特許第6643150号(P6643150)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643150
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】回転式電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01H 19/20 20060101AFI20200130BHJP
   H01H 19/03 20060101ALN20200130BHJP
   H01H 25/00 20060101ALN20200130BHJP
   H01H 89/00 20060101ALN20200130BHJP
【FI】
   H01H19/20 Z
   !H01H19/03
   !H01H25/00 E
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-44704(P2016-44704)
(22)【出願日】2016年3月8日
(65)【公開番号】特開2017-162610(P2017-162610A)
(43)【公開日】2017年9月14日
【審査請求日】2019年1月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000215833
【氏名又は名称】帝国通信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】藤間 昇
【審査官】 関 信之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−018188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 19/20
H01H 19/03
H01H 25/00
H01H 89/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾接部を形成した弾接体と、
回転軸を中心に回転すると共に、前記弾接体の弾接部に弾接することで回転トルクを付与する弾接面を設けた回転体と、
前記回転体と一体に回転することで出力信号を変化させる検出手段と、
前記回転軸を中心に回動可能であって、回動位置に応じて前記弾接部の位置を変更させるトルク切替体と
前記弾接体と一体に上下動する作動部材とを具備し、
前記弾接部と前記弾接面は、前記回転軸に交差する平面で弾接し、
前記トルク切替体には、このトルク切替体を回転した際に、前記作動部材に設けた当接部に干渉してこの作動部材及び前記弾接体を上下動させて、前記弾接面と前記弾接部間の弾接状態を変更させる当接部挿通部を設け、
前記トルク切替体を回動することで、前記弾接部が移動し、前記弾接面と前記弾接部間の弾接状態を変更することを特徴とする回転式電子部品。
【請求項2】
請求項1に記載の回転式電子部品であって、
前記回転体は、回転つまみと、前記検出手段を取り付ける回転部材と、前記回転つまみと回転部材間を接続する軸とを有し、
前記回転つまみと回転部材間に、前記トルク切替体と前記作動部材とを設置し、
前記トルク切替体の当接部挿通部は、前記作動部材の突起状の当接部を挿入する開口部であり、
前記トルク切替体を回動することで、このトルク切替体の開口部の外周辺部分が前記作動部材の当接部に干渉して作動部材を上下動させることを特徴とする回転式電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転トルクの強弱を選択することができる回転式電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯機器(例えばデジタルカメラ)等に使用する回転式電子部品において、回転つまみを回転操作する際の回転トルク(回転抵抗又は動作力)を、板バネ等を用いて積極的に付与する構造の回転式電子部品があった(例えば特許文献1参照)。
【0003】
一方従来、上記回転式電子部品の回転操作において、操作感触の違いを出すために、強い動作力が必要な回転式電子部品と、弱い動作力で回転できる回転式電子部品の両方が求められる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−152117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、強い動作力が必要なものと弱い動作力で回転できるものの両者が求められた場合、従来は2種類の回転式電子部品を用意しなければならず、コストが増大し、またこれら回転式電子部品を装着する機器が大型化してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、簡単な操作によって、回転体回転時の回転トルク(動作力)の強弱を変更することができる回転式電子部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、弾接部を形成した弾接体と、回転軸を中心に回転すると共に、前記弾接体の弾接部に弾接することで回転トルクを付与する弾接面を設けた回転体と、前記回転体と一体に回転することで出力信号を変化させる検出手段と、前記回転軸を中心に回動可能であって、回動位置に応じて前記弾接部の位置を変更させるトルク切替体と、前記弾接体と一体に上下動する作動部材とを具備し、前記弾接部と前記弾接面は、前記回転軸に交差する平面で弾接し、前記トルク切替体には、このトルク切替体を回転した際に、前記作動部材に設けた当接部に干渉してこの作動部材及び前記弾接体を上下動させて、前記弾接面と前記弾接部間の弾接状態を変更させる当接部挿通部を設け、前記トルク切替体を回動することで、前記弾接部が移動し、前記弾接面と前記弾接部間の弾接状態を変更することを特徴としている。
トルク切替体を回動するだけで、回転体を回転する際の回転トルクの強弱を容易に変更することができる。
【0009】
また、作動部材に設けた当接部と、トルク切替体に設けた当接部挿通部とを用いることで、トルク切替体による弾接体の上下動をスムーズに行わせることが可能になる。
【0010】
また本発明は、前記回転体が、回転つまみと、前記検出手段を取り付ける回転部材と、前記回転つまみと回転部材間を接続する軸とを有し、前記回転つまみと回転部材間に、前記トルク切替体と前記作動部材とを設置し、前記トルク切替体の当接部挿通部は、前記作動部材の突起状の当接部を挿入する開口部であり、前記トルク切替体を回動することで、このトルク切替体の開口部の外周辺部分が前記作動部材の当接部に干渉して作動部材を上下動させることを特徴としている。
トルク切替体に設けた開口部に、作動部材に設けた突起状の当接部を挿入することで、トルク切替体の回動動作を作動部材の上下動動作にスムーズに変換することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、トルク切替体を回動するという簡単な操作によって、回転体回転時の回転トルクの強弱を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】回転式電子部品1の斜視図である。
図2】回転トルクを小(クリック有り)としたときの回転式電子部品1の概略断面図である。
図3】回転体(回転つまみ)300と押釦つまみ280と回転体(軸付き回転体)250とを分離して示す回転式電子部品1の分解斜視図である。
図4】回転つまみ300と押釦つまみ280と軸付き回転体250とを分離して下側から見た回転式電子部品1の分解斜視図である。
図5】回転つまみ300と押釦つまみ280と軸付き回転体250とを除く回転式電子部品1の分解斜視図である。
図6】回転つまみ300と押釦つまみ280と軸付き回転体250とを除く回転式電子部品1を下側から見た分解斜視図である。
図7】回転トルクを大(クリック無し)としたときの回転式電子部品1の概略断面図である。
図8】クリック有りのときの各部材の位置関係を示す概略展開断面図である。
図9】クリック無しのときの各部材の位置関係を示す概略展開断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の1実施形態に係る回転式電子部品(以下「回転式スイッチ」というが、「押圧式スイッチ付き回転式スイッチ」や、トルク切替型回転式電子部品」でもある)1の斜視図、図2は回転式スイッチ1の概略断面図(図1のA−A概略断面図)、図3は回転体(以下「回転つまみ」という)300と押釦つまみ280と回転体(以下「(軸付き回転体)という)250とを分離して示す回転式電子部品1の分解斜視図、図4は回転つまみ300と押釦つまみ280と軸付き回転体250とを分離して下側から見た回転式電子部品1の分解斜視図、図5は回転つまみ300と押釦つまみ280と軸付き回転体250とを除く回転式電子部品1の分解斜視図、図6は回転つまみ300と押釦つまみ280と軸付き回転体250とを除く回転式電子部品1を下側から見た分解斜視図である。これらの図に示すように、回転式スイッチ1は、取付板10上に、回路基板(以下「第1フレキシブル回路基板」という)20と、支持台40と、回路基板(以下「第2フレキシブル回路基板」という)50と、摺動子60と、回転体(以下「回転部材」という)70と、回転体(以下「補強板」という)90と、切替体取付部材100と、弾接体(以下「弾接バネ」という)120と、ケース130と、弾発部材160と、作動部材170と、クリック用ボール200と、クリック用コイルバネ210と、トルク切替体(以下「トルク切替レバー」という)220と、軸付き回転体250と、押釦つまみ280と、回転つまみ300とを設置して構成されている。なお以下の説明において、「上」とは弾接バネ120からトルク切替レバー220を見る方向をいい、「下」とはその反対方向をいうものとする。また真上、真下方向は、回転体(回転つまみ300及び軸付き回転体250及び補強板90及び回転部材70)の回転軸L1方向と一致するものとする。
