(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
始動入賞した場合に大入賞口を開放する特定状態を発生させるための単位遊技を行い、当該単位遊技の結果に応じて特定状態を発生可能であると共に、予め設定される第1特別状態発生条件が成立した場合に、始動入賞と前記特定状態の発生により大入賞口への入賞である大入賞とを発生させる条件が通常状態よりも遊技者にとって有利である第1特別状態を発生可能である一方、予め設定される第2特別状態発生条件が成立した場合に、始動入賞を発生させる条件は通常状態よりも遊技者にとって有効であるが、前記特定状態の発生により前記大入賞を発生させる条件は前記第1特別状態よりも遊技者にとって不利である第2特別状態を発生可能な遊技機の遊技情報を管理対象とする遊技場用システムであって、
遊技機にて消費した遊技価値であるアウトに対応したアウト情報を特定可能なアウト信号、遊技機での入賞に応じて付与された遊技価値を示すセーフであって全体の入賞分に対応した全セーフを示すセーフ情報を特定可能なセーフ信号、始動入賞分の前記セーフを示す始動セーフに対応した始動情報を特定可能な始動信号、及び前記第1特別状態である期間を示す第1特別状態期間と前記第2特別状態である期間を示す第2特別状態期間とを区別して特定可能な特別状態信号を入力可能な入力手段と、
前記第1特別状態期間における前記セーフ情報である第1特別セーフ情報、前記第1特別状態期間における前記始動情報である第1特別始動情報、及び前記第2特別状態期間における前記アウト情報である第2特別アウト情報、前記第2特別状態期間における前記セーフ情報である第2特別セーフ情報、及び前記第2特別状態期間における前記始動情報である第2特別始動情報を特定する遊技情報特定手段と、
前記第2特別セーフ情報に対応した前記全セーフから前記第2特別始動情報に対応した前記始動セーフを除いた第2特別除外セーフの前記第2特別アウト情報に対する比率に対応した第1他セーフ分と、前記第1特別始動情報に対応した前記始動セーフ分とを、前記第1特別セーフ情報に対応した前記全セーフ分から除いた第1特別大セーフ分に対応した第1特別除外情報を特定する除外情報特定手段と、
前記特別除外情報を管理する管理手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
始動入賞した場合に大入賞口を開放する特定状態を発生させるための単位遊技を行い、当該単位遊技の結果に応じて特定状態を発生可能であると共に、予め設定される第1特別状態発生条件が成立した場合に、始動入賞と前記特定状態の発生により大入賞口への入賞である大入賞とを発生させる条件が通常状態よりも遊技者にとって有利である第1特別状態を発生可能である一方、予め設定される第2特別状態発生条件が成立した場合に、始動入賞を発生させる条件は通常状態よりも遊技者にとって有効であるが、前記特定状態の発生により前記大入賞を発生させる条件は前記第1特別状態よりも遊技者にとって不利である第2特別状態を発生可能な遊技機の遊技情報を管理対象とする遊技場用システムであって、
遊技機での入賞に応じて付与された遊技価値を示すセーフであって全体の入賞分に対応した全セーフを示すセーフ情報を特定可能なセーフ信号、始動入賞分の前記セーフを示す始動セーフに対応した始動情報を特定可能な始動信号を入力可能な入力手段であって、大入賞分、或いは一般入賞分の前記セーフを示す他セーフに対応した他入賞情報を特定可能な他入賞信号を入力対象とせず、前記第1特別状態である期間を示す第1特別状態期間と前記第2特別状態である期間を示す第2特別状態期間とを区別不能であるが、前記第1特別状態期間、及び前記第2特別状態期間のいずれかである特別状態期間を特定可能な第1特別状態信号を入力対象とする第1パターン、前記他入賞信号と前記第1特別状態信号とを入力対象とする第2パターン、前記他入賞信号を入力対象とせず、前記第2特別状態期間を前記第1特別状態期間と区分して特定可能な第2特別状態信号を入力対象とする第3パターン、及び前記他入賞信号と前記第2特別状態信号とを入力対象とする第4パターンの内、少なくとも複数のパターンによる入力を可能とする入力手段と、
前記特別状態期間、若しくは前記第2特別状態期間を示す特別対象期間における前記セーフ情報である特別セーフ情報、及び前記特別対象期間における前記始動情報である特別始動情報を特定する遊技情報特定手段と、
