(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
酸素濃縮器の第1吸着筒及び第2吸着筒に空気を供給する供給流路の一部を構成し、前記第1吸着筒に空気を供給する第1分岐路と、前記供給流路の一部を構成し、前記第2吸着筒に空気を供給する第2分岐路とにそれぞれ設けられるパイロット式切換弁であって、
供給ポート及び出力ポートが形成された弁ボディと、
前記弁ボディ内に形成されるとともに前記供給ポートに連通する弁室と、
前記弁室に収容される弁体と、
前記弁ボディ内に形成されるとともに前記出力ポートに連通する連通路と、
前記弁室と前記連通路とを連通する弁孔と、
前記弁室に形成されるとともに前記弁体が着座する環状の弁座と、
前記弁ボディ内に形成されるピストン室と、
前記ピストン室と前記連通路とを隔てる隔壁と、
前記隔壁に形成される貫通孔と、
前記ピストン室に往復動可能に収容されるピストンと、
前記ピストンに設けられるとともに前記ピストン室から前記貫通孔、前記連通路及び前記弁孔を介して前記弁室に突出し、前記弁室に突出した部位に前記弁体が取り付けられるピストンロッドと、
前記ピストンロッドと前記貫通孔との間をシールするシール部材と、
前記ピストン室に収容されるとともに前記弁体を前記弁座に着座させる方向へ前記ピストンを付勢する付勢ばねと、
前記ピストンを往復動させるためにパイロット流体を前記ピストン室に対して給排するパイロット弁と、を備え、
前記弁体を前記弁座に着座させる方向への圧力を受圧する前記ピストンロッドにおける前記連通路に臨む受圧面の面積が、前記弁体を前記弁座から離間させる方向への圧力を受圧する前記弁体における前記弁座の内側に臨む受圧面の面積よりも大きくなっているパイロット式切換弁。
【背景技術】
【0002】
空気に含まれる窒素を吸着材によって吸着することで高濃度の酸素ガスを生成し、生成した高濃度の酸素ガスを、例えば、呼吸器疾患の患者に対して供給する酸素濃縮器が従来から知られている。
【0003】
酸素濃縮器は、空気供給源と、吸着材が充填された第1吸着筒及び第2吸着筒と、空気供給源からの空気を第1吸着筒及び第2吸着筒にそれぞれ供給する供給流路と、を備えている。供給流路は、空気供給源に接続された本流路と、本流路から分岐して第1吸着筒に接続される第1分岐路と、本流路から分岐して第2吸着筒に接続される第2分岐路と、により構成されている。また、酸素濃縮器は、第1分岐路に接続されるとともに大気に連通する第1排出流路と、第2分岐路に接続されるとともに大気に連通する第2排出流路と、を備えている。第1分岐路における第1排出流路が接続された箇所よりも本流路側の流路、第2分岐路における第2排出流路が接続された箇所よりも本流路側の流路、第1排出流路、及び第2排出流路には、パイロット式切換弁がそれぞれ設けられている。
【0004】
そして、第1分岐路のパイロット式切換弁を開弁するとともに第1排出流路のパイロット式切換弁を閉弁し、第2分岐路のパイロット式切換弁を閉弁するとともに第2排出流路のパイロット式切換弁を開弁する第1開閉パターンに切り換える。すると、第1吸着筒内に空気が供給されて第1吸着筒内の吸着材によって空気に含まれる窒素が吸着され、高濃度の酸素ガスが生成される。このとき、第2吸着筒内は、第2分岐路及び第2排出流路を介して大気に連通しているため、第2吸着筒内の圧力が減圧される。すると、第2吸着筒内の吸着材に吸着されていた窒素が脱離して、高濃度の窒素ガスが第2分岐路及び第2排出流路を介して大気に排出され、第2吸着筒内の吸着材が再生される。
【0005】
また、第1分岐路のパイロット式切換弁を閉弁するとともに第1排出流路のパイロット式切換弁を開弁し、第2分岐路のパイロット式切換弁を開弁するとともに第2排出流路のパイロット式切換弁を閉弁する第2開閉パターンに切り換える。すると、第2吸着筒内に空気が供給されて第2吸着筒内の吸着材によって空気に含まれる窒素が吸着され、高濃度の酸素ガスが生成される。このとき、第1吸着筒内は、第1分岐路及び第1排出流路を介して大気に連通しているため、第1吸着筒内の圧力が減圧される。すると、第1吸着筒内の吸着材に吸着されていた窒素が脱離して、高濃度の窒素ガスが第1分岐路及び第1排出流路を介して大気に排出され、第1吸着筒内の吸着材が再生される。
