(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記物体ベクトル及び前記第2物体ベクトルが、前記自動航空機に対する第1平面に位置し、かつ前記防衛方向が前記第1平面とは異なる第2平面内の方向にある、請求項5または6に記載の物体回避システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、自動航空機(「AAV」)及び自動検出及び物体を回避するためのシステムを記述する。以下のさらなる詳細が論じられるように、いくつかの実施ではAAVは、物体とAAV間の距離(d)、AAVに対する物体の距離及び/またはAAVに対する物体の速度を判断するのに使用できる、AAVの様々な場所に取り付けられた複数の距離計を備えてもよい。判断されたAAVに対する物体の方向、物体の速度及び物体の距離のうち1つ以上に基づいて、回避行動は判断されてもよい。回避行動は、物体を回避するためにAAVを誘導するよう判断された方向及び速度であってもよい。
【0009】
AAVの周囲を判断することよりも、物体を識別すること及び/または物体の意図を判断することを試みることで、回避行動はAAVにより迅速に判断でき、物体を回避するために利用できる。例えば、AAVに対する物体の方向及び距離を表す
物体ベクトルは、判断されてもよい。判断された
物体ベクトルに基づいて、対応するAAVの
後退ベクトルは判断されてもよい。例えば、
後退ベクトルはf(d)=1/dといった押し出し
関数f(d)及び検出された物体の
物体ベクトルに基づいて判断されてもよい。
【0010】
判断された
後退ベクトルに加え、防衛方向及び/または
防衛ベクトルが判断されてもよい。例えば、物体の動く方向と異なる方向がランダムに選択され、防衛方向として利用されてもよい。以下に記述されるように、利用できる防衛方向のランダムな選択は、AAVと衝突しようとする害を及ぼす物体がAAVの回避行動を認識し、かつ予測できないようにするために重要になる場合がある。
【0011】
後退ベクトル及び防衛方向に基づいて、回避行動は作り出されてもよい。例えば、回避行動は、
後退ベクトル及び
防衛ベクトルの合計であってもよい。他の実施例では、回避行動は、防衛方向に配向された
後退ベクトルであってもよい。AAVはその後、検出された物体との接触を避けるための回避行動に従って誘導されてもよい。
【0012】
いくつかの実施では、AAVの位置及び/または物体のタイプは判断されてもよく、好適な防衛方向のセットはAAVの位置及び/または物体のタイプに基づいて識別されてもよい。例えば、他のAAVが以前同じ領域で誘導され、物体に遭遇しかつ物体を回避するための回避行動を実行した場合、それらのAAVはAAV管理システムに回避情報を提供してもよい。回避情報は、例えば、AAVの位置、物体のタイプ、
物体ベクトル、物体の速度、利用された防衛方向、実行された回避行動、利用された
防衛ベクトル、回避が成功したかどうか、などを含んでもよい。
【0013】
領域及び/または物体タイプのための回避情報が収集されるにつれ、いくつかの回避行動及び/または防衛方向がさらに成功し、好適な防衛方向のサブセットは領域及び/または物体タイプのために判断されてもよい。AAVが好適な防衛方向で領域または物体タイプに遭遇した時、好適な防衛方向のセットから利用可能な防衛方向を選択してもよい。好適な防衛方向から防衛方向を選択することは、ランダムに実行されてもよい。同様に、検出された物体が他のAAVであった場合、好適な防衛方向はAAVが衝突を回避するために誘導されるよう定義された方向に対応してもよい。
【0014】
さらに他の実施では、AAVはAAVからの距離内で複数の物体を検出してもよく、検出された複数の物体それぞれに基づいて回避行動を判断してもよい。例えば、2つの物体が検出された場合、AAVの
後退ベクトルは2つの検出された物体それぞれの
物体ベクトルの組み合わせに基づいて判断されてもよい。1つの実施では、
後退ベクトルは、2つの
物体ベクトルの合計であってもよい。同様に、防衛方向は、AAVに対する2つの物体の方向に基づいて判断されてもよい。例えば、物体及びAAVの両方を含む平面が判断されてもよく、利用可能な防衛方向は判断された平面の上面に沿って位置しない方向であってもよい。例えば、防衛方向は、平面に対して45°の角度などで平面に垂直である方向であってもよい。
【0015】
2つの物体を検出する実施例を続けて、
後退ベクトル及び防衛方向は、AAVが両方の物体との接触を回避するよう誘導される回避行動を作り出すために組み合わされてもよい。
【0016】
いくつかの実施では、AAVは、AAV識別、現在地、高度、回避情報、速度等の情報を提供及び/または受信するために領域内で他のAAVと通信する。例えば、AAVは自動従属監視送信(ADS−B)をサポートし、識別、現在地、高度、及び速度情報の受信及び/または送信の両方をするよう構成されてもよい。この情報は、中央位置に格納されるか及び/または近接するAAV、荷役施設、中継場所、AAV管理システム及び/または位置の間で同時に共有されてもよい。例えば、他のAAVはADS−B情報及び/または天気(例えば、風、雪、雨)、着陸状況、交通、障害物等に関する追加的情報を提供してもよい。受信するAAVは、情報源の位置から目的地の位置までの道筋/飛行経路を計画するために、及び/または経路の実際の運行指示を修正するためにこの情報を利用してもよい。
【0017】
飛行を達成するために複数のプロペラを利用する航空機の形状(例えば、クアッドコプターまたはオクトコプター)に主なる重点を置いたAAVが本明細書で実施例が記述される一方で、本明細書に記述される実施において他の形状のAAVが用いられてもよいことがわかる。
【0018】
ここで用いられる、「荷役施設」とは、倉庫、配送センター、クロスドッキング施設、受注処理施設、梱包施設、配送施設、賃貸施設、図書館、小売店、卸問屋、博物館、または1つ以上の(在庫品)荷下ろし機能を実行するための他の施設または施設の組み合わせを含んでもよいが、これに限定はされない。本明細書に用いられる、「配送位置」は、1つ以上の在庫商品が配送されるあらゆる位置を指す。例えば、配送位置は、個人住宅、事業所、荷役施設内の場所(例えば、梱包所、在庫品保管所)、ユーザーまたは商品があるあらゆる場所等であってもよい。商品またはアイテムは、AAVを用いて移送されるあらゆる物質的な品物であってもよい。
【0019】
本明細書に用いられる、「中継場所」は、これに限定はされないが、配送場所、荷役施設、無線通信塔、ビルの屋上、配送場所、またはAAVが荷下ろし、荷積み、商品回収、充電池交換、及び/またはサービスを受けることができるあらゆる他の場所を含んでもよい。
【0020】
図1は、実施に従うAAV100の上から見下ろした図におけるブロック図を説明する。説明されるように、AAV100は、AAVのフレーム104の周りに間隔を空けられた8つのプロペラ102−1、102−2、102−3、102−4、102−5、102−6、102−7、102−8を備える。プロペラ102は、AAV100及びAAV100が持つあらゆる商品を十分に持ち上げることができるあらゆる形状(例えば、グラファイト、カーボンファイバー)かつサイズのプロペラであってもよく、それにより例えば在庫品を店舗へ配送するために、AAV100が空中で誘導できる。この実施例が8つのプロペラを含む一方で、他の実施では、より多いかまたはより少ないプロペラが使用されてもよい。同様に、いくつかの実施では、プロペラはAAV100の異なる場所に配置されてもよい。さらに、推進力の代替的方法が利用されてもよい。例えば、ファン、ジェット、ターボジェット、ターボファン、ジェットエンジン等がAAVを推進するために用いられてもよい。
【0021】
AAV100のフレーム104または本体は、同様にグラファイト、カーボンファイバー及び/またはアルミニウムといったあらゆる適切な材質であってもよい。この実施例では、AAV100のフレーム104は、4つの剛性部材105−1、105−2、105−3、105−4または剛性部材とハッシュパターンで配置され、おおよそ垂直な角度で接合する梁を備える。この実施例では、剛性部材105−1及び105−3は互いに平行に配置され、おおよそ同じ長さである。剛性部材105−2及び105−4は互いに平行に配置され、さらに剛性部材105−1及び105−3と垂直である。剛性部材105−2及び105−4は、おおよそ同じ長さである。いくつかの実施形態では、全ての剛性部材105は、おおよそ同じ長さであってもよく、その一方で他の実施では剛性部材のいくつかまたは全てが異なる長さであってもよい。同様に、剛性部材の2つのセット間の間隔は、おおよそ同じであるかまたは異なっていてもよい。
【0022】
図1に説明される実施が、フレーム104を形成するよう接合する4つの剛性部材104を含む一方で、他の実施では、フレーム104への構成要素はそれ以下またはそれ以上であってもよい。例えば、4つの剛性部材よりも、他の実施では、AAV100のフレーム104は6つの剛性部材を備えるよう構成されてもよい。そういった実施例では、2つの剛性部材105−2、105−4は互いに平行に配置されてもよい。剛性部材105−1、105−3及び剛性部材105−1、105−3の両側の2つの追加的剛性部材は、全てが互いに平行に配置されてもよく、かつ剛性部材105−2、105−4に対して垂直であってもよい。追加的剛性部材で、4つの側全て上の剛性部材で追加的空洞がフレーム104により形成されてもよい。以下でさらに記述されるように、フレーム104内の空洞は、商品(複数可)及び/または商品(複数可)を収容するコンテナの係合、輸送及び配送のための在庫品係合機構を備えるよう構成されてもよい。
【0023】
いくつかの実施では、AAVは空気力学のために構成されてもよい。例えば、空気力学的な筐体は、AAV制御システム110、1つ以上の剛性部材105、フレーム104及び/またはAAV100の他の構成要素を備えるAAVに含められてもよい。筐体は、グラファイト、カーボンファイバー、アルミニウム等といったあらゆる適切な材質(複数可)で作られてもよい。同様に、いくつかの実施では、在庫(例えば、商品またはコンテナ)の位置及び/または形状は、空気力学的に設計されてもよい。例えば、いくつかの実施では、在庫品係合機構は、在庫品が係合される時にAAV100のフレーム及び/または筐体内に含まれ、AAV100による在庫品の輸送中にさらに引きずられたりすることがないよう構成されてもよい。他の実施では、在庫品は引きずられることを低減し、かつAAV及び在庫品をより空気力学的な設計にするような形状であってもよい。例えば、在庫品がコンテナであって、係合する時にコンテナの一部がAAVの下部に延びる場合、コンテナの露出した部分は湾曲した形状であってもよい。
【0024】
プロペラ102及び対応するプロペラモーターは、各剛性部材105の両端部に配置される。プロペラモーターは、AAV100及びあらゆる係合した在庫品を持ち上げるためのプロペラに十分なスピードを生み出すことのできるあらゆるモーター形状であってもよく、それにより在庫品の空中輸送を可能にする。例えば、プロペラモーターはそれぞれがFX−4006−13 740kvマルチローターモーターであってもよい。様々な実施に用いられてもよいモーター構成の例示的実施は、
図2A〜2C、
図3A〜3C及び
図4に関連して以下にさらなる詳細が記述される。
【0025】
各剛性部材から外側に延びるのは、防護バリア108に接続される支持アーム106である。この実施例では、防護バリアはAAV100の周囲に配置され、かつモーターとプロペラ102が防護バリア108の外周内になるようにAAV100周辺に配置され取り付けられる。防護バリアは、プラスチック、ゴム等であってもよい。同様に、支持アーム106の長さ及び/または剛性部材105の長さ、数または配置に応じて、防護バリアは円形、楕円形、またはあらゆる他の形状であってもよい。