前記第1パターンから前記第4パターンの内の少なくとも複数のパターンから入力対象とするパターンを設定する設定手段と、
前記設定手段により設定されたパターンに応じて特定可能な遊技情報を特定する遊技情報特定手段と、
前記特別セーフ情報に対応した前記全セーフ分から、前記特別始動情報に対応した前記始動セーフ分、又は当該始動セーフ分と前記特別対象期間における前記他入賞情報に対応した前記他セーフ分とを除いた特別除外セーフ分に対応した特別除外情報を含む特別除外情報を特定する除外情報特定手段と、
前記特別除外情報を管理する管理手段と、
を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2及び情報表示装置3が設置されている。これら遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は、中継装置4(入力手段)及びLAN5を介して管理装置6(遊技情報特定手段、除外情報特定手段、管理手段)と接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から出力される遊技信号を入力して遊技機1毎の遊技データや会員登録された会員毎の個人データ等を管理する。遊技場にはPOSや残高精算機(何れも図示せず)も設置されており、これらPOSや残高精算機も、LAN5を介して管理装置6と接続されている。尚、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
【0011】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技機1や遊技装置2等から入力される遊技信号に基づいて、遊技機1や遊技装置2等の稼動状態を特定して遊技機1毎に遊技情報を管理して管理者向けに表示、印字出力する。
【0012】
遊技機1は、CR(カードリーダ)パチンコ機であり、
図2に示すように、盤面9に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル10、上受皿11、下受皿12を有し、上受皿11には残高表示部13、貸出釦14、返却釦15が設けられていると共に、盤面9には普図入賞口16、普図表示部17、普図保留表示部18、特図表示部19、第1保留数表示部20、第2保留数表示部21、一般入賞口22、第1始動口23、第2始動口24、大入賞口25が設けられている。
【0013】
遊技機1は以下に示すように動作する。
(1)第1始動口23は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口24は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口23、24への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特賞表示部19にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0014】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されず、第2始動口24に保留がある場合は第1始動口23の保留に優先して保留している図柄変動を実行する。
【0015】
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/300で、大当りが発生すると10ラウンド(R)分だけ大入賞口25を開放する。1Rの上限入賞数は10個であり、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数または上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。尚、所謂ラウンド振分を行わない遊技機を例示したがラウンド振分を行う遊技機を対象としても良い。
【0016】
(4)大当りが終了(特別状態発生条件、第2特別状態発生条件が成立)すると特別状態である確変(以下、STという場合もある。特別状態期間、第1特別状態期間)となり、ST中は大当り確率が1/74に向上すると共に、第2始動口24の入賞率が高くなる時短状態(以下、時短)となる。STでは、振分抽選により、その一部または全部の期間にて小当り(特定状態)が頻出する小当りラッシュ状態(以下、ラッシュ)になる。尚、STは次回大当りが発生するか100回の図柄変動が行われるまで継続し、その後は通常状態となる。
