特許第6643180号(P6643180)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643180
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20200130BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20200130BHJP
   H04W 76/10 20180101ALI20200130BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20200130BHJP
【FI】
   H04W52/02 110
   H04M1/00 U
   H04W76/10
   H04W84/10 110
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-98204(P2016-98204)
(22)【出願日】2016年5月16日
(65)【公開番号】特開2017-208617(P2017-208617A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2019年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 浩司
【審査官】 ▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−025533(JP,A)
【文献】 特開2017−022655(JP,A)
【文献】 特開2015−158345(JP,A)
【文献】 特開2003−304186(JP,A)
【文献】 特開2015−119296(JP,A)
【文献】 特開2005−086425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末との間で信号の送受信を行う通信回路と、
通信端末との通信接続に備えて所定のイベント発生周期で前記通信回路からアドバタイジング信号を送信し、該アドバタイジング信号を受信した通信端末から送信された接続要求信号を前記通信回路により受信したときに、該接続要求信号を送信した通信端末との間で通信接続処理を実行して、該通信端末との通信を行う通信制御部と
を備えた通信装置において、
前記通信制御部による前記通信接続処理の実行状況に応じて、前記イベント発生周期の長さを設定するイベント発生周期設定部を備え
前記イベント発生周期設定部は、前記通信装置の前記通信接続処理とは別の処理である使用が開始されたときに前記イベント発生周期を第2周期に設定し、前記通信制御部により前記通信接続処理が実行された後は、前記イベント発生周期を前記第2周期よりも短い第1周期に設定することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項に記載の通信装置において、
前記イベント発生周期設定部は、1日の所定時間帯における前記イベント発生周期を、他の時間帯における前記イベント発生周期よりも短く設定することを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項に記載の通信装置において、
1日の所定時間帯における過去の前記通信制御部による前記通信接続処理の実行状況を示す通信接続状況データを保持する通信状況保持部を備え、
前記イベント発生周期設定部は、前記通信接続状況データにより示される前記所定時間帯における過去の前記通信接続処理の実行状況に基づいて、今後の前記所定時間帯における前記イベント発生周期の長さを設定することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項に記載の通信装置において、
前記イベント発生周期設定部は、前記通信接続状況データにより示される過去の前記所定時間帯における前記通信接続処理の実行回数が多いほど、今後の前記所定時間帯における前記イベント発生周期を短く設定することを特徴とする通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末との間でアドバタイジングによる通信接続処理を行う通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信端末と通信装置との間で近距離無線通信を行うための通信規格として、Bluetooth(登録商標)が普及しており、一層の省電力化を図るためにBLE(Bluetooth Low Energy)も採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
BLEでは、通信端末と通信装置との間の無線通信接続をアドバタイジングによって行っており、通信装置は接続待機状態であるときに、一定周期でアドバタイジング・パケットを送信する。そして、アドバタイジング・パケットを受信した通信端末が、通信装置に接続要求を行うことによって、通信端末と通信装置との間の通信接続が完了する。
【0004】