【0014】
取付板10は硬質板(この実施形態ではステンレス板であるが、他の金属板又は樹脂板等であっても良い)の所定位置(4隅の4か所)に貫通する小孔からなる取付部11を設けて構成されている。
【0015】
第1フレキシブル回路基板20は、可撓性を有する合成樹脂フィルムを2枚重ね合わせ、対向する中央位置に所定の隙間を介して図示しないスイッチ接点パターンを形成していわゆるメンブレンスイッチ(以下「押圧スイッチ」という)21を形成し、この押圧スイッチ21の上側のフィルム上に反転板23を取り付けて構成されている。第1フレキシブル回路基板20の所定位置(4隅の4か所、前記取付板10の各取付部11に対向する位置)には貫通する小孔からなる取付部25が形成されている。
【0016】
支持台40は合成樹脂の成形品であり、中央に下記する押釦つまみ280の軸部283を挿通する円形の挿通孔41を設け、またその所定位置(4隅の4か所、前記取付板10の各取付部11に対向する位置)に貫通する小孔からなる取付部43を形成して構成されている。支持台40の下面中央には、前記反転板23を収納する凹部45が形成されている。
【0017】
第2フレキシブル回路基板50は可撓性を有する合成樹脂フィルムの中央に下記する押釦つまみ280の軸部283を挿通する円形の挿通孔51を設け、またその上面の挿通孔51の周囲にリング状に摺接パターン53を形成し、さらにその所定位置(4隅の4か所、前記取付板10の各取付部11に対向する位置)に貫通する小孔からなる取付部55を形成して構成されている。摺接パターン53は、下記する摺動子60と共に、出力信号を変化させる検出手段を構成し、この例ではスイッチパターンとなっている。
【0018】
摺動子60は弾性金属板をリング状に形成して構成されており、中央に円形の貫通孔からなる開口部61を設け、また等間隔に設けた3つの基部63からそれぞれ円弧状に3組の摺動冊子65を突出して構成されている。各摺動冊子65の先端には弾接部67が設けられている。また各基部63にはそれぞれ小孔からなる固定部69が設けられている。
【0019】
回転部材70は合成樹脂を略円板状に成形して構成されており、その中央に下記する押釦つまみ280の軸部283を挿通する円形の上下に貫通する挿通部71を設け、また挿通部71の周囲の同一円周上に3つの円弧状の上下に貫通する取付孔73を設け、一方回転部材70の下面の前記摺動子60の各固定部69に対向する位置にこれら固定部69に挿入される小突起状の摺動子取付部75を設けて構成されている。
【0020】
補強板90は硬質板(この実施形態ではステンレス板であるが、他の金属板または樹脂板等であっても良い)を略円板状に形成して構成されており、中央に下記する押釦つまみ280の軸部283を挿通する円形の挿通孔91を設け、また挿通孔91の周囲の同一円周上に3つの円弧状の上下に貫通する取付孔93を設けて構成されている。補強板90の上面は、下記する弾接バネ120の弾接部127が弾接する弾接面95となっている(なおこの補強板90を省略する場合は、回転部材70の上面が弾接面となる)。
【0021】
切替体取付部材100は合成樹脂をリング状に成形して構成されており、その所定位置(4か所)には、上下に貫通する小孔からなる取付孔101が形成されている。一部に下方向にコ字状に屈曲することで上面側に凹部103が形成されている。この凹部103は、下記するクリック用ボール200とクリック用コイルバネ210を収納するためにケース130に設けられた収納部141によってケース130の下面側に突出している部分を避けるためのものである。
【0022】
弾接バネ120は弾性金属板をリング状に形成し、180°対向する位置に一対の取付用基部121を設けて各取付用基部121内に小孔からなる挿入固定部123を設け、基部121と基部121の間を結ぶ一対の円弧状のアーム部125の中央に弾接部127を設け、また各アーム部125のそれぞれ根元部分を下方向に屈曲して構成されている。
【0023】
