特許第6643278号(P6643278)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6643278
(24)【登録日】2020年1月8日
(45)【発行日】2020年2月12日
(54)【発明の名称】ボールチェア組立構造
(51)【国際特許分類】
   A47C 9/00 20060101AFI20200130BHJP
   A63B 22/16 20060101ALI20200130BHJP
   A47C 7/02 20060101ALI20200130BHJP
   A47C 3/30 20060101ALI20200130BHJP
【FI】
   A47C9/00 Z
   A63B22/16
   A47C7/02 Z
   A47C3/30
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-109778(P2017-109778)
(22)【出願日】2017年6月2日
(65)【公開番号】特開2018-201798(P2018-201798A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2017年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】506013564
【氏名又は名称】邱 錫標
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】邱 錫標
【審査官】 松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第00870444(EP,A2)
【文献】 特開2015−154876(JP,A)
【文献】 実開平06−009537(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0210249(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3197618(JP,U)
【文献】 米国特許第06746372(US,B2)
【文献】 米国特許第06447070(US,B1)
【文献】 米国特許第05690389(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 1/00−16/04,27/00−31/12
A63B 1/00−26/00
A61H 1/00−5/00,99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、球体を含むボールチェア組立構造であって
前記支持体座部と脚座体を備え、前記座部と前記脚座体昇降調整可能な支柱を介して相互に連結され、前記座部は、概ね内側に凹陥した形状に呈する有底でない収容部であり
前記球体は、前記支持体の前記座部に収容されて設置される、弾性を持つバランスボールであり、
前記座部の底部中央に、前記支柱の上端に連結するための枢結部が設けられ、かつ前記枢結部の内壁を被覆して金属リングが設置され、前記座部の底部の前記枢結部近くに調整部材の取り付けに用いる少なくとも1つの開口が設けられ、前記支柱の上端に押圧部が設けられ、かつ前記調整部材を介して前記支柱の押圧部を連動して押圧し、昇降動作を達成することを特徴とする、ボールチェア組立構造。
【請求項2】
前記座部の上端に少なくとも1つのフレームが設置され、前記フレームが環状形のフレームであり、かつ前記球体が前記フレームにより包接されて位置規制されることを特徴とする、請求項1に記載のボールチェア組立構造。
【請求項3】
前記座部と前記フレームが一体成型で成ることを特徴とする、請求項2に記載のボールチェア組立構造。
【請求項4】
前記座部が前記収容の位置に等間隔で複数の嵌合を備え、前記フレームの取り付けに用いられ、前記フレームの内側に下に向かって複数の嵌合ツメが設けられ、前記フレームを前記座部上端に嵌置して固定するために用いられることを特徴とする、請求項2に記載のボールチェア組立構造。
【請求項5】
前記調整部材がハンドル体であり、その一端が前記開口から挿入されて枢支され、その一端側が前記枢結部の上端まで延伸されて前記支柱の押圧部に重ねられ、さらに蓋板が前記収容部の底部に取り付けられ、前記調整部材を規制することを特徴とする、請求項に記載のボールチェア組立構造。
【請求項6】
前記座部底部の前記枢結近くの位置に対称の2つの開口が設置され、前記調整部材が円環体を備え、前記円環体の内径に対称に少なくとも2つのリンク棒が設置され、かつ前記2つのリンク棒の内側端部が前記2つの開口から前記座部内部に挿入され、さらに押さえ板で前記2つのリンク棒が相互に連結され、かつ前記押さえ板が前記支柱の押圧部に重ねて設置され、最後に蓋板が前記収容底部に取り付けられ、前記2つのリンク棒及び前記押さえ板を規制することを特徴とする、請求項に記載のボールチェア組立構造。