また、使用者の選択操作に応じて、通信端末と通信装置との間の通信を停止した状態にすることにより、通信装置の省電力化を図る構成も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2012−533958号公報
【特許文献2】特開2002−101037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載された通信装置は、通信端末との間の通信を停止することによって、通信装置の省電力化を図っているが、通信端末との通信を可能にしつつ、通信装置の消費電力を低減することも要求されている。
【0007】
本発明は係る背景に鑑みてなされたものであり、アドバタイジングにより通信端末との通信接続に備える際の消費電力を低減した通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の通信装置は、通信端末との間で信号の送受信を行う通信回路と、
通信端末との通信接続に備えて所定のイベント発生周期で前記通信回路からアドバタイジング信号を送信し、該アドバタイジング信号を受信した通信端末から送信された接続要求信号を前記通信回路により受信したときに、該接続要求信号を送信した通信端末との間で通信接続処理を実行して、該通信端末との通信を行う通信制御部と
を備えた通信装置において、
前記通信制御部による前記通信接続処理の実行状況に応じて、前記イベント発生周期の長さを設定するイベント発生周期設定部を備え
前記イベント発生周期設定部は、前記通信装置の前記通信接続処理とは別の処理である使用が開始されたときに前記イベント発生周期を第2周期に設定し、前記通信制御部により前記通信接続処理が実行された後は、前記イベント発生周期を前記第2周期よりも短い第1周期に設定することを特徴とする。
【0009】
かかる本発明によれば、通信制御部はイベント発生周期でアドバタイジング信号を送信して、周辺に存在する通信端末からの応答を待つが、イベント発生周期が短いほど、アドバタイジング信号の送信頻度が高くなって通信装置の消費電力が増大する。そこで、イベント発生周期設定部により、通信制御部による通信接続処理の実行状況に応じてイベント発生周期の長さを設定することにより、イベント発生周期を一定に設定した場合よりも送信装置の消費電力を低減することが可能になる。
【0011】
なお、前記通信装置の前記通信接続処理とは別の処理である使用が開始されたときとは、例えば、通信装置がガスコンロである場合、ガスコンロがキッチンに設置されてガスコンロの使用が開始されたときである。この構成によれば、使用者が通信機能を利用するまでは、イベント発生周期が第1周期よりも長い第2周期に維持される。そのため、使用者が通信機能を利用しない場合に、通信制御部によるアドバタイジング信号の送信頻度を低くして、送信装置の消費電力を低減することができる。
【0012】
また、前記イベント発生周期設定部は、1日の所定時間帯における前記イベント発生周期を、他の時間帯における前記イベント発生周期よりも短く設定することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、例えば、送信装置が加熱調理器に搭載され、通信が利用される時間帯(食事時間帯等)が限られる場合に、この時間帯のイベント発生周期を他の時間帯よりも短く設定することにより、この時間帯での通信接続を迅速に可能にしつつ、他の時間帯の通信接続のための消費電力を低減することができる。
【0014】
また、1日の所定時間帯における過去の前記通信制御部による前記通信接続処理の実行状況を示す通信接続状況データを保持する通信状況保持部を備え、
前記イベント発生周期設定部は、前記通信接続状況データにより示される前記所定時間帯における過去の前記通信接続処理の実行状況に基づいて、今後の前記所定時間帯における前記イベント発生周期の長さを設定することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、1日の所定時間帯に対して、過去の実際の通信の利用状況に基づいて今後のイベント発生周期を適切な長さを設定することができる。
【0016】
また、前記イベント発生周期設定部は、前記通信接続状況データにより示される過去の前記所定時間帯における前記通信接続処理の実行回数が多いほど、今後の前記所定時間帯における前記イベント発生周期を短く設定することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、1日の所定時間帯に対して、過去の通信の利用回数が多いほど今後のイベント発生周期を短く設定することにより、通信の利用頻度が高い時間帯での通信接続を迅速に可能にすると共に、通信の利用頻度が低い時間帯での消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ガスコンロ(本発明の通信装置)とスマートフォン(本発明の通信端末)の構成図。
図2】第1実施形態におけるイベント発生周期の設定処理のフローチャート。
図3】第2実施形態におけるイベント発生周期の設定処理のフローチャート。
図4】第3実施形態におけるイベント発生周期の設定処理のフローチャート。