【0006】
このように、第1分岐路、第2分岐路、第1排出流路、及び第2排出流路に設けられたパイロット式切換弁を第1開閉パターンと第2開閉パターンとに交互に切り換えることにより、第1吸着筒及び第2吸着筒において高濃度の酸素ガスが連続的に生成される。
【0007】
酸素濃縮器に用いられるパイロット式切換弁としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。パイロット式切換弁は、供給ポート及び出力ポートが形成された弁ボディを備えている。弁ボディ内には、供給ポートに連通するとともに弁体を収容する弁室と、出力ポートに連通する連通路と、弁室と連通路とを連通する弁孔と、が形成されている。弁室には、弁体が着座する環状の弁座が形成されている。また、弁ボディ内には、ピストンを往復動可能に収容するピストン室が形成されている。ピストンには、ピストンロッドが設けられている。ピストンロッドは、ピストン室から連通路及び弁孔を介して弁室に突出している。弁体は、ピストンロッドにおける弁室に突出した部位に取り付けられている。さらに、ピストン室には、弁体を弁座に着座させる方向へピストンを付勢する付勢ばねが収容されている。また、パイロット式切換弁は、ピストンを往復動させるためにパイロット流体をピストン室に対して給排するパイロット弁を備えている。
【0008】
第1分岐路及び第2分岐路に設けられた上記構成のパイロット式切換弁においては、供給流路におけるパイロット式切換弁よりも空気供給源側の流路を流れる空気の一部を、パイロット弁によりピストン室に対して給排している。
【0009】
ここで、第1分岐路、第2分岐路、第1排出流路、及び第2排出流路に設けられたパイロット式切換弁を、例えば、第1開閉パターンから第2開閉パターンに切り換えたとする。すると、第1開閉パターンから第2開閉パターンに切り換えた直後では、第2吸着筒内の圧力は未だ減圧された状態にあるため、空気供給源から供給されて供給流路を流れる空気の圧力が一時的に低下する。
【0010】
一方、第1開閉パターンから第2開閉パターンに切り換えた直後では、第1吸着筒内の圧力は未だ減圧される前の高い状態にある。このとき、第1分岐路に設けられたパイロット式切換弁においては、連通路の圧力が、第1吸着筒内の圧力と同じ圧力であるため、連通路から弁孔及び弁座の内側を介して弁体に受圧される圧力が、弁室で弁体に受圧される圧力及び付勢ばねの付勢力に打ち勝って、弁体が弁座から離間してしまう場合がある。すると、第1吸着筒内の高濃度の窒素ガスが供給流路を逆流して、第2吸着筒内に流れ込んでしまう。
【0011】
なお、第1分岐路、第2分岐路、第1排出流路、及び第2排出流路に設けられたパイロット式切換弁を、第2開閉パターンから第1開閉パターンに切り換えた場合でも、第2吸着筒内の高濃度の窒素ガスが供給流路を逆流して、第1吸着筒内に流れ込むという問題が生じる。
【0012】
そこで、例えば特許文献2には、第1分岐路におけるパイロット式切換弁が設けられた箇所よりも本流路側の流路、及び第2分岐路におけるパイロット式切換弁が設けられた箇所よりも本流路側の流路に、高濃度の窒素ガスの逆流を阻止する逆止弁を設けた酸素濃縮器が開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、パイロット式切換弁を具体化した一実施形態を
図1〜
図3にしたがって説明する。本実施形態において、パイロット式切換弁は、酸素濃縮器に用いられる。