【0026】
フレーム104に取り付けられるのはAAV制御システム110である。この実施例では、AAV制御システム110はフレーム104の中央部および上面に取り付けられる。
図11に関連して以下にさらなる詳細が記述されるようにAAV制御システム110は、動作、経路、ナビゲーション、通信、物体検出及び回避、及びAAV100の在庫品係合機構を制御する。
【0027】
同様に、AAV100は、1つ以上の電源モジュール112を備える。この実施例では、AAV100は、フレーム104に取り外し可能なように取り付けられた2つの電源モジュール112を備える。AAVのための電源モジュールは、バッテリー電源、太陽光発電、ガス発電、スーパーコンデンサ、燃料電池、代替的発電源、またはそれらの組み合わせの形状であってもよい。例えば、電源モジュール112は、それぞれが6000mAhリチウムイオンポリマー電池、ポリマーリチウムイオン(Li−poly、Li−Pol、LiPo、LIP、PLIまたはLip)電池であってもよい。電源モジュール112(複数可)は、AAV制御システム110及びプロペラモーターに接続され、電力を供給する。
【0028】
いくつかの実施では、1つ以上の電源モジュールは、AAVが着陸している間に自律的に取り外すことができ、及び/または他の電源モジュールと交換できるよう構成されてもよい。例えば、AAVが配送場所、中継場所及び/または荷役施設に着陸する時、AAVは電源モジュールを再充電する場所で充電部材と係合してもよい。
【0029】
前述のように、AAV100はさらに、在庫品係合機構114を備えてもよい。在庫品係合機構は、商品及び/または商品を保持するコンテナを係合し、かつ解放するよう構成されてもよい。この実施例では、在庫品係合機構114は、剛性部材105の交差部分により形成されるフレーム104の空洞内に配置される。在庫品係合機構は、AAV制御システム110の真下に配置されてもよい。追加的剛性部材の実施では、AAVは追加的在庫品係合機構を備えてもよく、及び/または在庫品係合機構114はフレーム104内の異なる空洞に配置されてもよい。在庫品係合機構は、在庫品を含むコンテナをしっかりと係合し、かつ解放するための十分なあらゆるサイズであってもよい。他の実施では、係合機構は、配送する在庫品(複数可)を含むコンテナとして動作してもよい。在庫品係合機構は、AAV制御システム110と通信し(有線または無線通信を介して)、AAV制御システム110により制御される。
【0030】
AAVの実施が、飛行を達成し維持するためにプロペラを利用するものとして本明細書に記述される一方で、他の実施では、AAVは他の方法で構成されてもよい。例えば、AAVは、固定された翼及び/またはプロペラと固定された翼の両方の組み合わせを備えてもよい。例えば、AAVは、離陸及び着陸を可能にするために1つ以上のプロペラを利用してもよく、AAVが空中移動する間、飛行を維持するために固定された翼構成または翼とプロペラ構成の組み合わせを利用してもよい。
【0031】
図2A〜2Cは、実施に従って
図1に説明されるAAV100のモーター組立体におけるブロック図を描写する。
図2A〜2Bは、インランナーブラシレスモーターのブロック図における構成要素を説明する。
図2Cは、アウトランナーブラシレスモーターのブロック図である。当該技術において既知の通り、ローターは回転する駆動部またはアームに取り付けられた磁石のセットである。
図2A〜2Bに説明されるようなインランナーブラシレスモーターのために、ローター200は、駆動部またはアーム202に取り付けられ、ステータ210(
図2B)の内部に配置される。対して、アウトランナーブラシレスモーター230のために、モーター230(
図2C)の外側部分は、内側部分辺りまたはステータ辺りで回転するローターである。どちらの構成においても、駆動部またはアーム202は、ローターに取り付けられ、ローターと共に回転する。
【0032】
ローターは一般的に4つ以上の磁極を有する。積極子としても知られるステータは、電磁気組立体を備える。ステータがローターの周囲に配置される(
図2A〜2B)構成では、ステータ210は、電磁気組立体を包含する外面212及び内面214を有する。一般的に、ステータ210、外面212、及び内面214は、
図2Bに示されるように筒状に構成され、ローター200を適所に置くよう空洞を形成する。
【0033】
図2Aを再度参照して、ローターがステータ210の空洞内に配置されるインランナーブラシレスモーターでは、1つ以上の距離判断要素204がローター200に連結され、それによりローター200が回転するにつれて距離判断要素204が回転する。例えば、距離判断要素は、ローターを形成するマグネットに連結してもよく、及び/または駆動部202に連結してもよい。この実施例では、2つの距離判断要素204−1、204−2は、ローター200の対向端に連結され、反対方向に配向する。ローター200の対向端に距離判断要素のペアを組み込むことで、ローターの回転バランスは維持される。モーターの周囲に保護筐体がある場合、1つ以上の開口部がさらに筐体に備えられていてもよく、それにより距離判断要素が開口部を通じて送られてもよい。
【0034】
距離判断要素204は、物体と距離判断要素との間の距離を計測するために用いることができるあらゆる形状の装置であってもよい。例えば、距離判断要素204は、超音波測距モジュール、レーザー距離計、レーダー距離計測モジュール、視距測量法ベースの距離計、視差ベースの距離計、合致法ベースの距離計、ライダーベースの距離計、ソーナーベースの距離計、または飛行時間型ベースの距離計のうちのいずれか1つであってもよい。いくつかの実施では、異なる距離判断要素がAAVに利用されてもよい。例えば、距離判断要素204−1はレーザー距離計であってもよく、かつ距離判断要素204−2はレーダー距離計測モジュールであってもよい。
【0035】
ここで
図2Bを参照して、説明されるのはステータ210またはインランナーブラシレスモーターの外側部分である。ステータ210は、ローター200がステータ210の空洞内に配置される時に距離判断要素が位置する場所に近接した位置でステータ210の内面214及び外面212を通じて延びる1つ以上の開口部216を備えてもよい。ローター200が回転し、例えばレーザー信号といった距離判断要素が放出される時、発射されたレーザー信号が開口部216のうちの1つを通過するように、開口部216は配置される。この実施例では、ステータ210には2セットの開口部があり、1セットは距離判断要素204−1が配置される場所に近接する位置でステータ210の上部周囲に延び、第2セットは距離判断要素204−2が配置される場所に近接する位置でステータ210の下部周囲に延びる。ローター200がステータ210内に配置される時、距離判断要素は開口部216に近接しており、それにより例えばレーザー信号といった距離判断要素(複数可)が放出される時に、レーザー信号が開口部を通過する。物体が存在する場合、発射されたレーザー信号は物体に反射し、開口部を通じてモーターに入り、距離判断要素204により受けられる。距離計測が飛行時間型(「ToF」)に基づいて判断されてもよいので、ローター及び距離判断要素(複数可)が回転しても、放出されたレーザー信号は同じ開口部を通過して戻り、反射したレーザー信号、物体までの距離を判断するのに用いることができる。開口部はあらゆるサイズ及び/または形状であってもよい。同様に、モーターがモーターの外周の周囲に保護筐体を有するという実施において、保護筐体は、距離判断要素が開口部を通じて発射できるように配置された1つ以上の開口部を備えてもよい。
【0036】
上記実施例がインランナーブラシレスモーターを説明する一方、他の実施では、モーターはブラシ付きモーター(図示せず)として構成されてもよい。当該技術において既知の通り、ブラシレスモーターに対してブラシ付きモーターでは、電磁石コイルが固定されたステータに対して回転するローターに配置され、永久磁石を備える。一般的なブラシ付きモーターでは、電磁石コイルにエネルギーを供給するためにブラシまたは他の接触要素がローターに係合する。モーター構成にかかわらず、距離判断要素は内側回転部(例えば、
図2A)に取り付けられてもよく、外側の固定部を通じて発射されるよう構成されてもよい。あるいは、距離判断要素は外側回転部(
図2C)に連結されてもよく、外側に向けて発射する。
【0037】
ここで
図2Cを参照して、ローター220がステータ224の周囲及び外側に配置される(すなわち、ステータがローターの空洞内に配置される)アウトランナーブラシレスモーター230では、1つ以上の距離判断要素204がローター220あるいは駆動部またはアーム202に連結され、それによりローター220が回転するにつれて距離判断要素204が回転する。この実施例では、2つの距離判断要素204−1、204−2は、駆動部202に連結され、反対方向に配向する。距離判断要素のペアを組み込むことで、ローターの回転バランスは維持される。モーターの周囲に保護筐体がある場合、距離判断要素は筐体の上及び外側に配置されてもよく、または1つ以上の開口部が筐体に備えられてもよく、それにより距離判断要素が開口部を通じて送られてもよい。
【0038】
いくつかの実施では、モーターは、ローター200の位置を追跡し続ける電子速度制御(ESC)回路222を備えてもよく、それによりステータの電磁石を制御できる。例えば、磁気センサー(ホール効果に基づく)を用いて、または「センサーレス」として知られる技術を用いて達成してもよい。おおむね、センサーレス技術を用いて、ローターの磁石が回転することにより起こる変動をモーター電動ワイヤー(図示せず)を監視することで、ローターの位置が判断される。ローターの位置を判断するために他の技術が同様に利用されてもよい。例えば、マーカーまたは他の識別子がローター、駆動部202及び/またはプロペラの所定部分に備えられてもよい。センサーはマーカーの位置を検出するために用いられてもよく、マーカーはセンサーを通過する度に、ローター及び距離判断要素(複数可)の位置がわかる。いくつかの実施では、ローターの位置は判断されなくてもよく、及び/または定期的に判断されるのみでもよい。例えば、物体が検出されない限り、ローターの位置は監視されなくてもよい。物体が検出された場合、物体に対するAAVの位置を判断するためにローターの位置は判断されてもよい。
【0039】
ローターまたは駆動部の既知の位置に距離判断要素を取り付けること、及びローターまたは駆動部の位置を監視することで、距離判断要素が配向された時にだけレーザー信号が放出されるように例えばレーザー信号を距離判断要素から放出するタイミングを維持でき、それにより放出されたレーザー信号が開口部を通じて発射される。ステータ及び/または保護筐体の開口部を通過するように放出のタイミングをはかることで、モーター周囲の260°の平面と交わる物体が検出でき、検出された物体(複数可)とモーター間の距離が判断できる。さらに距離判断要素(複数可)の位置を知ることで、放出の方向も同様にわかる。物体が検出される時、物体までの距離が検出され、距離判断要素の位置に基づいて、AAVに対する物体の方向が同様に検出される。
【0040】
図3A〜3Cは、実施に従って
図1に説明される自動航空機の他のモーター組立体におけるブロック図を描写する。
図3A〜3Cに関して記述された実施例は、アウトランナーブラシレスモーターに関する。しかしながら、
図2A〜2Cに関する記述と同じように、あらゆるタイプのモーターが本明細書に記述される実施に利用されてもよい。
【0041】