【0017】
尚、一般入賞口22は、ST中に盤面9の右側を狙って打つ、所謂右打ちを行った場合であっても入賞可能な位置に設けられており、一般入賞口22に入賞した場合には10個の賞球はあるが、図柄変動等は行われない。
【0018】
(5)第2始動口24は普図入賞口16への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。又、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口24の入賞率が高くなる。
【0019】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打込みや各始動口23、24への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
・アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号でも良い。
【0020】
・セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。出力時点として入賞した時点で出力する信号が望ましいが、払出し完了時点で出力する信号でも良い。また、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0021】
・始動入賞信号(始動信号)=遊技機1から出力される始動口23,24への入賞(始動入賞、S入賞)を特定可能な信号。始動口23,24への入賞1回につき1パルスが出力されるので、信号入力に応じて始動入賞を特定する。
【0022】
・図柄変動信号=始動入賞により変動(作動)する特賞表示部(役物)19における図柄変動(役物作動、単位遊技、S)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので、信号入力に応じて図柄変動を特定する(単位遊技信号、始動信号)。
【0023】
・大当り信号=遊技機1から出力される大当り期間を特定可能な信号。大当り中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り中として特定する。
・特別状態信号(第1特別状態信号)=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口24の入賞率が向上する特別状態中(時短中、ラッシュ中も含む。尚、小当り中はその前の遊技状態に依存(信号レベルを継続)するので、小当りの特定は不能)にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。また、大当り信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0024】
要するに、遊技機1は、回数切りの確変である特別状態のST時に、小当りが頻出する状態であるラッシュとラッシュ以外の通常の特別状態である時短とのいずれかに推移するが、特別状態信号は共通して出力されるため、状態信号による両者の区分は不能である。
【0025】
次にSTについて説明する。
遊技機1は大当りが発生した場合、大当り後に特別状態として、100回の図柄変動を行うまでSTとなる。STでは0、10、30、50、100回の振分抽選が行われ、STの開始から当選した回数分の図柄変動を行うまでは確変と時短とが併発したままとなるが、それ以降(第1特別状態発生条件が成立)は(0回の場合は開始時から)確変と時短に加え、小当りが頻出する小当りラッシュ状態(以下、ラッシュ(第1特別状態))となる(以下、ラッシュでないSTを時短(第2特別状態)と称する)。このラッシュでは、小当り(通常状態にて1/300の確率にて発生し、大入賞口25を1.8秒開放)が1/1.6の確率にて発生するが、STが終了するまでラッシュは継続する。即ち、ラッシュは、ST中の一部または全部の期間における更なる特別状態との位置付けとなる。尚、大当り中や小当り中は図柄変動を行わない。
【0026】
