特許第6643113号(P6643113)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643113
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】撮像レンズおよび撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/04 20060101AFI20200130BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   G02B13/04 D
   G02B13/18
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-13896(P2016-13896)
(22)【出願日】2016年1月28日
(65)【公開番号】特開2017-134235(P2017-134235A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2018年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】517419180
【氏名又は名称】ナンチャン オー−フィルム オプティカル−エレクトロニック テック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 宏昭
(72)【発明者】
【氏名】神谷 毅
【審査官】 堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−161023(JP,A)
【文献】 特開2004−037925(JP,A)
【文献】 特開2007−065201(JP,A)
【文献】 特開2008−298924(JP,A)
【文献】 特開2011−002817(JP,A)
【文献】 特開2011−175174(JP,A)
【文献】 特開2014−202841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00−17/08
G02B 21/02−21/04
G02B 25/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、前群と、絞りと、後群とから実質的になり、
前記前群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズとから実質的になり、
前記後群は、物体側から順に、正の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズと、正の屈折力を有する第7レンズと、負の屈折力を有する第8レンズとから実質的になり、
下記条件式(1−1)を満足する
ことを特徴とする撮像レンズ。
−0.27<f/fF<−0.14 …(1−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
fF:前記前群の焦点距離
とする。
【請求項2】
下記条件式(2)を満足する
請求項1記載の撮像レンズ。
0.36<f/fR<0.57 …(2)
ただし、
f:全系の焦点距離
fR:前記後群の焦点距離
とする。
【請求項3】
下記条件式(3)を満足する
請求項1または2記載の撮像レンズ。
0.65<D34/f<1.5 …(3)
ただし、
D34:前記第3レンズと前記第4レンズの光軸上の空気間隔
f:全系の焦点距離
とする。
【請求項4】
下記条件式(4)を満足する
請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズ。
100<2ω …(4)
ただし、
2ω:全画角、ただし単位は°
とする。
【請求項5】
下記条件式(2−1)を満足する
請求項記載の撮像レンズ。
0.41<f/fR<0.52 …(2−1)
【請求項6】
下記条件式(3−1)を満足する
請求項記載の撮像レンズ。
0.79<D34/f<1.17 …(3−1)
【請求項7】
下記条件式(4−1)を満足する
請求項記載の撮像レンズ。
110<2ω …(4−1)
【請求項8】
請求項1からのいずれか1項記載の撮像レンズを備えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に車載カメラおよび監視カメラ等に好適な撮像レンズ、およびこの撮像レンズを備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車載カメラおよび監視カメラ等に用いられる撮像レンズに関して、特許文献1が知られている。特許文献1では、物体側から順に、前群と、絞りと、後群とからなり、全体として7枚のレンズから構成された撮像レンズが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3491578号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車載カメラおよび監視カメラ等に用いられる撮像レンズにおいては、広範囲を撮影する必要があるためにある程度の画角が要求されるが、特許文献1で提案されているレンズはいずれも全画角が67〜69°程度であり、さらに画角が広いレンズが望まれている。
【0005】