図3Aを最初に参照して、ステータ300は、ステータ300の外部に取り付けられた複数の反射面306を備えてもよい。反射面306は、同じ及び/または異なるサイズ、同じ及び/または異なる形状、同じ及び/または異なる色などであってもよい。同様に、ステータ300に対する配向及び角度も同様に同じ及び/または異なっていてもよい。例えば、反射面306は、例えば放出されたレーザー信号の入射角が90°ではないようにステータ300に対して異なる角度で取り付けられてもよく、それにより
図3Cに説明されるように反射の角度が結果的にレーザー信号を放出する距離判断要素から離れて反射する。反射面は、鏡または他の金属面といった反射面のあらゆる形状であってもよい。
図3Aに説明される実施例では、反射面306は全て四角形である。しかしながら、ほかの実施では形状は異なるものであってもよいことがわかる。例えば、反射面は四角形、長方形、楕円形、円形等であってもよい。
【0042】
さらに他の実施では、ステータ300に複数の反射面を用いるよりもむしろ、ステータ300がステータ300の表面の大部分をカバーする単一の反射面(図示せず)に完全に覆われていてもよい。そういった実施では、単一の反射面は異なる角度の変化面を有していてもよいか、またはステータ300のあたりに均一の角度を有していてもよい。いずれのケースにおいても、距離判断要素(複数可)(
図3Bに関して以下に記述される)はステータ300及び/または反射面に対して90°以外の角度で配置されてもよい。
【0043】
図3Bに説明されるように、ローター310、またはモーターの外側部分は、ローター310の内面314及び外面312を通じて延びる複数の開口部を備えてもよく、それにより放出されたレーザー信号を開口部316を通じて発射でき、物体に反射して開口部316を通じて戻る。ローター310に沿って開口部が延びることで、モーターの重量を削減し、ステータ300に取り付けられた反射面306に反射する時に反射したレーザー信号を様々な角度で発射することができる。
【0044】
開口部に加えて、1つ以上の距離判断要素304がローター310の内面314に取り付けられてもよく、ステータがローター310の空洞に配置される時、例えばレーザー信号をステータ300に向けて放出するよう配置されてもよい。放出されたレーザー信号がステータ300に取り付けられた反射面306のうち1つに反射し、ローター310の開口部316のうち1つを通じて発射し、物体が存在する場合には物体に反射し、開口部316を通じて戻り、反射面306に反射して距離判断要素に戻る。ToFを用いて、距離判断要素はモーター320と物体との間の距離を判断できる。
【0045】
図3Cに説明されるように、発射されたレーザー信号がステータ(または距離判断要素)に対して90°以外の角度で並べられた反射面に反射する時、入射角、及び反射角は90°ではなく、レーザー信号は入射角と等しい反射角で反射する。この実施例では、ローターが回転するにつれて、各計測用の単一の距離判断要素からレーザー信号は異なる角度及び異なる方向で異なる反射面に反射し、それにより異なる位置でのモーターに対する物体の検出が可能となる。
【0046】
上記の実施例においてローターがステータを取り囲むアウトランナーブラシレスモーターを記述する一方、距離判断要素はローター及び反射面を備えるステータに取り付けられ、かつ共に回転し、類似の構成はインランナーブラシレスモーター及び/またはブラシ付きモーターでも可能であり、ローターは外側の固定されたステータにより形成された空洞内に配置される。そういった実施では、反射面は内面の回転するローターに取り付けられ、距離判断要素は外側の固定されたステータの内面に取り付けられる。
【0047】
いくつかの実施では、モーター320は、ローターの位置を追跡し続けるESC回路322を備えてもよく、それによりステータの電磁石を制御できる。前述のように、例えば磁気センサー(ホール効果に基づく)を用いて、またはセンサーレス技術を用いて達成されてもよい。ローター310の内面314の既知の位置に距離判断要素を取り付けること、及びステータの周囲で回転するローター310の位置を監視することで、距離判断要素が反射面と並んだ時にだけレーザー信号が放出されるように、例えばレーザー信号を距離判断要素から放出するタイミングを維持でき、それにより
図3Cに示されるように、レーザー信号が反射してローター310の開口部316を通じて発射されるようになる。例えば、マーカーまたは他の識別子がローター、駆動部202及び/またはプロペラの所定部分に備えられてもよい。センサーは、マーカーがセンサーを通過するたびにマーカーの位置を検出するのに用いられてもよく、それによりローター及び距離判断要素(複数可)の位置がわかる。
【0048】
図4は、実施に従って
図1に説明される自動航空機のアウトランナーブラシレスモーター組立体400におけるブロック図を描写する。前述のように、アウトランナーブラシレスモーター400では、ローター402はモーターの外側に配置され、内側の固定されたステータ401の周囲で回転する。この実施では、反射面406はローター402の外側に取り付けられ、距離判断要素(複数可)はAAV100の剛性部材105といったAAV100(
図1)に連結する。他の実施では、反射面406はローター402に対してあらゆるサイズ、形状、角度及び/または配向であってもよい。距離判断要素404(複数可)は静止しており、距離判断要素404(複数可)から反射したレーザー信号はローター402が回転するにつれて異なる反射面406に向けて発射され、反射する。
【0049】
図5は、実施に従う自動航空機100の側面図におけるブロック図を描写する。この実施では、AAV100は
図2A〜
図4に関連して前述のように距離判断要素を包含した1つ以上のモーターを備えてもよい。追加的距離判断要素504が同様にAAV100に備えられてもよい。例えば、距離判断要素504−1はAAV100の上部の物体を検出するよう固定位置に取り付けられてもよい。同様に、距離判断要素504−2はAAV100の下部の物体を検出するよう固定位置に取り付けられてもよい。
【0050】
図5に説明されるAAVの側面図では、4つのモーター520及びプロペラ522が確認できる。他の実施では、追加の、またはより少ないモーター520及び/またはプロペラがAAV100に備えられてもよい。例えば、前述のように、プロペラは対で取り付けられてもよい。各モーター520から放出された平面軌跡パターン526に示されるように、包含された距離判断要素を持つモーターを用いることで、検出パターンがモーター520の辺りで260°の平面をカバーするようになる。距離判断要素により発射されたレーザー信号を反射するように反射面を用いる実施では、複数の面をカバーするモーター520の周囲で260°の面をカバーする検出パターンをもたらし、各面は反射面からの反射角に対応する。
【0051】
説明されるように、モーター及び対応するプロペラはAAVの本体に異なる角度で取り付けられてもよく、それにより包含された距離判断要素の発射パターンが
図5に説明されるように異なる平面をカバーする。例えば、モーター520及び対応するプロペラ522は、AAV100の本体及び/または互いに対しておおよそ0〜10°の間でオフセットされていてもよい。各モーターは、軸上で並んでいてもよく、いくつかの実施では2つ以上のモーターの軸は異なっていてもよい。
【0052】
図5は、モーター520−1がAAV100の前面にあり、モーター520−4がAAV100の後ろにあるようにAAV100の右側面図を説明する。モーター520及び対応するプロペラ522は、AAV100の本体に対してどの方向でもオフセットされていてもよい。
図5では、前側モーター520−1及びプロペラ522は、AAV100の配向に対してAAV100の前側に向かっておおよそ6°でオフセットされており、左右にはオフセットされていない。モーター520−2及び対応するプロペラ522は、AAV100の本体前側からおおよそ3°離れて、かつAAV100の本体左に向かっておおよそ9°でオフセットされる。モーター520−3及び対応するプロペラ522は、AAV100の本体前側に向かっておおよそ2°、かつAAV100の本体の右または左に対しておおよそ0°でオフセットされる。最後に、モーター520−4及び対応するプロペラ522は、AAV100の本体前側からおおよそ1°離れて、かつAAV100の本体の右に向かっておおよそ8°でオフセットされる。他の実施では、あらゆるオフセット構成及び/またはモーターオフセット数が利用されてもよい。いくつかの実施では、1つ以上のモーター520のオフセットまたは配向は、AAVが動作している間に変更されてもよい。例えば、通常飛行中に、モーター520はオフセット角度0で配置されてもよい。着陸準備中、離陸準備中、過密地域に進入中等にAAV100が物体を検出した時、AAV100周囲の物体を検出する領域を拡大し、AAV100の機敏さを向上するためにモーター520の配向は変更されてもよい。
【0053】
距離判断要素を備えるモーター520をオフセットすることで、物体を検出できるAAV100周囲の総領域は増加する。同様に、プロペラは一直線に並んでいないので、AAV100の機敏さ及び操縦性は向上する。
【0054】
図6は、実施に従うAAV100の他の側面
図600におけるブロック図を描写する。この実施例では、
図5に関連して記述されるようにモーターをオフセットするよりもむしろ、
図6に示されるようにモーター及び対応する距離判断要素が固定されてもよい。例えば、モーター620は全てAAV100に対して90°で取り付けられてもよい。距離判断要素604は、前述のようにモーター620へ包含されてもよく、及び/または
図6に示されるようにAAV100に取り付けられてもよい。例えば、距離判断要素604−1は、AAV100に取り付けられてもよく、AAV100の前方から発射されるレーザー信号を放出するよう配向されてもよい。距離判断要素604−2は、AAV100に取り付けられてもよく、AAV100から下方に発射されるレーザー信号を放出するよう配向されてもよい。距離判断要素604−3は、AAV100に取り付けられてもよく、AAV100から上方に発射されるレーザー信号を放出するよう配向されてもよい。距離判断要素604−4は、AAV100に取り付けられてもよく、AAV100から後方に発射されるレーザー信号を放出するよう配向されてもよい。
【0055】
図6に説明される実施が、AAV100に取り付けられた4つの距離判断要素を備える一方で、他の実施では、それ以下または追加の距離判断要素が利用されてもよい。同様に、距離判断要素はAAVに取り付けられてもよく、前述のようにモーター620、またはそれらの組み合わせへと包含されてもよい。同様に、モーター620は全てがAAV100に対して同じ角度で取り付けられてもよく、または1つ以上のモーター620は
図5に関連して前述の方法でオフセットされてもよい。
【0056】
距離判断要素の構成及び/またはモーター620の位置にかかわらず、AAVの移動中に傾斜、向き及び/または回転を操作することでAAV周囲の検出可能な領域はさらに拡大できる。例えば、AAV100の傾斜は定期的に変更されてもよい。AAV100の傾斜を変更することで、AAV100の前後から発射される距離判断要素によりカバーされる領域は拡大する。同様に、AAV100の回転は定期的に変更されてもよい。AAV100の回転を変更することで、AAV100の左右から発射される距離判断要素によりカバーされる領域は拡大する。AAV100の向きを変更することで、AAV100の前方、後方及び側面から発射される距離判断要素周囲の領域はAAV100周囲の全領域をカバーする。AAVの動作中に1つ以上の傾斜、回転及び/または向きの変更を組み合わせることで、距離判断要素により検出可能なAAV100周囲の領域はさらに拡大する。同様に、クアッドコプターまたはオクトコプターといったAAVでは、傾斜、向き及び/または回転が変更されてもAAVの方向は維持されてもよい。例えば、AAVは北へ移動してもよく、AAV100が時計回りの方向に回転するよう向きは調整されてもよい。回転は、飛行方向を変えることなく行うことができる。同様に、傾斜及び/または回転は、AAV100の飛行経路を変えることなく調整することができる。
