(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入口(122)と、出口(123)と、前記入口(122)を前記出口(123)に流体接続する複数の通路(121)とを有する回転機械のための密閉型インペラ(120,130)であって、
前記各通路(121)は、ハブ(124)と、シュラウド(125)と、2つのブレード(126)とによって画定され、
前記各ブレード(126)は、前記通路(121)の前記入口(122)に位置が特定される収束−発散ボトルネックを前記通路(121)内に形成するべく最初に急に増大した後に減少する厚さを有する上流側部分と、略一定の厚さを有する下流側部分とを有し、
前記出口(123)では、子午面内のハブ輪郭(801)が10°よりも大きい角度(803)を径方向と成し、
前記出口(123)では、子午面内のシュラウド輪郭(802)が20°よりも大きい角度(804)を径方向と成し、
子午面内で、前記ハブ輪郭(801)と前記シュラウド輪郭(802)とが滑らかに湾曲し、
子午面内の前記通路(121)の軸方向長さ(810)は、前記入口(122)における前記通路(121)の高さ(809)の少なくとも2倍であり、
前記通路の軸方向長さ(810)は、前記密閉型インペラの軸の径方向における前記通路の長さよりも長い、密閉型インペラ(120,130)。
子午面内のハブ輪郭(801)の任意のポイントで、前記ハブ輪郭(801)の曲率半径(805)は、前記ハブ輪郭(801)に対して垂直に測定される前記通路(121)の高さ(806)の少なくとも2.5倍である請求項1乃至5のいずれか1項記載のインペラ(120,130)。
子午面内のシュラウド輪郭(802)の任意のポイントで、前記シュラウド輪郭(802)の曲率半径(807)は、前記シュラウド輪郭(802)に対して垂直に測定される前記通路(121)の高さ(808)の少なくとも1.5倍である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインペラ(120,130)。
前記入口(122)において、径方向に対する前記ブレード(126)の前縁(127)の傾き角度は、シュラウドプロファイルがハブプロファイルに後れを取るように少なくとも30°である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインペラ(120,130)。
【背景技術】
【0002】
インペラがその入口でガス流を受けるように設計されるには多くの解決策がある。そのような解決策では、インペラの動作時間の大部分の間にわたって、ガスが完全に乾燥しており、ある状況では、ガスが幾らかの液体を含むことがかなり一般的であり、また、液体は、ガス流中で液滴の形態を成す場合がある。そのような状況において、液滴は、インペラにぶつかり、特にインペラの内部通路の表面にぶつかる。このことは、液滴がインペラを腐食する場合があることを意味する。遠心圧縮機で使用されるインペラの場合、腐食は、ブレード表面に影響を及ぼし、更にはハブ表面に影響を及ぼす。
【0003】
液滴衝突の影響が線形ではないことに留意すべきである。当初は、インペラ通路の表面との液滴衝突は、影響がないように見え、表面上に腐食を引き起こさない。多くの衝突後、影響が明らかになり、表面が急速に劣化する。腐食時間閾値は、例えば、液滴の質量及びサイズ、並びに、液滴の速度、特に液滴がぶつかる表面に対して垂直な速度の成分を含む様々な因子に依存する。
【0004】
表面劣化に起因するインペラ損傷が無視できる或いは全く存在しないときには例えば圧縮機でインペラが使用されるべきであり、さもなければ、インペラが修理され或いは交換されるべきであることに留意すべきである。
【0005】
また、回転機械が作動していてインペラが回転している場合に表面劣化に起因するインペラ損傷を劣化が始まって直ぐに検出することが容易でないことに留意すべきであり、劣化は、しばしば、それが非常に激しく且つ振動を引き起こしているときにだけ検出される。
【0006】
したがって、流入するガス流中の液滴に起因するインペラの腐食を減少させる方法の必要性がある。この必要性は、特に遠心圧縮機のインペラにおいて存在する。
