特許第6643082号(P6643082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6643082弦楽器にチューニングマシンを設置するための装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643082
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】弦楽器にチューニングマシンを設置するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G10D 3/14 20200101AFI20200130BHJP
【FI】
   G10D3/14
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-257280(P2015-257280)
(22)【出願日】2015年12月28日
(65)【公開番号】特開2017-120337(P2017-120337A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2018年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】516004639
【氏名又は名称】ディヴィット ダンウーディ
【氏名又は名称原語表記】David Dunwoodie
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】ディヴィット ダンウーディ
【審査官】 山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−534120(JP,A)
【文献】 特開2014−025285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10D 1/00−3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱部と、1つ以上の隣接したロケータピンとを備えたチューニングマシンを、前記柱部を受けるように適合された第1柱部用開口部と、前記チューニングマシンの前記ロケータピンと配置が合わない隣接した受け孔と、を有する設置構造を備えた弦楽器に設置するための装置であって、該装置は
i. 楽器側表面と、チューニングマシン側表面と、それらの表面同士の間にわたり、前記チューニングマシンの前記柱部を受けて通過させるように構成された第2柱部用開口部とを備えた設置部材と、
ii. 前記チューニングマシンの前記柱部が前記第2柱部用開口部内に配置されるときに前記チューニングマシンの前記ロケータピンにアライメントされて前記チューニングマシンの前記ロケータピンを受けるように適合された、前記チューニングマシン側表面における1つ以上のチューニングマシンアライメント開口部と、
iii. 前記チューニングマシンの前記柱部が前記設置部材の前記第2柱部用開口部内と前記楽器の前記第1柱部用開口部内とに配置されるときに前記楽器の前記受け孔にアライメントされる、前記楽器側表面における1つ以上の楽器用アライメント要素とを含み、
前記チューニングマシン側表面は前記チューニングマシンの基部を補完的に受け、前記楽器側表面は、配置が合わない前記楽器に前記チューニングマシンが固定されることができるように前記楽器の前記設置構造と補完的に適合される、装置。
【請求項2】
前記楽器用アライメント要素は、前記楽器の前記受け孔にアライメントされ、前記楽器の前記受け孔内に受けるように適合された突起部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記楽器用アライメント要素は、前記楽器の前記受け孔にアライメントされ、前記楽器用アライメント要素を通過する留め具を前記楽器のそれぞれの前記受け孔に係合させるように適合されたノッチ及び孔のうちの1つ、又はその両方を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記設置部材は、前記装置と前記チューニングマシンとが前記楽器に設置されるときに前記チューニングマシンのボディの設置面と正確に合致するように形づくられた板形状である、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記設置部材は、前記装置と前記チューニングマシンとが前記楽器に設置されるときに前記チューニングマシンのボディの設置面と正確に合致するように形づくられた板形状である、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
