(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643148
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】栗の選別方法
(51)【国際特許分類】
B07C 7/00 20060101AFI20200130BHJP
【FI】
B07C7/00
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-42621(P2016-42621)
(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公開番号】特開2017-154123(P2017-154123A)
(43)【公開日】2017年9月7日
【審査請求日】2018年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】309001724
【氏名又は名称】株式会社和田機械
(74)【代理人】
【識別番号】100079968
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 光司
(72)【発明者】
【氏名】和田 義臣
【審査官】
松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−181432(JP,A)
【文献】
特開平11−047697(JP,A)
【文献】
特開2009−183187(JP,A)
【文献】
特開昭55−039747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 1/00−99/00
A23N 1/00−17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
栗を良否により選別する栗の選別方法であって、
栗を皮付きのまま良否により選別して、少なくとも一次規格品と一次規格外品とに別ける一次選別工程と、
前記一次規格外品の栗の皮を、皮剥きする皮剥き工程と、
その皮剥きした栗を良否により選別して、二次規格品と二次規格外品とに別ける二次選別工程とを備え、
前記二次選別工程は、皮剥きした栗を加熱処理するとともに、その加熱処理した栗に対し良否を外観検査することで、前記二次規格品と前記二次規格外品とに別ける、加熱選別工程を備え、
前記一次規格品と前記二次規格品とを、良品とする、栗の選別方法。
【請求項2】
栗を良否により選別する栗の選別方法であって、
栗を皮付きのまま良否により選別して、少なくとも一次規格品と一次規格外品とに別ける一次選別工程を経て得た前記一次規格外品の栗の皮を、皮剥きする皮剥き工程と、
その皮剥きした栗を良否により選別して、二次規格品と二次規格外品とに別ける二次選別工程からなり、
前記二次選別工程は、皮剥きした栗を加熱処理するとともに、その加熱処理した栗に対し良否を外観検査することで、前記二次規格品と前記二次規格外品とに別ける、加熱選別工程を備え、
前記一次規格品に加えて、前記二次規格品を、良品とする、栗の選別方法。
【請求項3】
前記二次選別工程は、前記加熱選別工程の前に、皮剥きした栗に対し良否を外観検査することで、中間規格品と前記二次規格外品とに別ける、中間選別工程を備え、前記中間規格品に対し、前記加熱選別工程を加える、請求項1または2に記載の栗の選別方法。
【請求項4】
前記加熱処理は、皮剥きした栗を80〜100℃の熱水に浸けることで行う、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の栗の選別方法。
【請求項5】
前記加熱処理は、皮剥きした栗を前記熱水に5分以上浸けることで行う、請求項4に記載の栗の選別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、栗を良否により選別する栗の選別方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、収穫した栗(生栗)の選別は、周知の方法として、皮付きの状態で、虫食いとか実炭疽病とか劣化等の有無を目視により外観検査したり、水槽に入れて浮き沈みを見たりして行っていた。そして、この選別により、規格品となった栗は、良品として出荷されて加工等にまわされ、また、規格外品となった栗は、不良品として廃棄されたり飼料となったりしていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記従来の栗の選別方法においては、皮付きの状態で選別しており、規格外品となった栗の中にも、良品として使用できるものもあった。そして、このような良品とすべき栗を含めて不良品として扱うことは、選別による栗の歩留まりを下げる原因となっていた。
