(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の記述は、単なる例示であり、本発明、または本発明の適用および使用を限定することを意図するものではない。さらに、上述の背景技術または以下の記述に提示されるいかなる理論にも束縛されることを意図するものでもない。
【0012】
本明細書で考慮される様々な実施形態は、ルーフィング製品の作製に適する向上された耐オイルブリード性および向上された耐熱性を有するアスファルト組成物に関する。そのようなルーフィング製品としては、これらに限定されないが、ルーフィングシングル、ルーフィング膜(ロールルーフィングとしても知られる)、および様々な建築用途(トンネル、商業用および住居用建物など)のための防水膜が挙げられる。代表的実施形態では、アスファルト組成物は、非酸化ベースアスファルトおよび少量の低MWポリオレフィンを含む。アスファルト組成物中に低MWポリオレフィンが存在することで、耐オイルブリード性が上昇し、耐熱性が向上するが、アスファルト組成物が、無機充填剤、再利用材料、性能添加剤、またはこれらの組み合わせなどのその他の成分を含有する場合であっても、一般的に、低温屈曲性(cold bending)、軟化点、針入度、および粘度などのルーフィング製品のその他の重要な性質が負の形で干渉を受けることはない。さらに、上述のアスファルト組成物、さらには無機充填剤、再利用材料、またはこれらの組み合わせを含む充填アスファルト材料も提供される。オイル、可塑剤、酸化防止剤などのその他の周知の添加剤も含められてよい。アスファルト組成物および充填アスファルト材料を作製する方法も提供される。
【0013】
理論に束縛されるものではないが、アスファルトルーフィング製品のオイルブリードまたは変色は、主として、ルーフィング製品の低分子量のオイル分がアスファルトルーフィング製品の表面に移行した場合に発生するものと考えられる。この結果、防水膜間および防水膜と建築デッキとの間の接着性が喪失され得る。このような低分子量オイルは、ルーフィング製品の最表面中に埋め込まれるルーフィング粒状物(roofing granules)(例:充填剤または骨材)によって吸収され、ルーフィング粒状物の変色を引き起こす場合もある。粒状物が変色したアスファルトルーフィング製品は、エンドユーザーにとって美観上許容されず、従って、使用することができない。従って、大量のアスファルトルーフィング材料が無駄となる。場合によっては、接着性の喪失または粒状物の変色は、ルーフィング製品が設置された後に発生し、その結果として、ルーフ全体を取り除き、取り換えなければならなくなる。このタイプのオイルブリードまたは変色は、結果として、原材料の浪費および大量の保証請求の両方をもたらし、このことは、ルーフィング製造業者の利益率を低下させる。オイルブリードまたは変色の発生に対するアスファルト組成物の耐性の1つの尺度は、汚れ指標(stain index)として知られており、ASTM D2746などのいかなる標準方法によって測定されてもよい。ASTM D2746の方法を用いて測定された場合の約50未満の汚れ指標を有するアスファルト組成物が、アスファルトルーフィング製品に用いられた場合に、特別にではないがある程度の経時でのオイル汚れに対する耐性を有することが見出された。同様に、約40未満、またはさらには約30未満の汚れ指標を有するアスファルト組成物は、オイル汚れに対してさらにより高い耐性を有しており、従って、約50未満の汚れ指標しか有しないものよりも有利である。アスファルトルーフィング製品を作製するために用いられるべき20未満の汚れ指標を有するアスファルト組成物は、さらにより有利であり、15未満の汚れ指標を有するアスファルト組成物は、オイル汚れに対して最も耐性が高く、アスファルトルーフィング製品のために最も有利である。
【0014】
アスファルト組成物の耐熱特性は、加熱され(約90〜110℃)、吊り下げられたアスファルト組成物試料のコーティングの、繊維強化固定マットに対する直線的移動を、典型的にはミリメートル(mm)の単位で測定することによって定量されてよい。従って、そのような耐熱性が、より少ない移動およびスリップによって表されることから、より高い耐熱性が、アスファルトルーフィング製品にとって望ましい。より詳細には、鉱物充填剤を含まない状態で、約20mm未満のスリップ値が、アスファルト組成物を含有するアスファルトルーフィング製品における高温の気候条件下での移動およびスリップに対する最小限の、しかしある程度の耐性を示しているものと理解される。さらに、アスファルト組成物は、ルーフィングシングル、ルーフィング膜、および防水膜などのアスファルトルーフィング製品での使用に許容されるには、約15mm未満、またはさらにより望ましくは、約10mm未満、または最も望ましくは、約5mm未満のスリップ値を有することが望ましい。充填剤を含むアスファルト組成物の場合、最も有益なスリップ値は、2mm未満である。
【0015】
同様に、当業者にはよく知られ、理解されているように、アスファルトルーフィング製品での使用を意図するアスファルト組成物のその他の特性も重要であり、定量され、モニタリングされる。例えば、低温屈曲温度は、アスファルト組成物サンプルが屈曲下で割れまたは破壊を起こさない最低温度である。アスファルト組成物がルーフィング用途に有用であるためには、許容される低温屈曲温度は、SBS改質ビチューメンルーフィング膜に対しては、約−20℃(−4°F)以下であり、アタクチックポリプロピレン(APP)改質ビチューメンルーフィング膜に対しては、−5℃(23°F)以下である。米国におけるルーフィングシングルに対しては、許容される低温屈曲温度は、約25℃(77°F)である。