柱部と、1つ以上の隣接したロケータピンとを備えたチューニングマシンを、前記柱部を受けるように適合された第1柱部用開口部と、前記チューニングマシンの前記ロケータピンと配置が合わない隣接した受け孔と、を有する設置構造を備えた弦楽器に設置する方法であって、該方法は、
i. 楽器側表面と、チューニングマシン側表面と、それらの表面同士の間にわたり、前記チューニングマシンの前記柱部を受けて通過させるように構成された第2柱部用開口部とを備えた設置部材を設けるステップと、
ii. 前記チューニングマシンの前記柱部が前記第2柱部用開口部内に配置されるときに前記チューニングマシンの前記ロケータピンにアライメントされて前記チューニングマシンの前記ロケータピンを受けるように適合された、前記チューニングマシン側表面における1つ以上のチューニングマシンアライメント開口部を設けるステップと、
iii. 前記チューニングマシンの前記柱部が前記設置部材の前記第2柱部用開口部内と前記楽器の前記第1柱部用開口部内とに配置されるときに前記楽器の前記受け孔にアライメントされる、前記楽器側表面における1つ以上の楽器用アライメント要素を設けるステップと、
iv. 前記柱部が前記第2柱部用開口部を通過し、前記ロケータピンが前記チューニングマシンアライメント開口部内に受け入れられるように、前記チューニングマシンを前記設置部材に配置するステップと、
v. 前記柱部が前記楽器の前記第1柱部用開口部を通過し、前記楽器用アライメント要素が前記楽器の対応する受け孔にアライメントされるように、前記チューニングマシンと前記設置部材との組合せを前記楽器に配置するステップと、
vi. 前記チューニングマシンを前記楽器に固定するステップとを含み、
前記チューニングマシン側表面は前記チューニングマシンの基部を補完的に受け、前記楽器側表面は、配置が合わない前記楽器に前記チューニングマシンが固定されることができるように前記楽器の前記設置構造と補完的に適合される、方法。
【請求項7】
前記楽器用アライメント要素は、前記楽器の前記受け孔にアライメントされ、前記楽器の前記受け孔内に受けるように適合された突起部を含み、
前記ステップvは、前記チューニングマシンと前記設置部材との組合せを、前記柱部が前記楽器の前記第1柱部用開口部を通過し、前記突起部が前記楽器の前記受け孔にアライメントされるように前記楽器に配置することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記楽器用アライメント要素は、前記楽器の前記受け孔にアライメントされ、前記楽器用アライメント要素を通過する留め具を前記楽器のそれぞれの前記受け孔に係合させるように適合されたノッチ及び孔のうちの1つ、又はその両方を含み、
前記ステップviは、前記留め具を、前記楽器用アライメント要素を介して又は前記楽器用アライメント要素に対して、前記楽器の前記受け孔内に留めることを含む、請求項6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューニング機構を弦楽器に設置するためのシステム、キット、及び方法に広く関する。より詳しくは、本発明は、楽器を恒久的に変形又は変化させることなく、多様なチューニングマシンを楽器に適応及びアライメントさせて設置するためのシステム及び方法に一般に関する。
【背景技術】
【0002】
弦楽器では、各弦の一方の端部には固定アンカーが、そして他方の端部には、ユーザが弦にかかる最適な張力量を定めることを可能にする機構が、通常は設けられる。弦が振動する周波数は、様々なパラメータの中で、弦の振動長さ及び張力に大きく依存する。弦の張力を調節するために用いられるギア式機械機構はチューニングマシン又はチューニングヘッドとしてしばしば言及される。チューニングマシンは本技術分野において既知であり、ギターやバンジョーなどに使用される典型的なチューニングマシンは、ボディ14を介して延びるワームシャフトの端部に固定されたチューニングハンドル12を含む。ワームホイールはボディ14内のワームシャフトのワームと噛合され、円柱部16はワームホイールと接続され、ワームホイールの回転軸にアライメントされる。円柱部16は、楽器のヘッド部の孔を介して弦の側に延び、その軸が弦に対して通常は垂直になるようにアライメントされる。操作において、チューニングハンドル12(つまりワームシャフト)が回転されると、ワームホイール、つまり円柱部16が回転する。このため、円柱部16に形成されたギター弦挿入孔13を介して挿入されたギターの弦は、円柱部16に巻きとられる又は円柱部16において緩められ、弦の張力を上げるか又は下げて、弦のチューニングがおこなわれる。
【0003】