また、特許文献1で提案されているレンズはいずれもF値が2.8〜3.2程度であり、さらにF値が小さいレンズが望まれている。また、諸収差についてもさらに良好なレンズが望まれている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、広角でF値が小さく、諸収差が良好に補正された撮像レンズおよびこの撮像レンズを備えた撮像装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、前群と、絞りと、後群とから実質的になり、前群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズとから実質的になり、後群は、物体側から順に、正の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズと、正の屈折力を有する第7レンズと、負の屈折力を有する第8レンズとから実質的になることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の撮像レンズにおいては、下記条件式(1)を満足することが好ましく、下記条件式(1−1)を満足することがより好ましい。
−0.4<f/fF<−0.1 …(1)
−0.27<f/fF<−0.14 …(1−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
fF:前群の焦点距離
とする。
【0009】
また、下記条件式(2)を満足することが好ましく、下記条件式(2−1)を満足することがより好ましい。
0.36<f/fR<0.57 …(2)
0.41<f/fR<0.52 …(2−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
fR:後群の焦点距離
とする。
【0010】
また、下記条件式(3)を満足することが好ましく、下記条件式(3−1)を満足することがより好ましい。
0.65<D34/f<1.5 …(3)
0.79<D34/f<1.17 …(3−1)
ただし、
D34:第3レンズと第4レンズの光軸上の空気間隔
f:全系の焦点距離
とする。
【0011】
また、下記条件式(4)を満足することが好ましく、下記条件式(4−1)を満足することがより好ましい。
100<2ω …(4)
110<2ω …(4−1)
ただし、
2ω:全画角(°)
とする。
【0012】
本発明の撮像装置は、上記記載の本発明の撮像レンズを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
なお、上記「〜から実質的になる」とは、構成要素として挙げたもの以外に、実質的にパワーを有さないレンズ、絞りやマスクやカバーガラスやフィルタ等のレンズ以外の光学要素、レンズフランジ、レンズバレル、撮像素子、および/または手ぶれ補正機構等の機構部分等を含んでもよいことを意図するものである。
【0014】
また、上記のレンズの面形状、曲率半径、および/または屈折力の符号は、非球面が含まれている場合は近軸領域で考えるものとする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の撮像レンズは、物体側から順に、前群と、絞りと、後群とから実質的になり、前群は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有する第1レンズと、負の屈折力を有する第2レンズと、正の屈折力を有する第3レンズとから実質的になり、後群は、物体側から順に、正の屈折力を有する第4レンズと、正の屈折力を有する第5レンズと、負の屈折力を有する第6レンズと、正の屈折力を有する第7レンズと、負の屈折力を有する第8レンズとから実質的になるものとしたので、広角でF値が小さく、諸収差が良好に補正された撮像レンズとすることが可能となる。
【0016】
また、本発明の撮像装置は、本発明の撮像レンズを備えているため、画角が広く明るくて高画質の画像を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態にかかる撮像レンズ(実施例1と共通)のレンズ構成を示す断面図
図2】上記撮像レンズ(実施例1と共通)の光路図
図3】本発明の実施例2の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図
図4】本発明の実施例3の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図
図5】本発明の実施例1の撮像レンズの各収差図
図6】本発明の実施例2の撮像レンズの各収差図
図7】本発明の実施例3の撮像レンズの各収差図
図8】本発明の一実施形態にかかる撮像装置の概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態にかかる撮像レンズのレンズ構成を示す断面図、図2は上記撮像レンズの光路図である。図1および図2に示す構成例は、後述の実施例1の撮像レンズの構成と共通である。図1および図2は、左側が物体側、右側が像側であり、図示されている開口絞りStは必ずしも大きさおよび/または形状を表すものではなく、光軸Z上の絞りの位置を示すものである。また図2では、軸上光束waおよび最大画角の光束wbを示している。
【0019】
図1に示すように、この撮像レンズは、物体側から順に、前群GFと、開口絞りStと、後群GRとから構成されている。
【0020】
前群GFは、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有する第1レンズL1と、負の屈折力を有する第2レンズL2と、正の屈折力を有する第3レンズL3とから構成されている。
【0021】
このように、第1レンズL1の物体側の面を凸面にすることで、広角のレンズにおいても周辺部でディストーションの補正が容易となる。また、物体側から順に配置された2枚のレンズである第1レンズL1と第2レンズL2をともに負レンズとすることで、レンズ系全体を広角化することが容易となる。また、続く第3レンズL3を正レンズとし、物体側から順に、負レンズ、負レンズ、および正レンズで構成されるレトロフォーカス型とすることで、広角化に有利となる。
【0022】
後群GRは、物体側から順に、正の屈折力を有する第4レンズL4と、正の屈折力を有する第5レンズL5と、負の屈折力を有する第6レンズL6と、正の屈折力を有する第7レンズL7と、負の屈折力を有する第8レンズL8とから構成されている。