【0016】
また、アスファルト組成物は、明確な融点を有するのではなく、材料が溶融することなく軟化を開始し、軟化を継続する温度の範囲を有する。アスファルト組成物が軟化し過ぎて建築および製造に用いることができなくなる温度範囲を知ることは有益であり、従って、アスファルト組成物の軟化点は、測定されるべき重要な特性である。ルーフィング用途および製品での使用に適するアスファルト組成物は、約87.8から約160℃(約190から約320°F)の軟化点を有するべきである。アスファルト組成物は、℃の単位で、少なくとも約90.6、93.3、96.1、98.9、101.7、104.4、110、112.8、115.6、121.1、または126.7℃(すなわち、それぞれ、少なくとも約195、200、205、210、215、220、230、235、240、250、または260°F)であり、独立して、℃の単位で、約157.2、154.4、151.7、または148.9(それぞれ、315、310、305、または300°F)以下の軟化点を有することが所望される。
【0017】
針入度試験は、ある温度でのアスファルト材料のコンシステンシーの尺度を提供する。コンシステンシーは、アスファルトの化学構成成分の種類およびアスファルト中におけるその相対量の関数であり、それらは、原料の石油および精油所での処理方法によって決定される。針入度は、標準的な針を用いて測定され、針は、アスファルト試料の表面に直角に配置され、試料の温度が25℃などの特定の値に維持された状態で、5秒間などのある時間にわたってアスファルトに貫入される。針入度は、ミリメートルの10分の1(デシミリメートル、0.1mm、dmm)の単位で測定され、針がアスファルト試料中に深く貫入されるほど、報告される値は大きく、アスファルトは軟らかいということになる。
【0018】
さらに、アスファルトルーフィング製品での使用を意図するアスファルト組成物は、25℃において、約10dmm(0.1ミリメートル)超の針入度値を有してよく、例えば、約12dmm超などである。アスファルト組成物は、dmm単位で、約10、12、15、20、または25超であり、独立して、約75、70、60、55、50、45、40、35、30、25、または20以下である針入度値を有することが所望される。
【0019】
アスファルト組成物の有利な軟化点(SP)および針入度(PEN)特性は、相補的特性として一緒に報告されてよい。例えば、限定されないが、アスファルトルーフィング用途での使用が本明細書で考慮されるアスファルト組成物は、約87.8から約160℃(約190から約320°F)のSPを、25℃で12dmm超のPENと共に、または約87.8から約112.8℃(約190から約235°F)のSPを、約15dmm超のPENと共に、または約90.6から約104.4℃(約195から約220°F)のSPを、約15から40dmmのPENと共に、または約93.3から約96.1℃(約200から約215°F)のSPを、約15から約25dmmのPENと共に有してよい。ある実施形態では、アスファルト組成物は、アスファルトルーフィング製品および用途での使用に適するために、約87.8から約160℃(約190から約320°F)のSPを、25℃で約15から約26dmmのPENと共に、または約98.9から約148.9℃(約210から約300°F)のSPを、25℃で約20から約50dmmのPENと共に、またはさらには、約121.1から約160℃(約250から約320°F)のSPを、約15から約40dmmのPENと共に有する。
【0020】
上記で述べたように、本明細書で考慮されるアスファルト組成物は、非酸化ベースアスファルトおよび低MWポリオレフィンを含む。天然、合成製造、および改質のあらゆる種類のアスファルトが、本明細書で考慮されるアスファルト組成物において用いられてよい。天然のアスファルトには、自然のロックアスファルト、レイクアスファルトなどが含まれる。合成製造アスファルトは、多くの場合、石油精製作業の副生物であり、エアブローン(酸化)アスファルト、ブレンドアスファルト、分解、残渣、または再利用アスファルト、石油アスファルト、プロパンアスファルト、ストレートアスファルト、熱アスファルトなどが挙げられる。改質アスファルトとしては、エラストマー、プラストマー、またはこれらの様々な組み合わせで改質されたベースアスファルト(例:天然または合成製造であってよい純粋または未改質のアスファルト)が挙げられる。
【0021】
アスファルトのパフォーマンスグレード(PG)レーティングシステムは、異なる温度でのアスファルト組成物の性能に基づいてアスファルト製品に用いられるアスファルト組成物を分類するものである。例えば、約64−22のPGレーティングを有するアスファルト組成物は、そのアスファルト組成物を、舗装最終製品が、高い方は+64℃まで、低い方は−22℃までの温度に達する気候で用いることができることを意味する。アスファルト組成物のPG範囲外の温度は、通常、それが用いられているアスファルト製品の劣化をもたらす。
【0022】
「ベースアスファルト」は、この用語が本明細書で用いられる場合、ASTMによって、主たる構成成分が、天然に存在する、または石油処理で得られるビチューメンである暗褐色から黒色のセメント様材料として定義されるビチューメンまたはアスファルトである。アスファルトは、典型的には、飽和成分、芳香族、レジン、およびアスファルテンを含有する。
【0023】