様々なデザインである数多くの市販のチューニングマシンを入手することが可能であり、その多くは上述された共通の特徴や機能を有している。過去と現在とのチューニングマシン製造者又はチューニングマシンの型のなかで、本明細書では設置構造としても言及される接続構造構成についての違いがある。該接続構造構成により、チューニングマシンが取り付けられる又は取り付けられた特定の仕様又は型の楽器のヘッドにチューニングマシンが接続又は結合されることができる。例として、図1及び図2に示されるような一部のチューニングマシン10はボディ14の底表面18から延びる1つ以上の突出部又はピン17を備え、該1つ以上の突出部又はピン17は、楽器又はギターやバンジョーなどのヘッド20において柱部受け孔28に隣接して設けられた、補完的にサイズを定められアライメントされた孔19に受け入れられる。ヘッド20の補完孔19内に配置されたチューニングマシンのピン17によって、チューニングマシン10の不要な回転又は動作が防止される。チューニングマシンのその他の変形では、チューニングマシンのボディから延び、そして円柱部16用の孔28に隣接してヘッド20に設けられた孔26にアライメントされる孔24を含む1つ以上の耳部22が含まれてもよい。ねじ31は、耳部22の孔24を介してヘッド20の孔26に固定されて、チューニングマシンの不要な動作又は回転を防止する。ねじを用いるその他の設置構造のいくつかの実施例は、図5のヘッドモデルにおいて例示され、柱部受け孔28の周りの点32は、適合されるチューニングマシンのボディ上の補完的突起部か、適合されるチューニングマシンのボディを通過するねじか、又はその両方を組み合わせたものを受ける孔を表す。
【0004】
時間の経過に伴ってチューニングマシンは摩耗又は破損し、交換が必要とされ得る。さらに、古いチューニングマシンを最新技術の又はより美感に訴えるユニットに交換することは望ましい。しかし、特定の楽器のチューニングマシンを交換するにあたってしばしば起こる問題は、楽器の変形を不要にするため、交換されるものと同様の設置構成を備えたチューニングマシンを、交換部品の市場において見つけることである。例えばギターに関しては、交換部品の市場において、交換されるユニットとのものと同様の設置構成を備えた所望のチューニングマシンを得ることはしばしば難しく、或いは不可能である。これはつまり、新しいチューニングマシンの設置構成に合致する追加の孔を空けることによって、又は、新しいチューニングマシンの耳部・孔に合致するヘッドの新しい位置にねじを打ち込むことによって、又はその両方によって、楽器のヘッドを変形させる必要があることを意味する。古い孔が見える状態で残存する場合、見た目をきれいに保つために充填される必要がある。多くの場合、楽器の所有者にとって、ヘッドを変形させることは楽器の価値を保つ上で不本意なことであり得る。その場合、交換チューニングマシンを見つけることは困難であり且つ時間がかかるか、又はその選択肢は限られ得る。
【0005】
上述の問題の解決を模索する先行技術の一装置は、米国ニューヨーク州、インターラーケンのヒップショットプロダクツ社が販売するUMP(ユニバーサルマウントプレート)と呼ばれる装置であり、特許文献1に記載される。UMP装置は、ギターのチューニングマシンとヘッドとの間に適合されるアダプタプレートである。プレート表面のタブは、チューニングマシンがヘッドに対して横滑りすることを防止する。また、現存のヘッドの孔を介してチューニングマシンに挿入されるリーチナットは、アセンブリ全体を定位置に確実に保つ。つまり、1つのユニットとして連動するチューニングマシンは、ヘッドの孔自体を、個別の配置用ピン又は設置用ねじ孔というよりも安定性のために用いる。UMPは、平坦な基部のチューニングマシンが種々の設置構造のヘッドに設置されることができるシステムを提供する一方で、ヘッド上に複数のチューニングマシンにわたるプレートが見て取れるため美的外観が損ねられ、一部の楽器の所有者又は愛好者にとっては、体裁がよく映らない。特に、外観の美しさを保つことに熱心なギター愛好家はUMP装置を理想的な解決策とは見なさないであろう。一設置構成のチューニングマシンを、楽器の美観を保持するために外観上は目立たないようにしながら、異なる設置構造を有する楽器のヘッドに設置するためのアダプタ装置及び方法が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許公開第2014/052910号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先行技術における問題点は、既に楽器に存在する複数の設置構造に対して、ロケータピンをその基部の下部に有するチューニングマシンを設置するためのシステム、キット及び方法が提供されることによって解決され得る。
【課題を解決するための手段】
【0008】
例えば、基部の下部表面から下に向かって延びる2つのロケータピンを備えるチューニングマシンは、動作や回転に耐えるためチューニングマシンを通過しヘッドに入るねじを収容するヘッドのねじ孔を有する設置構造を備えた楽器又はヘッドに設置されてもよい。
【0009】