【0007】
腐食を減らすことによって、インペラの寿命が増大され、その結果、回転機械の稼働時間も増大される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
典型的な実施形態の以下の説明は、添付図面を参照する。異なる図面中の同じ参照数字は、同じ或いは同様の要素を特定する。以下の詳細な説明は発明を限定しない。代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0016】
明細書の全体にわたって「1つの実施形態」又は「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は、特性が開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、明細書の全体にわたる様々な場所での「1つの実施形態」又は「一実施形態」という表現の出現は、かならずしも同じ実施形態に言及していない。更に、特定の特徴、構造、又は、特性は、1つ以上の実施形態において任意の適した態様で組み合わされてもよい。
【0017】
図1は、遠心圧縮機の2つのステージと、2つの対応するインペラ120,130とを示し、具体的には、インペラ120は、流入するガス流を受ける最初のインペラである第1のインペラ(第1のステージ)であり、また、インペラ130は、第1のインペラ120の直後に流入するガス流を受ける2番目のインペラである第2のインペラ(第2のステージ)である。圧縮機は、ロータとステータ100とから本質的に成り、ロータは、シャフト110、シャフト110に固定されるインペラ120,130、及び、シャフト100に固定されるディフューザ140を備える。
【0018】
図1は、第1のインペラ120を断面図で示すとともに、第2のインペラ130を外観図で示す。
【0019】
第1のインペラ120に関して、
図1は、インペラの入口122をインペラの出口123に流体接続する内部通路121のうちの1つを示し、通路121は、ハブ124と、シュラウド125と、2つのブレード126(
図1には、これらのブレードのうちの一方だけが示される)とよって画定される。インペラの入口領域及び出口領域は、インペラの内側で僅かに延び、特に、インペラの入口領域は、ブレード126の前縁127がインペラの前側から後退させられる(
図1の破線参照)場合があるとしても、内部通路の入口領域に対応する(
図1参照)。以下から更に明らかになるように、インペラ通路の入口領域全体がインペラの入口領域にあることが有益である。これは、このようにすると、通路入口領域と関連付けられる(特にブレードと関連付けられる)収束−発散ボトルネックの作用が通路の初めにだけ起こるからである。
【0020】
インペラ120の動作時間の大部分の間にわたって、流入する流れのガスは完全に乾燥しており、ある状況では、ガスが液滴の形態を成す幾らかの液体を含む。そのような状況において、液滴は、インペラにぶつかり、特にインペラの内部通路121の表面、とりわけハブ124の表面にぶつかる。
【0021】
液滴による腐食を減らすための第1の手段は、液滴の質量及びサイズを減らすことであり、そのような減少は、それがインペラの入口領域で、好適にはインペラの内部通路の入口領域で行なわれる場合に特に効果的である。
【0022】
図2の有利な典型的実施形態において、各ブレードの厚さは、最初に急にかなり増大され(例えば、
図2Bの左側参照)、その後、急にかなり減少される(例えば、
図2Bの右側参照)。インペラのブレードが互いに対向する(例えば、
図2A参照)ことを考慮すると、厚さの増大及び厚さの減少は、通路の入口領域に位置が特定される収束−発散ボトルネックを通路に形成する。そのようなボトルネックに起因して、液滴は崩壊プロセスを受ける。すなわち、液滴は、相対的なガス流によって強制的に破壊される。これは、液体と気体との間の異なる慣性に起因して起こる。厚さの増大及び結果として起こるガス加速、並びに、厚さの減少及び結果として起こるガス減速は、いずれも、2つの相(すなわち、気相及び液相)間の相対速度を増大させる。これは、特に液滴が急で大量であれば、液滴がガス速度変化に殆ど影響されず、また、液滴が一定の速度で進むからである。
【0023】
崩壊プロセスは2つの相の異なる慣性によって高められるが、液滴の液体の密度がガスの密度を50倍を超えて上回ると、液滴が極めて接線方向の相対速度を伴ってインペラに近づき(子午線速度がガスにおいてよりも液滴においてかなり小さいからである)、液滴がブレードの圧力側にぶつかる。これらの状態では、前述した崩壊プロセスが殆ど有効でなくなり或いは全体的に役に立たなくなる。
【0024】
一般的には、かならずしもそうではないが、インペラの内部通路の全てにそのような類のボトルネックが設けられ、また、インペラのブレードの全ては、そのような類の最初の厚さの増大及び厚さの減少を伴って構成される。また、一般的には、かならずしもそうではないが、全てのブレードが同一である。
【0025】
図2Aは、典型的な実施形態に係る1つのブレードの最初の部分(ドロップ形状)及び従来技術に係る1つのブレードの最初の部分(略平坦)の断面を示し、
図2Bの断面は、水平であって、
図1の面に対して垂直であり、また、
図2Bの詳細は、垂直な実線127(ブレードの前縁)とそれに平行な破線との間で見出され得る。
【0026】
ブレードの上流側部分は、流れ方向にしたがってブレード自体の初めに位置が特定される。特に、
図2Aに示されるように、上流側部分の長さは、そり曲線長さの20%未満であり、ハブ及びシュラウドの表面から等距離の通路の断面上の線がそり曲線である。
【0027】
図2Bでは、厚さの減少が厚さの増大の直ぐ後に続き、このことは、厚さの減少と厚さの増大との間で一定の厚さを有するブレードの部分が存在しないことを意味する。このようにすると、ガス速度がボトルネック領域で連続的に変化させられ、液滴が非常に乱される。
【0028】
図2の実施形態では、ブレードの断面がそり曲線200に対して対称的であり、また、厚さの増大及び厚さの減少がブレードの両側で同じように分配される。いずれにしても、別の実施形態によれば、ブレードの断面がそり曲線200に対して非対称的であってもよく、また、厚さの増大及び/又は厚さの減少は、たとえブレードの一方側のみでも、非対称的に分配されてもよい。これに関しては、インペラ通路の入口での流れ方向を考慮すると(例えば、
図2A参照)、ブレードの前縁がしばしば隣り合うブレードの平坦領域と対向し、したがって、厚さの増大及び厚さの減少の位置付けがこのずれも考慮に入れる場合があることに留意すべきである。
【0029】
図2の実施形態において、長さ201の2倍に対応する厚さの増大量は、長さ202の2倍に対応する厚さの減少量とは異なる。これは、厚さの増大がブレードの前縁127でのみ始まるからである。いずれにしても、例えば厚さの増大が前縁から距離を隔てて始まる場合には、2つの量が等しくてもよい。
【0030】
図2Bでは長さ201と長さ203との間の比率に対応する厚さの増大率は、
図2Bでは長さ202と長さ204との間の比率に対応する厚さの減少率に等しくてもよく或いは厚さの減少率と異なってもよい。
図2に係る実施形態では、それらが異なっている。すなわち、増大率が減少率よりも僅かに高い。
【0031】
厚さの増大及び厚さの減少に起因するガス流における乱流を回避する或いは少なくとも制限するために、厚さの増大及び厚さの減少が漸進的であることが有益である。
【0032】
一般に、ブレードの最大値、
図2Bでは205は、ブレードの前縁、
図2Bでは127から離れている。例えば、その距離は、
図2Bでは長さ203と長さ204との和に対応する厚さの減少の終端の距離の25%〜75%の距離である。
【0033】
厚さの減少は、例えば(減少の開始前の厚さに対して)少なくとも50%であってもよく、言い換えると、
図2Bに関連して、長さ202は長さ201の50%以上であり、或いは、同様に、長さ207は長さ206の50%以下である。
【0034】
厚さの減少は、ブレードの前縁、
図2Bでは127から距離を隔てて終端する。例えば、
図2Bでは長さ203と長さ204との和に対応するこの距離は、
図2Bでは長さ206に対応するブレードの最大厚(厚さの減少前)の2倍より大きく6倍より小さくてもよい。