舗装用途に適するアスファルトの種類は、一般的に、「舗装グレードアスファルト」、または「舗装アスファルト」、または「アスファルトセメント」と称される。ルーフィング用途に適するアスファルトは、一般的に、「ルーフィングフラックス」、「フラックスアスファルト」、または単に「フラックス」と称される。一般的に、その針入度グレードによって示されるように、舗装アスファルトは、ルーフィングフラックスよりも硬い。最も多く用いられる舗装アスファルトは、約50/70または60/90dmm(0.1ミリメートル)の針入度を有し、他方ルーフィングフラックスの針入度は、一般的に、150〜200dmmを超える。従って、ルーフィングフラックスは、軟らか過ぎることから、特にルーフィングシングル製造において、直接使用されることはない。そうではなく、「エアブロー」と称されるプロセスがルーフィングフラックスに適用されて、それがより硬く、従って、ルーフィング用途により適するようにされる。エアブロープロセスの過程では、空気が、特定の長さの時間(例:2から8時間)にわたって熱液体ルーフィングフラックス中をバブリングされる。空気中の酸素が、アスファルトフラックスと反応し、それによって、ルーフィングフラックスの針入度が約150〜200dmm超から約20dmmまで低下することによって示されるように、そのスチフネスが劇的に増加する。そのようなエアブロープロセスの製品は、「ブローンコーティング」または「酸化アスファルト」または「酸化ビチューメン」と称され、ルーフィングシングルなどのルーフィング製品を作製するために有用である。
【0024】
「非酸化ベースアスファルト」は、この用語が本明細書で用いられる場合、上記で述べたプロセスのような酸化またはエアブロー工程を受けていない、または経ていないベースアスファルトを含む。言い換えると、舗装グレードアスファルトまたはルーフィングフラックスタイプのアスファルトは、低MWポリオレフィン、または無機充填剤、再利用材料、性能添加剤などと組み合わされる前に、それを硬化させるためのエアブロー工程が先に実施されることなく、本明細書で考慮されるアスファルト組成物に用いられる。
【0025】
低MWポリオレフィンを、アスファルト組成物に対して約0.1から約15重量パーセントの量でアスファルト組成物に添加することにより、アスファルト組成物およびそのようなアスファルト組成物が組み込まれたルーフィング製品の耐オイルブリード性および耐熱性が向上する。「低MWポリオレフィン」は、この用語が本明細書で用いられる場合、各々が約500から約20000ダルトンの重量平均分子量(Mw)を有し、低MWポリオレフィンの総重量に対して約80から約100重量%の、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、およびオクテンから選択される1つ以上のオレフィン系モノマーを含むポリオレフィン含有ポリマー、または2つ以上のポリオレフィン含有ポリマーのブレンドを意味する。従って、低MWポリオレフィンは、単一種類のモノマーのみを含むホモポリマー、または2種類以上のオレフィンモノマーを含むコポリマーであってよい。さらに、低MWポリオレフィンは、この用語が本明細書で用いられる場合、これらに限定されないが、ポリオレフィンワックス、すなわち、室温もしくは室温近辺で固体であり、その融点を超えると低い粘度を有するポリオレフィンを含む。低MWポリオレフィンは、官能化されていてもよい。官能化低MWポリオレフィンは、ホモポリマーであっても、またはコポリマーであってもよい。さらに、官能化低MWポリオレフィンは、例えば、限定されないが、酸、エステル、アミン、アミド、エーテル、および酸無水物を含む1つ以上の官能基を含む。低MWポリオレフィンは、官能化されていてもよい。加えて、低MWポリオレフィンは、酸化されていてもよい。
【0026】
代表的実施形態では、低MWポリオレフィンは、低MWポリオレフィンの総重量に対して約50から約100重量%のオレフィン含有量を有する。低MWポリオレフィンは、低MWポリオレフィンの総重量に対して、重量%の単位で、少なくとも約55、60、65、70、75、80、85、90、または95、および、独立して、約98、95、92、90、85、80、または75以下のオレフィン含有量を有することが所望される。
【0027】
既に述べたように、低MWポリオレフィンは、約500から約20000ダルトンのMwを有する。低MWポリオレフィンは、ダルトンの単位で、少なくとも約500、1000、2000、3000、4000、5000、6000、または7000、および、独立して、約20000、18000、15000、12000、または10000以下のM
wを有することが所望される。低MWポリオレフィンが、2種類以上のポリオレフィンの組み合わせを含む場合、組み合わせ中の各種類のポリオレフィンのMwは、個別に、上記で述べた約500から約20000ダルトンの範囲内にあるものとする。
【0028】
一般的に、適切な低MWポリオレフィンとしては、限定されないが、ポリエチレンホモポリマー、ポリプロピレンホモポリマー、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、およびオクテンのうちの2つ以上のコポリマー、前記ホモポリマーの官能化誘導体、前記コポリマーの官能化誘導体、または非官能化および官能化低MWポリオレフィンの組み合わせが挙げられる。いくつかのフィッシャートロップシュワックス、すなわち、低MWポリオレフィンの上記で定める特性を満足するワックスも、本明細書で考慮され、記載されるアスファルト組成物に用いられてよい。
【0029】