従って、一部の態様において、本発明は、柱部と、1つ以上の隣接したロケータピンとを備えたチューニングマシンを、柱部を受けるように適応された第1柱部用開口部と、チューニングマシンのロケータピンとは位置がずれた隣接した受け孔とを有する設置構造を備えた弦楽器に設置するための装置を提供し、該装置は、楽器側表面、チューニングマシン側表面、及びその表面同士の間にわたり、チューニングマシンの柱部を受けて通過させるように構成された第2柱部用開口部を備えた設置部材と、チューニングマシンの柱部が第2柱部用開口部内に配置されるときにチューニングマシンのロケータピンにアライメントされてチューニングマシンのロケータピンを受けるように適応された、チューニングマシン側表面における1つ以上のチューニングマシンアライメント開口部と、チューニングマシンの柱部が設置部材の第2柱部用開口部内と楽器の第1柱部用開口部内とに配置されるときに楽器の受け孔にアライメントされる、楽器側表面における1つ以上の楽器用アライメント要素と、を含み、チューニングマシン側表面はチューニングマシンの基部を補完的に受け、楽器側表面は、チューニングマシンが不一致の組合せの楽器に固定されることができるように楽器の設置構造と補完的に適合する。一部の実施形態において、楽器用アライメント要素は、楽器の受け孔にアライメントされ、受け孔内に受けるように適合された突起部を含んでもよい。一部の実施形態において、楽器用アライメント要素は、楽器の受け孔にアライメントされ、楽器用アライメント要素を通過する留め具を楽器の各受け孔に係合させるように適合されるノッチ若しくは孔、又はノッチ及び孔を含んでもよい。
【0010】
さらに、本発明は、柱部と、1つ以上の隣接したロケータピンとを備えたチューニングマシンを、柱部を受けるように適合された第1柱部用開口部と、チューニングマシンのロケータピンに対して位置がずれた隣接した受け孔とを備えた設置構造を有する弦楽器に設置する方法を提供し、該方法は、
楽器側表面と、チューニングマシン側表面と、その表面同士の間にわたり、チューニングマシンの柱部を受けて通過させるように構成された第2柱部用開口部とを備えた設置部材を設けるステップと、
チューニングマシンの柱部が第2柱部用開口部内に配置されるときにチューニングマシンのロケータピンにアライメントされてチューニングマシンのロケータピンを受けるように適応された、チューニングマシン側表面における1つ以上のチューニングマシンアライメント開口部を設けるステップと、
チューニングマシンの柱部が設置部材の第2柱部用開口部内と楽器の第1柱部用開口部内とに配置されるときに楽器の受け孔にアライメントされる、楽器側表面における1つ以上の楽器用アライメント要素を設けるステップと、
柱部が第2柱部用開口部を通過し、ロケータピンがチューニングマシンアライメント開口部に受け入れられるように、チューニングマシンを設置部材上に配置するステップと、
柱部が楽器の第1柱部用開口部を通過し、楽器用アライメント要素が対応する楽器の受け孔にアライメントされるように、チューニングマシンと設置部材との組合せを楽器に配置するステップと、
チューニングマシンを楽器に固定するステップとを含み、
チューニングマシン側表面はチューニングマシンの基部を補完的に受け、楽器側表面は、チューニングマシンが不一致の組合せの楽器に固定されることができるように楽器の設置構造と補完的に適合する。一部の実施形態において、楽器用アライメント要素は、楽器の受け孔にアライメントされ、受け孔内に受け入れられるように適応された突起部を含んでもよく、また、チューニングマシンと設置部材との組合せは、柱部が楽器の第1柱部用開口部を通過し、突起部が楽器の受け孔にアライメントされるように楽器に配置されてもよい。一部の実施形態において、楽器用アライメント要素は、楽器の受け孔にアライメントされ、楽器用アライメント要素を通過する留め具を楽器の各受け孔に係合させるように適合されるノッチ若しくは孔、又はノッチ及び孔を含んでもよく、また固定するステップは、留め具を、楽器用アライメント要素を介して又は楽器用アライメント要素に対して、楽器の受け孔に留めることを含んでもよい。
【発明の効果】
【0011】
また、本明細書に記載される構成要素は、元の楽器をまったく変形させることなく大部分の楽器に適合される又は後付けされるように設計される。
【0012】
本発明のその他の態様及び特徴は、添付の図面と特許請求の範囲と併せて、以下の本発明の発明を実施するための形態の記載に目を通すことで、当業者には明白になる。
【0013】
図面は、本発明の実施形態を一例としてのみ描出する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、例としてのギターへッドと、ロケータピンを備えたチューニングマシンとの斜視図であり、ヘッドに対するチューニングマシンの配置を示す。
図2図2は、図1のチューニングマシンの正面図である。