ケース130は合成樹脂の成形品であって、筒状に形成された側壁部131と、側壁部131の中央の孔を塞ぐ略平板状の中央部133とを具備して構成されている。中央部133の中央には下記する軸付き回転体250の軸253を回動自在に挿通する軸支孔135が設けられている。軸支孔135の周囲は中央部133から上方向に向かって筒状に突出するガイド突部137となっている。ガイド突部137の外周側面の180°対向する位置には、上下方向に直線状に延びる一対のガイド凸条138(図5では一方のみ示している)が形成されている。またガイド突部137の根元の中央部133の外周を囲む180°対向する位置には、上下に貫通する円弧状の一対の挿通孔140が形成されている。中央部133の前記挿通孔140の周囲の面上には、同一円周上に、複数(4つ)の円弧状の貫通孔からなる挿通部139が形成されている。側壁部131の内周側には、クリック用ボール200とクリック用コイルバネ210を収納する有底の穴からなる四角筒状の収納部141が形成されている。収納部141の外周壁の外側面の内、左右の対向する面は当接面142となっている。側壁部131の下端部分の外周からは、板状の底板部143が張り出しており、底板部143の下面からは複数(4つ)の小突起からなるケース固定部145が突出している。
【0024】
弾発部材160はこの例ではコイルバネによって構成されている。またクリック用ボール200は金属製の球体によって構成されている。
【0025】
作動部材170は合成樹脂の成形品であり、略リング状で略平板状の本体部171と、本体部171の下面から下方向に突出する円筒状の筒部173と、筒部173の下端辺の180°対向する位置から下方向に突出する一対のアーム状の弾接体取付部175とを具備して構成されている。弾接体取付部175の下端辺からは係止取付部177が突出している。本体部171と筒部173の中央には、1つの円形の貫通孔からなるガイド孔179が形成されている。ガイド孔179には前記ケース130のガイド突部137が上下動自在に挿入される。ガイド孔179の内周面の180°対向する位置には、上下方向に向かう直線状の溝からなるガイド溝182が形成されている。ガイド溝182には、前記ケース130のガイド凸条138が上下動自在に挿入される。
【0026】
本体部171の上面には、上方向に向かって突出する複数(4つ)の当接部180(180−1,180−2)が形成されている。各当接部180は、同一円周上に形成されている。当接部180の内、180°対向する位置にある一対の当接部(以下「第1当接部」という)180−1は、板状に突出しており、その上辺の、略三角形状に最も突出している弾接部181と弾接部181に連結されていて水平(本体部171の表面に平行)な支持部183と、支持部183に連結されていて弾接部181から離れるに従ってその高さを低くする傾斜部185とを具備している。一方、もう一対の当接部(以下「第2当接部」という)180−2は板状に突出しており、その上辺の、水平(本体部171の表面に平行)な支持部191と、支持部191に連結されていて支持部191から離れるに従ってその高さを低くする傾斜部193とを具備している。傾斜部185と傾斜部193は、同一の寸法形状である。また支持部183と支持部191は同一の高さ寸法である。
【0027】
トルク切替レバー220は合成樹脂を略円板状に成形して構成されており、略円板状の本体部221の下面から略筒状の側壁部235を突出して構成されている。本体部221の中央部分は、その上面を円形に突出させた突出部223としている。また突出部223の下面側には円形の凹部からなる作動部材収納部225が形成されている。突出部223の中央には円形に貫通する挿通孔227が形成されている。また挿通孔227の周囲には円弧状に貫通する複数(4つ)の開口部が形成され、180°対向する一対の開口部は第1当接部挿通部(以下「開口部」という)229、180°対向するもう一対の開口部は第2当接部挿通部(以下「開口部」という)230となっている。開口部229は前記作動部材170の第1当接部180−1全体を挿入できる寸法に形成され、開口部230は第2当接部180−2全体を挿入できる寸法に形成されている。本体部221の外周の所定位置からは、略台形状のレバー231が突出している。本体部221の下面のレバー231を突出した根元部分(側壁部235を設けていない部分)には円周方向に向かって凹凸となっているクリック当接部233が形成されている。クリック当接部233は、円周方向に2つの凹部を有している。側壁部235の下端辺の所定位置からは、複数本(4本)の小突起からなる取付部237が突出している。これら取付部237は、前記切替体取付部材100の各取付孔101に挿入される位置に設けられている。側壁部235の円周方向両端部分には、前記ケース130の一対の当接面142に当接するストッパー用の被当接面239が形成されている。
【0028】
軸付き回転体250は合成樹脂の成形品であって、略円板状の本体部251の下面中央から円筒状の軸253を突出して構成されている。軸付き回転体250の中央にはこれを上下に貫通して下記する押釦つまみ280の軸部283を上下動自在に挿入(貫通)ガイドする挿通部255が設けられている。挿通部255の内周面には、上下方向に直線状に延びる回り止め用ガイド溝257が形成されている。本体部251下面の軸253の周囲には、これを囲むように、凹凸からなるクリック係合部259が形成されている。本体部251の外周部分には、下記する回転つまみ300の各係合部305を係合する凹状の被係合部261が複数箇所に形成されている。軸253の下端辺からは複数(3つ)の取付係合部263が突出している。各取付係合部263は前記回転部材70の各取付孔73に挿入されてその先端が回転部材70の下面から突出する寸法形状に形成されている。