【0057】
図7は、実施に従って、AAV100、配送場所703、中継場所702、荷役施設704及び遠隔コンピューティングリソース710を備えるAAVネットワーク700のブロック図を描写する。さらに、1つ以上の定位置送信機705は、定位置情報(例えば、地理的座標)を送信する環境内に含まれてもよい。定位置送信機は、あらゆる既知の定位置に備えられてもよい。例えば、定位置送信機は、荷役施設(複数可)704、中継場所(複数可)702、配送場所(複数可)703、無線通信塔(図示せず)、建物、着陸地点、またはあらゆる他の既知の場所に備えられてもよい。
【0058】
AAV100、配送場所703、中継場所702、荷役施設704及び/または遠隔コンピューティングリソース710はそれぞれ、互いに通信するよう構成されてもよい。例えば、AAV100は、Wi−Fiまたは他の無線通信方式を利用する無線メッシュネットワークを形成するよう構成されてもよく、各AAVは無線範囲内で他のAAVと通信する。他の実施では、AAV100、AAV管理システム726、荷役施設704、中継場所702及び/または配送場所703は、通信を容易にするために既存の無線ネットワーク(例えば、セルラー方式、Wi−Fi、衛星)を利用してもよい。同様に、遠隔コンピューティングリソース710、荷役施設704、配送場所703及び/または中継場所702はさらに、無線メッシュネットワークに備えられてもよい。いくつかの実施では、1つ以上の遠隔コンピューティングリソース710、荷役施設704、配送場所703及び/または中継場所702はさらに、インターネットといった他のネットワーク(有線及び/または無線)を介して互いに通信してもよい。
【0059】
遠隔コンピューティングリソース710は、メッシュネットワーク及び/または他の無線または有線ネットワーク(例えば、インターネット)を介して維持され、アクセス可能な、プロセッサ、記憶装置、ソフトウェア、データアクセス、及び他の構成要素のコンピューティングインフラストラクチャとして実装されるネットワークアクセス可能なコンピューティングプラットフォームの一部を形成してもよい。説明されるように、遠隔コンピューティングリソース710は、サーバー720(1)、720(2)、…、720(N)といったように1つ以上のサーバーを備えてもよい。これらのサーバー720(1)〜(N)は、サーバーファーム、スタック等といったデータセンターで一般的に用いられるあらゆる数の方法で配置されてもよい。さらに、サーバー720(1)〜(N)は、AAV管理システム726を格納し得る1つ以上のプロセッサ722及びメモリ724を備えてもよい。
【0060】
AAV管理システム726は、例えば配送場所703、AAV100、荷役施設704、及び/または中継場所702と通信するよう構成されてもよい。実施例として、各AAV100の位置情報は判断され、AAV間で共有されてもよい。各AAVは、例えばADS−B情報をネットワーク内の他のAAVに定期的に送信してもよい。ADS−B情報といったような情報が、AAVに、またはAAVから送信される時、情報はAAV用の識別子を含んでもよく、各AAVはネットワーク内でノードとして実行してもよく、対象のAAVにより受信されるまで情報を送る。例えば、AAV管理システム726は、AAV管理システム726と無線通信する1つ以上のAAV100−1、100−2、100−3、100−4に情報及び対象の受信AAVの識別子を送信することでAAV100−6にメッセージを送ってもよい。各受信AAVは、それが対象受信物であり、その後AAVと通信する1つ以上の他のAAVに情報を転送するかどうかを判断するために識別子を処理する。例えば、AAV100−2は、メッセージ及び対象受信AAVの識別をAAV100−1、100−3及び100−5に転送してもよい。そういった実施例では、AAV100−3は既にメッセージを受信し、転送しているので、再転送することなくメッセージを破棄してもよく、それによりメッシュネットワーク700の負荷を低減する。他のAAVはメッセージを受信すると、対象受信物でないことを判断してもよく、他のノードに転送してもよい。この処理は対象受信物へメッセージが到達するまで続けられてもよい。
【0061】
他の実施では、AAVが無線メッシュネットワークを介する他のAAVとの通信が失われた場合、通信を復帰するために他の無線通信経路を起動してもよい。例えば、AAVがメッシュネットワーク700を介して他のAAVと通信できない場合、AAV管理システム726、荷役施設704、中継場所702及び/または配送場所703からの通信情報を得るためにセルラー方式及び/または衛星通信経路を起動してもよい。AAVがそれでも通信を復帰できない場合、及び/または代替的通信構成要因を備えていない場合、指定された場所(例えば、荷役施設704、中継場所702及び/または配送場所703の近辺)に向かって自動的かつ自律的に誘導されてもよい。
【0062】
無線メッシュネットワーク700は、AAV、AAV管理システム726、荷役施設704、配送場所703及び/または中継場所702の間で通信を供給するために(例えば天気情報、位置情報、経路情報、着陸領域を共有するために)用いられてもよい。同様に、いくつかの実施では、無線メッシュネットワークは、コンテンツ及び/または他の情報をパーソナルコンピュータ、電子ブック読み取り装置、オーディオプレイヤー、携帯電話、タブレット、デスクトップ、ラップトップ等といった他のコンピューティングリソースに届けるために用いられてもよい。例えば、メッシュネットワークは、電子ブックコンテンツを顧客の電子ブック読取り装置へ届けるために用いられてもよい。
【0063】
図8は、実施に従う例示的な物体回避プロセス800を説明するフロー図である。このプロセス、及び本明細書に記述される各プロセスは、本明細書に記述されるアーキテクチャにより、または他のアーキテクチャにより実行されてもよい。プロセスは論理的フロー図内のブロックの一群として説明される。ブロックのいくつかは、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせにおいて実行できる動作を表す。ソフトウェアのコンテキストでは、ブロックは、1つ以上のプロセッサにより実行される時に列挙された動作を実行する1つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されたコンピュータ実行可能な命令を表す。一般的に、コンピュータ実行可能な命令は、特定の機能を実行するかまたは特定の抽象データ型を実装するルーティン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。
【0064】
コンピュータ読み取り可能な媒体は、ハードドライブ、フロッピーディスケット、光ディスク、CD−ROM、DVD、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、磁気または光カード、ソリッドステートメモリ装置、または電子指示を格納するのに適した他のタイプの格納媒体を含み得る、持続性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含んでもよい。さらに、いくつかの実施では、コンピュータ読み取り可能な媒体は、非持続性コンピュータ読み取り可能な信号を(圧縮または非圧縮形式で)含んでもよい。コンピュータ読み取り可能な信号の実施例は、キャリアを用いて変調されたか、されていないかにかかわらず、コンピュータプログラムをホストするかまたは実行するコンピュータシステムがアクセスするよう構成できる信号を含み、インターネットまたは他のネットワークを通じてダウンロードされた信号を含むが、これに限定はされない。最後に、動作が記述される順番は限定として解釈されるよう意図していないが、記述された動作のあらゆる番号はあらゆる順番及び/または処理の実行に平行して組み合わせることができる。さらに、1つ以上の動作は、オプションと見なされてもよく、及び/または他の動作と共に利用されない。
【0065】
例示的処理800は、例えば802において前述の1つ以上の実施を用いて物体をスキャンすることで始まる。いくつかの実施では、検出の複数のノードが利用されてもよい。例えば、物体の位置を識別し、及び/または判断するために距離判断要素及び画像撮影装置(例えば、カメラ)の両方が一緒に用いられてもよい。同様に、いくつかの実施では、距離判断要素の複数の形式が利用されてもよい。例えば、AAVと物体の間の距離を判断するために、測距レーザー信号及びソーナーの両方が用いられてもよい。
【0066】
AAVが物体をスキャンするにつれて、804のように物体が検出されたかどうかといったような判断は行われる。物体が検出されないという判断である場合には、例示的プロセス800はブロック802に戻り、そして続けられる。しかしながら、物体が検出された場合、AAVからの物体の距離及びAAVに対する
物体ベクトルは、806のように判断される。この実施例では、物体自体は判断される必要はなく、単にAAVに対する方向及び距離が判断されてもよい。同様に、いくつかの実施では、AAVに対する物体の正確な方向は判断されなくてもよい。例えば、AAVに対するおおまかな物体の方向(例えば、左上方)が判断され、本明細書に記述の実施に用いられてもよい。
【0067】
物体とAAVの間の距離(di)及び/またはAAVに対する物体の方向は検出される。
物体ベクトル(vi)は、AAVに対する物体の方向、AAVに対する物体の速度の大きさ及び/またはAAVから物体の距離を表す。いくつかの実施では、物体速度は、AAVの基準座標系において基準点(固定の)及びAAVに対していると思われる他の物体全てとしてAAVと共に計算されてもよい。
【0068】
物体ベクトルを判断するために、いくつかの実施では、物体とAAV間の距離における複数のサンプリングが一定期間にわたって判断されてもよい。サンプル及び一定期間はその後、AAVに対する物体の方向、物体の距離及び/または物体の速度の両方を判断するのに用いられる。他の実施では、物体の複数の画像は一定期間撮影されてもよく、AAVに対する物体の方向、物体の距離及び/または物体の速度は撮影された画像間の物体のサイズ変化に基づいて、かつ各画像が撮影された時のAAVの位置に基づいて判断されてもよい。
【0069】
いくつかの実施では、複数の物体が検出されてもよい。複数の物体が検出される時、検出された各物体のAAVに対する距離、方向及び/または物体速度が判断されてもよい。例えば、2つの物体が検出される時、AAVに対する各物体の距離及び方向が判断されてもよい。同様に、AAVに対する物体速度は各物体に判断されてもよい。
【0070】
距離(複数可)及び
物体ベクトル(複数可)に基づいて、対応するAAVの後退速度は808のように判断されてもよい。単一の物体が検出されるという実施においては、
後退ベクトルは検出された物体の
物体ベクトルと一致していてもよい。同様に、
後退ベクトルの大きさは、
物体ベクトルの速度の大きさと同じであってもよく、それ以上であってもよく、またはそれ以下であってもよい。いくつかの実施では、
後退ベクトルの大きさは常に、
物体ベクトルの速度の大きさ以上であってもよく、最高でAAVの最大速度までである。他の実施では、
後退ベクトルの大きさは、AAVから物体の距離によって決まってもよい。例えば、
押し出し関数f(d)は、物体とAAV間の距離に基づく
後退ベクトルの大きさを調整するよう用いられるよう定められてもよい。例えば、
押し出し関数f(d)=1/dでは、dは検出された物体とAAV間の距離であり、