ここで、ラッシュの定義を小当り確率が向上した状態としても良いが、ST中、小当り確率は一律に向上するもののラッシュ以外の時短では小当り中でも大入賞口25に入賞させ難くする一方、ラッシュでは入賞容易となるような遊技機も想定できることから、この様な構成の遊技機を対象とする場合には、小当りの確率が通常状態よりも向上する一方、時短よりも大入賞口25への入賞率が向上する状態をラッシュの定義としても良く、この場合、ラッシュにはラッシュ中に発生した小当りも含まれることになる。即ちラッシュは、通常状態よりも始動入賞(第2始動口24等への入賞)を発生させる条件が通常よりも有利であり、小当りの発生により大入賞(大入賞口25への入賞)を発生させる条件が通常状態や時短よりも遊技者にとって有効である遊技状態と定義できる。尚、ST時に時短としてからラッシュとすることを例示したが、ラッシュとしてから時短とする遊技機や時短時に小当りを発生不能とする遊技機等を対象としても良い。
【0027】
図3は遊技機1の状態遷移を示しており、大当り、小当り、ラッシュ、時短、通常状態の各状態については対応した各レベルで表すと共に、大当り信号及び特別状態信号については実際の出力電圧に対応したレベルで示している。この場合、ST(特別状態の全期間)は丸数字の3,4,6,8,9、時短は丸数字の3,8、ラッシュは丸数字の4,6,9の期間が対応する。尚、丸数字の6の期間は、STの全期間がラッシュであることを表している。
【0028】
大当り信号は大当り中、即ち、図中の丸数字2,5,7の期間に出力され、特別状態信号は、大当り、ラッシュ、時短のいずれかの場合、即ち、丸数字2〜9の期間に出力されるので、これらの状態信号により丸数字の3,4,6,8,9の期間にラッシュと時短とのいずれかの特別状態になったことを特定可能となるが、いずれの特別状態であるかや、時短とラッシュとの期間の区切り等は特定できない。尚、大当り中を出力対象としない特別状態信号を採用しても良い。
【0029】
特別状態信号(第1特別状態信号)について、小当り中は前の遊技状態に依存(信号レベルを継続)するので、ST時には小当り中でも出力されるが、通常状態であれば小当り中でも出力されないが、小当り時を特別状態信号の出力対象とすべく、通常状態で小当りが発生した場合に特別状態信号を出力しても良い。また、回数切りのSTとなる遊技機を例示したが、STではない通常の確変や時短の一部にてラッシュとなる遊技機や、ST自体の振分を行う遊技機、或いはラッシュと時短との振分抽選を行わず特別状態=ラッシュとする遊技機(後述する第1パターンでは当該遊技機が最適)を対象としても良く、ラッシュを含む特別状態であれば、特別状態として時短と確変との一方のみの状態でも、それ以外の遊技者にとって有利な状態でもどの様な特別状態を対象としても良い。また、大当りの終了により特別状態発生条件が成立する旨を例示したが、例えば特定の大当り(所謂確変大当り等)が終了した場合に限り特別状態が成立したり、所謂天井機能として特定数(例えば1000回)の図柄変動を行っても大当りが発生しない場合に特別状態発生条件が成立したりする等、特別状態発生条件としては予め設定されていればどのような条件であっても良い。
【0030】
遊技装置2は、遊技機1の遊技状態や遊技装置2の状態を示す状態表示部26、紙幣(貨幣価値)が投入される紙幣投入口27、遊技者からの操作入力を受け付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データや遊技装置2における貸出状況を示す貸出情報等を表示するタッチパネル式の液晶表示部28、持玉及び貯玉を払い出すための払出釦29、払い出された玉が通過する払出ノズル30、一般カードや会員カードが挿入されるカード挿入口31、遊技機1の下受皿12の下方に位置する着脱可能な計数受皿32等を有する。
【0031】
遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、受け付けた貨幣(残高)の内、貸出の対価を減じた残高、及び計数した持玉の内、再プレイにより払い戻した残りの持玉を特定可能な一般カードを発行(全発行)可能な装置である。残高とは、遊技者が入金した貨幣額から貸出処理を行った対価額(貸出処理の対価)を除いた遊技者の利用可能額(残貨幣価値)を示している。持玉とは、遊技者が遊技により獲得した遊技価値を示し、計数した遊技価値から再プレイ処理により付与した遊技価値や交換した景品の対価となった遊技価値を除いた遊技価値(獲得価値)を示している。一般カードに記録されている持玉はPOSにて精算され、残高は残高精算機にて精算される。
【0032】