適切な官能化低MWポリオレフィンの例としては、限定されないが、マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー、酸化ポリエチレン、特に酸化高密度ポリエチレン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0030】
適切な低MWポリオレフィンの1つのカテゴリーは、特定のHONEYWELL TITAN(登録商標)ポリオレフィンを含み、これは、ポリエチレンまたはポリプロピレンのホモポリマーを含み、米国ニュージャージー州モーリスタウンに位置するハネウェルインターナショナル社(Honeywell International Inc.)から市販されている。より詳細には、HONEYWELL TITAN(登録商標)8880、8570、8650、8903、および8822のうちの1つ以上が、低MWポリオレフィンとしての使用に適している。代表的実施形態では、低MWポリオレフィンは、HONEYWELL TITAN(登録商標)8903などの官能化高密度ポリエチレンを含む。
【0031】
代表的実施形態では、低MWポリオレフィンは、アスファルト組成物に対して約0.1から約15重量パーセント(重量%)の量でアスファルト組成物中に存在する。低MWポリオレフィンは、アスファルト組成物の総重量に対して、重量%の単位で、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.2、1.5、1.8、2.0、2.2、2.5、または3.0、および、独立して、約15、12、10、8、6、5、4.5、4.0、3.5、3.0、2.5、2、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、または1以下の量でアスファルト組成物中に存在することが所望される。例えば、アスファルト組成物中の低MWポリオレフィンの総含有量は、アスファルト組成物の総重量に対して、約0.5から約10重量%、または約0.5から約7重量%、または約1から約6重量%、または約2から約5重量%、またはさらには、約0.5から2.0重量%であってよい。
【0032】
代表的実施形態では、アスファルト組成物は、非酸化ベースアスファルト、およびアスファルト組成物の総重量に対して約1から約6重量%の量の低MWポリオレフィンを含む。そのような実施形態では、アスファルト組成物は、ベースアスファルトに加えて、GILSONITE(登録商標)、レイクトリニダードアスファルト、ブートンアスファルト、またはベースアスファルトに硬度を付与するその他のアスファルトなどの第二の種類のアスファルトを、アスファルト組成物の総重量に対して約5から約20重量%の量でさらに含んでよい。例えば、第二の種類のアスファルトは、アスファルト組成物の総重量に対して、少なくとも6、7、8、または9重量%、および、独立して、約19、18、17、16、15、14、13、12、11、または10重量%以下の量でアスファルト組成物中に存在してよい。また、そのような実施形態では、アスファルト組成物は、約87.8から約160℃(約190から約320°F)のSP、約12から約26dmmの25℃でのPEN、および約20未満の汚れ指標を有する。例えば、そのような実施形態では、アスファルト組成物は、dmmの単位で、約15から約26または約16から約24などの約14、15、または16超、および、独立して、約25または24以下の針入度値を有することが所望される。
【0033】
アスファルトルーフィング製品において、そのような製品を重大な欠陥または破壊を起こさずに使用することができる温度範囲を拡大するために用いられるプラストマー、エラストマー、またはその両方などの性能添加剤は、本産業分野で周知である。アスファルト組成物は、アスファルト組成物の総重量に対して約1から約15重量%の総量で存在する1つ以上の性能添加剤を含んでよい。非酸化ベースアスファルトを改質するために適するエラストマーの限定されない例としては、粉砕タイヤゴム(GTR)、脱硫GTR、ブチルゴム、スチレン/ブタジエンゴム(SBR)、スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレンターポリマー(SEBS)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン/プロピレン/ジエン(EPDM)ターポリマー、エチレン/n‐ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレートターポリマー、ならびに、例えば、スチレン/ブタジエン/スチレンコポリマー(SBS)を含むスチレン/ブタジエン、スチレン/イソプレン、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、およびスチレン/イソプレン‐ブタジエンブロックコポリマーなどのスチレン/共役ジエンブロックもしくはランダムコポリマーを含む天然または合成ゴムが挙げられる。ブロックコポリマーは、分岐鎖状であってもまたは直鎖状であってよく、ジブロック、トリブロック、テトラブロック、またはマルチブロックであってもよい。
【0034】
本明細書で考慮され記載されるアスファルト組成物のある実施形態では、エラストマーは、アスファルト組成物の総重量に対して約1から約20重量%の量で存在してよい。例えば、ある実施形態では、エラストマーは、アスファルト組成物の総重量に対して、重量%の単位で、少なくとも約1、2、3、5、7、8、または9、および、独立して、約15、14、13、12、11、10、または9以下の量でアスファルト組成物中に存在する。代表的実施形態では、エラストマーは、SBSコポリマーであり、例えば、限定されないが、アスファルト組成物の総重量に対して、約5から約15重量%、または約6から約13重量%、または約8から約12重量%、または約8から約11重量%、またはさらには、約9から10重量%の量で存在する。ルーフィング用途および製品に用いるためのSBSコポリマーを含むアスファルト組成物の実施形態では、存在し、依然として性能上の有益性を提供する低MWポリオレフィンの量は、アスファルト組成物の総重量に対して、僅かに約2重量%以下、またはさらには、1.2重量%以下であってよい。
