(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ブロッキングデバイス(74)は、前記閉鎖状態が少なくとも本質的に又は完全に到達された時、及び/又は前記回転可能要素が前記駆動部材との噛み合い係合にある時に前記回転可能要素を自動的にアンロックすることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のネブライザ。
前記ブロッキングデバイス(74)は、受け入れ開口部(76)を有するブロッキング部品(75)を含むことを特徴とする請求項15から請求項18のいずれか1項に記載のハウジング部品。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面では、同一の又は類似の部品に関して同じ番号を使用して、関連する説明を繰り返さない場合でも、望ましくは、対応するか又は相当する特性及び利点をもたらす。
【0018】
図1及び2は、流体2、特に有効な医薬組成物、薬剤などを噴霧化するための公知のネブライザ1を示し、非引っ張り状態(
図1)及び引っ張り状態(
図2)で示されている。ネブライザ1は、特に携帯用吸入器として構成され、好ましくは、機械的にのみ、及び/又は噴射ガスなしで作動する。
【0019】
流体2、好ましくは液体、特に医薬組成物が噴霧化されると、エアロゾル14(
図1)が形成されて、ユーザは吸息又は吸入可能である。通常その吸入は、少なくとも1日に1回、特に患者が苦しんでいる病訴又は病気に応じて、1日に数回、好ましくは定められた間隔で行われる。
【0020】
ネブライザ1は、流体2を収容する挿入可能な又は交換可能な容器を備えるか又は含む。容器3は、従って、噴霧化すべき流体2に対するリザーバを形成する。好ましくは、容器3は、流体2又は作用物質の複数回分の投与量を含み、特に例えば、200回までの投与単位又は投与量を提供し、すなわち、200回までのスプレー又は適用を可能にするに十分な量を含む。WO 96/06011 A1に開示するような典型的な容器3は、例えば、約2から20mlの量を保持する。
【0021】
投与量は変化し、特に流体2又は薬剤に応じて変化することに注意しなければならない。ネブライザ1は、それぞれ適応させることができる。
【0022】
更に、容器3に収容される投与量数及び/又は容器3に収容される流体2の全容量は、流体2又は個々の薬剤に応じて、及び/又は容器3に応じて、及び/又は必要な薬物治療などに応じて変化する場合がある。
【0023】
好ましくは、容器3は取り替え又は交換が可能であり、同じネブライザ1に使用可能な容器3の数は、好ましくは、例えば、全数で4個又は5個の容器に制限される。
【0024】
容器3は、好ましくは実質的に円筒形又はカートリッジ形状であり、ネブライザ1を一度開けると、容器3を好ましくは下方から中へ挿入し、必要に応じて交換することができる。容器3は好ましくは硬質の構造であり、流体2は特に容器3の折り畳み式袋4に保持されている。特に容器3は、初回の使用前及び使用中に開いている通気孔31を含む。
【0025】
ネブライザ1は、特に事前設定で及び任意に調節可能な投与量で流体2を運んで噴霧化するために、送り出し機構、好ましくは圧力発生器5を含む。ネブライザ又は圧力発生器5は、好ましくは、容器3を取外し可能に保持するためのホルダ6、ホルダ6と関連する一部のみ示された駆動バネ7、及び/又は好ましくは手動操作又は押し下げのための好ましくはボタン形の又はボタン付きのブロッキング要素8を含み、ブロッキング要素8はホルダ6を受け止めて封鎖することができ、駆動バネ7を伸張させながらホルダ6を封鎖解除するように手動で操作することができる。ネブライザ1又は圧力発生器5は、好ましくは、更に、運搬要素、例えば、運搬管9、逆止弁10、圧カチャンバ11、及び/又は流体2をマウスピース13中に噴霧化するノズル12を含む。完全に挿入された容器3は、ホルダ6によりネブライザ1内に取り付けられ又は保持され、運搬管9が、容器3内に入り込むようになっている。ホルダ6は、好ましくは容器3を交換することができるように構成される。
【0026】
引っ張り過程において駆動バネ7を軸線方向に引っ張ると、ホルダ6は、容器3及び運搬管9と共に図面において下方に移動し、流体2は容器3から吸い出され、逆止弁10を通って圧力発生器5の圧カ室11内に吸い込まれる。この状態では、ホルダ6はブロッキング要素8により受け止められて、駆動バネ7は圧縮されたままである。その時に、ネブライザ1はいわゆる作動状態又は引っ張り状態にある。
【0027】
ブロッキング要素8の作動又は押下げ後の噴霧化過程における次の弛緩中、圧カ室11内の流体2は、今や閉鎖状態にある逆止弁10を有した運搬管9が駆動バネ7の弛緩又は力により圧力室11内で戻され、この図では上方に戻されて、今や加圧ラム又はビストンとして働いている時に加圧下に置かれる。この圧力により、流体2はノズル12中に送り込まれ、次に
図1に示すようにエアロゾル14の状態に噴霧化される。
【0028】
一般的に、ネブライザ1は、流体に加わるバネ圧力が5〜200MPa、好ましくは10〜100MPaであり、及び/又は1ストローク当たりの送り出し流体量が10〜50μl、好ましくは10〜20μl、最も好ましくは約15μlの状態で作動する。流体2は、エアロゾル14に変換され、又はエアロゾル14として噴霧化され、このようなエアロゾルの液滴は、最大20μm、好ましくは3〜10μmの空気力学的径を有する。好ましくは、発生するジェットスプレーの角度は、20°〜160°、好ましくは80°〜100°である。これらの値は、特に好ましい値として本発明の教示に従って構成されるネブライザ1にも当て嵌まる。
【0029】
ユーザ(図示せず)は、好ましくは、少なくとも1つの任意の空気供給開口部15を通して供給空気をマウスピース13内に吸引可能である間、エアロゾル14を吸入することができる。
【0030】
好ましくは、ネブライザ1又は駆動バネ7を手動で、特に作動部材の作動により、作動させるか又は引っ張ることができる。
【0031】
ネブライザ1は、好ましくは、ハウジング又は(上側)ハウジング部品16と、任意で、この上側ハウジング部品に対して回転可能で及び/又は上側部品17a及び下側部分17b(
図1)を有する付勢部品又は内側部品17(
図2)とを有する。
【0032】
ネブライザ1は、好ましくは保持要素19によってこの内側部品17に取外し可能に取り付けられ、特に装着又は保持されている特に手動作動可能な(下側)ハウジング部品又はキャップ18を含むことが好ましい。
【0033】
好ましくは、ハウジング部品16と18及び/又は他の部品は、ネブライザ1のハウジングを形成する。容器3を挿入する及び/又は取り替えるために、好ましくは、ハウジングを開けることができ、及び/又はハウジング部分18をネブライザ1又はそのハウジングから取り外すことができる。一般的に及び好ましくは、ハウジングを閉じる前に及び/又はハウジング部品18をハウジングに連結させる前に、容器3を挿入することができる。ハウジング部品18をハウジング/ネブライザ1に(完全に)連結する時に、及び/又はハウジング/ネブライザ1を(完全に)閉じる時に自動的に又は同時に容器3が挿入され、開けられ、及び/又は運搬デバイスに連結されることが好ましい。
【0034】
作動部材、好ましくはハウジング部品18は、作動させること、ここでは上側ハウジング部品16に対して回転させることができ、内側部品17を部品16と共に運ぶ又は内側部品17を駆動する。その結果、駆動バネ7は、内側部品17、特にその上側部品17aとホルダ6の間に形成されてホルダ6に作用する歯車又は伝動装置(図示せず)によって軸線方向に張力下に置かれる。引っ張り中、容器3は、容器3が
図2に示すような端位置を取るまで軸線方向下方に移動される。この作動又は引っ張り状態では、駆動バネ7は張力下にあり、ブロッキング部材8により受け止めるか又は保持することができる。噴霧化過程の間、容器3を駆動バネ7によってその元の位置(
図1に示す非引っ張り位置又は状態)に戻す。従って、容器3は、引っ張り過程中及び噴霧化過程中、持ち上げ又はストローク運動を行う。
【0035】
ハウジング部分18は、好ましくは、キャップ状の下側ハウジング部品を形成し、容器3の下方自由端周りに又はこの上に嵌まっている。駆動バネ7を引っ張ると、容器3は、その端部分と共に(より遠くへ)ハウジング部品18内へ動き又はその端面に向けて動き、他方、ハウジング部品18内に設けられた軸線方向に作用するバネ20のような通気手段が、容器3のベース21に接触し、容器3が最初に穿刺要素22に接触すると、穿刺要素22により容器3又はこの表面のベースシールを穿孔し、空気の取り込み又は通気を可能にする。
【0036】
ネブライザ1は、好ましくはカウンタデバイス23を含み、そのカウンタデバイスは、好ましくはネブライザ1の引っ張り、又はハウジング上側部品16又はハウジングに対する内側部品17の回転を検出することにより、ネブライザ1の特定の作動を計数する。好ましくは、カウンタデバイス23又は関連するロックは、起動又は作動又は放出投与量が特定回数に達し又はこれを超えると、ネブライザ1の(更に別の)作動又は使用をブロックし、例えば、ハウジング部品18/内側部品17の更に別の回転、及び従ってネブライザ1又は駆動バネ7の引っ張りをブロックし、及び/又はブロッキング要素8の作動をブロックする。
【0037】
図3〜
図5を参照して、吸入器又はネブライザ1の好ましい構成及び作動モードについてより詳細に説明するが、
図1及び
図2のネブライザ1との本質的な相違に関してのみ強調する。従って、
図1及び2に関する説明は、好ましくはそのまま又は類似した方法で当て嵌まるが、一方、
図1及び2のネブライザ1と以下に説明するネブライザ1との特徴のあらゆる望ましい組合せが可能である。
【0038】
好ましくは、容器3は事前設置状態である。これは、特にWO 2006/125577 A2に示すように、又は以下に説明するように実施可能である。
【0039】
図3は、事前設置容器3を有した出荷状態におけるネブライザ1を示しており、容器はまだ閉じている。この状態では、ネブライザ1のハウジングは、完全には閉じておらず、特に、ハウジング部品18は、内側部品17に完全には押圧されていない。
図4及び5は、ハウジングが完全に閉じて容器3が開封された作動状態におけるネブライザ1を示している。
図4では、ネブライザ1又は駆動バネ7が張力下に置かれ、すなわち、容器3はその下方位置にある。
図5は、ネブライザ1を非引っ張り状態、例えば、流体2の1回投与分の投与又は噴霧化後の状態に示しており、容器3は、その上方位置にある。
【0040】
容器3は、投与すべき流体2を排出するための流体出口24を有する。特に、流体出口24により、一方では容器3又はその袋4と、他方ではネブライザ1、その圧力発生器5、又は運搬要素との間の流体結合が可能になる。
【0041】
流体出口24は、内側クロージャ25を有し、この内側クロージャは、好ましくは、隔膜、膜、プラスチックシールなどで形成され、及び/又は容器3の内部に設けられる。任意的に、1つの共通要素、特に運搬要素又は運搬管9などにより、及び/又は穿刺によって連続開放が可能であるように、第2の又は外側のクロージャ26を設けることができる。
【0042】