図1に示すように、酸素濃縮器1は、空気供給源2と、吸着材3aが充填された第1吸着筒3と、吸着材4aが充填された第2吸着筒4と、空気供給源2からの空気を第1吸着筒3及び第2吸着筒4にそれぞれ供給する供給流路5と、を備えている。空気供給源2は、例えばコンプレッサである。吸着材3a,4aは、例えばゼオライトである。
【0019】
供給流路5は、空気供給源2に接続された本流路5aと、本流路5aから分岐して第1吸着筒3に接続される第1分岐路5bと、本流路5aから分岐して第2吸着筒4に接続される第2分岐路5cと、から構成されている。よって、第1分岐路5bは、供給流路5の一部を構成し、第1吸着筒3に空気を供給する。第2分岐路5cは、供給流路5の一部を構成し、第2吸着筒4に空気を供給する。
【0020】
第1分岐路5bには、大気に連通する第1排出流路6aが接続されている。第2分岐路5cには、大気に連通する第2排出流路6bが接続されている。第1排出流路6a及び第2排出流路6bは、空気の流れ方向の下流側で互いに合流している。
【0021】
第1分岐路5bにおける第1排出流路6aが接続された箇所よりも本流路5a側の流路、第2分岐路5cにおける第2排出流路6bが接続された箇所よりも本流路5a側の流路、第1排出流路6a、及び第2排出流路6bには、切換弁としてのパイロット式切換弁10a,10b,10c,10dが設けられている。各パイロット式切換弁10a,10b,10c,10dは、マニホールドベース10e上に搭載されている。
【0022】
そして、第1分岐路5bのパイロット式切換弁10aを開弁するとともに第1排出流路6aのパイロット式切換弁10cを閉弁し、第2分岐路5cのパイロット式切換弁10bを閉弁するとともに第2排出流路6bのパイロット式切換弁10dを開弁する第1開閉パターンに切り換える。すると、空気供給源2からの空気が、本流路5a及び第1分岐路5bを介して第1吸着筒3内に供給されて第1吸着筒3内の吸着材3aによって空気に含まれる窒素が吸着され、高濃度の酸素ガスが生成される。このとき、第2吸着筒4内は、第2分岐路5c及び第2排出流路6bを介して大気に連通しているため、第2吸着筒4内の圧力が減圧される。すると、第2吸着筒4内の吸着材4aに吸着されていた窒素が脱離して、高濃度の窒素ガスが第2分岐路5c及び第2排出流路6bを介して大気に排出され、第2吸着筒4内の吸着材4aが再生される。
【0023】
また、第1分岐路5bのパイロット式切換弁10aを閉弁するとともに第1排出流路6aのパイロット式切換弁10cを開弁し、第2分岐路5cのパイロット式切換弁10bを開弁するとともに第2排出流路6bのパイロット式切換弁10dを閉弁する第2開閉パターンに切り換える。すると、空気供給源2からの空気が、本流路5a及び第2分岐路5cを介して第2吸着筒4内に供給されて第2吸着筒4内の吸着材4aによって空気に含まれる窒素が吸着され、高濃度の酸素ガスが生成される。このとき、第1吸着筒3内は、第1分岐路5b及び第1排出流路6aを介して大気に連通しているため、第1吸着筒3内の圧力が減圧される。すると、第1吸着筒3内の吸着材3aに吸着されていた窒素が脱離して、高濃度の窒素ガスが第1分岐路5b及び第1排出流路6aを介して大気に排出され、第1吸着筒3内の吸着材3aが再生される。
【0024】
このように、各パイロット式切換弁10a,10b,10c,10dを第1開閉パターンと第2開閉パターンとに交互に切り換えることにより、第1吸着筒3及び第2吸着筒4において高濃度の酸素ガスが連続的に生成される。
【0025】
第1吸着筒3には、酸素ガス供給流路7aが接続されている。第2吸着筒4には、酸素ガス供給流路7bが接続されている。各酸素ガス供給流路7a,7bにおける酸素ガスの流れ方向の下流端は互いに合流して集合流路7cに接続されている。集合流路7cにおける各酸素ガス供給流路7a,7bとは反対側の端部には、タンク8が接続されている。第1吸着筒3及び第2吸着筒4で生成された高濃度の酸素ガスは、各酸素ガス供給流路7a,7b及び集合流路7cを介してタンク8に供給され、タンク8内で一旦貯蔵される。