【0035】
ベースアスファルトを、例えば高温性能について改質するために適するプラストマーの限定されない例としては、加熱されると軟化するが、著しくより高い温度でないと溶融はしない熱可塑性ポリオレフィンが挙げられ、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ポリプロピレン、酸化ポリプロピレン、およびマレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレンアクリル酸コポリマーなどの官能化ポリオレフィンなどである。
【0036】
代表的実施形態では、ルーフィング製品に有用であり、上記で述べるアスファルト組成物を含有する充填アスファルト材料が提供される。そのような充填アスファルト材料は、上述のアスファルト組成物、および無機充填剤、再利用アスファルト材料、またはこれらの組み合わせを含む。本明細書で考慮され記載される充填アスファルト材料に含めるのに適する再利用アスファルト材料としては、限定されないが、再利用アスファルト舗装材料(RAP)、再利用アスファルトシングル(RAS)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。アスファルト組成物は、一般的に、約30から約99重量%の量で充填アスファルト材料中に存在し、無機充填剤、再利用アスファルト材料、またはこれらの組み合わせは、充填アスファルト材料の総重量に対して、約1から約70重量%の総量で存在する。
【0037】
本明細書で述べるものなどのルーフィング用途のための充填アスファルト材料に添加するのに適する無機充填剤は、ルーフィング製品に含めることが適切であるとして当業者に現時点で、または将来的に知られるいかなる無機充填剤であってもよい。充填アスファルト材料の意図する使用、すなわち、舗装またはルーフィングであるかに応じて、およびルーフィングである場合は、アスファルトルーフィングシングル、膜、または防水膜であるかに応じて、無機充填剤は、鉱物充填剤、骨材、またはこれらの組み合わせであってよい。鉱物充填剤は、典型的には、石または鉱物を粉砕したものであり、例えば、中でも、石粉、石灰岩粒子、およびタルクなどである。石および/または鉱物は、典型的には、約180μ以下の粒子サイズまで粉砕される。
【0038】
「骨材」は、例えば砂、砂利、または砕石などの鉱物材料に対する集合名である。骨材は、天然の骨材、製造された骨材、またはこれらの組み合わせを含んでよい。天然の骨材は、典型的には、機械的粉砕によって利用可能なサイズまでサイズ低下されている開削(例:砕石場)からの採掘石である。製造された骨材は、典型的には、冶金処理(例:スチール、スズ、および銅生産)からのスラグなど、他の製造プロセスの副生物である。製造された骨材は、例えば低密度などの天然石には見られない特定の物理的特性を有するように作製される特殊材料も含む。
【0039】
代表的実施形態では、充填アスファルト材料は、ルーフィング用途のために配合され、無機充填剤は、粉砕された石または鉱物である。充填アスファルト材料は、充填アスファルト材料に対して、約30から約99重量%、および約1から約70重量%の量でそれぞれ存在するアスファルト組成物、および無機充填剤を含む。アスファルト組成物自体は、非酸化ベースアスファルト、低MWポリオレフィン、およびエラストマー、プラストマー、またはこれらの組み合わせを例とする所望に応じて含まれてよい1つ以上の性能添加剤を含む。低MWポリオレフィンおよび1つ以上の性能添加剤は、それぞれ、アスファルト組成物の総重量に対して、約0.5から約15重量%および約5から約15重量%の量で存在する。
【0040】
代表的実施形態では、アスファルト組成物を作製するための方法が提供される。この方法は、低MWポリオレフィンおよび非酸化ベースアスファルトを高められた温度で組み合わせてアスファルト組成物を形成することを含む。1つの例では、非酸化ベースアスファルトおよび低MWポリオレフィンは、本技術分野にて周知である適切ないかなる混合装置で組み合わされてもよい。別の例では、非酸化ベースアスファルトは、約80から約190℃の高められた温度まで加熱されて熱液体アスファルトが形成され、低MWポリオレフィンが、この熱液体アスファルトに添加される。別の選択肢として、非酸化ベースアスファルトおよび低MWポリオレフィンが組み合わされ、高められた温度まで加熱されて、熱液体アスファルトが形成されてもよい。
【0041】
別の代表的実施形態では、この方法は、1つ以上の性能添加剤および非酸化ベースアスファルトを、高められた温度で組み合わせることを含む。1つの例では、(1もしくは複数の)性能添加剤および低MWポリオレフィンが一緒に混合されてブレンドが形成され、次にそれが、高められた温度で非酸化ベースアスファルトと組み合わされて、アスファルト組成物が形成される。ブレンドは、これら2つの物理的混合物であってよく、非酸化ベースアスファルトと組み合わされる前に、冷却されてフレーク、ペレット、ブリケット、またはその他の形状に成形されてよいメルトブレンド、または非酸化ベースアスファルトに直接添加されるメルトブレンドである。別の例では、(1もしくは複数の)性能添加剤および低MWポリオレフィンは、高められた温度で、非酸化ベースアスファルトに別々に添加されて、アスファルト組成物が形成される。(1もしくは複数の)性能添加剤の少なくとも一部分が、低MWポリオレフィンの添加の前に、添加と同時に、または添加に続いて、非酸化ベースアスファルトに添加されてよい。