好ましくは、第1の又は内側のクロージャ25は、容器3の出口又はヘッド側端部から容器3又は袋4の中へ延びるクロージャ部分27によって形成され、又は支持される。第2の又は外側のクロージャ26は、好ましくは容器3のヘッド側又は軸線方向端部に隣接して配置され、及び/又はフランジ28に保持され、又は連結され、フランジ28をクロージャ部分27又は他の任意の適切な部品によって形成することができる。しかし、他の構成上の手段が採用可能である。
【0043】
図3の出荷状態では、容器3はネブライザ1内に予め収納され、すなわち、挿入されている。しかし、容器3又はその流体出口24はまだ開かれていない。特に、第2のクロージャ26は、既に開かれているが、第1のクロージャ25はそうではない。これは、特に、出荷状態ではネブライザ1のハウジングが部分的にしか閉じられておらず、すなわち、完全には閉じられていないということによって達成される。
【0044】
特に、容器3は、好ましくはハウジング部品18の内部に又はハウジング部品18に配置された特に輸送ロック29により、ハウジング部品18に取り付けられ又は保持され、又はその中に固定される。輸送ロック29は、特にハウジング部品18をネブライザ1に取り付ける前に及び/又は出荷状態において、容器3を好ましくは一時的に保持する。特に、輸送ロック29は、容器3の流体結合中及び/又は容器3の機械的連結中に、この場合にはホルダ6によって容器3を固定状態に保持する。好ましくは、輸送ロック29は、容器3の開放中、特にその穿刺中、容器3を固定状態に保持する。
【0045】
ネブライザ1をユーザの元に出荷又は配達することができるか又はまだ梱包したままの出荷状態では、ネブライザ1又はハウジング部品18は、好ましくは、特に固定部材30により、例えば、バンデロール(banderole)によって固定されるので、容器3及び/又はハウジング部品18は、ネブライザ1又は上側ハウジング部品16から十分に離間した状態に保持され、及び/又は完全には閉じられないか又は完全に挿入されないか又は運搬要素又は管9、ハウジング、又は内側ハウジング部品などに押圧されないようにされ、及び/又は容器3、すなわち、第1のクロージャ25の(完全な)開放がブロックされる。
【0046】
一度固定部材30を取り除くと、ユーザ(図示せず)は、ハウジング部品18を軸線方向に十分に押すことができ、それによって運搬要素又は運搬管9を挿入して容器3、すなわち、第1のクロージャ25を開けることができる。
図4及び5は、ハウジング部品18が十分に押され、及び/又は容器3が開いた(ネブライザ1又はその圧力発生器5又は運搬要素又は管9に流体結合された)この作動状態を示している。
【0047】
図4は、ネブライザ1又は容器3を作動状態に示しており、容器3、すなわち、第1のクロージャ25が開いており、すなわち、容器3又はその流体2は、ネブライザ1又はその圧力発生器5に流体結合され、ハウジング部品18は、軸線方向に完全に押し込められている。ホルダ6を容器3のヘッド端部と(完全に)係合関係にして、吸引/引っ張り及び押し込みストロークのために容器3を後及び/又は前に動かせるようにするために、最初にネブライザ1又はその駆動バネ7を引っ張ることが必要な場合がある。この引っ張り過程中、ホルダ6を運搬管9と共にハウジング部品18に向けて又はこの中へ軸線方向に移動し、ホルダ6を容器3と(完全な)係合関係にすると共に容器3をハウジング部品18のベース領域で穿刺要素22に対して移動し又は押圧して、それによって容器ベース21に設けられている通気孔31を穿刺し又は開ける。
図4は、ネブライザ1をこの引っ張り状態かつ作動状態に示している。ホルダ6は容器3に係合し、運搬管9は、容器3内に完全に挿入されている。
【0048】
図5は、ネブライザ1を弛緩した非引っ張り状態、すなわち、流体2の1回投与分の噴霧化又は放出後の状態に示している。ホルダ6及び容器3は、上方位置にある。ホルダ6はまだ容器3と係合しており、ネブライザ1の次の使用中、係合状態のままである。更に、容器3はまだ開いていて流体結合されており、すなわち、ネブライザ1は作動状態のままである。
【0049】
ネブライザ1の出荷状態での容器3、特に第1のクロージャ25の望ましくない開放を防止するために、及び/又は、ネブライザ1が完全に閉じる前に容器3と関連するハウジング18に対する容器3の(軸線方向の)動きを防止するために、好ましくは輸送ロック29を設ける。例えば、摩擦係合、強制係合又はインターロック係合により、輸送ロック29は、容器3が不要に軸線方向に動くのを防止する。
【0050】
好ましくは、輸送ロック29の開放は、ネブライザ1又はそのハウジングを完全に閉じた時に、すなわち、ハウジング部品18を上側ハウジング部品16に向けて完全にスナップ嵌めし又は押し嵌めした時に自動的に行われる。この(好ましくは直線的な、軸線方向の、又は入れ子式の)閉鎖運動中、輸送ロック29が開かれ、容器3は、好ましくは容器3の穿刺又は開封の間又は後に、及び/又は好ましくは運動の最後の部分でのみ、及び/又は最終の完全に閉じる位置に達する僅かに直前に又は最終の完全に閉じる位置にちょうど達した時に、軸線方向に解放される。
【0051】
好ましくは部品17と18が結合する閉鎖運動中、輸送ロック29は、好ましくは、ネブライザ1のハウジング、内側部品17又はその下側部分17bなどとの直接的又は間接的相互作用、又はこれらによる作動によって開かれる。好ましくは、容器3及び/又は第1のクロージャ25は、共通の作動及び/又は構成要素、ここではネブライザ1又はそのハウジング又は下側部品18の閉鎖運動により、輸送ロック29と同様に開かれる。
【0052】
図4及び5は、輸送ロック29を開放位置で、すなわち、容器3が軸線方向に自由に動くことができる状態に示している。
【0053】
以下では、本発明によるネブライザ1の好ましい実施形態を更に別の図を参照してより詳細に説明することになるが、上述の又は
図1から5に示すネブライザ1との本質的な相違に関してのみ強調するか又は説明することになる。従って、
図1から5に関する説明は、好ましくはそのまま又は類似した方法で当て嵌まるが、一方、特徴のあらゆる望ましい組合せが可能である。
【0054】
図6は、ネブライザ1を関連する容器3を有した、まだ装着されておらず、すなわち、分離された(下側)ハウジング部品18(説明のために部分的に切り開かれている)を含んで、斜視側面図に示している。容器3は、まだネブライザ1に挿入されていないか又は事前設置されていない。言い換えれば、ネブライザ1はまだ組み立てられていないか又はまだ好ましい出荷状態にない。
【0055】
図7は、ネブライザ1を、まだネブライザ1(の上側部品)から分離している容器3及びハウジング部品18と共に概略断面図に示している。
【0056】
ネブライザ1又はそのハウジング又はハウジング部品18は、好ましくは、異なる機能を有することのできる固定デバイス32を含む。固定デバイス32は、流体2の運搬、圧力発生、及び/又は噴霧化のために完全に閉じたハウジング内で容器3が前後に可動であるように容器3を保持することができ、固定デバイス32は、容器3がハウジング又はハウジング部品18から不可分であることを確実にすることができる。従って、各々の容器3と共にハウジング部品18を完全に取り替えることのみが可能である。これに代えて又はこれに加えて、固定デバイス32は輸送ロック29を形成することができる。これに代えて又はこれに加えて、固定デバイス32は、使用済の容器3及び/又は使用済ハウジング部品18がもう一度ネブライザ1に(再)連結又は使用されないようにすることができる。
【0057】
固定デバイス32又は輸送ロック29が閉じられると、運搬要素又は管9を挿入する(そこでは好ましくは運搬要素又は管9及び容器3又はクロージャ部分27の間にプレス嵌めが形成されている)ことにより開封するために、及び/又は容器(ヘッド)をホルダに(完全に)連結するために、容器3は保持され、又は対向担持される。言い換えれば、輸送ロック29又は固定デバイス32は、好ましくは、ネブライザ1が閉じている間、容器3のための対向担持を形成する。
【0058】
固定デバイス32又は輸送ロック29が閉じられると、容器3は穿刺要素22から離間させて保持される。
【0059】
固定デバイス32を好ましくは、
図6及び7に示すようにハウジング部品18に又は部品18内に位置させるか又は配置するか又は取り付ける。
【0060】
好ましくは、固定デバイス32は、金属及び/又は打抜き加工部品を含み又はこれから構成され、及び/又は単一の一体形部品から構成される。固定デバイス32は、好ましくは接着、リベット締め、溶接などにより連結された2つ又はそれよりも多くの部品から構成される場合がある。
【0061】
好ましくは、固定デバイス32は、鋼、特にバネ鋼で作られる。好ましくは、固定デバイス32は、切断、打抜き加工のような及び/又は曲げ加工によって板状材料から作られる。好ましくは、固定デバイス32又はその一部はケージを形成し、特に容器3又はその端部分、特に容器ベース21を囲い込む。
【0062】
好ましくは、固定デバイス32は、把持要素33及び/又はロック要素34を含む。要素33及び34は、好ましくは、アーム、フィンガ、リーフなどのように設計されている。特に、要素33及び34は、容器3の周囲にわたって交互に分散配置される。好ましくは、固定デバイス32は、複数の把持要素33及び複数のロック要素34を含み、特に3つ又はそれよりも多くの把持要素33と3つ又はそれよりも多くのロック要素34とを含む。好ましくは、要素33及び34は、少なくとも本質的に軸線方向に及び/又は容器3の前後運動方向に及び/又はネブライザ1の長手の又は主延長の方向又はエアロゾル14の主投与方向へ延びている。
【0063】
好ましくは、
図8に示すように要素33及び34は、固定デバイス32のベース35により保持され、又はこれに連結される。
図8は、既に部分的に装着されたハウジング部品18を含み、いくつかの断面部分を含んで、ネブライザ1を概略側面図に示している。輸送ロック29又は固定デバイス32は依然として閉じているか又はロックされており、すなわち、容器3は依然として確実に保持されているので、軸線方向に動くことができない(軸線方向は、前後又はストローク運動の方向を意味する)。
【0064】
好ましくは、固定デバイス32又はベース35は、作動かつ引っ張り状態、すなわち、容器3がその下方端位置に達した時に容器3を穿刺し、すなわち、容器のベース21又はその通気孔31又は容器3の各々のシールなどを開けるために穿刺要素22を含むか又は保持する。図示の好ましい実施形態において、穿刺要素22は、固定デバイス32又はそのベース35のバネ部分36をそれぞれに曲げることによって形成される。バネ部分36は、ホルダ6への容器3の(完全な又は最終的な)連結を助け又は容易にすることができる。
【0065】
固定デバイス32又はベース35は、好ましくは、固定デバイス32をネブライザ1又はハウジング又はハウジング部品18に又はその中に固定するための少なくとも1つ又は複数の固定部分37を含む。特に、固定部分37は、固定デバイス32をハウジング部品18内に押し込むと、ハウジング部品18の側壁と協働することにより固定デバイス32を固定することができる。しかし、固定デバイス32、そのベース35、又は固定部分37などを複合成形することも可能である。更に、固定デバイス32を、ハウジング部品18などにあらゆる他の適切な方法で連結することができ、特に、別の固定部材により、又は接着などにより連結することができる。