図5】第4実施形態におけるイベント発生周期の設定処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について、図1図5を参照して説明する。
【0020】
[1.ガスコンロ及びスマートフォンの構成]
図1を参照して、本実施形態のガスコンロ1(本発明の通信装置に相当する)は、スマートフォン50(本発明の通信端末に相当する)との間で、BLE(Bluetooth Low Enargy)による近距離無線通信を行う機能を備えている。
【0021】
ガスコンロ1は、調理物を加熱する加熱部として、左コンロ10a、右コンロ10b、後コンロ10c、及びグリル20を備えている。各コンロ10a,10b,10cには、載置される調理容器の底部の温度を検出する温度センサ15a,15b,15cが設けられている。
【0022】
ガスコンロ1の前面には、左コンロ10aの点火/消火と火力変更を行うための左コンロ用操作ボタン11a、右コンロ10bの点火/消火と火力変更を行うための右コンロ用操作ボタン11b、後コンロ10cの点火/消火と火力変更を行うための後コンロ用操作ボタン11c、及びグリル20の点火/消火と火力変更を行うためのグリル用操作ボタン21が設けられている。さらに、ガスコンロ1の前面には、コンロ操作パネル13とグリル操作パネル23とが設けられている。
【0023】
また、ガスコンロ1には、ガスコンロ1の全体的な作動を制御するコンロコントローラ30と、スピーカ26と、通信回路27が備えられている。コンロコントローラ30は、CPU、メモリ、各種インターフェース回路等により構成された電子回路ユニットであり、メモリに保持されたガスコンロ1の制御用プログラムをCPUにより実行することによって通信制御部31、イベント発生周期設定部32、通信状況保持部33、及び加熱調理制御部34として機能する。
【0024】
コンロコントローラ30には、温度センサ15a,15b,15cの検出信号と、操作ボタン(左コンロ用操作ボタン11a、右コンロ用操作ボタン11b、後コンロ用操作ボタン11c、グリル用操作ボタン21)の操作信号と、操作パネル(コンロ操作パネル13、グリル操作パネル23)の操作信号と、通信回路27により受信された信号とが入力される。
【0025】
また、コンロコントローラ30から出力される制御信号によって、左コンロ10a、右コンロ10b、後コンロ10c、グリル20、操作パネル(コンロ操作パネル13、グリル操作パネル23)の表示、スピーカ26からの音出力、及び通信回路27による信号の送信が制御される。
【0026】
スマートフォン50には、スマートフォン50の全体的な作動を制御するスマホコントローラ60が備えられている。スマホコントローラ60は、CPU、メモリ、各種インターフェース回路等により構成された電子回路ユニットであり、メモリに保持されたスマートフォン50の制御用プログラムを、CPUにより実行することによって、通信制御部61、レシピ選択部62、及び調理条件データ送信部63として機能する。
【0027】
また、スマートフォン50には、使用者によりタッチ操作されると共に各種の画面が表示されるタッチパネル51と、音声等が出力されるスピーカ52と、ガスコンロ1との間で信号を送受信する通信回路53とが備えられている。
【0028】
スマホコントローラ60には、タッチパネル51におけるタッチ操作信号と、通信回路53により受信された信号が入力される。また、スマホコントローラ60から送信される制御信号によって、タッチパネル51の画面表示と、スピーカ52の出力と、通信回路53による信号の送信とが制御される。
【0029】
ガスコンロ1は、スマートフォン50により選択されたレシピに対応した調理条件データを、スマートフォン50から受信して、調理条件データに基づく自動加熱調理を行う機能を有している。使用者は、この機能を利用するために、レシピ選択サイトにアクセスしてレシピ選択用のアプリケーション(以下、レシピ選択アプリという)を、スマートフォン50にインストールする。
【0030】
使用者は、レシピ選択アプリをインストールしたときに、初期設定としてガスコンロ1の機種名を登録する操作を行う。この登録により、ガスコンロ1の仕様(各コンロ10a,10b,10c,グリル20の加熱能力等)に対応した調理条件データを、レシピ選択サイトから取得することが可能となる。また、使用者は、レシピ選択アプリにより、スマートフォン50とガスコンロ1のペアリングを行って、スマートフォン50とガスコンロ1間の無線通信を可能にする。
【0031】
スマートフォン50においては、使用者によるレシピの選択操作に応じて、レシピ選択部62がレシピを選択し、レシピ選択部62により選択されたレシピ用の調理条件データが、調理条件データ送信部63により通信回路53から送信される。
【0032】
そして、ガスコンロ1においては、通信回路27を介して調理条件データを受信したコンロコントローラ30の加熱調理制御部34が、調理条件データに従って自動調理を実行する。
【0033】
[2.イベント発生周期の設定処理の第1実施形態]
次に、図2に示したフローチャートに従って、イベント発生周期の設定処理の第1実施形態について説明する。