後退ベクトルを判断するために
物体ベクトルと組み合わされてもよい。
【数1】
【0071】
複数の物体が検出されるという実施においては、
後退ベクトルは各物体の判断された
押し出し関数及び/または各物体を代表する
物体ベクトルに基づいて判断されてもよい。例えば、
後退ベクトルは、
物体ベクトルと検出された物体それぞれの
押し出し関数との合計であってもよい。
【数2】
nは検出された物体の数である。
【0072】
いくつかの実施では、押し出し作用は、計測され、及び/または特定の曲線(例えば、放物線)に一致してもよい。例えば、押し出し作用の値は、最大値が1、最小値が0であり、最大値1は物体とAAV間の最小距離であり、及び/またはAAVのセンサーが検出できる最小距離であるというように計測されてもよい。同様に、最小値0は、センサーが検出できる最大距離、またはAAVからの定義された最大距離を表してもよい。例えば、0.1mの最小距離及び2.0mの最大距離は、AAVのために定められてもよく、本明細書に記述される実施に用いられてもよい。
【0073】
さらに他の実施では、
押し出し関数に基づく距離に基づいて
後退ベクトルを定めるよりむしろ、ある実施では、
押し出し関数が計算された「影響を与える時間」に基づいて判断されてもよい。例えば、前述のようにAAVに対する物体の速度、方向及び距離は、判断されてもよい。この情報を利用することは、物体がAAVと衝突するまでの残り時間が「影響を与える時間」(t)として計算されてもよい。そういった実施では、
後退ベクトルは前述と同じ方程式を用いて判断されるが、
押し出し関数は物体とAAV間の距離よりも影響を与える時間に基づいていてもよい。例えば、
押し出し関数はf(t)=1/tであり、tは検出された物体とAAV間に影響を与える時間である。
【0074】
押し出し関数に影響を与える時間を用いることは、物体が影響を与える時間がより長い他の物体よりもさらに距離が離れていたとしても、影響を与える時間がより短い物体にAAVがより強く作用できるという利点を提供する。例えば、2つの物体が接近していて、そのうち第1物体の距離0.5m及び影響を与える時間が15秒であり、第2の距離が1.0m及び影響を与える時間が8秒である場合、
押し出し関数に影響を与える時間を利用するという結果的
後退ベクトルは、影響を与える時間がより短い物体からの影響がより大きくなる。
【0075】
後退ベクトルを判断することに加え、810のように利用可能な防衛方向も同様に判断されてもよい。例えば、単一の物体が検出される場合、利用可能な防衛方向は、検出された物体を表す
物体ベクトルの方向とは一致しないあらゆる方向であってもよい。いくつかの実施では、防衛方向は、
物体ベクトルの方向とは異なる定義された角度以上であるそれらの方向であってもよい。例えば、利用可能な防衛方向は、
物体ベクトルの方向とは異なる35°以上のあらゆる方向であってもよい。さらに他の実施では、利用可能な防衛方向は、
物体ベクトルの方向とは異なる所定数の防衛方向であってもよい。例えば、利用可能な防衛方向は、
物体ベクトルの方向とは異なる30°、
物体ベクトルの方向とは異なる45°、
物体ベクトルとは異なる90°、または
物体ベクトルの方向とは異なる120°であるあらゆる方向であってもよい。AAVがあらゆる方向に移動できるので、
物体ベクトルの方向とは異なる利用可能な防衛方向の数は、回避する物体が単一であると見なされる時、基本的には無限である。
【0076】
複数の物体が検出される場合、利用可能な防衛方向は、全ての
物体ベクトルの方向及びAAVの位置を考慮してもよい。例えば、2つの物体のケースでは、
物体ベクトルとAAVの両方を含む平面は判断されてもよく、利用可能な防衛方向は判断された平面の表面(すなわち、防衛方向が平面とは異なる三次元で延びる)に沿っていないあらゆる方向であってもよい。他の実施では、利用可能な防衛方向は平面に沿っておらず、かつ定義された角度より大きい面とは異なる、あらゆる方向であってもよい。例えば、利用可能な防衛方向は、三次元において平面から35°以上のあらゆる方向であってもよい。さらに他の実施では、利用可能な防衛方向は、平面の表面からの所定数の防衛方向であってもよい。例えば、利用可能な防衛方向は、三次元において平面の表面から30°、三次元において平面の表面から45°、三次元において平面の表面から90°、または三次元において平面の表面から120°であるあらゆる方向であってもよい。
【0077】
さらに他の実施では、第1物体の
物体ベクトルに対して利用可能な防衛方向は判断されてもよく、第2
物体ベクトルに対して利用可能な防衛方向は判断されてもよい。2セットの利用可能な防衛方向はその後組み合わされるかまたは比較されてもよく、利用可能な防衛方向の両方のセットに存在する利用可能な防衛方向は、AAVが選択し得た防衛方向からの利用可能な防衛方向として識別されてもよい。2つ以上の物体が検出される時、各物体に利用可能な防衛方向を識別することは有意義である。例えば、2つの物体が検出され、その全てが同じ平面に沿って位置していない場合、各物体に利用可能な防衛方向は判断され、かつ各物体に対して利用可能な防衛方向は防衛方向を選択するために利用されてもよい。
【0078】
図8を再度参照して、812にように、AAVは判断された利用可能な防衛方向のセットから防衛方向を選択する。いくつかの実施では、防衛方向はランダムに、または疑似ランダムに選択されてもよい。防衛方向をランダムに、または疑似ランダムに選択することで、結果的回避行動は、発生ごとに変化し、それにより悪影響を及ぼす可能性のある物体はAAVの移動パターンを策定できない。例えば、物体がAAVに衝突する可能性のある鳥である場合、防衛方向及びそれにより結果的回避行動を変えることで、鳥はAAVの移動パターンに気づくことができない。
【0079】
後退ベクトル
の方向及び選択された防衛方向に基づいて、814にように回避行動は作り出される。いくつかの実施では、回避行動を作り出すことは、選択された防衛方向及び防衛方向における大きさを表す防衛ベクトルを判断することを含んでもよい。後退ベクトル及び防衛ベクトルはその後、回避行動として利用され得る回避ベクトルを作り出すために合計されてもよい。他の実施では、例示的プロセス800は、回避行動を生成するために、及び/または統一の大きさで防衛ベクトルを生成するために、後退ベクトル及び判断された防衛方向を考慮するだけでよい。回避行動は、後退ベクトルのために判断された大きさ及び後退ベクトル方向及び選択された防衛方向の組み合わせからの結果としての方向を利用してもよい。他の実施では、回避行動は、後退ベクトルのために判断された大きさ及び防衛方向のために判断された方向を利用してもよい。
【0080】
いくつかの実施では、例示的プロセスは、回避行動が実行される時間またはAAVと実行される回避行動を引き起こす物体(複数可)との間の距離を判断してもよい。例えば、物体と、行動を実行しかつ物体を避けるべきAAV間の最小距離は、物体の速度、影響を与える時間、及び/またはAAVの操縦性に基づいて判断されてもよい。物体が最小距離に達する時、AAVは回避行動を実行してもよい。回避行動の開始を待つことは、進路を調整し、AAVと連絡を取り続けるために接近する物体の能力を減少する。例えば、接近する物体が鳥であり、物体が最初に検出された時に回避行動が実行される場合、物体には進路を変更する時間があってもよく、それにより
物体ベクトルの方向及び/または大きさを変え、AAVと連絡を取り続ける。回避行動を実行する前に物体がAAVに近づくまで待つことで、物体(鳥)が回避行動に達するまでの時間が減少する。
【0081】
最終的に、回避行動及び任意的な実行時間/距離を判断した後に、例示的プロセス800は、816のように回避行動を実行する命令を提供する。
【0082】
いくつかの実施では、回避行動を判断すること及び実行することに加えて、例示的プロセスはAAV管理システム及び/または他のAAVに回避情報を提供してもよい。回避情報は、例えば、AAVの位置、回避行動、選択された防衛方向等を含んでもよい。以下に記述されるように、回避情報は維持され、かつ異なる位置及び/または異なる物体タイプごとに策定された好適な防衛方向であってもよい。
【0083】
図9は、実施に従って
後退ベクトル902、防衛方向904、及び
回避ベクトル906を判断するためのブロック図を描写する。
図9に説明される実施例では、立方体900で表されるAAVに接近していると検出された2つの物体908、910がある。それぞれの検出された物体908、910ごとに、AAVに対する物体の方向及び距離の両方を表す
物体ベクトル912、914が判断される。本実施例では2つの物体だけがあるので、物体908、910の両方に沿う面を有しAAVが位置する平面916が判断されてもよい。平面を判断することで、AAVに対する物体の方向は二次元で考慮でき、防衛方向は三次元において利用可能であってもよい。例えば、平面916の表面は二次元(x、y)に沿って位置するよう定義され、防衛方向904は平面の表面に位置しない三次元(z)において延びてもよい。
【0084】
この実施例では、2つの
物体ベクトル912、914の合計は判断され、
後退ベクトル902は2つの
物体ベクトル912、914及び2つの物体ごとに判断された
押し出し関数における要因の合計と一致するものとして生成される。防衛方向904は、三次元において(平面の表面に対して)おおよそ50°で下方に延びるよう、かつ(
後退ベクトルの方向に対して)おおよそ30°で左に延びるようランダムに選択される。判断された
後退ベクトル902及び選択された防衛方向904に基づいて、結果的
に回避ベクトル906は回避行動に利用されるよう判断されてもよい。この実施例では、
回避ベクトル906は、
後退ベクトル902と、選択された防衛方向及び統一の大きさを有する
防衛ベクトルとの合計である。
【0085】
図10は、実施に従う他の例示的な物体回避プロセス1000を説明するフロー図である。例示的処理1000は、例えば1002において前述の1つ以上の実施を用いて物体をスキャンすることで始まる。いくつかの実施では、検出の複数のノードが利用されてもよい。例えば、物体の位置を識別し、及び/または判断するために距離判断要素及び画像撮影装置(例えば、カメラ)の両方が一緒に用いられてもよい。同様に、いくつかの実施では、距離判断要素の複数の形式が利用されてもよい。例えば、AAVと物体の間の距離を判断するために、測距レーザー信号及びソーナーの両方が用いられてもよい。
【0086】
AAVが物体をスキャンするにつれて、1004のように物体が検出されたかどうかの判断が成される。物体が検出されないという判断である場合には、例示的プロセス1000はブロック1002に戻り、そして続けられる。しかしながら、物体が検出された場合、AAVに対する物体の距離、AAVに対する物体の方向及び/または
物体ベクトルは、1006のように判断される。この実施では、AAVの絶対的位置は例えばGPSデータに基づいて把握されてもよく、検出された物体それぞれに対応する方向及び距離はAAVの絶対的位置に対して判断されてもよい。
物体ベクトルは、AAVに対する物体の方向及び物体の距離の両方を表してもよい。
【0087】
物体ベクトルを判断するために、いくつかの実施では、物体とAAV間の距離における複数のサンプリングが一定期間にわたって判断されてもよい。サンプル及び一定期間はその後、AAVに対する物体の方向及び距離の両方を判断するのに用いられる。
【0088】
いくつかの実施では、複数の物体が検出されてもよい。複数の物体が検出される時、AAVに対する各物体の方向及び距離は判断されてもよい。同様に、AAVに対する各物体の距離及び方向を表す
物体ベクトルは、各物体に判断されてもよい。
【0089】
物体及び