【0066】
上述のように、固定デバイス32は好ましくは、ネブライザの出荷状態において、及び/又はハウジング部品18をネブライザ1に取り付ける前に、容器3をハウジング又はハウジング部品18の内部で動けないように保持するための輸送ロック29を形成する。この状況では(特に出荷状態では)、好ましくは容器ベース21に形成されて容器3又は容器3の好ましくは半径方向に突き出た及び/又は周方向に延びる部分又は縁部38は、
図6〜8に示すように、好ましくは嵌合方式で及び/又は把持要素33とロック要素34の間に、特に要素33及び34のそれぞれに形成された又は曲げられた端部分33a及び34a相互間に保持される。
【0067】
図示の実施形態において、容器3及び/又は縁部38は、端部分33aと34aの間に、好ましくは交互に捕捉される。把持要素33及び/又は端部分33aは、縁部38を把持し又はこの上に延び、ロック要素34又はその端部分34aは、縁部38を把持し又はこの下に延び、その結果、縁部38及び容器3は、その間に、特に嵌合により確実に保持され、それによってこの状態又は出荷状態で、すなわち、輸送ロック29/固定デバイス32がロックされた状態で、固定デバイス32に対する及び関連のハウジング部品18に対する容器3の軸線方向運動が防止される。
【0068】
好ましくは、端部分33a及び/又は34aは、爪のような形をしている及び/又は好ましくは半径方向内方に延びている。
【0069】
好ましくは、要素33及び/又は要素34は、その自由端が半径方向外方に曲がることができる。
【0070】
好ましくは、固定デバイス32は、関連する容器3を軸線方向の力又は動きによって固定デバイス32に連結することができるように設計され、要素33及び/又は34は、
図6から8に示すようなロック位置で容器3を受け入れるのに、必要に応じて、好ましくは自動的に外方に曲がる。しかし、必要であれば、適切な治工具(図示せず)などを代わりに又は必要に応じて組立のために更に使用することができる。
【0071】
例えば、端部分33aの端部は、容器3をそれぞれの軸線方向の動きによって固定デバイス32の中へ挿入するか又はこれに連結することができるように傾斜していることがあり、その結果、把持要素33は、縁部38の通過を可能にするよう外方に曲がる。
【0072】
好ましくは、把持要素33又はその端部分33aは、固定デバイス32からの、従って、関連のハウジング部品18などからの容器3の分離を防止する。
【0073】
この実施形態において、把持要素33は、好ましくは端部分33aの上に延び、及び/又は好ましくはアーム状のガイド及び/又はロック部分33bを形成するか又は含む。これらの軸線方向延長部及び/又はこれらの部分33bは、端部分33aを超えて軸線方向に延びて、及び/又は容器3の固定デバイス32との軸線方向組立の間、把持要素33が十分に外方に撓曲されるように容器3又はその縁部38と協働することができ、その結果、縁部38は端部分33aを通過することができ、容器ベース21をロック要素34の端部分34a上に据えることができる。
【0074】
ロック要素34は、その自由端に端部分34aを超えて軸線方向に延びる作動部分34bを含む。ロック要素34は把持要素33と同様に好ましくは半径方向内方に傾けられるが、作動部分34bは、容器3を半径方向に案内する及び/又は、容器3又は縁部38の、ロック要素34の自由端間への挿入を容易にすることができる
【0075】
容器3は、端部分33a及び34a間にその縁部38で保持されている時に、輸送ロック29/固定デバイス32は閉じており、すなわち、容器3はハウジング部品18又はネブライザ1の内部で軸線方向に動くことができない。
【0076】
輸送ロック29又は固定デバイス32を開くために、ロック要素34及び/又はその端部分34aは、好ましくは半径方向外方に曲げられ、その結果、容器3は軸線方向に自由に動くことができ、特に、縁部38が固定デバイス32内で軸線方向にのみ可動であるように、及び/又は軸線方向の動きが把持要素33又はその端部分33aにより制限される(図では上方に)ように、及び/又は容器3が固定デバイス32から分離不可能であるように制限される。輸送ロック29又は固定デバイス32のこの開放は、ネブライザ1を作動させる時、ネブライザ1を最初に使用する時、及び/又はネブライザ1を完全に閉じる時に行われる。その後に、容器3は軸線方向に、特に前後に、及び/又はこの実施形態ではその縁部38と共に端部分33aと穿刺要素22との間を動くことができる。この状況を
図9による概略断面図に概略的に示すが、そこでは閉じたハウジング又はハウジング部分18と、開いた輸送ロック29/固定デバイス32とを含むネブライザ1が示されている。
【0077】
図9では、容器3は
図4と類似した下方位置で示されており、特に容器ベース21は穿刺要素32と接触状態にある。しかし、ネブライザ1は引っ張り状態で示されていない、つまりホルダ6はその下方位置にはなく、すなわち、ホルダ6は容器3の上端又はヘッドと連結していない。通常、ホルダ6は、容器3が下方位置にあるこの状況では、容器3と連結しているはずである。言い換えれば、通例ネブライザ1又は駆動バネ7は、容器3が下方位置にある状況では張力下に置かれているはずである。
【0078】
ネブライザ1を完全に閉じた後で最初にネブライザ1又は駆動バネ7を引っ張る時に、好ましくは、容器3は最後に又は完全に又は正確にホルダ6に連結する。しかし、下側ハウジング部分18との(最初の)組立前又は組立中にネブライザ1が引っ張り状態にある、つまり駆動バネ7は既に張力下に置かれてホルダ6は下方位置にあるということも一般的には可能である。従って、ハウジング部品18を完全に閉じると、ホルダ6は容器3と直接連結するべきであり、
図9に示されている状況は典型的に起こるべきではない。
【0079】
図9では、輸送ロック29又は固定デバイス32を開放するために、端部分34aを半径方向外方に移動する。これは、好ましくは、ロック要素34を半径方向外方に撓曲させることによって達成される。これは、特に作動部分34bに作用することによって達成される。
【0080】
好ましくは、ネブライザ1又はそのハウジング部品18を完全に閉じる時に、特に、内側部品17、その下側部分17b、保持部品39、及び/又は固定部品40との協働又は当接により、輸送ロック29は開放されるか又はロック要素34が外方に曲げられる。保持部品39は、好ましくは上側ハウジング部品16又は内側部品17に配置される。固定部品40は、好ましくは下側ハウジング部品18に配置される。
【0081】
保持部品39は、駆動バネの端部(下方端部)を保持する、担持する、又は支持するために、内側部品17又はその下側部分17bの下方端部又は自由端に連結している。
図3から5は、保持部品39の好ましい構造を示している。保持部品39は好ましくは、リング状に形成され、及び/又は内側部品17と相互接続のためにフックを含む。好ましい実施形態において、保持要素19は、一体形部品又は保持部品39の一部になる。しかし、他の構成上の手段が採用可能である。
【0082】
図3から5に示す実施形態において、好ましくはリング状の固定部品40は、輸送ロック29を、特に輸送ロック29の可撓性アームを開放し、容器3の軸線方向の動きを可能にする。この固定部品40は、ネブライザ1又はそのハウジング部品18が完全に閉じられた時に、輸送ロック29又はその可撓性アームを開放状態に保つ。ネブライザ1を完全に閉じると、固定部品40は、ハウジング部品18内にある内側部品17又は保持部品39の当接により、軸線方向下方に押される。
【0083】
図6から15、特に
図9に示す好ましい実施形態において、ネブライザ1、ハウジング部品18、又は固定デバイス32は、輸送ロック29/固定デバイス32又はそのロック要素34を開放するために、好ましくはリング状の固定部品40を含む。特に、ネブライザ1を閉じる時に固定部品40は軸線方向下方に押されるので、固定部品40はロック要素34又はその作動部分34b間を動かされ、軸線方向力を半径方向外方に働かせる。好ましくは、傾斜した平面が軸線方向の動き又は閉じる動きを、開く動き又は半径方向の動きに変換し、それによって固定部品40が軸線方向下方に押しやられる時に、ここでは保持部品39の当接により、特に
図9に示す軸線方向端部位置において、作動部分34bを半径方向外方へ押圧する。
【0084】
好ましくは、固定部品40及び/又はロック要素34又は作動部分34bは、軸線方向の閉じる動き又は固定部品40の動きを、特にハウジングが完全に閉じられた時に又はハウジング部品18がネブライザ1に完全に押し込まれた時に、輸送ロック29を解除するための、ロック要素34又は作動部分34b、従って、端部分34aの望ましい半径方向に開く動きへ変換するために、それぞれ傾斜した案内面41などを含む。
【0085】
しかし、ネブライザ1又はそのハウジング部品18を閉じる時に、輸送ロック29又は固定デバイス32又はそのロック要素34又は端部分34aを開放するためには、他の構成上の手段が可能である。
【0086】
好ましい実施形態において、固定部品40は、これに代えて又はこれに加えて、別目的に役立つ。すなわち、固定部品40は、ネブライザ1がそのハウジング部品18と最初に組み立てられる前に、ロック部分33bが半径方向に遠ざかるか又は半径方向外方に曲がることを防止する。
【0087】
上述のように、固定デバイス32は、好ましくは、容器3をもう一度ネブライザ1に連結するか又はネブライザ1と共に使用することができないようにする。特に固定デバイス32は、使用済ハウジング部品18又は使用済の容器3が一度ネブライザ1から取り外されるとネブライザ1に再連結できないようにすることができる。従って、固定デバイス32は、容器3及び/又は、好ましくは分離できない容器3を含むハウジング部品18の、あらゆる望ましくない再使用を防止する。
【0088】
この実施形態において、望ましくない再使用は、少なくとも使用済の容器3及び/又はハウジング部品18がネブライザ1から取り外された後では、ロック部分33bが押し開かれるか又は遠ざかるか又は半径方向へ及び/又は外方へ動くことにより防止され、その結果、使用済容器3及び/又はハウジング部品18をもう一度ネブライザ1に連結するか又はネブライザ1を使用することができない。好ましくは、ロック部分33bは、開放後にロック部分33bが押し開かれるか又は半径方向に及び/又は外方に動くように付勢される。
【0089】
好ましい実施形態において、容器3及び関連するハウジング部品18が最初にネブライザ1に連結される前には、ロック部分33bは、固定部品40により、共に保持されるか又は半径方向に及び/又は外方に遠ざかる動きに対して保持される(
図7に概略的に示す)。この仮組立状態では、固定部品40は、好ましくはロック部分33bの自由端の近くに位置し、及び/又はロック部分33bを取り囲むので、ハウジング部品18を軸線方向にネブライザ1又はその内側部品17、特に下側部分17bの上に押圧する時に、ロック部分35はその自由端と共に保持部品39及び/又は駆動バネ7の内部に挿入されるように十分に互いの近くに保持される。