【0026】
酸素ガス供給流路7aには、タンク8内に貯蔵されている高濃度の酸素ガスが、集合流路7c及び酸素ガス供給流路7aを介して第1吸着筒3内に逆流することを阻止する逆止弁7dが設けられている。酸素ガス供給流路7bには、タンク8内に貯蔵されている高濃度の酸素ガスが、集合流路7c及び酸素ガス供給流路7bを介して第2吸着筒4内に逆流することを阻止する逆止弁7eが設けられている。
【0027】
酸素ガス供給流路7aにおける逆止弁7dよりも第1吸着筒3側の流路と、酸素ガス供給流路7bにおける逆止弁7eよりも第2吸着筒4側の流路とは、接続流路7fによって接続されている。接続流路7fには、均圧弁7gが設けられている。
【0028】
タンク8には、出力流路9が接続されている。出力流路9には、フィルタ9a、呼吸同調弁9b、加湿器9cが、タンク8側から順に設けられている。出力流路9におけるタンク8とは反対側の端部には、出力器具9dが設けられている。そして、タンク8内に貯蔵された高濃度の酸素ガスは、出力流路9に出力されて、フィルタ9a、呼吸同調弁9b、及び加湿器9cを経て出力器具9dに導かれ、出力器具9dから高濃度の酸素ガスが出力される。
【0029】
次に、第1分岐路5b及び第2分岐路5cに設けられたパイロット式切換弁10a,10bの具体的な構成について、
図2及び
図3を用いて説明する。なお、以下の説明では、第1分岐路5bに設けられたパイロット式切換弁10aの具体的な構成について説明し、第2分岐路5cに設けられたパイロット式切換弁10bの具体的な構成については、第1分岐路5bに設けられたパイロット式切換弁10aの具体的な構成と同じであるため、その詳細な説明を省略する。
【0030】
図2及び
図3に示すように、パイロット式切換弁10aの弁ボディ11は、合成樹脂材料製である四角ブロック状の本体部材12を有している。本体部材12の一端面には、シリンダ室13が凹設されている。また、弁ボディ11は、シリンダ室13を閉鎖する合成樹脂材料製の蓋部材14を有している。蓋部材14は、本体部材12の一端面に取り付けられている。
【0031】
シリンダ室13内には、合成樹脂材料製である略円筒状の弁座形成部材15が収容されている。弁座形成部材15とシリンダ室13とは同軸上に位置している。弁座形成部材15の軸方向の一端面15aは、シリンダ室13の内周面に形成された段差部13eに当接している。弁座形成部材15の軸方向の他端面15bは、蓋部材14の内面に接している。
【0032】
シリンダ室13の底部には、弁室16が形成されている。弁室16は、弁座形成部材15の一端面15aとシリンダ室13の内側面及び底面とによって区画されている。弁室16には、弁体17が収容されている。
【0033】
本体部材12には、供給ポート18及び出力ポート19が形成されている。供給ポート18は、本体部材12の側面に開口している。供給ポート18は、第1分岐路5bにおけるパイロット式切換弁10aよりも本流路5a側の流路に接続されている。シリンダ室13の内側面における弁室16を区画する部位には、弁室16と供給ポート18とを連通する連通孔20が形成されている。よって、弁室16は、連通孔20を介して供給ポート18に連通している。
【0034】
出力ポート19は、本体部材12における供給ポート18が開口している側面とは異なる側面に開口している。出力ポート19は、第1分岐路5bにおけるパイロット式切換弁10aよりも第1吸着筒3側の流路に接続されている。出力ポート19は、シリンダ室13の内側面において、段差部13eよりも弁室16とは反対側に開口している。供給ポート18の延在方向と出力ポート19の延在方向とは直交している。
【0035】
弁座形成部材15の外周面とシリンダ室13の内周面との間には、弁室16と出力ポート19との間をシールするOリング21が介在されている。また、弁座形成部材15の外周面とシリンダ室13の内周面との間には、出力ポート19とシリンダ室13の開口側との間をシールするOリング22が介在されている。