即ち、遊技装置2は、貨幣を受け付けする(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額が残高に加算して表示され、残高がある状態で遊技機1の貸出釦14を押下(貸出操作、付与操作)すると貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)が遊技機1から払出され(対価付与処理)、レートに応じた対価分が残高から引落とされる。尚、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0033】
計数玉を受付した場合は計数玉を持玉として特定し、その持玉を払出釦29の押下に応じて払戻す払戻処理(持玉の再プレイ処理)を可能とし、払戻した場合にはその対価分(例えば払戻した玉数と同数)の持玉を減算する。残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦15を押下(発行操作を受付)すると、遊技装置2にストックされていた残高や持玉を特定可能な持玉券が発行される。尚、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行も可能とする。また、持玉券を受付けた場合は、その残高や持玉を引継ぐ。
【0034】
遊技装置2は、中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び持玉券の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。尚、貸出処理上の通信については中継装置4を介さず、遊技機1と遊技装置2とで直接通信を行っても良い。
【0035】
さて、ST中においては始動セーフは勿論のこと、大入賞口25への入賞(以下、大入賞)や一般入賞口22への入賞(以下、一般入賞)によるセーフ等を把握することは、遊技情報を分析する上で重要である。上述した遊技信号を出力するタイプの遊技機の場合、遊技信号に基づいてST中における全体の入賞分のセーフ(以下、全セーフ)を示すセーフ情報(特別セーフ情報)や始動入賞によるセーフ(以下、始動セーフ)を示すセーフ情報(特別始動情報)を把握可能であることから、管理装置6は、ST中における全セーフから始動セーフ分を除いたセーフ(特別除外セーフ)、つまり大入賞や一般入賞によるセーフ分を示す情報(特別除外情報)を含んで遊技情報を管理するようになっている。
【0036】
ところで、遊技機1としては、上述した遊技信号に加えて、以下の様な大入賞信号やラッシュ信号を出力するタイプの遊技機を想定できることから、管理装置6は、この様なタイプの遊技機も管理対象としている。
【0037】
・大入賞信号(他入賞信号)=大入賞した場合に出力される。1回の出力が1入賞分を示し、大当り中にも出力されることを前提としているが、ラッシュ時のみ出力対象としても良い。また、入賞数を示す大入賞信号により大入賞数(他入賞情報)を特定すれば、1回当りの大入賞口25への入賞に対して付与される遊技価値である大入賞賞球を乗ずることで大入賞口25分のセーフである大セーフ(他セーフ)を特定可能なので、大入賞数を示す大入賞信号を他セーフに対応した他入賞信号として例示したが、セーフ信号の様に直接的に大セーフを示す遊技信号を他入賞信号としても良い。始動信号等も同様である。
【0038】
・ラッシュ信号(特別状態信号、第2特別状態信号)=ラッシュ中(第1特別状態期間)を特定可能な信号であり、ラッシュ中のみに出力対象となっているが、ラッシュを大当りや時短等と区別可能であれば、他の状態信号と組合わせて特定可能とするように、例えば大当り中とラッシュ中に出力される(この場合、大当り信号出力期間でないラッシュ信号出力期間がラッシュとなる)ような状態信号としても良い。
【0039】
管理装置6が遊技信号として大入賞信号やラッシュ信号を出力対象に含むタイプの遊技機も管理対象とする場合、管理装置6が遊技機1から大入賞信号やラッシュ信号を入力する入力パターンとしては、大入賞信号やラッシュ信号を入力するか否かにより複数の入力パターンを想定できる。即ち、大入賞信号及びラッシュ信号の双方を入力対象としない第1パターンと、大入賞信号を入力対象とするがラッシュ信号は入力対象としない第2パターンと、ラッシュ信号を入力対象とするが大入賞信号は入力対象としない第3パターンと、大入賞信号及びラッシュ信号の双方を入力対象とした第4パターンとを想定できる。
【0040】