【0090】
好ましくは、仮組立状態において、固定部品40が好ましくは半径方向の係合及び/又は摩擦力により、その(上側)位置にロック部分33bを保持しながら又は要素33を共に保持しながら保たれるように、固定部品40は、ロック部分33b又はその突出部33c(
図9に示す)と協働することができる。その後の組立中、特にハウジングを完全に閉じているか又はハウジング部品18を押圧している間は、ロック部分33bは保持部品39及び駆動バネ7の中へ移動されるが、一方、固定部品40は軸線方向下方に、又は固定デバイス32、容器ベース21、及び/又はハウジング部品18端部の底部分に向けて移動される。そうすると、端部位置又は完全に組み立てられた位置は、
図9に示す位置に達する。この状態では、固定部品40はもはやロック部品33を共に保持していないので、半径方向に付勢されたロック部分33bは、駆動バネ7により共に保持される。
【0091】
好ましくは、上述のように、閉鎖運動の最後の部分又はネブライザ1を完全に閉じるちょうどその時に、固定部品40は輸送ロック29又はロック要素34をアンロックする。
【0092】
図10の概略断面図は、容器3が使用されてネブライザ1から分離された後のハウジング部品18をその関連する容器3と共に示している。固定部品40は、好ましくはその下方位置にあるままである。輸送ロック29は(依然として)開いている。容器3はその上方位置に示されており、容器3をネブライザ1から、特にホルダ6及び運搬要素又は管9から取り外す時に、その位置で容器3は把持要素33の端部分33aにより保持される。
【0093】
図10は、ロック部分33bが特にその付勢力又は弾性力により押し開かれて、ここでは特にその好ましい半径方向への付勢力又は弾性力により、その自由端が半径方向外方に移動されたところを示している。ロック部分33bのこの押し開かれた位置は、容器3及び/又はハウジング部分18及び/又は固定デバイス32のネブライザ1の再連結をブロックする。従って、既に使用済容器3を再利用することはできない。従って、容器3又はネブライザ1の誤使用を防止することができる。
【0094】
固定部品40は、
図9及び10に示すように、その下方位置にある時に、更に把持要素33又はその端部分33aを半径方向に開かないように固定することができる。この場合に、固定部品40は把持要素33と好ましくは外側で接触して、あらゆる外方への屈曲を防止するか又は制限する。従って、固定デバイス32又はその把持要素33又は端部分33aは、開かないように固定されるので、容器3又はその縁部38は、固定デバイス32又は固定デバイス32又は把持要素33によって形成されるケージの内部に確実に保持される。
【0095】
好ましい実施形態において、
図7〜10に概略的に示すように、カウンタデバイス23を好ましくはハウジング部品18に配置する。
【0096】
カウンタデバイス23は、ネブライザ1の起動又は作動又は放出投与量を好ましくはそれぞれの容器3に対して計数する。
【0097】
好ましくは、カウンタデバイス23は、ハウジングの上側部品16に対する内側部品17の回転を検知することにより、起動又は作動を計数する。言い換えれば、カウンタデバイス23は、ネブライザ1又は駆動バネ7の引っ張りを計数することができる。しかし、他の構成上の手段が採用可能である。
【0098】
好ましくは、カウンタデバイス23は、関連する好ましくは一体形に形成された駆動ギヤ43を含むネジ付スピンドル又はシャフト42を含む。カウンタデバイス23は、好ましくは、ネジ付シャフト42と関連してネジ付シャフト42と協働するライダー44を更に含み、シャフト42を回すとネジ付シャフト42に沿って軸線方向にライダー44が移動する。
【0099】
ネジ付シャフト42は、好ましくは下側ハウジング部品18に回転可能に担持され、及び/又はネブライザ1の軸線方向又は縦方向と並行に及び/又は容器3の軸線方向又はストローク運動に対して好ましくは並行に延びている。
【0100】
駆動ギヤ43は、好ましくはネジ付きシャフト42及び/又はハウジング部品18の上側端部に位置し、
図9に概略的に示すように、特に組み立てた状態で、つまりネブライザ1のハウジングが完全に閉じている時に、ネブライザ1のハウジング又は上側ハウジング部品16の好ましくは内側の歯部45と係合することができる。
【0101】
カウンタデバイス23又はそのライダー44、特にネジ付シャフト42に沿うライダー44の軸線方向位置は、既に現在の容器3で実行された又は使用された又は現在の容器3で依然として実行することができる操作の特に引っ張り、起動、又は投与の回数を示す又は表示することができる。この操作回数は、特に、ハウジング部品18の対応する窓又は透明部分を通して適度に目で見えるポインタ46及び/又は関連する目盛りなどに示すことができる。その回数を正確に示す必要はないということに注意しなければならない。特に、カウンタデバイス23、ライダー44、又はそのポインタ46はその回数の目安を与えれば十分とすることができる。このためには、目盛りは、その回数の目安を示す異なる色の領域のみを示せば十分とすることができる。更に、他の構造上の手段も同様に可能である。
【0102】
カウンタデバイス23は、好ましくは機械的に作動する。それによって非常に簡単かつ剛性の構造と非常に確実な操作とを可能にする。
【0103】
カウンタデバイス23は、好ましくはネブライザ1のロックを制御又は提供することができ、あらゆる必要とされる容器交換及び/又は容器の計数を表示する。この目的に対して、モニタリング23又はライダー44は、
図8に概略的に示すように、好ましくは作動部品47を含む。作動部品47は、好ましくはリッジ状であり、及び/又は軸線方向に及び/又は上側ハウジング部品16に向けて及び/又は上方へ延びている。
【0104】
カウンタデバイス23は、それぞれのハウジング部品18と従って好ましくはただ1つの容器3に関連付けられ、それぞれの容器3に対してネブライザ1の操作を計数し、すなわち、容器3から除去された又は依然として取出し可能な流体2の投与回数(のみ)を計数する。
【0105】
最初の容器3は、出荷状態では関連するハウジング部品18と共に予備収納されている場合があることに注意しなければならない。この予備収納は任意的である。好ましくは、更に別の容器3がネブライザ1と共に出荷され、各容器3は、関連するハウジング部品18と、従って、関連するカウンタデバイス23と不可分に連結される。好ましくは、各ハウジング部品18のカウンタデバイス23又はネジ付シャフト42は、制限又はブレーキ手段と共に設計されるか又はこれを含むので、それぞれのハウジング部品18をネブライザ1に装着する前にあらゆる望まれない計数又は回転を防止する。
【0106】
ネブライザ1は、好ましくは、ネブライザ1に対して使用された又は依然として使用可能な容器3の数を計数するための、及び/又はその容器数及び/又は容器交換及び/又は使用終了を指摘する記号を示すか又は表示するためのデバイス48を含む。このデバイス48は、好ましくはモニタリング及び/又はユーザ案内のためのものである。
【0107】
好ましくは、計数値及び/又は記号は、ネブライザ1の透明部分又は窓49を通して目に見えるか又は示され、
図6に概略的に示すように、特に上側ハウジング部品16に位置する。特に、計数値及び/又は記号は、ネブライザ1の側面に示されている。他の配置又は構成上の手段が可能である。
【0108】
図11は、下側ハウジング部品18なし及び容器3なしのネブライザ1を概略側面図に示すが、上側ハウジング部品16の複数部分は、ネブライザ1のモニタリング又は案内デバイス48がより良く見えるように切り開かれている。
【0109】
ネブライザ1又はデバイス48は、好ましくは、容器数、記号、ステータス、及び/又は例えば容器交換に関するユーザ指示を指摘するか又は表示するための、及び/又はネブライザ1のロックを制御するための部材50を含む。従って、部材50はまた、表示部材及び/又は制御部材とも呼ぶ。好ましくは、両機能は同一の又は単一部材50によって達成される。しかし、表示部材及び制御部材を別々の部品又は複数の部品で形成することも可能である。好ましくは、以下の説明をこのような幅広い意味で理解しなければならない。
【0110】
好ましくは、ネブライザ1又はデバイス48は、部材50を駆動するか又は移動する、特に回転させるバネ51を含む。このバネ51を
図7,8,9、及び11に示されている。好ましくは、部材50は、特に複数のステップで及び/又は初期(回転)位置から最終(回転)位置まで、バネ力のみで又はバネ51を用いて駆動されるか又は回される。
【0111】
バネ51は、好ましくは螺旋状、スリーブ状、リング状、及び/又は捩りバネ、及び/又は脚バネである。バネ51は、好ましくは、駆動される部材50と同軸に及び/又はこれと隣接して位置する。
【0112】
バネ51は、部材50に回転力を加えるように、好ましくは付勢状態で装着される。この目的のため、バネ51は、ネブライザ1において、特に上側ハウジング部品16において一端又は脚で支持され、その別の端部又は脚で部材50と、例えば、部材50のようなそれぞれの肩部又は軸受部分67(
図12及び13に示す)と当接することにより係合する。
【0113】
図12は、部材50の好ましい実施形態を概略側面図に示している。
図13は、部材50を斜視図に示している。
【0114】
部材50は、好ましくは一体形及び/又は成型部品で形成される。部材50は、好ましくは、少なくとも本質的にはリング状であり、好ましくは閉じたリングを成す又は含む。
【0115】
部材50は、容器数を表示する数字52、及び/又はユーザ案内のための、特に容器交換及び/又はネブライザ1の使用終了を表示するための記号53を含む又はそれが設けられる。好ましくは、数字52及び記号53は、1つ又はそれよりも多くの数字52と1つ又はそれよりも多くの記号53とが交互に来るように部材50上に示されている及び/又は配置される。特に、好ましくは連続する数字52の間に、1つ又はそれよりも多くの記号53が配置され及び/又は表示され、これらの記号53は、例えば、必要な容器交換、ネブライザ1の開放、又はネブライザ1の閉鎖などを示す。これを記号53として別々の矢印、色、又はマークなどにより、伝えるか又は示すことができる。更に、最後の記号53は、ネブライザ1の使用終了を又はネブライザ1の完全なロックを例えば「X」などによって示すことができる。この記号53は、例えば、ネブライザ1と共に又はネブライザ1に使用可能な最後の容器3に関して、ネブライザ1の作動又は起動の許容回数に達した又はこれを超えた時に示すことができ、すなわち、ネブライザ1の完全な又は最終のロックを示すことになる。この実施形態において、好ましくは、少なくとも2つの異なる記号53のシーケンスが、異なるか又は連続する数字52の間に示されている。この記号53のシーケンスは、好ましくは、容器交換のためにネブライザ1の開放を示す第1の記号53(例えば、下向き矢印)と、容器交換を完了させるためにネブライザ1の閉鎖を示す第2の記号53(例えば、上向き矢印)とを含む。しかし、異なるか又は連続する数字52の間に容器交換を示す1つの記号53のようなただ1つの潜在的には類似した又は同一の記号53を示すことも可能である。好ましくは、「X」のようなただ1つの特別な又は終了の記号53を最後の容器3に関してネブライザ1の作動又は起動の許容回数に達した又はこれを超えた、及び/又はネブライザ1が最後にロックされた、及び/又はもうそれ以上容器3を挿入することができないといった終了時に示される。