物体ベクトルの位置を判断することに加えて、AAV及び/または物体タイプの位置が1008のように判断されてもよい。例えば、AAVが誘導のためにGPSを利用する場合、AAVの位置は現在のGPSデータに基づいていてもよい。物体のための物体タイプは、例えば物体の追加的分析に基づいて判断されてもよい。例えば、物体を識別するために、物体の1つ以上の画像が撮影され、かつ処理されてもよい。例えば、物体タイプを判断するために、パターン照合アルゴリズム、物体検出アルゴリズム及び/または形状検出アルゴリズムのうちの1つ以上が実行されてもよい。
【0090】
物体の画像処理は、AAVに搭載された1つ以上のプロセッサ及び/または1つ以上のコンピューティングシステムを用いて成されてもよい。いくつかの実施では、撮影された画像の最初の処理は、最初の物体タイプを判断するためにAAVに局所的に実行されてもよい。例えば、撮影された画像は物体の形状を判断するために処理されてもよく、判断された形状は物体タイプを判断するために既知の物体形状(例えば、鳥、AAV)と比較されてもよい。物体タイプが局所的に判断できない場合、さらなる処理及び物体識別のために、画像はAAV管理システムに提供されてもよい。
【0091】
図10を再度参照して、検出された物体それぞれの距離(複数可)及び
物体ベクトル(複数可)に基づいて、AAVに対応する
後退ベクトルは1010のように判断されてもよい。単一の物体が検出されるという実施においては、
後退ベクトルは検出された物体の
物体ベクトルと一致していてもよい。同様に、
後退ベクトルの大きさは、物体の速度の大きさと同じであってもよく、それ以上であってもよく、またはそれ以下であってもよい。いくつかの実施では、
後退ベクトルの大きさは常に、物体の速度の大きさ以上であってもよく、最高でAAVの最大速度まである。他の実施では、
後退ベクトルは
押し出し関数における要因であってもよく、前述のように物体とAAV間の距離、または影響を与える時間に基づいている。複数の物体が検出されるという実施では、各物体の方向、各物体を表す
物体ベクトル及び/または各検出された物体ごとに判断された
押し出し関数に基づいて
後退ベクトルは判断される。2つの物体を検出する実施例を続けて、
後退ベクトルは、
物体ベクトルと各物体の
押し出し関数との合計であってもよい。
【0092】
後退ベクトルの大きさ及び/または方向は同様に、AAVの位置に基づいて、及び/または判断された物体タイプに基づいて調整されてもよい。例えば、物体タイプが鳥であると判断される場合、鳥の最大予測速度は判断されてもよく、
後退ベクトルの大きさは物体の最大予測速度を超えるよう増加してもよい。他の実施例では、特定の物体タイプが頻繁に出没する位置にAAVがいると判断される場合、
後退ベクトルの方向及び/または大きさは、物体タイプが検出された物体であるという可能性に基づいて調整されてもよい。
【0093】
判断ブロック1014において位置及び/または物体に関して利用可能である好適な防衛方向がないと判断された場合、及び/または判断ブロック1016において利用可能である好適な防衛方向がないと判断された場合、1017に記述されるように、利用可能な防衛方向が判断される。例えば、単一の物体が検出される場合、利用可能な防衛方向は、検出された物体を表す
物体ベクトルの方向とは一致しないあらゆる方向であってもよい。いくつかの実施では、防衛方向は、
物体ベクトルの方向とは異なる定義された角度以上であるそれらの方向であってもよい。例えば、利用可能な防衛方向は、
物体ベクトルの方向とは異なる35°以上のあらゆる方向であってもよい。さらに他の実施では、利用可能な防衛方向は、
物体ベクトルの方向とは異なる所定数の防衛方向であってもよい。例えば、利用可能な防衛方向は、
物体ベクトルの方向とは異なる30°、
物体ベクトルの方向とは異なる45°、
物体ベクトルの方向とは異なる90°、または
物体ベクトルの方向とは異なる120°であるあらゆる方向であってもよい。AAVがあらゆる方向に移動できるので、
物体ベクトルの方向とは異なる利用可能な防衛方向の数は、回避する物体が単一であると見なされる時、基本的には無限である。
【0094】
実施例として、物体タイプが鳥である場合、鳥の移動方向から下方の方向及び/または右への防衛方向が、鳥の移動方向から上方の方向及び/または左への防衛方向よりもより成功したという、他のAAVによる過去の鳥との遭遇から判断されてもよい。そういった実施例では、鳥の移動方向から下方及び/または右への防衛方向は、好適な防衛方向であると見なされる。類似の方法で、他のAAVが物体を回避するために回避行動を実行したことのある場所にAAVがいる場合、それらの過去の経験に基づいて、防衛方向は回避行動の成功をもたらすと判断されてもよく、かつそれらの防衛方向は好適な防衛方向として識別されてもよい。
【0095】
好適な防衛方向は物体及び/またはAAVの場所に存在することを判断する場合、1016のように、1つ以上の好適な防衛方向が利用可能かどうかについての判断が成される。例えば、好適な防衛方向が検出された物体の方向から下方及び/または左方である場合、複数の物体があっても好適な防衛方向であるという利用可能な防衛方向はないという判断がされてもよい。利用可能である好適な防衛方向がないと判断された場合、または判断ブロック1014において好適な防衛方向がないと判断された場合、1017(以下に記述される)のように、利用可能な防衛方向が判断されてもよい。
【0096】
しかしながら、利用可能である好適な防衛方向があると判断された場合、1020のように、防衛方向は利用可能である好適な防衛方向のセットから選択される。防衛方向の選択に類似して、好適な防衛方向は利用可能である好適な防衛方向のセットからランダムに、または疑似ランダムに選択されてもよい。
【0097】
ランダムに、または疑似ランダムに防衛方向を選択することにより、結果的回避行動は発生毎に変化し、それにより悪影響を及ぼす可能性のある物体は、AAVの移動パターンを判断できない。例えば、物体がAAVに衝突する可能性のある鳥である場合、防衛方向及びそれにより結果的回避行動を変えることで、鳥はAAVの移動パターンに気づくことができない。
【0098】
判断ブロック1014において位置及び/または物体に関して利用可能である好適な防衛方向がないと判断された場合、及び/または判断ブロック1016において利用可能である好適な防衛方向がないと判断された場合、1017に記述されるように、利用可能な防衛方向が判断される。例えば、単一の物体が検出される場合、利用可能な防衛方向は、検出された物体を表す物体軌道の方向とは一致しないあらゆる方向であってもよい。いくつかの実施では、防衛方向は、物体軌道の方向とは異なる定義された角度以上であるそれらの方向であってもよい。例えば、利用可能な防衛方向は、物体軌道の方向とは異なる35°以上のあらゆる方向であってもよい。さらに他の実施では、利用可能な防衛方向は、物体軌道の方向とは異なる所定数の防衛方向であってもよい。例えば、利用可能な防衛方向は、物体軌道の方向とは異なる30°、物体軌道の方向とは異なる45°、物体軌道の方向とは異なる90°、または物体軌道の方向とは異なる120°であるあらゆる方向であってもよい。AAVがあらゆる方向に移動できるので、物体軌道の方向とは異なる利用可能な防衛方向の数は、回避する物体が単一であると見なされる時、基本的には無限である。
【0099】
複数の物体が検出される場合、利用可能な防衛方向は、全ての
物体ベクトルの方向及びAAVの位置を考慮してもよい。例えば、2つの物体のケースでは、
物体ベクトルとAAVの両方を含む平面は判断されてもよく、利用可能な防衛方向は判断された平面(すなわち、防衛方向が平面とは異なる三次元で延びる)に沿っていないあらゆる方向であってもよい。他の実施では、利用可能な防衛方向は平面に沿っておらず、かつ定義された角度より大きい面とは異なる、あらゆる方向であってもよい。例えば、利用可能な防衛方向は、三次元において平面から35°以上のあらゆる方向であってもよい。さらに他の実施では、利用可能な防衛方向は、平面の表面からの所定数の防衛方向であってもよい。例えば、利用可能な防衛方向は、三次元において平面の表面から30°、三次元において平面の表面から45°、三次元において平面の表面から90°、または三次元において平面の表面から120°であるあらゆる方向であってもよい。
【0100】
さらに他の実施では、第1物体の
物体ベクトルに対して利用可能な防衛方向は判断されてもよく、第2
物体ベクトルに対して利用可能な防衛方向は判断されてもよい。2セットの利用可能な防衛方向はその後組み合わされるかまたは比較されてもよく、利用可能な防衛方向の両方のセットに存在する利用可能な防衛方向は、AAVが選択し得た防衛方向からの利用可能な防衛方向として識別されてもよい。2つ以上の物体が検出される時、各物体に利用可能な防衛方向を識別することは有意義である。例えば、2つの物体が検出され、その全てが同じ平面に沿って位置していない場合、各物体に利用可能な防衛方向は判断され、かつ各物体に対して利用可能な防衛方向は防衛方向を選択するために利用されてもよい。
【0101】
1018のように、利用可能なAAV防衛方向から、防衛方向は選択される。いくつかの実施では、AAV防衛方向はランダムに、または疑似ランダムに選択されてもよい。ランダムに、または疑似ランダムに防衛方向を選択することにより、結果的回避行動は発生毎に変化し、それにより悪影響を及ぼす可能性のある物体は、AAVの移動パターンを判断できない。例えば、物体がAAVに衝突する可能性のある鳥である場合、防衛方向及びそれにより結果的回避行動を変えることで、鳥はAAVの移動パターンに気づくことができない。
【0102】
後退ベクトル
の方向及び選択された防衛方向(利用可能である好適な防衛方向または利用可能である防衛方向のいずれか)に基づいて、1022のように回避行動は作り出される。いくつかの実施では、回避行動を作り出すことは、選択された防衛方向及び防衛方向における大きさを表す防衛ベクトルを判断することを含んでもよい。後退ベクトル及び防衛ベクトルはその後、回避行動として利用され得る回避ベクトルを作り出すために合計されてもよい。他の実施では、例示的プロセス1000は、回避行動を生成する及び/または統一の大きさで防衛ベクトルを生成するために、後退ベクトル及び判断された防衛方向を考慮するだけでもよい。回避行動は、後退ベクトルのために判断された大きさ及び後退ベクトル方向及び選択された防衛方向の組み合わせからの結果としての方向を利用してもよい。
【0103】
いくつかの実施では、例示的プロセスは、回避行動が実行される時間またはAAVと実行される回避行動を引き起こす物体(複数可)との間の距離を判断してもよい。例えば、物体と、行動を実行しかつ物体を避けるべきAAV間の最小距離は、物体の速度及びAAVの操縦性に基づいて判断されてもよい。物体が最小距離に達する時、AAVは回避行動を実行してもよい。回避行動の開始を待つことは、進路を調整し、AAVと連絡を取り続けるために接近する物体の能力を減少する。例えば、接近する物体が鳥であり、鳥が最初に検出される時に回避行動が実行される場合、鳥は進路を変更する時間があってもよく、それにより
物体ベクトルの方向及び/または大きさを変え、AAVと連絡を取り続ける。回避行動を実行する前に鳥がAAVにさらに近づくまで待つことで、物体(鳥)が回避行動に達するまでの時間が減少する。
【0104】
最終的に、回避行動及び任意的な実行時間/距離を判断した後に、例示的プロセス1000は、1024のように回避行動を実行する命令を提供する。
【0105】
いくつかの実施では、回避行動を判断すること及び実行することに加えて、例示的プロセスはAAV管理システム及び/または他のAAVに回避情報を提供してもよい。回避情報は、例えばAAVの位置、回避行動、選択された防衛方向、判断された物体タイプ等を含んでもよい。