尚、大入賞信号の代わりに他の他入賞信号を入力対象とする場合や大入賞信号、他の他入賞信号、ラッシュ信号の全てを入力対象とする入力パターン等も想定可能だが、説明の簡略化のため、本実施形態では大入賞信号やラッシュ信号を入力するか否かに対応した第1〜4パターンについて主に説明する。
【0041】
ここで、第2〜4パターンでは遊技機1の実際の動作は第1パターンと変わらないが、第1パターンと比較して、第2パターンでは大入賞信号が、第3パターンではラッシュ信号が、第4パターンでは大入賞信号とラッシュ信号とを出力するタイプの遊技機1に対応することになる。
【0042】
遊技機1から大入賞信号やラッシュ信号が出力されず入力対象としない第1パターンの場合、大入賞数や一般入賞を区別できないだけでなく、時短とラッシュとをも区別できないことから、ST(以下、甘中)としてのみ入賞を区別可能であるが、大入賞信号を入力する第2、4パターンでは大入賞数や一般入賞口22への入賞を区別可能となり、ラッシュ信号を入力する第3、4パターンでは甘中としていた特別状態を、時短とラッシュというように区別することで入賞を区別可能となる。
【0043】
そこで、管理装置6では第1〜4パターンのいずれの集計方法を選択するかを機種単位で設定可能とし、対応する設定情報を予め設定している。
図4は設定情報を示しており、次の項目が設定されている。
【0044】
・集計方法=遊技情報を集計する入力パターンで、大入賞信号とラッシュ信号とを入力対象としない第1パターン(
図5に対応)、大入賞信号を入力対象とする第2パターン(
図7に対応)、ラッシュ信号を入力対象とする第3パターン(
図8に対応)、大入賞信号とラッシュ信号の双方を入力対象とする第4パターン(
図9に対応)のいずれかを選択する。
【0045】
・S賞球通常=通常時に1回当りの始動入賞に対して付与される遊技価値(通常時は左打ちのため、第1始動口23に対応)
・S賞球特別=特別状態中、大当り中に1回当りの始動入賞に対して付与される遊技価値(特別状態中、大当り中は右打ちのため、第2始動口24に対応)
・大入賞賞球=1回当りの大入賞口25への入賞に対して付与される遊技価値
・設定小当りセーフ=小当り1回当りのセーフの期待値
尚、
図4は機種単位で設定可能とすれば良いが、遊技場全体のみでの設定とする等、他の区分により設定しても勿論良い。
【0046】
本実施形態では説明の簡略化のため始動入賞信号として第1始動口23と第2始動口24とで共通の遊技信号を採用しているため、
図4のように通常状態と特別状態とで区別してS賞球(S賞球通常、S賞球特別)を設定し、状態に応じてS入賞に乗ずる賞球数を特定してSセーフを特定しているが、第1始動口23と第2始動口24とで区別して入賞信号が出力される場合に、始動入賞を区別して特定すると共に、第1始動口23に対応したS1賞球、第2始動口24に対応したS2賞球をS賞球通常等のように設定し、それらから特定される第1始動口23に対応するSセーフと第2始動口24に対応するSセーフとを合計した値をSセーフとして特定しても良い。この場合、通常状態中に第2始動口24に入賞する機種や甘中に第1始動口23に入賞する機種についてもより適切にSセーフ等を管理可能となる。
【0047】
管理装置6は、選択された入力パターンに応じて遊技情報を集計する。
図5は第1パターンが選択された場合の集計結果であり、始動入賞に対応したSセーフと、全体のセーフからSセーフを除いたセーフに対応した除外セーフとを区別して管理する。管理対象としては次の項目が設定されている。
【0048】
・時刻、状態=時刻は、レコード対応時刻でありレコード作成時刻だが、レコード確定時刻や大当り等のイベント発生時刻等レコードに対応していればどのような時刻でも良い。状態は、レコードに対応した状態で、状態信号により特定する。
【0049】
・アウト、セーフ、差=アウトは遊技機への打込玉数(消費価値)、セーフは遊技中の入賞に応じた払出玉数(入賞付与価値、全セーフ)、差はセーフとアウトの差である。
・S、S入賞、Sセーフ、S出率=Sは図柄変動数、S入賞は始動入賞数(始動情報)、SセーフはS入賞によるセーフ(S入賞×状態に応じたS賞球、始動情報、始動セーフ)、S出率はSセーフ分の出率(アウトと(S)セーフとの比(=Sセーフ÷アウト)、始動情報)である。
【0050】
・除外セーフ、除外出率=除外セーフは各始動口23,24以外の入賞(大入賞口25、一般入賞口22)分のセーフ(セーフ-Sセーフ)、除外出率は他セーフ分の出率(=除外セーフ÷アウト)である。いずれも除外情報で、甘中は特別除外情報、他も同様である。