【0116】
部材50は、この実施形態では好ましくは半径方向の突出部などによって形成される係合又は停止部分54を好ましくは含む。停止位置54は、好ましくは部材50の段階的な動き又は回転(回転送り)を可能にするか又は達成するのに使用される。
【0117】
部材50は、更に好ましくは、ブロッキング部分55を含み、これは、好ましくは軸線方向に延び、及び/又はネブライザ1又はハウジング部品18が開放されないように、特に保持要素19の押下げ又は半径方向内方への動きを選択的にブロックすることによって、選択的にロックするために保持要素19と協働する。
【0118】
部材50は、ネブライザ1の関連するロック57を制御するか又は駆動するための制御部分56を好ましくは含む。好ましくは半径方向に延びる及び/又は好ましくは部材50の外周又はそのリング部分に形成され、好ましくは突出又は窪み又は傾斜した案内面などにより、制御部分56は形成される。しかし、他の配置も可能である
【0119】
ロック57は、好ましくはロック部材58又はその部分59によって形成され、好ましくはトング状、リーフ状、及び/又は可撓性である。
図14は、斜視図にロック部材58を示している。
図15は、別の斜視図にロック部材58を示している。
【0120】
ロック部材58は、好ましくは金属で作られており、及び/又は板材及び/又は打抜き加工部品などによって形成される。ロック部材58は、好ましくはリング状及び/又はスリーブ状である。
【0121】
部分59は、部材50及び/又は制御部分56のうちの少なくとも1つ又はそれよりも多く又は全てと協働するために、特に、部材50の回転運動又は位置に応じて部分59が半径方向に特に外方へ曲げられるか又は曲げられないように、好ましくは曲げられ又は窪みを作られ又は特に半径方向にそのような形状を含み、及び/又はひだ又は波形60などを含む。例えば、それぞれの部分59から半径方向内方に延びるそれぞれの波形60が、内側でこの波形60に隣接して位置する部分56で受け入れられる場合に、部分59が半径方向外方へは曲げられないように、制御部分56を窪ませるか又は凹ませる。部材50が別の回転位置にある場合に、それぞれの部分59が外方へ曲げられロック57が閉じるように、波形60は部材50の凹んでいない外周に当接することができる。従って、ロック57は、制御部材50を用いて、特にその回転位置に応じて駆動又は制御される、つまり閉じ及び開く。
【0122】
上述のように、デバイス48又は部材50は、好ましくはバネ力により、この実施形態ではバネ51の力により駆動される。特に、部材50は、バネ51の力を用いて段階的に回され、又は回転送りされ、部材50の段階的な移動又は回転のみを保証するために、ラチェット又は停止機構が設けられる。特に、停止手段は、部材50の停止部分54と係合する。この実施形態において、その機構又は停止手段は、好ましくは1つ又は2つの停止要素61によって形成される。停止要素61は、好ましくはアームのように形状され、及び/又はロック部材58によって形成される。停止要素61は、選択的に停止部分54を通過させるために、つまり選択的に部材50を更に1ステップ回転送りするために、又は停止部分54及び従って部材50を更に回転しないようにブロックするために、好ましくは弾力的に可撓性である。好ましくは、停止要素61は、各停止要素61が停止部分54の動く進路の中へ延びるように停止位置内へ付勢されるので、どの停止部分54もそれぞれの各停止要素61を通過できない。
【0123】
好ましくは、少なくとも2つの停止要素61が設けられ、好ましくはオフセットされるので、停止要素61は、交互に作動させることができ、1つの停止部分54を通過させるために停止要素61が交互に作動し、例えば、特に軸線方向及び/又は半径方向へ曲がる時に、部材50が更に1ステップだけ、つまり1つの回転の動き又はきざみ幅だけ回転送りされるか又は動くことを可能にする。停止要素61は、好ましくは上方へ曲げられてそれぞれの停止部分54を通過させる。停止要素61の作動を以下でより詳細に説明することになる。
【0124】
停止要素61又はその自由端は、特に要素又はアーム61をそれぞれに曲げることにより、複合成形などにより、幅を広げた当接部又は係合体又は係合面を含むことができる。各停止要素61は、
図8に概略的に示すように接触要素61aを含むことができる。接触要素61aを複合成形で形成することができ、及び/又はシュー状(shoe-like)にすることができる。接触要素61aは停止部分54に対する係止部又は当接部を形成することができ、停止要素61又は接触要素61aがブロック位置にある時に、ここでは
図8に示す1つの停止部分54が接触要素61aに当接して周方向へは通過できない下側位置にある時に、部材50はバネ51の力によって更に回転しないようにブロックされる。この場合に、停止要素61又は接触要素61aは、上方へ又は軸線方向に余儀なく移動されるので、ブロックされた停止部分54は通過することができ、部材50は周方向へ1ステップ更に回転送りすることができる。
【0125】
以下では、ネブライザ1の作動及び操作をより詳細に説明することになる。
【0126】
ネブライザ1は、予備収納された容器3及び先付けされたハウジング部品18と共に出荷する場合がある。この場合に、ネブライザ1又はそのハウジング部品18は完全には閉じていないので、容器3はまだ流体連通されていないか又は開封されていない。
【0127】
代わりに、ネブライザ1は、分離した容器3及びハウジング部品18と共に出荷する場合がある。この場合に、容器3及びハウジング部品18は、好ましくは仮組立され、つまりネブライザ1から分離したユニットを形成する。
【0128】
いずれにせよ、ネブライザ1は、好ましくは複数の容器3、例えば、4個又は5個の容器3と共に出荷され、各容器3は関連するハウジング部品18と不可分に連結されている。容器3及びハウジング部品18のこれらのユニットは交換可能なので、複数の容器3に対して次々にネブライザ1を使用することができる。
【0129】
両方の場合に、容器3は、閉じた輸送ロック29又は固定デバイス32により、好ましくはハウジング部品18に又はその内部に動けないように保持される。
【0130】
両方の場合に、ハウジング部品18は、
図10に概略的に示すように、好ましくは、例えば、ハウジング部品18の内周部に分散配置された及び/又は軸線方向に延びる1つ又はそれよりも多くの溝、突出、又はリブ62などによる、コーディングを含む。コーディングは、ハウジング部品18と関連する容器3又はそれぞれの流体2に対応する。コーディングは、ネブライザ1の、特に内側部品17又は保持部品39の相補的なコーディングと整合し、好ましくはそれぞれに調整された及び/又は寸法の判断された窪みによって形成され、
図11に概略的に示すように、突出、窪み、又は凹みのようなコーディング部分63は、特に保持リング又は部品39により又はこれに形成される。コーディングが整合する時にのみ、ハウジング部品18と従って容器3とは、予備収納されること及び/又はネブライザ1と(完全に)連結することができる。
【0131】
ネブライザ1又はそのハウジング部品18を(完全に)閉じる前に、デバイス48又は表示部材50は、上方を指す矢印のようなそれぞれの記号53により、ネブライザ1又はハウジング部品18を完全に閉じるように示す。
【0132】
ハウジング部品18が完全に閉じられると、ハウジング部品18と関連する容器3はネブライザ1と流体連通される。これは、ネブライザ1又はデバイス48によって検出されるか又は記録される。ハウジング部品18及び従って関連する容器3の連結のこの検出は、好ましくは機械的に達成され、特に停止要素61のうちの1つを作動させて部材50に更に1ステップ、すなわち、別の停止要素61が部材50の更に別の回転送り又は回転を止めるまで回転送りさせることによって達成される。この実施形態において、この位置合わせ又は作動は、好ましくは、特に
図7に示すように、ハウジング部品18に、特にその上側前面に形成される突出部64によって達成される。ネブライザ1を完全に閉じると、突出部64は1つの関連する停止要素61又は接触要素61aに当接し、その結果として停止要素61又は接触要素61aを上方へ曲げるので、それは部材50の対応する停止部分54をもはや止めないが、部材50が更に1ステップ動く、すなわち、この状態において非係合で曲げられていない別の停止要素61が、対応する停止部分54、好ましくは別の停止部分54を止めることによって部材50の更なる回転を止めるまで、又は回転することを可能にする。
【0133】
上述のように、容器3は、好ましくは、ハウジング部品18、関連するカウンタデバイス23、及び/又は関連する固定デバイス32から分離することができない。従って、新しい容器3をネブライザ1に連結した後で、関連するカウンタデバイス23は、既に実行された又は依然として実行可能なそれぞれの容器3の操作又は使用回数を計数し始める。この操作回数は、上述のように、カウンタデバイス23又はそのライダー44又はポインタ46により指摘されるか又は表示されるが、一方、デバイス48又は部材50は、好ましくは容器数52、すなわち、ネブライザ1に対して既に使用された又は依然として使用可能な容器3の数のみを表示する。
【0134】
好ましくは、ネブライザ1は、現在の容器3が(十分に)空になるまで、及び/又は作動又は起動の予め決められた回数に達するか又はこれを超えるまで開かないようにブロックされる。ネブライザ1又はそのハウジング部品18の開放及び/又は容器交換に対するこのブロッキングは、好ましくは、例えば、
図9に概略的に示されている状態において保持要素19下方に位置する部材50のそれぞれのブロッキング部分55によって達成されるので、保持要素19を押下げることはできず、すなわち、ネブライザ1が開放されることはできず、ハウジング部品18が取り外されることはできない。
【0135】
ネブライザ1の操作又は起動の予め決められた回数に達すると、ネブライザ1は現在の容器3に対して更に使用できないようにブロックされる。このブロックを第1のロック状態とも呼ぶ。
【0136】
第1のロック状態には、好ましくはカウンタデバイス23を用いて入る。特に、ライダー44及びその作動部品47は、現在の容器3に対して予め決められた作動回数に達した又はこれを超えた時に、第1のロック状態に入るためにデバイス48と協働する。特に、ライダー44及びその作動部品47は、この状態では上側軸線方向位置に達して、ブロック位置にあるか又は停止部分54と係合状態にあるそれぞれの停止要素61又は接触要素61aを作動させる。従って、停止要素61又は接触要素61aは、好ましくは曲げられ又は変形されるので、以前に止められていた停止部分54は通過することができ、部材50はバネ51の力によって更に1ステップ自由に回転送りすることができる。
図8は、ライダー44及び作動部品47が既に上側位置の近くに、及び関連する停止要素61又は接触要素61aを作動する位置の近くにある状況を示している。しかし、
図8に示す状態では、1つの停止部分54及び部材50は、更に1ステップ回転しないようにまだブロックされている。