【0023】
このように、後群GRに必要とされる収束作用と収差補正を、第4レンズL4、第5レンズL5、および第7レンズL7の3枚の正レンズで分担することで、諸収差を効果的に補正できる。また、開口絞りStの像側から順に第4レンズL4および第5レンズL5の2枚の正レンズを連続して配置することで、軸上マージナル光線を緩やかに曲げることができるため、高次の球面収差の発生を抑えることができる。これにより、F値が小さいレンズとすることができる。また、開口絞りStから比較的近い位置に負の屈折力を有する第6レンズL6を配置することで、倍率色収差の補正に有利となる。また、第8レンズL8は、第4レンズL4から第7レンズL7の間で発生する球面収差を補正する作用を担う。
【0024】
本実施形態の撮像レンズにおいては、下記条件式(1)を満足することが好ましい。条件式(1)の下限以下とならないようにすることで、レンズ全長を短くすることができる。条件式(1)の上限以上とならないようにすることで、画角を広くするのに有利となる。なお、下記条件式(1−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
−0.4<f/fF<−0.1 …(1)
−0.27<f/fF<−0.14 …(1−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
fF:前群の焦点距離
とする。
【0025】
また、下記条件式(2)を満足することが好ましい。条件式(2)の下限以下とならないようにすることで、画角を広くするのに有利となる。条件式(2)の上限以上とならないようにすることで、球面収差を良好に補正するのに有利となる。なお、下記条件式(2−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.36<f/fR<0.57 …(2)
0.41<f/fR<0.52 …(2−1)
ただし、
f:全系の焦点距離
fR:後群の焦点距離
とする。
【0026】
また、下記条件式(3)を満足することが好ましい。条件式(3)の下限以下とならないようにすることで、軸上光線と軸外光線を分離することが容易となるため、収差の補正が容易となる。条件式(3)の上限以上とならないようにすることで、レンズ全体の小型化が容易となる。なお、下記条件式(3−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
0.65<D34/f<1.5 …(3)
0.79<D34/f<1.17 …(3−1)
ただし、
D34:第3レンズと第4レンズの光軸上の空気間隔
f:全系の焦点距離
とする。
【0027】
また、下記条件式(4)を満足することが好ましい。条件式(4)を満足することで、広角化を達成でき、広い画角範囲を撮像可能となる。そのため、特に、本実施形態の撮像レンズを車載カメラに適用した場合では、車体前方と交差点等で側方から進入する車や人を一台のカメラで撮像することが可能となる。また、監視カメラに適用した場合では、画角が90°を超えているため、室内の天井の四隅に設置した場合に死角を無くすことができる。なお、下記条件式(4−1)を満足するものとすれば、より良好な特性とすることができる。
100<2ω …(4)
110<2ω …(4−1)
ただし、
2ω:全画角(°)
とする。
【0028】
本撮像レンズが厳しい環境において使用される場合には、保護用の多層膜コートが施されることが好ましい。さらに、保護用コート以外にも、使用時のゴースト光低減等のための反射防止コートを施すようにしてもよい。
【0029】
また、この撮像レンズを撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、レンズ系と像面Simの間にカバーガラス、プリズム、および/または赤外線カットフィルタやローパスフィルタなどの各種フィルタを配置してもよい。なお、これらの各種フィルタをレンズ系と像面Simとの間に配置する代わりに、各レンズの間にこれらの各種フィルタを配置してもよいし、いずれかのレンズのレンズ面に各種フィルタと同様の作用を有するコートを施してもよい。
【0030】
次に、本発明の撮像レンズの数値実施例について説明する。
まず、実施例1の撮像レンズについて説明する。実施例1の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図を図1に示す。なお、図1および後述の実施例2〜3に対応した図3〜4においては、左側が物体側、右側が像側であり、図示されている開口絞りStは必ずしも大きさおよび/または形状を表すものではなく、光軸Z上の絞りの位置を示すものである。
【0031】
実施例1の撮像レンズの基本レンズデータを表1に、諸元に関するデータを表2に、非球面係数に関するデータを表3に示す。以下では、表中の記号の意味について、実施例1のものを例にとり説明するが、実施例2〜3についても基本的に同様である。
【0032】
表1のレンズデータにおいて、面番号の欄には最も物体側の構成要素の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加する面番号を示し、曲率半径の欄には各面の曲率半径を示し、面間隔の欄には各面とその次の面との光軸Z上の間隔を示す。また、nの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm)に対する屈折率を示し、νの欄には各光学要素のd線(波長587.6nm)に対するアッベ数を示す。
【0033】
ここで、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。基本レンズデータには、開口絞りStも含めて示している。開口絞りStに相当する面の面番号の欄には面番号とともに(絞り)という語句を記載している。