【請求項7】
さらにカバー体を含み、前記カバー体が前記球体外側を被覆し、前記座部まで下に延伸されて固定されたことを特徴とする、請求項に記載のボールチェア組立構造。
【請求項8】
前記座部が外側壁面位置に複数の通を備え、前記複数の通がいずれも掛止リブを備え、前記カバー体の下端部の開口部に複数の掛止リングが設置され、前記掛止リングを前記掛止リブに掛けることで前記カバー体が固定されたことを特徴とする、請求項に記載のボールチェア組立構造。
【請求項9】
さらに底部殼体を含み、前記底部殼体が下から上に前記座部底部に組み込まれ、同時に前記カバー体の下端部を被覆し、かつ前記底部殼体の底部に前記座部の枢結に相通された挿通孔が設けられたことを特徴とする、請求項またはに記載のボールチェア組立構造。
【請求項10】
前記底部殼体が側辺部にさらに少なくとも1つの通口を備え、前記調整部材を通過させて前記座部に取り付けるために用いられることを特徴とする、請求項に記載のボールチェア組立構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボールチェアの構造に関し、特に、ボールチェア組立構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のボールチェアは主に支持座体と球体の組み合わせで成り、前記支持座体はいずれも一体成型方式で環状フレームと環状フレーム周辺のいくつかの脚部で構成され、環状フレームに外径が環状フレームより大きい球体を取り付け、ボールチェアが完成され、使用者が座って姿勢の矯正やポーズの訓練に用いられる。
【0003】
上述の従来の構造を詳細に見ると、まだいくつかの不足点があることに容易に気づくことができる。主な原因は次に帰することができる。従来のボールチェアの支持座体は一体成型で環状フレームと複数の脚部を備えており、支持座体の使用高さがすでに制限されているため、使用者のスタイルの違いに応じて調整することができず、往々にして構造の実用性に欠ける。さらに、前記支持座体は環状フレームのみで球体を位置規制しており、球体を確実に取り付けることはできるものの、実際に座って使用するとき、球体が人体の重力で下圧されて下に沈み込んだ状態になり、環状フレーム底部が空洞状となっていて、支持ユニットが設けられていないため、球体が下圧されて変形した後徐々に下に沈み込み、環状フレームを離脱してしまう恐れがあり、安全性に欠けるため、消費者の購買意欲が大幅に削がれてしまっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑み、本発明の発明者は関連製品の製造開発と設計に従事した長年の経験に基づき、上述の目標について詳細な設計と慎重な評価を行い、確実に実用性を備えた本発明を得るに至ったものである。
【0005】
本発明の解決する技術的問題は、現有技術に存在する上述の欠点に対し、ボールチェア組立構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のボールチェア組立構造は、支持体と、球体と、調整部材を含み、そのうち、前記支持体が座部と脚座体を備え、前記座部と前記脚座体間が昇降調整可能な支柱により相互に連結され、前記支柱が上端に押圧部を備え、かつ前記座部に枢設された調整部材により支柱の押圧部を押して昇降動作をさせることができ、前記座部は概ね内側に凹陥した形状であり、かつ収容を備え、前記座部上端にフレームが設置され、前記球体が前記支持体の前記座部に収容されて設置され、かつ前記フレームにより包接されて位置規制される。上述の構造により、ボールチェア組立構造が構成される。
【発明の効果】
【0007】
先行技術と比較して、本発明は次のような効果を備えている。(一)、前記ボールチェアの支持体が座部と脚座体を含み、かつ前記座部及び前記脚座体間が昇降調整可能な支柱により連結され、前記ボールチェアの使用時、使用者の体格に応じて昇降調整することができ、使用者が座ったり、訓練したりする際に有利であり、各種体型の使用者に適用でき、構造の実用性が向上される。
【0008】
(二)、前記ボールチェアは使用者が自ら組立て、分解することができ、前記ボールチェアを包装した箱を集めたとき全体の体積を効果的に減少でき、包装、運送に有利であるだけでなく、製造と輸送コストを大幅に削減できる。さらに、より簡便で迅速な組立方法を提供することで使用者が自ら組み立てられ、組立使用、分解収納の利便性が高められており、さらに組み立てたときの構造安定性が保たれ、使用上の安全性が向上される。