【0137】
部材50の上述の1ステップの回転送りは、第1のロック状態に導く。この状態では、ネブライザ1又は保持要素19はブロックされないので、開放することができる。特に、前の状態で保持要素19の作動をブロックしているブロッキング部分55は、更に移動されるので、保持要素19はもはやブロックされず、容器交換のためにハウジング部品18の取り外しを可能にするように保持要素19を作動させるか又は押すことができる。
【0138】
第1のロック状態では、ネブライザ1、デバイス48、又は部材50は、好ましくはそれぞれの記号53により、特に下方を指す矢印により、容器交換が必要であること及び/又は現在の容器3の更なる使用ができないようにネブライザ1がロックされていることを示す。
【0139】
第1のロック状態に達するための部材50の上述の回転送りにより、ネブライザ1は、更に使用できないようにロックされる。これは、特に、部材50が、ネブライザ1が更に作動しないように、好ましくは駆動バネ7が更に引っ張り操作されないように及び/又はハウジング部品18が更に回転しないように、ロック57をロックさせることで達成される。これは、部材50の回転がロック部材58のロック57又は部分59を半径方向外方へ曲げるので、曲げられた部分59がその中へ付勢されたその非ロック位置を離れて、上側ハウジング部品16に対する内側部品17の更なる回転をブロックすることで好ましくは達成される。このロックは特に、部分59の自由端がそれぞれの凹凸面の中へ、又は上側ハウジング部品16の内面に形成されたそれぞれの当接面に対して係合することで達成される。この点に関して、デバイス48は、好ましくは内側部品17上に、特にその上側部品17a上に配置され、又は実装され、そこでは好ましくはリング状のロック部材58が、回転可能部材50の周りに配置されている。ロック部材58は、好ましくは内側部品17又は少なくとも1つのその突出部17cの、ロック部材58の凹み65の中へのそれぞれの嵌合(緊密適合係合)により、好ましくは内側部品17に対して回転しないように固定される。この実施形態において、凹み65は、好ましくはポケット又は軸線方向の一方の側から外周を切り抜いた部分のように形成される。特に、ロック部材58は、
図14及び15に概略的に示すように、特に関連する内側部品17の、それぞれの突出部17cなどとの係合のために2つの又はそれよりも多くの凹み65を含むことができる。しかし、他の構成上の手段も可能である。
【0140】
結果として、部材50のみが内側部品17に対して、従って、ロック部材58に対して回転可能である。しかし、ロック部材58は、上側ハウジング部品16に対して内側部品17と共に回転可能である。
【0141】
上述のように、制御部材50は、ロック部材58に対して可動であり、特に回転可能である。制御部材50のいずれかの回転又は回転送りを言う時には、この相対的な回転を意味する。この文脈では、デバイス48及びロック部材58は内側部品17と共に回転するが、この回転は、特に運搬要素又は管9の軸線方向移動によりエネルギ蓄積体をここではバネ7を引っ張るための及び/又は容器3から流体2を送り出す又は吸い出すための動きなので、異なっているということを考慮しなければならない。
【0142】
上述の構造により、デバイス48は、下側ハウジング部品18が回転する度に、つまり駆動バネ7を引っ張る時に、内側部品17と共に回転することをもたらす。この回転は、好ましくは180°ステップで実行される。従って、デバイス48又は表示部材50は、窓49を通して交互に示されているそれぞれの数字52及び/又は記号53を好ましくは2組含む。
【0143】
従って、部材50は、好ましくは2群の数字52及び/又は記号53を含み、各群はそれぞれの数字52及び/又は記号53のシーケンスを含み、両群は部材50上に180°オフセットして配置される。このオフセットは、ネブライザ1/駆動バネ7を引っ張るための下側ハウジング部品18及び内側部品17の各回転作動に関する回転角に対応する。
【0144】
好ましくは、制御部分56及び/又は部分56間の制御部材50の周囲部品は、部分59又はそのカム又は波形60と協働する傾斜した又は制御のための平面又は表面を形成するので、ロック57又はロッキングは、部材50に作用するバネ51の力により単独で作動させることができる。特に、バネ51又は部材50はロック57を駆動する。更に、部材50は、ロック57又はロッキングを制御する。部材50はまた表示部材を形成するので、表示部材は、ロック57又はロッキングも同様に駆動する。
【0145】
この実施形態において、ロック部材58は、好ましくは制御部材50の外側又は周りに、少なくとも制御部材50の円筒形主部品の周りに配置される。特に、ロック部材58は、少なくとも実質的に制御部材50の円筒形主部品を取り囲む又は覆う。ロック部材58は、それぞれの数字52及び/又は記号53が窓49を通して及びロック部材58を通して目に見えるように、内側部品17の及び従ってロック部材58の回転位置に応じて交互に窓49と整合する2つの開口部66(
図14又は15に示す)を好ましくは含む。
【0146】
第1のロック状態では、部材50は好ましくは、あらゆる他の部品がハウジング部品18の取り付けに対応する突出部64により更に回転しないように止められる。容器交換のために、ハウジング部品18がネブライザ1又はその上側ハウジング部品16又は内側部品17から取り外されると、この取り外しは、部材50の更に別の動き又は回転をブロック解除することにより記録される。特に、突出部64などにより止められていた部材50の停止部分54は、ハウジング部品18の取り外し後には通過することができるので、部材50は1ステップ更に回転送りすることができる。この先に進んだ回転位置では、ネブライザ1は依然としてその第1のロック状態にあり、すなわち、更に別の使用に対して、特に駆動バネ7の操作又は引っ張りに対して、依然としてロックされている。しかし、部材50はその次の記号53を、特に新しい容器3を連結しなければならないこと及び/又は新しいハウジング部品18をネブライザ1に連結しなければならないことを示す、上向きの矢印を表示することができる。この状況は、既に説明したネブライザ1のハウジング部品18との最初の組立前の初期状況に対応する。
【0147】
ブロッキング要素8は、好ましくは作動に対して、特に第1のロック状態ではホルダ6及び駆動バネ7の解放に対してブロックされるということに注意しなければならない。この作動ロックはまた、デバイス48又は部材50によっても達成される。
【0148】
ハウジング18及び関連する容器3が交換されると、これはデバイス48により、特に突出部64を用いて対応する停止要素61の作動により記録される。その後に部材50は1ステップ更に回転送りされ、次の容器番号52を示している。次にロック57はリセットされ、すなわち、再び開放されるか又は解除される。従って、ネブライザ1はアンロックされ、更に新しい容器3を用いて使用することができる。同時に、容器3又はハウジング部品18は、好ましくは再び開放又は容器交換に対してロックされ、特に、次のブロッキング部分55が保持要素19の下方に位置して、ネブライザ1を開放するのに必要な保持要素19の作動を妨げることでロックされる。
【0149】
上述のシーケンスを繰り返すことができ、すなわち、新しい容器3及び新しいハウジング部品18をネブライザ1で次から次へと使用することができ、デバイス48又は表示部材50は、特にあらゆる必要な容器交換及び/又はネブライザ1の開放及び閉鎖の指摘などを表示するために、容器番号52と好ましくはユーザ案内のための記号53とを表示するか又は示している。容器番号52は、特にネブライザ1で既に使用された又は依然としてネブライザ1に使用可能な容器3の数に関連する。特に、1つ又はそれよりも多くの記号53を連続する容器番号52と交互に表示するか又は示している。これは、好ましくは1つのコメント構成要素、つまり表示部材50によって達成される。しかし、他の構成上の実現が可能である。
【0150】
更に、容器番号52及び/又は記号53の表示は、好ましくは機械的にのみ機能する。
【0151】
特に、デバイス48及び/又はロック57は機械的にのみ機能する。
【0152】
予め決められた数の容器3がネブライザ1に又はそれと共に連結された後に、ネブライザ1は、更に容器交換ができないようにブロックされることになる。最後に挿入された又は連結された容器3を使用した後で、ネブライザ1は最終ロック状態、つまり第2のロック状態に入ることになり、好ましくは、ロック57又はネブライザ1はリセットされないようにブロックされ、及び/又はネブライザ1又はハウジング部品18は開かないようにブロックされる。この第2のロック状態には、特に最終の現容器3に対して予め決められた回数の作動に達した又はこれを超えた後に入る。以前の過程と同様に、カウンタデバイス23及びそのライダー44又は作動部品47はデバイス48を作動させ、特に対応する停止要素61を作動させて、部材50を更に1ステップその最終的な回転位置へ回転送りする。このようにして、第2のロック状態に入る。
【0153】
第2のロック状態では、制御部材50をもはやそれ以上回転させることはできない。これは、この実施形態では、特に軸受部分67が、凹み65の1つの中へ係合する内側部品17の1つの突出部17cに当接することで達成される。しかし、最終的な回転位置で、つまり第2のロック状態で、制御部材50に対する望ましい回転停止又はブロックを達成するために、他の構成上の手段が可能である。
【0154】
第2のロック状態では、デバイス48又は部材50は、第1のロック状態の場合のようにはネブライザ1又はハウジング部品18の開放を許さない。これに代えて、部材50は、保持要素19を更に作動しないようにブロックするために及び従ってネブライザ1を開放及び容器交換に対してブロックするために、それぞれに設計された好ましくは十分に長いブロッキング部分55を含む。
【0155】
第2のロック状態では、ネブライザ1を更に作動させないように、特に駆動バネ7の引っ張り及び/又はハウジング部品18又は内側部品17の回転をロックすることができる。これは、ロック57を作動させることにより、特に部材50又はその対応する制御部分56により部分59を半径方向に(好ましくは外方へ)曲げることにより達成することができる。第2のロック状態では、ネブライザ1は好ましくは、流体2の任意の更に別の放出に対して、特にブロッキング要素8の作動をブロックすることによりロックされる。これは、好ましくはまたデバイス48によって達成される。
【0156】
従って、第2のロック状態に入った後は、ネブライザ1をそれ以上使用することはできない。第2のロック状態は、可逆的ではない。特に、第2のロック状態では、ロック57のリセット又はアンロックは可能ではなく、防止される。
【0157】
既に上記に概説したように、好ましい実施形態によるネブライザ1のいくつかの一般的態様又は考案は、以下に示すように要約することができる。
【0158】
デバイス48は、好ましくは2つの部品(制御部材50及びロック部材58)又は3つの部品(制御部材50、バネ51、及びロック部材58)のみから構成されるが、複数の機能、特に、数字52及び/又は記号53及び/又はユーザ案内の表示、更なる使用に対するネブライザ1のロック、引っ張りに対するネブライザ1のロック、及び/又は開放又は容器交換に対するネブライザ1のロックを提供する。