【0029】
押釦つまみ280は合成樹脂の成形品であって、略円板状のつまみ部281の下面中央から棒状の軸部283を突出して構成されている。軸部283の先端は前記押圧スイッチ21を押圧する押圧部285となっている。つまみ部281の外周からはリング状のつば部287が突出している。軸部283のつまみ部281側の位置には、上下方向に直線状に延びる複数(4つ)の回り止め用ガイド突起289が形成されている。各回り止め用ガイド突起289は、前記軸付き回転体250の各回り止め用ガイド溝257に上下動自在に挿入される寸法形状となっている。
【0030】
回転つまみ300は合成樹脂の成形品であり、略円板状の上面部301と、略円筒状の側壁部303とを有している。上面部301中央には円形の開口304が形成され、また上面部301の下面(側壁部303の内周面)には突起状の複数の係合部305がリング状に配置されるように形成されている。
【0031】
回転式スイッチ1を組み立てるには、回転つまみ300の下方から押釦つまみ280と軸付き回転体250をこの順番に挿入する。押釦つまみ280を挿入したとき、回転つまみ300の開口304内に、押釦つまみ280のつまみ部281が挿入されてその上面が露出するが、つば部287は回転つまみ300の上面部301の下面の開口304の周囲に当接する。また軸付き回転体250を挿入したとき、押釦つまみ280の軸部283は軸付き回転体250の挿通部255内に挿通され、その際、軸部283の回り止め用ガイド突起289が挿通部255の回り止め用ガイド溝257に上下動自在に嵌合される。またこのとき、回転つまみ300の各係合部305が軸付き回転体250の各被係合部261に挿入・係合される。そして軸付き回転体250の本体部251の下面に突出した各係合部305の下端部分(先端部分)を熱カシメし、上記3つの部材を一体化する。これによって、回転つまみ300と押釦つまみ280と軸付き回転体250は回転軸L1(図2参照)を中心として一体に回転すると同時に、押釦つまみ280は回転つまみ300の上面部301と軸付き回転体250の本体部251との間で所定寸法上下動自在となる。
【0032】
次に、ケース130の中央部133の上面に弾発部材160を載置し、その際、弾発部材160の中央にケース130のガイド突部137を挿入する。次に、ケース130の上に作動部材170を載置する。その際、作動部材170の一対の弾接体取付部175をケース130の各挿通孔140に上下動自在に挿入する。次に、ケース130の収納部141内に、クリック用コイルバネ210とクリック用ボール200を収納した状態で、その上にトルク切替レバー220を被せ、一方ケース130の中央部133の下面側に弾接バネ120と切替体取付部材100を設置し、その際、作動部材170の各係止取付部177を弾接バネ120の各挿入固定部123に挿入し、且つトルク切替レバー220の各取付部237を切替体取付部材100の各取付孔101に挿入し、各係止取付部177の先端と各取付部237の先端をそれぞれ熱カシメして、上記各部材を一体化する。このとき、ケース130のガイド突部137は、作動部材170のガイド孔179と、トルク切替レバー220の挿通孔227に挿通され、また作動部材170は弾発部材160によって上方向に弾発されることで押し上げられ、第1当接部180−1がトルク切替レバー220の開口部229内に挿入され、第2当接部180−2がトルク切替レバー220の開口部230内に挿入される。またクリック用ボール200はクリック用コイルバネ210によって上方向に弾発され、トルク切替レバー220のクリック当接部233に弾接する。またこのとき、弾接バネ120の各弾接部127の下面にグリスを塗布しておく。
【0033】
次に、前記一体化した回転つまみ300と押釦つまみ280と軸付き回転体250とを、前記トルク切替レバー220の上面側に載置し、その際、軸付き回転体250の軸部253をケース130の軸支孔135内に回動自在に挿入する。
【0034】
次に、前記ケース130の下面側に、補強板90と回転部材70とを設置し、その際、押釦つまみ280の軸部283の先端を、補強板90の挿通孔91と回転部材70の挿通部71に挿通し、同時に軸付き回転体250の各取付係合部263を、補強板90の各取付孔93と回転部材70の各取付孔73に挿通し、回転部材70の下面に突出する各取付係合部263の先端部分を熱カシメする。このとき弾接バネ120の各弾接部127は補強板90の上面の弾接面95に所定の隙間を介して対向(又は弾接)する。
【0035】