図3図3は、ギターへッドと、ねじラグを有する別の変形型のチューニングマシンとの斜視図であり、ヘッドに対するチューニングマシンの配置を示す。
図4図4は、図3のチューニングマシンの背面図である。
図5図5は、ギターへッドの上面図であり、チューニングマシン設置構造の数を例示する。
図6図6は、本発明による設置部材のいくつかの実施形態の斜視図を包含し、楽器用アライメント要素は、楽器の受け孔にアライメントされる孔(6a及び6b)又はノッチ(6c及び6d)を含む
図7図7は、図6の実施形態の上面図を包含する。
図8図8は、ギターへッドの斜視図であり、図1のチューニングマシンと共に、図6における設置部材のうち実施形態(a)を設置する配置を示す。
図9図9は、ギターへッドの斜視図であり、図1のチューニングマシンと共に、図6における設置部材のうち実施形態(b)を設置する配置を示す。
図10図10は、本発明の設置部材の別の実施形態を上部から見た斜視図である。楽器用アライメント要素は本明細書においてロケータピンとしても言及される突起部を含み、該突起部は楽器の受け孔にアライメントされ受け入れられる。
図11図11は、図10の設置部材を下部から見た斜視図である。
図12図12は、図10の設置部材の上面図である。
図13図13は、図12に示されるA−A面に沿った、図10の設置部材の断面図である。
図14図14は、図12に示されるB−B面に沿った、図10の設置部材の断面図である。
図15図15は、図10の設置部材の下面図である。
図16図16は、図15に示されるC−C面に沿った、図10の設置部材の断面図である。
図17図17は、ギターヘッドの斜視図であり、図1のチューニングマシンと共に、図10〜図16の実施形態の設置部材を設置する配置を示す。
図18図18は、図17に示されるD−D面に沿った、図17のヘッドに固定されたチューニングマシン及び設置部材の断面図である。
図19図19は、図10〜図16に示される設置部材の実施形態を用いて設置されたチューニングマシン一式を備えたギターヘッドの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1及び図2を参照すると、典型としてのチューニングマシン10の正面図(図2)と、ヘッドに対してチューニングマシンを設置する配置を示す、例としてのギターへッド20及びチューニングマシン10の斜視図(図1)とが提示される。チューニングマシン10などのチューニングマシンは当該技術分野において既知であり、通常は、チューニングヘッドのボディ14を通過して延びるワームシャフト(図示せず)の端部に固定されるチューニングハンドル12を含む。ワームホイール(これも図示せず)はボディ14内部のワームシャフトのワームと噛合され、円柱部16はワームホイールと接続され、ワームホイールの回転軸にアライメントされる。円柱部16は、ヘッドの柱部受け孔28を介してヘッドの弦と同じ側に延び、その軸が弦に対して通常は垂直になるようにアライメントされる。操作において、チューニングハンドル12(つまりワームシャフト)が回転されるとき、ワームホイール、つまり円柱部16を回転させる。このため、円柱部16に形成されたギター弦挿入孔13を介して挿入されるギターの弦は、円柱部に巻きとられる又は円柱部において緩められ、弦の張力に作用し、弦のチューニングがおこなわれる。円柱部16はねじ式ハブ15に包囲され、ヘッドの他方の側からねじを係合する補完ナット(図示せず)によってチューニングマシンがヘッドに固定される。チューニングマシンについての上記記載は、本明細書における目的のためにある程度簡易化されているが、当業者には認識される構造、操作、及び弦楽器への通常のチューニングマシンの設置である。
【0016】
図1及び図2のチューニングマシン10は、チューニングマシンのボディ14の下部又はヘッド側表面18から延びる対の突起部又はロケータピン17を含む。図1のヘッドは、チューニングマシンの円柱部16を受けるように適合された柱部用孔又は開口部28を含む。柱部用開口部28と隣接するのは、チューニングマシンのボディ上のロケータピン17が円柱部16に対して配置されるとき、柱部用開口部28に対して補完的に配置される対の受け孔19である。受け孔19は、ヘッドの柱部用開口部28にチューニングマシンの円柱部16が完全に挿入されるときに、チューニングマシンのロケータピン17を受けるように適合される。受け孔の数と、ヘッドの柱部開口部に対する受け孔の各間隔とは、設置構造における一例であり、提示される実施形態は、チューニングマシンのボディの前方側下端部に対のロケータピンを備えたチューニングマシンを受けるように適合されたものである。また、様々な設置構造と補完的なチューニングマシンとが市販されていることは当業者には明白であろう。
【0017】