【0159】
ネブライザ1は、数字を示すための、特に、容器交換及び/又はネブライザの開放及び/又は閉鎖を示す容器番号52と記号53とを交互に示すための表示部材50を含むことができる。
【0160】
表示部材50は、バネ51の力によって段階的に移動するか又は回転させることができる。
【0161】
表示部材50は、容器3を交換しなければならない時に、第1のロック状態においてネブライザ1を更に別の使用に対してロックするように、ネブライザ1のロック57を駆動することができ、容器3又はハウジング部品18が交換された場合に、表示部材50を回転送りすること及び/又はロック57をリセットすることにより、第1のロック状態はリセットされる。
【0162】
表示部材50は、好ましくはリング状である。
【0163】
表示部材50は、機械的に、動作するか、数字52及び/又は記号53を表示する。
【0164】
ネブライザ1は、第1のロック状態において、特に容器3を交換しなければならない時に、更に別の使用に対してネブライザ1をロックするためのロック57を好ましくは含む。
【0165】
好ましくは、第1のロック状態は、容器3及び/又はハウジング部品18が交換された場合に、ロック57をリセットすることによってリセットされる。言い換えれば、ロック57は好ましくはリセット可能であり、容器交換の後に更に使用することができる。特に、ロック57の取り替え又は交換は、ネブライザ1を再使用するためには必要でない。
【0166】
ネブライザ1は、ロック57を制御するか又は駆動するための制御部材50を好ましくは含む。
【0167】
制御部材50は、バネ51の力によって好ましくは段階的に移動するか又は回転させることができる。
【0168】
ロック57及び/又は第1のロック状態は、好ましくは、第2のロック状態でリセットされないようにブロックされる。
【0169】
第2のロック状態には、予め決められた数の容器3が使用された又はネブライザ1に挿入された時に、及び好ましくは、最後の容器3の挿入後にネブライザ1に対して予め決められた回数の作動が実行された又はこれを超えた後に、好ましくは入る。
【0170】
制御部材50は、好ましくはリング状である。
【0171】
好ましくは、制御部材は表示部材を形成し、逆も同様である。
【0172】
制御部材50は、好ましくは、使用された又は依然として使用可能な容器3の数字52、及び/又は容器交換及び/又はユーザ案内又はネブライザの作動を示す記号53を表示する。
【0173】
制御部材50は、現在の容器3に対して予め決められた回数の作動に達するか又はこれを超えるまで、好ましくはネブライザ1の開放及び/又は容器交換をブロックする。
【0174】
好ましくは、ネブライザ1は、第2のロック状態において特に制御部材50を用いて、開放又は容器交換に対してロックされる。
【0175】
好ましくは、ネブライザ1は、第1のロック状態に達する前は特に制御部材50を用いて、開放又は容器交換に対してロックされる。
【0176】
好ましくは、ロック57は、第1及び/又は第2のロック状態において、流体2を圧力発生器5へ運ぶことに対して、及び/又はネブライザ1の駆動バネ7を引っ張ることに対して、及び/又はハウジング部品18又は内側部品17の回転又は転回に対してネブライザ1をロックする。
【0177】
好ましくは、容器3が交換される度にハウジング部品18を交換しなければならない。特に、容器3はハウジング部品18及び/又はカウンタデバイス23から分離することはできず、又は逆も同様である。
【0178】
固定デバイス32は、特にその遠ざけられたロック部分33bは、好ましくは、使用済及び/又は取り外された容器3がもう一度ネブライザ1に再連結可能になることを防止し、又は使用済又は取り外されたハウジング部品18がもう一度ネブライザ1に再連結可能になることを防止する。
【0179】
好ましくは、容器3を交換するために、ハウジング部品18を取り外す又は開放することができ、又はそうしなければならない。
【0180】
好ましくは、固定デバイス32は容器3と関連付けられて、使用済の容器3をもう一度ネブライザ1に連結するか又はネブライザ1と共に使用することができないようにする。
【0181】
図16〜26は、本発明によるネブライザ1及びハウジング部品18の態様を示している。1つの発明の態様は、規定の回転位置で回転可能要素をブロックすることの好ましい実現、及び/又は、好ましくは規定の回転位置で回転可能要素をブロックするためのブロッキングデバイス74を設けること又は使用することを扱う。別の発明の態様は、ユーザ案内及び/又は(容器3の)計数のためのデバイス48、又は表示又は制御部材50と、回転可能要素、特にネジ付シャフト42との係合を扱う。
【0182】
図16は、ネブライザ1を概略断面図に示すが、ハウジング部品18は、ネブライザ1に又はそのハウジングに(完全には)連結されず、特に内側部品17上で(完全には)シフトしていない。この非閉鎖状態では、回転可能要素は、ここではネジ付シャフト42及び/又は駆動ギヤ43は、関連する駆動部材と、ここでは歯部45と噛み合い係合していない、つまり噛み合っていない。この文脈では、カウンタデバイス23及び/又は回転可能要素、特にネジ付シャフト42及び/又は駆動ギヤ43は、好ましくはハウジング部品18内に又はハウジング部品18に配置され、駆動部材、特に歯部45は、好ましくはネブライザ1又はそのハウジング又はあらゆる他の構成要素、好ましくは上側部品16などに配置される。
【0183】
図17は、
図16の取り囲み区域を部分的に拡大したものを示している。この非閉鎖状態では、回転可能要素(駆動ギヤ43)及び駆動部材(歯部45)は噛み合い係合しておらず、ブロッキングデバイス74は回転可能要素のあらゆる有意な回転を、好ましくは規定された回転位置でブロックする。
【0184】
図18は、同じブロック状態でブロッキングデバイス74に関する同様の領域を概略斜視図に示している。
【0185】
特に、ブロッキングデバイス74は、カウンタデバイス23と関連するか又はこの一部を形成する。
【0186】
ブロッキングデバイス74は、好ましくはハウジング部品18に又はこの内部に配置され、特にハウジング部品18の底部68の近くに配置される。
【0187】
特に、ブロッキングデバイス74は、好ましくは縦方向に延びるポケット、バルジ、又は凹部69に配置され、好ましくはカップ状のハウジング部品18の側壁に又はそれによって形成される。
【0188】
好ましくは、カウンタデバイス23又はそのネジ付シャフト42は、バルジ又は凹部69に受け入れられるか又は配置される。
【0189】
この実施形態において、オプションの把持部材72は、ハウジング部品18又はバルジ/凹部69に配置される。好ましくは、把持部材72は、カウンタデバイス23又はネジ付シャフト42を担持するか又は保持する。この実施形態において、把持部材72は、好ましくは本質的に、バルジ又は凹部69の軸線方向長さ全体を超えて延びている。
【0190】
ブロッキングデバイス74は、ネジ付シャフト42及び従って駆動ギヤ43の回転をブロックするために、好ましくは回転可能要素の係合部分70及び/又は関連する構成要素、ここではネジ付シャフト42と協働する。シャフト42のブロックは、つまり駆動ギヤ43の回転のブロックをもたらす。駆動ギヤ43及びシャフト42は、好ましくは連結されるか又は回転係合にあり、特に一体形部品として形成される。
【0191】
係合部分70は、好ましくはシャフト42の端部に又はその近くに配置され、特にシャフト42の下側端部の近く及び/又は駆動ギヤ43の反対端に配置される。
【0192】
ブロッキングデバイス74は、特に緊密適合により、ブロックのために好ましくは係合部分70に係合するか又は接触する。
【0193】
ブロッキングデバイス74は、回転可能要素の回転をブロックするために、係合部分70を受け入れるための受け入れ開口部76を有するブロッキング部品75を好ましくは含む。受け入れ開口部76は、好ましくは非円形の横断面、特に係合部分70の非円形横断面に対して少なくとも本質的には相補的な横断面を有し、及び/又は係合部分70をブロッキング部品75又はその受け入れ開口部76に、特にただ1つの規定回転位置又は複数の規定回転位置に、受け入れることができるような横断面を有するので、回転可能要素(シャフト42/駆動ギヤ43)の回転をブロックすることができる。
【0194】
係合部分70は、
図17の線XIX−XIXに沿う概略断面図である
図19に特に示すように、好ましくは非円形の横断面を含む。
図19は、係合部分70の、ブロッキング部品75又はその受け入れ開口部76への係合を示している。
【0195】
この文脈でかつ一般的に、小さい回転の遊びは受容可能であるが、それは回転可能要素の回転位置が定まらないか又は回転可能要素の回転がブロックされないということを意味するものではないということを述べておく必要がある。
【0196】
この実施形態において、一方ではブロッキング部品75又はその受け入れ開口部76と、他方では回転可能要素又はシャフト42又は係合部分70とは、回転をブロックするのに好ましくは半径方向に相互作用する。しかし、軸線方向の相互作用又は係合又は噛み合いも、追加的に又は代替的に可能である。好ましくは、ブロッキングデバイス74又はブロッキング部品75又は受け入れ開口部76は、緊密適合係合により、ここでは係合部分70との係合により、回転可能要素(シャフト42)の回転をブロックする。
【0197】
ブロッキング部品75自体は、好ましくは回転がブロックされ、及び/又は回転できないように保持されるか又は案内される。
【0198】
好ましくは、回転のブロックは、ブロッキングデバイス74又はそのブロッキング部品75又は受け入れ開口部76の、係合部分70に対する、好ましくは軸線方向の位置に依存する。
【0199】
ブロッキング部品75は、回転可能要素又はシャフト42/駆動ギヤ43をブロック解除するために、好ましくは軸線方向に可動であるか又は押下げ可能である。
【0200】
好ましくは、ハウジング部品18、把持部材72、又は案内部分73は、特にブロッキング部品75又は受け入れ開口部76を係合部分70との回転係合から離脱させるために、特に、シャフト42又は係合部分70に対して、特に軸線方向に及び/又は下方にブロッキング部品75を動かすことができるように(好ましくは保持力又は弾性力などに逆らって)、ブロッキング部分75を保持するか又は案内する
【0201】
この実施形態において、ブロッキング部品75は、そのブロック位置において保持力又は弾性力及び/又は圧力嵌めにより保持し、及び/又は保持力又は弾性力及び/又は圧力嵌めなどに打ち勝つことによってのみ、そのブロック位置から離脱させることができる。
【0202】
特に、ブロッキングデバイス74又はブロッキング部品75は、ブロッキング部品75をそのブロック位置に及び/又は下方への又は非ブロック位置への動きに対して保持するか又は固定するために、少なくとも1つの保持アーム又は部品77をここでは2つの把持部品77を含む。特に、少なくとも1つの把持部品77は、好ましくは把持部品72又はハウジング部品18のあらゆる他の構成要素で形成された対向部品又は対向面と傾斜面で当接するので、把持部品77は曲がらなければならず、及び従ってブロッキング部品75を図示のブロック位置から以下で説明する非ブロック位置へ動かすために打ち勝つ必要がある保持力又は弾性力を提供する。この実施形態において、特に2つの把持部品77が対向する位置に配置され、ブロック位置でブロッキング部品75を保持する。ブロッキング部品75をブロック位置から非ブロック位置へ、つまり