【0009】
(三)、前記ボールチェアは座部にフレームを組み合わせることで球体の収容・設置と位置規制が達せられ、球体の安定性が大幅に高められており、かつ前記球体及び座部をカバー体で覆い、底部殼体を組み合わせて嵌合・規制することでより確実に球体が座部から離脱しないようにすることができ、座ったときの安定性と安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の立体図である。
図2】本発明の分解図である。
図3】本発明の座部の一体成型を示す立体図である。
図4】本発明の組立断面図である。
図5】本発明の組立部分拡大断面図である。
図6】本発明の別の実施例の分解図である。
図7】本発明の別の実施例の組立後立体図である。
図8】本発明の別の実施例の組立断面図である。
図9】本発明の別の実施例の部分拡大断面図である。
図10】本発明のさらに別の実施例の分解図である。
図11】本発明のさらに別の実施例の組立断面図である。
図12】本発明のさらに別の実施例の部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の目的、特徴、効果についてより理解と認識を深められるように、以下図面を組み合わせて詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
まず、図1図2図4図5に示すように、本発明のボールチェア組立構造は、支持体10、球体20、調整部材30を含み、前記支持体10が座部11と脚座体12を備え、前記座部11と前記脚座体12間が昇降調整可能な支柱13を介して相互に連結され、前記支柱13は上端に押圧部131を備え、かつ座部11に枢設された調整部材30により支柱13の押圧部131を押して昇降動作をさせることができ、前記座部11は概ね内側に凹陥した形状であり、かつ収容111を備え、前記収容111の底部中央に金属リング113が設置され、座部11底部の枢結112近くに調整部材30を取り付けるための少なくとも1つの開口114が設けられ、また座部11の上端にさらにフレーム14が設置され、前記フレーム14は環状形のフレーム14であり、かつ前記フレーム14と座部11は一体成型とすることができ(図3参照)、また、組立方式で組立結合してもよく、そのうち、前記座部11は収容111の位置に等間隔で複数の嵌合115を備え、前記フレーム内側に下に向かって複数の嵌合ツメ141が設けられ、これにより前記フレームを座部11上端に嵌置して固定することができる。前記球体20は支持体10の座部11に収容されて設置され、かつフレーム14により包接されて位置規制される。前記調整部材30はハンドル体であり、その一端が前記開口114から挿入されて枢支され、前記端部が前記枢結112上端まで延伸されて前記支柱13の押圧部131に重ねられ、さらに蓋板31が前記収容111底部に取り付けられ、前記調整部材30を規制する。上述の構造により、ボールチェア組立構造が完成される。
【0013】
その構造の実際の使用状態は、図4図5に示すように、前記ボールチェアの球体20は使用者が座るために用いられ、かつ前記球体20は表面が弧形の隆起状であり、使用者が仕事や読書をするときに使用者のよくない姿勢を矯正し、腰痛を緩和して、脊椎の健康を回復させるほか、同時にバランスボールの訓練を行い、体幹の筋力を高め、バランスと身体の協調性を改善することができ、かつ体幹の筋力を高めることで平時の座ったときと立ったときの姿勢を改善し、バランス感覚を高めると共に背中を痛めることがないよう予防することができる。また、前記支持体10は昇降調整可能な支柱13により前記脚座体12と前記座部11が連結されており、調整部材30により支柱13の押圧部131を押して連動昇降させることができる。支柱13の押圧部131が調整部材30により押され、かつ下圧重量が支柱13の上昇力より小さいとき、前記座部11は支柱13によって押し上げられ、逆に座ったときの重量が支柱13の上昇力より大きいときは、支柱13が圧縮されて下に下がり、これによりボールチェアの昇降調整を達することができ、使用者の体格条件に合わせて適切な高さに調整し、使用者が座ったときの高さに合わせ、かつ適した姿勢を保たせることで、ボールチェアの使用上の実用性を大幅に向上することができる。また、座ったとき両足を内側に窄めて脚座体12上を踏み、足裏のリラックスと姿勢の調整を補助することもできる。
【実施例2】
【0014】