【0036】
弁ボディ11内において、弁座形成部材15には、出力ポート19に連通する連通路23が形成されている。連通路23は、弁座形成部材15の軸方向に対して直交する方向に延びている。また、弁座形成部材15には、弁室16と連通路23とを連通する弁孔24が形成されている。弁孔24は、弁座形成部材15の軸方向に延びる円孔形状であるとともに弁座形成部材15の中央部に形成されている。弁孔24の中心軸は、弁座形成部材15及びシリンダ室13と同軸上に位置している。
【0037】
弁座形成部材15の一端面15aにおける弁孔24の周囲には、円環状の弁座25が突出している。よって、弁座25は、弁室16に形成されている。弁座25には、弁体17が着座する。
【0038】
弁座形成部材15の他端面15bには、凹部15cが形成されている。そして、弁ボディ11内において、凹部15cの内側面及び底面と蓋部材14の内面との間には、ピストン室26が形成されている。弁座形成部材15における凹部15cの底壁15dは、ピストン室26と連通路23とを隔てる隔壁として機能している。
【0039】
凹部15cの底壁15dには、連通路23に連通する貫通孔27が形成されている。貫通孔27は、弁座形成部材15の軸方向に延びる円孔形状であるとともに底壁15dの中央部に形成されている。貫通孔27の中心軸は、弁座形成部材15及びシリンダ室13と同軸上に位置している。したがって、弁孔24の中心軸と貫通孔27の中心軸とは一致している。本実施形態において、弁孔24の孔径と貫通孔27の孔径とは同じである。
【0040】
ピストン室26には、合成樹脂材料製である円板状のピストン28が往復動可能に収容されている。ピストン28の外周面には、ピストン28の外周面と凹部15cの内周面との間をシールするリップパッキン28sが装着されている。ピストン室26におけるリップパッキン28sよりも蓋部材14側の空間は、パイロット流体が給排されるパイロット圧作用室26aになっている。
【0041】
ピストン28には円柱状のピストンロッド29が設けられている。ピストンロッド29は、ピストン28の一端面から突出している。ピストンロッド29は、ピストン28と一体形成されている。よって、ピストンロッド29は合成樹脂材料製である。ピストンロッド29は、ピストン室26から貫通孔27、連通路23及び弁孔24を介して弁室16に突出している。そして、ピストンロッド29における弁室16に突出した部位には、弁体17が取り付けられている。
【0042】
ピストンロッド29は、ピストン28の一端面に連続する大径部29aと、大径部29aにおけるピストン28とは反対側の端面291aに連続し、大径部29aから離れるにつれて外径が縮径していくテーパ部29bと、テーパ部29bにおける大径部29aとは反対側に連続し、弁室16に突出する小径部29cと、を有している。弁体17は、小径部29cの先端部に取り付けられている。
【0043】
大径部29aの外径は、貫通孔27の孔径と同じである。よって、大径部29aの外径は、弁孔24の孔径と同じである。ピストンロッド29は、大径部29aが貫通孔27の内周面に案内されながら往復動する。大径部29aの外周面には、大径部29aと貫通孔27との間をシールするシール部材30が装着されている。シール部材30は、リップパッキンである。
【0044】
大径部29aの端面291a及びテーパ部29bのテーパ面291bは、弁体17を弁座25に着座させる方向への圧力を受圧するピストンロッド29における連通路23に臨む受圧面29eである。そして、弁体17を弁座25から離間させる方向への圧力を受圧する弁体17における弁座25の内側に臨む受圧面17eの面積をS1とし、受圧面29eの面積をS2とすると、受圧面17eの面積S1と受圧面29eの面積S2は、同じ(S1=S2)になっている。
【0045】