【0034】
表2の諸元に関するデータに、全系の焦点距離f´、バックフォーカスBf´、F値FNo.、および全画角2ωの値を示す。
【0035】
基本レンズデータおよび諸元に関するデータにおいて、角度の単位としては度を用い、長さの単位としてはmmを用いているが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても使用可能なため他の適当な単位を用いることもできる。
【0036】
表1のレンズデータでは、非球面の面番号に*印を付しており、非球面の曲率半径として近軸の曲率半径の数値を示している。表3の非球面係数に関するデータには、非球面の面番号と、これら非球面に関する非球面係数を示す。表3の非球面係数の数値の「E±n」(n:整数)は「×10±n」を意味する。非球面係数は、下記式で表される非球面式における各係数KA、Am(m=3…20)の値である。
Zd=C・h/{1+(1−KA・C・h1/2}+ΣAm・h
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面に下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からの距離)
C:近軸曲率半径の逆数
KA、Am:非球面係数(m=3…20)
とする。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
実施例1の撮像レンズの各収差図を図5に示す。なお、図5中の左側から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差、および倍率色収差を示す。これらの収差図は、物体距離を無限遠としたときの状態を示す。球面収差、非点収差、および歪曲収差を表す各収差図には、d線(波長587.6nm)を基準波長とした収差を示す。球面収差図にはd線(波長587.6nm)、C線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)、およびA´線(波長768.2nm)についての収差をそれぞれ実線、長破線、短破線、および灰色の実線で示す。非点収差図にはサジタル方向およびタンジェンシャル方向の収差をそれぞれ実線および短破線で示す。倍率色収差図にはC線(波長656.3nm)、F線(波長486.1nm)、およびA´線(波長768.2nm)についての収差をそれぞれ長破線、短破線、および灰色の実線で示す。なお、球面収差図のFNo.はF値、その他の収差図のωは半画角を意味する。
【0041】
上記の実施例1の説明で述べた各データの記号、意味、および記載方法は、特に断りがない限り以下の実施例のものについても同様であるので、以下では重複説明を省略する。
【0042】
次に、実施例2の撮像レンズについて説明する。実施例2の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図を図3に示す。また、実施例2の撮像レンズの基本レンズデータを表4に、諸元に関するデータを表5に、非球面係数に関するデータを表6に、各収差図を図6に示す。
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
次に、実施例3の撮像レンズについて説明する。実施例3の撮像レンズのレンズ構成を示す断面図を図4に示す。また、実施例3の撮像レンズの基本レンズデータを表7に、諸元に関するデータを表8に、非球面係数に関するデータを表9に、各収差図を図7に示す。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】
【表9】
【0050】
実施例1〜3の撮像レンズの条件式(1)〜(4)に対応する値を表10に示す。なお、全実施例ともd線を基準波長としており、下記の表10に示す値はこの基準波長におけるものである。
【0051】
【表10】
【0052】
以上のデータから、実施例1〜3の撮像レンズは全て、条件式(1)〜(4)を満たしており、広角でF値が小さく、諸収差が良好に補正された撮像レンズであることが分かる。
【0053】
次に、本発明の実施形態にかかる撮像装置について説明する。ここでは、本発明の撮像装置の一実施形態として車載カメラに適用した場合の例について説明する。図8に自動車に車載カメラを搭載した様子を示す。
【0054】
図8において、自動車100は、その助手席側の側面の死角範囲を撮像するための車外カメラ101と、自動車100の後側の死角範囲を撮像するための車外カメラ102と、ルームミラーの背面に取り付けられ、ドライバーと同じ視野範囲を撮影するための車内カメラ103とを備えている。車外カメラ101、車外カメラ102、および車内カメラ103は、撮像装置であり、本発明の実施の形態による撮像レンズと、撮像レンズにより形成される光学像を電気信号に変換する撮像素子とを備えている。本実施形態の車載カメラ(車外カメラ101、102および車内カメラ103)は本発明の撮像レンズを備えているため、広画角でかつ高画質の画像を取得することができる。
【0055】
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率、およびアッベ数等の値は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
【0056】
また、本発明の実施形態にかかる撮像装置についても、車載カメラに限定されず、携帯端末用カメラ、監視カメラ、またはデジタルカメラとする等、種々の態様とすることができる。
【符号の説明】
【0057】
100 自動車
101、102 車外カメラ
103 車内カメラ
GF 前群
GR 後群
L1〜L8 レンズ
Sim 像面
St 開口絞り
wa 軸上光束
wb 最大画角の光束
Z 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8