図3及び図4を参照すると、他のチューニングマシン11の正面図(図4)と、ヘッドに対するチューニングマシン11の設置における配置を示すギターへッド20及びチューニングマシン11の斜視図(図3)とが示される。チューニングマシン11は、ロケータピン17が省略され、チューニングマシンのボディにおいて孔24が通過する耳部22が追加されていることを除いて、図2のチューニングマシン10と類似する。ヘッド20の補完的設置構造は、柱部用開口部28と隣接する孔26とを含む。該構造はチューニングマシン11のボディにおける耳部22の孔24の間隔及び配置と相補的であり、チューニングマシン11の円柱部がヘッドの柱部用開口部28に完全に挿入されるときに孔24は孔26にアライメントされる。また、ねじ31が耳部22の孔24を介してヘッド20の孔26に固定され、チューニングマシンの不要な動作又は回転を防ぐ。
【0018】
図5を参照すると、様々な一般的設置構造を例示するギターヘッド20の上面図が示され、該構造のそれぞれは、チューニングマシンの不要な動作又は回転を防ぐような形態でチューニングマシンを楽器に固定する場合に、相補的なチューニングマシンを必要とする。実際には、一般に1つの型の設置構造のみがヘッドに存在するので、これは例示を目的とするものである。例示される柱部用開口部28周囲の孔32は、合致されるチューニングマシンの下部表面上の補完的なロケータピンを受けるための受け孔を表すか、又は合致するチューニングマシンのボディを通過するねじを受けるためのねじ孔を表すか、又は、その両方を表す。また、当業者は、市販されているチューニングマシン用の他の種々の設置構造があることを認識するであろう。
【0019】
図6及び図7は、本発明による設置部材34の複数の実施形態の斜視図及び上面図をそれぞれ含み、通常は、上部側又はチューニングマシン側表面38、対向する下部側又は楽器側表面39、並びに上部及び下部表面の間の板部を通過して延びる柱部用開口部41を備えた板状部材36を含む。柱部用開口部41は、チューニングマシンの円柱部16を受けて通過させるように構成される。板状部材36は、チューニングマシン10の柱部16が柱部用開口部41内に配置されるときにチューニングマシンのロケータピン17にアライメントされるように構成され、またチューニングマシンのロケータピン17を受けるように適応された、チューニングマシン側表面38のチューニングマシンアライメント開口部40を含む。板状部材36は、チューニングマシンの柱部が設置部材の柱部用開口部内と楽器の柱部用開口部内に配置されるときに楽器の受け孔にアライメントされるように構成された、楽器用アライメント要素42も含む。例示の実施形態では、楽器用アライメント要素42は、実施形態(a)及び(b)における孔44か、或いは実施形態(c)及び(d)におけるノッチ45を含む。該楽器用アライメント要素42は、楽器に対して板状部材が回転することを防ぐために、孔44を通過するか若しくは板状部材36のノッチ45と接して通過するねじを楽器に受けて係合される楽器の受け孔にアライメントされる。
【0020】
図8を参照すると、図1に示されるようなチューニングマシンと共に、図6及び図7の実施形態における設置部材を設置する配置を表すギターヘッド20の斜視図が示される。示されるように、ヘッド20の設置構造は柱部用開口部28と斜めにオフセット配置された受け孔26を備える。実施形態(a)の設置部材又は板34は、これも孔44と26及び柱部用開口部41と28がアライメントされるようにオフセット配置された孔44と柱部用開口部41とを備える。チューニングマシン10は、チューニングマシンのボディ14の前方側端部に隣接する対のロケータピン17を含む。実施形態(a)の板状部材34も、上部表面38に、板状部材の前方端部43に隣接する対の配置用開口部又は孔40を備える。板状部材の孔40は、柱部16が板状部材の柱部用開口部41内に配置されるときに、チューニングマシンのロケータピン17を受けるように配置されサイズを定められる。
【0021】
チューニングマシンは、まず、柱部16が柱部用開口部41を通過してロケータピン17が孔40内に受け取られるようにチューニングマシンを板状部材34に配置し、そして、柱部がヘッドの柱部用開口部28を通過し、板状部材の孔44がヘッドの受け孔26にアライメントされるように、チューニングマシンと板状部材との組合せをヘッドに配置することによって、楽器に設置される。ねじ31は、孔44を通過して、板状部材を楽器に固定するために受け孔26に留められ、そしてナットは、アセンブリ全体をヘッドに固定するためにねじ式ハブ15に締めて固定される。有利には、チューニングマシンは、孔40内に受けるロケータピン17により、板状部材に対する回転が抑制され、板状部材は、孔44を通過して楽器に入るねじにより、ヘッドに対する回転が抑制される。従って、板状部材34によって、ロケータピンを備えるチューニングマシンは位置が合わない設置構造を有する楽器に設置されることができ、例示の実施形態においては、楽器自体にいずれの変形もおこなう必要なくチューニングマシンの回転を抑制するために、柱部用開口部からオフセット配置された設置ねじが拠りどころとなる。