【0004】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、選別による栗の歩留まりを上げることができる栗の選別方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る栗の選別方法は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る栗の選別方法は、栗を良否により選別する栗の選別方法であって、一次選別工程と、皮剥き工程と、二次選別工程とを備える。ここで、一次選別工程は、栗を皮付きのまま良否により選別して、少なくとも一次規格品と一次規格外品とに別ける。皮剥き工程は、前記一次規格外品の栗の皮を、皮剥きする。二次選別工程は、その皮剥きした栗を良否により選別して、二次規格品と二次規格外品とに別ける。
このとき、前記二次選別工程は、皮剥きした栗を加熱処理するとともに、その加熱処理した栗に対し良否を外観検査することで、前記二次規格品と前記二次規格外品とに別ける、加熱選別工程を備える。そして、前記一次規格品と前記二次規格品とを、良品とする。
【0006】
この栗の選別方法によると、皮付きの状態で行う一次選別工程で外れた一次規格外品を、皮剥き工程を経て二次選別工程にまわすことで、一次規格外品の一部を良品(二次規格品)とすることができ、これによって、選別による栗の歩留まりを上げることができる。
さらに、二次選別工程(加熱選別工程)において、皮剥きした栗を加熱処理することで、実炭疽病等の不良部分が顕在化し、外観検査を容易に行うことができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明に係る栗の選別方法は、栗を良否により選別する栗の選別方法であって、栗を皮付きのまま良否により選別して、少なくとも一次規格品と一次規格外品とに別ける一次選別工程を経て得た前記一次規格外品の栗の皮を、皮剥きする皮剥き工程と、その皮剥きした栗を良否により選別して、二次規格品と二次規格外品とに別ける二次選別工程からなる。
このとき、前記二次選別工程は、皮剥きした栗を加熱処理するとともに、その加熱処理した栗に対し良否を外観検査することで、前記二次規格品と前記二次規格外品とに別ける、加熱選別工程を備える。そして、前記一次規格品に加えて、前記二次規格品を、良品とする。
【0008】
この栗の選別方法によると、皮付きの状態で行う一次選別工程で外れた一次規格外品を、皮剥き工程を経て二次選別工程にまわすことで、一次規格外品の一部を良品(二次規格品)とすることができ、これによって、選別による栗の歩留まりを上げることができる。
さらに、二次選別工程(加熱選別工程)において、皮剥きした栗を加熱処理することで、実炭疽病等の不良部分が顕在化し、外観検査を容易に行うことができる。
【0009】
【0010】
また、請求項
3に記載の発明に係る栗の選別方法は、請求項
1または2に記載の栗の選別方法において、前記二次選別工程は、前記加熱選別工程の前に、皮剥きした栗に対し良否を外観検査することで、中間規格品と前記二次規格外品とに別ける、中間選別工程を備え、前記中間規格品に対し、前記加熱選別工程を加える。こうして、二次選別工程において、中間選別工程を経ることで、加熱選別工程にまわる栗を減らすことができ、選別を効率的に行うことができる。
【0011】
また、請求項
4に記載の発明に係る栗の選別方法は、請求項
1ないし3のいずれか1項に記載の栗の選別方法において、前記加熱処理は、皮剥きした栗を80〜100℃の熱水に浸けることで行う。
【0012】
また、請求項
5に記載の発明に係る栗の選別方法は、請求項
4に記載の栗の選別方法において、前記加熱処理は、皮剥きした栗を前記熱水に5分以上浸けることで行う。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る栗の選別方法によれば、皮付きの状態で行う一次選別工程の後に、皮剥き工程と二次選別工程とを設けることで、選別による栗の歩留まりを上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】この発明の一実施の形態の、栗の選別方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明に係る栗の選別方法を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1〜
図2は、本発明の一実施の形態を示す。この栗の選別方法は、栗を良否により選別する選別方法であって、
図1に示すように、一次選別工程1と、皮剥き工程2と、二次選別工程3とを備える。ここで、一次選別工程1は、収穫された栗(生栗)を皮付きのまま良否により選別して、少なくとも一次規格品と一次規格外品とに別ける。皮剥き工程2は、前記一次規格外品の栗の皮を、皮剥きする。二次選別工程3は、その皮剥きした栗を良否により選別して、二次規格品と二次規格外品とに別ける。そこで、前記一次規格品と前記二次規格品とを、良品とする。
【0017】