図16〜18で軸線方向下方へ動かす時に、これらの把持部品77を互いに向けて及び/又はブロッキング部品75に向けて曲げる必要がある。
【0203】
好ましくは、案内部分73は、ハウジング部品18又は把持部材72によって形成される。
【0204】
好ましくは、案内部分73は、本質的にリブ状であり、及び/又はブロッキング部品75の両対向位置に及び/又は軸線方向に延びている。
【0205】
ブロッキングデバイス74又はブロッキング部品75は、ハウジング部品18をハウジングに連結するまで、特にネブライザのハウジングを完全に閉じるまで、及び/又は回転可能な部品(駆動ギヤ43)が関連する駆動部材(歯部45)と噛み合い係合するか又は噛み合い係合状態になるまで、好ましくは規定された回転位置で回転可能要素又はシャフト42をブロックする。
【0206】
好ましくは、ブロッキングデバイス74又はそのブロッキング部品75は、少なくとも本質的に又は完全に閉鎖状態に達する時に、及び/又は回転可能要素が駆動部材と噛み合い係合する時に、回転可能要素を自動的にアンロックする。
【0207】
好ましくは、ブロッキングデバイス74又はブロッキング部品75は、ハウジング、内側部品17、保持部品39、又は固定部品40により、直接的に又は間接的に作動し、ネブライザ1又はそのハウジングを閉じる時に、つまりハウジング部品18を(完全に)ネブライザ1、ハウジング又は内側部品17に連結する時に、特にブロッキング部品75は軸線方向に及び/又は下方へ押されるか又はシフトされる(シャフト42は好ましくはその軸線位置に残る)。
【0208】
好ましくは、回転可能要素、特に駆動ギヤ43と、駆動部材、特に歯部45とをネブライザ1を閉じるか又はハウジング部品18を連結する時に、軸線方向に共に動かす及び/又は半径方向の/外周の係合に持ち込む。
【0209】
好ましくは、ハウジング部品18をネブライザ1又はそのハウジング又は上側部品16に連結する時にハウジング部品18が規定された回転位置を有するように、及びハウジング部品18をネブライザ1に連結する時に、つまりハウジング/ネブライザ1を閉じる時に駆動部材(歯部45)がハウジング部品18、ハウジング又は上側部品16に対して、及び従って回転可能要素、ここでは駆動ギヤ43に対して、規定された回転位置を有するように、ネブライザ1を構成するか又は設計する。
【0210】
図20は、完全に閉じた、つまり閉鎖状態の、ハウジングを有し、作動した又は開放されたブロッキングデバイス74を有し、つまりブロッキング部品75が非ブロック位置にあるネブライザ1を概略断面図に示している。
図21は、
図20の取り囲み区域を部分的に拡大したものを示している。
図22は、同様の領域を概略斜視図に示している。
図23は、
図19と類似するが別平面のつまり
図21の線XXIII−XXIIIに沿う概略断面図に、ブロッキング部品75に回転可能に保持された又は担持された回転可能要素又はネジ付シャフト42の係合部分70を示している。
【0211】
閉鎖状態では(ネブライザ1又はハウジングは閉じている)、回転可能要素(駆動ギヤ43)は駆動部材(歯部45)と噛み合い係合している。更に、ブロッキングデバイス74は、既に開放されて又は開いており、従って、回転可能要素、ここではシャフト42及び駆動ギヤ43の回転をブロックしない。
【0212】
この実施形態において、閉鎖状態にある、つまり非ブロック位置にある回転可能要素をブロック解除するために、ブロッキング部品75を好ましくは軸線方向に係合部分70との回転係合から離脱させる。
【0213】
特に、ブロッキング部品75は、閉じる動き(軸線方向の動き及び/又はハウジング部品18のネブライザ1又は上側部品16に対する及び/又は内側部品17への動き)のちょうど最後に又は閉じる動きの終わる直前に、軸線方向に動かされるか又は押下げられる。
【0214】
この実施形態において、内側部品17又は保持部品39は、ハウジング部品18に配置されたオプションの固定リング又は部品40を、好ましくは作動させるか又は押下げる。そして今度は固定部品40がブロッキングデバイス74を作動させるか又は開放し、特にブロッキング部品75をブロック又は回転係合から離脱させるか又は押下げる。
【0215】
この実施形態において、ブロッキング部品75は、好ましくは少なくとも1つの突出部78を、特にアーム等の形で含み、それに対して作動要素が、ここでは固定部品40が、ブロッキング部品75を作動させるためか、又はブロッキング部品75をその上側軸線方向位置、つまり
図16から18に示すブロック位置から出て、
図20から22に示すその下側軸線方向位置又は非ブロック位置へ動かすために、閉鎖運動中に当接する。好ましくは、突出部78は、半径方向へ及び/又は内方に延びるか又は突き出る。この実施形態において、2つのアーム又は突出部78が、ブロッキング部品75に又はそれによって提供されるか又は形成される。
【0216】
非ブロック状態では、ブロッキングデバイス74又はブロッキング部品75は、好ましくはシャフト42又はその担持部分71を特に受け入れ開口部76に隣接する部分79で担持するので、シャフト42は回転可能である。
【0217】
ブロッキングデバイス74を手動で開ける、作動させる、又はブロック解除することは、不可能であることが好ましい。特に、ハウジング部品18をハウジング又はネブライザ1に連結することだけによって(自動的に)、及び/又はハウジング又はネブライザ1を完全に閉じることにより、及び/又は回転可能要素及び駆動部材が噛み合い係合に持ち込まれる時に、ブロッキングデバイス74を開放するか又は作動させるか又はブロック解除することができるように、ブロッキングデバイス74を設計するか又は構成する。それによって作動が容易になり、及び/又は非常に確実な作動がもたらされ、及び/又はユーザによる誤使用を回避する。
【0218】
本発明の更に別の好ましい態様は、カウンタデバイス23を含むハウジング部品18をネブライザ1に取り付ける時に、しかし好ましくは第1のロック状態にない時に、回転可能要素(ネジ付シャフト42)を好ましくは軸線方向に付勢するか又は駆動部材に向けて引く又は駆動部材(歯部45)との特に十分な又は確実な係合に持ち込むということである。好ましくは、これはデバイス48又は表示/制御部材50によって提供される。
【0219】
この実施形態において、デバイス48又は表示/制御部材50は、
図24に概略的に示すように、好ましくは少なくとも1つの把持部分80、好ましくは複数の把持部分80を含む。
図24は、ハウジング部品18を持たず、カウンタデバイス23又は部材50(部分的に取り外されている)を有し、かつ少なくとも回転可能要素(ネジ付シャフト42)及び関連するライダー44を有するネブライザ1を概略側面図に示している。
図25は、
図24の取り囲み区域を部分的に拡大したものを示している。
【0220】
把持部分80は、好ましくは半径方向に及び/又は外方に突き出ている。
【0221】
部材50の回転位置に応じて、特に容器3及びカウンタデバイス23を含むハウジング部品18の交換のために、回転可能要素又はネジ付シャフト42が2つの隣接する把持部分80の間を通過することができるように、把持部分80は好ましくは周方向に離間する。
【0222】
この実施形態において、各把持部分80は、好ましくは傾斜した滑走面又は傾斜部81を好ましくは含む。
【0223】
回転可能要素又はネジ付シャフト42は、好ましくは円盤状のカラー82を特に含む。
【0224】
通常使用中又は作動状態では、ネブライザ1は、回転可能要素又はネジ付シャフト42を好ましくは駆動部材又は歯部45との係合へ及び/又は軸線方向にこれらに向けて付勢するか又は引く。特に、(新しい)ハウジング部品18をネブライザ1に取り付ける時に(ここで、好ましくは突出部64により初期化される)、部材50は、更に1ステップ(自動的に)回転送りされるか又は回転するので、部材50又は把持部分80は回転可能要素/ネジ付シャフト42を噛み合い係合へ及び/又は軸線方向に付勢するか又は引く。
【0225】
この付勢又は引っぱりのために、把持部分80のうちの1つは、好ましくは軸線方向にカラー82と当接する及び/又はカラー82の下方を把持して、回転可能要素又はネジ付シャフト42を望ましい軸線方向位置に引く又は固定し、及び/又は回転可能要素又はネジ付シャフト42又はその駆動ギヤ43を駆動部材又は歯部45と噛み合い係合するように引く又は押す。この状況を
図26に概略的に示すが、これは
図25に対応するが部材50を異なる回転位置に示しており、1つの把持部分80が回転可能要素又はそのカラー82と協働するか又はそこで係合している。
図20は、この係合又は協働を概略的に半径方向断面図に示している。
【0226】
部材50が1ステップ更に回転送りされて回転可能要素又はネジ付シャフト42又はカラー82と係合する時に、確実にカラー82と係合するか又はカラー82の下方を把持するため、把持部分80又はそのオプションで設けられる傾斜部81は、好ましくは動く方向へ、つまり回転の周方向に向けられる。
【0227】
上述のように、説明した実施形態の個々の特徴、態様、及び/又は原理は、必要に応じて互いに組み合わせることも可能であり、特に
図1及び
図5に従うネブライザに使用することができるが、類似の又は異なるネブライザに使用することもできる。
【0228】
自立式機器などとは違って、提案するネブライザ1は、好ましくは携帯用に設計され、特に携帯型手動式デバイスである。
【0229】
しかし、提案するソリューションは、本明細書に詳述したネブライザ1だけでなく、他のネブライザ又は吸入器、例えば、粉末吸入器又はいわゆる計量式吸入器にも使用することができる。
【0230】
好ましくは、流体2は上述のように液体であり、特に水溶性医薬組成物製剤又はエタノール性医薬組成物製剤である。しかし、流体2は、何らかの他の医薬組成物製剤又は懸濁液などとすることができる。
【0231】
代替の実施形態によれば、流体2は粒子又は粉末から構成される場合もある。この場合に、排出ノズル12の代わりに、何らかの他種の供給デバイス、特に、流体又は粉末などをマウスピース13へ供給するための排出開口部(図示せず)又は供給チャネル(図示せず)を提供することができる。任意的な空気供給開口部15はその時に、マウスピースを通した吸息又は吸入のために十分な量の空気流を生成するか又は可能にするように、周囲の空気を好ましくは並行して供給するために役立つ。
【0232】
必要であれば、流体2は、噴射ガスを用いて霧状にすることもできる。
【0233】
好ましい医療流体2のための好ましい成分及び/又は製剤は、特にWO 2009/115200 A1の好ましくは25頁から40頁に、又はEP 2 614 848 A1の段落0040から段落0087に列挙されており、これらは引用により本明細書に組み込まれている。特に、これらは、水溶液又は非水溶液、混合物、又はエタノール含有又は溶媒を含まない製剤などである場合がある。