【0035】
図2の実施形態とは異なり、厚さの増大は、ブレードの前縁から距離を隔てて始まってもよい。例えば、この距離は、
図2Bでは長さ206に対応するブレードの最大厚(厚さの減少前)の1倍よりも大きく4倍より小さくてもよい。
【0036】
図3は、ボトルネックを伴う及び伴わない両方における流路に沿うガス流速度を示し、ボトルネックは、例えば、通路内で流れるガスの速度の少なくとも20%の急な/局所的な増大−減少を引き起こすように形成され、この場合、ボトルネックを伴わない場合であっても僅かな(例えば数パーセントの)速度増大−減少が存在し、これがブレードの前縁及びその通常の公称厚に起因することは注目に値する。通路の入口領域の後、ガス流速度は、少なくとも通路の特定の部分に関して徐々に減少し続ける。
図3において、グラフは、速度ベクトルの大きさの絶対値に関連する。
【0037】
図4は、ボトルネックを伴う及び伴わない両方における流路に沿うガス流加速度を示し、ボトルネックは、例えば、高い加速度(特に加速度ピーク)及び高い減速度(特に減速度ピーク)を引き起こすように形成され、この場合、ボトルネックを伴わない場合であっても何らかの加速度増大が存在し、これがブレードの前縁及びその通常の公称厚に起因することは注目に値する。
図4において、グラフは、加速度ベクトルの大きさの絶対値に関連し、このため、それはゼロの値に達しない。
【0038】
今しがた一例として説明してきたことに照らして、流入するガス流の中の液滴に起因するインペラ、特に遠心圧縮機のインペラの腐食を減少させることが想定し得る。この場合、収束−発散ボトルネックが使用され、このボトルネックは、ボトルネックを通過する流入するガス流のガス速度を最初に急にかなり増大させた後に急にかなり減少させるために使用される。また、ボトルネックはインペラの入口に位置が特定され、この場合、等しい或いは異なる複数の連続したボトルネックが前後に配置されてもよい。
【0039】
液滴による腐食を減少させるための第2の手段は、液滴がぶつかる表面に対して垂直な速度の成分を減少させることであり、特に、本明細書中で考慮される表面は、焦点が遠心圧縮機に合わせられるため、ハブ表面である。
【0040】
好適には、第1の手段と第2の手段とを互いに組み合わせることができる。
【0041】
基本的な考えは、子午面内のガス流線に沿う法線加速度を考慮に入れてインペラの内部通路を形成することである。
【0042】
子午線チャネルの長さが増大するにつれて、子午面内の平均流線曲率が減少し、したがって、ガスの法線加速度(すなわち、子午面内の流れラインに対して垂直)も減少し、これは、実際のところ、局所的な曲率に関連付けられる。
【0043】
低い法線加速度は、液滴がガスの流れラインをたどるために低い法線力を必要とすることを示唆する。したがって、液滴は、子午面内のガス流れラインから殆ど逸れない。いずれにしても、気体と液体との間の異なる慣性に起因して、逸れを完全に回避することはできない。
【0044】
液滴が子午面内のガス流れラインから殆ど逸れない場合、液滴は、小さい法線速度を伴ってインペラのハブ表面に近づき、また、このことが腐食をかなり減らす。
【0045】
図5は、従来技術に係る子午面内のインペラ通路を示し、一方、
図6は、典型的な実施形態に係る子午面内のインペラ通路を示す。なお、
図6は、前述の技術的な教示内容の極端な適用に対応することに留意すべきである。
図7は、
図5のインペラ、
図6の非常に長いインペラ、及び、2つの中間の軸方向長さを有する他の2つのインペラにおける法線加速度を示し、前述の技術的な教示内容を適用することにより、通路の各ポイントにおける法線加速度が向上することは明らかである。
【0046】
図8に関連して説明される以下の状態から明らかなように、法線加速度の値を制限する状態を与えるべく、異なるパラメータを使用して子午面内のインペラの内部通路の形状を規定してもよい。
【0047】
出口において、子午面内のハブ輪郭801は、10°よりも大きい角度803を径方向と成してもよく、これは、通路の回転全体を制限する第1の方法である。
【0048】