次に、回転部材70の下面に摺動子60を載置し、その際、回転部材70の各摺動子取付部75を摺動子60の各固定部69に挿入し、各摺動子取付部75の先端を熱カシメする。次に、ケース130の下面に、第2フレキシブル回路基板50と支持台40と第1フレキシブル回路基板20と取付板10を重ねて設置し、その際、第2フレキシブル回路基板50の各取付部55と支持台40の各取付部43と第1フレキシブル回路基板20の各取付部25と取付板10の各取付部11に、ケース130の各ケース固定部145を挿入し、各ケース固定部145の先端を取付板10の下面で熱カシメする。このとき、摺動子60の各弾接部67は、第2フレキシブル回路基板50の摺接パターン53に弾接する。またこのとき、押釦つまみ280の押圧部285は、反転板23(即ち押圧スイッチ21)の上面に当接している。これによって、回転式スイッチ1の組み立てが完了する。なお上記組立手順はその一例であり、他の各種異なる組立手順を用いて組み立てても良いことはいうまでもない。
【0036】
次に、上記回転式スイッチ1の操作方法(動作)について説明する。ここではまず、図3に示すように、トルク切替レバー220の各開口229内に第1当接部180−1全体が収納され、同時に、各開口部230内に第2当接部180−2全体が収納されているとする。図8はこのときの開口部229、開口部230、第1当接部180−1、第2当接部180−2、クリック係合部259、弾接バネ120、補強板90、回転部材70の位置関係を示す概略展開断面図である。同図に示すように、各開口部229,230内に第1,第2当接部180−1,180−2全体がそれぞれ収納されているときは、第1当接部180−1の弾接部181はトルク切替レバー220の本体部221の上面から上方向に向かって突出している。従って、弾発部材160によって押し上げられている第1当接部180−1の弾接部181は、軸付き回転体250の下面に形成されたクリック係合部259に接触して係合する位置にある。一方このとき、作動部材170の弾接体取付部175の下端に取り付けた弾接バネ120の弾接部127は、補強板90の弾接面95から所定寸法だけ離れている。
【0037】
そしてこの状態で、回転つまみ300を回転すると、図2に示すように、回転つまみ300と一体に押釦つまみ280と軸付き回転体250と補強板90と回転部材70と摺動子60が、回転軸L1を中心として回転し、摺動子60の弾接部67が第2フレキシブル回路基板50の摺接パターン53上を摺動し、その出力信号が変化する。回転つまみ300を回転すると、これと一体に軸付き回転体250の下面に形成したクリック係合部259も回転するので、図8に示すように、これに弾接している第1当接部180−1の弾接部181は、クリック係合部259の凹凸上を上下動しながら弾接し、これによって回転つまみ300の回転にクリック感触を与える。回転つまみ300を回転した際、弾接バネ120の各弾接部127は補強板90の弾接面95には当接しない。つまり、弾接部127と弾接面95の離間距離は、弾接部181がクリック係合部259の凸の部分を乗り越える際も接触しない離間寸法に形成されている。
【0038】
次に、トルク切替レバー220のレバー231を、真上から見て左方向に所定角度回動すると、トルク切替レバー220のクリック当接部233の一方の凹部に弾接していたクリック用ボール200が、もう一方の凹部に凸部を乗り越えて係合する際に、クリック感触を生じる。なおトルク切替レバー220の回動範囲は、トルク切替レバー220の一対の被当接面239に、ケース130の一対の当接面142が当接する範囲であり、言い換えれば、クリック用ボール200がクリック当接部233の一方の凹部からもう一方の凹部に移動する範囲である。
【0039】
図7はトルク切替レバー220を上記のように回動したときの概略断面図(図2と同一部分の断面図)である。また図9はこのときの開口部229、開口部230、第1当接部180−1、第2当接部180−2、クリック係合部259、弾接バネ120、補強板90、回転部材70の位置関係を示す概略展開断面図である。トルク切替レバー220を回動したとき、作動部材170に対してトルク切替レバー220が、図8の矢印Cで示す方向に相対的に移動する。これによって、トルク切替レバー220に設けた開口部229の外周辺229a部分が第1当接部180−1の傾斜部185に接触し、同時にトルク切替レバー220に設けた開口部230の外周辺230a部分が第2当接部180−2の傾斜部193に接触し、第1,第2当接部180−1,180−2(即ち作動部材170全体)が真下方向に移動する。これによって、図9に示すように、第1当接部180−1の弾接部181が下降してトルク切替レバー220の開口部229内に入り込む。このときトルク切替レバー220の下面には、第1当接部180−1の支持部183と、第2当接部180−2の支持部191が弾接する。従って、この状態のときは、第1当接部180−1の弾接部181は、軸付き回転体250の本体部251下面に形成されたクリック係合部259から乖離し、接触(弾接)しない。一方このとき、作動部材170の弾接体取付部175の下端に取り付けた弾接バネ120の弾接部127は、下降することで、補強板90の弾接面95に弾接する。