【0042】
実施例
以下は、低MWポリオレフィンで改質され、向上された耐オイルブリード性および耐熱性を有するアスファルト組成物の例であり、各成分は、重量パーセントで示される。例は、単に説明の目的で提供されるものであり、いかなる形であっても、アスファルト組成物の様々な実施形態を限定することを意図するものではない。
【0043】
試験方法の概要:
軟化点、°F(SP):ASTM D36の方法に従って測定(「環球」法、「R&B SP」)
針入度、25℃でのdmm(PEN):ASTM D5の方法に従って測定
汚れ指標(SI):ASTM D2746の方法に従って測定
分子量、Mw:これらの例で報告される分子量はすべて、本技術分野にて一般的に知られる技術であるゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)によって測定される重量平均分子量である。GPCの目的のために、測定されるべきサンプルは、140℃の1,2,4‐トリクロロベンゼン中に、2.0mg/mlの濃度で溶解される。この溶液(200μL)は、1.0mL/分の流速の140℃に保持された2つのPLgel 5μm Mixed‐D(300×7.5mm)カラムを含有するGPCへ注入される。この機器は、2つの検出器(屈折率および粘度検出器)を備えている。分子量(Mw)は、狭いMwの直鎖状ポリエチレン標準一式から作成された検量線を用いて特定される
例1:
汚れ指標に対する異なる低MWポリオレフィンの効果
非酸化ベースアスファルトを、約190℃の高められた温度まで金属缶中で加熱して熱液体アスファルトを形成し、低MWポリオレフィンをこの熱液体アスファルトに添加した。次に、この熱液体アスファルト/低MWポリオレフィン混合物を、均一なブレンドが得られるまで約120分間ブレンドした。
【0044】
各サンプルに対する汚れ指標を、ASTM D2746の方法を用いて特定し、結果を以下の表1に示す。
【0046】
表1に示す試験結果から、重量平均分子量が15000未満であるポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれら両方の組み合わせの添加はすべて、未処理アスファルトと比較して向上された(低下された)汚れ指標を有するアスファルト組成物を提供し、官能化ポリエチレンおよび官能化ポリプロピレンが、汚れ指標の最大の低下率をもたらしている。ルーフィング用途の産業では、約20未満の汚れ指標が所望されることから、低MWポリオレフィンとしては、官能化ポリオレフィンが有利であることが明らかである。
【0047】
代表的実施形態では、例はさらに、添加剤化学、重量平均分子量(Mw)、酸価(ASTM D‐1386)または鹸化価、結晶化度(例:約30から約100%)、およびメルトフローインデックス(MFI)を含む様々な低MWポリオレフィンの様々な性質を示す。特に、鹸化価は、約0.3mgのマレイン酸変性ポリマーを、150mLのキシレン、5mLの新鮮なメチルエチルケトン、および7滴の水の中で15分間還流することによって特定する。この溶液を僅かに冷却し、10mLのイソプロピルアルコールおよび3〜5滴のフェノールフタレイン指示薬溶液を添加する。この溶液を、持続的な僅かなピンク色の溶液に到達するまで標準化0.0535NのKOH/イソプロピルアルコール溶液を滴下することで滴定する。様々な溶媒中の酸性不純物についての補正のために、ブランク分析を実行するべきである。
*結晶化度は、DSC(2回目の再昇温)を用いて特定し、100%結晶化度ポリエチレン(PE)に対するレファレンスとしてグラムあたり290Jを、100%結晶化度ポリプロピレン(PP)に対してはグラムあたり190Jを用いた。DSCは、昇温、冷却、再昇温のサイクルで、10℃/分の昇温および冷却速度で実行した。サンプルをまず−50℃に冷却し、次に150℃に昇温し、次に再度−50℃に冷却し、150℃に再昇温した。
**MFIは、ブルックフィールド粘度から特定した。MFIは、9500000/(190℃でのcps)に等しく、ここで、190℃でのcpsは、190℃で測定されたセンチポアズの単位でのポリマーのブルックフィールド粘度であった。
***「>」が用いられる場合、190℃での粘度の代わりに140℃での粘度が用いられ、従って、190℃での実際のMFIは、温度の上昇と共に粘度が低下する(MFIは増加する)という関係性のために、それよりも高くなる。
【0048】
例2:
様々なアスファルト組成物特性に対する低MWポリオレフィン、GILSONITE(登録商標)、およびピッチの効果
非酸化ベースアスファルトを、約190℃の高められた温度まで金属缶中で加熱して熱液体アスファルトを形成し、低MWポリオレフィンおよびGILSONITE(登録商標)をこの熱液体アスファルトに添加した。低MWポリオレフィンおよびGILSONITE(登録商標)の熱液体アスファルトへの添加は、一緒に行っても、または順々に行ってもよい。次に、熱液体アスファルト/低MWポリオレフィン/GILSONITE(登録商標)混合物を、均一なブレンドが得られるまで約120分間ブレンドした。
【0049】