凹部15cの底面における貫通孔27の周囲には、円環状の溝部15eが形成されている。そして、ピストン室26において、ピストン28の一端面と溝部15eの底面との間には、付勢ばね31が収容されている。付勢ばね31は、弁体17を弁座25に着座させる方向へピストン28を付勢する。
【0046】
パイロット式切換弁10aは、ピストン28を往復動させるためにパイロット流体をパイロット圧作用室26aに対して給排するパイロット弁40を備えている。パイロット弁40は、非磁性材製(合成樹脂材料製)のパイロット弁ボディ41を備えている。また、パイロット弁40は、パイロット弁ボディ41に形成された流路を切り換えるゴム製のパイロット弁体42と、パイロット弁体42を移動させるソレノイド部43とを備えている。
【0047】
パイロット弁ボディ41の一側面(底面)には、パイロット流体供給ポート41a、パイロット流体出力ポート41b、及びパイロット流体排出ポート41cが形成されている。パイロット弁ボディ41には、パイロット弁座形成部材44が取り付けられている。パイロット弁座形成部材44は、パイロット弁ボディ41と協働してパイロット弁体42を収容するパイロット弁体室45を区画している。パイロット弁体室45は、パイロット流体供給ポート41a、パイロット流体出力ポート41b、及びパイロット流体排出ポート41cに連通している。
【0048】
パイロット弁ボディ41において、パイロット弁体室45内に臨む端面であり、パイロット流体供給ポート41aのパイロット弁体室45への開口周囲には、パイロット弁体42が着座する供給側のパイロット弁座41eが形成されている。また、パイロット弁座形成部材44において、パイロット弁体室45内に臨む端面であり、パイロット流体排出ポート41cのパイロット弁体室45への開口周囲には、パイロット弁体42が着座する排出側のパイロット弁座44eが形成されている。
【0049】
パイロット弁体42は、両パイロット弁座41e,44eに対して接離可能に構成されている。パイロット弁体室45内において、パイロット弁ボディ41とパイロット弁体42との間にはパイロット弁体ばね46が介在されている。パイロット弁体ばね46は、パイロット弁体42をパイロット弁座44eに向けて付勢する。
【0050】
パイロット弁ボディ41には、磁気フレーム47が組み付けられている。ソレノイド部43は、磁気フレーム47の内側に配設される樹脂製である筒状のボビン48に巻装されるコイル49を備えている。さらに、ソレノイド部43は、ボビン48の内側に固設される柱状の固定鉄心50と、ボビン48の内側で固定鉄心50よりもパイロット弁座形成部材44側に配置される可動鉄心51と、可動鉄心51を固定鉄心50から離間する方向へ付勢するばね52と、を備えている。
【0051】
パイロット流体供給ポート41aにおけるパイロット弁体室45とは反対側の端部は、蓋部材14及び本体部材12を貫通するパイロット流体供給用連通孔53を介して供給ポート18に連通している。また、パイロット流体出力ポート41bにおけるパイロット弁体室45とは反対側の端部は、蓋部材14を貫通するパイロット流体給排用連通孔54を介してパイロット圧作用室26aに連通している。
【0052】
図3に示すように、コイル49に電力が供給されると、コイル49が励磁されて、コイル49の周りに、磁気フレーム47、固定鉄心50及び可動鉄心51を通過する磁束が発生する。そして、コイル49の励磁作用によって固定鉄心50に吸引力が発生し、可動鉄心51がばね52の付勢力に抗して固定鉄心50に吸着される。すると、パイロット弁体42がパイロット弁体ばね46の付勢力によってパイロット弁座41eから離間する方向へ移動するとともに、パイロット弁座44eに着座する第1切換位置に切り換えられる。これにより、パイロット流体供給ポート41aとパイロット流体出力ポート41bとがパイロット弁体室45を介して連通し、パイロット流体出力ポート41bとパイロット流体排出ポート41cとのパイロット弁体室45を介した連通が遮断される。
【0053】