別の実施例において、図6図7図8図9に示すように、前記座部11底部の前記枢結112近くの位置に対称の2つの開口114が設置され、前記調整部材30は円環体32を備え、前記円環体32の内径に対称に少なくとも2つのリンク棒33が設置され、かつ前記2つのリンク棒33の内側端部が前記2つの開口114から前記座部11内部に挿入され、さらに押さえ板34で前記2つのリンク棒33が相互に連結され、かつ前記押さえ板34が前記支柱13の押圧部131に重ねて設置され、最後に蓋板31が前記収容111底部に取り付けられ、前記2つのリンク棒33及び前記押さえ板34を規制する。2つのリンク棒33の動きを通じて押さえ板34により支柱13の押圧部131を下に押圧させ、ボールチェアの昇降調整を達することができ、かつ前記2つのリンク棒33はいずれも円環体32の内径に固定されているため、円環体32の動きを通じてリンク棒33が連動され、押さえ板34の作動と押圧を達成する。また前記調整部材30は円方向に連動する使用状態を備え、調整部材30の動きによる調整の利便性が向上される。
【実施例3】
【0015】
さらに別の実施例において、図10図11図12に示すように、前記ボールチェアはさらにカバー体40と底部殼体50を含み、前記カバー体40は球体20の外側を被覆し、前記座部11まで下に延伸されて固定される。前記底部殼体50は下から上に前記座部11底部に組み込まれ、同時に前記カバー体40の下端部を被覆する。そのうち、前記座部11は外側壁面位置に複数の通116が設けられ、前記複数の通116はいずれも掛止リブ117を備え、前記カバー体40の下端部の開口114部に複数の掛止リング41が設置され、カバー体40で球体20を被覆して下に座部11まで引っ張り延伸したとき、掛止リング41を通116の掛止リブ117に掛けることでカバー体40を固定し、最後に底部殼体50を座部11底部に組み込んで、カバー体40及び底部殼体50の取り付けを完了することができる。球体20及び座部11がカバー体40及び底部殼体50により構造の全体性を保ち、球体20が座部11から離脱する恐れをより一層防止して、座ったときの安定性と安全性をさらに向上することができる。また、前記底部殼体50は底部に前記座部11の枢結112に相通された挿通孔51が設けられ、支柱13上に組み付けることができ、底部殼体50は側辺部にさらに少なくとも1つの通口52が設けられ、前記調整部材30を通過させて前記座部11に取り付けることができる。
【0016】
上述の具体的な実施例の構造により、次のような効果を得ることができる。(一)、前記ボールチェアの支持体10が座部11と脚座体12を含み、かつ前記座部11及び前記脚座体12間が昇降調整可能な支柱13により連結され、前記ボールチェアの使用時、使用者の体格に応じて昇降調整することができ、使用者が座ったり、訓練したりする際に有利であり、各種体型の使用者に適用でき、構造の実用性が向上される。
【0017】
(二)、前記ボールチェアは使用者が自ら組立て、分解することができ、前記ボールチェアを包装した箱を集めたとき全体の体積を効果的に減少でき、包装、運送に有利であるだけでなく、製造と輸送コストを大幅に削減できる。さらに、より簡便で迅速な組立方法を提供することで使用者が自ら組み立てられ、組立使用、分解収納の利便性が高められており、さらに組み立てたときの構造安定性が保たれ、使用上の安全性が向上される。
【0018】
(三)、前記ボールチェアは座部11にフレーム14を組み合わせることで球体20の収容・設置と位置規制が達せられ、球体20の安定性が大幅に高められており、かつ前記球体20及び座部11をカバー体40で覆い、底部殼体50を組み合わせて嵌合・規制することでより確実に球体20が座部11から離脱しないようにすることができ、座ったときの安定性と安全性を向上できる。
【0019】
上述をまとめると、本発明はこれまでに内構造設計で、確実に改良された発明内容を備えており、同時に産業上の利用性と進歩性を達成することができるとともに、本発明はまだいかなる刊行物にも掲載されておらず、新規を備えており、特許法関連法律の規定を満たしているため、法に基づきここに特許を出願するものである。
【0020】
以上の説明は、本発明の最良の実施例に基づくものであり、これらを以って本発明の実施の範囲を限定することはできず、本発明の特許請求の範囲に基づいた同等効果の変化や修飾はすべて本発明の特許範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0021】
10 支持体
11 座部
111 収容
112 枢結
113 金属リング
114 開口
115 嵌合
116 通
117 掛止リブ
12 脚座体
13 支柱
131 押圧部
14 フレーム
141 嵌合ツメ
20 球体
30 調整部材
31 蓋板
32 円環体
33 リンク棒
34 押さえ板
40 カバー体
41 掛止リング
50 底部殼体
51 挿通孔
52 通口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12