【0040】
そしてこの状態で、回転つまみ300を回転すると、前述のように、摺動子60の弾接部67が第2フレキシブル回路基板50の摺接パターン53上を摺動し、その出力信号が変化する。回転つまみ300を回転する際、これと一体に軸付き回転体250の下面に形成したクリック係合部259も回転するが、図9に示すように、このクリック係合部259に第1当接部180−1の弾接部181は弾接しないので、回転つまみ300の回転にクリック感触は生じない。一方、この状態のときは、弾接バネ120の弾接部127が補強板90の弾接面95に弾接しているので、回転つまみ300の回転の際、前記弾接によって、その回転に所手の回転トルクを生じる。
【0041】
前記トルク切替レバー220を元の位置に回動して戻せば(図9に示す矢印D方向に移動)、開口部229の外周辺229a部分が再び第1当接部180−1の傾斜部185に接触しながらその上を摺動し、同時に開口部230の外周辺230a部分が再び第2当接部180−2の傾斜部193に接触しながらその上を摺動し、第1,第2当接部180−1,180−2(即ち作動部材170全体)が真上方向に移動し、これによって、第1当接部180−1の弾接部181が上昇してトルク切替レバー220の開口部229から上方に突出してゆき、図8に示す状態に戻る。これによって、第1当接部180−1の弾接部181は、軸付き回転体250のクリック係合部259に弾接し、再びクリック感触を生じる状態になり、同時に、弾接バネ120の各弾接部127は補強板90の弾接面95から所定距離離間し、再び回転つまみ300の回転トルクが小さくなる状態になる。
【0042】
つまり上記回転式スイッチ1によれば、トルク切替レバー220の回動位置に応じて、回転つまみ300を回転した際にクリック感触が生じると同時にその回転トルクを小さくする状態と、回転つまみ300を回転した際にクリック感触が生じないと同時にその回転トルクを大きくする状態とを、切り替えることができる。さらにいえば、クリック感触が生じるときは、そのことによって回転つまみ300の回転トルクが大きくなるので、その分、弾接バネ120による回転トルクを小さくして過度に回転トルクが大きくならないようにし、クリック感触が生じないときは、そのことによって回転つまみ300の回転トルクが小さくなるので、その分、弾接バネ120による回転トルクを大きくして回転トルクが適度に大きくなるようにしている。これによって、クリック感触が生じる時も生じない時も、適度な回転トルクが得られるようになる。
【0043】
一方、押釦つまみ280のつまみ部281の上面を下方向に向けて押圧してこれを下降すれば、その押圧部285が反転板23を押圧してこれを反転し、押圧スイッチ21がオンする。前記押圧を解除すれば、反転板23の弾性復帰力によって押釦つまみ280は元の位置に押し上げられ、押圧スイッチ21はオフする。
【0044】
なお、上記回転式スイッチ1において、さらに、切替体取付部材100(例えば第2フレキシブル回路基板50に対向する側の面)に別途摺動子を取り付けると共に、第2フレキシブル回路基板50の上面に前記摺動子が摺接する摺接パターン(例えば位置検出用パターン)を設け、これによって切替体取付部材100と一体に回転するトルク切替レバー220の位置(回動位置)を検出等できるように構成しても良い。
【0045】
また上記回転式スイッチ1においては、回転つまみ300を回転した際の、クリック感触の有無と回転トルクの増減とを連動させる構成としたが、クリック感触の有無は必須ではなく、クリック感触の有無にかかわらず、単に回転トルクの大きさを変更するように構成しても良い。この場合、例えば上記例では、第1,第2当接部180−1,180−2と開口部229,230の形状を全て、第2当接部180−2と開口部230の形状にし、またクリック係合部259を省略する等すれば良い。
【0046】
また上記回転式スイッチ1においては、トルク切替レバー220を回動することで、弾接バネ120の弾接部127を弾接面95に弾接する位置と乖離する位置とに変更するように構成したが(つまり、弾接バネ120によって回転トルクが生じる場合と生じない場合に変更するように構成したが)、トルク切替レバー220を回動することで、弾接バネ120の弾接部127を弾接面95に強く弾接する位置と弱く弾接する位置とに変更するように構成してもよい(つまり、弾接バネ120による回転トルクが大きい場合と小さい場合に変更するように構成してもよい)。
【0047】