【0034】
ガスコンロ1の通信制御部31は、既にペアリングを完了したスマートフォン50との無線通信接続に備えて、図1に示したように、所定のイベント発生周期で、アドバタイジングパケットAdv_pkt(本発明のアドバタイジング信号に相当する)を、繰り返し送信する。
【0035】
そして、ガスコンロ1の周辺に存在するスマートフォン50は、アドバタイジングパケットAdv_pktを受信したきに、コネクトリクエストCon_req(本発明の接続要求信号に相当する)を送信する。コネクトリクエストCon_reqには、アドバタイジングパケットAdv_pktに含まれていたガスコンロ1のアドレスと、スマートフォン50のアドレスとが含まれている。ガスコンロ1の通信制御部31は、これらのアドレスを認識することによって、通信相手のスマートフォン50を特定してスマートフォン50との無線による通信接続処理を実行する。
【0036】
図2のフローチャートは、イベント発生周期設定部32により実行され、ガスコンロ1がキッチンに設置されてガスコンロ1の使用が開始されたときに、STEP1で、イベント発生周期設定部32は、イベント発生周期を第2周期(イベント発生周期の初期値)に設定する。
【0037】
続くSTEP2で、イベント発生周期設定部32は、通信制御部31によりガスコンロ1とスマートフォン50との間の通信接続処理が実行されたか否かを判断する。そして、ガスコンロ1とスマートフォン50との間の通信接続処理が実行されたときにSTEP3に進み、イベント発生周期設定部32は、イベント発生周期を第2周期よりも短い第1周期に設定(変更)する。
【0038】
これにより、使用者がスマートフォン50を用いた自動調理の操作を行わない場合は、イベント発生周期が第2周期に維持されるため、通信制御部31によるアドバタイジングパケットAdv_pktの送信頻度を低くしてガスコンロ1の消費電力を低減することができる。また、使用者がスマートフォン50を用いた自動調理の操作を行う場合には、イベント発生周期が第2周期よりも短い第1周期に変更されるため、ガスコンロ1とスマートフォン50との間の通信接続処理をより迅速に行うことができる。
【0039】
[3.イベント発生周期の設定処理の第2実施形態]
次に、図3に示したフローチャートに従って、イベント発生周期の設定処理の第2実施形態について説明する。
【0040】
イベント発生周期設定部32は、図3のSTEP10で、イベント発生周期を第2周期に設定する。続くSTEP11で、イベント発生周期設定部32は、現在時刻(コンロコントローラ30の計時機能により認識される)が、予め設定されたガスコンロの利用時間帯(朝、昼、晩の調理時間帯等、本発明の所定時間帯に相当する)の開始時刻になったか否かを判断する。
【0041】
そして、現在時刻が利用時間帯の開始時刻になった時にSTEP12に進み、イベント発生周期設定部32は、イベント発生周期を第2周期よりも短い第1周期に設定(変更)して、STEP13に進む。
【0042】
STEP13で、イベント発生周期設定部32は、現在時刻が利用時間帯の終了時刻であるか否かを判断する。そして、現在時刻が利用時間帯の終了時刻になったときにSTEP10に進む。
【0043】
図3のフローチャートによる処理により、イベント発生周期設定部32は、スマートフォン50を用いた自動調理の操作がなされる可能性が高い利用時間帯では、イベント発生周期を比較的短い第1周期に設定する。そして、これにより、ガスコンロ1とスマートフォン50との間の通信接続処理を迅速に行うことを可能にして、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0044】
一方、利用時間帯以外の、スマートフォン50を用いた自動調理の操作がなされる可能性が低い時間帯においては、イベント発生周期を比較的長い第2周期に設定することにより、通信制御部31によるアドバタイジングパケットAdv_pktの送信頻度を低くして、ガスコンロ1の消費電力を低減することができる。
【0045】
[4.イベント発生周期の設定処理の第3実施形態]
次に、図4に示したフローチャートに従って、イベント発生周期の設定処理の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、イベント発生周期の長さが時間レベルによって設定されている。時間レベルは、レベル1を最短として、レベルが増加するに従って時間が長くなる仕様とされている。
【0046】
イベント発生周期設定部32は、図4のSTEP30で、イベント発生周期を時間レベル1(最短設定)に設定し、後述する不使用カウンタをリセット(0をセット)にする。そして、次のSTEP31〜STEP34のループを繰り返し実行する。
【0047】
STEP31で、イベント発生周期設定部32は、現在時刻が利用時間帯の開始時刻になったか否かを判断する。そして、現在時刻が利用時間帯の開示時刻になった時にSTEP32に進み、STEP40で、通信制御部31によるガスコンロ1とスマートフォン50との間の通信接続処理の実行の有無を監視しながら、現在時刻が利用時間帯の終了時刻になったか否かを判断する。
【0048】