【0106】
図11は、AAV100の例示的AAV制御システム110を説明するブロック図である。様々な実施例では、前述のような様々なシステム及び方法を実行するのに用いられ得るブロック図はAAV制御システム110の1つ以上の態様を説明してもよい。説明される実施では、AAV制御システム110は、入力/出力(I/O)インターフェース1110を介して持続性のコンピュータ読み取り可能記憶媒体1120に接続された1つ以上のプロセッサ1102を備える。AAV制御システム110はさらに、プロペラモーターコントローラ1104、電力供給モジュール1106及び/またはナビゲーションシステム1108を備えてもよい。AAV制御システム110はさらに、物体検出及び回避コントローラ1112、ネットワークインターフェース1116、及び1つ以上の入力/出力装置1118を備える。
【0107】
様々な実施では、AAV制御システム110は、1つのプロセッサ1102を備える単一プロセッサシステム、または複数のプロセッサ1102(例えば、2、4、8、または他の適切な数)を備える多重プロセッサシステムであってもよい。プロセッサ(複数可)1102は、命令を実行できるあらゆる適切なプロセッサであってもよい。例えば、様々な実施では、プロセッサ(複数可)1102は、x86、パワーPC、SPARC、またはMIPS ISA、またはあらゆる他の適切なISAといった様々な命令セットアーキテクチャ(ISA)のいずれかを実行する汎用または組込プロセッサであってもよい。多重プロセッサシステムでは、必ずしもというわけではないが、各プロセッサ1102(複数可)は一般的に同じISAを実行してもよい。
【0108】
持続性のコンピュータ読み取り可能記憶媒体1120は、実行可能な命令、データ、飛行経路及び/またはプロセッサ(複数可)1102によってアクセス可能なデータアイテムを格納するよう構成されてもよい。様々な実施では、持続性のコンピュータ読み取り可能記憶媒体1120は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、同時性のダイナミックRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュタイプのメモリ、またはあらゆる他のタイプのメモリといったような、あらゆる適切なメモリ技術を用いて実行されてもよい。説明される実施では、前述のような、プログラム命令及びデータ実行する望ましい機能は、プログラム命令1122、データ格納1124及び飛行経路データ1126としてそれぞれ、持続性のコンピュータ読み取り可能記憶媒体1120に格納されるよう示される。他の実施では、プログラム命令、データ及び/または飛行経路は、持続性媒体、または持続性のコンピュータ読み取り可能記憶媒体1120またはAAV制御システム110から独立した類似の媒体に受信され、送られ、または格納されてもよい。飛行経路データは、例えば、回避行動、防衛方向、回避情報等を含んでもよい。
【0109】
一概には、持続性の、コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、例えば、ディスクまたはCD/DVD−ROMである、磁気または光媒体といった記憶媒体またはメモリ媒体を含んでもよく、I/Oインターフェース1110を介してAAV制御システム110に接続される。プログラム命令及び持続性のコンピュータ読み取り可能媒体を介して格納されるデータは、電気的、電磁気的、またはデジタル信号といった送信媒体または信号により送信されてもよく、ネットワークインターフェース1116を介して実行され得るようなネットワーク及び/または無線リンクといった通信媒体を介して伝達されてもよい。
【0110】
1つの実施では、I/Oインターフェース1110は、プロセッサ(複数可)1102、持続性のコンピュータ読み取り可能記憶媒体1120、及びあらゆる周辺機器、入力/出力装置1118といったようなネットワークインターフェースまたは他の周辺インターフェースの間のI/Oトラフィックを連動するよう構成されてもよい。いくつかの実施では、I/Oインターフェース1110は、1つの構成要素(例えば、持続性のコンピュータ読み取り可能記憶媒体1120)からのデータ信号を他の構成要素(例えば、プロセッサ(複数可)1102)により使われるための適切なフォーマットに変換するために、あらゆる必要なプロトコル、タイミングまたは他のデータ変換を実行してもよい。いくつかの実施では、I/Oインターフェース1110は、例えば、周辺機器用コンポーネント接続(PCI)バス規格またはユニバーサルシリアルバス(USB)規格の変異といった様々なタイプの周辺機器用バスを通じて取り付けられる装置用のサポートを含んでもよい。いくつかの実施では、I/Oインターフェース1110の機能は、例えば、ノースブリッジ及びサウスブリッジといったように、2つ以上の分割した構成要素へと分けられてもよい。同様に、いくつかの実施では、持続性のコンピュータ読み取り可能記憶媒体1120へのインターフェースといったような、I/Oインターフェース1110の機能のいくつかまたは全ては、プロセッサ(複数可)1102へと直接組み込まれてもよい。
【0111】
プロペラモーター(複数可)コントローラ1104は、判断された飛行経路に沿ってAAVを誘導し、及び/または回避行動を実行するためにナビゲーションシステム1108と通信し、かつ各プロペラモーターの動力を調整する。ナビゲーションシステム1108は、GPSまたはAAVを場所へ、及び/または場所から誘導するために用いることができる他の類似のシステムを含んでもよい。物体検出及び回避コントローラ1112は、前述のように、距離判断要素と通信し、かつ距離判断要素から受信した情報を処理する。例えば、距離判断要素から受信した情報は、物体の存在を検出し、AAVに対する物体の位置を判断し、物体の方向及び速度の大きさを表す
物体ベクトルを判断する等を行うために処理されてもよい。
【0112】
ネットワークインターフェース1116は、AAV制御システム110、他のコンピュータシステムといったようなネットワークに接続された他の装置、及び/または他のAAVのAAV制御システムとの間でデータ交換できるよう構成されてもよい。例えば、ネットワークインターフェース1116は、多くのAAV間で無線通信を利用してもよい。様々な実施では、ネットワークインターフェース1116は、Wi−Fiネットワークといった無線一般データネットワークを介した通信をサポートしてもよい。例えば、ネットワークインターフェース1116は、セルラー方式通信ネットワーク、衛星ネットワーク等といった電気通信ネットワークを介した通信をサポートしてもよい。
【0113】
入力/出力装置1118は、いくつかの実施では、ディスプレイ、画像撮影装置、熱センサー、赤外線センサー、飛行時間型センサー、加速度計、圧力センサー、天気センサー等のうち1つ以上を含んでもよい。複数の入力/出力装置1118があってもよく、AAV制御システム110により制御されてもよい。それらのセンサーのうち1つ以上は、着陸をアシストするため、さらに飛行中に障害物を避けるために利用されてもよい。
【0114】
図11に示されるように、メモリはプログラム命令1122を含んでもよい。前述の例示的プロセス及び/または副プロセスを実行するよう構成されてもよい。データ格納1124は、データアイテムを保持するための様々なデータ格納を含んでもよく、飛行経路の判断、物体識別、回避行動生成、在庫品回収、着陸、在庫品解放のための水平面識別のために提供されてもよい。
【0115】
様々な実施は、パラメータ値及び1つ以上のデータ格納に含まれるような本明細書に説明される他のデータは、記述されていない他の情報と組み合わされてもよく、または異なるデータ構造、それ以上、それ以下へと異なるように分けられてもよい。いくつかの実施では、データ格納は1つのメモリ内に物理的に配置されてもよく、または2つ以上のメモリへと分散されてもよい。
【0116】
AAV制御システム110は単に実例としてのためであり、本開示の範囲を限定する意図がないことは、当業者は理解するであろう。特に、コンピューティングシステム及び装置は、コンピュータ、ネットワーク装置、インターネット機器、PDA、無線電話、ページャー等を含む、指定された機能を実行できるハードウェアまたはソフトウェアのあらゆる組み合わせを含んでもよい。AAV制御システム110はさらに、説明されていない他の装置に接続されてもよく、または代わりにスタンドアロンシステムとして動作してもよい。さらに、説明された構成要素により提供される機能は、いくつかの実施においてはより少ない構成要素で組み合わされてもよく、または追加的構成要素に分散されてもよい。同様に、いくつかの実施では、説明された構成要素のいくつかの機能が提供されなくてもよいか、及び/または他の追加的機能が利用可能であってもよい。
【0117】
使用中において様々なアイテムがメモリまたは記録装置に格納されるように説明される一方で、これらのアイテムまたはそれらの一部は、メモリ管理またはデータ整合性の目的のためにメモリと他の記録装置の間で送信されてもよい。あるいは、他の実施では、ソフトウェア構成要素のいくつかまたは全ては、他の装置上のメモリにおいて実行され、かつ説明されるAAV制御システム110と通信してもよい。システム構成要素またはデータ構成のうちいくつかまたは全ては同様に、持続性のコンピュータアクセス可能な媒体または適切なドライブにより読み取るための携帯型製品、前述の様々な実施例に格納されてもよい(命令または構成データとして)。いくつかの実施では、AAV制御システム110から独立したコンピュータアクセス可能な媒体に格納された命令は、伝送媒体または電気的、電磁気的、またはデジタル信号といった信号を介してAAV制御システム110へ送信され、無線リンクといった通信媒体を介して伝達されてもよい。様々な実施はさらに、コンピュータアクセス可能な媒体における先の記述に従って実行される命令及び/またはデータを受信すること、送信することまたは格納することを含んでもよい。従って、本明細書に記述の技術は、他のAAV制御システム構成に使用されてもよい。
【0118】
図12は、本明細書に記述される実施に用いられ得るサーバーシステム720といった、サーバーシステムの実例的実施の絵図である。サーバーシステム720は、1つ以上の冗長プロセッサといったプロセッサ1200、ビデオディスプレイアダプタ1202、ディスクドライブ1204、入力/出力インターフェース1206、ネットワークインターフェース1208、及びメモリ1212を備えてもよい。プロセッサ1200、ビデオディスプレイアダプタ1202、ディスクドライブ1204、入力/出力インターフェース1206、ネットワークインターフェース1208、及びメモリ1212は、通信バス1210により互いに通信可能なように接続されてもよい。
【0119】
ビデオディスプレイアダプタ1202は、サーバーシステム720の動作がサーバーシステム720の動作を監視し、かつ構成することを許可するディスプレイ信号をローカルなディスプレイ(
図12に示されていない)に供給する。入力/出力インターフェース1206は同様に、マウス、キーボード、スキャナ、またはサーバーシステム720の動作により動作できる他の入力及び出力装置といった
図12に示されていない外部入力/出力装置と通信する。ネットワークインターフェース1208は、他のコンピューティング装置と通信するためのハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを備える。例えば、ネットワークインターフェース1208は、サーバーシステム720と、
図7に示されるようなAAV、荷役施設、中継場所及び/または配送場所といった他のコンピューティング装置との間に通信を供給するよう構成されてもよい。
【0120】