出口において、子午面内のシュラウド輪郭802は、20°よりも大きい角度804を径方向と成してもよく、これは、通路の回転全体を制限する第2の方法である。
【0049】
子午面内のハブ輪郭の任意のポイントで、ハブ輪郭の曲率半径805は、ハブ輪郭に対して垂直に測定される通路の高さ806の少なくとも2.5倍である。
【0050】
子午面内のシュラウド輪郭の任意のポイントで、シュラウド輪郭の曲率半径807は、シュラウド輪郭に対して垂直に測定される通路の高さ808の少なくとも1.5倍である。
【0051】
子午面内の通路の軸方向長さ810は、入口における通路の高さ809の少なくとも2倍である。
【0052】
図8に関連して説明される前述の状態は、形状に基づいており、「構造的タイプ」と見なされてもよい。
【0053】
図8には、インペラの内部通路の内側の液滴の想定し得る軌道が示される。入口の中心位置から出口へ向かう少量のガスの軌道が破線に対応する。この場合、液滴が同じ軌道をたどることが望ましいが、いずれにしても、法線加速度に起因して、液滴は、ガス軌道から逸れて、逸れた軌道(逸れた軌道が連続線に対応する)をたどる。液滴の質量及びサイズを減らすことにより、また、滑らかに湾曲する通路を使用することにより、逸れた軌道が通路の終端でハブ輪郭801に達して、「柔軟な」衝突が起こり、或いは、
図8に示されるように逸れた軌道がハブ輪郭801に達せず、衝突が起こらない。
【0054】
他の想定し得る状態は、「機能的タイプ」であり、したがって、法線加速度の値に直接に基づく。これらは、
図7のグラフに関連してより良く理解され得る。
【0055】
第1の典型的な状態として、通路は、子午面内のガス流線に沿う法線加速度が所定の限界を超えないように形成されてもよい。
【0056】
第2の典型的な状態として、通路は、インペラの内側の法線加速度の最大値とブレードの後縁における法線加速度の値との間の比率が例えば2.0を超えないように形成されてもよい。なお、前縁における法線加速度は、通常、ゼロ又はゼロに近いことに留意すべきである(
図7参照)。
【0057】
通路内の法線加速度をより良く制御するために、これらの状態のうちの1つ以上が互いに組み合わされてもよい。
【0058】
今しがた一例として説明してきたことに照らして、流入するガス流の中の液滴に起因するインペラ、特に遠心圧縮機のインペラの腐食を減少させることが想定し得る。この場合、流入する流れは、子午面内で徐々に(好ましくは、かなり又は非常に)逸らされる。焦点が遠心圧縮機に合わせられるため、関連する逸れは、子午面内の逸れであり、また、一般に、横断面内又は接平面内の逸れも考慮されなければならない。
【0059】
漸進的な逸れを達成するため、インペラの軸方向長さを増大する及び/又はインペラによるガス流の曲げ(遠心圧縮機では、ガス流が通常は90°曲がる)を減少させることが必要な場合がある。
【0060】
液滴による腐食を減少させるための第3の手段は、ブレードの前縁を径方向に対して傾かせることである。特に、傾き方向は、シュラウドプロファイルがハブプロファイルに後れを取るようにする。
【0061】
非常に好適には、第1の手段と第2の手段と第3の手段とを互いに組み合わせることができる。
【0062】
好ましくは、傾き角度が少なくとも30°である。
【0063】
図9では、ブレードに901のラベルが付され(1つのブレードにラベルが付され)、ハブに902のラベルが付され、シュラウドが示されず、ブレードの前縁に904のラベルが付され、径方向に905のラベルが付され、及び、傾き角度に903のラベルが付される。
【0064】
入口で傾くブレードは、ハブ付近の質量流量を減少させる傾向がある径方向の圧力勾配をもたらす一方で、ガス流をシュラウドへ向けて押し出す。
図8では、ハブ輪郭に801のラベルが付されるとともに、シュラウド輪郭に802のラベルが付される。したがって、そのような圧力勾配は、インペラ内部通路の形状にしたがった液滴の移動に有利に働き、したがって、ハブ表面の腐食を減少させる。
【0065】
前述した教示内容は、好適には、遠心圧縮機、例えば
図1の遠心圧縮機のインペラに適用されてもよく、これらは、特に、第1のインペラ、すなわち、
図1のインペラ120に役立つ。