・出率、S%=出率はセーフ÷アウト(セーフ情報)、S%はアウトとSとの比(=S÷アウト)である。
【0051】
第1パターンではラッシュ信号を入力対象としないことから時短とラッシュとを区別せず、甘中としてまとめて集計すると共に、大入賞信号等を入力対象としないことから大入賞口25と一般入賞口22との入賞分を区分せず、除外セーフ等としてまとめて集計しているが、時短がなく特別状態では常にラッシュとなる遊技機が管理対象であれば、除外セーフや除外出率等により、ラッシュ中にどれぐらいの付与が発生しているか等を把握可能となる。尚、通常、甘中(時短またはラッシュ)、大当りと状態を区分して集計を行い、1レコード当りの平均と合計とを集計している。また、全体では全ての状態の合計を対象としている。
【0052】
図6は第2〜4パターンに対応、つまり大入賞信号及びラッシュ信号の少なくとも一方を入力する遊技機1の状態遷移をまとめて示している。
図7は第2パターンが選択された場合の集計結果であり、Sセーフと、大入賞に対応した大セーフと、全体のセーフからSセーフと大セーフとを除いた他セーフとを区別して管理する。
図7では第2パターンに対応して次の項目が設定されているが、説明済みの項目についての説明は省略している。尚、第3パターン以降も同様である。
【0053】
・大入賞、大セーフ、大出率=大入賞は大入賞口25への入賞数、大セーフは大入賞分のセーフ(大入賞×大入賞賞球数)、大出率は大セーフ分の出率(=大セーフ÷アウト)である。
【0054】
・他セーフ、他出率=他セーフは一般入賞口22への入賞(他入賞)分のセーフ(セーフ-Sセーフ-大セーフ)、他出率は他セーフ分の出率(=他セーフ÷アウト)である。
・小当り=推定される小当り数(大セーフ÷設定小当りセーフ)である。
【0055】
第2パターンでは大入賞信号を入力することから、大セーフ(他セーフ分)を特定した上でセーフ(全セーフ分)やSセーフ(始動セーフ分)との差し引きで他セーフ(除外セーフ分)を特定している。尚、大入賞信号の代わりに一般入賞信号(他入賞信号)を入力として大入賞同様に他入賞(他入賞情報)を特定すると共に、他セーフ(他入賞情報)を大セーフ同様に特定した上で、他セーフ同様にセーフやSセーフとの差し引きにより大セーフ(この場合、除外情報)を特定しても良い。この場合、第5パターンとして選択可能として対応すれば良い。
【0056】
図8は第3パターンが選択された場合の集計結果であり、特別状態をラッシュと時短とに区分して管理すると共に、第2パターンとは異なり、大セーフや大入賞を逆算する方法にて特定する。
図8では次の項目が設定されている。
【0057】
・大入賞、大セーフ、他セーフ、他出率=大入賞は大セーフ÷大入賞賞球数、大セーフはセーフ-Sセーフ-他セーフ、他セーフは、通常と時短ではセーフ-Sセーフで、大当りとラッシュではアウト×他出率、他出率は通常と時短では他セーフ÷アウト、大当りとラッシュでは時短における他出率の平均、合計である。
【0058】
第3パターンでは、第2パターンとは異なり、ラッシュ信号によりラッシュ(第1特別状態なので、対応する遊技情報は第1特別セーフ情報等となる)と時短(第2特別状態なので、対応する遊技情報は第2特別セーフ情報等となる)とを区分可能であるものの大入賞信号を入力しないことから上記の様にして求めている。即ち、時短中には小当りが発生しないと見做してSセーフ以外のセーフを他セーフとして集計し、その集計結果による他出率(第2特別除外出率)を大当り分やラッシュ分における他出率(第2特別除外出率に対応した第1他セーフ分)と見做し、その他出率とアウトとにより他セーフ(第2特別除外出率に対応した第1他セーフ分)、他セーフとセーフ(第1特別セーフ情報に対応した全セーフ分)とSセーフ(第2特別始動情報に対応した始動セーフ分)とにより大セーフ(第1特別大セーフ分に対応した第1特別除外情報)を逆算している。
【0059】
尚、他の場合も含め特別除外情報を特定する場合に、全セーフから始動セーフを除くこと、即ち、セーフ単位での演算を例示しているが、出率からS出率を除くことで他出率を特定するように出率単位での演算等のセーフ単位以外の演算にて特定することで、全セーフ分から始動セーフ分を除いて除外セーフ分を特定しても良く、セーフ分とはセーフ或いは出率等を示す。
【0060】
図9は第4パターンが選択された場合の集計結果であり、特別状態をラッシュと時短とに区分して管理すると共に、第2パターン同様に大セーフ等を特定する。