メモリ1212は、一般的にランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、及び/または他の揮発性または永続的なメモリを含む。メモリ1212は、サーバーシステム720の動作を制御するためのオペレーティングシステム1214を格納するよう示される。サーバーシステム720の低位動作を制御するためのバイナリ入力/出力システム(BIOS)1216は、同様にメモリ1212に格納される。
【0121】
メモリ1212はさらに、AAV管理システム726にネットワークサービスを提供するためにプログラムコード及びデータを格納する。従って、メモリ1212はブラウザアプリケーション1218を格納してもよい。ブラウザアプリケーション1218は、プロセッサ1200によって実行される時にウェブページといった設定可能なマークアップドキュメントを生成するかまたは得る、コンピュータ実行可能な命令を含む。ブラウザアプリケーション1218は、AAVデータ格納1222及び/または他のデータ格納との間でデータ交換を促進するためにデータ格納管理アプリケーション1220と通信する。
【0122】
本明細書に用いられる、「データ格納」という用語は、データを格納、アクセス及び回収できるあらゆる装置または装置の組み合わせを指し、あらゆる規格で、環境に分散されたかまたはクラスタされたデータサーバー、データベース、データ格納装置及びデータ格納媒体のあらゆる組み合わせ及びその多くを含んでもよい。サーバーシステム720は、AAV管理システム、AAV、荷役施設、配送場所、及び/または中継場所のために1つ以上のアプリケーションの態様を必要に応じて実行するようAAVデータ格納1222と統合するための、あらゆる適切なハードウェア及びソフトウェアを含むことができる。
【0123】
データ格納1222は、複数の分割されたデータテーブル、データベースまたは他のデータ格納メカニズム及び特定の態様についてのデータを格納するための媒体を含むことができる。例えば、説明されるデータ格納1222は、AAV管理システム726、荷役施設、配送場所、中継場所、及び/またはユーザーに情報を生成して送るのに用いることができる、AAV情報、天気情報、飛行経路情報、出発地情報、目的地情報、回避情報等を含む。
【0124】
AAVデータ格納1222に格納され得る多くの他の態様があってもよいことが理解されるべきである。データ格納1222は、サーバーシステム720から命令を受信し、獲得し、更新するかまたは対応するところへデータを処理するために関連する論理回路を通じて動作可能である。
【0125】
メモリ1212はさらに、前述のAAV管理システム726を含んでもよい。AAV管理システム726は、サーバーシステム720の1つ以上の機能を実行するためにプロセッサ1200によって実行可能であってもよい。1つの実施では、AAV管理システム726は、メモリ1212に格納された1つ以上のソフトウェアプログラムに具現化される命令を表してもよい。他の実施では、AAV管理システム726は、ハードウェア、ソフトウェア命令、またはそれらの組み合わせを表すことができる。
【0126】
サーバーシステム720は1つの実施では、通信リンク、1つ以上のコンピュータネットワークを用いて、または直接通信を介して内部通信する複数のコンピュータシステム及び構成要素を利用する分散環境である。しかしながら、そういったシステムは
図12に説明される構成要素の数よりも少ないかまたは多いシステムで同じように動作できることが、当業者にはわかるであろう。よって、
図12の描写は、本来は実例として受け取られるべきであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0127】
1つ以上の選択された実施形態では、自動航空機の経路を変更するためのコンピュータ実行方法は、物体の存在を検出することと、自動航空機に対する物体の距離及び方向を表す
物体ベクトルを判断することと、検出された物体と自動航空機間の距離を表す
押し出し関数を判断することと、
物体ベクトル及び
押し出し関数の少なくとも一部に基づいて
後退ベクトルを判断することと、
物体ベクトルの少なくとも一部に基づいて複数の利用可能な防衛方向を判断することと、複数の利用可能な防衛方向のそれぞれが
物体ベクトルの方向とは異なる方向に対応し、複数の利用可能な防衛方向から利用可能な防衛方向をランダムに選択することと、
後退ベクトル及びランダムに選択された防衛方向の少なくとも一部に基づいて回避行動を生成することと、及び物体を回避するための回避行動を実行することと、のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0128】
あるいは、上記のコンピュータ実行方法は、
後退ベクトルの大きさ及びランダムに選択された防衛方向のうち少なくとも一部に基づいて回避行動を生成することと、物体と自動航空機間における逆の距離の少なくとも一部に基づいて
押し出し関数を判断することと、及び物体タイプまたは自動航空機の位置のうち少なくとも一部に基づいて防衛方向を選択することと、のうち1つ以上(すなわち、単独または組み合わせで)をさらに含んでもよい。さらに、選択された実施形態では、
物体ベクトル及び
後退ベクトルは第1平面にあってもよく、防衛方向は第1平面と実質的に垂直であってもよく、かつ回避行動は第1平面になくてもよい。
【0129】
1つ以上の選択された実施形態では、自動航空機の物体回避システムは、自動航空機に接続され、自動航空機の定義された距離内にある物体の存在を検出するよう構成された物体検出要素と、自動航空機に接続され、回避行動を判断するよう構成された回避判断要素と、回避行動は物体の距離及び方向を表す
物体ベクトル及び
物体ベクトルの方向とは異なる防衛方向のうち少なくとも一部に基づいて判断されてもよく、回避行動を自動的に実行するためのナビゲーション構成要素と、のうち1つ以上を含んでもよい。
【0130】
あるいは上記の物体回避システムはさらに、物体が検出される時の自動航空機の位置、検出された物体の位置、物体タイプ、物体の方向、防衛方向または回避行動のうち少なくとも1つを報告するよう構成された通信要素をさらに含んでもよい。
【0131】
さらに、前述の物体回避システムは、回避行動及び自動航空機に対する物体速度の大きさよりも大きい
回避ベクトルの大きさを表す
回避ベクトルと、複数の利用可能な防衛方向からランダムに選択される防衛方向と、複数の利用可能な防衛方向は物体の移動方向、物体タイプ、または自動航空機の位置のうち少なくとも1つのうち少なくとも一部に基づいて任意的に判断され、物体検出要素はさらに、自動航空機の定義された距離内にある第2物体の存在を検出するよう構成され、回避行動はさらに、第2物体と自動航空機との間に影響を与える時間の少なくとも一部に基づいて判断され、回避行動は物体の距離及び方向を表す
物体ベクトルと第2物体の第2距離及び第2方向を表す第2
物体ベクトルとの合計の少なくとも一部に任意的に基づいており、回避行動はさらに、物体のために判断された第1
押し出し関数及び第2物体のために判断された第2
押し出し関数のうち少なくとも一部に任意的に基づいており、第1
押し出し関数は物体と自動航空機間の距離または物体と自動航空機間に影響を与える時間のうち少なくとも一部に任意的に基づいており、かつ
物体ベクトル及び第2
物体ベクトルは、自動航空機に対する第1平面に任意的に位置しており、防衛方向は第1平面とは異なる第2平面に任意的に位置しており、及び物体が検出される時の自動航空機の位置、検出された物体の位置、物体タイプ、物体の方向、防衛方向及び回避行動のうち少なくとも1つを報告するよう構成された通信要素と、のうち任意的に1つ以上を含んでもよい。
【0132】
1つ以上の選択された実施形態では、自動航空機は、本体と、複数のモーターと、本体の定義された距離内にある物体の存在を検出するよう構成された物体検出要素と、1つ以上のプロセッサに接続され、かつ1つ以上のプロセッサにより実行される時に1つ以上のプロセッサに検出された物体を表す
物体ベクトルを判断すること、
物体ベクトルの少なくとも一部に基づいて検出された物体を回避するよう自動航空機を誘導するための第1方向及び第1大きさを表す
後退ベクトルを判断することと、
物体ベクトルの少なくとも一部に基づいて検出された物体を回避するよう自動航空機を誘導するための第2方向及び第2大きさを表す防衛方向を判断することと、
後退ベクトル及び防衛方向のうち少なくとも一部に基づいて
回避ベクトルを生成することと、
回避ベクトルは
後退ベクトル及び防衛方向の組み合わせであり、
回避ベクトルに従って自動航空機を誘導するための命令を与えることと、を引き起こすプログラム命令を格納するメモリと、のうち1つ以上を含んでもよい。
【0133】
あるいは、上記の自動航空機は、自動航空機に対する検出された物体の方向及び自動航空機に対する検出された物体の距離を含む、検出された物体を表す
物体ベクトルと、第1方向にある
物体ベクトル及び第1方向と交差する第2方向にある防衛方向と、第1方向及び第2方向のそれぞれと交差する第3方向にある
回避ベクトルと、及び検出された物体の方向とは異なる複数の方向からランダムに選択された防衛方向と、のうち1つ以上(すなわち、単独または組み合わせで)を任意的に含んでもよい。
【0134】
いくつかの実施では、前述のプロセス及びシステムにより提供される機能が、より多いソフトウェアモジュールまたはルーティンに分けられる、またはより少ないモジュールまたはルーティンに統合される、といったような代替的方法においても提供されてもよいことが当業者には明らかとなる。同様に、いくつかの実施では、実例的プロセス及びシステムは、他の実例的プロセスがそういった機能を不足しているかまたは含んでいる時、または提供される機能の量が変更される時、といったように記述される物よりもより多いかまたはより少ない機能を提供してもよい。さらに、様々な動作が特定の方法(例えば、連続で、または同時に)及び/または特定の順番で実行されるように説明されてもよい一方で、他の実施では動作は他の順番及び他の方法で実行されてもよいことが当業者には明らかとなる。前述のデータ構造は、単一のデータ構造を複数のデータ構造へと分割することで、または複数のデータ構造を単一のデータ構造へと統合することで、といったように異なる方法で構成されてもよいことが当業者には同様に明らかとなる。同様に、いくつかの実施では、実例的データ構造は、他の説明されたデータ構造がそういった情報に対して不足しているかまたは含んでいる時、または格納された情報の量またはタイプが変更される時、といったように記述されるよりもさらに少ないかまたはさらに多い情報を格納してもよい。図に説明され、かつ本明細書に記述されるような様々な方法及びシステムは、例示的実施を表す。他の実施では、方法及びシステムは、ソフトウェア、ハードウェアまたはそれらの組み合わせにおいて実行されてもよい。同様に、あらゆる方法の順番は変更されてもよく、他の実施では様々な構成要素が加えられ、順序が変えられ、組み合わされ、省略され、修正される、等してもよい。
【0135】
特定の実施が説明の目的で本明細書に記述されてきたが、様々な修正が附随の特許請求項及び本明細書に列挙された構成要素の目的及び範囲から逸脱することなく行われてもよいことが、上記からもあきらかである。さらに、特定の態様が以下の特定の特許請求形式で表される一方で、発明者はあらゆる利用可能な特許請求形式で様々な態様を熟考する。例えば、いくつかの態様のみがコンピュータ読み取り可能記憶媒体に具現化されるものとしてここで列挙されてもよい一方で、他の態様も同様に具現化されてもよい。様々な修正及び変更が当業者によって本開示の利点を持って明白に行われてもよい。そういった修正及び変更の全てを包含する意図があり、従って上の記述は限定的意味というよりは実例として見なされる。