また、この栗の選別方法を、一次選別工程1を経て得た一次規格外品の栗についての選別方法として表わすと、以下のようになる。この栗の選別方法は、栗を良否により選別する選別方法であって、皮剥き工程2と、二次選別工程3とを備える。皮剥き工程2は、栗(生栗)を皮付きのまま良否により選別して、少なくとも一次規格品と一次規格外品とに別ける一次選別工程1を経て得た前記一次規格外品の栗の皮を、皮剥きする。二次選別工程3は、その皮剥きした栗を良否により選別して、二次規格品と二次規格外品とに別ける。そこで、前記一次規格品に加えて、前記二次規格品を、良品とする。
【0018】
そして、良品となった一次規格品と二次規格品とは、加工工程4を経て、甘露煮とか栗ペースト等の製品となる。また、二次規格外品は、廃棄・飼料(廃棄あるいは飼料)にまわされる。もっとも、一次規格品は、その全てが製品になるわけではなく、加工工程4において、皮剥きし、あるいはカットした際に、不良部分があれば、その部分は、当然に取り除かれる。また、一次選別工程1においても、皮付きの栗の状態で、二次選別工程3にまわすまでもなく、明らかに不良と判断される栗は、その場で取り除かれ、廃棄・飼料にまわされる。
【0019】
一次選別工程1は、栗(生栗)を皮付きのまま選別するものであり、虫食いとか実炭疽病とか劣化とかの有無を外観検査したり、栗を水槽に入れて浮き沈みを調べたりして行う。
【0020】
皮剥き工程2は、栗の皮(鬼皮および渋皮)を、主に皮剥き機械を用いて皮剥きする。この皮剥き機械は、例えば、筒体の底部に皮剥き用の回転刃を備えたものであって、この筒体内に栗を投入することで、皮を剥くことができる。
【0021】
二次選別工程3は、皮剥きした栗に対し選別するものであり、主に外観検査により行う。そして、この二次選別工程3では、個々の栗の単位で、二次規格品と二次規格外品とに別けることもあれば、一個の栗に対し不良部分をカットすることで、二次規格品と二次規格外品とに別けることもある。
【0022】
この二次選別工程3は、
図2に示すように、加熱選別工程3bを備える。この加熱選別工程3bは、皮剥きした栗を加熱処理するとともに、その加熱処理した栗に対し良否を外観検査することで、前記二次規格品と前記二次規格外品とに別けるものである。詳細には、二次選別工程3は、加熱選別工程3bの他に、中間選別工程3aを備える。この中間選別工程3aは、加熱選別工程3bの前に、皮剥きした栗に対し良否を外観検査することで、中間規格品と前記二次規格外品とに別けるものであり、この中間規格品に対し、前記加熱選別工程3bを加える。ここで、加熱処理は、皮剥きした栗を80〜100℃の熱水(好ましくは、沸騰状態にある熱水)に1分以上、好ましくは5分以上浸けることで行う。
【0023】
次に、以上の構成からなる栗の選別方法の作用効果について説明する。この栗の選別方法によると、皮付きの状態で行う一次選別工程1で外れた一次規格外品を、皮剥き工程2を経て二次選別工程3にまわすことで、従来であれば廃棄あるいは飼料とされていた一次規格外品の一部を良品(二次規格品)とすることができ、これによって、選別による栗の歩留まりを上げることができる。すなわち、この栗の選別方法によれば、皮付きの状態で行う一次選別工程1の後に、皮剥き工程2と二次選別工程3とを設けることで、選別による栗の歩留まりを上げることができる。
【0024】
また、二次選別工程3は、加熱選別工程3bを備えている。こうして、この加熱選別工程3bにより、皮剥きした栗を加熱処理することで、実炭疽病等の不良部分が顕在化し、外観検査を容易に行うことができる。ここで、前述したように、加熱処理は、皮剥きした栗を80〜100℃の熱水(好ましくは、沸騰状態にある熱水)に1分以上、あるいは5分以上浸けることで行うが、より的確に不良部分を顕在化させるためには、前記熱水に10分以上浸けるのがよい。また、上限は特に問わず、栗が茹で上がるまで行っても構わないが、この加熱選別工程3bを効率よく行うためには、15分あるいは20分以下とするのがよい。
【0025】
また、二次選別工程3は、加熱選別工程3bの前に、中間選別工程3aを備えている。こうして、二次選別工程3において、中間選別工程3aを経ることで、加熱選別工程3bにまわる栗を減らすことができ、選別を効率的に行うことができる。
【0026】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、二次選別工程3は、中間選別工程3aと加熱選別工程3bとからなるが、中間選別工程3aを省き、皮剥きした栗の全てを加熱選別してもよい。また、この加熱選別工程3bにおける加熱処理は、一般には熱水を用いるが、蒸気等を用いてもよい。
【0027】
また、この二次選別工程3は、加熱処理することなく、皮剥きした栗に対し良否を外観検査することで、二次規格品と二次規格外品とに別けるものであってもよい。
【0028】
また、以上に示す外観検査は、通常は、機械装置、器具等を用いることのない直接的な目視によるものであるが、その全部または一部を、機械装置、器具等を介した間接的な目視による外観検査としてもよく、また、その全部または一部を、目視によることなく、機械装置等により自動化された外観検査としてもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 一次選別工程
2 皮剥き工程
3 二次選別工程
3a 中間選別工程
3b 加熱選別工程