130…駆動素子、131…下部電極、131a…電極部、131b…配線部、131c…下部電極端子部、132…圧電体膜、133…上部電極、133a…電極部、133b…電極配線部、133c…上側電極端子部、140…絶縁膜、140a…コンタクト部、141…溶液通過部、150…保護膜、160…撥液膜、200…圧力室構造体、201…シリコンウエハ、210…圧力室、220…反り低減膜、230…ノズル、231…周孔、241…ノズル、242…溶液通過部、242a…テーパー面、243…被覆部、243a…被覆部、301…電装基板、301a…第1の面、301b…第2の面、301c…開口部、312…ワイヤ配線、324…電装基板配線、325…制御信号入力端子、326…電極端子接続部、328…絶縁膜。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14