そして、供給ポート18に供給された空気の一部が、パイロット流体供給用連通孔53、パイロット流体供給ポート41a、パイロット弁体室45、パイロット流体出力ポート41b、及びパイロット流体給排用連通孔54を介してパイロット圧作用室26aにパイロット流体として供給される。このとき、供給ポート18に供給された空気は、連通孔20を介して弁室16に供給され、弁体17は、弁体17を弁座25に着座させる方向への圧力を受圧している。なお、弁体17を弁座25に着座させる方向への圧力を受圧する弁体17における弁室16に臨む受圧面の面積は、受圧面17eの面積S1と同じである。
【0054】
図2に示すように、供給ポート18に供給される空気の圧力をP1、ピストン28におけるパイロット圧作用室26aに供給された空気が受圧する受圧面の面積をS3、付勢ばね31のばね荷重をF、シール部材30の摺動抵抗をαとすると、以下の式(1)が成立するようになっている。
【0055】
P1×S3>P1×S1+F+α・・・(1)
そして、パイロット圧作用室26aに供給された空気の圧力によって、
図3に示すように、ピストン28が弁体17を弁座25から離間させる方向へ移動し、弁体17が弁座25から離間して、弁室16と連通路23とが弁孔24を介して連通する。これにより、パイロット式切換弁10aが開弁状態となる。
【0056】
図2に示すように、コイル49への電力の供給が停止されると、コイル49の励磁作用による固定鉄心50の吸引力が消滅し、可動鉄心51がばね52の付勢力により固定鉄心50から離間する方向へ移動する。すると、可動鉄心51の図示しない弁押圧部により、パイロット弁体42がパイロット弁体ばね46の付勢力に抗してパイロット弁座41eに向けて押圧されて、パイロット弁体42がパイロット弁座41eに着座する第2切換位置に切り換えられる。これにより、パイロット流体出力ポート41bとパイロット流体排出ポート41cとがパイロット弁体室45を介して連通し、パイロット流体供給ポート41aとパイロット流体出力ポート41bとのパイロット弁体室45を介した連通が遮断される。
【0057】
そして、パイロット圧作用室26a内の空気が、パイロット流体給排用連通孔54、パイロット流体出力ポート41b、パイロット弁体室45、及びパイロット流体排出ポート41cを介して大気へ排出される。
【0058】
このとき、連通路23の空気の圧力をP2とした場合、受圧面17eの面積S1と受圧面29eの面積S2は、同じ(S1=S2)であるため、以下の式(2)が成立している。
【0059】
P2×S2>(P2−P1)×S1−F−α・・・(2)
そして、ピストン28が弁体17を弁座25に着座させる方向へ移動し、弁体17が弁座25に着座して、弁孔24を介した弁室16と連通路23との連通が遮断される。これにより、パイロット式切換弁10aが閉弁状態となる。
【0060】
次に、本実施形態の作用について説明する。
第1分岐路5b、第2分岐路5c、第1排出流路6a、及び第2排出流路6bに設けられたパイロット式切換弁10a,10b,10c,10dを、例えば、第1開閉パターンから第2開閉パターンに切り換えたとする。すると、第1開閉パターンから第2開閉パターンに切り換えた直後では、第2吸着筒4内の圧力は未だ減圧された状態にあるため、空気供給源2から供給されて供給流路5を流れる空気の圧力が一時的に低下する。したがって、供給ポート18から連通孔20を介して弁室16に供給される空気の圧力が低下し、弁室16内の圧力が低下する。
【0061】
一方、第1開閉パターンから第2開閉パターンに切り換えた直後では、第1吸着筒3内の圧力は未だ減圧される前の高い状態にある。このとき、第1分岐路5bに設けられたパイロット式切換弁10aにおいては、連通路23の圧力が、第1吸着筒3内の圧力と同じ圧力である。よって、弁室16内の圧力よりも連通路23内の圧力のほうが高くなる。
【0062】