GILSONITE(登録商標)は、ユインター石(uintaite)またはユインタイト(uintahite)として一般的に知られるユタ州にしか見られない天然アスファルトの形態に対する登録商標であり、光沢のある黒色の黒曜石に似ている。GILSONITE(登録商標)は、フラックスアスファルトおよび舗装グレードアスファルトよりも硬い材料であり、約265〜400°F(129.4〜204.4℃)の軟化点(SP)を有し、針入度値(PEN)はゼロである。GILSONITE(登録商標)は、例えば、米国ユタ州ボナンザに位置するアメリカンギルソナイト(登録商標)カンパニー社(American GILSONITE(R) Company)から市販されている。
【0050】
ピッチは、一般的に、有機物、特に、コールタール、木タール、または石油の蒸留時の残渣として得られる黒色または暗色の粘稠物質であり、防水、ルーフィング、コーキング、および舗装に用いられる。本発明で用いられるピッチは、77°F(25℃)で2dmmの針入度、77℃のR&B SP、および300°F(148.9℃)で1810cPsの回転粘度を有する。粘度は、ASTM D4402に従って測定した。
【0051】
針入度、軟化点、および汚れ指標の各々を、サンプルA〜Eの各々について、表2に示す方法を用いて特定した。サンプル組成および試験結果を、以下の表2に示す。
【0053】
表2示される試験結果は、アスファルトがGILSONITE(登録商標)またはピッチと組み合わされた場合であっても、官能化ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの低MWポリオレフィンの添加が、ルーフィング用途の産業で所望される範囲内に充分入っている10未満まで汚れ指標を低下させるアスファルト組成物の充分な改善をもたらすことを明らかに示している。加えて、実験BおよびEで示されるブレンドは、ASTM D3462(表面砕石ガラス繊維マットアスファルトシングル材の標準規格(Standard Specification for Asphalt Shingles Made from Glass Felt and Surfaced with Mineral Granules))に記載のアスファルトに対する性質の必要条件を満たしている。このASTM標準は、北米でのルーフィングシングルに対して最も広く用いられている規格であり、25℃で15dmm超のアスファルト針入度を必要とし、一方R&B軟化点は、ポリマー改質製品に対して、190から320°Fである。
【0054】
例3:
様々なアスファルト組成物の特性に対する低MWポリオレフィンおよびエラストマー(SBSコポリマー(例:放射状SBS、Dynasol 411))の効果
非酸化ベースアスファルトを、約180から約190℃の高められた温度まで金属缶中で加熱して熱液体アスファルトを形成し、低MWポリオレフィンおよびSBSコポリマーをこの熱液体アスファルトに添加した。低MWポリオレフィンおよびSBSコポリマーの熱液体アスファルトへの添加は、一緒に行っても、または順々に行ってもよい。熱液体アスファルト/低MWポリオレフィン/SBS混合物を、均一なブレンドが得られるまで、高せん断混合装置を用いて約120分間ブレンドした。この均一ブレンドから、針入度およびR&B軟化点測定のための試験試料を作製した。耐熱性および低温屈曲性測定については、均一ブレンドをポリエステルマット上に注ぎ、特定の寸法の膜を形成することによって試験試料を作製した。
【0055】
低温屈曲性、耐熱性、針入度、および軟化点を、各サンプルについて特定した。サンプル組成および試験結果を、以下の表3に示す。
低温屈曲性試験、℃:以下のようにして測定した。試験試料は、14cm(長さ)×5cm(幅)×5.5mm(厚さ)の寸法を有し、1つの面が、ポリエステルまたはガラス繊維マットである。試験試料を、まず、液体浴中で約1時間コンディショニングし、次に、試料を、3点曲げ試験機で試験する。試料が割れを起こさない最低温度を、低温屈曲温度として報告する。
【0056】
耐熱性試験:以下のようにして測定した:試験試料は、10cm(長さ)×5cm(幅)×5.5mm(厚さ)の寸法を有し、1つの面が、ポリエステルまたはガラス繊維マットである。試験試料をフックに取り付け、95℃に設定したホットオーブン中、垂直にして2時間置く。試験の終了後、試料の移動量(マットに対して)を測定し、耐熱性(mmの単位)として報告する。
【0058】
表3に提示される試験結果は、SBSコポリマーなどのエラストマーと、官能化ポリエチレンなどの非常に少量(すなわち、0.45から1.2重量%)の官能化低MWポリオレフィンとの組み合わせが、場合によっては、アスファルト組成物の耐熱性の充分な向上(<10)を提供することができ、同時に、低温屈曲温度を−20℃以下に維持し、アスファルト組成物の針入度または軟化点を悪化させないことを示している。加えて、コントロール(SBSのみの配合)と比較して、総ポリマーローディングを減少させることができる。SBS含有量を減少させることは、粘度の低下という結果となる。このことは、製造プラントにおけるより速いライン速度、温度の低下などとして言い換えられる。
【0059】
例4:
様々なアスファルト組成物の特性に対する低MWポリオレフィンの効果
【0061】
表4に提示される試験結果は、少量(すなわち、約3重量%)の官能化低MWポリオレフィンを含む20/30 Penアスファルト組成物が、アスファルト組成物の針入度、軟化点、および汚れ指標の性質を向上させることを示している。
【0062】
例5:
様々なアスファルト組成物の特性に対する低MWポリオレフィンの効果
【0064】