第4パターンでは、語句の定義や求め方は第2パターン同様であるが、第2パターンと比較して特別状態(甘中)を時短とラッシュとに区分している。
【0061】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
第1パターンによれば、特に甘中全体をラッシュとする遊技機を対象とすることが望ましいが、従来の全体の出率や始動セーフによる出率以外にラッシュ分の出率を把握可能となり、特別状態におけるより適切な遊技機の状態確認が可能となる。
【0062】
第2パターンや変形パターンである第5パターンによれば、甘中として時短とラッシュとの双方を発生可能な遊技機であっても、大入賞信号や一般入賞信号等を利用して、甘中におけるラッシュ分と一般入賞分とを区分して出玉状況の確認が容易化される。
【0063】
第3パターンによれば、甘中として時短とラッシュとの双方を発生可能な遊技機であっても、小当りの発生があまり見込めない時短の出玉状況を管理することで、甘中における一般入賞分の出玉状況の確認が容易化される。
【0064】
更に、第3パターンによれば、ラッシュと時短において一般入賞による出玉状況が余り変わらないことから、時短中の出率をラッシュ中の一般入賞分の出率と見做すことにより、甘中として時短とラッシュとの双方を発生可能な遊技機であっても、ラッシュ中の小当り入賞分の出玉状況が管理可能となる。
【0065】
除外セーフを管理対象とすることで、特別状態におけるより適切な遊技機の状態確認が可能となると共に、第1パターンから第4パターン(第5パターンが選択可能に対応している場合は第5パターン)を選択的に採用することで、選択された入力パターンに応じて特定可能な遊技情報を特定することにより、ラッシュに関して遊技機側から複数の信号出力パターンが想定される場合であっても、より適切な遊技情報の管理が可能となる。
【0066】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
セーフ情報としてセーフや出率を例示したが、セーフや出率の一方のみをセーフ情報として管理しても良い。この場合、例えば出率であればセーフに応じて数値が変動するのでセーフに対応した遊技情報となる。始動情報として始動入賞数を管理する場合や他入賞情報として他入賞数を管理する場合等も同様である。
【0067】
第2特別除外出率に対応した第1他セーフ分として、時短中の小当りを考慮せず時短中の出率をそのまま採用することを例示したが、時短中の小当り分の基準値を設けて時短中の出率等から減じた上でラッシュ中の出率やセーフを、対応した第1他セーフ分として特定しても良い。
【0068】
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。
【0069】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。また、機種としては、メーカ単位やスペック単位等、遊技機の種類を示せばどの様な区分としても良い。
【0070】
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。また、識別出力についても例示した以外に記号を付ける等、どのような出力態様としても良く、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
【0071】
以上と超過についてはどちらを採用しても良く、「達した」等の表現は以上となった或いは超過したのいずれにも対応する表現となる。以下と未満も同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
【0072】
対象となる遊技機は遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示した遊技機以外の遊技機等も採用できる。尚、所謂封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
【0073】
本実施形態では全ての処理を管理装置6にて行うことを例示したが、中継装置4や遊技装置2等にて行ったり、複数の装置にて分担して処理しても良い。更に例示した項目や構成は変形例も含めて、どのように組合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。