また上記第1当接部180−1は、弾接部181と傾斜部185の間に支持部183を設けたが、支持部183を省略して、弾接部181と傾斜部185を直接接続しても良い。このとき傾斜部185の傾斜角度と、これに接続する弾接部181の傾斜面の傾斜角度を同一にしても良い。またこのとき、弾接部181の頂点部分を、支持部183の代りに用い、トルク切替レバー220を図9に示すように回動したときに、弾接部181の頂点部分がトルク切替レバー220の下面に弾接するように構成しても良い。また第2当接部180−2の支持部191を省略しても良い。
【0048】
以上説明したように、回転式スイッチ1は、弾接部127を形成した弾接バネ120と、回転軸L1を中心に回転すると共に前記弾接バネ120の弾接部127に弾接することで回転トルクを付与する弾接面95を設けた回転体(回転つまみ300と軸付き回転体250と補強板90と回転部材70)と、前記回転体と一体に回転することで出力信号を変化させる検出手段(摺動子60及び摺接パターン53)と、前記回転軸L1を中心に回動可能であって回動位置に応じて前記弾接部127の位置を変更させるトルク切替レバー220とを具備し、前記トルク切替レバー220を回動することで、前記弾接部127が移動し、前記弾接面95と前記弾接部127間の弾接状態を変更するように構成している。これによって、トルク切替レバー220を回動するだけで、回転体を回転する際の回転トルクの強弱を容易に変更することができる。
【0049】
また上記回転式スイッチ1は、前記弾接バネ120と一体に上下動する作動部材170を有し、前記トルク切替レバー220には、このトルク切替レバー220を回転した際に、前記作動部材170に設けた当接部180(180−1,180−2)に干渉してこの作動部材170及び前記弾接バネ120を上下動させて、前記弾接面95と前記弾接部127間の弾接状態を変更させる開口部229,230を設けている。作動部材170に設けた当接部180(180−1,180−2)と、トルク切替レバー220に設けた開口部229,230とを用いることで、トルク切替レバー220による弾接バネ120の上下動をスムーズに行わせることが可能になる。
【0050】
また上記回転スイッチ1の回転体は、回転つまみ300と、前記検出手段(摺動子60)を取り付ける回転部材70と、前記回転つまみ300と回転部材70間を接続する軸253とを有し、前記回転つまみ300と回転部材70間に、前記トルク切替レバー220と前記作動部材170とを設置し、前記トルク切替レバー220の開口部229,230に前記作動部材170の突起状の当接部180を挿入し、前記トルク切替レバー220を回動することで、このトルク切替レバー220の開口部229,230の外周辺229a,230a部分が前記作動部材170の当接部180に干渉して作動部材170を上下動させる構成となっている。これによって、トルク切替レバー220の回動動作を作動部材170の上下の動作にスムーズに変換することができる。
【0051】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記実施形態では、回転式スイッチの他に押圧式スイッチも設置したが、押圧式スイッチは省略しても良い。また上記実施形態では、検出手段として回転式のスイッチを設置したが、その代りに回転式の可変抵抗器等、他の各種回転式電子部品用の検出手段としても良い。また上記実施形態では、回転体として、回転つまみと軸付き回転体と補強板と回転部材を設置したが、何れかを省略したり、またはさらに回転する部材を追加したりして回転体を構成しても良い。例えば補強板を省略する場合は、回転部材の上面を弾接面とすればよい。また上記実施形態では、トルク切替体として、レバーを有するトルク切替レバーを用いたが、本発明はこれに限られず、レバーを省略したり、さらにその他の各種形状としたりしても良い。また上記実施形態では、弾接バネの弾接部を、回転体の弾接面(回転軸に交差する面)に対して回転軸方向に向けて弾接したが、回転軸方向以外の方向から弾接面(例えば回転体の外周側面)に弾接させても良い。
【0052】
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0053】
1 回転式スイッチ(回転式電子部品)
53 摺接パターン(検出手段)
60 摺動子(検出手段)
70 回転部材(回転体)
90 補強板(回転体)
95 弾接面
120 弾接バネ(弾接体)
127 弾接部
170 作動部材
180 当接部
180−1 第1当接部
180−2 第2当接部
220 トルク切替レバー(トルク切替体)
229 開口部(当接部挿通部、第1当接部挿通部)
229a 外周辺
230 開口部(当接部挿通部、第2当接部挿通部)
230a 外周辺
250 軸付き回転体(回転体)
253 軸
280 押釦つまみ
300 回転つまみ(回転体)
L1 回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9