表5に提示される試験結果は、アスファルトがピッチと組み合わされた場合であっても、少量(すなわち、約2.5重量%)の低MWポリオレフィンの添加により、アスファルト組成物の充分な向上が得られ、アスファルト組成物の針入度、軟化点、および汚れ指標の性質が向上されることを示している。
【0065】
少なくとも1つの代表的実施形態を、上記の詳細な記述において提示したが、非常に数多くの変型例が存在することは理解されるべきである。また、1もしくは複数の代表的実施形態は、単なる例であり、いかなる形であっても、本発明の範囲、適用性、または構成を限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。そうではなく、上記の詳細な記述は、本発明の代表的実施形態を実行するために都合の良いロードマップを当業者に提供するものであり、添付の特許請求の範囲およびその法的均等物に示される通りの本発明の範囲から逸脱することなく、代表的実施形態で述べた要素の機能および配列に様々な変更を行ってよいことは理解される。
[1]ルーフィング用途に用いるためのアスファルト組成物であって、
非酸化ベースアスファルト、及びアスファルト組成物の総重量に対して約0.5から約15重量%の量で存在する低MWポリオレフィン、を含み、
ここで、アスファルト組成物は、約87.8から約160℃(約190から約320°F)の軟化点、および25℃で約12デシミリメートル(dmm、または0.1mm)超の針入度を有し、およびここで、前記低MWポリオレフィンは、約30から約100パーセント(%)の結晶化度を有する、アスファルト組成物。
[2]前記低MWポリオレフィンが、前記アスファルト組成物の総重量に対して約0.5から約10重量%の量で存在する、[1]に記載のアスファルト組成物。
[3]前記低MWポリオレフィンが、前記アスファルト組成物の総重量に対して約1から約6重量%の量で存在し、前記アスファルト組成物が、約20未満の汚れ指標を有する、[1]に記載のアスファルト組成物。
[4]前記アスファルト組成物の総重量に対して約5から約20重量%の量で存在する、GILSONITE(登録商標)、レイクトリニダードアスファルト、ブートンアスファルト、およびこれらの組み合わせから選択される第二の種類のアスファルトをさらに含み、前記アスファルト組成物が、25℃にて約12から約26dmmのPENを有する、[3]に記載のアスファルト組成物。
[5]前記低MWポリオレフィンが、前記アスファルト組成物の総重量に対して約2から約5重量%の量で存在する、[3]に記載のアスファルト組成物。
[6]前記アスファルト組成物が、約15未満の汚れ指標を有する、[3]に記載のアスファルト組成物。
[7]1つ以上の性能添加剤を、前記アスファルト組成物の総重量に対して約5から約15重量%の総量でさらに含み、前記低MWポリオレフィンが、前記アスファルト組成物の総重量に対して約0.5から約2重量%の量で存在し、前記アスファルト組成物が、約20mm未満の耐熱性を有する、[1]に記載のアスファルト組成物。
[8]前記低MWポリオレフィンが、前記アスファルト組成物の総重量に対して約0.5から約1.2重量%の量で存在し、前記アスファルト組成物が、約10mm未満の耐熱性、および約−20℃以下の低温屈曲温度を有する、[7]に記載のアスファルト組成物。
[9]前記1つ以上の性能添加剤が、前記アスファルト組成物の総重量に対して約6から約12重量%の量で存在するSBSコポリマーを含む、[8]に記載のアスファルト組成物。
[10]前記低MWポリオレフィンが、約500から約20000ダルトンの重量平均分子量(Mw)を有する、[1]に記載のアスファルト組成物。
[11]前記低MWポリオレフィンが、ポリエチレンホモポリマー、ポリプロピレンホモポリマー、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、およびオクテンのうちの2つ以上のコポリマー、前記ホモポリマーの官能化誘導体、前記コポリマーの官能化誘導体、または非官能化および官能化低MWポリオレフィンの組み合わせから選択される、[1]に記載のアスファルト組成物。
[12]ルーフィング用途に用いるための充填アスファルト材料であって、
前記充填アスファルト材料に対して約30から約99重量%の量で存在するアスファルト組成物であり、前記アスファルト組成物は、非酸化ベースアスファルト、および前記アスファルト組成物の総重量に対して約0.5から約15重量%の量で存在する低MWポリオレフィンを含み、ここで、前記アスファルト組成物は、約87.8から約160℃(約190から約320°F)の軟化点、および25℃で約12dmm超の針入度を有し、前記低MWポリオレフィンは、約30から約100パーセント(%)の結晶化度を有する、アスファルト組成物、及び
前記充填アスファルト材料に対して約1から約70重量%の総量で存在する、無機充填剤、再利用アスファルト材料、またはこれらの組み合わせ、を含む充填アスファルト材料。
[13]前記アスファルト組成物が、前記アスファルト組成物の総重量に対して約1から約6重量%の量の前記低MWポリオレフィンを含み、および前記アスファルト組成物が、約20未満の汚れ指標を有する、[12]に記載の充填アスファルト材料。
[14]前記低MWポリオレフィンが、前記アスファルト組成物の総重量に対して約2から約5重量%の量で存在する、[13]に記載の充填アスファルト材料。
[15]前記アスファルト組成物が、1つ以上の性能添加剤を、前記アスファルト組成物の総重量に対して約5から約15重量%の総量でさらに含み、前記低MWポリオレフィンが、前記アスファルト組成物の総重量に対して約0.5から約2重量%の量で存在し、前記アスファルト組成物が、約20mm未満の耐熱性を有する、[12]に記載の充填アスファルト材料。