通信状況保持部33は、利用時間帯における通信接続処理の実行の有無(本発明の通信接続処理の実行状況に相当する)を示す通信接続状況データを、コンロコントローラ30に備えられたメモリに保持する。
【0049】
現在時刻が利用時間帯の終了時刻になったときにSTEP33に進み、イベント発生周期設定部32は、通信接続状況データを参照して、利用時間帯内で、通信接続処理が実行されたか否かを判断する。そして、利用時間帯内で通信接続処理が実行されたときはSTEP34に進む。一方、利用時間帯内で通信接続処理が実行されなかったときにはSTEP50に分岐し、イベント発生周期設定部32は、不使用カウンタをカウントアップ(+1)してSTEP34に進む。
【0050】
STEP34で、イベント発生周期設定部32は、不使用カウンタのカウント値に応じて、イベント発生周期の時間レベルを設定する。すなわち、カウント値が大きいほど(利用時間帯に通信接続処理が実行されなかった過去の日数が多いほど)、今後の利用時間帯におけるイベント発生周期の時間レベルを大きくして、イベント発生周期を長くする。
【0051】
これにより、利用時間帯におけるイベント発生周期を、実際のスマートフォン50を用いたガスコンロ1の使用状況に応じて、適切に設定することができる。
【0052】
[5.イベント発生周期の設定処理の第4実施形態]
次に、図5に示したフローチャートに従って、イベント発生周期の設定処理の第4実施形態について説明する。第4実施形態では、上述した第3実施形態と同様に、イベント発生周期の長さが時間レベルによって設定されている。
【0053】
イベント発生周期設定部32は、図5のSTEP60で、現在時刻が利用時間帯の開始時刻であるか否かを判断する。そして、現在時刻が利用時間帯の開始時刻になった時にSTEP61に進み、STEP70で、通信制御部31によるガスコンロ1とスマートフォン50との間の通信接続処理の実行の有無を監視しながら、現在時刻が利用時間帯の終了時刻になったか否かを判断する。
【0054】
現在時刻が利用時間帯の終了時刻になった時にSTEP62に進み、イベント発生周期設定部32は、利用時間帯内で、通信接続処理が実行されたか否かを判断する。そして、利用時間帯内で通信接続処理が実行されたときはSTEP63に進み、イベント発生周期設定部32は、重み変数をカウントアップ(+1)してSTEP64に進む。一方、利用時間帯内で通信接続処理が実行されなかったときにはSTEP80に分岐し、イベント発生周期設定部32は、重み変数をカウントダウン(−1)してSTEP64に進む。
【0055】
STEP64で、イベント発生周期設定部32は、重み変数が重み上限値よりも大きくなったか否かを判断する。そして、重み変数が重み上限値よりも大きくなったときはSTEP65に進み、イベント発生周期設定部32は、イベント発生周期の時間レベルを1段階下げる(−1する)。一方、重み変数が重み上限値以下であるときにはSTEP90に分岐し、イベント発生周期設定部32は、重み変数が重み下限値よりも小さくなったか否かを判断する。
【0056】
そして、重み変数が重み下限値よりも小さくなったときはSTEP91に進み、イベント発生周期設定部32は、イベント発生周期の時間レベルを1段階上げて(+1して)、STEP66に進む。一方、重み変数が重み下限値以上であるときにはSTEP66に分岐する。
【0057】
このように、通信接続処理の実行の有無に応じて重み変数を増減し、重み変数の値に応じてイベント発生周期の時間レベルを増減することにより、使用者によるスマートフォン50を用いた自動調理の操作の実施状況に適応させて、イベント発生周期の長さを設定することができる。
【0058】
STEP66で、イベント発生周期設定部32は、次の時間帯のパラメータ(開始時刻、終了時刻、イベント発生時間の時間レベル、重み変数の値)を、メモリから読み出してSTEP60に進む。これにより、次の時間帯についても同様にして、重み変数の値が更新されてイベント発生周期の長さが更新される。
【0059】
[6.他の実施形態]
本実施形態では、本発明の通信装置としてガスコンロ1を示したが、通信端末との間でアドバタイジングによる通信接続処理を行う通信装置であれば、本発明の適用が可能である。
【0060】
また、本実施形態では、本発明の通信端末として、スマートフォン50を示したが、通信装置と間で通信を行う機能を有する通信端末であればよく、携帯電話、タブレット、パソコン等を用いることができる。
【0061】
また、本実施形態では、スマートフォン50(通信端末)との間で、BLEによる無線通信を行うガスコンロ1(通信装置)を示したが、BLE以外の通信仕様を採用した場合であっても、アドバタイジングによる通信接続を行う通信装置であれば、本発明の適用が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1…ガスコンロ(通信装置)、27…通信回路、30…コンロコントローラ、31…通信制御部、32…イベント発生周期設定部、33…通信状況保持部、34…加熱調理制御部、50…スマートフォン(通信端末)、60…スマホコントローラ、61…通信制御部。
図1
図2
図3
図4
図5