ここで、例えば、受圧面29eの面積S2が、受圧面17eの面積S1よりも小さい場合、以下の式(3)が成立することになる。
P2×S2<(P2−P1)×S1−F−α・・・(3)
すると、弁体17が弁座25から離間してしまう場合があり、第1吸着筒3内の高濃度の窒素ガスが供給流路5を逆流して、第2吸着筒4内に流れ込んでしまう。
【0063】
そこで、本実施形態では、受圧面17eの面積S1と受圧面29eの面積S2とが同じ(S1=S2)であり、上記式(2)が成立している。このため、第1開閉パターンから第2開閉パターンに切り換えた直後において、弁体17が弁座25から離間してしまうことが無く、第1吸着筒3内の高濃度の窒素ガスが供給流路5を逆流して、第2吸着筒4内に流れ込んでしまうことが、パイロット式切換弁10aによって阻止されている。
【0064】
なお、パイロット式切換弁10a,10b,10c,10dを、第2開閉パターンから第1開閉パターンに切り換えた直後においても、第2吸着筒4内の高濃度の窒素ガスにおける供給流路5を介した第1吸着筒3内への逆流が、パイロット式切換弁10bによって阻止される。
【0065】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)弁体17を弁座25に着座させる方向への圧力を受圧するピストンロッド29における連通路23に臨む受圧面29eの面積S2が、弁体17を弁座25から離間させる方向への圧力を受圧する弁体17における弁座25の内側に臨む受圧面17eの面積S1と同じになっている。これによれば、弁室16内の圧力よりも連通路23内の圧力のほうが高くなったとしても、弁体17が弁座25から離間してしまうことが無い。よって、第1吸着筒3と第2吸着筒4との間での高濃度の窒素ガスの逆流が阻止される。したがって、第1分岐路5b及び第2分岐路5cに、第1吸着筒3と第2吸着筒4との間での高濃度の窒素ガスの逆流を阻止する逆止弁を別途設ける必要が無いため、酸素濃縮器1が大型化したり部品点数が増えたりすることなく、第1吸着筒3と第2吸着筒4との間での高濃度の窒素ガスの逆流を阻止することができる。
【0066】
(2)弁室16内の圧力よりも連通路23内の圧力のほうが高くなったとしても、弁体17が弁座25から離間してしまうことが無いように、付勢ばね31を、はね荷重の大きい付勢ばね31にする必要が無い。したがって、パイロット式切換弁10a,10bが大型化してしまうことを抑えることができる。
【0067】
(3)第1吸着筒3と第2吸着筒4との間での高濃度の窒素ガスの逆流を阻止することができるため、高濃度の酸素ガスを第1吸着筒3及び第2吸着筒4において効率良く生成することができる。
【0068】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 実施形態において、大径部29aの外径が、弁孔24の孔径よりも大きくてもよい。この場合、弁体17を弁座25に着座させる方向への圧力を受圧するピストンロッド29における連通路23に臨む受圧面29eの面積S2が、弁体17を弁座25から離間させる方向への圧力を受圧する弁体17における弁座25の内側に臨む受圧面17eの面積S1よりも大きくなる。要は、弁体17を弁座25に着座させる方向への圧力を受圧するピストンロッド29における連通路23に臨む受圧面29eの面積S2が、弁体17を弁座25から離間させる方向への圧力を受圧する弁体17における弁座25の内側に臨む受圧面17eの面積S1以上(S2≧S1)になっていればよい。
【0069】
・ 実施形態において、ピストン28とピストンロッド29とが別部材であってもよい。
・ 実施形態において、弁座25は、例えば、四角環状であってもよい。
【0070】
・ 実施形態において、ピストン室26と連通路23とを隔てる隔壁は、弁ボディ11の一部であってもよい。
・ 実施形態において、弁座形成部材15が無くてもよく、弁ボディ11に、弁座25、連通路23、弁孔24、貫通孔27が形成されていてもよい。