【0022】
図9を参照すると、図1のチューニングマシンと共に、図6及び図7における実施形態(b)の設置部材を設置する配置を示すギターへッドの斜視図が示される。図8に示されるものとの主な違いは、ヘッドの柱部用開口部28に対する受け孔26の配置と合致させるための、板状部材34の柱部用開口部41に対する孔44の配置と、最終的なその形状である。
【0023】
図10図16を参照すると、上部側又はチューニングマシン側表面38、対向する下部側又は楽器側表面39、並びに上部及び下部表面の間の板状部材を通過して延びる柱部用開口部41を備えた設置部材又は板状部材34を含む本発明の他の実施形態が示される。柱部用開口部41は、チューニングマシンの円柱部16を受けて通過させるように構成される。板状部材34は、チューニングマシン10の柱部16が柱部用開口部41内に配置されるときに、チューニングマシンのロケータピン17にアライメントされるように構成され、チューニングマシンのロケータピン17を受けるように適合された、チューニングマシン側表面38における対のチューニングマシンアライメント開口部40を含む。また、板状部材34は、チューニングマシンの柱部が設置部材の柱部用開口部及び楽器の柱部用開口部内に配置されるときに、楽器の受け孔にアライメントされるように構成された対の楽器用アライメント要素も含む。例示の実施形態では、楽器用アライメント要素42は、板状部材の下部表面39から下方に延びる対の突起部又はロケータピン47を含み、該対の突起部又はロケータピン47は、ロケータピン47を受けるヘッド上の補完的な受け孔19にアライメントされる。
【0024】
図17及び図18に関して、図10図18の実施形態のチューニングマシンは、まず、柱部16が柱部用開口部41を通過してロケータピン17が孔40内に受け入れられるようにチューニングマシンを板状部材34に配置し、そして、柱部がヘッドの柱部用開口部を通過し、板状部材34の下部表面のロケータピン47がヘッドの受け孔19にアライメントされるように、チューニングマシンと板状部材との組合せをヘッド20に配置することによって、楽器に設置される。また、アセンブリ全体をヘッドに固定するために、ナットはねじ式ハブ15に締めて固定される。有利には、チューニングマシンは、孔40内に受けるロケータピン17により、板状部材に対する回転が抑制され、板状部材は、ヘッドの受け孔19内に受けるロケータピン47により、ヘッドに対する回転が抑制される。従って、一構成におけるロケータピンを備えたチューニングマシンは、板状部材34によって、楽器自体にいずれの変形もおこなう必要なく、チューニングマシンのロケータピン17と直接的にはアライメントされない受け孔19を有する位置の合わない設置構造を備えた楽器に設置されることができる。
【0025】
設置されるアセンブリの外観をよくする目的で、一部の実施形態における板状部材は、見た目の影響を最小限にするために、(例示されるような)対応するチューニングマシンの設置面にぴったりと合致するようにサイズを定められてもよい。追加又は代替として、板状部材の材料と仕上げとは、楽器の全体的な外観に対応するか、又は楽器の特定の美的特徴(ビンテージ感、色など)を保持するために部品に似せるように選択されてもよい。
【0026】
図19を参照すると、図10図16に示される実施形態の設置部材を用いて設置されたチューニングマシン一式を備えたギターヘッドが示され、本発明の設置部材が、設置されたチューニングマシンの全体的な外観に最小限の影響を与え、外観がすっきりとして美的であることが表される。
【0027】
本発明の設置部材の一部の実施形態が示され記載されるものの、それぞれはチューニングマシンの複数の設置構造のうちの1つを満たすように構成されており、楽器においてしばしば見受けられるものである。さらに、柱部用開口部41に対するチューニングマシンアライメント開口部40及び楽器用アライメント要素42のうちの1つ又は両方の数や、サイズ、配置、間隔が変更され得ることが考慮されることから、本発明の他の実施形態は、チューニングマシンのロケータピン構成を、本明細書に記載されていない不適当な組合せの楽器における設置構造に適合させるようにして取得されてもよい。
【0028】
また、上記記載と図面によって本発明の好適又は代替的な実施形態が表されるが、本発明の範囲から離れることなく多数の変形がなされることが理解される。つまり、本明細書に記載され描出される実施形態は、添付の特許請求の範囲によって理解される本発明を限定するものとして考慮されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19